JP4540836B2 - ドラムブレーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はドラムブレーキに係り、特に、一対のブレーキシューを互いに接近する方向へ付勢したりバッキングプレートに押圧したりする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バッキングプレートに互いに接近離間可能に配設され、拡開装置によって互いに離間させられることにより、回転ドラムに押圧されて制動力を発生する一対のブレーキシューを備えているドラムブレーキが、例えば車両用の常用ブレーキ(サービスブレーキ)やパーキングブレーキなど種々の回転制動装置に用いられている。
【0003】
図5のリーディング・トレーリング型車両用ドラムブレーキ8は、常用ブレーキおよびパーキングブレーキとして用いられるもので、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面拡大図であり、車輪を回転可能に支持している車体側部材に固設される略円板形状のバッキングプレート10には、円弧形状を成す一対のブレーキシュー12、14がシューホールドダウン装置16、18により互いに接近離間可能に配設されている。ブレーキシュー12、14は摩擦部材に相当するもので、バッキングプレート10の板面と略平行な平板状のシューウェブ20と、そのシューウェブ20の外周側端縁にT字状に一体的に固設されたシューリム22と、そのシューリム22の外周面に固着されたライニング(摩擦材)24とを備えてそれぞれ構成されている。上記シューホールドダウン装置16、18は、ブレーキシュー12、14をバッキングプレート10と略平行な方向の移動可能にバッキングプレート10に押圧して離脱不能に取り付けるためのもので、例えばシューウェブ20の中間部を貫通してバッキングプレート10に係止されるピンや、そのピンの先端部(頭部)に配設されたカップとシューウェブ20との間に設けられた圧縮コイルスプリングなどを備えて構成されている。本実施例ではブレーキシュー12がリーディングシューで、ブレーキシュー14がトレーリングシューである。
【0004】
一対のブレーキシュー12、14の一端部(上端部)は、バッキングプレート10に配設されたブレーキアクチュエータ26の両端部とそれぞれ係合させられて、常用ブレーキの制動時、すなわちブレーキ操作部材であるブレーキペダルの踏込み操作時には、そのブレーキアクチュエータ26によってそれぞれ離間する方向へ拡開させられ、車輪と一体的に回転する回転ドラム27に押圧されて制動力を発生する。ブレーキアクチュエータ26は拡開装置として機能するもので、ブレーキペダルの踏込み操作力に応じて油圧を発生する油圧シリンダなどである。ブレーキアクチュエータ26の近傍であってバッキングプレート10の内周側の位置には、ブレーキシュー12、14に跨がってリターンスプリング(実施例では引張コイルスプリング)28が張設され、互いに接近する方向へ付勢されているとともに、リターンスプリング28の内部を挿通するようにストラット30が配設され、非制動時にリターンスプリング28の付勢力に従って接近させられる一対のブレーキシュー12、14の待機位置(接近位置)が規定されるようになっている。また、ブレーキシュー12、14の他端部(下端部)は、バッキングプレート10または車体側部材に一体的に固定されたアンカ32にそれぞれ当接させられており、そのアンカ32によって制動力が受け止められるとともに、常には引張コイルスプリング33によってアンカ32との係合状態が維持されるようになっている。
【0005】
一方のブレーキシュー14のシューウェブ20のバッキングプレート10側の面には、パーキングブレーキレバー34がブレーキアクチュエータ26側に位置する部分においてシューウェブ20に対して略垂直な取付軸36の軸心まわりに回動可能に取り付けられているとともに、前記ストラット30は、このパーキングブレーキレバー34と他方のブレーキシュー12とに跨がって配設されている。したがって、運転席に設けられたパーキングブレーキ操作レバーが操作され、ブレーキケーブル38が引っ張られてパーキングブレーキレバー34が取付軸36の左まわりに回動させられると、ストラット30を介してブレーキシュー12が右方向へ移動させられ、回転ドラム27に押圧されて制動力を発生するとともに、反作用で取付軸36と共にブレーキシュー14が左方向へ移動させられ、回転ドラム27に押圧されて制動力を発生する。パーキングブレーキレバー34は、パーキングブレーキの非制動時には前記リターンスプリング28や、ブレーキケーブル38の周囲に配設されたリターンスプリング39の作用で係合突起34aがブレーキシュー14のシューリム22に当接する一定の基準位置に保持され、ブレーキシュー14はパーキングブレーキレバー34を介してストラット30により待機位置が規定される。上記パーキングブレーキレバー34やストラット30も、一対のブレーキシュー12、14を互いに離間させる拡開装置に相当する。
【0006】
ストラット30は、パーキングブレーキレバー34を介して一方のブレーキシュー14に回転不能に係合させられた第1ストラット部材40と、他方のブレーキシュー12のシューウェブ20に回転不能に係合させられた第2ストラット部材42と、それ等のストラット部材40、42の間に回転可能に配設されたアジャスタホイール44とを備えている。円板形状のアジャスタホイール44には、雄ねじが設けられたねじ軸48および円柱形状の嵌合軸50が互いに反対方向へ突き出すように中心線上に一体的に設けられており、ねじ軸48は第1ストラット部材40に設けられたねじ穴に螺合されている一方、嵌合軸50は第2ストラット部材42に設けられた嵌合穴に相対回転可能に嵌合されている。
【0007】
上記アジャスタホイール44は、ブレーキシュー12に配設されたアジャストレバー52と共にシュー間隙自動調節機構54を構成しており、そのアジャストレバー52によってアジャスタホイール44が一方向へ回転させられると、ねじの作用で第1ストラット部材40がアジャスタホイール44から離間させられてストラット30の全長が伸長し、非制動時における一対のブレーキシュー12、14の待機位置が離間させられることにより、ライニング24の摩耗に拘らずブレーキシュー12、14と回転ドラム27との間のシュー間隙(両方の合計)が略一定に維持される。
【0008】
アジャストレバー52は、ブレーキシュー12のシューウェブ20に対して垂直な取付軸56の軸心まわりに回動可能に、シューウェブ20のバッキングプレート10側に配設されているとともに、そのブレーキシュー12との間に設けられた引張コイルスプリング58によって取付軸56の左まわりへ付勢され、常には係合部52aが第2ストラット部材42に係合させられて、その第2ストラット部材42を第1ストラット部材40側へ付勢している。これにより、常用ブレーキの制動時に一対のブレーキシュー12、14が離間させられる際には、その離間に伴ってストラット30が反対側のブレーキシュー14に追従して移動させられるとともに、アジャストレバー52は、そのストラット30とブレーキシュー12との相対移動に伴って取付軸56まわりに回動させられる。アジャストレバー52の回動量は、ブレーキシュー12、14の離間量すなわち非制動時におけるシュー間隙に対応し、その回動量が一定量を越えると先端の爪部52bがアジャスタホイール44に係合させられ、そのアジャスタホイール44を一方向へ回転させてストラット30を伸長させる。引張コイルスプリング58は付勢手段に相当する。
【0009】
常用ブレーキの解除時には、リターンスプリング28の付勢力に従ってブレーキシュー12と第2ストラット部材42とが当接するまでストラット30が右方向へ移動させられるのに伴い、アジャストレバー52は引張コイルスプリング58の付勢力に抗して取付軸56の右まわりに戻り回動させられる。アジャスタホイール44の外周部には、一方向と反対方向へ歯先が傾斜している鋸歯が全周に設けられており、制動時(ブレーキシュー12、14の離間時)にはアジャストレバー52の爪部52bと係合させられることによりその一方向へ回転させられるが、制動解除時のアジャストレバー52の戻り回動時には、ねじ軸48等の摩擦による回転抵抗によってアジャスタホイール44の戻り回転が阻止され、爪部52bが鋸歯を乗り越えるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のドラムブレーキにおいては、一対のブレーキシュー12、14がそれぞれシューホールドダウン装置16、18によってバッキングプレート10に配設されているとともに、両ブレーキシュー12、14に跨がって張設されたリターンスプリングによって待機位置まで戻されるようになっているため、部品点数や組付工数が多くてコストが高くなるとともに重量が重くなるという問題があった。
【0011】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、部品点数を少なくしてコストダウンおよび軽量化を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、バッキングプレートに互いに接近離間可能に配設され、拡開装置によって互いに離間させられることにより、回転ドラムに押圧されて制動力を発生する一対のブレーキシューを備えているドラムブレーキにおいて、(a) 前記バッキングプレートに配設されるとともに、一対のアームがそれぞれ前記一対のブレーキシューに係止され、その一対のブレーキシューを互いに接近する方向へ付勢するとともにバッキングプレートに押圧するトーションスプリングを有し、且つ、(b) そのトーションスプリングは、前記一対のアームが略U字形状に突き出しているもので、中間位置において、前記バッキングプレートと一体的に配設されているアンカに取付プレートを介して取り付けられ、その一対のアームが弾性的に拡開させられた状態で前記一対のブレーキシューに係止されている一方、(c) 前記取付プレートには、前記トーションスプリングの前記中間位置に係止されることにより、前記一対のアームの先端側が前記バッキングプレートに接近するように付勢するばね部が一体に設けられていることを特徴とする。
【0014】
第2発明は、バッキングプレートに互いに接近離間可能に配設され、拡開装置によって互いに離間させられることにより、回転ドラムに押圧されて制動力を発生する一対のブレーキシューを備えているドラムブレーキにおいて、(a) 前記バッキングプレートに配設されるとともに、一対のアームがそれぞれ前記一対のブレーキシューに係止され、その一対のブレーキシューを互いに接近する方向へ付勢するとともにバッキングプレートに押圧するトーションスプリングを有し、且つ、(b) そのトーションスプリングは、中間位置に円環形状のコイル部を有するとともに、そのコイル部から前記一対のアームが略U字形状に突き出しているもので、そのコイル部において、前記バッキングプレートと一体的に配設されているアンカに取付プレートを介して取り付けられ、その一対のアームが弾性的に拡開させられた状態で前記一対のブレーキシューに係止されているとともに、その取付プレートによってそのコイル部が弾性変形させられることにより、自身の弾性で前記一対のアームの先端側を前記バッキングプレートに接近するように押圧するようになっていることを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
第1発明および第2発明のドラムブレーキにおいては、トーションスプリングによって一対のブレーキシューが互いに接近する方向へ付勢されるとともにバッキングプレートに押圧されるようになっているため、従来のように個々のブレーキシューをシューホールドダウン装置によってバッキングプレートに取り付けたり、両ブレーキシューに跨がって張設されたリターンスプリングによって待機位置まで戻したりする場合に比較して、部品点数や組付工数が大幅に節減されて軽量且つ安価に構成される。
【0016】
また、第1発明では、トーションスプリングをアンカに取り付けるための取付プレートにばね部が一体に設けられ、トーションスプリングを介して一対のブレーキシューがバッキングプレートに押圧されるようになっているため、ばね部を取付プレートと別体に設ける場合に比較して装置が一層簡単で軽量且つ安価に構成される。また、取付プレートに設けられたばね部によってトーションスプリングを付勢し、一対のブレーキシューをバッキングプレートに押圧するため、第2発明のようにトーションスプリング自体の弾性で押圧する場合に比較して、所定の押圧力を安定して作用させることができる。
【0017】
第2発明では、コイル部を有するトーションスプリングが用いられ、そのコイル部が弾性変形させられることにより、自身の弾性で一対のアームの先端側をバッキングプレートに接近させて一対のブレーキシューをバッキングプレートに押圧するようになっているため、第1発明のように取付プレートにばね部を設ける場合に比較して装置が簡単に構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、車両用ドラムブレーキに好適に適用されるが、車両用以外の各種の回転制動装置にも適用され得る。また、常用ブレーキ用のドラムブレーキでもパーキングブレーキ用のドラムブレーキでも差し支えなく、両方の機能を有するものや、ディスクブレーキにドラムブレーキが内蔵されているドラムインディスクブレーキにも適用され得る。ドラムブレーキとしては、リーディング・トレーリング型、デュオサーボ型、ツー・リーディング型など、種々のタイプのものに適用することが可能である。なお、車両には、自動車だけでなく電車や自動二輪車なども含む。
【0019】
拡開装置は、油圧シリンダなどのブレーキアクチュエータであっても良いし、ブレーキレバーおよびストラットにより機械的に拡開させるものでも良いなど、種々の装置を採用できる。
【0020】
アンカは、バッキングプレートに固定されるものでも良いが、バッキングプレートが固設される車体側部材等の支持部材に直接固定されるものでも良い。また、取付プレートは、トーションスプリングを取り付けることだけを目的として配設されるものでも良いが、アンカに当接させられる一対のブレーキシューと係合させられて位置決めする機能(バッキングプレートからの離間防止機能)など、他の機能を兼用しているものでも良い。
【0021】
第2発明では円環形状のコイル部を有するトーションスプリングが用いられているが、第1発明の実施に際しても、円環形状のコイル部を有するトーションスプリングを採用することができる。コイル部の円環形状は、完全な円である必要はなく楕円などでも差し支えない。
【0022】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が前記図5のリーディング・トレーリング型車両用ドラムブレーキ8に適用された場合の車両用ドラムブレーキ60を説明する図で、(a) はパーキングブレーキレバー34などの一部の構成部品を省略した概略構成を示す斜視図、(b) はトーションスプリング62の取付部分を示す斜視図、(c) は(b) におけるC−C断面図であり、図5の車両用ドラムブレーキ8に比較して、シューホールドダウン装置16、18およびリターンスプリング28の代わりにトーションスプリング62が用いられている点が相違する。
【0023】
トーションスプリング62は、一対のアーム62a、62bを有して略U字形状乃至は半円弧形状を成しており、全体としてバッキングプレート10と略平行になる姿勢で配設され、アーム62a、62bの間の中間位置62cにおいて、取付プレート64を介してアンカ66に取り付けられている。取付プレート64には、中間位置62cの中央部分をバッキングプレート10から離間する方向へ付勢するU字形状のばね部64aが一体に設けられているとともに、その中央部分の両側に係合させられてバッキングプレート10から離間することを阻止する一対の爪部64b、64cを備えており、これによりアーム62a、62bの先端側がバッキングプレート10に接近するようにトーションスプリング62が付勢される。
【0024】
一対のアーム62a、62bの先端は、前記ストラット30の近傍まで延び出し、ブレーキシュー12、14のシューウェブ20に設けられた係止穴20hにそれぞれ係止されているとともに、アーム62a、62bの中間部分には、配設状態においてバッキングプレート10側へ膨出する凸部が設けられてシューウェブ20の中央付近、すなわち前記シューホールドダウン装置16、18の配設部と略同じ部分に係合させられるようになっており、前記ばね部64aによってアーム62a、62bの先端側がバッキングプレート10に接近するように付勢されることにより、その凸部を介して一対のブレーキシュー12、14がバッキングプレート10に押圧される。これにより、シューホールドダウン装置16、18が不要となる。
【0025】
また、一対のアーム62a、62bは、弾性的に拡開させられた状態で係止穴20hに係止されており、自身の弾性で一対のブレーキシュー12、14を互いに接近させるように付勢して、前記ブレーキアクチュエータ26やパーキングブレーキレバー34による制動の解除時に、一対のブレーキシュー12、14を待機位置まで戻すようになっている。これにより、前記リターンスプリング28が不要となる。また、トーションスプリング62の曲げRが大きいため、応力集中が緩和される。なお、本実施例では、ブレーキアクチュエータ26とストラット30との間に、両ブレーキシュー12、14に跨がって補助スプリング(引張コイルスプリング)70が配設されているが、この補助スプリング70を省略することも可能である。
【0026】
前記アンカ66は、リベット等の固設部材68によってバッキングプレート10に一体的に固設されているとともに、取付プレート64の一部はアンカ66から外側へ突き出し、アンカ66に当接させられる一対のブレーキシュー12、14と係合させられてバッキングプレート10からの離間を防止するように位置決めする機能を兼ね備えている。
【0027】
このような車両用ドラムブレーキ60においては、トーションスプリング62によって一対のブレーキシュー12、14が互いに接近する方向へ付勢されるとともにバッキングプレート10に押圧されるようになっているため、従来(図5)のように個々のブレーキシュー12、14をシューホールドダウン装置16、18によってバッキングプレート10に取り付けたり、両ブレーキシュー12、14に跨がって張設されたリターンスプリング28によって待機位置まで戻したりする場合に比較して、部品点数や組付工数が大幅に節減されて軽量且つ安価に構成される。
【0028】
また、本実施例では、トーションスプリング62をアンカ66に取り付けるための取付プレート64にばね部64aが一体に設けられ、トーションスプリング62を介して一対のブレーキシュー12、14がバッキングプレート10に押圧されるようになっているため、取付プレート64と別体にばね部材を設ける場合に比較して装置が一層簡単で軽量且つ安価に構成される。また、取付プレート64に設けられたばね部64aによってトーションスプリング62を付勢し、一対のブレーキシュー12、14をバッキングプレート10に押圧するため、トーションスプリング62自体の弾性で押圧する場合に比較して、トーションスプリング62の製作バラツキが吸収され、所定の押圧力を安定して作用させることができる。
【0029】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例で前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0030】
図2のトーションスプリング72は、5箇所の回曲部72c〜72gを備えており、その内の中央の回曲部72eが前記ばね部64aと係合させられてバッキングプレート10から離間するように付勢されているとともに、回曲部72d、72fの近傍が前記爪部64b、64cに係止され、U字形状に突き出す一対のアーム72a、72bの先端側がバッキングプレート10側(図2における紙面の裏側)へ付勢されている。このように5箇所の回曲部72c〜72gが設けられることにより、アーム72a、72bの先端側をバッキングプレート10側へ向かって押圧するばね定数が小さくなり、押圧荷重のばらつきが抑制される。なお、回曲部の数は適宜変更できる。図2は、図1の(b) に相当する斜視図である。
【0031】
図3のトーションスプリング74は、中間位置に円環形状のコイル部74cを有するとともに、そのコイル部74cから一対のアーム74a、74bが略U字形状に突き出しているもので、そのコイル部74cにおいて、前記アンカ66に取付プレート76を介して取り付けられ、一対のアーム74a、74bが弾性的に拡開させられた状態で前記一対のブレーキシュー12、14に係止されている。また、コイル部74cの上部、すなわちアーム74a、74bの突き出し側部分が、バッキングプレート10側へ弾性変形させられた状態で取付プレート76の爪部76aに係止されており、トーションスプリング74自身の弾性で一対のアーム74a、74bの先端側がバッキングプレート10に接近するように付勢されている。図3の(a) は正面図で、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【0032】
すなわち、この実施例ではトーションスプリング74自身の弾性で、一対のブレーキシュー12、14を互いに接近させて待機位置まで戻すとともに、一対のブレーキシュー12、14をバッキングプレート10に押圧するようになっているのであり、前記実施例のように取付プレート64にばね部64aを設ける場合に比較して装置が簡単に構成される。
【0033】
図4のトーションスプリング78は、中間位置に円環形状のコイル部78cを有するとともに、そのコイル部78cから一対のアーム78a、78bが略U字形状に突き出しており、そのコイル部78cにおいて、前記アンカ66に取付プレート80を介して取り付けられ、一対のアーム78a、78bが弾性的に拡開させられた状態で前記一対のブレーキシュー12、14に係止されている。この点は、前記図3のトーションスプリング74と同じであるが、コイル部78cの上部、すなわちアーム78a、78bの突き出し側部分が取付プレート80の爪部80bに係止された状態で、下端部が取付プレート80に設けられたばね部80aによりバッキングプレート10から離間する方向へ押圧されることにより、一対のアーム78a、78bの先端側がバッキングプレート10に接近するように付勢されており、この点は前記図1の実施例と同じである。図4の(a) は正面図で、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【0034】
なお、前記図1および上記図4の実施例においても、厳密にはばね部64a、80aの付勢力によってトーションスプリング62、78が弾性変形させられるが、ブレーキシュー12、14をバッキングプレート10に押圧する押圧力は、ばね部64a、80aの弾性に基づいて発生させられる。また、図4のばね部80aおよび爪部80bを通る軸を中心として略左右対称に構成されており、左右のアーム78a、78bがバッキングプレート10に押圧する力のバランスが取れる構造となっている。図3も同様に左右対称に構成され、左右のバランスが取れるようになっている。
【0035】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるリーディング・トレーリング型車両用ドラムブレーキを説明する図で、(a) は一部の構成部品を省略した概略構成を示す斜視図、(b) はトーションスプリングの取付部分を示す斜視図、(c) は(b) におけるC−C断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を説明する図で、トーションスプリングの取付部分を示す斜視図である。
【図3】本発明の更に別の実施例を説明する図で、(a) はトーションスプリングの取付部分を示す正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【図4】本発明の更に別の実施例を説明する図で、(a) はトーションスプリングの取付部分を示す正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【図5】従来のリーディング・トレーリング型車両用ドラムブレーキの一例を説明する図で、(a) は正面図、(b) は(a) のB−B断面拡大図である。
【符号の説明】
10:バッキングプレート 12、14:ブレーキシュー 26:ブレーキアクチュエータ(拡開装置) 60:車両用ドラムブレーキ 62、72、74、78:トーションスプリング 62a、62b、72a、72b、74a、74b、78a、78b:アーム 64、76、80:取付プレート64a、80a:ばね部 66:アンカ 74c:コイル部
Claims (2)
- バッキングプレートに互いに接近離間可能に配設され、拡開装置によって互いに離間させられることにより、回転ドラムに押圧されて制動力を発生する一対のブレーキシューを備えているドラムブレーキにおいて、
前記バッキングプレートに配設されるとともに、一対のアームがそれぞれ前記一対のブレーキシューに係止され、該一対のブレーキシューを互いに接近する方向へ付勢するとともに該バッキングプレートに押圧するトーションスプリングを有し、且つ、
該トーションスプリングは、前記一対のアームが略U字形状に突き出しているもので、中間位置において、前記バッキングプレートと一体的に配設されているアンカに取付プレートを介して取り付けられ、該一対のアームが弾性的に拡開させられた状態で前記一対のブレーキシューに係止されている一方、
前記取付プレートには、前記トーションスプリングの前記中間位置に係止されることにより、前記一対のアームの先端側が前記バッキングプレートに接近するように付勢するばね部が一体に設けられている
ことを特徴とするドラムブレーキ。 - バッキングプレートに互いに接近離間可能に配設され、拡開装置によって互いに離間させられることにより、回転ドラムに押圧されて制動力を発生する一対のブレーキシューを備えているドラムブレーキにおいて、
前記バッキングプレートに配設されるとともに、一対のアームがそれぞれ前記一対のブレーキシューに係止され、該一対のブレーキシューを互いに接近する方向へ付勢するとともに該バッキングプレートに押圧するトーションスプリングを有し、且つ、
該トーションスプリングは、中間位置に円環形状のコイル部を有するとともに、該コイル部から前記一対のアームが略U字形状に突き出しているもので、該コイル部において、前記バッキングプレートと一体的に配設されているアンカに取付プレートを介して取り付けられ、該一対のアームが弾性的に拡開させられた状態で前記一対のブレーキシューに係止されているとともに、該取付プレートによって該コイル部が弾性変形させられることにより、自身の弾性で前記一対のアームの先端側を前記バッキングプレートに接近するように押圧するようになっている
ことを特徴とするドラムブレーキ。
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