JPH1067882A - 樹脂用配合剤、その製法及びそれを用いたオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

樹脂用配合剤、その製法及びそれを用いたオレフィン系樹脂組成物

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JPH1067882A
JPH1067882A JP9146039A JP14603997A JPH1067882A JP H1067882 A JPH1067882 A JP H1067882A JP 9146039 A JP9146039 A JP 9146039A JP 14603997 A JP14603997 A JP 14603997A JP H1067882 A JPH1067882 A JP H1067882A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂用配合剤、樹脂フイルム用AB剤として
有効な低吸湿性の非晶質シリカアルミナ球状粒子、その
製造方法及びその粒子を用いたオレフイン系樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 酸化物基準でSiO2 /Al2 3 =2
乃至3.4の範囲のモル比を有し且つ粒子表面にギザギ
ザ形状を有する球状のPc型ゼオライトの酸処理と熱処
理とに得られ、酸化物基準でモル比がSiO2 /Al2
3 =2.1乃至3.3、平均粒子径が0.3乃至10
μmで、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下、
嵩密度が0.5乃至1.2g/mlの範囲で、水性分散
体のpHが6乃至10であり、且つ該ゼオライトの粒子
構造を実質上そのまま保持した非晶質定形粒子から成る
樹脂用配合剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系樹脂
等に対して配合される樹脂用配合剤に関するもので、よ
り詳細には、形成されるフィルムのアンチブロッキング
性、安定性、耐磨耗性、諸物性等に優れている樹脂用配
合剤に関する。本発明は更に、オレフィン系樹脂、特
に、メタロセン系触媒を用いて得られるオレフィン系樹
脂と特定の無機配合剤とを含有し、安定性や耐磨耗性、
更には耐発泡性、その他の物性に優れたオレフィン系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフ
ィン系共重合体のごときオレフィン系樹脂は、成形性に
優れ、衛生的特性、機械的特性、透明性等に優れてお
り、廃棄処理も容易であることから、フィルムの形で、
包装材料、農業用フィルム等の各種用途に広く使用され
ている。
【0003】これらのフィルム、特に延伸フィルムを取
り扱う際、フィルム面同士が密着して剥離しにくくなる
所謂ブロッキングが生じ、これを防止するためにアンチ
ブロッキング剤を配合することが広く行われており、こ
のようなアンチブロッキング剤としては、各種無機粒
子、例えば非晶質シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、
ゼオライト、各種クレイ等が知られている。
【0004】本出願人の出願にかかる特公昭61−36
866号公報には、 Al2 3 :SiO2 のモル比が
1:1.8乃至1:5の範囲にある組成を有する一辺の
長さが5ミクロン以下の立方体粒子から成るアルミナ−
シリカ系樹脂配合剤が記載されている。
【0005】また、特公平5−42367号公報には、
真円度及びギザギザ度が特定の範囲にある非晶質シリカ
乃至シリカアルミナ粒子が記載され、この粒子は、P型
ゼオライトに特有のX線回折像と明確な球状形状及びギ
ザギザ状の表面とを有するゼオライト粒子を合成し、こ
れを酸処理することにより製造することが記載されてい
る。
【0006】更に、特公平6−17217号公報には、
P型ゼオライトをアルカリ土類金属等でイオン交換し次
いで焼成することにより非晶質化したシリカ−アルミナ
系球状粒子が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の提案にかかるシ
リカ乃至シリカ−アルミナ系の定形粒子は、オレフィン
系樹脂に対する配合、分散が容易であり、アンチブロッ
キング性能に優れているという利点を与えるが、吸湿
性、耐磨耗性、及び安定性の組み合わせにおいては、未
だ十分満足すべきものではない。
【0008】第1の提案に見られる立方体粒子形状のも
のは、配合フィルム同士がこすれたときの耐磨耗性が比
較的大きく、特に吸湿性の減少を目的として高温で焼成
したものではその傾向が特に大きい。
【0009】第2の提案に見られる球状粒子は、未だ吸
湿量が大きく、樹脂に配合し、加工する際、発泡する傾
向が大きく、また製造する際、P型ゼオライト中のシリ
カ分が反応媒体中に溶出して、目的物の歩留まりが低い
という不利益がある。
【0010】第3の提案に見られる球状粒子は、目的物
の歩留まりが大きいこと及び吸湿傾向が比較的少ないこ
とでは満足しうるものではあるが、アルカリ性が強いた
め、樹脂に配合したときの安定性に問題があり、樹脂用
配合剤を分解したり、或いは着色を生じることが問題で
ある。
【0011】このように、アンチブロッキング剤等の樹
脂用配合剤としては、その分散性のために、球状等の定
形粒子であることは当然必要なことであるが、それと同
時にpHが中性付近であって、樹脂組成物の安定性に優
れていること、配合樹脂フィルムの耐磨耗性が低いレベ
ルに抑制されていること、吸湿傾向が少なくて、樹脂の
発泡が抑制されていることが同時に要求される。
【0012】従って、本発明の目的は、上記要請を満足
する定形粒子状の樹脂用配合剤及びその製造法を提供す
るにある。
【0013】本発明の他の目的は、オレフィン系樹脂、
特に、メタロセン系触媒を用いて得られるオレフィン系
樹脂と特定の無機配合剤とを含有し、安定性や耐磨耗
性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたオレフィン
系樹脂組成物を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸化物
基準でSiO2 /Al2 3 =2乃至3.4の範囲のモ
ル比を有し且つ粒子表面にギザギザ形状を有する球状の
Pc型ゼオライトの酸処理と熱処理とに得られ、酸化物
基準でモル比がSiO2 /Al2 3 =2.1乃至3.
3、平均粒子径が0.3乃至10μm、平衡水分吸湿量
(RH90%)が10%以下、嵩密度が0.5乃至1.
2g/mlの範囲で、水性分散体としてのpHが6乃至
10であり、且つ該ゼオライトの粒子構造を実質上その
まま保持した非晶質定形粒子から成る樹脂用配合剤が提
供される。
【0015】本発明によればまた、酸化物基準でSiO
2 /Al2 3 =2乃至3.4の範囲のモル比を有し且
つ粒子表面にギザギザ形状を有する球状のPc型ゼオラ
イトを、ゼオライト中のナトリウム分の少なくとも一部
が除去され且つ酸化物基準でモル比がSiO2 /Al2
3 =2.1乃至3.3となる条件下に酸処理する工程
と、酸処理物を焼成する工程との組み合わせにより、前
記ゼオライトを非晶質化することを特徴とする非晶質定
形粒子の製造法が提供される。
【0016】本発明によれば更に、オレフィン系樹脂1
00重量部に、無機配合剤として、酸化物基準でSiO
2 /Al2 3 =2乃至3.4の範囲のモル比を有し且
つ粒子表面にギザギザ形状を有する球状のPc型ゼオラ
イトの酸処理と熱処理とに得られ、酸化物基準でモル比
がSiO2 /Al2 3 =2.1乃至3.3、平均粒子
径が0.3乃至10μm、平衡水分吸湿量(RH90
%)が10%以下、嵩密度が0.5乃至1.2g/ml
の範囲で、水性分散体としてのpHが6乃至10であ
り、且つ該ゼオライトの粒子構造を実質上そのまま保持
した非晶質定形粒子を0.01乃至10重量部含有させ
て成ることを特徴とするオレフィン系樹脂組成物が提供
される。
【0017】本発明によれば更にまた、メタロセン触媒
を用いて得られたオレフィン系樹脂を含有する樹脂10
0重量部に、無機配合剤として、酸化物基準でSiO2
/Al2 3 =2乃至3.4の範囲のモル比を有し且つ
粒子表面にギザギザ形状を有する球状のPc型ゼオライ
トの酸処理と熱処理とに得られ、酸化物基準でモル比が
SiO2 /Al2 3 =2.1乃至3.3、平均粒子径
が0.3乃至10μm、平衡水分吸湿量(RH90%)
が10%以下、嵩密度が0.5乃至1.2g/mlの範
囲で、水性分散体としてのpHが6乃至9であり、且つ
該ゼオライトの粒子構造を実質上そのまま保持した非晶
質定形粒子を0.01乃至10重量部及びレーザー散乱
回折法測定して、0.2乃至10μmの粒径を有するリ
チウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩0.01乃至1
0重量部を含有させてなる樹脂組成物から成る農業用フ
ィルムが提供される。
【0018】本発明の樹脂用配合剤では、 1.前記配合剤の酸化物基準のモル比がSiO2 /Al
2 3 =2.1乃至3.3であること、 2.前記配合剤の水性分散体のPHが6乃至10の範囲
にあること、 3.前記定形粒子が実質上球状粒子で且つBET比表面
積が50m2 /g以下であること、 4.前記定形粒子が、酸化物基準でSiO2 /Al2
3 =2.1乃至3.3の範囲のモル比を有し且つ粒子表
面にギザギザ形状を有する球状のPc型ゼオライトの酸
処理と焼成とにより得られ、且つ該ゼオライトの粒子構
造を実質上そのまま保持した球状非晶質定形粒子である
こと、が好ましい。
【0019】本発明の配合剤は、オレフィン系樹脂一般
に広く適用できるが、特にメタロセン触媒を用いて得ら
れるオレフィン系樹脂、最も好適にはエチレン−α−オ
レフィン共重合体に適用した場合に著しい効果が達成さ
れる。
【0020】
【発明の実施形態】本発明の樹脂用配合剤は、Pc型ゼ
オライトに特有の粒子形状を有する非晶質定形粒子であ
りながら、酸化物基準のモル比がSiO2 /Al2 3
=2.1乃至3.3の範囲にあること、即ちシリカ成分
に対するアルミナ成分の含有量が比較的大きいことが顕
著な特徴である。
【0021】即ち、シリカ成分は酸性であり、アルミナ
成分は塩基性であるが、本発明においてはSiO2 /A
2 3 のモル比を上記の特定の範囲に保つことによ
り、水性分散体のPHを6乃至10の範囲にすることが
でき、樹脂、特にメタロセン触媒を使用して合成した樹
脂のフィルムに使用する場合は、PHを6乃至9、特に
6.5乃至8の中性近傍に維持したものを合成すること
も可能となり、配合剤が酸性側或いはアルカリ性側に偏
ることの不利益を解消することもできる。
【0022】また、シリカアルミナ系粒子、特にゼオラ
イトの酸処理によるシリカアルミナ系粒子では、アルミ
ナ成分の含有量が低くなるほど、平衡水分吸湿量(RH
90%)が増大する傾向があるが、本発明では、SiO
2 /Al2 3 のモル比を前述した特定の範囲に制御し
たことにより、この平衡水分吸湿量(RH90%)を1
0%以下に抑制し、樹脂配合時の発泡等の問題を解消で
きるものである。
【0023】従来Pc型ゼオライトの酸処理により製造
された非晶質シリカ乃至シリカアルミナは、前述した特
公平5−42367号(特開昭63−182212号公
報)に見られるとおり、SiO2 60〜99.99
%、Al2 3 0〜25%、Na2 O 0〜12%の
重量組成を有するものであり、SiO2 /Al2 3
モル比は4.08以上に相当するものであった。また、
その実施例によると、原料となるPc型ゼオライトとし
ては、SiO2 /Al2 3 のモル比が3.78〜7の
ものが使用されていた。これは、SiO2 /Al2 3
のモル比が高いほど、Pc型ゼオライトが生成しやすい
こと、更にゼオライトの酸処理工程においても、Pc型
ゼオライトの形状を保持しやすいことの理由によるもの
である。
【0024】SiO2 /Al2 3 のモル比が2乃至
3.4の低モル比であるPc型ゼオライトの合成では、
Pc型以外にA型やX型のゼオライトが混在しやすいが
(後述の比較例参照)、本発明者らは、今回、ケイ酸ソ
ーダ液とアルミン酸ソーダ液の反応後、生成したアルミ
ノケイ酸ゲルを80℃以上の温度で激しく攪拌すること
により、SiO2 /Al2 3 のモル比が2乃至3.4
の低モル比のPc型ゼオライトを合成可能であること、
及びこの低モル比のPc型ゼオライトは、ナトリウム分
の少なくとも一部を除去する程度の軽度の酸処理と焼成
との組み合わせでで非晶質化が可能であることを見いだ
し、本発明に到達した。また、SiO2 /Al2 3
モル比が低い場合には、ケイ酸ソーダ液とアルミン酸ソ
ーダ液の反応を80℃以上で行うこと及び/又は反応後
直ちに80℃に保つこと、生成したアルミノケイ酸ゲル
を80℃以上の温度で連続且つ激しく攪拌することが有
効であることも見いだした。この点について説明する
と、Pc型ゼオライトとして、シリカ/アルミナモル比
の小さいものを選択すると共に、このゼオライトを、軽
度の酸処理、即ち非晶質化の程度が未だ不完全な酸処理
に付すると共に、この酸処理物を更に焼成に付すること
により、非晶質化の程度が完全なものとなるのである。
【0025】即ち、従来のPc型ゼオライトの酸処理で
は、ゼオライト中のアルミナ分をかなり除去しないと、
非晶質が達成できなかったが、本発明では、SiO2
Al23 のモル比をほとんど変化させることなく非晶
質化が可能であるため、粒子中の構造が緻密であって、
嵩密度が0.5乃至1.2g/mlの高い範囲にあり、
また吸湿傾向も至って少なく、更にpHも中性付近にあ
り、製造上も収率が高く、粒子の崩壊や粒子同士の凝集
がなく、粒子の定形性や粒子サイズの均一性等に優れて
いるという利点を与える。
【0026】本発明の樹脂用配合剤は、Pc型ゼオライ
トに特有の粒子形状を有すると共に、平均粒径が0.3
乃至10μmの範囲にあるべきである。即ち、粒径が上
記範囲よりも小さいと、粒子同士の凝集が生じたり、粒
子の定形性が失われるので好ましくなく、一方上記範囲
よりも大きいと、Pc型以外の形状のものが混入する
(原料ゼオライトに起因する)ので好ましくない。
【0027】[非晶質定形粒子]図1は、本発明による
Pc型ゼオライト球状粒子(試料No.1−1)の粒子
構造を表す走査型電子顕微鏡写真であり、図2は、本発
明による低吸湿性の非晶質シリカアルミナ球状粒子(試
料No.1−3)の粒子製造を表す走査型電子顕微鏡写
真図である。また、図3は、後述の実施例1で得られた
本発明によるPc型ゼオライト及びその酸処理物に関す
る試料No.1−1、No.1−2、No.1−3のX
線回折図であり、図4は、比較例1で得られたPc型ゼ
オライト及びその酸処理物に関する試料No.H−1、
No.H−2、No.H−3のX線回折図である。
【0028】上記図1乃至4から、本発明の非晶質定形
粒子は、Pc型ゼオライトの粒子形状及び粒径を実質上
そのまま維持しながら、非晶質化されていることが理解
される。
【0029】本発明の非晶質定形粒子は、平均粒径が
0.3乃至10μmの範囲にあるが、粒径の分布は非常
にシャープである。粒度分布は、一般にコールターカウ
ンターによる体積基準の粒径分布として求められ、その
表現には種々の形式があるが、一般には大粒径側からの
積算値25%に対応する粒径(D25)と積算値75%に
対応する粒径(D75)との比で表わすことができる。本
発明に用いる細孔制御非晶質シリカ系定形粒子のD25/
D75の値は一般に1.7以下である。図9及び図10
は、本発明の非晶質定形粒子の数例の粒度分布曲線を示
す。
【0030】本発明の非晶質定形粒子は、BET法比表
面積が10乃至50m2 /gの範囲に抑制されているこ
とも特徴である。即ち、この比表面積を50m2 /g以
下に抑制することによって、嵩密度を前述した大きな範
囲として、樹脂等への配合作業性や樹脂等への分散性を
向上させ、輸送及び貯蔵をコンパクトな形で行うことが
できる。更に、非晶質定形粒子がともすれば有しやすい
吸湿傾向を抑制し、樹脂に配合する前に吸湿するのを防
止し、配合時乃至成形時に発泡するのを防止することが
できる。
【0031】[非晶質定形粒子の製造]本発明では、原
料Pc型ゼオライトとして、SiO2 /Al2 3 のモ
ル比が2乃至3.4の低モル比のものを合成する。好適
なPc型ゼオライトは次の組成を有する。 SiO2 50乃至40重量% Al2 3 23乃至35重量% Na2 O 15乃至19重量%
【0032】このPc型ゼオライトは、ケイ酸ナトリウ
ムまたは活性ケイ酸ゲル、アルミン酸ナトリウム及び水
酸化ナトリウムを、下記条件、 成分比 モル比 好適モル比 Na2 O/SiO2 0.2乃至8 0.5乃至2 SiO2 /Al2 3 2乃至3.7 2.5乃至3.1 H2 O/Na2 O 20乃至200 30乃至100 を満足するように混合してアルミノケイ酸アルカリのゲ
ルを形成させる。A型ゼオライトや、X型ゼオライトの
副生を防止するためには、常圧若しくは水熱条件下で、
反応を80℃以上の高温、特に80乃至200℃の温度
で、しかも激しく攪拌して均質な条件下に結晶化させる
ことが重要である。これにより、純粋なPc型ゼオライ
トを合成する。生成するゼオライトは、水洗し、所望に
より、所定粒度への分級操作を行った後、次の酸処理を
行う。
【0033】本発明では、上記の方法で得られる球状の
Pc型ゼオライトを、ゼオライト中のナトリウム分の少
なくとも一部が除去される条件下に酸処理する工程と、
酸処理物を焼成する工程との組み合わせにより、前記ゼ
オライトを非晶質化する。
【0034】用いる酸は、無機酸でも有機酸でも格別の
制限なしに使用されるが、経済的には、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の酸が使用される。これらの酸は、稀釈水
溶液の形で結晶性ゼオライトとの中和反応に用いる。
【0035】この酸処理は、非晶質化が部分的に生じる
が、完全な非晶質化が生じるほど過酷でない方がよく、
特にアルミナ分が溶出するような過酷な酸処理条件は避
けるべきである。Pc型ゼオライトのX線回折図におけ
る最大ピークの高さをH、酸処理物の同じピークの高さ
をhとして、h/Hの比が0.01乃至0.35、好ま
しくは0.05乃至0.25、特に好ましくは0.05
乃至0.18となるように酸処理を行う。結晶ゼオライ
トの水性スラリーに酸を添加すると、酸の添加につれて
pHは当然酸性側に移行するが、添加終了後、液のpH
は再びアルカリ側に移行し、一定のpH値に飽和する傾
向がある。この飽和するpH、即ち安定時pHが1.5
乃至6、特に2乃至4の範囲となるように中和を行うこ
とが、ゼオライト中の溶出量を最低限にしながら、粒子
形状を損なうことなく、ゼオライトを非晶質化するため
に好ましい。
【0036】酸処理によりアルカリ分の少なくとも一部
を溶出除去して得られるアルミナ−シリカ粒子は、濾過
し、必要により水洗し、乾燥し、以下の焼成処理を行っ
て非晶質定形粒子とする。
【0037】上記のようにして得られる非晶質定形粒子
を、一般に、300乃至1300℃の温度で焼成して、
非晶質化の促進と内部の細孔の収縮とを行わせることが
できる。即ち、酸処理のみでは、非晶質化の程度が不十
分である場合にも、この焼成により非晶質化が一層進行
して、完全に非晶質化されたものを得ることができる。
従って、この焼成の具体的条件は、非晶質化が完全に進
み、且つ非晶質定形粒子が前述した物性を有するような
ものである。勿論この焼成条件は粒子形状の破損を招く
ものであってはならない。
【0038】一般的にいって、焼成温度が高くなるほど
非晶質化が進み、焼成温度が高くなるほど、また同じ温
度では焼成時間が長くなるほど、細孔の収縮の程度は大
きくなる。また、同じ粒子径の粒子同士でも、焼成温度
を変えることにより、粒子の屈折率を調整することもで
きる。例えば、後述する実施例3の粒子を焼成した場合
の屈折率は、550℃で30分の焼成物で1.481、
700℃で30分の焼成物で1.485、800℃で3
0分の焼成物で1.489、900℃で30分の焼成物
で1.50となる。更に焼成温度を上げることにより、
屈折率を1.5以上に上げることができる。かくして、
酸処理物の非晶質化の程度から、また酸処理物が有する
比表面積及び細孔容積と、所望とする平衡水分吸湿量
(RH90%)、屈折率との兼ね合いで焼成条件を決定
すればよい。
【0039】焼成は、回転式、固定床式、移動床式或い
は流動床式の焼成炉を用いて行うことができ、熱源とし
て燃焼ガス、赤外線、電熱等を利用して、内熱或いは外
熱により行うことができる。焼成時間は、一般に0.1
乃至3時間程度が適当である。
【0040】また、一般に必要でないが所望により、焼
成に先立って、酸処理物に、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、Ti、Zr、Al及びZnから成る群より選択
された金属成分の少なくとも1種を添着させて、形成さ
れる非晶質定形粒子の表面改質等を行うこともできる。
また、この表面改質によって、本発明品の屈折率を1.
46から1.55まで調節することができ、樹脂の屈折
率に合わせて、配合することが可能となる。
【0041】アルカリ金属分、アルカリ土類金属分或い
はその他の金属成分は、吸湿性を損なわない範囲の量で
用いるべきであり、一般に酸処理した定形粒子に対し
て、酸化物基準で15重量%以下、特に0.5乃至10
重量%の量で用いるのがよい。
【0042】アルカリ金属、アルカリ土類金属、Ti、
Zr、Al或いはZn成分としては、酸化物、水酸化
物、水溶性塩類等が使用され、具体的には、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、硝酸チタン、塩化チ
タン、塩化ジルコニウム、硝酸アルミニウム、塩化アル
ミニウム、アルミン酸ナトリウム、亜鉛華、硝酸亜鉛等
が挙げられる。水溶性塩類を使用した場合、残留するア
ニオンを水洗除去することが好ましい。アルカリ金属或
いはアルカリ土類金属の水酸化物が特に好適である。た
とえば、本発明の20%スラリー品に、固形分に対して
3乃至10%(Al2 3 )換算の硫酸アルミ(Al2
3 8.18%、SO3 18.8%)を添加し、攪
拌する。その後、12.5%のアンモニア水を滴下し
て、pHを7程度まであげてから、10時間攪拌し、濾
過水洗した。その乾燥ケーキを550℃乃至700℃に
焼成してアルミニウム添着非晶質シリカアルミナ球状粒
子を製造して屈折率を1.48以上に調整することもで
きる。
【0043】本発明に用いる非晶質定形粒子は、その表
面を無機酸化物、例えば酸化チタン、酸化ケイ素、酸化
ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、;シラン系、チタニウム系或い
はジルコニウム系のカップリング剤で被覆し或いは表面
処理しておくことができる。また、この粒子は、金属石
鹸、樹脂酸石鹸、各種樹脂乃至ワックス類、シラン系乃
至チタン系カップリング剤、各種金属の酸化物もしくは
水酸化物やシリカコーティング等を所望により施すこと
ができる。また、本発明の非晶質シリカアルミナ球状粒
子に該粒子よりも微細な不定形シリカ(シリカゾル、ヒ
ュームドシリカ、湿式法シリカ等)を該粒子に対して
0.2重量%以上、好ましくは0.3乃至5重量%で配
合し、非晶質シリカアルミナ球状粒子の分散性を向上さ
せることもできる。
【0044】シラン系カップリング剤としては、次のも
のを挙げることができる。 γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、などのアミ
ノ系シラン。
【0045】γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、などのメタクリロキシ系シラン。ビニルトリス
(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシ
ラン、などのビニル系シラン。β−(3,4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、などのエポキシ系シ
ラン。
【0046】γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、などのメルカプト系シラン。γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、などのクロロプロピル系シラン。
【0047】また、チタネート系カップリング剤として
は、次のものを挙げることができる。イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシ
ルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラ
オクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネー
ト、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチ
ル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテー
トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)
エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチ
タネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイル
チタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタ
ネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノ
エチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテー
トチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネー
ト、ポリジイソプロピルチタネート、テトラノルマルブ
チルチタネート、ポリジノルマルブチルチタネート。
【0048】これらの表面処理剤は、その種類によって
も相違するが、一般に非晶質定形粒子当たり、0.1乃
至10重量%の量で用いるのが好ましい。
【0049】[用途]本発明の非晶質定形粒子は、従来
非晶質シリカアルミナ系定形粒子が使用されている用途
に全て使用できるが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂或い
は各種ゴム配合用の配合剤として特に有用である。更
に、触媒担体、化粧品用基材、塗料用つや消し剤、トナ
ー添加剤、研磨材等にも使用できる。
【0050】即ち、この非晶質定形粒子は、高湿度にお
ける平衡水分率が低い範囲に抑制されることにより、低
吸水性で発泡等の不都合がなく、またpHが中性乃至中
性付近であり、しかも他の添加剤との間にも吸着による
発色や添加剤の性能低下等の不都合がなく、優れた樹脂
フィルム用の配合剤、特にアンチブロッキング剤となり
うるものである。
【0051】アンチブロッキング剤として配合する熱可
塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂が好適なものであ
り、特に低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、ア
イソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティッ
クポリプロピレン、あるいはこれらのエチレン乃至α−
オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系重合
体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマ
ー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げ
られ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物の
形でも使用できる。
【0052】これらのオレフィン重合体は、ハロゲン含
有遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる
所謂チーグラー系触媒を用いて製造されたものでも、所
謂メタロセン系触媒、即ちチタン或いはジルコニウム等
の遷移金属のシクロペンタジエニル骨格含有錯体と有機
アルミノキサン化合物とから成る触媒を用いて製造され
たものでもよい。
【0053】メタロセン系触媒を用いて製造したオレフ
ィン系樹脂は、機械的強度、透明性、ヒートシール強
度、耐抽出性等に優れており、包装材料として優れてい
る。本発明の非晶質定形粒子は、メタロセン触媒を用い
て製造したオレフィン系樹脂フィルムのアンチブロッキ
ング剤として特に有用であり、従来のアンチブロッキン
グ剤に見られた着色傾向を解消することができる。ま
た、メタロセン触媒を使用して製造した樹脂のフィルム
に対して、本発明の非晶質シリカアルミナ球状粒子を使
用する場合、該粒子の水性分散体のpHは6乃至9であ
ることが好ましく、特に6.5乃至8であることが好ま
しい。
【0054】本発明の樹脂用配合剤は、上記オレフィン
重合体の内でも、エチレンと炭素数3乃至18のαーオ
レフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4メチルペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1等とを、遷移金属系触
媒、特にメタロセン系触媒の存在下に重合させて得られ
る線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の樹脂配合剤
として有用である。また、上記LLDPEの成形性を改
善するために、LLDPEに低密度ポリエチレンや高密
度ポリエチレンをブレンドして、フィルム等を成形する
ことも知られているが、この樹脂組成物に対しても、本
発明の樹脂配合剤を使用できる。
【0055】本発明の樹脂用配合剤は、改質されたプロ
ピレン系重合体組成物に対するアンチブロッキング剤と
しても有用である。即ち、結晶性プロピレン系重合体の
耐衝撃性や柔軟性を改善するために、エチレン−αオレ
フィン共重合体エラストマー、特にメタロセン系触媒を
用いて得られたエチレン−αオレフィン共重合体を、ホ
モポリプロピレン、エチレンプロピレンランダム共重合
体、エチレンプロピレンブロック共重合体等の結晶性プ
ロピレン系重合体にブレンドすることが行われている
が、本発明の樹脂用配合剤は、このプロピレン系重合体
組成物のアンチブロッキング剤としても有用である。
【0056】本発明のオレフィン系樹脂組成物におい
て、非晶質定形粒子を、上記オレフィン系樹脂100重
量部当たり、0.01乃至50重量部の量で用いるのが
よい。特にAB剤としてポリエチレンフィルムでは0.
1乃至3重量部、ポリプロピレンフィルムでは0.01
乃至0.3重量部、またマスターバッチとしては1乃至
50重量部の量で用いられる。定形粒子の配合量が、上
記範囲よりも少ないと、フィルムのブロッキングを防止
し、フィルムのハンドリングを向上させることが困難と
なる傾向があり、一方上記範囲を上回っても配合量の増
大に伴う格別の利点がなく、表面の摩擦傾向が増大する
ので好ましくない。
【0057】上記オレフィン系樹脂組成物には、必要に
より、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、滑剤、帯電
防止剤、防曇剤、中和剤(ハロゲンキャッチャー)、核
剤、熱線吸収剤等が配合されるが、本発明の樹脂用配合
剤は、中性であると共に、これらの他の樹脂配合剤に対
して不活性であり、これらを分解したり或いは着色する
傾向がなく、他の樹脂配合剤の性能を阻害したり、樹脂
の特性を劣化させることがない。
【0058】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレイト(チバガイギ−社
製、Irganox 3114)、2,2’−メチレン
ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、n−
オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバガイ
ギー社製、Irganox 1076)、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テ
トラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン(チバガイギー社製、Irganox 1010)、
4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
ドロシンナミド)(チバガイギー社製、Irganox
1098)、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3’−t−ブチル−5’−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕、ビス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カル
シウムとPEワックスとの混合物(重量比1:1)等が
あげられる。
【0059】フェノール系酸化防止剤の添加量が0.0
1乃至0.3重量部で用いるのがよく、これ未満であれ
ば酸化防止効果が発現されず、また、0.3重量部を越
えると長期保管中の黄変が促進されたりフィルム表面へ
のブリードにより透明性を損なったり、あるいはブロッ
キング性が悪化する傾向がある。
【0060】また、リン系酸化防止剤としては、例え
ば、トリメチルホスフアイト、トリ−n−ブチルホスフ
アイト、トリデシルホスフアイト、トリス(2−エチル
ヘキシル)ホスフアイト、トリノニルホスフアイト、ト
リセチルホスフアイト、ジラウリル水素ホスフアイト、
トリシクロヘキシルホスフアイト、トリフェニルホスフ
アイト、トリベンジルホスフアイト、トリクレジルホス
フアイト、トリ−p−ノニルフェニルホスフアイト、ジ
フェニルデシルホスフアイト、トリス(ジノニルフェニ
ル)ホスフアイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスフアイト、トリス(4−α−メチルベンジ
ルフェニル)ホスフアイト、トリス(オクチルチオエチ
ル)ホスフアイト、トリス(オクチルチオプロピル)ホ
スフアイト、トリス(クレジルチオプロピル)ホスフア
イト、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ホスフアイト、テトラフェニルジプロピレ
ングリコールジホスフアイト、4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシ
ル)ホスフアイト、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ジトリデシルホスフアイト−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、ビス(2−クロロプロピル)ペンタエリス
リトールジホスフアイト、ビスフェニルペンタエリスト
ールジホスフアイト、ビスステアリルペンタエリスリト
ールジホスフアイト、トリラウリルトリチオホスフアイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスフアイト等があげられ
る。
【0061】リン系酸化防止剤(c)の添加量が0.0
1乃至0.2重量部であるのが好ましく、これ未満であ
れば酸化防止効果や黄変防止効果が発現されず、また
0.3重量部を越えると、ブラックスペックや金属に対
する腐食の懸念が増大する傾向がある。
【0062】熱安定剤としては、ホスファイト、ホスホ
ナイトおよびホスホン酸誘導体等が使用される。ここで
ホスファイトとしては様々なものが挙げられ、例えばト
リフェニルホスファイト;ジフェニルホスファイト;ジ
デシルフェニルホスファイト;トリデシルホスファイ
ト;トリオクチルホスファイト;トリドデシルホスファ
イト;トリオクタデシルホスファイト;トリノニルフェ
ニルホスファイト;トリドデシルトリチオホスファイ
ト;ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト;4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト;トリス
(2,4ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト;ビス
(2,4ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイトなどの他、炭素数12〜15のアルキ
ル基を有する4,4’−イソプロピリデンジフェニルテ
トラアルキルジホスファイトなどを挙げることができ
る。
【0063】また、ホスホナイトとしては例えばテトラ
キス(2,4−ジアルキルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホナイトなどを挙げることができる。な
おここでアルキル基は炭素数1〜30のものである。こ
れらの中でも特にテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが
好ましい。
【0064】さらに、ホスホン酸誘導体として4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスホン酸;
O−エチル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルベンジル)ホスホン酸;O−(2−エチルヘキシル)
−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジ
ル)ホスホン酸;O−エチル−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルベンジル)ホスホン酸;O−エチル
−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルベンジル)ホ
スホン酸のカルシウム塩などを挙げることができる。
【0065】上記熱安定剤は、樹脂100重量部に対し
て0.01〜1.0重量部の割合で配合するのがよい。
【0066】耐光安定剤としては、紫外線吸収剤や、紫
外線安定剤が使用され、前者の例として、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤、例えば、2−(5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール 既存化学
物質No(5)−544、2−〔2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(a,a−ジメチルベンジル)フェニル〕−2
H−ベンゾトリアゾール 既存化学物質No(5)−5
459、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール既存化学物質No
(5)−3580、2−(3−t−ブチル−5−メチル
−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール 既存化学物質No(5)−545、2−(3,
5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール 既存化学物質No(5)−
3605、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール既存化学物質No
(5)−3604;オキザリックアッシドアニリド系紫
外線吸収剤、例えば2−エトキシ−2’−エチルオキザ
リックアシッドビスアニリド 既存化学物質No(3)
−2830、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エ
チルオキザリックアシッドビスアニリド 既存化学物質
No(3)−2800、等が挙げられる。
【0067】また、紫外線安定剤としては、ヒンダード
アミン系のもの、例えばコハク酸ジメチル−1−(2−
ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン重縮合物 既存化学物質No
(7)−2132、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔〔2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕
既存化学物質No(7)−2170、2−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブ
チルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル) 既存化学物質No(5)−541
3、等が挙げられる。
【0068】これらの耐光安定剤は、樹脂100重量部
当たり0.01乃至1重量部の量で用いるのがよい。
【0069】樹脂組成物の加工性を向上させるための滑
剤としては、ポリオレフィンフィルムに使用されるもの
全てが適用可能である。すなわち、滑剤は(イ)流動、
天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエ
チレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化
水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂
肪酸系のもの、(ハ)パルミチン酸アミド、エシル酸ア
ミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステ
アロアミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、オ
レイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−ステアリル酪
酸アミド、N−ステアリルカプリル酸アミド、N−ステ
アリルラウリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸
アミド、N−ステアリルベヘニン酸アミド、N−オレイ
ルオレイン酸アミド、N−オレイルベヘニン酸アミド、
N−ブチルエルカ酸アミド、N−オクチルエルカ酸アミ
ド、N−ラウリルエルカ酸アミド、エチレンビスオレイ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、
N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジ
オレイルセバシン酸アミドなど、(ニ)ブチルステアレ
ート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレ
ート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコール、
ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、(ヘ)
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケ
ンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられるが、
特に脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系が好まし
い。
【0070】滑剤、特に脂肪酸アミド系滑剤は、樹脂1
00重量部当たり0.01乃至0.3重量部の量で用い
ることが望ましい。上記範囲を下回ると滑り性が付与さ
れず、上記範囲を上回るとフィルム表面へのブリードに
より白化し、透明性が失われる傾向がある。
【0071】樹脂に帯電防止性を付与するために、帯電
防止剤を配合することができ、帯電防止剤としては、
(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニ
ウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、
(ロ)硫酸化油、石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化ア
ミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エルテル塩、脂肪酸エ
チルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスル
ホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、
(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドの
エチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチ
レンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレン
オキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エス
テルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ
ール等の非イオン系のもの、(ニ)カルボン酸誘導体、
イミダゾリン誘導体等の両性系のものが一般に使用可能
であるが、特に非イオン系、中でもポリオキシエチレン
アルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミドな
いしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エス
テル等が好ましい。
【0072】農業用フィルム等の透明性と防曇性とを要
求される用途には、防曇剤を配合することができ、この
ような防曇剤としては、ステアリン酸モノグリセライ
ド、オレイン酸モノグリセライド、ポリグリセリンオレ
イン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート及び
ソルビタンモノオレートなどが挙げられる。
【0073】オレフィン系樹脂中に含まれる触媒残渣中
のハロゲン原子を捕捉するための中和剤として、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム、脂肪酸カルシウム、脂肪酸マグネ
シウム、ハイドロタルサイト、リチウムアルミニウム水
酸化物炭酸塩等が挙げられ、中でもリチウムアルミニウ
ム水酸化物炭酸塩は六角板状の微細粒子であることか
ら、樹脂中での分散性に優れ、ハロゲン原子の優れた捕
捉剤として使用される。なおこのリチウムアルミニウム
水酸化物炭酸塩の例は、特開平7−300313号公報
に記載されている。
【0074】このような中和剤は、樹脂100重量部当
たり、0.1乃至10重量部の量で使用するのがよい。
【0075】樹脂の結晶化を促進するための造核剤とし
ては、アルミニウム−p−第三ブチルベンゾエート、ジ
ベンジリデンソルビトール、ビス(4−第三ブチルフェ
ニル)ホスフェートナトリウム塩、2,2’−メチレン
ビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートナ
トリウム塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三
ブチルフェニル)ホスフェートカルシウム塩、2,2’
−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホス
フェート塩基性アルミニウム塩などがあげられる。
【0076】本発明のオレフィン系樹脂組成物におい
て、シリカアルミナ系樹脂用配合剤は、触媒担体等の形
で予め重合系に配合しておくこともできるし、また、オ
レフィン系樹脂に配合することもできる。配合は、メル
トブレンドで行うこともできるし、ドライブレンドで行
ってもよい。これら何れの場合にも、本発明の樹脂用配
合剤を、所謂マスターバッチの形で配合することができ
る。樹脂との混練は、ロール、バンバリーミキサー、押
出機等を用いて行うことができる。
【0077】フィルムへの成形は、それ自体公知の手
段、例えばT−ダイ法、インフレーション製膜法等によ
り行うことができる。フィルムは、未延伸フィルムでも
よく、また、一軸延伸或いは二軸延伸を行って配向フィ
ルムとしてもよい。本発明によれば、用いる樹脂用配合
剤が粒径分布がシャープでしかも定形の形状を有するた
め、フィルムがかなり薄い場合にも、ハンドリング性に
優れており、単層フィルム或いは積層フィルムの形で種
々の用途、特に包装用フィルムとして使用できる。フィ
ルムの厚みは特に制限を受けないが、20乃至100μ
mの範囲が適当である。
【0078】本発明のオレフィン系樹脂組成物は、農業
用フィルムとしても使用できる。農業用フィルムのオレ
フィン系樹脂としては、前述した線状低密度ポリエチレ
ンや、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が適当であ
る。この用途において、非晶質定形粒子を樹脂100重
量部当たり0.01乃至10重量部の量で配合するのが
よく、熱線吸収剤(赤外線吸収剤)、即ち保温剤を樹脂
100重量部当たり0.01乃至10重量部含有させる
のがよい。保温剤としては、レーザー散乱回折法で測定
して、0.2乃至10μmの粒径を有するリチウムアル
ミニウム複合水酸化物炭酸塩が適している。適当なリチ
ウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩の例は、特開平7
−300313号公報に記載されている。この農業用フ
ィルムの組成物には、樹脂100重量部当たり、前述し
た防曇剤を0.01乃至5重量部の量で配合することが
できる。
【0079】なお、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じてカオリン、タルク、酸白、セリサイト、ゼオライ
ト、Ca,Zn等でイオン変質したゼオライト、セピオ
ライト、ウォラストナイト、ネフェリンシナイト、ハイ
ドロタルサイト、ドーソナイト、ドロマイト、シリカ、
炭カル、ケイ酸カルシウム、マイカ、石英、塩基性炭酸
マグネシウム(軽質又は重質)等を無機充填剤として樹
脂組成物100重量部当たり0.01乃至10重量部配
合することもできる。上記無機充填剤の粒径は、0.1
乃至10μmであることが好ましい。
【0080】勿論、本発明の樹脂用配合剤は、アンチブ
ロッキング剤として、それ自体公知の他の樹脂フィルム
にも配合することができ、例えばナイロン6、ナイロン
6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン1
2等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリスルフォン、ポリスチレン等や、
これらのポリマーアロイに配合することもできる。配合
量は、オレフィン系樹脂の場合に準じる。他の樹脂用配
合剤についても同様である。
【0081】また、本発明の非晶質定形粒子は、充填剤
として、上記熱可塑性樹脂や、各種ゴム、或いは熱硬化
性樹脂に配合することができる。
【0082】ゴム用のエラストマー重合体としては、例
えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(C
R)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(II
B)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴ
ム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられ
る。
【0083】熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド
樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ト
リアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、或いはこれらの2種以上の組み合わせが
挙げられる。
【0084】充填剤としての用途の場合、上記熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂或いはエラストマー100重量部当
たり、2乃至130重量部、特に5乃至100重量部の
量で配合することができる。
【0085】更に、本発明の非晶質定形粒子を配合する
塗料としては、前記熱硬化性樹脂の少なくとも1種から
成る塗料や、熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合
体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げることが
できる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せ
でも使用される。
【0086】塗料用配合剤としての用途では、塗料中の
樹脂固形分100重量部当たり、2乃至130重量部、
特に10乃至100重量部の量で配合するのがよく、こ
れにより塗膜に艶消し効果を付与したり、絶縁性を向上
させたりすることができる。
【0087】
【実施例】本発明を次の例で更に詳しく説明する。
【0088】(実施例1)ケイ酸ソーダのカレットを溶
解したケイ酸ソーダ溶液(SiO2 が22wt%、Na
2 Oが7.2%)とアルミン酸ソーダ(Al2 3 が2
5.3wt%、Na2 Oが19.1wt%)及び苛性ソ
ーダを用いて、本発明による低SiO2 /Al2 3
成比からなるギザギザ状の表面を有する球状のPc型ゼ
オライトとその酸処理物による本発明による低吸湿性の
非晶質シリカアルミナ球状粒子の製法及びその性状につ
いて以下に説明する。
【0089】上記3種類の原料を用いて、下記モル組成
の条件下に10Lステンレス製容器中で反応液の総量が
5kgになるようにアルミン酸ソーダ液を90℃に加熱・
攪拌し、これに75℃に加熱したケイ酸ソーダ液を12
分(80℃以上を保つ)かけて混合し、全体が均一なゲ
ル状の下記のモル組成のアルミノケイ酸ナトリウムを生
成させた。 Na2 O/SiO2 =1.0 SiO2 /Al2 3 =3.0 H2 O/Na2 O=70
【0090】次いでこのゲルを激しく撹拌しながら95
℃の加温下に、約12時間かけて本発明によるPc型ゼ
オライト球状粒子にした後、濾過、洗浄、乾燥させて得
たケーキをサンプルミルとジェットミルを用いて粉砕さ
せて試料No.1−1のPc型ゼオライトの球状粒子と
した。なお試料No.1−1の収率は99%であった。
【0091】(非晶質化)次いで上記乾燥前のPc型ゼ
オライトケーキの一部を用いて固形分濃度25%の水性
スラリー5Lを調製し、撹拌下に濃度14%の硫酸を約
1.4Lを徐々に注加し、約1時間撹拌処理をした後、
濾過、水洗、110℃で乾燥、サンプルミル粉砕させて
酸処理物の試料No.1−2を得た。この試料No.1
−2を温度450℃で焼成した後、ジェットミルで粉砕
して本発明による非晶質シリカアルミナ球状粒子の試料
No.1−3を得た。試料No.1−1、No.1−3
の走査型電子顕微鏡写真及びX線回折図をそれぞれ図
1、図2、図3に示した。なお図3には試料No.1−
2のX線回折図も示した。
【0092】次いで酸処理条件として14%硫酸量を
1.1Lとした以外は上記試料No.1−2と同様にし
て本発明による非晶質シリカアルミナ球状粒子(430
℃焼成品)を調製し、試料No.1−4とした。
【0093】また実施例1におけるPc型ゼオライトの
調製モル組成をそれぞれ下記条件とした以外は同様にし
て本発明による非晶質シリカアルミナ球状粒子(430
℃焼成品)を得、それぞれ試料No.1−5とした。な
お、試料No.1−5の酸処理条件における上記硫酸量
は、0.88Lであった。
【0094】Na2 O/SiO2 = 1.7 SiO2 /Al2 3 =2.5 H2 O/Na2 O= 43 なお、試料No.1−5の酸処理前のPc型ゼオライト
のSiO2 /Al23のモル比は2.26であった。
【0095】(比較例1)実施例1において、ケイ酸ソ
ーダ溶液、アルミン酸ソーダ及び苛性ソーダを用いて、
下記モル組成の条件でギザギザ状の表面を有するPc型
ゼオライト球状粒子(試料No.H−1)を調製した以
外は実施例1と同様にして酸処理(14%硫酸、1.4
L)して得られた110℃乾燥物(試料No.H−2)
及びその450℃焼成物(試料No.H−3)を得、そ
のX線回折図を図4に示した。なお試料No.H−1の
収率は89%であった。
【0096】Na2 O/SiO2 =0.7 SiO2 /Al2 3 =6.0 H2 O/Na2 O=60
【0097】なお本発明に用いた樹脂充填剤粒子に関す
る物性等の測定は下記の方法により行ない、その結果を
表1に示した。
【0098】1.粒径 走査型電子顕微鏡写真(日立S−570)で得られた写
真像から、代表的な粒子を50ヶ選んで、スケールを用
いて粒子像の直径を測定し粒子径とした。 2.比表面積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1800を使用し、BET法により測定した。 3.嵩密度 JIS K−6220.6.8に準拠して測定した。 4.吸湿量 試料約1gを予め重量を測定した40×40mmの秤量
ビンに入れ、150℃の電気高温乾燥機で約3時間乾燥
後デシケーター中に放冷する。次いで試料の重さを精秤
し、予め硫酸で関係湿度90%に調製したデシケーター
中に入れ72時間後の重量を測定し求めた。 5.吸油量 JIS K−6220.6.21に準拠して求めた。 6.pH JIS K−5101.26に準拠して5%水性分散体
のpHを求めた。 7.屈折率 予めアッベ屈折計を用いて、屈折率既知の溶媒(α−ブ
ロムナフタレン、ケロシン)を調製する。次いでLar
senの油浸法に従って、試料粉末数mgをスライドガ
ラスの上に採り、屈折率既知の溶媒を1滴加えて、カバ
ーガラスをかけ、溶媒を十分浸漬させた後、光学顕微鏡
でベッケ線の移動を観察し求める。 8.X線回折 理学(株)製のガイガ−フレックスRAD−1Bシステ
ムを用いて下記の条件で測定した。
【0099】 タ−ゲット Cu フィルタ− Ni 電圧 35kv 電流 15mA カウントフルスケ−ル 8000c/s 走査速度 2deg/min タイムコンスタント 1sec スリット DS1deg RS0.3mm SS1deg 照射 6deg
【0100】(実施例2)実施例1で得られた本発明に
よる低吸湿性非晶質シリカアルミナ球状粒子(試料N
o.1−3)を配合させたポリエチレン、ポリプロピレ
ン、特にハロゲン残留触残渣含有ポリプロピレン、メタ
ロセン触媒を使用して製造した直鎖状低密度ポリエチレ
ン及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹
脂フィルムについて、透明性、AB性、スクラッチ性、
ピンキング性、耐黄変性及び保温性とを評価した。
【0101】(試験方法) 9.ブロッキング性 2枚のフィルムを重ね、200g/cm2 荷重をかけ4
0℃で24時間放置後、フィルムのはがれ易さを○印:
抵抗無くはがれる、△印:はがれにくい、×印:極めて
はがれにくいものとして評価する。 10.ヘーズ JIS K−6714に基づいて日本電色(株)製オー
トマチックデジタルヘーズメーターNDH−20Dによ
り測定する。 11.スクラッチ性 成膜5時間後のフィルム2枚を重ね指でこすった時の傷
つきの程度を○印:ほとんど傷がつかない、△印:少し
傷がつく、×印:傷がつくものとして評価する。 12.透明性 日本電色工業製、1001DP色差計を用い、試料シー
トの白色光透過率を測定した。 13.耐黄化性 上記成形シートを85℃、90%RHの恒温糟に入れ2
4時間放置した。この成形シートの表面色相を日本電色
工業製の色差計Model1100Pにより測定し、N
値(黄色度)を求めた。N値が小さいほど黄化性に優れ
ている。 14.分散性 上記成形シートにつき、肉眼で分散性を評価した。 15.保温性 得られた試料フィルムで直径20cmの半円筒の長さ1
mのトンネル枠を地面上に設置し、トンネル枠内の中央
部の夜間(午前3時)における温度を測定し、保温剤未
配合のフィルムによる同様のトンネル枠内の温度を基準
に、両者の温度差(ΔT)を測定して保温効果を評価し
た。なお本発明においては、このΔT値が大きい程、保
温性が高いものといえる。
【0102】(2−1:ポリエチレン樹脂による評価)
メタロセン触媒を用いて製造されたメルトフローレート
が2.6g/10分、密度が0.911kg/cm3
エチレンヘキセン−1共重合体100重量部に水澤化学
工業社製リチウムアルミニウム水酸化物炭酸塩の300
℃焼成品(商品名:ミズカラック、平均粒径2.8μ
m)を20重量部と本発明の試料No.1−3を0.5
重量部、イルガノックス1035を0.01重量部とを
配合し、210℃の温度で混練造粒させたマスターバッ
チと前記共重合体とを75:25の割合で混合しこの1
00重量部にイルガノックスB−225を0.2部を添
加し、押出機で180℃の温度でペレット化し、次いで
このペレットを用いてインフレ−ション成形を行い厚さ
40μmのフィルムを得た。
【0103】フィルム評価の結果、ヘイズが2.8%、
AB性が○印で、スクラッチ性が○印で良好であり、耐
黄化性試験において黄色度(N値)が12であり、耐黄
化性にも優れ、保温性(℃)も1.6の値を示し、保温
性にも優れた樹脂組成物であった。尚、試料1−3無添
加のフイルムのヘ−ズ(%)は1.9であった。
【0104】(2−2:ポリプロピレン樹脂による評
価)ポリプロピレンフィルム樹脂粉末(三井石油化学工
業製ハイポールF657P)100重量部に対して2.
6ジターシャリーブチルパラグレゾール0.15部、ス
テアリン酸カルシウム0.1部、本発明の試料No.1
−3を0.09部を各々加え、スーパーミキサーで1分
間混合後、一軸押し出し機を用いて混練温度230℃で
溶融混合してペレタイズした。このペレットをTダイ成
形により原反フィルムを作成し、次いで二軸延伸成形機
を用いて縦方向に5倍、更に横方向の10倍に延伸し厚
さ30μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0105】その結果、ヘーズが2.3(%)、AB性
とスクラッチ性ともいずれも良好な○印であり、耐黄化
性にも別段異常がなかった。なお試料1−3無添加のフ
イルムのヘ−ズ(%)は1.8であった。
【0106】また特にハロゲン残留触媒残渣を含むポリ
プロピレン樹脂100重量部に水澤化学工業製ミズカラ
ック0.2部、本発明の試料No.1−3を0.08
部、エルカ酸アミド0.1部とを配合させた樹脂組成物
を用いて260℃でペレットにし、この試料ペレットを
厚さ1mm、縦、横、100mm×100mmのステン
レス鋼板製の金枠に入れ、写真用厚手のフェロタイプ板
と2mm厚のアルミニウム板の重ね合わせではさみ、2
30℃で30分間プレスした後、30℃±5℃の冷却プ
レスに移し、成形投影面当たり約50kg/cm2 の圧
力下で冷却し、金型が40℃以下になった後、厚さ1m
mのポリプロピレンシートを得た。
【0107】その結果、耐黄化試験において黄色度(N
値)が12であり、耐黄化性に優れており、また黙視観
察によるシートの分散性も極めて良好であった。
【0108】(2−3:エチレン・酢酸ビニル共重合体
樹脂(EVA)による評価)酢酸ビニル含有量15%、
MI=1.5のEVA樹脂100重量部にベンゾトリア
ゾ−ル系の紫外線吸収剤0.1重量部、ヒンダ−ドアミ
ン系の抗酸化剤0.1重量部、保温剤のミズカラック4
重量部、本発明の試料1−3の0.5重量部からなる樹
脂組成物をヘンシェルミキサ−で撹拌混練し、得られた
混練物を2軸押出機を用いて温度150℃でペレットに
し、次いでインフレ−ション成型を行ない、幅30c
m、厚さ100μmのフイルムを得、このフイルムを用
いて保温性、AB性、透明性を評価した。
【0109】その結果、保温性(℃)も1.7の値で優
れており、AB性も良好であり、また黙視観察による透
明性も良好であった。
【0110】(比較例2)比較例1で得られたPHが
9.6で、吸湿量(%)が13.7である試料H−3な
る非晶質シリカアルミナ球状粒子をAB剤として用いた
オレフィン樹脂組成物のフイルム評価について説明す
る。
【0111】(2H−1:ポリエチレン樹脂による比較
評価)実施例2のメタロセン触媒によるポリエチレン樹
脂のフイルム評価(2−1)において、AB剤である本
発明による試料1−3の代りに試料H−3とした以外
は、実施例2のフイルム評価(2−1)と同様にして評
価した。
【0112】その結果、フイルムに極薄いピンク着色
(ピンキング)が生じており、耐黄化性試験の黄色度
(N値)も13.9であった。またフイルムには発砲フ
クレや微細な気泡があり、評価(2−1)のフイルムに
比較して黙視による透明性も低いものであった。
【0113】(比較例3)比較例2のフイルム比較評価
(2H−1)の試料H−3の代りに特公平06−172
17号公報に記載するCaイオン交換−Pc型ゼオライ
ト(Ig−loss(%):4.9、吸湿量(%):
5.2、PH:10.5)の非晶質球状粒子をAB剤と
して用いた以外は、比較例2と同様にして行なったポリ
エチレン樹脂組成物のフイルム評価について説明する。
【0114】その結果、発砲フクレや微細な気泡も無
く、且つAB性、透明性、耐黄化性、スクラッチ性等も
極めて良好であったが、得られたフイルムはかなりのピ
ンク着色(ピンキング)を呈していた。
【0115】
【表1】試料No. 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5 H-1 H-2 H-3 嵩密度(g/mL) 0.71 0.68 0.69 0.70 0.63 0.68 0.66 0.67 比表面積(m2 /g) − − 38 36 − − 26 28 吸油量(mL/100g) 58 50 44 52 62 56 51 40 pH 10.9 7.6 7.9 8.7 6.7 11.1 9.1 9.3 吸湿率(%) 22.0 − 3.7 3.9 4.0 21.5 − 13.5 屈折率 1.45 1.46 1.46 1.46 1.46 1.45 1.46 1.46 平均粒径(μm) 1.8 1.8 1.8 1.8 1.6 2.4 2.4 2.4 化学組成 Ig-loss 10.8 12.9 1.9 2.5 2.0 13.0 12.9 8.0 (%) SiO2 45.0 52.0 59.1 57.6 56.5 49.2 55.7 58.6 110℃ Al2 O3 27.3 29.5 33.5 33.7 35.3 23.9 22.4 23.6 乾燥基準 Na2 O 16.0 5.2 5.9 6.1 6.0 15.0 10.0 10.5 SiO2 /Al2 O3 2.80 2.99 2.99 2.90 2.71 3.50 4.23 4.21モル比
【0116】(実施例3)実施例1と同様の原料を用い
て、2Lステンレス製容器中で反応液の総量が1.75
kgになるように、アルミン酸ソーダ液を90℃に加熱
・撹拌し、これに80℃に加熱したケイ酸ソーダ液を約
4分かけて混合し、全体が均一なゲル状の下記のモル組
成のアルミノケイ酸ナトリウムを生成させた。 Na2 O/SiO2 =1.71 SiO2 /Al2 3 =2.52 H2 O/Na2 O=44 次いでこのゲルを激しく撹拌しながら90℃の加熱下
に、約6時間反応させた後、ろ過、水洗、乾燥させて本
発明によるPc型ゼオライト球状粒子(試料No.1−
7)を得た。尚、このSiO2 /Al2 3 モル比は
2.25であった。
【0117】(非晶質化)次いで上記乾燥前のPc型ゼ
オライトケーキの一部を用いて固形分濃度15%の水性
スラリー154gを調整した。このスラリーに濃度6.
2%の硫酸約70mlを約3時間かけて注加し、1時間
撹拌処理した。その後ろ過、水洗、110℃で乾燥、乳
鉢粉砕して酸処理物試料No.1−8を得た。この試料
を550℃で1時間焼成し本発明の非晶質シリカアルミ
ナ球状粒子試料No.1−9を得た。試料No.1−
7、試料No.1−9の走査型電子顕微鏡写真をそれぞ
れ図5,図6に示した。また図7に試料No.1−7、
試料No.1−8、試料No.1−9のX線回折図も示
した。また、試料No.1−7、試料No.1−9の物
性値、組成を表2に示す。
【表2】
【0118】(実施例4)実施例1と同様の原料を用い
て、下記モル組成の条件下に10Lステンレス製容器中
で反応液の総量が5kgになるようにアルミン酸ソーダ液
を90℃に加熱・攪拌し、これに75℃に加熱したケイ
酸ソーダ液を12分(80℃以上を保つ)かけて混合
し、全体が均一なゲル状の下記のモル組成のアルミノケ
イ酸ナトリウムを生成させた。 Na2 O/SiO2 =0.85 SiO2 /Al2 3 =4.00 H2 O/Na2 O=70 次いでこのゲルを激しく撹拌しながら95℃の加熱下
に、約20時間かけて反応した後、ろ過、水洗、乾燥さ
せて得たケーキをサンプルミルを用いて粉砕させて試料
No.1−10のPc型ゼオライト球状粒子とした。
尚、この試料のSiO2 /Al2 3 モル比は3.1
9であった。
【0119】(非晶質化)次いで上記乾燥前のPc型ゼ
オライトケーキの一部を用いて固形分濃度25%の水性
スラリーに濃度14%の硫酸約1.4Lを約3時間かけ
て注加し、1時間撹拌処理した。その後ろ過、水洗、1
10℃で乾燥、サンプルミル粉砕し、酸処理物の試料N
o.1−11を得た。この試料を550℃で1時間焼成
し本発明の非晶質シリカアルミナ球状粒子試料No.1
−12を得た。試料No.1−10、試料No.1−1
1、試料No.1−12の物性値、組成を表3に示す。
【表3】 試料No. 1-10 1-11 1-12 嵩密度(g/mL) 0.75 0.73 0.73 比表面積(m2 /g) − − − 吸油量(mL/100g) 52 50 47 pH 11.0 8.7 8.9 吸湿率(%) 25.0 − 4.5 屈折率 1.45 1.46 1.46 平均粒径(μm) 7.2 7.2 7.2 化学組成 Ig-loss 7.0 13.0 3.0 (%) SiO2 48.9 53.4 60.0 110℃ Al2 O3 26.5 28.1 31.0 乾燥基準 Na2 O 17 6.0 6.2 SiO2 /Al2 O3 モル比 3.19 3.22 3.29
【0120】(比較例4)実施例1と同様の原料を用い
て、2Lステンレス製容器中で反応液の総量が1.75
kgになるように、アルミン酸ソーダ液を70℃に加熱
・撹拌し、これに68℃に加熱したケイ酸ソーダ液を約
4分かけて混合し、全体が均一なゲル状の下記のモル組
成のアルミノケイ酸ナトリウムを生成させた。 Na2 O/SiO2 =1.71 SiO2 /Al2 3 =2.52 H2 O/Na2 O=44 次いでこのゲルを激しく撹拌しながら70℃の加熱下
に、1時間熟成し、その後90℃まで昇温し、約6時間
反応させた後、ろ過、水洗、乾燥して得られた試料はP
c型のゼオライトではなく、Pc型のゼオライトとX型
ゼオライトの混合物が得られた。
【0121】(比較例5)実施例1と同様の原料を用い
て、2Lステンレス製容器中で反応液の総量が1.75
kgになるように、アルミン酸ソーダ液を47℃に加熱
・撹拌し、これに50℃に加熱したケイ酸ソーダ液を約
4分かけて混合し、全体が均一なゲル状の下記のモル組
成のアルミノケイ酸ナトリウムを生成させた。 Na2 O/SiO2 =1.71 SiO2 /Al2 3 =2.52 H2 O/Na2 O=44 次いでこのゲルを激しく撹拌しながら50℃の加熱下
に、1時間熟成し、その後90℃まで昇温し、約4時間
反応させた後、ろ過、水洗、乾燥して得られた試料はP
c型のゼオライトではなく、Pc型のゼオライト、X型
ゼオライト及びA型ゼオライトの混合物が得られた。こ
の混合物のX線回折図を図8に示す。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、水性分散体のPHが6
乃至10、特に6乃至9の範囲にあり、平衡水分吸湿量
(RH90%)が10%以下という低吸湿性であって且
つ粒子表面の形状がギザギザ状である非晶質シリカアル
ミナ球状粒子から成る樹脂用配合剤をポリオレフィン系
樹脂フイルムに使用することにより、発砲フクレも無
く、透明性、AB性に優れたフイルムが得られる。
【0123】またハロゲン残留触媒残渣を含むポリエ
チ、ポリプロ等のオレフィン樹脂フイルムに中和剤及び
保温剤機能を有するリチウムアルミニウム複合水酸化物
粒子を併用することにより、耐黄化性等の熱安定性を向
上させ、且つ透明性、保温性、AB性に優れた樹脂フイ
ルムが得られる。
【0124】更にまた水性分散体のPHが6乃至9の範
囲にあることに関連して、特にメタロセン触媒を用いて
製造されたオレフィン系樹脂フイルムにおいても、発砲
フクレや微細な気泡も無く、AB性、透明性、スクラッ
チ性等も極めて良好で、且つピンク着色(ピンキング)
等の着色障害も起こさない良好な樹脂フイルムが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPc型ゼオライト球状粒子(試料
No.1−1)の粒子構造を表す走査型電子顕微鏡写真
図である。
【図2】本発明による低吸湿性の非晶質シリカアルミナ
球状粒子(試料No.1−3)の粒子構造を表す走査型
電子顕微鏡写真図である。
【図3】実施例1で得られた本発明によるPc型ゼオラ
イト及びその酸処理物に関する試料No.1−1、N
o.1−2、No.1−3のX線回折図である。
【図4】比較例1で得られたPc型ゼオライト及びその
酸処理物に関する試料No.H01、No.H−2、N
o.H−3のX線回折図である。
【図5】本発明によるPc型ゼオライト球状粒子(試料
No.1−7)の粒子構造を表す走査型電子顕微鏡写真
図である。
【図6】本発明による非晶質シリカアルミナ球状粒子
(試料No.1−9)の粒子構造を表す走査型電子顕微
鏡写真図である。
【図7】実施例3で得られた本発明によるPc型ゼオラ
イト及びその酸処理物に関する試料No.1−7、N
o.1−8、No.1−9のX線回折図である。
【図8】比較例5で得られたPc型ゼオライト、X型ゼ
オライト及びA型ゼオライトの混合物のX線回折図であ
る。
【図9】本発明の非晶質定形粒子の体積基準粒度分布曲
線を示す図である。
【図10】本発明の他の非晶質定形粒子の体積基準粒度
分布曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 1/40 C09C 1/40 (72)発明者 中川 英之 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物基準でSiO2 /Al2 3 =2
    乃至3.4の範囲のモル比を有し且つ粒子表面にギザギ
    ザ形状を有する球状のPc型ゼオライトの酸処理と熱処
    理とに得られ、酸化物基準でモル比がSiO2 /Al2
    3 =2.1乃至3.3、平均粒子径が0.3乃至10
    μm、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下、嵩
    密度が0.5乃至1.2g/mlの範囲で、水性分散体
    としてのpHが6乃至10であり、且つ該ゼオライトの
    粒子構造を実質上そのまま保持した非晶質定形粒子から
    成る樹脂用配合剤。
  2. 【請求項2】 水性分散体のpHが6.5乃至9の範囲
    にある請求項1記載の樹脂用配合剤。
  3. 【請求項3】 前記定形粒子が実質上球状粒子で且つB
    ET比表面積が50m2 /g以下である請求項1又は2
    記載の樹脂用配合剤。
  4. 【請求項4】 酸化物基準でSiO2 /Al2 3 =2
    乃至3.4の範囲のモル比を有し且つ粒子表面にギザギ
    ザ形状を有する球状のPc型ゼオライトを、ゼオライト
    中のナトリウム分の少なくとも一部が除去され且つ酸化
    物基準でモル比がSiO2 /Al2 3 =2.1乃至
    3.3となる条件下に酸処理する工程と、酸処理物を焼
    成する工程との組み合わせにより、前記ゼオライトを非
    晶質化することを特徴とする非晶質定形粒子の製造法。
  5. 【請求項5】 オレフィン系樹脂100重量部に、無機
    配合剤として、酸化物基準でSiO2 /Al2 3 =2
    乃至3.4の範囲のモル比を有し且つ粒子表面にギザギ
    ザ形状を有する球状のPc型ゼオライトの酸処理と熱処
    理とに得られ、酸化物基準でモル比がSiO2 /Al2
    3 =2.1乃至3.3、平均粒子径が0.3乃至10
    μm、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下、嵩
    密度が0.5乃至1.2g/mlの範囲で、水性分散体
    としてのpHが6乃至10であり、且つ該ゼオライトの
    粒子構造を実質上そのまま保持した非晶質定形粒子を
    0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とす
    るオレフィン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記オレフィン系樹脂がメタロセン触媒
    を用いて得られたオレフィン系樹脂を少なくとも含有す
    るものである請求項5記載のオレフィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のオレフィン系樹脂組成物
    から成る包装用フィルム。
  8. 【請求項8】 メタロセン触媒を用いて得られたオレフ
    ィン系樹脂を含有する樹脂100重量部に、無機配合剤
    として、酸化物基準でSiO2 /Al2 3=2乃至
    3.4の範囲のモル比を有し且つ粒子表面にギザギザ形
    状を有する球状のPc型ゼオライトの酸処理と熱処理と
    に得られ、酸化物基準でモル比がSiO2 /Al2 3
    =2.1乃至3.3、平均粒子径が0.3乃至10μ
    m、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下、嵩密
    度が0.5乃至1.2g/mlの範囲で、水性分散体と
    してのpHが6乃至9であり、且つ該ゼオライトの粒子
    構造を実質上そのまま保持した非晶質定形粒子を0.0
    1乃至10重量部及びレーザー散乱回折法測定して、
    0.2乃至10μmの粒径を有するリチウムアルミニウ
    ム複合水酸化物炭酸塩0.01乃至10重量部を含有さ
    せてなる樹脂組成物から成る農業用フィルム。
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