JPH1067722A - アミノマロンエステルおよびその塩の製造方法 - Google Patents

アミノマロンエステルおよびその塩の製造方法

Info

Publication number
JPH1067722A
JPH1067722A JP9143674A JP14367497A JPH1067722A JP H1067722 A JPH1067722 A JP H1067722A JP 9143674 A JP9143674 A JP 9143674A JP 14367497 A JP14367497 A JP 14367497A JP H1067722 A JPH1067722 A JP H1067722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ester
hydrogenation
solvent
desiccant
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9143674A
Other languages
English (en)
Inventor
Frank Dr Bauer
バウアー フランク
Feld Marcel
フェルト マルツェル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Huels AG
Original Assignee
Huels AG
Chemische Werke Huels AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Huels AG, Chemische Werke Huels AG filed Critical Huels AG
Publication of JPH1067722A publication Critical patent/JPH1067722A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C227/04Formation of amino groups in compounds containing carboxyl groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミノマロンエステルならびに場合によりそ
の塩を、不活性溶剤中で、置換されたマロンエステルの
接触水素添加および場合により水素添加混合物への酸の
添加により製造する方法を提供する。 【解決手段】 水素添加を固体の乾燥剤、ならびにアミ
ノマロンエステル塩が十分に不溶である溶剤または溶剤
混合物の存在下で実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相応するニトロ化
合物、ニトロソ化合物、または場合によりO−置換ヒド
ロキシイミノ化合物の接触水素添加による、アミノマロ
ン酸エステルの改善された製造方法に関する。アミノマ
ロン酸エステルは酸を用いた中和により、アミノマロン
酸エステル塩に転化することが可能である。
【0002】
【従来の技術】アミノマロン酸エステルならびにアンモ
ニウム構造を有するその塩は、複素環式化合物の合成の
ための貴重な成分である。アミノマロンエステルの一連
の製造方法は公知であり、これらの場合では相応するニ
トロ化合物、ニトロソ化合物、または場合によりO−置
換されていてもよいヒドロキシイミノ化合物を還元して
いる。例えばGabriel 等著(B 27 [1894]1141)では
スズ、塩化スズ(II)、および塩酸を用いた還元を記
載している。Cherchez(Bull. Soc. Chim. Fr.,(4) 4
7 [1930]. 1282)ならびにLincemann 等著(Chem. Be
r., 63 [1930]. 710)によるとアルミニウムアマルガ
ムを還元剤として使用している。Siya等著(Syntheses,
1986, 133)では出発物質をギ酸アンモニウムで還元し
ている。フランス国特許第1171906号明細書によ
ると、アミノマロン酸エステルを電気化学的に陰極還元
することにより製造することも可能である。
【0003】これらの方法では主に高価な還元剤を用い
て作業している。さらにこの場合廃棄処分が困難な塩が
大量に生じる。電気化学的な方法は工業的な規模では電
気化学の設備を備えた製造業者にとってのみ適切であ
る。
【0004】Wesseley等著(Monatsh. Chem., 83 [195
2], 678,687)には触媒、例えばラネーニッケル、活性
炭に担持させたパラジウム、および活性炭に担持させた
白金を用いた接触水素添加による前述の出発物質の還元
が記載されている。カルボンエステル基を維持した選択
的な水素添加が成功しているのは、カルボンエステル基
をメチロール基に転位させるためには、ニトロ基、ニト
ロソ基、またはヒドロキシイミノ基を水素添加してアミ
ノ基にするよりも多くのエネルギー条件を必用とするた
めである。このような条件、つまり例えば明らかに10
0℃以上の温度は、アミノマロンエステルが分子内縮合
反応を起こしやすい敏感な分子であるために、既に適切
とはいえない。この理由により、アミノマロンエステル
を直ちに反応混合物内で引き続き反応させる意図がない
場合には、アミノマロンエステルを塩の形で収得するこ
ともまた有利である。
【0005】ニトロマロンエステル、ニトロソマロンエ
ステル、およびヒドロキシイミノマロンエステルの接触
水素添加は常に不活性溶剤中で実施された。アミノマロ
ンエステル塩が不溶、または可能な限り難溶な溶剤が望
まれる。しかしそのような溶剤、例えばトルエン、メチ
ルアセテート、エチルアセテート、またはメチル−t−
ブチルエーテルを使用する場合、水素添加が極めて緩慢
かつ不完全に進行する。もっともこのことは、希釈度を
大きくして作業することにより対向できる。しかしこれ
により空時収率は、工業的規模では認容できないものと
なる。
【0006】満足のいく反応速度ならびに良好な空時収
率はエタノールを溶剤として用いることにより達成でき
る。しかしアミノマロンエステル塩はエタノールに易溶
であるため、塩を沈殿させて分離することができない。
Org. Synth., 40, 24による方法では、ほとんどの溶剤
は水素添加工程にとっては適切であるが、塩の分離にと
っては適切といえず、かつその他の溶剤はこれとは逆の
関係にあるというこのジレンマからの逃げ道を目指した
努力が見られる。これによると水素添加をエタノール中
で実施し、該溶剤を最高50℃で留去し、残留物をジエ
チルエーテルに取り、かつアミノマロンエステル塩酸塩
を塩化水素ガスの導通により沈殿させている。しかし該
方法は、水素添加および沈殿工程で同一の溶剤を用いる
望ましい作業方法よりも費用がかかる。さらに該方法
は、特に工業的規模では、前記のアミノマロンエステル
の縮合反応傾向により、生成物の大きな損失につなが
る。もちろんこの傾向は、希釈の原理とは逆にエタノー
ルを留去し、かつアミノマロンエステルが最終的に塊状
物となって存在するまで濃度が上昇するにつれて一層は
っきりと現れてくる。
【0007】しかし縮合反応による、このような生成物
の損失は、まず水素添加をエタノール中で行い、かつ次
いで水素添加混合物に、塩の沈殿前に無極性の溶剤、例
えばトルエンを添加すれば完全に避けることができる。
ただしこの場合アミノマロンエステル塩は該溶剤混合物
に極めて良好に溶解するため、該塩の収率は満足のいく
ものではない。さらに塩を濾別した後の溶剤混合物は後
処理をしなくては再使用できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題は
従来の欠点を有しない、改善されたアミノマロンエステ
ルおよびその塩の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】ところで驚くべきことに
前記課題は、一般式I:
【0010】
【化4】
【0011】[式中R’およびR”は同じかまたは異な
っていてもよく、かつアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルカリール基またはアルアルキル基を表
し、RはR’およびR”と同じものを表し、かつ付加的
に水素を表すこともある]のアミノマロンエステルなら
びに場合により一般式II:
【0012】
【化5】
【0013】[式中R’、R”、およびRは式Iで定義
したものを表し、Yは酸アニオンを表し、かつnは酸H
nYの塩基度を表す]のアミノマロンエステルの塩を、
一般式III:
【0014】
【化6】
【0015】[式中R’、R”およびRは前記に定義し
たものを表し、かつXはニトロ基、ニトロソ基、または
O−置換されていてもよいヒドロキシイミノ基を表す]
の置換されたマロンエステルを不活性溶剤中、および場
合により酸HnY(式中Yおよびnは式IIに関して定
義したものを表す)を水素添加混合物に添加して接触水
素添加により製造する方法において、水素添加を固体の
乾燥剤、ならびにアミノマロンエステル塩IIが十分に
不溶である溶剤または溶剤混合物の存在下で実施するこ
とにより解決されることが判明した。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明による方法は、水素添加工
程においてアミノマロンエステルIを、エタノールと異
なりヒドロキシル基を含有しない溶剤を使用する場合で
も、高い収率で迅速に経過する反応において、かつ従っ
て高い空時収率で提供する。ヒドロキシル基を含有しな
い溶剤の使用は、アミノマロンエステルIを直ちに反応
混合物中でアルコーリシスに敏感な置換基を含有する反
応相手と引き続き反応させることを意図している場合に
有利である。中和工程でアミノマロンエステル塩IIは
高い純度で、かつ水素添加工程のアミノマロンエステル
Iに対して実際に定量的収率で収得される。本方法のい
ずれの工程でも同一の溶剤を使用する。該溶剤は溶剤混
合物でもよいが、しかし該溶剤混合物は次いで後処理を
必要とせず、単一の溶剤と全くと同様にそのままで新し
いバッチに使用することができる。
【0017】出発物質として有利である、置換されたマ
ロンエステルIIIおよびこれに応じて有利なアミノマ
ロンエステルIおよびこれらの塩では、R’およびR”
は1〜4個の炭素原子を有する同一のアルキル基を表
し、かつRは特に水素または1〜8個の炭素原子を有す
る炭化水素基、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキ
ル基を表す。有利に置換されたマロンエステルIIIで
Xは、1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基、特に1
〜4個の炭素原子を有するアルキル基、または2〜8個
の炭素原子を有するアシル基によりO−置換されていて
もよいニトロ基、またはヒドロキシイミノ基を表す。置
換されたマロンエステルIIIは単独でまたは混合物と
して使用することが可能である。
【0018】適切な、置換されたマロンエステルIII
は例えば、ニトロマロン酸ジメチルエステル、ニトロマ
ロン酸ジエチルエステル、ニトロマロン酸ジベンジルエ
ステル、メチルニトロマロン酸ジメチルエステル、メチ
ルニトロソマロン酸ジメチルエステル、イソブチルニト
ロソマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシイミノマロ
ン酸ジエチルエステル、O−アセチルヒドロキシイミノ
マロン酸ジメチルエステル、O−ベンゾイルヒドロキシ
イミノマロン酸ジエチルエステル、O−メチルヒドロキ
シイミノマロン酸ジエチルエステル、O−フェニルヒド
ロキシイミノマロン酸ジイソプロピルエステル、O−n
−ブチルヒドロキシイミノマロン酸ジ−n−ブチルエス
テル、O−n−オクチルヒドロキシイミノマロン酸ジメ
チルエステル、メチルニトロマロン酸ジエチルエステ
ル、O−アセチルヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエ
ステル、ヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエステル、
ヒドロキシイミノマロン酸ジイソプロピルエステル等で
ある。
【0019】本方法の第一工程は接触水素添加である。
この場合、ニトロ基、ニトロソ基、および場合によりO
−置換されていてもよいヒドロキシイミノ基を水素添加
しアミノ基にするために適切な公知の触媒、例えばプラ
チナ触媒、パラジウム触媒、ロジウムおよびニッケル触
媒を使用する。接触反応に有効な金属は単独で存在する
か、または担体に担持させてもよい。例えば、ラネーニ
ッケル、パラジウム黒、活性炭に担持させたパラジウ
ム、白金黒、活性炭に担持させた白金、酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、または硫酸バリウム
に担持させたパラジウム/白金、ならびに白金は方向付
け実験により困難なく確認することができる。貴金属触
媒は一般に、置換されたマロン酸エステルIII1重量
部当たり0.0001〜0.05重量部の量で使用す
る。
【0020】本発明の重要な特長は、水素添加工程にお
ける固体乾燥剤の併用である。このためには、水素添加
反応の際に生じる水をその都度の反応温度で、例えば結
晶水として結合することのできる公知のあらゆる固体乾
燥剤が適切である。適切な固体乾燥剤は特に無機質かつ
可逆作用のあるもの、つまり水が完全に負荷されたあと
加熱により再生することができるものである。適切な乾
燥剤の例は、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マ
グネシウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリカゲ
ル、乾燥合成樹脂イオン交換体、硫酸銅(II)、モン
モリロナイト、酸化カルシウム、酸化バリウム、および
酸化マグネシウムである。モレキュラーシーブとして公
知の天然または合成ゼオライトもまた本発明による方法
にとって極めて適切である。
【0021】固体乾燥剤の量は反応混合物中での液相の
分離を防止するように選択しなくてはならない。最低量
はその都度の置換されたマロンエステルIII(例えば
ニトロ化合物はヒドロキシイミノ化合物の2倍の水を生
じる)、選択した乾燥剤の吸水能力、および溶剤または
溶剤混合物の反応温度での水溶解能力によって決まる。
しかし単に乾燥剤をより多く使用することもまた可能で
ある。バッチ式の作業方法における制限は、水素添加混
合物が混和可能性を維持すべきことのみである。過剰な
量の乾燥剤は特に固−液分離を必用とする後処理を困難
にする。水素添加混合物は、その通例固体乾燥剤の含有
量が50重量%を越えると取扱が困難になる。実地では
置換されたマロンエステルIII1重量部当たり固体乾
燥剤0.02重量部以上使用するのが好ましいことが判
明した。有利には固体乾燥剤を置換されたマロンエステ
ルIII1重量部当たり0.02〜4.0、特に0.0
5〜0.25重量部使用する。固体乾燥剤の最適量はオ
リエンテーション実験により容易に確認できる。
【0022】円柱形に固定配置した水素添加触媒および
固体乾燥剤を用いた連続的な作業方法の場合、以下で説
明するように、乾燥剤には逐次水が負荷され、かつ乾燥
剤の消耗は、進行中水が分離し、かつ未反応の置換され
たマロンエステルIIIが検出されうる場合に明らかに
なる。このようにして固体乾燥剤の吸水能力を最適に使
用する。
【0023】本発明による方法のもう一つの重要な特徴
は、アミノマロンエステル塩IIが十分に不溶である溶
剤または溶剤混合物の使用である。この条件を満たすの
は、水と実質的に混和できない、または限られた範囲で
のみ混和可能である無極性、または極性の弱い有機溶剤
である。これにはカルボン酸エステル、特にC〜C
−カルボン酸とC〜C−アルカノールとのカルボン
酸エステル、反応温度で液状の脂肪族および芳香族炭化
水素、ハロゲン化および特に塩素化された脂肪族または
芳香族炭化水素、4〜12個の炭素原子を有する1価の
アルコール、2〜13個の炭素原子を有する芳香族およ
び脂肪族モノニトリル、ならびに4〜8個の炭素原子を
有するジアルキルエーテルが挙げられる。自体単独であ
るいは相互に混合して使用することのできるこの種の適
切な溶剤は例えばn−ヘプタン、およびn−オクタン、
ならびにこれらの異性体、ベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼン、1,2−ジクロロエタン、n−オクタノー
ル、n−ドデカノール、2−エチル−1−ヘキサノー
ル、ベンゾニトリル、カプリルニトリル、キシレン、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t
−ブチルエーテル、およびアセトンニトリルである。特
に有利な溶剤はメチルアセテートおよびエチルアセテー
トである。
【0024】実地では溶剤または溶剤混合物が少量の
水、つまり室温で約20重量%までを溶解することがで
きれば有利であることが実証された。実質的に水を溶解
しない溶剤、例えばn−ヘプタンまたはトルエンを選択
した場合、これらの溶剤と混和可能な親水性の化合物
を、混合物中の水の溶解度が前述の範囲内となるような
量で添加することが可能である。水に対して溶解能力の
大きい溶剤または溶剤混合物は少なくとも、アミノマロ
ンエステル塩を沈殿させなければならない場合には避け
るべきである。というのはさもないと塩の溶解性が著し
く上昇するからである。
【0025】本発明による方法は連続式またはバッチ式
に行うことができる。バッチ式の作業方法では置換され
たマロンエステルIIIの溶液、水素添加触媒、および
乾燥剤を加圧反応器に装入し、該混合物を反応温度まで
加熱し、かつ圧力が一定になるまで水素を圧入する。こ
の場合好ましくは反応混合物を十分混合することに配慮
する。容認可能な反応速度を達成するためには一般に、
触媒に応じて、0〜100℃で、かつ水素圧1〜150
バール(絶対圧)をかけて作業する。有利な水素添加温
度は0〜50℃、特に20〜40℃である。反応混合物
から固体の物質、つまり触媒および乾燥剤を通例の固−
液分離、例えば重力濾過、または吸引濾過により液相か
ら分離する。分離した固体を使用溶剤で洗浄することに
より、収率は改善される。アミノマロンエステルは液相
に溶解しており、かつ該液相で望ましくは引き続き反応
させるかまたは塩として沈殿させる。このためには酸H
nYを、可能な限り完全な沈殿のために好ましくは室温
まで冷却した溶液に入れ、かつ沈殿したアミノマロンエ
ステル塩IIを再び通例の方法で溶剤から分離する。該
溶剤はその後の処理なしで新しいバッチに使用すること
ができる。これは不純物、例えば副生成物が極めて多く
なり、そのためにアミノマロンエステル塩IIの収率お
よび/または純度が低下するまで、数回繰り返すことが
できる。その場合該溶剤(混合物)を蒸留により後処理
することができる。
【0026】酸HnYは1塩基性または多塩基性、有利
には3塩基性までの有機または無機酸が可能である。適
切な酸は特に塩化水素、臭化水素、硫酸、燐酸、酢酸、
シュウ酸、メタンスルホン酸、およびp−トルエンスル
ホン酸である。これらの酸は溶剤に、場合によりガス状
で、無希釈の液体または固体の形で、または溶剤、好ま
しくは水素添加工程の溶剤に溶解して、供給することが
できる。
【0027】水素添加触媒と一緒に混合物中に存在して
いる乾燥剤は通例の方法で再生する、つまり吸収したし
た水を除去することができる。このためには例えば不活
性ガス中で100〜300℃まで加熱することにより、
吸収した水を除去することが可能であり、これにより該
混合物を新しいバッチに再使用することができる。最適
な脱水温度は、乾燥剤が水を放出し始める温度によって
決まる。例えば塩−水化物では多くの場合低い温度で十
分であるが、他方例えばゼオライトは前記の温度範囲の
上の範囲で脱水しなくてはならない。加熱は、触媒に応
じて空気流または不活性ガス(例えば窒素またはアルゴ
ン)流中で行う。もう一つの、あまり有利でない変更例
では、乾燥剤が水溶性である場合に限り、該乾燥剤を水
に溶解し、該溶液を廃棄し、かつ少なくとも残留した水
素添加触媒をあらたに使用する。
【0028】本発明による方法は連続的に行うこともま
た可能である。このためには触媒および乾燥剤を、混合
してまたは層状にして、管状反応器に固定配置し、反応
温度まで加熱し、かつ次いで水素を並流または向流で貫
流させながら、置換されたマロンエステルIIIを触媒
上に滴下することが可能である。温度および圧力に関し
ては連続的作業方法は前記のバッチ式の方法と変わらな
い。乾燥剤の吸水能力が消耗すると、水および未反応の
置換されたマロンエステルIIIが進行中に現れる。こ
の場合乾燥剤を再生しなくてはならない。このためには
触媒および乾燥剤を溶剤で洗浄し、熱気を管状反応器に
吹き込むことにより残留した溶剤を蒸発させ、かつ温度
を相応して上昇させ、かつ触媒に応じて空気流または不
活性ガス流を管状反応器に貫流させて最終的に水を乾燥
剤から追出する。この連続的な方法のもう一つの態様で
は二つの管状反応器を並列配置し、一方は水素添加工程
にあり、他方では乾燥剤を再生する。
【0029】連続的方法で未反応のマロンエステルII
Iが「溢れ出る」またはバッチ式の方法で何らかの理由
により水素添加が不完全であった場合は、アミノマロン
エステルを等モル量の酸または酸の不足で沈殿させ、か
つアミノマロンエステル塩IIの分離後、濾過液を水素
添加工程へ戻すことが適切である。このようにして触媒
を失活しかねない水素添加中のアミノマロンエステル塩
IIの再沈殿を回避することができる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を詳細に説明するための例を挙
げるが、これらの例は請求の範囲で定義されているよう
な保護範囲を制限するものではない。
【0031】例1 アミノマロン酸ジエチルエステル塩
酸塩 エチルアセテート400ml中のヒドロキシイミノマロ
ン酸ジエチルエステルおよびアセトキシイミノマロン酸
ジエチルエステルからなる混合物420.0g(合わせ
て2モル)の溶液、ならびに無水硫酸マグネシウム4
0.0g、および水素添加触媒として活性炭に担持させ
たパラジウム(Pd5重量%)12.5gを、撹拌機を
有する1.5lの加圧反応器に装入した。30〜35℃
で水素を20バールで、80分後の圧力が一定であるま
で圧入した。この場合反応器の内容物を撹拌により十分
混合した。水素添加混合物を20℃まで冷却し、エチル
アセテート200mlで希釈し、かつ含水硫酸マグネシ
ウムおよび触媒からなる混合物を濾別した。分離した固
体を3回エチルアセテート合計200mlで洗浄し、か
つ洗浄液を濾過液と合した。乾燥した塩化水素68gの
導入により、白色の固体としてアミノマロン酸ジエチル
エステル塩酸塩が沈殿し、これを濾別し、エチルアセテ
ートで洗浄し、かつ水流真空中70℃で乾燥した。収量
359.6g(理論値の85.1%)、融点165℃、
かつ分析的に測定した塩素含有率に基づく純度は100
%であった。
【0032】例2 アミノマロン酸ジエチルエステル塩
酸塩 例1と同様に実施したが、本例で生じた含水硫酸マグネ
シウムおよび触媒からなる固体混合物を熱湯で洗浄し、
かつ乾燥後に回収した触媒をあらたに使用した。収量3
58.9g(理論値の84.9%)、融点165℃かつ
(塩素の含有率に基づく)純度は100%であった。
【0033】例3 アミノ酸ジエチルエステル塩酸塩 例1と同様に実施したが、出発物質をエチルアセテート
400mlおよびエタノール20mlからなる混合物に
溶解し、かつ硫酸マグネシウムの量を10.0gに減少
させた。収量340.2g(理論値の80.5%)、融
点165℃かつ(塩素含有率に基づく)純度は100%
であった。
【0034】例4 アミノマロン酸ジエチルエステル塩
酸塩 例1と同様に実施したが、溶剤としてメチル−t−ブチ
ルエーテルを使用した。収量353.1g(理論値の8
3.6 %)、融点165℃かつ(塩素含有率に基づ
く)純度100%であった。
【0035】例5 アミノマロン酸ジブチルエステル塩
酸塩 例1と同様に実施したが、ヒドロキシイミノマロン酸ジ
イソブチルエステルおよびアセトキシイミノジイソブチ
ルエステル(合わせて1.68モル)からなる混合物4
23gをエチルアセテート400mlおよび無水硫酸マ
グネシウム40.0gの存在下で水素添加した。アミノ
マロン酸ジイソブチルエステル塩酸塩が硫酸マグネシウ
ムおよび触媒の分離後、乾燥した塩化水素64.5gの
導入により沈殿した。収量339.4g(理論値の7
5.5 %)、融点範囲93.5〜95.5℃かつ(塩
素含有率に基づく)純度99%であった。
【0036】例6 アミノマロン酸ジイソブチルエステ
ル−p−トルエンスルホン酸塩 例5と同様に実施したが、水素添加混合物に、硫酸マグ
ネシウムおよび触媒の分離後、p−トルエンスルホン酸
塩316.9gをエチルアセテート2688gに溶解し
て添加し、該混合物を5℃で一晩貯蔵した。収量47.
6g(理論値の61.8 %)、融点範囲131〜13
2℃であった。
【0037】例7 アミノ−メチル−マロン酸ジエチル
エステル−p−トルエンスルホン酸塩 エチルアセテート450g中のニトロ−メチル−マロン
酸ジエチルエステル250gの溶液ならびに無水硫酸マ
グネシウム50.0g、および水素添加触媒として活性
炭に担持させたパラジウム(Pd5重量% )15g
を、撹拌機を有する1.5lの加圧反応器に装入した。
35〜40℃で水素を、50分後圧力が一定になるまで
6〜10バールで圧入した。この場合反応器の内容物を
撹拌機で十分に混合した。水素添加混合物を20℃まで
冷却し、かつ硫酸マグネシウムおよび触媒の濾別後にエ
チルアセテート900gのp−トルエンスルホン酸21
6.8gの溶液を加えた。該溶液を水流真空中で蒸発濃
縮した。この場合淡黄色の油状物383g(理論値の9
3%)が残留し、該油状物は13C−NMR分析により
p−トルエンスルホン酸および少量のその他の不純物以
外に主としてアミノ−メチル−マロン酸ジエチルエステ
ル−p−トルエンスルホン酸塩から構成されていた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [式中R’およびR”は同じかまたは異なっていてもよ
    く、かつアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
    アルカリール基またはアルアルキル基を表し、RはR’
    およびR”と同じものを表し、かつ付加的に水素を表す
    こともある]のアミノマロンエステルならびに場合によ
    り一般式II: 【化2】 [式中R’、R”、およびRは式Iで定義したものを表
    し、Yは酸アニオンを表し、かつnは酸HnYの塩基度
    を表す]のアミノマロンエステルの塩を、一般式II
    I: 【化3】 [式中R’、R”およびRは前記に定義したものを表
    し、かつXはニトロ基、ニトロソ基、またはO−置換さ
    れていてもよいヒドロキシイミノ基を表す]の置換され
    たマロンエステルを不活性溶剤中および場合により酸H
    nYを水素添加混合物に添加して接触水素添加すること
    により製造する方法において、水素添加を固体の乾燥
    剤、ならびにアミノマロンエステル塩IIが十分に不溶
    である溶剤または溶剤混合物の存在下で実施することを
    特徴とする、アミノマロンエステルおよびその塩の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 乾燥剤として塩化カルシウム、硫酸ナト
    リウム、硫酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナト
    リウム、炭酸カリウム、酸化アルミニウム、シリカゲ
    ル、硫酸カルシウム、乾燥合成樹脂イオン交換体、モレ
    キュラーシーブ、またはこれらの物質の混合物を、置換
    されたマロンエステルIII1重量部当たり0.02〜
    4.0重量部の量で使用する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 乾燥剤を置換されたマロンエステルII
    I1重量部当たり0.05〜0.25重量部の量で使用
    する、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 溶剤としてアルキルアセテート、ハロゲ
    ン化されていてもよい脂肪族または芳香族炭化水素、長
    鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪族ニトリル、水不溶性エ
    ーテル、またはこれらの溶剤の混合物を使用する、請求
    項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 バッチ式に作業し、かつ水素添加後に乾
    燥剤を水素添加触媒と一緒に通例の固−液分離により分
    離する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 乾燥剤と一緒に分離した水素添加触媒の
    存在下で、乾燥剤から水を除去し、かつ該乾燥剤を次い
    で水素添加触媒と一緒に新しいバッチに使用する、請求
    項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 水素添加触媒と一緒に分離した乾燥剤を
    水に溶解し、かつ残留した水素添加触媒を新しいバッチ
    に使用する、請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 水素添加を連続的に、場合により層状に
    積み重ねた触媒および乾燥剤からなる固床で実施し、水
    素を並流または向流で貫流させながら、該固床上に置換
    されたマロンエステルIIIを滴下する、請求項1から
    4までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 固床内の乾燥剤から、場合により固床を
    有機不純物の除去のために溶剤で洗浄後、吸収した水を
    除去し、かつ該固床をあらたに水素添加に使用する、請
    求項8記載の方法。
JP9143674A 1996-06-04 1997-06-02 アミノマロンエステルおよびその塩の製造方法 Pending JPH1067722A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19622325.3 1996-06-04
DE19622325A DE19622325A1 (de) 1996-06-04 1996-06-04 Verfahren zur Herstellung von Aminomalonester-Salzen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1067722A true JPH1067722A (ja) 1998-03-10

Family

ID=7796067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9143674A Pending JPH1067722A (ja) 1996-06-04 1997-06-02 アミノマロンエステルおよびその塩の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5847197A (ja)
EP (1) EP0811602B1 (ja)
JP (1) JPH1067722A (ja)
DE (2) DE19622325A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150886A1 (ja) * 2009-06-25 2010-12-29 富士フイルム株式会社 アミノマロン酸エステル及びその塩の製造方法
WO2010150887A1 (ja) * 2009-06-25 2010-12-29 富士フイルム株式会社 アミノマロン酸エステル化合物の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2521809A (en) * 1946-02-09 1950-09-12 Merck & Co Inc Preparation of acetamidomalonates
JPS5541227B2 (ja) * 1972-10-24 1980-10-22

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150886A1 (ja) * 2009-06-25 2010-12-29 富士フイルム株式会社 アミノマロン酸エステル及びその塩の製造方法
WO2010150887A1 (ja) * 2009-06-25 2010-12-29 富士フイルム株式会社 アミノマロン酸エステル化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE19622325A1 (de) 1997-12-11
EP0811602A1 (de) 1997-12-10
DE59700280D1 (de) 1999-09-02
US5847197A (en) 1998-12-08
EP0811602B1 (de) 1999-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6254289B2 (ja)
JP3521285B2 (ja) 2−アルキル−6−メチル−n−(1’−メトキシ−2’−プロピル)アニリンおよびそのクロロアセトアニリドの製造方法
EP1133466B1 (en) A process for the preparation of n,n'-bis 2, 3-dihydroxypropyl] -5-[(hydroxyacetyl) methylamino]-2, 4,6-triiodo-1, 3-benzenedi carboxamide
US3435074A (en) Process for producing nitrodiarylamines
JPH1067722A (ja) アミノマロンエステルおよびその塩の製造方法
EP1819661B1 (en) Crystallization method for benzphetamine
JPS6227059B2 (ja)
JPH0149137B2 (ja)
JP4197763B2 (ja) 無水2−アミノ−1−メトキシプロパンの製造方法
CN112272665A (zh) 制备立他司特的方法
JP3001626B2 (ja) 2―クロロプロピオンアルデヒド三量体およびその製造方法
JPH09169688A (ja) イソホロンの製造方法
JPH11315045A (ja) シクロプロピルアルキルケトンの製法
JP3446760B2 (ja) エチレンカーボネートの製造方法
JP3115097B2 (ja) アミノ酸アミノアルキルエステルの製法
JP2729219B2 (ja) 2,2,6,6―テトラメチル―4―オキソピペリジンの製造方法
JP2002284767A (ja) イミダゾール金属塩の製造方法
JPH027305B2 (ja)
JPS6350339B2 (ja)
JP3929517B2 (ja) 5・アセトアミド・1h・テトラゾ−ルの製造法
JP2003519679A (ja) α−(2−4−ジスルホフェニル)−N−tert−ブチルニトロン及びその医薬上許容しうる塩の新規な製造方法
JPH09157238A (ja) ターシャリーブチルヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩の製造方法
JPS6152132B2 (ja)
JPH11508909A (ja) α,ω−ブロモクロロアルカンの製造方法
EA003286B1 (ru) Способ получения солей цианобензиламинов

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050323