JPH1067490A - パンタグラフジャッキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の格納部から迅速に取り出すことがで
き、しかも、車体の所定位置に受け座を当接させるジャ
ッキアップ操作を極めて容易に且つ短時間で行い得るパ
ンタグラフジャッキを提供する。 【解決手段】 基台２を介して連結された一対のリンク
アーム３，３から成る下部リンク機構４と、受け座５を
介して連結された一対のリンクアーム６，６から成る上
部リンク機構７とを、保持用連結部８及び作動用連結部
９の夫々を介してパンタグラフ状に連結し、連結部８に
対し一端部を回動自在に且つ軸方向には移動しないよう
保持させたスクリューロッド１０を連結部９に対し螺合
し、各アーム３，３及び６，６をジャッキアップ方向に
起立作動させるよう付勢する捩りコイルばね１５を備
え、ロッド１０の他端部にネジ無し部１６を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パンタグラフジャ
ッキに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来のパンタグラフジャッキの一
例を示すもので、この種のパンタグラフジャッキ１にお
いては、基台２を介してピン３ａにより連結された一対
のリンクアーム３，３から成る下部リンク機構４と、受
け座５を介してピン６ａにより連結された一対のリンク
アーム６，６から成る上部リンク機構７とが、保持用連
結部８及び作動用連結部９の夫々を介してピン８ａ及び
９ａによりパンタグラフ状に連結されており、前記保持
用連結部８と作動用連結部９との間隔がスクリューロッ
ド１０の回動操作により拡縮し得るよう構成されてい
る。

【０００３】即ち、前記スクリューロッド１０の一端部
（図４における右側端部）が保持用連結部８に対し回動
自在に且つ軸方向には移動しないよう保持されており、
また、前記スクリューロッド１０の他端部（図４におけ
る左側端部）側から一端部側へ向け所要範囲に亘って形
成されたネジ部１１が作動用連結部９に螺合されてい
る。

【０００４】尚、図中１２はスクリューロッド１０の一
端部側に設けられたハンドル差込部、１３は車体を示
す。

【０００５】而して、ハンドル差込部１２にクランクハ
ンドルを差し込んで保持用連結部８と作動用連結部９と
の間隔が狭まる方向にスクリューロッド１０を回動操作
すると、下部リンク機構４及び上部リンク機構７の各リ
ンクアーム３，３及び６，６が起立作動して基台２に対
し受け座５がジャッキアップされ、また、保持用連結部
８と作動用連結部９との間隔が狭まる方向にスクリュー
ロッド１０を回動操作すると、下部リンク機構４及び上
部リンク機構７の各リンクアーム３，３及び６，６が倒
伏作動して基台２に対し受け座５がジャッキダウンされ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
パンタグラフジャッキ１を実際に使用する場合には、車
輌の格納部にぴったりと収まっているパンタグラフジャ
ッキ１を、ハンドル差込部１２を手で回すことにより一
旦折り畳んで取り出さなければならず、また、パンタグ
ラフジャッキ１を車体１３の下に配置してジャッキアッ
プする際において、受け座５が車体１３の所定位置に当
接してパンタグラフジャッキ１が固定されるまでの間
は、ハンドル差込部１２を手で回してジャッキアップを
行わなければならなかった為、実質的な車体１３のジャ
ッキアップ作業を開始するまでの準備に多大な手間と時
間を要するという不具合があった。

【０００７】即ち、車輌の格納部に収納されているパン
タグラフジャッキ１は、格納部内でガタつきが生じない
よう基台２と受け座５との間隔を拡張させておくのが通
常である為、格納部からパンタグラフジャッキ１を取り
出す際にハンドル差込部１２を手で回して折り畳まなけ
ればならないのであり、また、クランクハンドルは、パ
ンタグラフジャッキ１が固定された状態となっていない
と安定した回動操作が難しくハンドル差込部１２からも
外れ易い為、車体１３の下に配置したパンタグラフジャ
ッキ１をジャッキアップする際に受け座５が車体１３の
所定位置に当接するまでハンドル差込部１２を手で回さ
なければならなかったのである。

【０００８】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもの
で、車輌の格納部から迅速に取り出すことができ、しか
も、車体の所定位置に受け座を当接させるジャッキアッ
プ操作を極めて容易に且つ短時間で行い得るパンタグラ
フジャッキを提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、基台を介して
連結された一対のリンクアームから成る下部リンク機構
と、受け座を介して連結された一対のリンクアームから
成る上部リンク機構とを、保持用連結部及び作動用連結
部の夫々を介してパンタグラフ状に連結し、前記保持用
連結部に対し一端部を回動自在に且つ軸方向には移動し
ないよう保持させたスクリューロッドを前記作動用連結
部に対し螺合して前記保持用連結部と作動用連結部との
間隔を前記スクリューロッドの回動操作により拡縮し得
るよう構成したパンタグラフジャッキにおいて、前記各
リンクアームをジャッキアップ方向に起立作動させるよ
う付勢する付勢手段を備え、前記スクリューロッドの他
端部に放置状態で所定高さまでジャッキアップし得るよ
うな範囲に亘りネジ無し部を形成したことを特徴とする
ものである。

【００１０】このように構成すれば、スクリューロッド
の他端部におけるネジ無し部が作動用連結部と噛合する
ことなく軸方向に移動自在となる為、付勢手段の付勢力
に抗して各リンクアームをジャッキダウン方向に倒伏作
動させるよう手で押さえることによって、パンタグラフ
ジャッキを簡単に折り畳むことが可能となる。

【００１１】また、パンタグラフジャッキに何も荷重を
かけない放置状態とすれば、付勢手段により各リンクア
ームがジャッキアップ方向に起立作動されてパンタグラ
フジャッキが所定高さまで自動的にジャッキアップさ
れ、スクリューロッドのネジ部の開始端が作動用連結部
に干渉することによりジャッキアップが停止される。

【００１２】更に、この状態から保持用連結部と作動用
連結部との間隔が狭まる方向にスクリューロッドを回動
操作すると、スクリューロッドのネジ部が作動用連結部
に噛合し、受け座に加わる荷重を支えながらジャッキア
ップすることが可能となる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。

【００１４】図１〜図３は本発明を実施する形態の一例
を示すもので、図４と同一の符号を付した部分は同一物
を表わしている。

【００１５】前述した図４のパンタグラフジャッキ１と
略同様に構成されたパンタグラフジャッキ１４におい
て、下部リンク機構４及び上部リンク機構７の各リンク
アーム３，３及び６，６をジャッキアップ方向に起立作
動させる付勢手段として、保持用連結部８と作動用連結
部９とに捩りコイルばね１５を夫々装着し、該各捩りコ
イルばね１５の一端を下部リンク機構４側のリンクアー
ム３に固定し且つ他端を上部リンク機構７側のリンクア
ーム６に固定して上下のリンクアーム３，３及び６，６
相互が成す折れ角を拡張する方向に付勢力を付与する。

【００１６】また、前記保持用連結部８に対し一端部
（図１における右側端部）を回動自在に且つ軸方向には
移動しないよう保持させたスクリューロッド１０の他端
部（図１における左側端部）には、放置状態で所定高さ
までジャッキアップし得るようネジ無し部１６を所要範
囲に亘り形成し、該ネジ無し部１６を除いたスクリュー
ロッド１０の他端部側から一端部側へ向けての所要範囲
にはネジ部１１を残しておく。

【００１７】このように構成すれば、スクリューロッド
１０の他端部におけるネジ無し部１６が作動用連結部９
と噛合することなく軸方向に移動自在となる為、捩りコ
イルばね１５の付勢力に抗して各リンクアーム３，３及
び６，６をジャッキダウン方向に倒伏作動させるよう手
で押さえることによって、パンタグラフジャッキ１４を
簡単に折り畳むことが可能となる。

【００１８】また、パンタグラフジャッキ１４に何も荷
重をかけない放置状態とすれば、捩りコイルばね１５に
より各リンクアーム３，３及び６，６がジャッキアップ
方向に起立作動されてパンタグラフジャッキ１４が所定
高さまで自動的にジャッキアップされ、スクリューロッ
ド１０のネジ部１１の開始端が作動用連結部９に干渉す
ることによりジャッキアップが停止される。

【００１９】更に、この状態から保持用連結部８と作動
用連結部９との間隔が狭まる方向にスクリューロッド１
０を回動操作すると、スクリューロッド１０のネジ部１
１が作動用連結部９に噛合し、受け座５に加わる荷重を
支えながらジャッキアップすることが可能となる。

【００２０】従って、上記形態例によれば、車輌の格納
部にぴったりと収まっているパンタグラフジャッキ１４
を、捩りコイルばね１５の付勢力に抗して各リンクアー
ム３，６をジャッキダウン方向に倒伏作動させるよう手
で押さえるだけで簡単に折り畳んで迅速に取り出すこと
ができる。

【００２１】また、パンタグラフジャッキ１４を手で押
さえながら折り畳んだ状態で車体１３の下に配置して手
を離せば、パンタグラフジャッキ１４を所定高さまで自
動的にジャッキアップすることができるので、後はハン
ドル差込部１２を僅かに手で回してスクリューロッド１
０のネジ部１１を作動用連結部９に噛合させつつ若干の
微調整を行えば、容易に且つ短時間で受け座５を車体１
３の所定位置に当接させてパンタグラフジャッキ１４を
固定させることができ、クランクハンドルをハンドル差
込部１２に差し込んで実質的な車体１３のジャッキアッ
プ作業を開始することができる。

【００２２】更に、タイヤ交換等を終えて車体１３を支
えていたパンタグラフジャッキ１４をスクリューロッド
１０の回動操作により所定高さまでジャッキダウンすれ
ば、スクリューロッド１０のネジ部１１を作動用連結部
９から抜脱させて両者の螺合状態を解除することができ
るので、捩りコイルばね１５の付勢力に抗して各リンク
アーム３，３及び６，６をジャッキダウン方向に倒伏作
動させるよう手で押さえるだけで簡単に折り畳んで車体
１３の下から取り出すことができる。

【００２３】しかも、使用後に格納部にパンタグラフジ
ャッキ１４を収納する際においても、手で押さえて小さ
く折り畳んだパンタグラフジャッキ１４を格納部内に収
めて手を離せば、各リンクアーム３，３及び６，６が捩
りコイルばね１５によりジャッキアップ方向に起立作動
されてパンタグラフジャッキ１４の基台２と受け座５と
の間隔が自動的に拡張されるので、パンタグラフジャッ
キ１４を格納部内に簡単に固定することができる。

【００２４】尚、本発明のパンタグラフジャッキは、上
述の形態例にのみ限定されるものではなく、付勢手段は
捩りコイルばねに限定されないこと、その他、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。

【００２５】

【発明の効果】上記した本発明のパンタグラフジャッキ
によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

【００２６】（Ｉ）車輌の格納部にぴったりと収まって
いるパンタグラフジャッキを、付勢手段の付勢力に抗し
て各リンクアームをジャッキダウン方向に倒伏作動させ
るよう手で押さえるだけで簡単に折り畳んで迅速に取り
出すことができる。

【００２７】（ＩＩ）パンタグラフジャッキを手で押さ
えながら折り畳んだ状態で車体の下に配置して手を離せ
ば、パンタグラフジャッキを所定高さまで自動的にジャ
ッキアップすることができるので、後はスクリューロッ
ドのネジ部を作動用連結部に噛合させつつ若干の微調整
を行えば、容易に且つ短時間で受け座を車体の所定位置
に当接させてパンタグラフジャッキを固定させることが
できる。

【００２８】（ＩＩＩ）タイヤ交換等を終えて車体を支
えていたパンタグラフジャッキをスクリューロッドの回
動操作により所定高さまでジャッキダウンすれば、スク
リューロッドのネジ部を作動用連結部から抜脱させて両
者の螺合状態を解除することができるので、後は付勢手
段の付勢力に抗して各リンクアームをジャッキダウン方
向に倒伏作動させるよう手で押さえるだけで簡単に折り
畳んで車体の下から取り出すことができる。

【００２９】（ＩＶ）使用後に格納部にパンタグラフジ
ャッキを収納する際に、手で押さえて小さく折り畳んだ
パンタグラフジャッキを格納部内に収めて手を離せば、
各リンクアームが付勢手段によりジャッキアップ方向に
起立作動されてパンタグラフジャッキの基台と受け座と
の間隔が自動的に拡張されるので、パンタグラフジャッ
キを格納部内に簡単に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する形態の一例を示す正面図であ
る。

【図２】図１のＩＩ部分の詳細を示す拡大図である。

【図３】図１の捩りコイルばねの詳細を示す拡大図であ
る。

【図４】従来例を示す正面図である。

【符号の説明】

２ 基台 ３ リンクアーム ４ 下部リンク機構 ５ 受け座 ６ リンクアーム ７ 上部リンク機構 ８ 保持用連結部 ９ 作動用連結部 １０ スクリューロッド １４ パンタグラフジャッキ １５ コイルばね １６ ネジ無し部（付勢手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台を介して連結された一対のリンクア
   ームから成る下部リンク機構と、受け座を介して連結さ
   れた一対のリンクアームから成る上部リンク機構とを、
   保持用連結部及び作動用連結部の夫々を介してパンタグ
   ラフ状に連結し、前記保持用連結部に対し一端部を回動
   自在に且つ軸方向には移動しないよう保持させたスクリ
   ューロッドを前記作動用連結部に対し螺合して前記保持
   用連結部と作動用連結部との間隔を前記スクリューロッ
   ドの回動操作により拡縮し得るよう構成したパンタグラ
   フジャッキにおいて、前記各リンクアームをジャッキア
   ップ方向に起立作動させるよう付勢する付勢手段を備
   え、前記スクリューロッドの他端部に放置状態で所定高
   さまでジャッキアップし得るような範囲に亘りネジ無し
   部を形成したことを特徴とするパンタグラフジャッキ。