JPH1067030A - マグネットロールの成形装置及び成形方法 - Google Patents

マグネットロールの成形装置及び成形方法

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JPH1067030A
JPH1067030A JP33564396A JP33564396A JPH1067030A JP H1067030 A JPH1067030 A JP H1067030A JP 33564396 A JP33564396 A JP 33564396A JP 33564396 A JP33564396 A JP 33564396A JP H1067030 A JPH1067030 A JP H1067030A
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molding
magnet
magnet roll
roll
mold
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JP33564396A
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Shogo Miki
章伍 三木
Kikuo Shimazu
喜久雄 島津
Tadashi Yoshioka
正 吉岡
Fumihito Mori
文仁 毛利
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TOCHIGI KANEKA KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
TOCHIGI KANEKA KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0013Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor using fillers dispersed in the moulding material, e.g. metal particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/56Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding
    • B29C2045/5695Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding using a movable mould part for continuously increasing the volume of the mould cavity to its final dimension during the whole injection step

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネットロールの長手方向における磁気的
不均一性およびガス焼けによる成形不良、さらにはシャ
フトインサート型に見られる反り及び偏肉の問題点を解
決することができるとともに、成形されたマグネットロ
ールを金型から確実に離脱させることができるマグネッ
トロール成形装置及び成形方法を提供することである。 【解決手段】 マグネットロールのロール部を成形する
ための成形空間15を有するメイン成形型21と、前記
成形空間15内に略隙間なくスライド自在に装着され、
マグネットロールの一端部を成形するスライド型27
と、前記メイン成形型21の他側に着脱自在に取付けら
れ、マグネットロールの他端部を成形する端部成形型3
0と、前記成形空間15を取り囲むようにメイン成形型
21に固定され、成形空間15内に充填される溶融磁石
材料の磁性粒子を一方向に配向させる磁場配向手段26
とを備えさせて、マグネットロールの成形装置を構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やファクシ
ミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置に用いられ
るマグネットロールや、その他の用途に用いられるマグ
ネットロールの成形装置と成形方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、複写機やファクシミリ、プリン
タ等の電子写真方式の現像装置における現像ロールやク
リーニングロールとして、永久磁石材料を使ったマグネ
ットロールが用いられている。これら用途に使用される
マグネットロールとしては、アルニコ磁石やフェライ卜
磁石等の焼結磁石を用いたものが古くから知られている
が、近年に至っては、成形容易性や形状任意性の観点か
ら、合成樹脂または低融点金属等のバインダーに磁性粉
を配合した磁石材料を用いたマグネットロールが主流に
なりつつある。そして、このようなマグネットロール
は、射出成形法(例えば特公昭63−41203号公報
参照)や押し出し成形法(例えば特開昭55−1656
06号公報参照)によって製作されている。
【0003】射出成形法によって製作されるマグネット
ロールとしては、図1に示すマグネットロール1のよう
に、ロール部2と軸部3、4が磁石材料で一体成形され
た磁石材料一体型マグネットロールと、図8に示すよう
に、磁石材料からなるロール部41に金属製のシャフト
42をインサート成形したシャフトインサート型マグネ
ットロールとが広く実用化されている。
【0004】射出成形法によりマグネットロールを製作
する場合には、通常、図19、図20に示すように、マ
グネットロール1の軸心が金型の合わせ面内に配置され
るように、成形部を夫々形成した固定型100と可動型
101とからなる金型を用い、両金型100、101を
型締めして形成される成形空間102に、予め加熱溶融
させた磁石材料を注入口103から射出注入して金型内
で冷却固化させた後、金型を型開きして複数の突き出し
ピン104で離型させることで、マグネットロール1を
得るようになっている。図例の金型は、磁石材料一体型
のマグネットロール用のものであり、ロール部を成形す
る空間と軸部を成形する空間とが連続しており、しかも
成形空間の形状や寸法は、成形収縮率を考慮したものに
設定されている。また、シャフトインサート型のマグネ
ットロール40は、図示していないが、基本的には前記
と同様に、マグネットロール40の軸心が金型の合わせ
面内に配置されるように、半円柱状の成形空間を夫々形
成した固定型と可動型とからなる金型を用い、成形空間
内にシャフトを固定してから溶融磁石材料を射出注入す
ることで製作されている。
【0005】一方、この種の射出成形装置においては、
成形されるマグネットロールの磁気的特性を向上するた
め、成形空間を取り囲むように磁場配向手段を設け、磁
石材料が固化するまでの期間において、磁石材料に含ま
れる磁性粒子を一方向に配向させるように構成したもの
も広く実用化されている。
【0006】また、前記マグネットロールを複写機の現
像装置に用いる場合には、例えば、図21に示すよう
に、S極或いはN極が感光ドラム110に対面するよう
にマグネットロール1,40を固定し、スリーブ111
及び感光ドラム110を矢印で示すように回転させるこ
とで、スリーブ111の外周面に磁力でトナーボックス
112内のトナー113を順次付着させ、スリーブ11
1に最接近した感光ドラム110の帯電部分にトナー1
13を受け渡すように構成されている。尚、符号11
4、115、116、117、118は、それぞれクリ
ーニング器、帯電ローラ、普通紙、転写ローラ、定着機
である。このように、感光ドラム110に対してトナー
113を受け渡す関係上、感光ドラム110に対面する
マグネットロール1,40のS極或いはN極の磁気的な
特性は、マグネットロール1,40の全長に亙って一様
でないと、現像むらとして複写物に現れることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のマグネットロー
ルの成形方法では、マグネットロールと略同じサイズの
大きな成形空間内に、比較的小さな径の注入口から高速
高圧力で溶融磁石材料を注入するため、注入された溶融
磁石材料は成形空間内を乱れて流動しながら充填され
る。従って、磁性材料中に配合された磁性粒子は、方向
が乱れた状態で固化するため磁気的な特性にむらが生じ
る。特に、成形時に磁場配向させる場合には、成形空間
内における溶融磁石材料の流動が、磁性粒子の磁場配向
に大きな影響を及ぼす関係上、前記のような溶融磁石材
料の乱れた流動は極力少なくすることが望ましい。ま
た、磁場配向を行うことによる特有の問題として、従来
の成形方法では、溶融磁石材料が磁場により成形空間の
外周部側に先に充填され、遅れて成形空間の中央部に乱
れて流れる現象が発生するため、磁場配向にむらが生じ
やすく、マグネットロールの長手方向の磁気的均一性が
大幅に低下するという問題がある。
【0008】また、従来のマグネットロールの成形方法
では、磁石材料は摂氏二百〜三百数十度の高温に加熱溶
融したものを、同五十〜百数十度に温度調節された金型
の成形空間内に注入するため、その注入速度が遅い時は
溶融磁石材料が部分的に固化してしまい、特性にむらが
生じる。従って、溶融磁石材料を出来るだけ短時間で金
型の成形空間内に注入充填する必要がある。しかし、成
形空間内には空気が入っているため、溶融磁石材料を高
速で短時間に注入するとその空気が成形空間から排除出
来なくなり、空気の圧縮断熱作用によって局部的に高温
となり、通称ガス焼けと言われる成形不良となる。この
ような現状から、予め成形空間内を真空にしたり空気抜
きのための隙間や穴を設けたり、また溶融磁石材料の注
入速度を増すために隙間や穴を大きくしている。しかし
このような対策を施すと、今度は隙間や穴付近にバリが
発生するという問題が発生してしまう。
【0009】またシャフトインサート型のマグネットロ
ールでは、比較的径の細いシャフトを予め金型内に装着
した状態で、高速高圧力の溶融磁石材料を注入するた
め、磁石材料の圧力と高温度によってシャフトが曲が
り、シャフトが偏心するという問題が発生していた。そ
のためシャフトインサート型のマグネットロールでは、
磁石部分が偏肉になることから、反りの発生や磁気分布
が不均一になるという問題があった。一方、シャフトを
太くすればこの問題は緩和されるが、シャフトが太くな
る分、磁石材料の肉厚が薄くなって必要な磁力が得られ
ないという問題が発生する。
【0010】本発明の目的は、マグネットロールの長手
方向における磁気的不均一性およびガス焼けによる成形
不良、さらにはシャフトインサート型に見られる反り及
び偏肉の問題点を解決することができるとともに、成形
されたマグネットロールを金型から確実に離脱させるこ
とができるマグネットロール成形装置及び成形方法を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】従来の装置や方法は、マ
グネットロールのような長尺物の形状に対応した成形空
間内に、その一か所から溶融樹脂を注入するものであ
る。従って、成形空間の大きさに応じて、溶融樹脂の温
度低下や注入速度、あるいは注入口の位置やガス抜きの
工夫等の互いに整合の取りにくい条件の組み合わせを最
適化をする、という考え方に立脚している。これに対し
て本発明は、用いる合成樹脂の種類やその溶融状態での
特性、あるいは生産性の観点から先ず最適な注入速度を
決め、この溶融樹脂の最適注入速度に合わせ、溶融樹脂
を注入しながら成形空間を所定のサイズまで拡大してい
くという、全く革新的な技術的思想に基づくものであ
る。即ち、油圧シリンダの作動空間に作動流体を加圧供
給するように、溶融磁石材料を金型の成形空間内に射出
注入して、成形空間をマグネットロールのサイズまで拡
大するのである。従って、注入速度のみを最適化するこ
とで、前述した従来方法における諸問題が一挙に解決で
きる。
【0012】請求項1に係るマグネットロールの成形装
置は、マグネットロールのロール部を成形するための成
形空間を有するメイン成形型と、成形空間内に略隙間な
くスライド自在に装着され、マグネットロールの一端部
を成形するスライド型と、メイン成形型の他側に着脱自
在に取付けられ、マグネットロールの他端部を成形する
端部成形型と、成形空間を取り囲むようにメイン成形型
に固定され、成形空間内に充填される溶融磁石材料の磁
性粒子を一方向に配向させる磁場配向手段とを備えたも
のである。
【0013】ここで、請求項2記載のように、スライド
型としてマグネットロールのシャフトが略隙間なく挿通
するスリーブ状の部材を用いてもよい。また、請求項3
記載のように、溶融磁石材料の注入圧でスライド型が後
退するように構成するとともに、スライド型の後退移動
時にスライド型に対して制動力を付与する制動手段を設
けることも可能である。
【0014】請求項4記載のマグネットロールの成形方
法は、請求項1記載のマグネットロールの成形装置を用
い、スライド型を成形空間内に装着した状態で、端部成
形型側から成形空間内へ溶融磁石材料を射出注入すると
ともに、この注入速度に応じてスライド型を適性な成形
位置まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石材料の磁性
粒子を一方向に配向させながら成形空間内でマグネット
ロールを成形するものである。
【0015】請求項5記載のマグネットロールの成形方
法は、請求項2記載のマグネットロールの成形装置を用
い、マグネットロールのシャフトを装着したスライド型
を成形空間内に装着するとともに、シャフトの端部を端
部成形型に固定した状態で、端部成形型側から成形空間
内へ溶融磁石材料を射出注入するとともに、シャフトを
残した状態で、この注入速度に応じてスライド型を適性
な成形位置まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石材料
の磁性粒子を一方向に配向させながら成形空間内でマグ
ネットロールを成形するものである。
【0016】ここで、請求項6記載のように、成形空間
内に射出注入される溶融磁石材料の注入圧によるスライ
ド型の後退移動時に、スライド型に対して10N以上の
制動力を付与すること、請求項7記載のように、成形空
間に対する溶融磁石材料の射出注入時間を3秒以下に設
定すること、などが好ましい実施例である。
【0017】請求項8に係るマグネットロールの成形装
置は、請求項1記載のマグネットロールの成形装置を用
いて、成形されたマグネットロールをスライド型から離
脱させるための突き出し部材を備えたものである。
【0018】また、請求項9に示すように、前記突き出
し部材を前記スライド型内に略隙間なくスライド自在に
装着するとともに、この突き出し部材とスライド型とを
相対移動させることにより成形されたマグネットロール
をそれの長手方向から押し出すように構成することが好
ましい。
【0019】請求項10記載のマグネットロールの成形
方法は、請求項8又は9記載のマグネットロールの成形
装置を用い、スライド型を成形空間内に装着した状態
で、端部成形型側から成形空間内に溶融磁石材料を射出
注入するとともに、この注入速度に応じてスライド型を
適性な成形位置まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石
材料の磁性粒子を一方向に配向させながら成形空間内で
マグネットロールを成形し、この成形されたマグネット
ロールを突き出し部材でスライド型から離脱させるもの
である。
【0020】
【作用】請求項1及び請求項4は磁石材料一体型マグネ
ットロールを成形するための成形装置及び成形方法に係
るもので、この成形装置及び成形方法においては、スラ
イド型を成形空間内に装着した状態で、端部成形型側か
ら成形空間内へ溶融磁石材料を射出注入するとともに、
この注入速度に応じてスライド型を強制的或いは注入圧
により適性な成形位置まで後退させ、磁場配向手段で溶
融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させながら成形空
間内でマグネットロールを成形することになる。そし
て、溶融磁石材料が固化した後、端部成形型をメイン成
形型から取り外し、スライド型を前進させることで、成
形されたマグネットロールを金型外へ排出することにな
る。尚、成形されたマグネットロールは多少収縮するの
で、軸方向に移動させて成形空間から容易に取り出せる
ことになる。ところで、前記のように成形されたマグネ
ットロールは、それの一端がスライド型の端部に嵌合し
た状態であるため、スライド型を前進させるだけでは前
記嵌合状態を解除することができない場合があるが、こ
のような場合でも、請求項8の成形装置、又は請求項1
0の成形方法の突き出し部材を用いることによって、ス
ライド型から強制的に離脱させて、成形されたマグネッ
トロールを金型外に確実に排出することができるのであ
る。特に、前記溶融磁石材料をプラスチックボンド磁石
から構成する場合には、その接着力により前記嵌合状態
を強固に維持しようとするため、前記突き出し部材でス
ライド型から強制的に離脱させることが必要不可欠にな
るものである。
【0021】前述のように、溶融磁石材料の注入速度に
応じて成形空間を拡大させながら溶融磁石材料が成形空
間に充填されるので、注入初期においては、小さい容積
ながら中空の成形空間内に溶融磁石材料が注入されるこ
とになるが、溶融磁石材料がこの小空間を満たした後
は、成形空間に充填された溶融磁石材料に対して溶融磁
石材料が射出注入されるため、成形空間内における溶融
磁石材料の流速は大幅に遅くなる。また、磁場により溶
融磁石材料が成形空間の外周側に渦を巻きながら先に充
填されるといった不具合もなく、注入口側の端部成形型
側から順次一様に充填されることになる。また、スライ
ド型を最前進位置に位置させたときには、成形空間の容
積が小さいので、成形空間内の空気を僅かな隙間からで
も確実に逃がすことが可能となり、従来のように溶融磁
石材料の注入に伴って大量の空気を排出する必要がない
ことから、バリやガス焼けと言った成形不良が発生せ
ず、成形空間への溶融磁石材料の注入速度を高くするこ
とができる。このように本発明は、溶融磁石材料を注入
する時、その流れを乱すことなく成形できるため、磁石
材料の配向が一様にできるという、従来の考え方では得
られなかった優れた機能を発現するものである。
【0022】一方、シャフトインサート型マグネットロ
ールを成形する場合には、請求項2及び請求項5記載の
ように、スライド型としてマグネットロールのシャフト
が略隙間なく挿通するスリーブ状の部材を用い、シャフ
トを装着したスライド型を成形空間内に装着するととも
に、シャフトの端部を端部成形型に固定した状態で、端
部成形型側から成形空間内へ溶融磁石材料を射出注入す
るとともに、シャフトを残した状態で、この注入速度に
応じてスライド型を適性な成形位置まで後退させ、磁場
配向手段で溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させ
ながら成形空間内でマグネットロールを成形することに
なる。このため、請求項1及び請求項4と同様の作用が
得られるとともに、溶融磁石材料の注入とともにスライ
ド型が後退して相対的にシャフトが露出し、露出したシ
ャフトが順次溶融磁石材料に覆われて磁石材料とシャフ
トが一体成形されることになるので、シャフトに対して
大きな応力が作用しても、曲がったりするという不具合
はない。
【0023】請求項3記載のように、溶融磁石材料の注
入圧でスライド型が後退するように構成するとともに、
スライド型の後退移動時にスライド型に対して制動力を
付与する制動手段を設けたり、請求項6記載のように、
後退移動時にスライド型に対して10N以上の制動力を
付与すると、成形空間内における溶融磁石材料の流動が
一層抑制される。また、請求項7記載のように、成形空
間に対する溶融磁石材料の射出注入時間を3秒以下に設
定すると、溶融磁石材料の軸方向での温度差が小さくな
るため、軸方向の磁気特性の差を小さく出来る。
【0024】請求項9記載のように、突き出し部材をス
ライド自在に支持するための支持部材としてスライド型
を利用して、スムーズなスライドを行わせることができ
る。しかも、マグネットロールをそれの長手方向から押
し出すことによって、例えば従来の方式のように成形さ
れたマグネットロールをそれの長手方向と直交する方向
から複数の突き出し部材で押し出す場合に比べて、押し
出し時の衝撃力でマグネットロールが変形し難く、しか
も単一の突き出し部材でも確実にマグネットロールを押
し出すことができるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。先ず、第1実施例として、
磁石材料一体型マグネットロールの構成及びその成形装
置並びに成形方法について説明する。図1に示すよう
に、マグネットロール1は、円柱状のロール部2の両端
に縮径した軸部3、4を突出形成し、軸部3に位置決め
或いは駆動力伝達用の切欠部5を形成したもので、磁石
材料を用いて一体成形されている。尚、マグネットロー
ル1として、ロール部2が円柱でなく多角柱であるも
の、ロール部2の軸中心と軸部3、4の軸中心を故意に
偏心させたものなどに対しても本発明を同様に適用でき
る。
【0026】マグネットロール1を構成する磁石材料と
しては、磁性粉と当該磁性粉同士を結合させるためのバ
インダーを主体とし、それらの結合を強固にするための
シラン系またはチタネート系のカップリング剤、流動性
を良くするための滑剤、バインダーの熱分解を防止する
安定剤等を微量配合した混合物であり、必要により難燃
剤を配合することも可能で、磁性粉としては、フェライ
ト系、希土類系(SmCo系、NdFeB系)、MnA
IC系、アルニコ系、SmFeN系等のものから選択で
き、またバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、低融点合金等を用いることができる。
【0027】このマグネットロール1は、複写機やファ
クシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置におけ
る現像ロールやクリーニングロールとして用いられてい
るものであるが、他の用途にも勿論利用できる。
【0028】次に、マグネットロール1の成形装置10
について説明する。図2〜図6に示すように、可動基板
11と固定基板12とが設けられ、可動基板11には複
数の取付孔13が所定の配列で形成され、各取付孔13
には後述する成形ユニット14が内装され、可動基板1
1の右側に固定基板12を組み合わせて成形ユニット1
4内の成形空間15を閉鎖した状態で、図示外の射出シ
リンダからマニホールド16を介して各成形ユニット1
4の成形空間15へ溶融磁石材料を供給することで、各
成形空間15内でマグネットロール1が成形されるよう
に構成されている。尚、マニホールド16のノズル17
は、ヒータ等で溶融磁石材料を加熱するホットゲート方
式、または加熱しないコールドゲート方式のいずれを用
いてもよい。
【0029】成形ユニット14について説明すると、取
付孔13に内嵌装着される軟磁性材からなる略円筒状の
バックヨーク20が設けられ、バックヨーク20の中央
部にはロール部2を成形するためのスリーブ状のメイン
成形型21が設けられている。バックヨーク20内には
非磁性材からなるスペーサブロック22が内装され、メ
イン成形型21はスペーサブロック22を介してバック
ヨーク20の中央部に固定保持されいる。スペーサブロ
ック22内には8本の冷却水通路23が形成され、この
冷却水通路23を流通する冷却水により成形空間15に
充填された溶融磁石材料が冷却されることになる。ま
た、バックヨーク20とメイン成形型21間には所定の
角度をもたせて放射状に永久磁石24と軟磁性材からな
る先端ヨーク25とが4組設けられ、メイン成形型21
を挟んで配置される永久磁石24の対面側は同極に設定
されている。尚、バックヨーク20と永久磁石24と先
端ヨーク25とで溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配
向させる磁場配向手段26が構成されている。また、こ
の磁場配向手段26としては、永久磁石24及び先端ヨ
ーク25を4組以外の複数組設けたもの、電磁石式励磁
方法等、既存の種々の構成のものを採用することが可能
である。
【0030】メイン成形型21にはスライド型27が径
方向に略隙間のない状態で左右方向にスライド自在に装
着され、スライド型27の右端部には軸部3を含むマグ
ネットロール1の左端部を成形する成形部が形成されて
いる。スライド型27の左端部は、可動基板11の左側
に固定された抜止板28を貫通して左方へ延設され、ア
クチュエータ29に接続されている。そして、このアク
チュエータ29により、スライド型27は図4に図示の
前進位置と図5に図示の後退位置とに亙って駆動され
る。尚、アクチュエータ29としては、油圧シリンダ
ー、空気圧シリンダー、スクリューネジ、ラックピニオ
ンギア、リニアモータ等を用いることが可能である。固
定基板12には軸部4を含むマグネットロール1の右端
部を成形するための成形部を有する端部成形型30が固
定され、端部成形型30の中央部には成形空間15内へ
溶融磁石材料を射出注入するための注入口31が形成さ
れている。
【0031】次に、マグネットロール1の成形方法につ
いて説明する。先ず、図4に示すように、可動基板11
の右側に固定基板12を組み合わせて、メイン成形型2
1内の成形空間15を端部成形型30で閉鎖するととも
に、アクチュエータ29を駆動してスライド型27を前
進位置まで移動させ、成形空間15の容積を最小にす
る。
【0032】次に、図5に示すように、射出シリンダを
駆動してマニホールド16から注入口31を介して成形
空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、溶融磁石材料
の注入圧でスライド型27を後退位置まで後退させなが
ら、成形空間15内に溶融磁石材料を充填する。このと
き、アクチュエータ29として油圧シタンダを用いる場
合には、作動油を絞りながらリークさせることで、スラ
イド型27の後退移動に制動力を付与することになる。
但し、摩擦等により制動力を付与する制動力付与手段を
設けて、スライド型27の後退移動時に制動力を付与し
てもよい。また、溶融磁石材料の射出注入速度に応じて
アクチュエータ29により制動力を付与しながらスライ
ド型27を後退させてもよい。また、このとき成形空間
15内に充填された溶融磁石材料は固化するまでの期間
において、メイン成形型21の外周部に設けられた磁場
配向手段26により、図7に示すように、磁性粒子32
の方向が揃えられることになる。
【0033】次に、図6に示すように、射出注入した溶
融磁石材料が固化した後、可動基板11から固定基板1
2を取り外し、アクチュエータ29によりスライド型2
7を前進位置まで移動させ、成形されたマグネットロー
ル1を得ることになる。尚、成形されたマグネットロー
ル1は固化することで多少収縮するので、軸方向に移動
させて容易に取り出せる。
【0034】次に、第2実施例として、金属製または合
成樹脂製のシャフトをインサートしたシャフトインサー
ト型マグネットロールの成形装置並びに成形方法につい
て説明する。尚、前記第1実施例と同一部材には同一符
号を付してその詳細な説明を省略する。図8に示すよう
に、マグネットロール40は、磁石材料からなるロール
部41の中心部に金属製または合成樹脂製のシャフト4
2をインサート成形し、シャフト42の両端部をマグネ
ットロール40の軸部43、44となしたものである。
【0035】成形装置50は、図9〜図11に示すよう
に、基本的には、第1実施例における成形装置10と同
様の構成で、異なる部分について説明すると、スライド
型27に代えて、シャフト42の右端部以外の部分を収
容可能な収容部51を有するスライド型52を用い、注
入口31に代えて、マグネットロール40のロール部4
1を成形する成形空間に向けて開口する注入口53を設
け、端部成形型30にシャフト42の右端部を挟持可能
なクランプ手段54を設けたものである。
【0036】次に、マグネットロール40の成形方法に
ついて説明する。先ず、図9に示すように、スライド型
52の収容部にシャフト42を装着した状態で、可動基
板11の右側に固定基板12を組み合わせて、メイン成
形型21内の成形空間15を端部成形型30で閉鎖する
とともに、アクチュエータ29を駆動してスライド型5
2を前進位置まで移動させて、成形空間15の容積を最
小にし、クランプ手段54でシャフト42の右端部を端
部成形型30に固定する。シャフト42は少なくとも金
型の温度以上の温度に予め加熱した方が温度差による歪
を少なくでき、シャフト42の曲がりを防止し、また磁
石材料との密着性をよくすることができ、磁石材料のひ
び割れや剥がれを防止できる。
【0037】次に、図10に示すように、射出シリンダ
を駆動してマニホールド16から注入口31を介して成
形空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、溶融磁石材
料の注入圧でスライド型52を後退位置まで後退させな
がら、成形空間15内に溶融磁石材料を充填する。この
とき、シャフト42は、クランプ手段54で端部成形型
30に固定されているので、スライド型52の後退移動
により成形空間15内に取り残されて溶融磁石材料内に
インサートされる。尚、スライド型52の後退移動に対
しては、第1実施例と同様、制動力を付与することが好
ましい。また、このとき、成形空間15内に充填された
溶融磁石材料は固化するまでの期間において、第1実施
例と同様に、磁場配向手段26により磁性粒子の方向が
揃えられることになる。
【0038】次に、図11に示すように、射出注入した
溶融磁石材料が固化した後、可動基板11から固定基板
12を取り外し、アクチュエータ29によりスライド型
52を前進位置まで移動させ、シャフト42がインサー
ト成形されたマグネットロール40を得ることになる。
【0039】このように何方の実施例(後述の実施例も
含む)も、溶融磁石材料を成形空間15へ注入する時
に、注入初期は成形空間15の容積を小さくし、注入速
度に応じて左右方向に成形空間15を拡大させること
で、溶融磁石材料の成形空間15中の流れに乱れが生じ
にくく、磁石材料中に分散している磁石粒子の方向が一
定となり磁気的に均一な特性のマグネットロール1を得
ることができる。また、成形空間15には少量の空気し
か存在しないため、溶融磁石材料を高速で注入してもガ
ス焼けの成形不良が発生しない。第2実施例では、溶融
磁石材料を成形空間15内へ注入する時にシャフト42
の全域にわたってスライド型52がガイドするため、シ
ャフト42が溶融磁石材料の流動圧力で曲がることを防
止でき、磁石材料の偏肉がなく磁気的に均一なものが得
られ、また偏肉によるマグネットロール40の反りも防
止でき寸法精度が向上する。
【0040】次に、第1実施例におけるマグネットロー
ル1の性能を評価するために行った性能試験について説
明する。下記の〜の条件に加え、本発明の成形装置
10では、射出時間を0.6秒、1秒、1.8秒の3段
階に、またスライド型27に対する制動力を、40N、
110N、220Nの3段階に夫々設定し、従来の成形
装置では、射出時間を1秒に設定して、成形体を夫々2
0本製作した。尚、ここでいう射出時間とは、射出開始
後、成形空間内に溶融磁石材料が完全に充填されまるで
の時間である。 磁石材料・・・バインダー:6ナイロン,磁性粉:St
フェライト60vol % 成形体寸法・・φ9.6mm、長さ220mm 成形温度・・・300℃ 金型温度・・・80℃ 射出圧力・・・950MPa 射出・保圧時間・・7秒 冷却時間・・・・・25秒
【0041】そして、磁気センサーを成形体に接近させ
た状態で、成形体の一端から他端へ移動させ、成形体の
軸方向における磁気的特性を夫々測定し、更に性能を比
較し易くするため、磁力センサーの出力が局部的に変動
する最大変動値(リップル値)の平均をとって表1に示
す結果を得た。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示すように、本発明品は、従来品に
対してリップル値が18〜30%優れており、成形品の
長手方向における磁気特性が均一になっていることが判
る。また、成形空間内に溶融磁石材料が充填されるまで
の射出時間は、短くなる程リップル値が小さくなる傾向
を示し、スライド型27に対する制動力は、大きくなる
程リップル値が小さくなる傾向を示していることが判
る。このため、射出時間は、3秒以内、好ましくは1秒
以内に設定し、制動力は10N以上、好ましくは110
N以上に設定すれば、優れた性能のマグネットロールを
製作できることが判る。
【0044】第3実施例として、前記構成の成形装置1
0に、突き出し部材6を設けて成形装置55を構成した
場合を、図12〜図18に示しており、以下、この成形
装置55について説明する。尚、前記示した成形装置1
0と同一のものは同一番号を付し、説明は省略するもの
とする。
【0045】図12に示すスライド型27には貫通孔が
形成され、この貫通孔内に成形されたマグネットロール
1を該スライド型27から離脱させるための突き出し部
材6が径方向に略隙間のない状態でスライド自在に装着
されている。前記突き出し部材6は、断面形状円形や楕
円形の他、多角形等、突き出し部材6の形状及び太さ
(大きさ)は、これらのものに限定されるものではな
い。前記突き出し部材6をスライドさせることをアクチ
ュエータ7の駆動力を用いて行うことになる。前記スラ
イド型27の左端部は、可動基板11の左側に固定され
た抜止板28を貫通して左方へ延出され、アクチュエー
タ29に接続されている。そして、このアクチュエータ
29により、スライド型27は図13に図示の前進位置
と、図14に図示の後退位置とに渡って駆動される。
尚、前記アクチュエータ7及び29としては、油圧シリ
ンダ、空気圧シリンダ、スクリュウネジ、ラックピニオ
ンギア、リニアモータ等を用いることができ、アクチュ
エータ29としての具体構成は、これらのものに限定さ
れるものではない。
【0046】次に、マグネットロール1の成形方法につ
いて説明する。先ず、図13に示すように、可動基板1
1の右側に固定基板12を組合わせて、メイン成形型2
1内の成形空間15を端部成形型30で閉鎖するととも
に、アクチュエータ29を駆動してスライド型27を前
進位置まで移動させると同時に、このスライド型27の
移動に連動させてアクチュエータ7の駆動により突き出
し部材6を前進位置まで移動させ、成形空間15の容積
を最小にする。
【0047】次に、図14に示すように、射出シリンダ
を駆動してマニホールド16から注入口31を介して成
形空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、溶融磁石材
料の注入圧でスライド型27を後退位置まで後退させる
と同時に、スライド型27の移動に連動させてアクチュ
エータ7の駆動により突き出し部材6を後退させなが
ら、成形空間15内に溶融磁石材料を充填する。このと
き、アクチュエータ29として油圧シリンダを用いる場
合には、作動油を絞りながらリークさせることで、スラ
イド型27の後退移動に制動力を付与することになる。
但し、摩擦等により制動力を付与する制動力付与手段を
設けて、スライド型27の後退移動時に制動力を付与し
てもよい。また、溶融磁石材料の射出注入速度に応じて
アクチュエータ29により制動力を付与しながらスライ
ド型27を後退させてもよい。また、このとき成形空間
15内に充填された溶融磁石材料は固化するまでの時間
において、メイン成形型21の外周部に設けられた磁場
配向手段26により、図7に示すように、磁性粒子32
の方向が揃えられることになる。
【0048】次に、図15に示すように、射出注入した
溶融磁石材料が固化した後、可動基板11から固定基板
12を取り外し、アクチュエータ29によりスライド型
27を前進位置まで移動させるとともに、これに連動さ
せてアクチュエータ7により突き出し部材6を前進位置
まで移動させたのち、アクチュエータ7により突き出し
部材6をスライド型27から突出する突出側にスライド
させることにより、成形されたマグネットロール1をス
ライド型27から確実に離脱させることができ、マグネ
ットロール1を取り出すのである。前記成形されたマグ
ネットロール1を突き出し部材6で離脱させる時期は、
成形された後であればどの時期でもよい。前記成形され
たマグネットロール1をスライド型27から離脱させる
ために、アクチュエータ7により突き出し部材6をスラ
イド型27から突出する突出側にスライドさせたが、突
き出し部材6はそのままにしておいてアクチュエータ2
9によりスライド型27を後退させるようにしてもよい
し、又、突き出し部材6及びスライド型27を互いに逆
方向に移動させるようにしてもよく、要するに、突き出
し部材6とスライド型27とを相対移動させることによ
って、成形されたマグネットロール1をスライド型27
から離脱させるのである。又、突き出し部材6の先端に
成形されたマグネットロール1の端部が引っ付いている
場合には、突き出し部材6を少し後退移動することによ
って、マグネットロール1の端部との引っ付きを解消し
た後、突き出し部材6を突出移動させて、成形されたマ
グネットロール1を押し出すようにすれば、より一層確
実にマグネットロール1を金型外に排出することができ
る。
【0049】次に、他の第4実施例として、金属製また
は合成樹脂製のシャフトをインサート成形するためのシ
ャフトインサート型マグネットロールの成形装置56及
び成形方法について説明する。尚、前記示した番号の部
材と同一部材には同一番号を付し、その説明は省略する
ものとする。
【0050】成形装置56は、第3実施例における成形
装置55と同様の構成で、異なる部分について説明する
と、スライド型27に代えて、シャフト42の右端部以
外の部分を収容可能な収容部51を有するスライド型5
2を用い、注入口31に代えて、マグネットロール40
のロール部41を成形する成形空間に向けて開口する注
入口53を設け、端部成形型30にシャフト42の右端
部を挟持可能なクランプ手段54を設けたものである。
【0051】次に、マグネットロール40の成形方法に
ついて説明する。先ず、図16に示すように、スライド
型52の収容部にシャフト42を装着した状態で、可動
基板11の右側に固定基板12を組み合わせて、メイン
成形型21内の成形空間15を端部成形型30で閉鎖す
るとともに、アクチュエータ29を駆動してスライド型
52を前進位置まで移動させて、成形空間15の容積を
最小にし、クランプ手段54でシャフト42の右端部を
端部成形型30に固定する。シャフト42は少なくとも
金型の温度以上の温度に予め加熱した方が温度差により
歪みを少なくすることができ、シャフト42の曲がりを
防止し、また磁石材料との密着性をよくすることがで
き、磁石材料のひび割れや剥がれを防止することができ
る。前記突き出し部材6を前進させてシャフト42を端
部成形型30に押し付け固定するようにすれば、前記ク
ランプ手段54を省略することができる。
【0052】そして、図17に示すように、射出シリン
ダを駆動してマニホールド16から注入口31を介して
成形空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、溶融磁石
材料の注入圧でスライド型52を後退位置まで後退させ
ると同時に、スライド型52の移動に連動させてアクチ
ュエータ7の駆動により突き出し部材6を後退させなが
ら、成形空間15内に溶融磁石材料を充填する。このと
き、シャフト42は、クランプ手段54で端部成形型3
0に固定されているので、スライド型52の後退移動に
より成形空間15内に取り残されて溶融磁石材料内にイ
ンサートされる。尚、スライド型52の後退移動に対し
ては、前述と同様に、制動力を付与することが好まし
い。また、このとき、成形空間15内に充填された溶融
磁石材料が固化する迄の期間において、前述と同様に、
磁場配向手段26により磁性粒子の方向が揃えられるこ
とになる。
【0053】次に、図18に示すように、射出注入した
溶融磁石材料が固化した後、前述同様に可動基板11か
ら固定基板12を取り外し、アクチュエータ29により
スライド型52を前進位置まで移動させると同時に、ア
クチュエータ7により突き出し部材6を前進位置まで移
動させたのち、アクチュエータ7により突き出し部材6
を突出側にスライドさせることにより、成形されたマグ
ネットロール40をスライド型52から確実に離脱させ
ることができ、マグネットロール40を取り出すのであ
る。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の優
れた効果を得ることができる。 成形空間の容積が、溶融磁石材料の注入速度に合わせ
て拡大するため、溶融磁石材料が成形空間内で乱れるこ
となく流動し、磁石材料中の磁性粉の方向が乱れること
がなくなり、磁性粒子を一方向に効率的に配向させるこ
とが可能になるとともに、マグネットロールの長さ方向
における磁気的特性が均一となる。 成形空間中に存在する空気量を少なくできるため、溶
融磁石材料を成形空間中に高速短時間で注入充填しても
ガス焼けの成形不良がなく、空気抜さのための隙間を大
きくしたり穴を設ける必要がないためバリの発生を少な
くできる。また溶融磁石材料を高速短時間で注入するこ
とにより、溶融磁石材料が部分的に金型で冷却固化され
ることを防止でき、特性の均一なマグネットロールが得
られる。しかも、短時間で注入充填ができるため、成形
時間の短縮が実現できる。 シャフトインサート成形の場合、スライド型がガイド
するためシャフトが溶融磁石材料の流動圧力で曲がるこ
とを防止でき、磁石材料の偏肉がなく、磁気的に均一な
ものが得られる。また、偏肉によるマグネットロールの
反りが防止でき、寸法精度のよいものが得られる。 10N以上の制動力でスライド型の後退移動を制動さ
せることで、成形空間内における溶融磁石材料の流動を
少なくして、マグネットロールの長さ方向における磁気
的特性を一層均一に設定することが可能となる。 成形空間に対する溶融磁石材料の射出注入時間を3秒
以下に設定することで、溶融磁石材料の軸方向での温度
差を小さくでき、マグネットロールの長さ方向における
磁気的特性をより一層均一に設定することが可能とな
る。 特に、溶融磁石材料がプラスチックボンド磁石の場合
に、成形されたマグネットロールの一端がスライド型の
端部に嵌合した状態が強固に維持されることがあって
も、これを突き出し部材で強制的に解除することができ
るから、例えば金型外に排出されなかったマグネットロ
ールを金型から取り除く作業を行うために成形作業を一
旦中止することなく連続で成形作業を行うことができる
利点がある。 突き出し部材をスライド型内にスライド自在に装着す
ることから、特別な支持部材を要することがないだけで
なく、成形されたマグネットロールをそれの長手方向か
ら押し出す構成であるから、例えば成形されたマグネッ
トロールをそれの長手方向と直交する方向から押し出す
場合に比べて、押し出し時の衝撃力によりマグネットロ
ールが変形し難く、しかも単一の突き出し部材で確実に
マグネットロールを押し出すことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁石材料一体型マグネットロールの斜視図
【図2】本発明の第1実施例の成形装置の縦断面図
【図3】図2のIII-III 線断面図
【図4】同成形装置を用いたマグネットロールの成形方
法の説明図
【図5】同成形装置を用いたマグネットロールの成形方
法の説明図
【図6】同成形装置を用いたマグネットロールの成形方
法の説明図
【図7】磁性粒子が磁場配向される様子を示す説明図
【図8】シャフトインサート型マグネットロールの斜視
【図9】第2実施例の成形装置を用いたマグネットロー
ルの成形方法の説明図
【図10】同成形装置を用いたマグネットロールの成形
方法の説明図
【図11】同成形装置を用いたマグネットロールの成形
方法の説明図
【図12】本発明の第3実施例の成形装置の縦断面図
【図13】第3実施例の成形装置を用いたマグネットロ
ールの成形方法の説明図
【図14】同成形装置を用いたマグネットロールの成形
方法の説明図
【図15】同成形装置を用いたマグネットロールの成形
方法の説明図
【図16】第4実施例の成形装置を用いたマグネットロ
ールの成形方法の説明図
【図17】同成形装置を用いたマグネットロールの成形
方法の説明図
【図18】同成形装置を用いたマグネットロールの成形
方法の説明図
【図19】従来の射出成形金型の構造を示す断面図
【図20】従来の射出成形金型で成形後成形体を金型か
ら離型した状態を示す断面図
【図21】従来の複写機の現像装置の説明図
【符号の説明】
1 マグネットロール 2 ロール部 3 軸部 4 軸部 5 切欠部 6 突き出し部
材 7 アクチュエータ 9 接当部材 10 成形装置 11 可動基板 12 固定基板 13 取付孔 14 成形ユニット 15 成形空間 16 マニホールド 17 ノズル 20 バックヨーク 21 メイン成形
型 22 スペーサブロック 23 冷却水通路 24 永久磁石 25 先端ヨーク 26 磁場配向手段 27 スライド型 28 抜止板 29 アクチュエ
ータ 30 端部成形型 31 注入口 32 磁性粒子 40 マグネットロール 41 ロール部 42 シャフト 43 軸部 44 軸部 50 成形装置 51 収容部 52 スライド型 53 注入口 54 クランプ手段 55,56 成形装
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 正 滋賀県大津市下阪本4−21−19 (72)発明者 毛利 文仁 滋賀県大津市比叡辻2−1−2−152

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネットロールのロール部を成形する
    ための成形空間を有するメイン成形型と、 前記成形空間内に略隙間なくスライド自在に装着され、
    マグネットロールの一端部を成形するスライド型と、 前記メイン成形型の他側に着脱自在に取付けられ、マグ
    ネットロールの他端部を成形する端部成形型と、 前記成形空間を取り囲むようにメイン成形型に固定さ
    れ、成形空間内に充填される溶融磁石材料の磁性粒子を
    一方向に配向させる磁場配向手段と、 を備えたマグネットロールの成形装置。
  2. 【請求項2】 スライド型としてマグネットロールのシ
    ャフトが略隙間なく挿通するスリーブ状の部材を用いた
    請求項1記載のマグネットロールの成形装置。
  3. 【請求項3】 溶融磁石材料の注入圧でスライド型が後
    退するように構成するとともに、スライド型の後退移動
    時にスライド型に対して制動力を付与する制動手段を設
    けた請求項1又2記載のマグネットロールの成形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のマグネットロールの成形
    装置を用い、 スライド型を成形空間内に装着した状態で、端部成形型
    側から成形空間内へ溶融磁石材料を射出注入するととも
    に、この注入速度に応じてスライド型を適性な成形位置
    まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石材料の磁性粒子
    を一方向に配向させながら成形空間内でマグネットロー
    ルを成形するマグネットロールの成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のマグネットロールの成形
    装置を用い、 マグネットロールのシャフトを装着したスライド型を成
    形空間内に装着するとともに、シャフトの端部を端部成
    形型に固定した状態で、端部成形型側から成形空間内へ
    溶融磁石材料を射出注入するとともに、シャフトを残し
    た状態で、この注入速度に応じてスライド型を適性な成
    形位置まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石材料の磁
    性粒子を一方向に配向させながら成形空間内でマグネッ
    トロールを成形するマグネットロールの成形方法。
  6. 【請求項6】 成形空間内に射出注入される溶融磁石材
    料の注入圧によるスライド型の後退移動時に、スライド
    型に対して10N以上の制動力を付与した請求項4又は
    5記載のマグネットロールの成形方法。
  7. 【請求項7】 成形空間に対する溶融磁石材料の射出注
    入時間を3秒以下に設定した請求項4〜6のいずれか1
    項記載のマグネットロールの成形方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のマグネットロールの成形
    装置を用いて、成形されたマグネットロールをスライド
    型から離脱させるための突き出し部材を備えてなるマグ
    ネットロールの成形装置。
  9. 【請求項9】 前記突き出し部材を前記スライド型内に
    略隙間なくスライド自在に装着するとともに、この突き
    出し部材とスライド型とを相対移動させることにより成
    形されたマグネットロールをそれの長手方向から押し出
    すように構成してなる請求項8記載のマグネットロール
    の成形装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載のマグネットロー
    ルの成形装置を用い、 スライド型を成形空間内に装着した状態で、端部成形型
    側から成形空間内に溶融磁石材料を射出注入するととも
    に、この注入速度に応じてスライド型を適性な成形位置
    まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石材料の磁性粒子
    を一方向に配向させながら成形空間内でマグネットロー
    ルを成形し、この成形されたマグネットロールを突き出
    し部材でスライド型から離脱させるマグネットロールの
    成形方法。
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Cited By (4)

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