JP3632335B2 - マグネットロールの成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールや、その他の用途に用いられるマグネットロールの成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置における現像ロールやクリーニングロールとして、永久磁石材料を使ったマグネットロールが用いられている。
これら用途に使用されるマグネットロールとしては、アルニコ磁石やフェライト磁石等の焼結磁石を用いたものが古くから知られているが、近年に至っては、成形容易性や形状任意性の観点から、合成樹脂または低融点金属等のバインダーに磁性粉を配合した磁石材料を用いたマグネットロールが主流になりつつある。そして、このようなマグネットロールは、射出成形法(例えば特公昭63−41203号公報参照)や押し出し成形法(例えば特開昭55−165606号公報参照)によって製作されている。
【0003】
射出成形法によって製作されるマグネットロールとしては、図1で示すマグネットロール1のように、ロール部2と軸部3,4が磁石材料で一体成形された磁石材料一体型マグネットロールが広く実用化されている。
【0004】
上記磁石材料一体型マグネットロールを成形する成形金型として、本願出願人が先に提案しているものがある(特願平8−155762号)。この成形金型は、図2に示すように、マグネットロール1のロール部2を成形するための成形空間15を有するメイン成形部21と、前記成形空間15内に略隙間なくスライド自在に装着され、マグネットロール1の一端部を成形する軸部成形部としてのスライド型27と、前記メイン成形部21の他側に着脱自在に取付けられ、マグネットロール1の他端部を成形する軸部成形部30と、前記成形空間15を取り囲むようにメイン成形部21に固定され、且つ、該成形空間15内に充填される溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させる磁場配向手段26とを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そして、前記軸部成形部30内にそれの軸心方向から溶融磁石材料を充填するための樹脂供給用ノズル17の先端を該軸部成形部30に臨ませ、この樹脂供給用ノズル17から軸部成形部30内に溶融磁石材料を充填して、マグネットロール1を成形するのである。そして、前記樹脂供給用ノズル17の先端面17Aが図21に示すようにフラットに形成されている。ところで、樹脂供給用ノズル17により溶融磁石材料を充填した際に、樹脂供給用ノズル17先端の注入口31入口内面側に突出する突起部16(「ゲート残り」とも言われる)ができてしまうのであるが、前記のように樹脂供給用ノズル17の先端面17Aよりも突起部16が突出してしまうため、形成された後のマグネットロール1の突起部16を削り取ることによって、樹脂供給用ノズル17の先端面17Aの外周部と面一になるようにして、突起部16によるマグネットロール1の寸法誤差を回避することができるようにしている。つまり、図22で示すように、形成されたマグネットロール1の長手方向の寸法が間隔hだけ長くなるため、前記突起部16を削り取らなければならないものであった。前記突起部16は、マグネットロール1を形成する度に大きさ(突出度合い)が異なるものであるため、従来は削り取ることによって、マグネットロール1の寸法誤差が発生しないようにしている。このように、マグネットロール1が形成される度に、そのマグネットロール1の突起部16を削り取り除去する作業を必要とすることから、マグネットロール1の成形時間が長くかかるだけでなく、製造コストも高くなるものであり、改善の余地があった。
【0006】
又、前記磁場配向手段26が、励磁用の永久磁石24と導磁路としてのポールピース(俗にヨークと呼ばれることも多い)25とからなり、これら永久磁石24とポールピース25とが接触した状態で固定されていた。従って、このような構成の金型の磁場強度調整を行う場合には、図14に示すように、永久磁石24の大きさの異なるもの(図では2個)を用いて金型を構成する、或いは、メイン成形型21の内壁21Aとポールピース25との距離の異なる金型を新たに製作することになる。
【0007】
上記のように大きさの異なる永久磁石24を用いる場合や、メイン成形型21の内壁21Aとポールピース25との距離の異なる場合のいずれの場合でも、新たに金型を製作しなければならないため、コストアップを回避することができないものであった。また、後者のようにメイン成形型21の内壁21Aとポールピース25との距離を長くした場合に、マグネットロールの磁界パターンのピークが不明瞭になり、マグネットロールの磁界のピーク角度値が目標のピーク角度値から外れてしまうことがあり、実施し難いものであった。
【0008】
又、上記成形用金型を用いてマグネットロール1を成形する場合について、説明すれば、スライド型27を成形空間15内に装着した状態で、成形空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、励磁部18にて充填された溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させながら成形空間15内でマグネットロール1を成形する。そして、溶融磁石材料が固化した後、端部成形型30をメイン成形型21から取り外し、スライド型27を前進させることで、成形されたマグネットロール1を金型外に排出するのである。
【0009】
上記のように溶融磁石材料が固化した後、成形されたマグネットロール1を金型外に排出するためにスライド型27を前進させることによって、移動されるマグネットロール1の外面とメイン成形型21の内面との摺接や、前進するスライド型27の外面とメイン成形型21の内面との摺接により、メイン成形型21の内面が不必要に磨耗してしまうため、メイン成形型21の交換を定期的に要するものである。しかしながら、前述のようにメイン成形型21と励磁部18とが一体物として製作されていたため、メイン成形型21と励磁部18とを有する金型全体を交換しなければならず、コスト高になるものであった。また、例えば上下一対の分割型の金型を用いてマグネットロール1を成形すると、上記のような摺接による分割金型の交換を不要にすることができるものの、製品に「バリ」が残るという問題点が発生していた。
【0010】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、マグネットロールの成形時間の短縮化及び製造コストの低減化を同時に図ることができるとともに、金型の磁場強度調整を行うことを、従来の不都合を解消した状態で実現できるようにし、更には、内面の磨耗によるメイン成形型の交換をコスト高になることを回避した状態で行うことができるようにする点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題解決のために、マグネットロールのロール部を成形するための成形空間を有するメイン成形部を設け、このメイン成形部の両端にそれぞれ、前記ロール部の軸部を成形するための軸部成形部を備えるとともに、前記両軸部成形部のうちの少なくとも一方の軸部成形部内にそれの軸心方向から溶融磁石材料を充填するための樹脂供給用ノズルの先端を臨ませてなるマグネットロールの成形用金型において、前記樹脂供給用ノズルの先端面に、該ノズルにより充填される溶融磁石材料を入り込ませてマグネットロールの軸部端位置を設定するための貯留部を、マグネットロール形成時に樹脂供給用ノズルの中央部に相当するマグネットロールの端部に突出形成される突起部と該貯留部にて形成される突出部とが面一になるように又は該突起部よりも該突出部が突出するように形成して、マグネットロールの成形用金型を構成した。従って、樹脂供給用ノズルから溶融磁石材料を軸部成形部内に充填していくと、樹脂供給用ノズルの先端面に形成の貯留部内に溶融磁石材料が入り込む。この状態で溶融磁石材料が固化してマグネットロールが形成される。このように形成されたマグネットロールは、樹脂供給用ノズルの先端面に対して貯留部の深さ分だけ突出することになる。この突出部が従来同様に、樹脂供給用ノズルの中央部に相当するマグネットロールの端部に突出形成される突起部よりも突出するように前記貯留部の深さを設定することによって、この突出部の端面をマグネットロールの長手方向の寸法として考慮してマグネットロールを形成すれば、従来のような突起部を削り取る作業が不要になる。
【0012】
前記樹脂供給用ノズルが配置される側とは反対側に位置する軸部成形部を、成形空間内に略隙間なくスライド自在に装着し、且つ、マグネットロールの一端部を成形するスライド型から構成し、前記樹脂供給用ノズルが配置される側に位置する軸部成形部を、前記メイン成形部の他側に着脱自在に取付けられ、且つ、マグネットロールの他端部を成形する端部成形型から構成するとともに、前記成形空間を取り囲むようにメイン成形部に固定され、且つ、該成形空間内に充填される溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させる磁場配向手段を設けて、マグネットロールの成形用金型を構成した。スライド型を成形空間内に装着した状態で、端部成形側から成形空間内へ溶融磁石材料を射出注入するとともに、この注入速度に応じてスライド型を強制的或いは注入圧により適性な成形位置まで後退させ、磁場配向手段で溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させながら成形空間内でマグネットロールを成形するのである。そして、溶融磁石材料が固化した後、端部成形型をメイン成形部から取り外し、スライド型を前進させることで、成形されたマグネットロールを金型外に排出するのである。
【0013】
記磁場配向手段が、前記メイン成形型の外周縁に配置された導磁路と、この導磁路を通して前記メイン成形型に磁力線を与えるための永久磁石とを備え、前記導磁路に対して前記永久磁石をロール部の径方向で位置変更できるように構成して、マグネットロールの成形用金型を構成した。従って、磁場強度調整を行う場合には、永久磁石をロール部の径方向で位置変更することによって、永久磁石から発する磁力線の強さが導磁路に対する距離の2乗に比例して変更されるのである。このとき、メイン成形型の内壁から導磁路までの距離が変更されることがなく、一定であることから、永久磁石から発する磁力線を導磁路により前記距離の変更前と同様に導くことができるのである。
【0014】
記磁場配向手段が、前記メイン成形型の外周縁に配置された導磁路と、この導磁路を通して前記メイン成形型に磁力線を与えるための永久磁石とを備え、前記永久磁石と導磁路との間の磁気抵抗を変更するための変更手段を設けて、マグネットロールの成形用金型を構成した。従って、磁場強度調整を行う場合には、変更手段により永久磁石と導磁路との間の磁気抵抗を変更することによって、永久磁石から発する磁力線の通過量を制御するのである。このとき、メイン成形型の内壁から導磁路までの距離が変更されることがなく、一定であることから、永久磁石から発する磁力線を導磁路により前記距離の変更前と同様に導くことができるのである。前記永久磁石の位置を常に所定位置に固定しておくことができるから、請求項1の方法のように永久磁石の位置を変更するものに比べて、磁場強度調整を広い範囲で行うことができるとともに、永久磁石に対する固定を永久磁石の位置変更毎に行う場合に比べて取り扱い上、容易となる。
【0015】
具体的には、前記永久磁石と導磁路との間に変更手段としての非磁性部材を挿入して、該永久磁石と導磁路との間の磁気抵抗を変更することになる。
【0016】
記磁場配向手段を備えた励磁部と、前記メイン成形型とを別々に構成するとともに、前記励磁部に対してメイン成形型を着脱自在に構成したことを特徴とするものである。メイン成形型の内面が磨耗し、交換時期に達すると、励磁部に対してメイン成形型を取り外し、新たなメイン成形型を励磁部に取り付けるのである。しかも、分割金型方式のように「バリ」が発生することはない。
【0017】
前記励磁部が、前記メイン成形型の外周縁に配置された複数の導磁路と、これら導磁路に向けて磁力線を流すための永久磁石とを備え、前記導磁路及び永久磁石をメイン成形型の外周縁に対して角度変更可能に構成することによって、導磁路及び永久磁石をメイン成形型の外周縁に対して角度を変更するだけで、磁界パターンのピーク角度位置の変更が行えるのである。
【0018】
前記メイン成形型の端部成形型側端部に長手方向から係合して該メイン成形型の抜け止めを行うための係合部材を設けることによって、マグネットロールの成形工程中にメイン成形型がそれの長手方向に不測に移動してしまうことを確実に阻止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に、磁石材料一体型マグネットロール1を示している。このマグネットロール1、円柱状のロール部2の両端に縮径した軸部3,4を突出形成し、軸部3に位置決め或いは駆動力伝達用の切欠部5を形成したもので、磁石材料を用いて一体形成されている。尚、マグネットロール1として、ロール部2が円柱でなく多角柱であるもの、ロール部2の軸中心と軸部3,4の軸中心を故意に偏心させたもの等に対しても本発明を同様に適用することができる。
【0020】
前記マグネットロール1を構成する磁石材料としては、磁性粉と該磁性粉同士を結合させるためのバインダーを主体とし、それらの結合を強固にするためのシラン系またはチタネート系のカップリング剤、流動性をよくするための滑剤、バインダーの熱分解を防止する安定剤等を微量配合した混合物であり、必要により難燃剤を配合することも可能で、磁性粉としては、フェライト系、希土類系(SmCo系、NdFeB系)、MnAIC系、アルコニコ系、SmFeN系等のものから選択でき、またバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、低融点合金等を用いることができる。
【0021】
前記構成のマグネットロール1は、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置における現像ロールやクリーニングロールとして用いられているものであるが、他の用途にも勿論利用することができる。
【0022】
次に、前記マグネットロール1の成形用金型10について説明する。
図2及び図3に示すように、可動金型11と固定金型12とから構成され、可動金型11には、図示していない筒状の可動体を備え、この可動体に成形ユニット14が内装され、可動金型11の右側に固定金型12を組合わせて成形ユニット内の成形空間15を閉鎖した状態で、図外の射出シリンダから樹脂供給用ノズル17を介して成形ユニット14の成形空間15へ溶融磁石材料を供給することで、成形空間15内でマグネットロール1が成形されるように構成されている。尚、前記樹脂供給用ノズル17は、ヒータ等で溶融磁石材料を加熱するホットゲート方式、または加熱しないコールドゲート方式のいずれを用いてもよい。
【0023】
前記ロール部2を成形するためのスリーブ状のメイン成形部21を設け、このメイン成形部21の両端にそれぞれ前記ロール部2の軸部3,4を成形するための軸部成形部27,30を備えるとともに、前記軸部成形部27,30のうちの一方の軸部成形部30内にそれの軸心方向から溶融磁石材料を充填する前記樹脂供給用ノズル17の先端を臨ませている。前記一方の軸部成形部30は、固定部材6に固定され、他方の軸部成形部27は、後述する抜止板28にボルト固定された支持部材62に貫通支持されている。図17に示すように、前記樹脂供給用ノズル17の先端面17Aには、該樹脂供給用ノズル17により充填された溶融磁石材料を入り込ませてマグネットロール1の軸部端位置を設定するための貯留部、つまり樹脂供給用ノズル17と同心状の周溝17Bが形成されている。従って、樹脂供給用ノズル17により成形空間15へ溶融磁石材料を供給すると、貯留部17B内にも溶融磁石材料が充填される。この状態で溶融磁石材料が固化することによって、図18(a),(b)に示す端部の外周に突出部7が形成されたマグネットロール1が成形されるのである。このように溶融磁石材料の充填時において、樹脂供給用ノズル17の中央部に相当するマグネットロール1の端部に前記突起部16が突出形成されても、図18(a)に示すようにこの突起部16よりも前記突出部7が突出するように前記貯留部17Bの深さを設定するとともに、この突出部7の端部がマグネットロール1の端部であると考えて、マグネットロール1の長手方向の寸法を設定することによって、従来のような突起部16を削り取る作業を不要にすることができる。図では、突起部16に対して突出部7が間隔Hだけ突出した場合を示しているが、突起部16と突出部7とが面一又は突起部16よりも突出部7が突出するように設定すればよく、間隔Hは、図の大きさに限るものではない。前記突起部16は、マグネットロール1を形成する度に大きさ(突出度合い)が異なるものであるため、前記貯留部17Bの深さを、突起部16が最も突出した状態を想定した場合に合わせて設定することになる。
【0024】
他の実施例として、図19に示すように、マグネットロール1の軸心が金型の合わせ面66に位置するように、それぞれ成形部が形成された2つの分割金型60,61からマグネットロール成形用金型を構成してもよい。この場合、前記軸部成形部27,30を、前記2つの分割金型60,61に一体形成することになる。そして、溶融磁石材料を供給するための樹脂供給用ノズル17も前記2つの分割金型60,61の一端に形成している。尚、ここで言う樹脂供給用ノズル17は、図示しない樹脂供給用ノズルから供給される樹脂を案内するための通路であり、この通路も含めて樹脂が供給される部分を樹脂供給用ノズル17と称することにする。そして、図20に示すように、前記貯留部17Bも前記2つの分割金型60,61の一端、つまり、前記樹脂供給用ノズル17が形成された側に形成されている。前記分割金型60,61のうちの一方の分割金型に対して他方の分割金型を移動自在に構成してあり、固定型の分割金型に対して図19に示すように可動型の分割金型を接近移動させて閉じたときに、溶融磁石材料を射出注入し、この溶融磁石材料が固化したのち、固定型の分割金型に対して可動型の分割金型を離間移動させて開き、成形されたマグネットロール1を取り出すのである。前記軸部成形部30の端部に形成する貯留部17Bの深さは、前述同様に、突起部16が最も突出した状態を想定した場合に合わせて設定することになる。前記貯留部17Bを溝に形成したが、ノズル17先端部の内周を突出させることによって、ノズル17先端部の内周部と外周部との間に段差を付けてその段部に溶融磁石材料を入り込ませてもよく、貯留部17Bの形状は、これらのものに限定されるものではない。
【0025】
前記樹脂供給用ノズル17側とは反対側に位置する軸部成形部27を成形空間15内に略隙間なくスライド自在に装着され、且つ、マグネットロール1の一端部を成形するスライド型から構成している。前記スライド型27の左端部は、可動側金型11の左側に固定された抜止板28を貫通して左方へ延出され、図4〜図6に示すようにアクチュエータ29に接続されている。そして、このアクチュエータ29により、スライド型27は図4に図示の前進位置と、図5に図示の後退位置とに渡って駆動される。尚、前記アクチュエータ29としては、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、スクリュウネジ、ラックピニオンギア、リニアモータ等を用いることができ、アクチュエータ29としての具体構成は、これらのものに限定されるものではない。
【0026】
図2及び図16に示すように、前記メイン成形型21は、後述の励磁部18に移動自在に内嵌され、このメイン成形型21の一端が前記可動側金型11の左側に固定された抜止板28にボルト固定された支持部材62に接当して抜け止め支持されるとともに、他端が前記励磁部18の端部板63にビス止めされた係合部材64により係止保持されている。従って、メイン成形型21の内面21Aが磨耗し、メイン成形型21の交換を行う場合には、前記係合部材64を端部板63から取り外すことによって、係合部材64の先端係合部64Aをメイン成形型21に形成の被係合部としての溝21Mから外し、メイン成形型21を励磁部18から抜き取るのである。そして、新たなメイン成形型21を励磁部18に内嵌したのち、係合部材64を端部板63にビス止めすることによって、メイン成形型21の交換を終了するのである。
【0027】
前記成形ユニット14について説明すれば、図2及び図3に示すように、最外周縁に軟磁性材からなる略円筒状のバックヨーク20が設けられ、このバックヨーク20の中央部には、前記メイン成形部21が設けられている。
前記バックヨーク20内に非磁性材からなる複数のスペーサブロック22が内装され、これらスペーサブロック22を介して前記メイン成形部21が、バックヨーク20の中央部に固定保持されている。前記スペーサブロック22内には、4本の冷却水通路23が形成され、この冷却水通路23を流通する冷却水により成形空間15に充填された溶融磁石材料が冷却されることになる。前記冷却水通路23へは、図2に示す冷却水出入口8又は8のうちの一方の冷却水出入口8から冷却水が供給されたのち、他方の冷却水出入口8を通して排出されることになる。又、図に示す30Aは、前記軸部成形部30に形成された冷却水孔である。また、前記バックヨーク20とメイン成形部21との間には、所定の角度を持たせて放射状に永久磁石24と軟磁性材からなる先端ヨーク25と基端ヨーク9とが4組設けられ、メイン成形部21を挟んで配置される永久磁石24の対面側は同極に設定されている。尚、前記バックヨーク20と永久磁石24と先端ヨーク25と基端ヨーク9とで溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させる磁場配向手段26が構成され、この磁場配向手段26を励磁部18と称する。前記先端ヨーク25は、永久磁石24からの磁力線を所望の方向に絞り込むための導磁路として機能するように構成している。
【0028】
そして、図3に示すように、4つの先端ヨーク25・・・のうちの前記メイン成形型21を挟んで対向位置する2つの先端ヨーク25・とこれに対応する前記永久磁石24との間に非磁性材スペーサ19を設けて、永久磁石24と先端ヨーク25との間の磁気抵抗を変更することによって、永久磁石24から発する磁力線の通過量を制御して、磁場強度調整を行うようにしている。尚、前記メイン成形型21の径方向の寸法の異なる非磁性材スペーサ19に交換することによって、永久磁石24に対する磁気抵抗の大きさを変更することができる。この場合、先端ヨーク25の大きさも非磁性材スペーサ19の大きさに合わせて変更する必要がある。又、非磁性材スペーサ19に代えて、エア層を先端ヨーク25と永久磁石24との間に形成し、このエア層の空間の大きさを変更することによって、永久磁石24と先端ヨーク25との間の磁気抵抗を変更してもよい。
【0029】
又、図15に示すように、前記スペーサブロック22とそれらの間に配置される前記先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9との間に少しの遊び65を形成して、実施してもよい。この場合、遊び65内で先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9を移動することによって、メイン成形型21の外周縁に対する角度を変更することができ、磁界パターンのピーク角度位置の変更を行うことができるようにしている。具体的には、例えば図2に示すように、4組の先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9のうちの2組の先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9の幅を他の2組の先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9の幅よりも小さく形成したものを用いることによって、先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9との間に少しの遊び65が形成されるようにしてもよいし、又、先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9の大きさは変更せずに、スペーサブロック22の大きさを変更することによって、先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9との間に少しの遊び65が形成されるようにしてもよく、具体構成はこれらのものに限定されるものではない。前記遊び65内を先端ヨーク25、永久磁石24、基端ヨーク9が容易に移動できないように、該遊び65を埋めるための非磁性部材(スペーサ)等を設けて実施してもよい。
【0030】
前記のように、先端ヨーク25・とこれに対応する永久磁石24との間に非磁性材スペーサ19を設けることによって、永久磁石24の位置を変更することなく、永久磁石24と先端ヨーク25との間の磁気抵抗を変更するようにしたが、図12に示すように、永久磁石24自体を位置変更して、永久磁石24から発する磁力線の強さを距離の二乗に比例させて変更するようにしてもよい。つまり、図に示すように、特定の先端ヨーク25の大きさを変更する(図では先端ヨーク25を大きくする)とともに、この大きさの異なる先端ヨーク25に合わせて基端ヨーク9の大きさを変更(図では基端ヨーク9を小さく)することによって、永久磁石24の位置をメイン成形型21の径方向に変更調整することができるようにしている。又、図13に示すように、前記先端ヨーク25の大きさを変更することなく、永久磁石24と先端ヨーク25との間に前記のように非磁性材スペーサ19を設けて実施してもよい。この場合、非磁性材スペーサ19の大きさに合わせて基端ヨーク9に小さなものを用いることになる。又、永久磁石24と先端ヨーク25との間にエア層を形成する等、永久磁石24を位置変更するための具体的構成はこれらに限定されるものではない。前記永久磁石24と先端ヨーク25との間にエア層を形成する場合も、前記同様に非磁性材スペーサ19の大きさに合わせて基端ヨーク9に小さなものを用いることになる。図13では、非磁性材スペーサ19を入れることによって、永久磁石24の位置をも変更することができるから、磁力線の強さをより一層広範囲に渡って変更調整することができる利点がある。
また、この磁場配向手段26としては、永久磁石24、先端ヨーク25、基 端ヨーク9を4組以外の複数組設けたもの、電磁石式励磁方法等、既存の種々の構成のものを採用することができる。
【0031】
マグネットロール1の成形方法について説明する。
先ず、図4に示すように、可動金型11の右側に固定金型12を組合わせて、メイン成形部21内の成形空間15を軸部成形部30で閉鎖するとともに、アクチュエータ29を駆動してスライド型27を前進位置まで移動させ、成形空間15の容積を最小にする。
【0032】
次に、図5に示すように、射出シリンダを駆動して樹脂供給用ノズル17の注入口31を介して成形空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、溶融磁石材料の注入圧でスライド型27を後退位置まで後退させながら、成形空間15内に溶融磁石材料を充填する。このとき、アクチュエータ29として油圧シリンダを用いる場合には、作動油を絞りながらリークさせることで、スライド型27の後退移動に制動力を付与することになる。但し、摩擦等により制動力を付与する制動力付与手段を設けて、スライド型27の後退移動時に制動力を付与してもよい。また、溶融磁石材料の射出注入速度に応じてアクチュエータ29により制動力を付与しながらスライド型27を後退させてもよい。
また、このとき成形空間15内に充填された溶融磁石材料は固化するまでの時間において、メイン成形部21の外周部に設けられた磁場配向手段26により、図7に示すように、磁性粒子32の方向が揃えられることになる。
【0033】
次に、図6に示すように、射出注入した溶融磁石材料が固化した後、可動金型11から固定金型12を取り外し、アクチュエータ29によりスライド型27を前進位置まで移動させて、成形されたマグネットロール1を取り出すのである。尚、成形されたマグネットロール1は固化することで多少収縮するので、軸方向に移動させることによって容易に取り出すことができる。
【0034】
次に、他の実施形態として、図8に示すように、金属製又は合成樹脂製のシャフトをインサートしたシャフトインサート型マグネットロールの成形用金型及び成形方法について説明する。尚、前記示した番号の部材と同一部材には同一番号を付し、その説明は省略するものとする。
図8に示すように、マグネットロール40は、磁石材料からなるロール部41の中心部に金属製又は合成樹脂製のシャフト42をインサート成形し、シャフト42の両端部をマグネットロール40の軸部43,44に作成したものである。
【0035】
成形用金型は、図2で示したものと略同一構成であり、異なる部分について説明すれば、図9〜図11に示すように、スライド型27に代えて、シャフト42の右端部以外の部分を収容可能な収容部51を有するスライド型52を用い、注入口31に代えてマグネットロール40のロール部41を成形する成形空間に向けて開口する注入口53を設け、端部成形型30にシャフト42の右端部を挟持可能なクランプ手段54を設けたものである。
【0036】
次に、マグネットロール40の成形方法について説明する。
先ず、図9に示すように、スライド型52の収容部にシャフト42を装着した状態で、可動基板11の右側に固定基板12を組み合わせて、メイン成形型21内の成形空間15を端部成形型30で閉鎖するとともに、アクチュエータ29を駆動してスライド型52を前進位置まで移動させて、成形空間15の容積を最小にし、クランプ手段54でシャフト42の右端部を端部成形型30に固定する。シャフト42は少なくとも金型の温度以上の温度に予め加熱した方が温度差により歪みを少なくすることができ、シャフト42の曲がりを防止し、また磁石材料との密着性をよくすることができ、磁石材料のひび割れや剥がれを防止することができる。
【0037】
そして、図10に示すように、射出シリンダを駆動してマニホールド16から注入口31を介して成形空間15内に溶融磁石材料を射出注入し、溶融磁石材料の注入圧でスライド型52を後退位置まで後退させながら、成形空間15内に溶融磁石材料を充填する。このとき、シャフト42は、クランプ手段54で端部成形型30に固定されているので、スライド型52の後退移動により成形空間15内に取り残されて溶融磁石材料内にインサートされる。尚、スライド型52の後退移動に対しては、前述と同様に、制動力を付与することが好ましい。
また、このとき、成形空間15内に充填された溶融磁石材料が固化する迄の期間において、前述と同様に、磁場配向手段26により磁性粒子の方向が揃えられることになる。
【0038】
次に、図11に示すように、射出注入した溶融磁石材料が固化した後、前述同様に可動基板11から固定基板12を取り外し、アクチュエータ29によりスライド型52を前進位置まで移動させことにより、マグネットロール40を取り出すのである。
【0039】
このように2種類のマグネットロール1及び40を成形する実施例を示したが、いずれの場合にも、溶融磁石材料を成形空間15へ注入する時に、注入初期は成形空間15の容積を小さくし、注入速度に応じて左右方向に成形空間15を拡大させることで、溶融磁石材料の成形空間15中の流れに乱れが生じにくく、磁石材料中に分散している磁石粒子の方向が一定となり磁気的に均一な特性のマグネットロール1を得ることができる。
また、成形空間15には少量の空気しか存在しないため、溶融磁石材料を高速で注入してもガス焼けの成形不良が発生することがない。
インサート成形では、溶融磁石材料を成形空間15内へ注入する時にシャフト42の全域に渡ってスライド型52がガイドするため、シャフト42が溶融磁石材料の流動圧力で曲がることを防止することができ、磁石材料の偏肉がなく磁気的に均一なものが得られ、また偏肉によるマグネットロール40の反りも防止することができ、寸法精度が向上する利点がある。
【0040】
前者の実施例の場合には、溶融磁石材料を成形空間15へ注入する時に、注入初期は成形空間15の容積を小さくし、注入速度に応じて左右方向に成形空間15を拡大させることで、溶融磁石材料の成形空間15中の流れに乱れが生じにくく、磁石材料中に分散している磁石粒子の方向が一定となり磁気的に均一な特性のマグネットロール1を得ることができる。
また、成形空間15には少量の空気しか存在しないため、溶融磁石材料を高速で注入してもガス焼けの成形不良が発生することがない。
【0041】
【発明の効果】
請求項1によれば、成形されるマグネットロールの樹脂供給用ノズル側端部中心部に突出する突起部よりも突出する突出部を形成し、この突出部までの寸法をマグネットロールの長手方向の寸法として製作するようにすれば、従来のように突起部を削り取る作業をなくすことができ、その分マグネットロールの成形時間の短縮化を図ることができるとともに、マグネットロールの製造コストの低減化を図ることができるのである。しかも、金型の貯留部を形成するだけの簡素な構成で、前記利点を実現することができ、より一層コスト面において有利になる。
【0042】
請求項1及び請求項3によれば、金型の磁場強度調整を行うことを、永久磁石の位置を変更する、或いは永久磁石と先端ヨークとの間の磁気抵抗を変更するものであるから、従来のように寸法の異なる永久磁石を用いて金型を新たに構成したり、メイン成形型の内壁とポールピース(先端ヨーク)との距離の異なる金型を新たに構成することを不要にすることができ、コスト面において有利にできる。また、請求項3の場合には、請求項1の場合に比べて、金型の磁場強度調整を広い範囲で行うことができるとともに、永久磁石の位置が固定のままにしておくことができる分、金型の磁場強度調整を迅速に行うことができ、取扱い上においても有利である。
【0043】
請求項によれば、励磁部に対してメイン成形型を着脱自在にすることによって、内面が磨耗による交換を必要とする場合には、メイン成形型のみを交換することができるから、従来のように金型全体を交換するものに比べてコストの低減化を図ることができる。しかも、分割金型で成形したマグネットロールに「バリ」が発生することがなく、良好な成形物を得ることができる。
【0044】
請求項によれば、導磁路及び永久磁石をメイン成形型の外周縁に対して角度変更可能に構成することによって、導磁路及び永久磁石の位置が異なる金型を製作するものに比べて、磁界パターンのピーク角度位置を容易且つ安価に変更することができる。
【0045】
請求項10によれば、マグネットロールの成形時において、メイン成形型が不測に移動することがないから、成形作業を予定通り良好に行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁石材料一体型マグネットロールの斜視図
【図2】マグネットロール成形用金型の縦断面図
【図3】図2におけるI−I 線断面図
【図4】マグネットロール成形用金型を用いてマグネットロールを成形する過程を示す説明図
【図5】マグネットロール成形用金型を用いてマグネットロールを成形する過程を示す説明図
【図6】マグネットロール成形用金型を用いてマグネットロールを成形する過程を示す説明図
【図7】磁性粒子が磁場配向される様子を示す説明図
【図8】シャフトインサート型マグネットロールの斜視図
【図9】マグネットロール成形用金型を用いてマグネットロールを成形する過程を示す説明図
【図10】マグネットロール成形用金型を用いてマグネットロールを成形する過程を示す説明図
【図11】マグネットロール成形用金型を用いてマグネットロールを成形する過程を示す説明図
【図12】マグネットロール成形用金型の別の構造を示す縦断面図
【図13】マグネットロール成形用金型の別の構造を示す縦断面図
【図14】マグネットロール成形用金型の襲来の形態を示す縦断面図
【図15】マグネットロール成形用金型の別の形態を示す縦断面図
【図16】メイン成形型の係合部を示す要部の縦断面図
【図17】樹脂供給用ノズルの配設部を示す拡大縦断面図
【図18】(a)は成形されたマグネットロールの一端部を示す拡大断面図、(b)は(a)におけるII−II 線矢視図
【図19】マグネットロール成形用金型の別の構造を示す断面図
【図20】図10のノズル部の拡大断面図
【図21】樹脂供給用ノズルの配設部の従来例を示す拡大縦断面図
【図22】図21により成形されたマグネットロールの一端部を示す拡大断面図
【符号の説明】
1 マグネットロール 2 ロール部
3 軸部 4 軸部
5 切欠部 6 固定部材
7 突出部 8 冷却水出入口
9 基端ヨーク 10 成形用金型
11 可動金型 12 固定金型
14 成形ユニット 15 成形空間
16 突起部 17 樹脂供給用ノズル
17A 先端面 17B 貯留部( 周溝)
18 励磁部 19 非磁性材スペーサ
20 バックヨーク 21 メイン成形部
21M 溝 22 スペーサブロック
23 冷却水通路 24 永久磁石
25 先端ヨーク 26 磁場配向手段
27 軸部成形部(スライド型) 28 抜止板
29 アクチュエータ 30 軸部成形部
30A 冷却孔
31 注入口 32 磁性粒子
40 マグネットロール 41 ロール部
42 シャフト 43,44 軸部
51 収容部 52 スライド型
53 注入口 54 クランプ手段
60,61 分割金型 62 支持部材
63 端部板 64 係合部材
64A 先端係合部 65 遊び
66 合わせ面 H,h 間隔

Claims (10)

  1. マグネットロールのロール部を成形するための成形空間を有するメイン成形部を設け、このメイン成形部の両端にそれぞれ、前記ロール部の軸部を成形するための軸部成形部を備えるとともに、前記両軸部成形部のうちの少なくとも一方の軸部成形部内にそれの軸心方向から溶融磁石材料を充填するための樹脂供給用ノズルの先端を臨ませてなるマグネットロールの成形用金型において、前記樹脂供給用ノズルの先端面に、該ノズルにより充填される溶融磁石材料を入り込ませてマグネットロールの軸部端位置を設定するための貯留部を、マグネットロール形成時に樹脂供給用ノズルの中央部に相当するマグネットロールの端部に突出形成される突起部と該貯留部にて形成される突出部とが面一になるように又は該突起部よりも該突出部が突出するように形成してなるマグネットロールの成形用金型。
  2. 前記樹脂供給用ノズルが配置される側とは反対側に位置する軸部成形部を、成形空間内に略隙間なくスライド自在に装着し、且つ、マグネットロールの一端部を成形するスライド型から構成し、前記樹脂供給用ノズルが配置される側に位置する軸部成形部を、前記メイン成形部の他側に着脱自在に取付けられ、且つ、マグネットロールの他端部を成形する端部成形型から構成するとともに、前記成形空間を取り囲むようにメイン成形部に固定され、且つ、該成形空間内に充填される溶融磁石材料の磁性粒子を一方向に配向させる磁場配向手段を設けてなる請求項1記載のマグネットロールの成形用金型。
  3. 記磁場配向手段が、前記メイン成形型の外周縁に配置された導磁路と、この導磁路を通して前記メイン成形型に磁力線を与えるための永久磁石とを備え、前記導磁路に対して前記永久磁石をロール部の径方向で位置変更できるように構成してなる請求項2記載のマグネットロールの成形用金型。
  4. 前記成形空間内に略隙間なくスライド自在に装着され、且つ、マグネットロールの一端部を成形するスライド型と、前記メイン成形型の他側に着脱自在に取付けられ、且つ、マグネットロールの他端部を成形する端部成形型とを備えてなる請求項3記載のマグネットロールの成形用金型。
  5. 記磁場配向手段が、前記メイン成形型の外周縁に配置された導磁路と、この導磁路を通して前記メイン成形型に磁力線を与えるための永久磁石とを備え、前記永久磁石と導磁路との間の磁気抵抗を変更するための変更手段を設けてなる請求項2記載のマグネットロールの成形用金型。
  6. 前記変更手段が、前記永久磁石と導磁路との間に非磁性部材を挿入して、該永久磁石と導磁路との間の磁気抵抗を変更するものでなる請求項5記載のマグネットロールの成形用金型。
  7. 前記成形空間内に略隙間なくスライド自在に装着され、且つ、マグネットロールの一端部を成形するスライド型と、前記メイン成形型の他側に着脱自在に取付けられ、且つ、マグネットロールの他端部を成形する端部成形型とを備えてなる請求項5又は6記載のマグネットロールの成形用金型。
  8. 記磁場配向手段を備えた励磁部と、前記メイン成形型とを別々に構成するとともに、前記励磁部に対してメイン成形型を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項2記載のマグネットロールの成形用金型。
  9. 前記励磁部が、前記メイン成形型の外周縁に配置された複数の導磁路と、これら導磁路に向けて磁力線を発するための永久磁石とを備え、前記導磁路及び永久磁石をメイン成形型の外周縁に対して角度変更可能に構成してなる請求項8記載のマグネットロールの成形用金型。
  10. 前記メイン成形型の端部成形型側端部に長手方向から係合して該メイン成形型の抜け止めを行うための係合部材を設けてなる請求項8記載のマグネットロールの成形用金型。
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