JP3591254B2 - マグネットロールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールや、その他の用途に用いられるマグネットロールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネットロールを製造する場合には、一般的に固定側金型とこの固定側金型に離間可能な可動側金型とからなる分割金型内に、樹脂磁石組成物を注入してマグネットロールを形成する射出成形法を用いている。
しかし、この方法では、長手方向での磁気特性の安定化及び反りの低減のため、金型温度が110〜130°Cに設定され、時間をかけて除冷している。このように時間をかけて除冷しているにも係わらず、各成形体毎の反り量に差が発生し、高画質化のために必要な長手方向の磁力(ゾーン磁力)の安定化、反り減少には効果不十分である。
【0003】
そこで、例えば本願出願人が先に提案している特願平8−335643号で示しているように、一端に溶融状態の樹脂磁石組成物を注入するための注入口を備えた筒状のメイン成形型と、このメイン成形型内に移動自在に配設された軸形成用のスライド型とからなる金型を用いることにより、形成されるマグネットロールの長手方向の磁力(ゾーン磁力)の安定化、反り減少等の改善を図ることができるようにしている。
しかし、この提案方法では、スライド型の外面とメイン成形型内面とのクリアランスが成形品の同軸度に大きく寄与するとともに、これら2つの金型、つまりスライド型及びメイン成形型の間にかじりの発生やバリの発生等の実用上の問題を発生するものであった。前記かじりとは、摺動面に引っかき傷が付くことをいう。
【0004】
上記問題点は、特に金型温度が高い場合に、スライド型の外面とメイン成形型内面とのクリアランスが熱膨張により変化することにより発生するものである。これを解決するために、100°C以下でメイン成形型を冷却することが好ましいが、マグネットロールはその必要特性から非等極配置が多く、極間に配置される各冷却ブロックの体積が異なることから、成形体の冷却が接触面積の多いものほど冷却効率が高くなり、反りや長手方向の磁力(ゾーン磁力)の不安定を招くものであった。例えば、図12に、成形されたマグネットロールの磁束密度分布をグラフにしたものを示し、磁束密度が長手方向において上下範囲H内で磁束密度が変動している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、長手方向の磁力(ゾーン磁力)の安定化、反り減少を図ることができるとともに、スライド型の外面とメイン成形型内面との間に発生するクリアランスによる実用上の問題点を解消できるようにする点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題解決のために、金型にて形成される成形空間内に射出注入される磁性粉末とバインダーを主成分とする樹脂磁石組成物に、複数の磁場配向手段により複数極の磁場をそれぞれ印加した後、金型から取り出しをするマグネットロールの製造方法において、前記金型として、マグネットロールのロール本体部を形成するためのメイン成形型と、マグネットロールの両端に形成される軸部のうちの一方の軸部を形成するために該メイン成形型の一端部に配置した端部成形型と、前記他方の軸部を形成するために該メイン成形型内に摺動自在に配置したスライド型とからなるものを用いてマグネットロールを成形し、この成形後スライド型を成形空間内に突出させることによりマグネットロールを金型外に取り出すように構成し、前記メイン成形型の外周面に沿って所定間隔を置いて配置した前記複数の磁場配向手段に隣接させ、且つ、前記メイン成形型の外周面に接触させた複数の冷却ブロックにより、前記射出注入された樹脂磁石組成物を冷却し、これら各冷却ブロックに温度差を付けたことを特徴としている。
従って、冷却ブロックによりメイン成形型を冷却することによって、熱膨張による金型各部の寸法変化を低く抑えることができ、特にスライド型の外面とメイン成形型内面とのクリアランスが大きく変化することを抑えることができるのである。しかも、各冷却ブロックに温度差を付けることによって、メイン成形型との接触面積の少ない冷却ブロックにより冷却される樹脂磁石組成物の冷却効率を上げることができ、樹脂磁石組成物を全域に渡って均一に冷却することが可能になる。
【0007】
前記冷却ブロックの冷却温度を100°C以下で、且つ、温度差を2〜10°Cに設定することが最適であり、前記メイン成形型との接触面積が少ない冷却ブロックの冷却温度を接触面積が多い冷却ブロックの冷却温度よりも低く設定することによって、樹脂磁石組成物を全域に渡って均一に冷却するのである。
【0008】
前記冷却ブロックの少なくとも1つ以上を前記磁場配向手段形成部材よりも熱伝導率の高い非磁性材料で作成することによって、冷却ブロックによる冷却効率を高めることができる。
【0009】
前記冷却ブロックが内部に冷却用媒体が流動する流路を形成し、この冷却用媒体に取り扱いが容易な水を用いている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図3に、樹脂磁石組成物を金型内に注入して成形されたマグネットロールを示し、このマグネットロール1は、断面形状円形のロール本体部2の両端に縮径した軸部3、4を突出形成したもので、樹脂磁石組成物を用いて一体成形されている。図示していないが、前記一方の軸部3又は4あるいは両軸部3,4に位置決め或いは駆動力伝達用の切欠部を形成して実施してもよい。尚、マグネットロール1として、ロール部2が円柱でなく多角柱であるものや、ロール部2の軸中心と軸部3、4の軸中心を故意に偏心させたものなどに対しても本発明を同様に適用できる。
【0011】
マグネットロール1を構成する樹脂磁石組成物(以下、樹脂磁石という)としては、磁性粉末と当該磁性粉末同士を結合させるためのバインダーを主体とし、それらの結合を強固にするためのシラン系またはチタネート系のカップリング剤、流動性を良くするための滑剤、バインダーの熱分解を防止する安定剤等を微量配合した混合物であり、必要により難燃剤、補強剤等を配合することも可能で、磁性粉としては、フェライト系、希土類系(SmCo系、NdFeB系)、MnAIC系、アルニコ系、SmFeN系等のものから選択でき、またバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、低融点合金等を用いることができる。
【0012】
このマグネットロール1は、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置における現像ロールやクリーニングロールとして用いられているものであるが、他の用途にも勿論利用できる。
【0013】
次に、マグネットロール1の製造装置について説明すれば、図1〜図4に示すように、マグネットロール1のロール本体部2を形成するための円筒状の固定側のメイン成形型5と、このメイン成形型5の一端部に配置され、且つ、マグネットロール1の軸部4を形成するための端部成形型6と、前記メイン成形型5内に出退自在に配設され、且つ、該メイン成形型5にて形成される成形空間8内への溶融された樹脂磁石(以下、溶融樹脂磁石という)の注入に伴い、後退側に移動してマグネットロール1の端部、つまり前記軸部3を形成するためのスライド型7とからマグネットロールの成形金型を構成している。前記メイン成形型5内に備えられるとともに成形空間8内への溶融樹脂磁石の注入が開始されてから、その溶融樹脂磁石が固化するまでの期間において、磁性粒子の着磁及び配向を行うための磁場配向手段9とを備えている。
【0014】
前記磁場配向手段9は、図4に示すように、前記メイン成形型5の外周面に沿って設定間隔置きに配置された4個の永久磁石10,11,12,13から構成している。前記永久磁石10,11,12,13のメイン成形型5側先端部それぞれが、軟磁性材料からなる先端ヨーク14により支持され、永久磁石10,11,12,13の後端部が軟磁性材料からなる略円筒状のバックヨーク15により支持されている。前記永久磁石10,11,12,13のうちの1つの永久磁石12を他の永久磁石10,11,13よりも大きいものを用いているが、大きさ関係は、これに限定されるものではない。前記4個の永久磁石10,11,12,13を用いて成形されるマグネットロール1に4つの磁極を形成するようにしたが、2個又は3個あるいは5個以上の永久磁石を設けてもよい。又、磁場配向手段9として永久磁石を用いる他、電磁石等、既存の種々の構成のものを採用することができる。前記溶融樹脂磁石は、図外の射出シリンダ等から図に示した注入口10を介して成形空間8内へ供給されるのである。尚、前記磁場配向手段9が電磁石である場合には、図2に示すように成形空間8に溶融樹脂磁石の注入が完全に注入されてから、着磁及び配向を行うようにしてもよく、開始時期を自由に変更できる。
【0015】
また、前記隣合う永久磁石10と11の間又は11と12の間又は12と13の間又は13と10の間には、前記永久磁石よりも熱伝導率の高い材料、例えばアルミニウムなどでなる冷却ブロック16又は17又は18又は19が前記メイン成形型5の外面に接触した状態で配設されている。これら冷却ブロック16,17,18,19のうちの特定のもののみ熱伝導率の高い材料で構成してもよい。前記冷却ブロック16又は17又は18又は19の内部に、冷却水路16A又は17A又は18A又は19Aを形成し、前記メイン成形型5内に注入された溶融樹脂磁石を冷却ブロック16,17,18,19により冷却するように構成している。前記冷却水路16A又は17A又は18A又は19Aへは図1に示すように一端から冷却水を入れて他端から排出し、排出した冷却水を冷却装置を通して再度冷却ブロック側に戻すように循環方式にする他、冷却装置を通して供給された冷却水は冷却装置側に戻すことなく外部に排出するように構成してもよい。また、冷却ブロック内の冷却水路16A、17A、18A、19A及び、冷却ブロック本体16、17、18、19に、防錆処理が施されていることが望ましい。
【0016】
前記大きな永久磁石12とこれと隣合う永久磁石11又は13との間に位置する冷却ブロック17,18が他の冷却ブロック16,19よりも小さいものになり、この冷却ブロック17又は18と接触するメイン成形型5との接触面積も少なくなる。特に、冷却ブロック17が一番接触面積が少ない。このため、冷却ブロック17又は18による冷却能力が冷却ブロック16又は19の冷却能力よりも低下し、成形体の冷却が部分的に異なるのである。この傾向は各永久磁石により構成される極間角度が小さい場合(図示せず)はより顕著となる。従って、前記冷却ブロック16,17,18,19の表面温度を100°C以下に設定するとともに、メイン成形型5との接触面積の少ない冷却ブロック17又は18の表面温度を、他の冷却ブロック16又は19の表面温度よりも2〜10°C低く設定することによって、冷却ブロック17又は18による冷却効率を高めるようにして、成形体の冷却が均一に行えるようにしている。具体的には、図5に示すように、冷却ブロック16,17,18,19の表面温度を検出するための温度検出センサ20,21,22,23と、冷却ブロック16,17,18,19の表面温度を設定するための温度設定手段24,25,26,27と、冷却ブロック16,17,18,19内を流動する冷却水を冷却するための熱交換器等の冷却装置を駆動させる冷却装置駆動手段28,29,30,31と、前記温度検出センサ20,21,22,23からの検出情報及び温度設定手段24,25,26,27からの設定情報に基づいて、冷却装置駆動手段28,29,30,31に駆動信号又は駆動停止信号を出力するための温度制御手段32を設けて、各冷却ブロック16,17,18,19の表面温度が設定された温度に一致するように構成している。前記冷却ブロック16,17,18,19の表面温度を検出する箇所は、前記メイン成形型5との接触部が最適であるが、他の表面でもよいし、又、冷却ブロック16,17,18,19の内部温度を検出し、この内部温度から表面温度を算出するようにしてもよい。図1に示す6Aは、端部成形型6内に形成された環状の冷却水路であり、矢印で示すように上方から冷却水を入れて下方から出して、冷却装置側に返すようにしている。尚、端部成形型6の冷却水路は省略して実施してもよい。又、前記スライド型7にも冷却水路を形成してスライド型7の表面温度をも制御するようにしている。前記冷却ブロック16,17,18,19を内部を流動する冷却水により冷却するようにしたが、冷気を発生する冷気発生装置により冷気を直接吹き付けて冷却ブロック16,17,18,19を冷却するようにしてもよい。
【0017】
前記冷却ブロック17及び18の表面温度を他の冷却ブロック16及び19の表面温度よりも2°C(実施例1)、5°C(実施例2)、10°C(実施例3)低下させた温度、つまり高温側の冷却ブロック16,18,19の表面温度を70°Cとし、低温側の冷却ブロック、つまり冷却ブロックの中でも最もメイン成形型との接触面積が少ない冷却ブロック17の表面温度を68°C(実施例1)、65°C(実施例2)にし、又、高温側の冷却ブロック16,19の表面温度を70°Cとし、低温側の冷却ブロック17,18の表面温度を60°C(実施例3)にてマグネットロールをそれぞれ成形し、成形したマグネットロールの反り方向、反り量、長手方向の磁力のバラツキ(長手方向の磁力の最大値と最小値との差)を測定し、表1とした。尚、比較例として冷却ブロック16,17,18,19を全て同一表面温度にし、上記3つの項目を測定した。
【0018】
【表1】
Figure 0003591254
【0019】
表1から明らかなように冷却ブロック16,17,18,19の表面温度を全て同一にした場合よりも2°C〜10°Cの温度差を付けた場合の方が反り方向は概ね同方向であるが反り量、長手方向の磁力のバラツキの両方において良好な結果を得ることができた。
また、図9に温度差に対する反り量を冷却ブロック16,17,18,19の表面温度別にグラフとして示した。このグラフからは、冷却ブロック16,17,18,19の表面温度を50°Cから80°Cの範囲が反りに対して良好な結果を示している。又、図10では、反り量とゾーン磁力バラツキ(マグネットロールの長手方向の磁力バラツキ)との関係をグラフにしたものであり、反り量が増加すればゾーン磁力バラツキも増加するようになっている。
そして、このように成形されたマグネットロールの磁束密度を測定した結果、図11のグラフに示し、長手方向の磁束密度を略均一にすることができた。尚、図12は比較例として、冷却ブロック16,17,18,19の温度制御を行わなかった(同一表面温度にした)場合を示し、磁束密度が長手方向において上下範囲H内で磁束密度が変動していることがわかる。
【0020】
次に、マグネットロール1の成形方法について説明する。
図1に示すように、スライド型7を移動操作するためのアクチュエータ33を駆動してスライド型7を前進位置まで移動させた後、注入口34を介して金型内への溶融樹脂磁石の射出注入を開始する。前記アクチュエータ33としては、例えばエアコンプレッサー、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、スクリューネジ、ラックピニオンギア、リニアモータ等を用いることができる。次に、図2に示すように、溶融樹脂磁石の注入圧とアクチュエータ33による駆動力との合力でスライド型7を後退位置まで後退させながら、成形空間8内を溶融樹脂磁石で充填するのである。前記アクチュエータ33として油圧シリンダを用いる場合には、作動油を絞りながらリークさせることで、スライド型7の後退移動に制動力を付与することによって、成形空間8内に溶融樹脂磁石を隙間なく充填していくことが可能になる。但し、摩擦等により制動力を付与する制動力付与手段を設けて、スライド型7の後退移動時に制動力を付与してもよい。また、溶融樹脂磁石の射出注入速度に応じてアクチュエータ33により制動力を付与しながらスライド型7を後退させてもよい。又、溶融樹脂磁石の充填時には、アクチュエータ33による駆動を停止するようにしてもよい。そして、溶融樹脂磁石の注入が完了すると、溶融樹脂磁石が固化するまで前記磁場配向手段9により、磁性粒子の着磁及び配向を行うのである。
【0021】
前記射出注入した溶融樹脂磁石が固化した後は、図3に示すように、端部成形型6をメイン成形型5から離間移動させた後、スライド型7を前進させて、マグネットロール1を離脱させるのである。尚、メイン成形型6を端部成形型7から離間移動してもよい。
【0022】
前記冷却水路16A,17A,18A,19Aを、図6〜図8に示すように構成してもよい。つまり、図6では、一端から他端に向かって形成された大きな溝内に中空パイプ35を配設して、冷却水路(図では17A、19A)を形成し、中空パイプ35を通して供給された冷却水が中空パイプ35の外面と、溝の内面Mとの間に形成された冷却水路を通して外部に排出されるように構成している。又、図7では、1つの冷却ブロック、例えば17に対して2つの冷却水路17A,17Aを形成して、冷却水路の体積を増大させることにより冷却する場合を示している。又、図8では、冷却水を供給する供給口と外部に排出する排出口とを同一側に設けた場合を示している。又、前記冷却水路の内面を平坦に構成する他、冷却効果を高めるための内面に突起を設けたり、スパイラル形状としてもよい。
【0023】
又、前記実施例では、軸部とロール部とを一体形成するようにしたが、金属製または合成樹脂製のシャフトをインサートしたシャフトインサート型マグネットロールを形成したものにおいても本発明は適応することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1によれば、スライド型により成形されたマグネットロールを長手方向に押し出して取り出す構成にすることによって、長手方向の磁力(ゾーン磁力)の安定化、反り減少を図ることができるものでありながら、冷却ブロックによりメイン成形型を冷却することによって、熱膨張による金型各部の寸法変化を低く抑えることができ、特にスライド型の外面とメイン成形型内面とのクリアランスが大きく変化することを抑えることができるから、かじりの発生やバリの発生を阻止することができる。しかも、各冷却ブロックに温度差を付けることによって、メイン成形型との接触面積の少ない冷却ブロックにより冷却される樹脂磁石組成物の冷却効率を上げることができるから、金型内に注入された樹脂磁石組成物を全域に渡って均一に冷却することができ、長手方向の磁力(ゾーン磁力)の安定化、反り減少をより一層図ることができる。
【0025】
請求項2によれば、冷却ブロックの冷却温度を100°C以下で、且つ、温度差を2〜10°Cに設定した場合に、反り量、長手方向の磁力のバラツキの両方において良好な結果を得ることができる。
【0026】
請求項3によれば、冷却ブロックの少なくとも1つ以上を磁場配向手段形成部材よりも熱伝導率の高い非磁性材料で作成することによって、冷却ブロックによる冷却効率を高めることができる。例えば、メイン成形型との接触面積の少ない冷却ブロックを熱伝導率の高い非磁性材料で作成すれば、温度差を最小にすることが可能になり省エネルギー化を図ることができる。しかも、特定の冷却ブロックにのみ熱伝導率の高い非磁性材料を用いることによって、冷却ブロックの作成費用を必要最小限に抑えることができる。
【0027】
請求項4によれば、冷却用媒体に手に触れても安全な取り扱いが容易な水を用いることによって、使用した水を浄化することなくそのまま排出することができるだけでなく、水道管はどこでも敷設されていることから、冷却用媒体を必要な量だけいつでも容易に入手することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融樹脂磁石の注入開始直前の状態を示す金型の断面図。
【図2】溶融樹脂磁石の注入完了状態を示す金型の断面図。
【図3】形成されたマグネットロールを離脱させた状態を示す金型の断面図。
【図4】金型を長手方向と直交する方向に切断したときの断面図。
【図5】冷却ブロックの表面温度制御を示すブロック図。
【図6】冷却水路の別の形態を示す金型の断面図。
【図7】冷却水路の別の形態を示す金型の断面図。
【図8】冷却水路の別の形態を示す金型の断面図。
【図9】温度差と反り量との関係を示すグラフ。
【図10】反り量とゾーン磁力バラツキとの関係を示すグラフ。
【図11】本発明のマグネットロールの磁束密度分布を示すグラフ。
【図12】従来のマグネットロールの磁束密度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
1 マグネットロール 2 ロール本体部
3,4 軸部 5 メイン成形型
6 端部成形型 6A 冷却水路
7 スライド型 8 成形空間
9 磁場配向手段 10,11,12,13 永久磁石
14 先端ヨーク 15 バックヨーク
16,17,18,19 冷却ブロック(冷却ブロック本体)
16A,17A,18A,19A 冷却水路
20,21,22,23 温度検出センサ
24,25,26,27 温度設定手段
28,29,30,31 冷却装置駆動手段
32 温度制御手段 33 アクチュエータ
34 注入口 35 中空パイプ
M 内面

Claims (4)

  1. 金型にて形成される成形空間内に射出注入される磁性粉末とバインダーを主成分とする樹脂磁石組成物に、複数の磁場配向手段により複数極の磁場をそれぞれ印加した後、金型から取り出しをするマグネットロールの製造方法において、前記金型として、マグネットロールのロール本体部を形成するためのメイン成形型と、マグネットロールの両端に形成される軸部のうちの一方の軸部を形成するために該メイン成形型の一端部に配置した端部成形型と、前記他方の軸部を形成するために該メイン成形型内に摺動自在に配置したスライド型とからなるものを用いてマグネットロールを成形し、この成形後スライド型を成形空間内に突出させることによりマグネットロールを金型外に取り出すように構成し、前記メイン成形型の外周面に沿って所定間隔を置いて配置した前記複数の磁場配向手段に隣接させ、且つ、前記メイン成形型の外周面に接触させた複数の冷却ブロックにより、前記射出注入された樹脂磁石組成物を冷却し、これら各冷却ブロックに温度差を付けたことを特徴とするマグネットロールの製造方法。
  2. 前記冷却ブロックの冷却温度を100°C以下で、且つ、温度差を2〜10°Cに設定し、前記メイン成形型との接触面積が少ない冷却ブロックの冷却温度を接触面積が多い冷却ブロックの冷却温度よりも低く設定したことを特徴とする請求項1記載のマグネットロールの製造方法。
  3. 前記冷却ブロックの少なくとも1つ以上を前記磁場配向手段形成部材よりも熱伝導率の高い非磁性材料で作成したことを特徴とする請求項1記載のマグネットロールの製造方法。
  4. 前記冷却ブロックが内部に冷却用媒体が流動する流路を形成し、この冷却用媒体に水を用いたことを特徴とする請求項1記載のマグネットロールの製造方法。
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