JP3687299B2 - マグネットロールの成形金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置に組み込まれる現像ロールやクリーニングロール、搬送ロール等に用いられるマグネットロールの成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置における現像ロールやクリーニングロールとして、永久磁石材料を使ったマグネットロールが用いられている。このようなマグネットロールは、かってはアルニコ磁石やフェライ卜磁石等の金属磁石や焼結磁石を貼りあわせて作製したものが主流であったが、形状の自由度が高く量産にも適し且つ低コストである等の理由から、合成樹脂バインダーに磁性粉を配合した樹脂磁石材料を用いて成形したマグネットロールが近年主流となりつつある。このような樹脂磁石材料製のマグネットロールは、射出成形法や押出成形法によって製作されているが、これら成形法は利点を有する反面、問題点も抱えている。
【0003】
例えば射出成形法は、▲1▼成形体の取り出しを成形体の長手方向に直交するエジェクトピンで行うため成形体取り出し時に反りが生じ易く、反りを抑制するためには冷却時間を長くしなければないという問題、▲2▼空の状態のキャビティ(成形空間)の中へ溶融物を注入するため、注入時のフローによって成形体表面上に皺状の薄い固化膜が発生して表面粗度が粗くなってしまい、ひいてはこれが表面近傍部分での磁性粉の配向乱れにつながり表面磁束密度がばらつくという問題、▲3▼空のキャビティ内に樹脂磁石材料を一挙に注入するためジェッティングや空気の巻き込み現象が生じやすく成形体の均質性が損なわれやすく、表面磁力分布が乱れるという問題、▲4▼射出成形法では樹脂磁石材料の十分な流動性が必要であるため、磁粉含率を上げて高磁力化をはかることに限界がある等の問題がある。
【0004】
一方、押出成形法では、▲1▼射出成形法に比べれば生産性は高いとはいうものの、押出し物がバインダーとして熱硬化性樹脂や硬質の熱可塑性樹脂を用いたものである場合、押出し線速を上げることが難しく生産性向上に限界があるという問題、▲2▼押出し物の溶融粘度が低い場合、サイジング金型が必要となり、長手方向の外径の寸法精度を向上させることが難しいという問題、▲3▼磁性粉を磁場配向させる場合、押出し時にダイス内壁より受ける摩擦抵抗による磁性粒子の配向乱れやダイス外での固化するまでにおける配向乱れのため、高配向化が困難であり、高磁力化が難しい等の問題がある。
【0005】
このような射出成形法及び押出成形法が抱える問題を解消し、特に長手方向における表面磁力が均一であるマグネットロールを得ることができる技術を本出願人は既に提案している。この技術は、内部にマグネットロールを成形するための成形空間を有し、周囲に永久磁石等の磁場発生器を配置したメイン成形型に、マグネットロールの一端部を形成するためのスライド型を前記メイン成形型の軸方向にスライド自在に装着し、溶融した樹脂磁石材料の注入圧でスライド型を後退させながら磁場中でマグネットロールを成形し、マグネットロールが硬化したならば、樹脂磁石材料を射出注入する側の型板を取り外したうえ、スライド型を前進移動させて成形物をメイン成形型の軸方向に押出して取り出すというものである。このような製法では、樹脂硬化の防止、射出注入の安定化、磁粉配向度の向上、磁粉分布の均一性、成形品の外観及び表面性状を良好なものとなすために樹脂磁石材料の流動性が重要であり、このためヒータによって加熱したホットノズルを用いることが有利である。
【0006】
この方法によれば、成形空間の容積が、溶融した樹脂磁石材料の注入速度に合わせて拡大するため、溶融した樹脂磁石材料が成形空間内で乱れることはないので、磁性粒子を効率的に配向させることができ、マグネットロールの長手方向における磁気特性の均一化がはかれ、従来の射出成形法や押出成形法によって作製されたものに比べて軸方向における磁気特性が均質なマグネットロールを得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、ホットノズルを用いたことで、樹脂磁石材料の流動性が高まり、樹脂磁石材料の射出注入が円滑に行われる筈であったが、実際にはホットノズルを用いているにもかかわらず、ノズル詰まりや流動性不足に起因する長手方向磁力の落ち込み(リップル)が見られた。本発明者はこの原因について究明を行った結果、その原因がホットノズルが成形空間の一部を構成する型板と直接接触した状態で保持されていることにあることを見いだした。即ち、図4に示すように従来の成形金型ではホットノズル1はその周囲に配置されたヒーター2によって加熱されているものの、ノズル先端側が成形空間の一部を構成する型材3に直接接触して保持されているため、ホットノズル1の熱が型材3に奪われ、ノズルの先端温度が局部的に降下する現象が生じる。そしてこの結果、ノズル先端部で樹脂の部分的固化が生じてノズルが詰まり、射出不能となったり、あるいは射出できても流動性が悪くなって長手方向の磁気特性が不安定となる現象が生じる。特にマグネットロールの原料である樹脂磁石材料は磁性粉を含むため一般合成樹脂よりも熱伝導率が高く、前記傾向はより顕著である。
【0008】
ノズル先端部での樹脂の固化を防ぐためには、図5に示すようにノズル先端部を支持する型材3との接触範囲dを狭くして熱が奪われないようにすることや、ノズル先端部での温度降下があっても樹脂磁石材料が固化しないようにホットノズル1の全体温度を高めること等が考えられるが、これらはいずれも採用できない。何故なら、ホットノズル1と型板3との接触面積を少なくすると、接触部でのシール性が低下し、成形空間への樹脂磁石材料の射出注入圧によって図6に示すように接触境界部3aに樹脂漏れが発生するし、一方、ホットノズル1全体の温度を高めると樹脂劣化を来たし成形品強度の低下を来す。
【0009】
本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、メイン成形型の軸方向にスライド自在に装着したスライド型を溶融した樹脂磁石材料の注入圧で後退させながらマグネットロールを成形する成形法に用いる成形金型において、ホットノズル先端部が局部的な温度降下を生じないようにすることによって、ノズルの全体温度を過剰に上げなくてもノズル詰まりが発生しない成形金型を提供せんとするものである。
【0010】
また樹脂磁石材料は通常樹脂に比べて高粘度であり、ノズル先端部での詰まりが発生しやすいことから、通常その樹脂流路は図例のように常時開放されている。しかしながらノズル全体温度を高くすると、ノズルの注入口から樹脂磁石材料が漏れ出て固化物が形成される現象が生じ、この固化物の塊がそのまま成型品内部に残り磁粉配向度を低下させたり、この固化部分がスラグ状の塊となってマグネットロール外観不良を発生させたりする。
本発明はこのような問題をも解消し、注入口からの樹脂磁石材料の漏れがない成形金型をも提案する。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
かかる課題を解決した本発明のマグネットロールの成形金型は、次の内容を有する。請求項1記載の発明は、本発明は、マグネットロールを成形するための成形空間を有するメイン成形型と、前記成形空間内にスライド自在に装着されるマグネットロールの一端部を形成するためのスライド型と、前記成形空間に溶融した樹脂磁石材料を射出注入するノズルと、前記成形空間に充填された溶融した樹脂磁石材料中の磁粉を配向させる磁場発生器とを備え、溶融した樹脂磁石材料の注入圧でスライド型を後退させながらマグネットロールを成形するマグネットロールの成形金型において、成形空間に溶融した樹脂磁石材料を注入するノズルとして、前記注入口を含むノズル先端部を樹脂磁石材料の溶融温度以上に加熱したホットノズルを用い、このホットノズルと当該ホットノズルの先端部を囲み成形空間の一部を構成してマグネットロールの他端部を成形するための端部成形部を設けた型材との間に、樹脂磁石材料の溶融温度に耐える耐熱性とホットノズルから型材に向かう熱伝導を抑制する断熱性とを備えた耐熱・断熱部材をホットノズル及び型材に密着状態で介在させ、前記耐熱・断熱部材を、ノズル先端部のテーパ形状に合わせて一方から他方に向かって拡開する孔部を備えたものから構成することにより、当該ノズル先端部を当該耐熱・断熱部材にて密着支持したことを特徴としている。
【0012】
このような成形金型は、加熱されたホットノズルから溶融した樹脂磁石材料を磁場が印加されたメイン成形型内に射出注入し、メイン成形型内に装着されたスライド型を後退させながら拡大する成形空間に溶融した樹脂磁石材料を充填する。スライド型が所定位置まで後退しきって停止すると、ホットノズルからの樹脂磁石材料の射出注入を停止させ保圧、冷却を経たのち、スライド型の反対側、即ち、ホットノズル配置側の型板を型開きし、スライド型を前進させてメイン成形型内の成形品を取り出す。
【0013】
ホットノズルの先端部は少なくとも樹脂磁石材料の溶融温度以上に加熱されており、しかも先端部は耐熱・断熱部材によって支持されているから先端部の熱が奪われることはなく、樹脂磁石材料が先端部で固化したり、流動性低下を来すことはなく成形空間全体に樹脂磁石材料が良好に供給される。従ってホットノズルの全体温度を過剰に昇温する必要がないので樹脂の劣化がなく成形品の強度が失われることもない。また耐熱・断熱部材はホットノズルと成形空間の一部を構成する型材と密着し、隙間のない状態で十分な面積にわたってホットノズルの外面と接触しているからホットノズルとの接触境界部から樹脂磁石材料が漏れることはなく、またこのような密着状態であっても断熱性を有するためノズル先端部の温度が部分的に降下するようなことはない。
【0014】
またスラグ状の固化物の混入を防ぐには、注入口を開閉するバルブピンを備えたホットノズルを用いることが好ましい。このようなホットノズルを用いた場合、射出注入時、保圧時にはバルブピンは開放位置に移動して注入口を開放し、一方、冷却時及び成形品取り出し時にはバルブピンは閉鎖位置に移動して注入口を閉鎖する。注入口は射出注入時及び保圧時以外のときは閉鎖しているから冷却時や成形品の取り出し動作をしているときに注入口から樹脂磁石材料が漏れ出て固化物を作ることがなくなる。
【0015】
ホットノズルと型材との間に介在させる部材は、少なくとも300℃以上の耐熱性を有し、且つその熱伝導率が10Kcal/m・h・℃以下のものを用いることが好ましい。具体的には、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂等の耐熱・断熱樹脂を用いることができる。これら樹脂は加工性に優れ且つ密着性にも優れるから、ホットノズルと型材との境界部での樹脂漏れは完全に防止される。
【0016】
耐熱・断熱樹脂の代わりに、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、炭素、ガラス、雲母、石英等を用いることもできる。これらは前記耐熱・断熱樹脂に比べると加工性はやや劣るが、耐熱性は格段に優れている。また、これら部材の断熱性を高めるために多孔質化することも好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき説明する。図1は本発明の成形金型の全体を示している。本発明の成形金型は軸部一体型マグネットロールを成形するためのものである。軸部一体型のマグネットロールMとは、円柱状のロール部m1の両端に縮径した軸部m2,m3を突出形成したものであり、必要に応じて軸部3に位置決め或いは駆動力伝達用の切欠部が形成され、その全体が樹脂磁石材料を用いて一体成形されている。ロール部m1が円柱でなく多角柱であってもよい。このようなマグネットロールMは、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置における現像ロールやクリーニングロールとして用いる。
【0018】
マグネットロールMを構成する磁石材料としては、磁性粉と当該磁性粉同士を結合させるためのバインダーを主体とし、それらの結合を強固にするためのシラン系またはチタネート系のカップリング剤、流動性を良くするための滑剤、バインダーの熱分解を防止する安定剤等を微量配合した混合物を用いる。必要に応じて難燃剤、補強剤を配合することも可能で、磁性粉としては、フェライト系、希土類系(SmCo系、NdFeB系)、MnAIC系、アルニコ系、SmFeN系等のものから選択でき、またバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。また合成樹脂ではないものの低融点金属も合成樹脂と実質上同様に用いることができる。
【0019】
本発明の成形金型ではホットノズルを用いて樹脂磁石材料の流動性を高めているため、樹脂磁石材料中の磁性粉の充填率を70体積%近くまで高めることが可能であり、高磁力なマグネットロールを得ることができる。
【0020】
可動金型10は、マグネットロールを成形するための成形空間11を有するスリーブ状のメイン成形型12と、前記成形空間11内に装着されたスライド型13と、前記メイン成形型12を囲むように配置された磁場発生器14とから主として構成される。スライド型13はメイン成形型12の成形空間11に径方向に略隙間のない状態で軸方向にスライド自在に装着され、スライド型13の図中右端部には軸部m2を含むマグネットロールMの左端部を成形する成形部15が設けられている。一方、スライド型13の図中左端部には図示しないが油圧シリンダー、空気圧シリンダー、スクリューネジ、ラックピニオンギア、リニアモータ等のアクチュエータが接続されており、スライド型13を後退位置と前進位置との間を往復移動できるように構成している。またスライド型13は外筒13aに突き出しピン13bをスライド可能に挿通した構成であり、成形品の取り出し動作の最後に突き出しピン13bにより軸部m2を押し出してスライド型13に嵌着状態となっている成形品を離型しうる構成となっている。
【0021】
固定金型20には軸部m3を含むマグネットロールMの右端部を成形するための端部成形部25を設けた非磁性体材料製の型材21が固定されている。そしてこの型材21にはヒーター22を付設したホットノズル23がリング状の耐熱・断熱部材24を介して保持固定されている。ヒーター22としてはノズル先端部を少なくとも樹脂磁石材料の溶融温度以上に加熱できる熱量を有するものを用いる。また型材21には冷却水路28が設けられ、ここを通過させる冷却水の温度及び流量を制御することでノズル先端部の温度を調整している。
【0022】
ホットノズル23は図2に示すように先端に成形空間内へ溶融した樹脂磁石材料を射出注入するための注入口26を有し、ノズルの内部空間にはノズルの軸方向に前進・後退して前記注入口26を開閉するバルブピン27が設けられている。バルブピン27はその基端側に配置された空気圧、油圧等を駆動力源とするアクチュエータ(図示せず)によって駆動され、射出及び保圧時には図中右側に後退して注入口26を開放し、一方、冷却及び成型品取り出し時には図中左側に前進して注入口26を閉鎖するよう動作する。この動作により、冷却及び成形品取り出し時に注入口26からの樹脂が漏れ出ることをなくし、スラグ状の固化物が成形品中に混入する可能性をなくしている。
【0023】
図3は型材21とホットノズル23との間にあってホットノズル23に密着してホットノズル23との間をシールしつつホットノズル23を保持する耐熱・断熱部材24を示している。図例の耐熱・断熱部材24はノズル先端部のテーパー形状に合わせて一方から他方に向かって拡開する孔部24aを設けている。耐熱・断熱部材24の形状は、ホットノズル23先端部に密着した状態で型材21とホットノズル23との間に介在しうるものであればその形状は限定されない。
【0024】
耐熱・断熱部材24の素材としては、溶融した樹脂磁石材料射出するホットノズル23先端部を密着支持する関係上、樹脂磁石材料の溶融温度に耐える耐熱性を有し、且つホットノズルから型材に向かう熱伝導を抑制する断熱性とを有するものを使用する。具体的には少なくとも300℃以上の耐熱性を有し、且つその熱伝導率が10Kcal/m・h・℃以下のものを用いることが好ましい。また樹脂漏れを防ぐためにホットノズル23外面との密着性が良くて樹脂漏れ防止効果があり、且つ加工性に優れたものを選択する。このような条件に適合するものとしては、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂などがある。また加工性及び密着性にはやや劣るものの酸化アルミニウム、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、炭素、ガラス、雲母、石英等を用いることもできる。強度的にはやや低下するが、断熱性を高めるためにこれら材料を多孔質に加工してもよい。
【0025】
このような構成の本成形金型によるマグネットロール1の成形動作は次のようにして行われる。先ず、図1に示すような固定金型20と可動金型10を組み合わせて、メイン成形型12内の成形空間11を端部成形型25で閉鎖するとともに、アクチュエータを駆動させてスライド型13を前進位置まで移動させ、成形空間11の容積を最小にする。
【0026】
次に、射出シリンダ(図示せず)を駆動してホットノズル23内に溶融した樹脂磁石材料を送り込み注入口26を通じて成形空間15内に溶融した樹脂磁石材料を射出注入する。このときバルブピン27は図2で示されるように図中右側の後退位置にあり、注入口26は開放している。溶融した樹脂磁石材料の注入圧でスライド型13を図中左側の後退位置まで後退させながら、成形空間11内に樹脂磁石材料を充填する。成形空間11には磁場発生器14によって磁場が印加されており、樹脂磁石材料はこの磁場中で充填され固化することによって磁性粒子の方向が揃えられる。この後、保圧、冷却を経たのち、可動金型10を図中左側に移動させて型開きし、スライド型13を図中右側に前進させてメイン成形型12内の成形品を取り出すものである。成型品の取り出しは先ずスライド型13によって成型品を成形空間外へ押し出した後、突き出しピン13bにより軸部m2を押し出しスライド型13に嵌着している軸部m2を分離することによって行う。バルブピン27は射出注入時、保圧時には図中右側に後退して注入口26を開放した状態にあるが、冷却時、成形品の取り出し時には図中左側に前進して注入口26を閉鎖するため、流動性の高い樹脂磁石材料が注入口26から漏れ出すことはない。
以上は、注入口を開閉するバルブピンを備えさせたホットノズルを用いた実施例であったが、注入口からの樹脂漏れがないように樹脂磁石材料の流動性を管理できるのであれば、バルブピンは設けなくてもよい。
【0027】
本発明者は本発明の作用効果を確かめるべく、熱伝導率0.2Kcal/m・h・℃の材料より作製されたリング状の耐熱・断熱部材24を型材21とホットノズル23との間に介在させ、且つ油圧シリンダーで前進・後退動作するバルブピン27を有する金型を用いてマグネットロールを作製し、これを耐熱・断熱部材を介在させずに型材21によりホットノズルを直接保持し、且つバルブピンを有さず注入口を常時開放させた従来の成形金型を用いて作製したマグネットロールと比較した。その結果、従来金型では320℃以下ではノズルの詰まり現象がみられ安定した成形ができなかったのに対し、本発明の成形金型では300℃の温度でもノズルの詰まり現象はみられず、安定した成形ができることが確認された。またリップル特性も10%改善された。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載のように、注入口を開閉するバルブピンを備え少なくとも先端部を樹脂磁石材料の溶融温度以上に加熱したホットノズルを用い、且つこのホットノズルと成形空間を構成する非磁性部材との間に、樹脂磁石材料の溶融温度に耐える耐熱性と、ホットノズルから型材に向かう熱伝導を抑制する断熱性とを有する耐熱・断熱部材をホットノズル及び前記非磁性部材に密着させて介在させることにより、ホットノズルの先端部が局部的に熱を奪われることがなくなり、従来のようにホットノズルの全体温度を高くしなくても樹脂磁石材料の流動性が確保されるので樹脂劣化のない高品位なマグネットロールが得られる。また耐熱・断熱部材は熱を奪わないからホットノズルに隙間のない状態で十分な面積にわたって密着させることができ、成形品にバリを発生させることもない。したがって磁性粉の配向が良好で磁粉分布が均一であるとともに磁気特性が均一であり、しかもバリ等の外観不良もないマグネットロールを得ることができる。
【0029】
また請求項2記載のように、注入口を開閉するバルブピンを備えさせたホットノズルを用いた場合、注入口はバルブピンによって冷却時、成形品取り出し時に閉鎖させることができるから、高い流動性を確保しつつも注入不要時に樹脂磁石材料が注入口から漏れ出ることもない。
【0030】
請求項3記載のように、少なくとも300℃以上の耐熱性を有し、且つその熱伝導率が10Kcal/m・h・℃以下の耐熱・断熱部材のものを用いた場合、前記効果は一層顕著なものとなる。
【0031】
請求項4記載のように、耐熱・断熱部材の素材としてポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂を用いる場合、これら素材は加工性及び密着性にも優れることから、ホットノズルとの境界部から樹脂漏れが発生することを確実に防止できる。
【0032】
請求項5記載のように耐熱・断熱部材の素材として、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、炭素、ガラス、雲母、石英のいずれかを用いた場合には、これらは加工性、密着性にはやや劣るものの、耐熱性は前記樹脂材料に比べて優れている。したがって前記樹脂製の耐熱・断熱部材を用いた場合よりもホットノズルとの接触範囲を広げてもノズル先端部の温度降下はないので、接触範囲の広げることでホットノズルとの境界部への樹脂磁石材料の侵入を防ぐことができる。
またこれら材料を多孔質化すれば、断熱性を一層向上でき、ノズル先端部の局部的な温度降下を一層防止できるのでホットノズルの全体温度をより低くでき樹脂の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形金型の一実施例の全体構成を示す断面説明図
【図2】同実施例におけるホットノズル周辺の構造を示す断面説明図
【図3】同実施例に用いる耐熱・断熱部材の形状を示す斜視図
【図4】従来の成形金型におけるホットノズル周辺の構造を示す断面説明図。
【図5】従来の成形金型において、ホットノズルとこれを保持する型材との接触範囲について説明した断面説明図
【図6】従来の成形金型においてホットノズルとこれを保持する型材との境界部に樹脂磁石材料が侵入する様子を示す断面説明図。
【符号の説明】
M マグネットロール
m1 ロール部
m2、m3 軸部
1 ホットノズル
2 ヒーター
3 型板
3a 接触境界部
10 可動金型
11 成形空間
12 メイン成形型
13 スライド型
14 磁場発生器
15 成形部
13a 外筒
13b 突き出しピン
20 固定金型
21 型材
22 ヒーター
23 ホットノズル
24 耐熱・断熱部材
25 端部成形部
26 注入口
27 バルブピン
28 冷却水路

Claims (6)

  1. マグネットロールを成形するための成形空間を有するメイン成形型と、前記成形空間内にスライド自在に装着されるマグネットロールの一端部を形成するためのスライド型と、前記成形空間に溶融した樹脂磁石材料を射出注入するノズルと、前記成形空間に充填された溶融した樹脂磁石材料中の磁粉を配向させる磁場発生器とを備え、溶融した樹脂磁石材料の注入圧でスライド型を後退させながらマグネットロールを成形するマグネットロールの成形金型において、
    成形空間に溶融した樹脂磁石材料を注入するノズルとして、前記注入口を含むノズル先端部を樹脂磁石材料の溶融温度以上に加熱したホットノズルを用い、このホットノズルと当該ホットノズルの先端部を囲み成形空間の一部を構成してマグネットロールの他端部を成形するための端部成形部を設けた型材との間に、樹脂磁石材料の溶融温度に耐える耐熱性とホットノズルから型材に向かう熱伝導を抑制する断熱性とを備えた耐熱・断熱部材をホットノズル及び型材に密着状態で介在させ、前記耐熱・断熱部材を、ノズル先端部のテーパ形状に合わせて一方から他方に向かって拡開する孔部を備えたものから構成することにより、当該ノズル先端部を当該耐熱・断熱部材にて密着支持したことを特徴とするマグネットロールの成形金型。
  2. ホットノズルとして、注入口を開閉するバルブピンを備えたものを用いた請求項1記載のマグネットロールの成形金型。
  3. 耐熱・断熱部材は、少なくとも300℃以上の耐熱性を有し、且つその熱伝導率が10Kcal/m・h・℃以下である請求項1又は2記載のマグネットロールの成形金型。
  4. ホットノズルと型材との間に介在させる耐熱・断熱部材が、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂のいずれかで形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネットロールの成形金型。
  5. ホットノズルと型材との間に介在させる耐熱・断熱部材が、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、炭素、ガラス、雲母、石英のいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネットロールの成形金型。
  6. ホットノズルと型材との間に介在させる耐熱・断熱部材の材料が、請求項5記載の材料を多孔質化したものであるマグネットロールの成形金型。
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