JP3650742B2 - 射出ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において冷却して固化させることによって成形品を得るようにしている。
【0003】
そのために、前記射出成形機は型締装置及び射出装置を有し、前記型締装置は、固定プラテン及び可動プラテンを備え、型締用シリンダによって可動プラテンを進退させることにより金型装置の型閉じ、型締め及び型開きを行う。なお、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型閉じに伴って固定金型と可動金型との間にキャビティ空間が形成される。
【0004】
一方、前記射出装置は、ホッパから供給された樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、及び溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリューが回転自在に、かつ、進退自在に配設される。そして、該スクリューを、駆動源によって前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出され、前記駆動源によって回転させ、それに伴って後退させることにより樹脂の計量が行われる。
【0005】
次に、前記射出ノズルについて説明する。
【0006】
図2は従来の射出ノズルの断面図である。
【0007】
図において、11は筒状の射出ノズルであり、該射出ノズル11は、前端(図における左端)において開放された樹脂流路50aを備える筒状の本体50、及び該本体50の外周に配設されたノズル用ヒータ13を有する。該ノズル用ヒータ13を通電することによって前記樹脂流路50a内の図示されない樹脂を加熱することができる。前記射出ノズル11は図示されない加熱シリンダの前端に取り付けられ、該加熱シリンダ内の樹脂流路と前記樹脂流路50aとが連通させられる。
【0008】
射出工程において、前記射出ノズル11は金型装置の固定金型15に押し付けられ、図示されない駆動源を駆動することによって前記加熱シリンダ内のスクリューを前進させると、スクリューの前方に蓄えられた樹脂が射出ノズル11から射出され、前記固定金型15に形成されたスプルー16を介して図示されないキャビティ空間に充填される。
【0009】
その後、金型装置が冷却されると、前記キャビティ空間に充填された樹脂は冷却され固化させられて成形品になり、前記金型装置の型開きが行われて、成形品が取り出される。また、前記金型装置の冷却に伴って、前記スプルー16内の樹脂及び逆テーパ部20内の樹脂が成形品と一体になって固化させられ、スプルー部になる。該スプルー部は、前記型開きが行われたときに、成形品と共に取り出される。
【0010】
ところで、樹脂流路50aの前端部(図における左端部)にテーパ部19及び逆テーパ部20が形成され、該テーパ部19と逆テーパ部20との境界部分に、径が最も小さい分離点Q1が形成される。したがって、スプルー部が成形品と共に取り出されるときに、分離点Q1において切断される。なお、逆テーパ部20はノズル穴51から前記分離点Q1に近くなるほど径が小さくなるので、スプルー部は固定金型15及び射出ノズル11から取り出しやすい形状を有する。
【0011】
次に、射出ノズル11の温度分布について説明する。
【0012】
図3は従来の射出ノズルの温度分布図である。なお、図において、横軸に射出ノズル11(図2)の軸方向における位置を、縦軸に樹脂流路50a内の樹脂の温度を採ってある。また、前記射出ノズル11の前端から所定の距離を置いてノズル用ヒータ13が配設される。
【0013】
射出ノズル11の前端を固定金型15に所定のノズルタッチ力で接触させた場合、図に示されるように樹脂の温度は、射出ノズル11と固定金型15とが接触する接触部Oにおいてθ1であり、接触部Oから離れるほど高くなる。
【0014】
ところで、溶融状態において粘度が低くなる樹脂を使用する場合、射出ノズル11の前端におけるノズル穴51の径を大きくする必要がある場合等において、計量工程において、前記加熱シリンダが後退させられて固定金型15から離されると、射出ノズル11の前端において糸引き、鼻だれ等が生じてしまうことがある。
【0015】
そこで、糸引き、鼻だれ等が生じるのを抑制するために、ニードルバルブ、ロータリーバルブ等の機械式バルブを射出ノズル11内に配設し、加熱シリンダを後退させるときに、機械式バルブを閉鎖するようにした射出ノズルが提供されている。ところが、この場合、機械式バルブを閉鎖するのに伴って、滞留し、変質した樹脂が成形品に混入し、成形品の品質を低下させてしまう。また、機械式バルブを閉鎖した状態で加熱シリンダを後退させたときに、一定の場所で安定してスプルー部と溶融させられた樹脂とを分離させることができず、射出ノズル11の内部から溶融させられた樹脂をスプルー16側に引き出したり、射出ノズル11の内部に固化した樹脂を残したりしてしまう。
【0016】
そこで、射出ノズル11の前端の近傍に断熱スリットを形成するようにした射出ノズルが考えられる。
【0017】
図4は従来の他の射出ノズルの断面図、図5は従来の他の射出ノズルの温度分布図である。なお、図5において、横軸に射出ノズル11の軸方向における位置を、縦軸に樹脂流路50a内の樹脂の温度を採ってある。
【0018】
この場合、本体50の外周における分離点Q1に対応する部分に、環状の断熱スリット61が形成される。該断熱スリット61は、本体50の外周面から所定の深さで形成された環状の溝から成り、後方(図4における右方)から前方(図4における左方)に熱が伝導されるのを阻止する。
【0019】
そして、射出ノズル11の前端(図4における左端)を固定金型15に所定のノズルタッチ力で接触させた場合、図5に示されるように、樹脂の温度は、射出ノズル11と固定金型15とが接触する接触部Oにおいてθ1であり、接触部Oから離れるほど高くなり、断熱スリット61が形成された位置、すなわち、スリット位置S1において非連続的に立ち上がり、スリット位置S1から離れるに従って更に高くなる。
【0020】
すなわち、前記スリット位置S1において、本体50に断熱スリット61が形成されるので、ノズル用ヒータ13から本体50に伝達された熱の多くは樹脂流路50a内の樹脂に伝達され、固定金型15に伝達される熱の量は少なくなる。したがって、接触部Oとスリット位置S1との間の樹脂の温度を低くすることができるので、射出ノズル11の前端において樹脂の粘性を高くすることができる。その結果、糸引き、鼻だれ等が生じるのを抑制することができる。
【0021】
なお、16はスプルー、19はテーパ部、20は逆テーパ部、51はノズル穴である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出ノズルにおいては、溶融状態において粘度が低くなる樹脂、例えば、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、リキッドクリスタルポリマー(LCP)等の樹脂を使用した場合、糸引き、鼻だれ等が生じるのを十分に抑制することができない。
【0023】
本発明は、前記従来の射出ノズルの問題点を解決して、糸引き、鼻だれ等が生じるのを十分に抑制することができ、安定して成形を行うことができる射出ノズルを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の射出ノズルにおいては、加熱シリンダの前端に配設され、前端において開放され、かつ、前端部にテーパ部及び逆テーパ部が形成された樹脂流路を備える筒状の本体と、該本体の外周に配設され、前記樹脂流路内の樹脂を加熱するノズル用ヒータとを有する。
【0025】
そして、前記本体の前端部の前記テーパ部と逆テーパ部との境界部分より前方及び後方に、軸方向に所定の間隔を置いて、かつ、前記本体の外周面から所定の深さで複数の溝が形成される。
また、該各溝は、前記本体における各溝より後方から各溝より前方に熱が伝導されるのを阻止するとともに、各溝間の温度勾配の変化を小さくする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の第1の実施の形態における射出ノズルの断面図、図6は本発明の第1の実施の形態における射出装置の概略図、図7は本発明の第1の実施の形態における射出ノズルの温度分布図である。なお、図7において、横軸に射出ノズル11の軸方向における位置を、縦軸に樹脂流路50a内の樹脂の温度を採ってある。
【0031】
図6において、12はシリンダ部材としての加熱シリンダであり、該加熱シリンダ12の前端(図6における左端)に射出ノズル11が取り付けられ、該射出ノズル11の外周にノズル用ヒータ13が配設される。前記加熱シリンダ12内には、射出部材としてのスクリュー22が回転自在に、かつ、進退自在に配設される。
【0032】
そして、該スクリュー22は、前端にスクリューヘッド25を有し、前記加熱シリンダ12内を後方(図6における右方)に延び、後端(図6における右端)において図示されない駆動源と連結させられる。また、前記スクリュー22の外周には、螺(ら)旋状のフライト23が形成され、該フライト23によって溝26が形成される。
【0033】
そして、前記加熱シリンダ12の所定の箇所には樹脂供給口29が形成され、該樹脂供給口29にホッパ30が固定される。前記樹脂供給口29は、スクリュー22を加熱シリンダ12内における最も前方(図6における左方)の位置に置いた状態において、前記溝26の後端部(図6における右端部)に対応する箇所に形成される。
【0034】
計量工程において、前記駆動源を駆動することによって前記スクリュー22を回転させると、ホッパ30内の樹脂33は、落下して加熱シリンダ12内に進入し、加熱シリンダ12内を前進(図6における左方に移動)させられる。それに伴って、スクリュー22は後退(図6における右方に移動)させられる。
【0035】
また、前記加熱シリンダ12の外周には図示されないシリンダ用ヒータが配設され、該シリンダ用ヒータによって加熱シリンダ12を加熱し、該加熱シリンダ12内の樹脂を溶融させることができるようになっている。したがって、スクリュー22を回転させるのに伴って、スクリュー22が所定の量だけ後退させられると、スクリューヘッド25の前方に1ショット分の溶融させられた樹脂が蓄えられる。
【0036】
次に、射出工程時に、前記駆動源を駆動して、スクリュー22を回転させることなく前進させると、前記スクリューヘッド25の前方に蓄えられた樹脂は、前記射出ノズル11から射出され、金型装置の図示されないキャビティ空間に充填される。
【0037】
次に、前記射出ノズル11について説明する。
【0038】
図1において、11は筒状の射出ノズルであり、該射出ノズル11は、前端(図1における左端)において開放された樹脂流路50aを備え、前端にノズル穴51が形成された筒状の本体50、及び該本体50の外周に、射出ノズル11の前端から所定の距離を置いて配設されたノズル用ヒータ13を有する。該ノズル用ヒータ13を通電することによって前記樹脂流路50a内の樹脂を加熱することができる。そして、加熱シリンダ12内の樹脂流路と前記樹脂流路50aとが連通させられる。
【0039】
ところで、前記樹脂流路50aの前端部(図1における左端部)にテーパ部19及び逆テーパ部20が形成され、テーパ部19と逆テーパ部20との境界部分に、径が最も小さい分離点Q1が形成される。該分離点Q1は、スプルー部が成形品と共に取り出されるときに切断される点を表す。なお、逆テーパ部20はノズル穴51から前記分離点Q1に近くなるほど径が小さくなるので、スプルー部は固定金型15及び射出ノズル11から取り出しやすい形状を有する。
【0040】
また、前記本体50の外周における分離点Q1に対応する部分よりわずかに前方(図1における左方)の点、及び分離点Q1に対応する部分よりわずかに後方(図1における右方)の点に、複数の、本実施の形態においては、二つの熱伝導阻止手段としての第1、第2の断熱スリット62、63が軸方向に所定の間隔を置いて形成される。該第1、第2の断熱スリット62、63は、本体50の外周面からそれぞれ所定の深さd1、d2(d1>d2)で形成された環状の溝から成り、後方から前方に熱が伝導されるのを阻止する。
【0041】
そして、射出ノズル11の前端を固定金型15に所定のノズルタッチ力で接触させた場合、図7に示されるように、樹脂の温度は、射出ノズル11と固定金型15とが接触する接触部Oにおいてθ1であり、接触部Oから離れるほど高くなり、第1の断熱スリット62が形成された位置、すなわち、スリット位置S1において非連続的に立ち上がり、スリット位置S1から離れるに従って更に高くなり、第2の断熱スリット63が形成された位置、すなわち、スリット位置S2において再び非連続的に立ち上がり、スリット位置S2から離れるに従って更に高くなる。
【0042】
すなわち、前記スリット位置S1、S2において、本体50に第1、第2の断熱スリット62、63が形成されるので、ノズル用ヒータ13から本体50に伝達された熱の多くは樹脂流路50a内の樹脂に伝達され、固定金型15に伝達される熱の量は少なくなる。したがって、接触部Oとスリット位置S1との間の樹脂の温度を低くすることができるので、射出ノズル11の前端における樹脂の粘性を高くすることができる。その結果、糸引き、鼻だれ等が生じるのを抑制することができる。
【0043】
そして、溶融状態において粘度が低くなる樹脂、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、リキッドクリスタルポリマー等の樹脂を使用した場合でも、糸引き、鼻だれ等が生じるのを十分に抑制することができ、安定して成形を行うことができる。
【0044】
また、第1、第2の断熱スリット62、63が分離点Q1を挟んで隣接させて形成されるので、射出ノズル11から金型装置への熱の流出量、ノズル用ヒータ13から本体50への熱の流入量、射出ノズル11の設定温度、金型装置の温度等が変化しても、分離点Q1の周辺の温度勾(こう)配の変化を小さくすることができる。
【0045】
その結果、溶融状態において粘度が低くなる樹脂、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、リキッドクリスタルポリマー等の樹脂を使用した場合でも、糸引き、鼻だれ等が生じるのを一層十分に抑制することができ、一層安定して成形を行うことができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0047】
図8は本発明の第2の実施の形態における射出ノズルの断面図、図9は本発明の第2の実施の形態における射出ノズルの温度分布図である。なお、図9において、横軸に射出ノズル11の軸方向における位置を、縦軸に樹脂流路50a内の樹脂の温度を採ってある。
【0048】
この場合、複数の、本実施の形態においては、二つの熱伝導阻止手段としての第1、第2の断熱スリット62、64は、本体50の外周面からそれぞれ所定の深さd1、d3(d1=d3)で形成された環状の溝から成り、後方(図8における右方)から前方(図8における左方)に熱が伝導されるのを阻止する。したがって、第1の断熱スリット62の内周縁の径aと第2の断熱スリット64の内周縁の径bとが等しくされる。
【0049】
そして、射出ノズル11の前端(図8における左端)を固定金型15に所定のノズルタッチ力で接触させた場合、図9に示されるように、樹脂の温度は、射出ノズル11と固定金型15とが接触する接触部Oにおいてθ1であり、接触部Oから離れるほど高くなり、スリット位置S1において非連続的に立ち上がり、スリット位置S1から第2の断熱スリット64が形成された位置、すなわち、スリット位置S2に至るまで、ほぼ同じ値を採り、スリット位置S2において再び非連続的に立ち上がり、スリット位置S2から離れるに従って更に高くなる。前記スリット位置S1、S2間の温度勾配は、径bを変化させるのに伴って変化し、径bが径aに近い値を採るほど小さくなる。
【0050】
この場合、前記径a、bが等しくされるので、ノズル用ヒータ13から本体50への熱の流入量、射出ノズル11の設定温度等が変化したときの、分離点Q1の周辺の温度勾配の変化を一層小さくすることができる。
【0051】
その結果、溶融状態において粘度が低くなる樹脂、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、リキッドクリスタルポリマー等の樹脂を使用した場合でも、糸引き、鼻だれ等が生じるのを一層十分に抑制することができ、一層安定して成形を行うことができる。
【0052】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0053】
図10は本発明の第3の実施の形態における射出ノズルの断面図、図11は本発明の第3の実施の形態における射出ノズルの温度分布図である。なお、図11において、横軸に射出ノズル11の軸方向における位置を、縦軸に樹脂流路50a内の樹脂の温度を採ってある。
【0054】
この場合、本体50の外周における分離点Q1に対応する部分よりわずかに前方(図10における左方)の点、及び分離点Q1に対応する部分よりわずかに後方(図10における右方)の点に、複数の熱伝導阻止手段としての第1、第2の断熱スリット62、63が形成され、更に第2の断熱スリット63が形成される点よりわずかに後方の点に、熱伝導阻止手段としての第3の断熱スリット65が形成される。
【0055】
また、前記第1〜第3の断熱スリット62、63、65は、本体50の外周面からそれぞれ所定の深さd1、d2、d4(d1>d2>d4)で形成された環状の溝から成り、後方から前方に熱が伝導されるのを阻止する。
【0056】
そして、前記固定金型15におけるスプルー16の外周に、環状のヒータ66が埋設され、該ヒータ66が通電することによって、スプルー16内の樹脂が加熱される。
【0057】
また、射出ノズル11の前端(図10における左端)を固定金型15に所定のノズルタッチ力で接触させた場合、図11に示されるように、樹脂の温度は、射出ノズル11と固定金型15とが接触する接触部Oにおいてθ1であり、接触部Oから離れるほど高くなり、スリット位置S1において非連続的に立ち上がり、スリット位置S1から離れるに従って更に高くなり、スリット位置S2において再び非連続的に立ち上がり、スリット位置S2から離れるに従って更に高くなり、第3の断熱スリット65が形成された位置、すなわち、スリット位置S3において再び非連続的に立ち上がり、スリット位置S3から離れるに従って更に高くなる。
【0058】
この場合、第2の断熱スリット63が形成される点よりわずかに後方の点に第3の断熱スリット65が形成されるので、ノズル用ヒータ13から本体50への熱の流入量、射出ノズル11の設定温度等が変化したときの、分離点Q1の周辺の温度勾配の変化を一層小さくすることができる。
【0059】
また、前記固定金型15にヒータ66が配設されるので、金型装置の温度等が変化したときの、分離点Q1の周辺の温度勾配の変化を一層小さくすることができる。
【0060】
その結果、溶融状態において粘度が低くなる樹脂、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、リキッドクリスタルポリマー等の樹脂を使用した場合でも、糸引き、鼻だれ等が生じるのを一層十分に抑制することができ、一層安定して成形を行うことができる。
【0061】
前記各実施の形態においては、熱伝導阻止手段としての断熱スリットが形成されるようになっているが、該断熱スリットに代えて環状の断熱材を埋設することもできる。
【0062】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出ノズルにおいては、加熱シリンダの前端に配設され、前端において開放され、かつ、前端部にテーパ部及び逆テーパ部が形成された樹脂流路を備える筒状の本体と、該本体の外周に配設され、前記樹脂流路内の樹脂を加熱するノズル用ヒータとを有する。
【0064】
そして、前記本体の前端部の前記テーパ部と逆テーパ部との境界部分より前方及び後方に、軸方向に所定の間隔を置いて、かつ、前記本体の外周面から所定の深さで複数の溝が形成される。
また、該各溝は、前記本体における各溝より後方から各溝より前方に熱が伝導されるのを阻止するとともに、各溝間の温度勾配の変化を小さくする。
【0065】
この場合、前記本体の前端部の前記テーパ部と逆テーパ部との境界部分より前方及び後方に、軸方向に所定の間隔を置いて、かつ、前記本体の外周面から所定の深さで複数の溝が形成されるので、ノズル用ヒータから本体に伝達された熱の多くは樹脂流路内の樹脂に伝達され、固定金型に伝達される熱の量は少なくなる。したがって、射出ノズルと固定金型との接触部と、各溝が形成された位置との間の樹脂の温度を低くすることができるので、射出ノズルの前端における樹脂の粘性を高くすることができる。その結果、糸引き、鼻だれ等が生じるのを抑制することができ、安定して成形を行うことができる。
【0066】
また、複数の溝が形成されるので、射出ノズルから金型装置への熱の流出量、ノズル用ヒータから本体への熱の流入量、射出ノズルの設定温度、金型装置の温度等が変化しても、スプルー部が成形品と共に取り出されるときに切断される点に対応する分離点の周辺の温度勾配の変化を小さくすることができる。
【0067】
その結果、溶融状態において粘度が低くなる樹脂、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、リキッドクリスタルポリマー等の樹脂を使用した場合でも、糸引き、鼻だれ等が生じるのを一層十分に抑制することができ、一層安定して成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における射出ノズルの断面図である。
【図2】従来の射出ノズルの断面図である。
【図3】従来の射出ノズルの温度分布図である。
【図4】従来の他の射出ノズルの断面図である。
【図5】従来の他の射出ノズルの温度分布図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における射出装置の概略図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における射出ノズルの温度分布図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における射出ノズルの断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における射出ノズルの温度分布図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における射出ノズルの断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態における射出ノズルの温度分布図である。
【符号の説明】
11 射出ノズル
12 加熱シリンダ
13 ノズル用ヒータ
19 テーパ部
20 逆テーパ部
33 樹脂
50 本体
50a 樹脂流路
62 第1の断熱スリット
63、64 第2の断熱スリット
65 第3の断熱スリット

Claims (1)

  1. (a)加熱シリンダの前端に配設され、前端において開放され、かつ、前端部にテーパ部及び逆テーパ部が形成された樹脂流路を備える筒状の本体と、
    (b)該本体の外周に配設され、前記樹脂流路内の樹脂を加熱するノズル用ヒータとを有するとともに、
    (c)前記本体の前端部の前記テーパ部と逆テーパ部との境界部分より前方及び後方に、軸方向に所定の間隔を置いて、かつ、前記本体の外周面から所定の深さで複数の溝が形成され、
    (d)該各溝は、前記本体における各溝より後方から各溝より前方に熱が伝導されるのを阻止するとともに、各溝間の温度勾配の変化を小さくすることを特徴とする射出ノズル
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