JP3963913B2 - マグネットロール用ボンド磁石の成形用金型及び成形方法 - Google Patents

マグネットロール用ボンド磁石の成形用金型及び成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等に装着されるマグネットロールに用いられるマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型及び成形方法に関するものであり、さらには、マグネットロールの製造方法に関する。
複写機やプリンタ等の感光ドラムに形成された静電潜像を可視化する現像ロールとしては、周面に磁石体を備えたマグネットロールが広く用いられている。例えばジャンピング方式では、マグネットロールの磁力によってトナーを飛ばし、これを感光ドラムに付着させている。ブラシ方式では、鉄粉に代表される磁性粉(キャリア)とトナーの混合物を、マグネットロールの磁力によって感光ドラムに搬送するようにしている。いずれの場合にも、マグネットロールの磁力によって感光ドラムにトナーが供給され、これを紙等に定着することで、静電潜像に応じた文字や画像等が印刷され、可視化される。
マグネットロールの形態としては、様々な形態のものが知られており、例えば前記ジャンピング方式用のマグネットロールとして、汲み上げ極、搬送極、現像極、回収極の4極から構成されるものがある。ブラシ方式用のマグネットロールとしては、前述の4極に剥離極を加えた5極から構成されるものがある。
そして、これら4極、あるいは5極の磁極を作り出す磁石体の構造としては、以下の2種類のものに大別される。先ず第1は、シャフトに磁石体を中空円筒状に一体成形したもの、あるいは磁石体を中空円筒状に成形した後、磁石体の中心部にシャフトを固着したものである。第2は、例えば磁性粉末とバインダー(熱可塑性樹脂)の混合物を扇形の形状に成形し、これを複数貼り合わせた構造である(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1記載の発明では、扇形の円弧中央部から他の三辺への配向比率が異なる磁極ピースを成形し、これらをシャフトに複数個組み合わせて貼り合わせることで、磁力を円弧面中央部に向かって集中的に配向させ、高い磁力を達成している。
ところで、前述の構造のマグネットロールを作製する場合、いずれの場合にも、磁性粉末とバインダー(熱可塑性樹脂)の混合物を成形し、マグネットロール用ボンド磁石を作製する必要がある。そして、マグネットロール用ボンド磁石の成形方法としては、押し出し成形や射出成形が知られており、これら成形方法によって円筒形状や断面扇形形状といった形状に形作られる。
これら成形方法のうち、押し出し成形は、連続成形が可能であるため生産性が非常に高いという利点を有する。ただし、磁性粉末の充填量に制約があるため、磁気特性が低くなる傾向がある。
一方、射出成形は、磁気特性の利点に加えて、成形形状に対して汎用性が非常に高いという長所を有する。ただし、マグネットロールに使用される磁石体(マグネットロール用ボンド磁石)のように、断面積に対して長手方向の寸法が大きな磁石体では、特に長手方向における磁気特性を均一にすることが困難であるという欠点を有する。特に、長手方向両端部において磁気特性が異なる(高くなる)、という傾向がある。この傾向は、金型に組み込んだヨークを利用して磁界を印加しながら射出成形を行う磁場中成形の場合に顕著である。
そこで、長尺状の磁石体を射出成形する際に、磁気特性を均一にするための技術が提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献4等を参照)。例えば、特許文献2には、マグネットロールに使用するのに必要な長さよりも長くなるように射出成形し、その端部を不要部分として切除し、長さを調整するマグネットロールの製造方法が開示されている。特許文献3には、金型にヨークを組み込んで磁場中で射出成形を行う際に、キャビティの端部に到達したボンド磁石組成物の一部を排出ゲートを通してキャビティ外へと排出しながら成形を行うマグネットローラの製造方法が開示されている。特許文献4には、円柱状樹脂磁石の片端部、または両端部を細くすることでエッジ効果(マグネットロールの両端部の磁力が高くなる現象)を低減できることが開示されている。
特開昭62−282423号公報 特開平11−243010号公報 特開平10−256068号公報 特開2000−114031号公報
しかしながら、特許文献2記載の発明のように必要以上の長さに成形して端部を不要部分として切除する方法では、使用材料(バインダーや磁性粉末)を必要以上に消費することになり、製造コストの点で不利である。また、前記不要部分を切除するための工程を増やさなければならず、生産性が低下するという不都合もある。
特許文献3記載の発明の場合、ヨークによって成形されるボンド磁石組成物に対して効率的に磁界印加が行われるため、例えば成形されるマグネット片の表面の一部に収束する配向状態が得られる等、異方性が付与されて高い磁気特性が得られるが、キャビティの端部に到達したボンド磁石組成物の一部を排出ゲートを通してキャビティ外へと排出しながら成形を行っているので、特許文献2記載の発明と同様、ボンド磁石組成物を必要以上に消費するという欠点を有している。
一方、特許文献4記載の発明のように円柱状樹脂磁石の端部を細くするという方法では、磁性粉末とバインダーの混合比率によって磁力を制御する際に、それぞれに適合した金型設計をしなければならず、極めて煩雑である。また、マグネットロールのより一層の小径化が進むと、細径部分に磁性粉末とバインダーとの混合物が十分に入り込まないといった不具合が生ずるおそれもある。
前述のように、特許文献2〜特許文献4記載の方法は、磁気特性の均一化に対する抜本的な改善策とは言えず、より一層の改良が要望されている。本発明は、前記従来の実情に鑑みて提案されたものであり、無駄な材料消費や設計の煩雑さを解消しながら磁気特性の均一性に優れたマグネットロール用ボンド磁石を製造し得るマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型及び成形方法を提供することを目的とする。また、本発明は、小径化にも十分に対応し得るマグネットロールの製造方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型は、長尺状のマグネットロール用ボンド磁石の形状に対応したキャビティを有する成形用金型であって、前記キャビティの長手方向に沿ってキャビティ内に注入される成形材料に対して磁界を印加する一対のヨークが配置されるとともに、前記キャビティの長手方向両端部に磁性連結部が配置されていることを特徴とする。
また、本発明のマグネットロール用ボンド磁石の成形方法は、磁性粉末と熱可塑性樹脂を含む成形材料を成形し、長尺状のマグネットロール用ボンド磁石を形成するに際し、前記長尺状のマグネットロール用ボンド磁石の形状に対応したキャビティを有する金型を用い、前記キャビティの長手方向に沿ってキャビティ内に注入される前記成形材料に対して磁界を印加する一対のヨークを配置するとともに、前記キャビティの長手方向両端部に磁性連結部を配置し、前記成形を行うことを特徴とする。
本発明の成形用金型、成形方法では、キャビティの長手方向に沿ってキャビティ内に注入される成形材料に対して磁界を印加する一対のヨークを配置し、これらヨークによって磁界を印加しながら成形材料を磁場中成形するので、成形されるマグネットロール用ボンド磁石に異方性が付与され、優れた磁気特性が実現される。
ただし、前記一対のヨークを配置しただけでは、得られるマグネットロール用ボンド磁石は、長手方向において磁気特性に分布を有し、特に長手方向中央部と両端部で磁気特性にバラツキが生ずる。これは、ヨークの端部に磁界が集中し易く、前記両端部において他の部分より強く配向されてしまうためと考えられる。そこで、本発明では、キャビティの両端部に磁性連結部を配置し、前記長手方向両端部における磁束の集中を解消するようにしている。すなわち、前記磁性連結部をキャビティの両端部に配置すると、ヨークの両端部における磁束の一部が前記磁性連結部を通してバイパスされる形になり、キャビティの両端部に充填される成形材料(ボンド磁石組成物)に過剰な磁界が印加されなくなる。その結果、成形されるマグネットロール用ボンド磁石においては、両端部における磁気特性の盛り上がりが解消され、長手方向での磁気特性が均一化される。
また、本発明の成形用金型、成形方法では、成形されるマグネットロール用ボンド磁石の端部を不要部分として切除したり、成形に際してボンド磁石組成物の一部をキャビティ外へと排出する必要はなく、成形材料を必要以上に消費することもない。さらに、成形するマグネットロール用ボンド磁石の形状は特に変更する必要はなく、設計の煩雑さも解消される。
なお、マグネットロールを成形する際に、マグネットロールの両端部に対応して磁性金属材料を配する構成は、例えば特開2000−35719公報にも開示されている。しかしながら、この特開2000−35719公報記載の発明は、円柱状のマグネットローラの成形を対象とするものであり、前記磁性金属材料はシャフト部をマグネット本体部と同等に拡大するために配されること、金型は非磁性でありヨークにより磁界を印加するものではないこと、磁界発生器のマグネット本体部の長さをオーバーした部分の磁界を分散させることを目的とするものであること等の点で本願発明とは構成が異なり、本願発明とはその技術思想を大きく異にするものである。
一方、本発明のマグネットロールの製造方法は、前述の成形用金型、成形方法により作製された断面略扇形状のマグネットロール用ボンド磁石を用い、当該マグネットロール用ボンド磁石を磁極としてシャフトに貼り付けることを特徴とする。
前述のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型、成形方法により、長尺状で磁気特性の均一性に優れたボンド磁石が得られる。これをシャフトに貼り付けることで、簡単にマグネットロールが作製される。前記マグネットロール用ボンド磁石は、断面積を小さく、長さを長くすることができるので、これまでにない小径(例えば直径12mm以下)で磁気特性に優れたマグネットロールが実現される。
本発明の成形用金型、成形方法によれば、これまでのプロセスを何ら変更することなく、無駄な消費や設計の煩雑さを解消しながら、確実に磁気異方性が付与され、しかも磁気特性の均一性に優れたマグネットロール用ボンド磁石を効率的に成形することが可能である。製造されるマグネットロール用ボンド磁石は、マグネットロールの小径化にも十分に対応し得るものであり、これを利用することで、これまで実現されたことのないような小径のマグネットロールを製造することが可能である。
以下、本発明を適用したマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型、成形方法、さらにはマグネットロールの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本発明において、製造対象となるマグネットロール1は、図1から図3に示すように、例えば金属製のシャフト2の周囲に複数のマグネットピース(マグネットロール用ボンド磁石)、ここでは5分割されたマグネットピース3,4,5,6,7を配列し、接着固定してなるものである。実際の現像用のマグネットロール1は、これらマグネットピース3〜7をシャフト2の周面に貼り合わせ、円筒形状のスリーブ8の中に組み込むことにより構成される。各マグネットピース3〜7は、いずれも断面形状が扇形であり、これらをシャフト2の周囲に貼り合わせることで、全体形状が円筒形の磁石体が構成されることになる。シャフト2は、前記スリーブ8の両端に設けられたフランジ9,10に対し、軸受け11,12を介して回転可能に挿入されている。なお、シャフト2の一端側はフランジ9を挿通し外方まで延在されているが、他端側はフランジ10に突き当てられ、このフランジ10にシャフト2を延長する如くシャフト部10aが設けられている。
各マグネットピース3〜7は、基本的にはバインダーとなる熱可塑性樹脂と磁性粉末とを含む成形材料を射出成形することにより形成される。そこで次に、この射出成形に用いられる成形用金型の構造、射出成形方法について説明する。
図4は、前記マグネットピースを成形するための射出成形用金型の概略構成を示すものである。本例の射出成形用金型は、複数、例えば4個のマグネットピースを同時に成形することができるように構成されている。具体的には、4個のマグネットピースに対応して入れ駒21が並列に配列され、スプルー22から注入された成形材料は、ランナー23及びゲート(各入れ駒21の流入口)を介して入れ駒21のキャビティ24内に充填される。また、前記入れ駒21の周囲には、磁界発生器(例えば磁界印加コイル)25が配置され、成形時には紙面と直交する方向に磁界を印加し、成形されるマグネットピースに配向を付与するような構成となっている。
図5は、前記射出成形機に組み込まれる金型の構造を示すものである。図5(a)は、各入れ駒21のマグネットピース長手方向における断面図、図5(b)は、図5(a)のx−x線における断面図、図5(c)は、図5(a)のy−y線における断面図である。
入れ駒21は、キャビティ24を構成する上金型31、及び下金型32を備え、その両端部を非磁性のスペーサ33,34によって閉塞するような形態とされている。キャビティ24の形状は、断面略扇形形状である。ここで、上金型31は、図5(b)に示すように、キャビティ24内に充填される成形材料の略中央部部分に磁束を集中させるための上ヨーク31aと、その両側に配される非磁性材31bとから構成されている。下金型32は、全体が磁性材により構成されており、それ自体が下ヨークとして機能する。また、下金型は、必要に応じてヨークと非磁性材料を組み合わせて構成されていても良い。
前記構造の入れ駒21を用いた場合、キャビティ24の長手方向における上ヨーク31a、下ヨーク(下金型32)の端部の磁束の集中により、成形されるマグネットピースの長手方向両端部の配向状態が他の部分に比べて高くなり、磁力の盛り上がりを生ずる原因となる。そこで、本発明では、キャビティ24の両端部に磁性連結部35,36を配置し、前記端部において集中する磁束の一部をこれら磁性連結部35,36によってバイパスする。これにより、前記磁束の集中が解消され、マグネットピース両端部における磁力の盛り上がりが抑制される。
前記磁性連結部35,36は、例えば炭素鋼(S45C等)やダイス鋼(SK11等)等のように、成形金型にも使用される磁性体により形成されるものであり、例えば金型設計において、いわゆる入れ子として組み込むようにすればよい。あるいは、キャビティ24の射出成形材料の入口側には、流入口35aを有する入れ子状部材が配されるが、この入れ子状部材を磁性体により形成することで、前記磁性連結部35として利用することも可能である。
また、前記磁性連結部35,36のサイズであるが、基本的には上金型31の上ヨーク31aと下ヨークとして機能する下金型32の間を連結し得るように設定することが好ましい。例えば、図5(c)において、磁性連結部35,36の高さhと、キャビティ24の高さhとは、h>hなる関係を満たせばよい。したがって、図5(c)に示す例では、磁性連結部35,36を上下に貫通するように設けているが、図6に示すように、最低限、磁性連結部35,36によって上ヨーク31aと下金型32が磁気的に接続されればよい。磁性連結部35,36の幅wと、キャビティ24の幅wに関しても同様であり、磁性連結部35,36の面積は、前記キャビティ24の断面積よりも大であればよいことになる。
さらに、前記磁性連結部35,36の厚さであるが、前記厚さが大きすぎると、キャビティ24の両端部における磁性体の体積が大きくなり、上ヨーク31a及び下金型32の端部の磁束の大部分が磁性連結部35,36に導かれてしまい、射出成形材料を十分に配向させることができなくなるおそれがある。その結果、成形されるマグネットピースの両端部における磁力の低下を招く可能性がある。したがって、前記磁性連結部35,36の厚さには上限があり、前記金型構造の場合、磁性連結部35,36の厚さは20mm以下とすることが好ましい。
先に説明したマグネットピース3〜7は、前述の構造を有する金型を用いて、バインダー(熱可塑性樹脂)と磁石粉末を含む混合物を射出成形することにより形成される。以下、射出成形によるマグネットピースの成形について詳述する。
射出成形は、プラスチック材料の成形において広く行われている方法である。射出成形によるマグネットピースの成形では、前記混合物を熱可塑性樹脂の溶融温度まで加熱し、流動状態とした後、金型内に射出し、冷却後、金型から成形品(マグネットピース)を取り出す。射出成形では、磁性粉末の充填量を高く設定することができ、磁気特性の点で有利であり、成形形状に対して汎用性が非常に高いという利点も有する。
前記射出成形に際しては、通常、磁性粉末と熱可塑性樹脂の混合体(ペレット状)を加熱されたシリンダーに投入し、溶融された混合体に圧力を付加し、金型へ射出する。加熱溶融された混合体はシリンダーノズルから、スプルー、ランナーを経て所定形状のキャビティへと流れ込み、冷却固化される。この時、スプルー及びランナーを加熱保持できるマニホールドを用いることもある。前記のようなマニホールドを使用することで、スプルー及びランナー部を小型化することができる。また、成形体が小さい場合には特に有効であり、材料ロスを低減することができる。
成形材料である前記混合体において、バインダーとして用いる熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン12等)や、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることができる。
磁性粉末としては、フェライト磁石粉末(例えば、Sr系フェライト粉末やBa系フェライト粉末等)や、希土類金属磁石粉末(例えば、SmCo系、NdFeB系、SmFeN系等)等を挙げることができる。これらの中から要求される特性に応じて選定すればよい。
磁性粉末とバインダーとの配合比は、所望の磁気特性に応じて適宜調整すればよいが、例えば、磁性粉末:バインダー=85:15〜95:5(重量%)とすればよい。磁性粉末が85重量%未満であると、磁気特性(特に残留磁束密度)が不十分となるおそれがあり、逆に磁性粉末が95重量%を越えると射出成形が困難になるおそれがある。また、特に、現像極として機能させるマグネットピース等では大きな磁力が必要であり、磁性粉末の充填量(前記割合)を他のマグネットピースに比べて高く設定してもよい。さらに、必要に応じて射出成形材料に潤滑剤やカップリング剤等を添加することも可能である。
射出成形に際しては、前記上金型31に組み込まれた上ヨーク31a、及び下ヨークとして機能する下金型32の間で図5(a)中矢印で示すような磁界の印加が行われ、磁場中成形が行われる。この磁場中における射出成形において、マグネットピース長手方向中央部については、従来通りの磁場中配向が可能である。一方、前述のようにキャビティ24の両端部に磁性連結部35,36を配置することで、上ヨーク31a及び下金型32の端部において印加される磁束の一部が磁性連結部35,36へと流れ、マグネットピース端部に印加される磁界が弱くなり、配向が低下する。この配向により、マグネットピース端部の磁力が低下し、エッジ効果を低減させることができる。また、通常の方法で成形したマグネットピースのエッジ部の磁力の盛り上がりと比べて、本発明の射出成形用金型、射出成形方法を採用することで、磁力の盛り上がりのピーク値が低くなり、さらには盛り上がりの傾きがなだらかになる。磁力の盛り上がりがなだらかになることで、マグネットピースにおいて、フラットな磁力を有する領域が広がることとなる。
以上の射出成形用金型、射出成形方法を用いて作製されるマグネットピースは、磁気特性の均一性に優れることから、これを用いて作製されるマグネットロールでは、長手方向中央部と両端部での表面磁束密度の差を5mT以下に、さらには2mT以下に制御することが可能である。
マグネットロールの作製に際しては、前述の方法により作製された各マグネットピース3〜7を、シャフト2の周囲を取り巻くように配列し、それぞれ例えば接着によりシャフト2に固定する。接着に使用する接着剤は、バインダーの種類に応じて最適なものを選定すればよく、特に限定されない。
以上により構成されるマグネットロール1の全体の寸法は、任意であるが、例えば磁石粉にNdFeB系の希土類金属磁石粉末を用い、前記条件でのマグネットピースの射出成形を行うことで、直径12mm以下、長さ200mm以上、表面磁束密度120mT以上、表面磁束密度の変動が5mT以下というような、小径で均一性に優れた性能の高いマグネットロールを実現することが可能である。
なお、以上においては、全てのマグネットピースのバインダーを熱可塑性樹脂とし、前記射出成形により作製する場合を例にして説明したが、例えば高い磁力が必要なマグネットピースのみ、バインダーを熱可塑性樹脂として射出成形により製造し、他の磁極には例えばゴム磁石を用いるようにしてもよい。ここで、現像用のマグネットロールを例にすると、現像用のマグネットロールでは、主極となる現像極で磁力が強く、その他の極は主極ほど強い磁力は不要である。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
実施例1
本実施例では、バインダーにポリアミド系樹脂(ナイロン12)を用い、磁石粉末としてSrフェライト磁石粉末を用い、磁石粉末:バインダー=90:10(重量%)の配合比で混合し、射出成形によりマグネットピースを成形した。成形したマグネットピースの形状は、断面扇形の形状であり、幅10mm、高さ5mm、長さ310mmである。本実施例で射出成形に使用した金型構造は、図7に示す通りであり、磁性連結部35,36の幅は、キャビティ24の幅よりも大とした。また、磁性連結部35,36の厚さは、それぞれ10mmとした。
実施例2
射出成形材料の配合や射出成形条件、マグネットピースの形状等については、先の実施例1と同様にしてマグネットピースを射出成形した。ただし、射出成形に使用した金型構造は、図8に示す通りであり、磁性連結部35,36の幅は、キャビティ24の幅よりも小とした。
比較例
射出成形材料の配合や射出成形条件、マグネットピースの形状等については、先の実施例1と同様にしてマグネットピースを射出成形した。ただし、射出成形に使用した金型構造は、図9に示す通りであり、磁性連結部35,36の代わりに、非磁性材37,38をキャビティ24の両端部に配置した。
評価
作製したマグネットピース(実施例1,2及び比較例)について、マグネットロールに組み立てた後、直径20mmのスリーブ上の表面磁力を端部より長手方向に沿って測定した。その結果を図10に示す。
図10から明らかなように、キャビティ24の両端部に磁性連結部35,36を配置した実施例1、実施例2では、前記磁性連結部35,36を配置せず非磁性材37,38を配置した比較例に比べて、端部における磁力の盛り上がりが減少している。特に、キャビティ24の幅よりも大きな磁性連結部35,36を配置した実施例1では、磁力の盛り上がりがほとんど認められず、マグネットピースの長手方向においてフラットな磁力分布が実現されている。
マグネットロールを中心断面方向から見た図である。 マグネットロールの分解斜視図である。 マグネットロールの長手方向における断面図である。 射出成形用金型の概略構成を示す図である。 金型構造を示す図であり、(a)は長手方向断面図、(b)は(a)のx−x線における断面図、(c)は(a)のy−y線における断面図である。 金型に組み込まれる磁性連結部の他の例を示す長手方向断面図である。 実施例1において使用した金型の構造を示す図である。 実施例2において使用した金型の構造を示す図である。 比較例において使用した金型の構造を示す図である。 実施例及び比較例で成形したマグネットピースのゲート側端部における磁力分布を示す特性図である。
符号の説明
1 マグネットロール、2 シャフト、3,4,5,6,7 マグネットピース、8 スリーブ、9,10 フランジ、11,12 軸受け、21 入れ駒、22 スプルー、23 ランナー、24 キャビティ、25 磁界発生器、31 上金型、31a 上ヨーク、32 下金型(下ヨーク)、35,36 磁性連結部

Claims (16)

  1. 長尺状のマグネットロール用ボンド磁石の形状に対応したキャビティを有する成形用金型であって、
    前記キャビティの長手方向に沿ってキャビティ内に注入される成形材料に対して磁界を印加する一対のヨークが配置されるとともに、前記キャビティの長手方向両端部に磁性連結部が配置されていることを特徴とするマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  2. 射出成形用金型であることを特徴とする請求項1記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  3. 前記磁性連結部は、前記一対のヨーク間を磁気的に連結するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  4. 前記磁性連結部の面積は、前記キャビティの断面積よりも大であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  5. 前記磁性連結部の厚さが20mm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  6. 前記キャビティを構成する上金型及び下金型を有し、前記下金型全体が磁性材料により形成され、前記ヨークとして機能することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  7. 前記上金型は、略中央部に配され磁性材料により形成されるヨーク部と、その両側に配される非磁性材とから構成されることを特徴とする請求項6記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  8. 前記キャビティの断面形状が略扇形形状であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形用金型。
  9. 磁性粉末と熱可塑性樹脂を含む成形材料を成形し、長尺状のマグネットロール用ボンド磁石を形成するに際し、
    前記長尺状のマグネットロール用ボンド磁石の形状に対応したキャビティを有する金型を用い、前記キャビティの長手方向に沿ってキャビティ内に注入される前記成形材料に対して磁界を印加する一対のヨークを配置するとともに、前記キャビティの長手方向両端部に磁性連結部を配置し、前記成形を行うことを特徴とするマグネットロール用ボンド磁石の成形方法。
  10. 前記成形は、射出成形により行うことを特徴とする請求項9記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形方法。
  11. 前記磁性連結部により前記一対のヨーク間を磁気的に連結し、前記成形を行うことを特徴とする請求項9又は10記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形方法。
  12. 前記マグネットロール用ボンド磁石の断面形状が略扇形形状であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形方法。
  13. 前記成形材料において、磁性粉末と熱可塑性樹脂の比率が、重量比で85:15〜95:5であることを特徴とする請求項9から12のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形方法。
  14. 前記磁性粉末が異方性磁石粉末であることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項記載のマグネットロール用ボンド磁石の成形方法。
  15. 請求項9から14のいずれかの成形方法により形成された断面略扇形形状のマグネットロール用ボンド磁石を磁極としてシャフトに貼り付けることを特徴とするマグネットロールの製造方法。
  16. 前記マグネットロール用ボンド磁石をシャフトに複数貼り付け、複数の磁極を有するマグネットロールとすることを特徴とする請求項15記載のマグネットロールの製造方法。
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