JP2007298583A - マグネットローラ - Google Patents

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新吾 稲瀬
Masaharu Iwai
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Abstract

【課題】 従来の樹脂磁石材料の射出成形によるマグネットピースでは、長手方向の磁束密度を均一にすることが難しく、特に反ゲート側の磁束密度が高くなる。
【解決手段】 「強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物を磁場印加成形する工程を含む製造方法で得られうるマグネットピースが軸の外周面に貼り合わせられていることを特徴とするマグネットローラであって、該磁場印加成形する工程において、金型の一部である反ゲート側端部ストッパーの一部に磁性材料が埋設されている金型を使用することを特徴とする、マグネットローラ。」で解決する。本発明により、マグネットローラの長手方向の磁力レベルを均一にする事が出来る。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザープリンタなどに使用されるマグネットローラに関する。
従来から電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザープリンタなどに使用されるマグネットローラは、複数の磁極をその表面に形成し、回転自在な円筒状のスリーブに封入され、スリーブ内周面とマグネットローラ外周面が接触しないように構成されている。
前記マグネットローラとしては、マグネットローラ本体中央部の外径より両端部付近の外径を小さくしたものがある。(特許文献1)
マグネットピースの長手方向両端部の幅を小さくなる形状に成形し、該マグネットピースをシャフトに複数個貼り合わせたものがある。(特許文献2)
特開平01−115109号公報 特開平09−68866号公報
電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザープリンタなどの現像装置に使用するマグネットローラ(図1)の表面磁束密度は、長手方向に出来るだけ均一であることが高画質に現像するために不可欠な性能となっており、表面磁束密度を均一にするために様々な試みがなされている。
近年、比較的柔らかい材料、例えばエチレン−エチルアクリレート樹脂などの材料を使用した射出成形では、従来使用されていたポリアミド樹脂等にくらべ流動性が異なるため、長手方向の磁束密度が均一でなく、特に反ゲート側の磁束密度が高くなる傾向がある。従って、マグネットローラの表面磁束密度を均一に仕上げるのが難しく、成形後の再着磁の際に手間がかかり苦労することが多く、コストアップにつながっていた。
また、高磁力への要望も多く、含有する磁性粉に等方性希土類、また異方性希土類などを配合する場合も多い。そのため磁場配向には特別な措置が必要で、特に異方性希土類は、配向磁場に対する感度が高く射出成形での成形条件では長手方向に磁場を均一に仕上げることが難しい。
特許文献1、2には、長手方向の磁場を均一に仕上げる方策が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、金型の成形空間部分の両端部にテーパ加工をする必要があり、金型加工が大変複雑になり、高価な金型になるとともにメンテも難しくなる場合がある。
また、特許文献2では、金型の成形空間部分の両端部に突起を設ける必要があり、金型加工が大変複雑になり、高価な金型になるとともにメンテも難しくなる場合がある。
本発明は、前記のごとき問題点を改善し、磁束密度が均一なマグネットローラを製造するためになされたものである。
本発明の第1は、
強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物を磁場印加成形する工程を含む製造方法で得られうるマグネットピースが軸の外周面に貼り合わせられていることを特徴とするマグネットローラであって、
該磁場印加成形する工程において、金型の一部である反ゲート側端部ストッパーの一部に磁性材料が埋設されている金型を使用することを特徴とする、マグネットローラ、である。(請求項1)
本発明は、また、前記反ゲート側端部ストッパーの材質が非磁性体であり、かつ、該反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が軟磁性材料であることを特徴とする、マグネットローラである。(請求項2)
本発明は、また、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の前記軸方向の長さは2mm以上であり、かつ、該埋設される磁性材料の前記軸方向と垂直な断面積は成形されるマグネットピースの端部断面積の10%以上であることを特徴とする、マグネットローラである。(請求項3)
本発明は、また、
前記磁場印加成形する工程において、
得られるマグネットピースの外周面と、
前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が0mm以上10mm以内であり、かつ、
前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在しないことを特徴とする、マグネットローラである。(請求項4)
本発明は、また、
前記磁場印加成形する工程において、
得られるマグネットピースの外周面と、
前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が0mm以上10mm以内であり、かつ、
前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在することを特徴とし、該延長面が該磁性材料と重なる領域が、前記軸方向の0mm以上5mm以下であることを特徴とする、マグネットローラである。(請求項5)
本発明により、マグネットピース端部の表面磁束密度が均一な品質の良いマグネットピースを得ることが出来、該マグネットピースを貼り合わせて成形したマグネットローラは、いわゆる白抜けや濃度ムラのない高画質な画像を得ることが出来る。
本発明は、前記のごとき問題点を改善し、磁束密度が均一なマグネットローラを製造するためになされたものである。
本発明の第1は、
強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物を磁場印加成形する工程を含む製造方法で得られうるマグネットピースが軸の外周面に貼り合わせられていることを特徴とするマグネットローラであって、
該磁場印加成形する工程において、金型の一部である反ゲート側端部ストッパーの一部に磁性材料が埋設されている金型を使用することを特徴とする、マグネットローラ、である。(請求項1)
本発明は、また、前記反ゲート側端部ストッパーの材質が非磁性体であり、かつ、該反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が軟磁性材料であることを特徴とする、マグネットローラである。(請求項2)
本発明は、また、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の前記軸方向の長さは2mm以上であり、かつ、該埋設される磁性材料の前記軸方向と垂直な断面積は成形されるマグネットピースの端部断面積の10%以上であることを特徴とする、マグネットローラである。(請求項3)
本発明は、また、
前記磁場印加成形する工程において、
得られるマグネットピースの外周面と、
前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が0mm以上10mm以内であり、かつ、
前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在しないことを特徴とする、マグネットローラである。(請求項4)
本発明は、また、
前記磁場印加成形する工程において、
得られるマグネットピースの外周面と、
前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が0mm以上10mm以内であり、かつ、
前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在することを特徴とし、該延長面が該磁性材料と重なる領域が、前記軸方向の0mm以上5mm以下であることを特徴とする、マグネットローラである。(請求項5)
本発明においては、希土類磁粉やフェライト磁粉を例えば熱可塑性樹脂バインダーに分散混合させ、ペレット状にした混合樹脂を金型内に射出成形機により溶融射出を行い、その際、電磁石または金型内に配置された永久磁石により着磁配向を行った後、成形機から成形品を取り出す。その着磁配向を行う際に金型の一部である固定側端部ストッパーに本発明の磁性材料を埋設した金型部品を使用することにより端部の磁束密度が均一で高品質なマグネットローラ形成用のマグネットピースを得ることが出来る。(図2)。
以下、詳細について説明する。
反ゲート側キャビティ(固定側キャビティ)の構造例の一部を図3に示す。金型はごく一般的な樹脂成形用の割型構造で、プラスティックマグネット成形用としてキャビティ部に永久磁石や電磁石を配置し射出成形時に着磁配向を行う構造になっている。本発明は、射出された樹脂のストッパーで、いわゆる反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)と呼ばれる部品に関するものである。
通常、反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)そのものは、非磁性体で製作する。そのため成形ピースの端部は長手方向に着磁配向されることなく、長手方向の垂直方向のみに配向されることになる。しかし端部はいわゆるエッジ効果と称される端部磁力の盛り上がり現象が見られ、マグネットピースとしてはこの磁力の盛り上がりは磁気不連続と見なされるため、いわゆるリップル不良またはゾーン不良となり歩留りを落とす大きな原因の一つとなっている。
ここで、上記リップルとは、マグネットローラの軸方向有効磁束密度幅において、1mmごとの磁束密度変化率(mT/mm)をいい、0.5mT/mm以下が良好とされている。また、上記ゾーンとは、マグネットローラの軸方向有効磁束密度幅において、最大磁束密度と最小磁束密度との差をいい、6mT以下が良好とされている。
この端部磁力の盛り上がりは、配向用ヨーク端部または配向用永久磁石端部にエッジ効果として発生する磁場の影響と思われ、この磁場を別な方向へ逃がすことで成形品端部への配向磁場の影響を少なくする事が出来ることを見出した。
具体的には、射出成形着磁配向時、成形品端部の長手の垂直方向に向いている磁場の一部を比透磁率の高い軟磁性体(軟磁性材料)を反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)内に埋設することにより長手方向に逃がすことが出来、配向用磁石のエッジ効果によるピース端部への過度の垂直方向への配向を抑えることが出来る。これにより端部磁力の盛り上がりのないマグネットピースを成形することが出来る。
本発明において、非磁性材料で製作された反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)に埋設される磁性体(磁性材料)は、鉄などの軟磁性体(軟磁性材料)で作ることが出来る。永久磁石でもよいが微少な部品となるため埋設するための成形が容易ではない。もっとも簡単確実で安価な方法は反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)にねじ穴を形成し、鉄製のねじを挿入する方法である。これにより、深さ、太さ、挿入方向、挿入位置等を容易にコントロールすることが出来る。
もちろん専用に成形された磁性体(磁性材料)をあらかじめその形状に合わせて挿入口を設けた反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)に挿入しても良い。
反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)に埋設される上記磁性材料(磁性体)としては、比透磁率が1000以上の軟磁性金属材料が良い。例えば鉄、コバルト、ニッケルやそれらの合金、パーマロイなどを使用することが出来る。比透磁率が1000に満たない場合でも効果はあるが、比透磁率が小さくなるにつれて効果も少なくなる。
長さや太さ、大きさは、成形するマグネットピース、反ゲート側端部ストッパー(固定側端部ストッパー)等の金型部品の大きさに合わせることが出来る。
挿入される磁性体(磁性材料)の断面積は、成形されるマグネットピースの端部断面積の10〜180%の範囲内がよい。挿入される磁性体(磁性材料)の端部断面積が、成形されるマグネットピースの断面積の10%未満の場合は、効果が少なくなる。また、逆に180%を超える場合には、効果はあるがサイズが大きくなり、金型部品配置上現実的ではない。また、構造上樹脂の射出圧力がかかる場所のため金型の強度の観点からも部品に大きな穴を設け、穴の肉厚が薄くなることは好ましくない。よって現実的には25〜120%が最も望ましい。
埋設する位置は、成形品(マグネットピース)端部に近いほど効果的だがスペースの関係上やむを得ない場合、図4(d)のようにずらしても良い。ずらして埋設する場合、前記磁場印加成形する工程において、得られる成形品(マグネットピース)外周面から埋設する磁性体の外周部までの距離(B寸法)は10mmまでずらす事が出来る。10mmを超えて埋設位置をずらすと効果が少なくなる傾向が有る。ずらす方向は、例えば垂直方向に配向される場合、図4(f)のように必ずしも配向方向と同じ方向でなくても構わない。
埋設する磁性体(磁性材料)は、図4(a)または図4(c)のように成形品方向に重ねて設置しても良く、その場合は成形品と重なっている部分(A寸法)を5mm以内にすることが好ましい。
なお、本発明では、「成形品重なっている部分」が有る状態を、「前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在することを特徴とし、該延長面が該磁性材料と重なる領域が、前記軸方向の0mm以上5mm以下であること」と表現しているが、両者は、同じ意味を表す。
前記のA寸法が5mmを超えると配向磁場に磁気的な乱れが生じ、端部に本来与えなくてはならない配向が正しく行えない場合がある。
埋設する磁性体(磁性材料)の長さは、2mm以上であることが好ましい。2mmに満たないと効果は低い傾向が有り、2mm以上であれば長くしても効果に変わりはない傾向が有る。むしろサイズが大きくなり、金型部品配置上現実的ではないため、4〜10mmが最も効果的であり望ましい。
マグネットピースの磁化は、金型内に組み込まれた永久磁石または成形機内に設けられた電磁石により239k・A/m〜2400k・A/mの着磁磁場で成形と同時に配向着磁して成形品を磁化する。
前記マグネットピースを構成するフェライト磁性粉としては、MO・nFe23(nは自然数)に代表される化学式を持つ異方性フェライト磁性粉を用い、式中のMとしてSr、Baまたは鉛などの1種あるいは2種類以上が適宜選択して用いられる。
前記磁性粉は、樹脂バインダーや各種添加剤と混合してペレット状にされ成形される。
前記樹脂バインダーとしては、たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート樹脂(EEA)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニルスルフィド)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、CPE(塩素化ポリエチレン)およびPVC(ポリ塩化ビニル)などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂があげられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて混合して用いることも出来る。これらのうちでは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が、コストの点から好ましいが、本発明は、特に柔らかい材料、例えばエチレン−エチルアクリレート樹脂(EEA)などのような樹脂に磁性粉を混合分散したペレットを成形材料として使用する場合に特に有効である。
前記磁性体及び樹脂バインダー(可塑剤、滑剤、安定剤等含む)の樹脂磁石材料に占める磁性粉の含有率(重量%)は50〜95%さらには60〜90%であるのが好ましい。また、前記磁性粉の含有率(重量%)が50%未満の場合、磁性粉不足によりマグネットピースの磁気特性が低下して所望の磁力が得られにくくなり、また、その含有率(重量%)が95%を超えると、バインダー不足となりマグネットピースの成形性が損なわれやすくなる。
高磁束密度への要求に応えるために、マグネットピースの製造に等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉とを混合してなる磁性粉を用いることができる。前記等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との混合割合としては、通常、等方性希土類磁性粉が10〜90重量%(以下%と記載する)で、異方性フェライト磁性粉が90〜10%であるが、等方性希土類磁性粉が20〜80%で、異方性フェライト磁性粉が80〜20%(両者の合計は100%)であるのが、高価な等方性希土類磁性粉の含有率をより少なくすることにより、マグネットピースの低コスト化を図ることが出来る点から好ましい。等方性希土類磁性粉の含有率が前記範囲よりも少ない場合には、マグネットピースにしめる等方性希土類磁性粉の割合が少なくなりすぎるため、従来のフェライト磁石と同程度の磁力しか得ることができなくなる。等方性希土類磁性粉の含有率が前記範囲よりも多い場合には、高磁力を得る(高磁束密度を達成する)ことができるが、マグネットローラに所望される範囲を超えた磁力を有する磁極が着磁されるおそれがあると共に、マグネットローラの仕様に無駄が生じ、該マグネットローラが高価になってしまう。
上記マグネットピースに使用される希土類磁性粉や前記の希土類磁性粉として例を挙げると、R(希土類元素)−Fe−N系合金、R−Fe−B系合金、R−Co系合金、R−Fe−Co系合金などがあげられる。
前記マグネットピースを成形する場合、異方性フェライト磁性粉は、磁場を印加した方向に配向着磁されるが、等方性希土類磁性粉は配向されず、着磁のみされる。
ここでは磁性粉として異方性フェライト磁性粉単独、異方性フェライト磁性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉の場合を示したが、等方性フェライト単独、等方性希土類単独、異方性希土類単独、等方性フェライトと異方性フェライトとの混合磁性粉、異方性フェライトと異方性希土類との混合磁性粉、等方性フェライトと異方性希土類との混合磁性粉、等方性フェライトと等方性希土類との混合磁性粉、異方性希土類と等方性希土類との混合磁性粉を用いても良い。
また、磁場配向させる方向は、単一方向でも外周面の一部から外周面以外の三辺へ磁束を拡散させるように極異方配向させても良く、必要とされる磁力、半値幅、磁気吸引力等により決定する事ができ、特に制限されるものではない。
前記のごとく、本発明により長手軸方向に均一な磁束密度を有する高品質なマグネットローラを提供することができる。
以下に実施例と比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
樹脂バインダーとしてエチレン−エチルアクリレート樹脂(日本ユニカー製DPDJ−9169)を10重量%(滑剤、可塑剤、安定剤を含む)、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23:日本弁柄工業(株)製NF110)を90重量%とし、これらを混合し溶融混練し、ペレット状に成形した物を配向用磁石搭載の射出成形機により図2に示すようなマグネットピース(扇形状、長さ330mm)を製造した。金型の温度は60℃とした。
金型固定側には成形品端部ストッパー(以下固定側端部ストッパー(反ゲート側端部ストッパーと同じ意味である))(図3)を有し、この固定側端部ストッパー(反ゲート側端部ストッパー)は、図4(a)のように、成形品であるマグネットピースの外周面から1mmの位置(B寸法、すなわち、得られるマグネットピースの外周面と、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が1mmであることを意味する)に磁性体埋設用のねじを形成し、長さ5mmのM3(成形品断面積の25%の断面積)の鉄製(SCM435、比透磁率1000)スクリュープラグを二つねじ込んだ。ねじ込み深さは成形品にA寸法が1mmとなるように重複させてかぶらせた(A寸法が1mmであるとは、前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在することを意味し、該延長面が該磁性材料と重なる領域が、前記軸方向の1mmであることを意味する)。固定側端部ストッパーの材質はHMP75とした。
型開きにより成形品を取り出しマグネットピースを得た。その後マグネットピースを1000μFのコンデンサー容量を持つ着磁電源で約1500Vの電圧をかけて、着磁ヨークにより着磁を行った。
同様に、極性を各々変えて他4極分所望の磁束密度に着磁を行い、シアノアクリレート系瞬間接着剤(スリーボンド社製1782)をマグネットピースの長手方向に均一に適量を塗布してそれぞれ5極のマグネットピースを金属製(SUM22)のシャフトに接着固定し、図1のような5極のマグネットローラを得た。マグネットローラの外径はφ13.6(外径13.6mm)、シャフト径はφ6(6mm)とした。
マグネットローラ形成後、プローブ(磁束密度センサー)をマグネットローラ中心から8mm離れたところに設置し、マグネットローラ表面の磁束密度をマグネットローラの両端部を支持しマグネットローラを回転させながら測定し、当該マグネットローラの最重要極であるS1極のピーク位置を見出し、該ピーク位置で長手方向にマグネット部分の端部から端部まで該プローブをスキャンさせ、軸方向の磁束密度のバラツキ(最大値と最小値の差)を測定した。(n=20)
結果を表1に示す。また、着磁処理前と処理後の磁気パターンを図5に示す。
表1に示した長手方向(本明細書中、長手方向とは軸方向と同じ意味である)磁束密度差は、マグネットピースの長手方向の両端部10mmを除く範囲において、最大磁束密度と最小磁束密度との差とした。
通常A3サイズでは、上記最大磁束密度と最小磁束密度との差が4.0mT以下となれば良好となる。
Figure 2007298583
(実施例2)
金型の端部には、図4(b)のように成形品であるマグネットピースの外周面から1mmの位置に長さ5mmのM3の鉄製(SCM435)スクリュープラグを一つねじ込んだ。ねじ込み深さは成形品にかぶらせず
(かぶらせず、とは、「前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在しない」ことを意味する)、
成形品端部から磁性体端部の距離を4mmとした他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例3)
金型の端部には、図4(d)のように成形品であるマグネットピースの外周面からの位置B寸法を10mmとし、長さ5mmのM3の鉄製(SCM435)スクリュープラグを二つねじ込んだ他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例4)
金型の端部には、図4(e)のように成形品であるマグネットピースの外周面からの位置B寸法を1mmとし、10mmのφ1.9(成形品断面積の10%の断面積)の鉄製(SCM435)ピンを一つ挿入した。成形品端部が固定側端部ストッパーに埋設した磁性体と重なる寸法(A寸法)を1mmとして成形品にかぶらせた他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例5)
金型に埋設する磁性体の位置D角度として配向方向より20°ずらした場所に設けたことの他は実施例1と同様に実施した。(図4(f))
結果を表1に示す。
(実施例6)
金型の端部には、図4(h)のように成形品であるマグネットピースの外周面からの位置B寸法を1mmとし、長さ2mmのφ3の鉄製(SCM435)ピンを一つ挿入した。成形品端部が固定側端部ストッパーに埋設した磁性体と重なる寸法(A寸法)は1mmとして成形品にかぶらせた他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例7)
金型の端部には、図4(g)のように成形品であるマグネットピースの外周面からの位置B寸法を1mmとし、長さ10mmのM8(成形品断面積の180%の断面積)の鉄製(SCM435)スクリュープラグを一つねじ込んだ。成形品端部が固定側端部ストッパーに埋設した磁性体と重なる寸法(A寸法)は1mmとして成形品にかぶらせた他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例8)
金型の端部には、図4(c)のように成形品であるマグネットピースの外周面からの位置B寸法を1mmとし、長さ5mmのM3の鉄製(SCM435)スクリュープラグを2つねじ込んだ。成形品端部が固定側端部ストッパーに埋設した磁性体と重なる寸法(A寸法)を5mmとして、磁性体の長さは15mmとした。これの他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(比較例1)
固定側端部ストッパー(反ゲート側端部ストッパー)には磁性体(磁性材料)を入れない他は実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
金型の端部には、図4(a)のように成形品であるマグネットピースの外周面からの位置B寸法を1mmとし、長さ10mmのφ3のアルミニウム製ピン(非磁性)を一つ挿入した。成形品端部が固定側端部ストッパーに埋設した磁性体と重なる寸法(A寸法)は1mmとして成形品にかぶらせた他は実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
本発明のマグネットローラ形状例の全体図 本発明のマグネットピース形状例 固定側端部ストッパー配置例 端部固定ストッパーへの磁性材埋め込み例(a〜h) (a)理想的な磁性材料の埋め込み例 (b)成形品にかぶらせずに成形品端面から長手方向に離して埋め込んだ例 (c)成形品に磁性材料をかぶらせて埋め込んだ例 (d)成形品端面から離して磁性材料を埋め込ませた例 (e)磁性材料の断面積を小さくした例 (f)磁性材料を埋め込む位置を配向方向からずらして設置した例 (g)磁性材料の断面積を大きくした例 (h)磁性材料の長さを短くした例 実施例1と比較例1の長手方向の着磁パターン例
符号の説明
1 シャフト
2 マグネットローラ
3 マグネットピース
4 永久磁石
5 キャビティ
6 固定側端部ストッパー(反ゲート側端部ストッパー)
7 磁性体(磁性材料)
8 成形品断面
9 磁性体(磁性材料)を埋設するための穴の断面
A 成形品端部が固定側端部ストッパー(反ゲート側端部ストッパー)に埋設した磁性体(磁性材料)と重なる寸法(重なるとは、マグネットピースの軸方向と垂直な断面の延長面上に、反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在する場合を言う)
B 成形品外周面と埋設する磁性体の距離(得られるマグネットピースの外周面と、反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離)
C 成形品端面から磁性体端面の距離
D 配向磁場の方向から埋設する磁性体の中心とのズレ角度

Claims (5)

  1. 強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物を磁場印加成形する工程を含む製造方法で得られうるマグネットピースが軸の外周面に貼り合わせられていることを特徴とするマグネットローラであって、
    該磁場印加成形する工程において、金型の一部である反ゲート側端部ストッパーの一部に磁性材料が埋設されている金型を使用することを特徴とする、マグネットローラ。
  2. 前記反ゲート側端部ストッパーの材質が非磁性体であり、かつ、該反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が軟磁性材料であることを特徴とする、請求項1に記載のマグネットローラ。
  3. 前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の前記軸方向の長さは2mm以上であり、かつ、該埋設される磁性材料の前記軸方向と垂直な断面積は成形されるマグネットピースの端部断面積の10%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のマグネットローラ。
  4. 前記磁場印加成形する工程において、
    得られるマグネットピースの外周面と、
    前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が0mm以上10mm以内であり、かつ、
    前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在しないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマグネットローラ。
  5. 前記磁場印加成形する工程において、
    得られるマグネットピースの外周面と、
    前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料の外周部との最短距離が0mm以上10mm以内であり、かつ、
    前記マグネットピースの前記軸方向と垂直な断面の延長面上に、前記反ゲート側端部ストッパーに埋設される磁性材料が存在することを特徴とし、該延長面が該磁性材料と重なる領域が、前記軸方向の0mm以上5mm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマグネットローラ。
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