JP2000068120A - マグネットローラ - Google Patents

マグネットローラ

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JP2000068120A
JP2000068120A JP10231534A JP23153498A JP2000068120A JP 2000068120 A JP2000068120 A JP 2000068120A JP 10231534 A JP10231534 A JP 10231534A JP 23153498 A JP23153498 A JP 23153498A JP 2000068120 A JP2000068120 A JP 2000068120A
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magnet
molding
roller
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magnetic
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JP10231534A
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English (en)
Inventor
Masaharu Iwai
雅治 岩井
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TOCHIGI KANEKA KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
TOCHIGI KANEKA KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着磁装置の大型化、大電力化を伴うことなく
局所的且つ高い磁束密度が得られるマグネットローラを
提供せんとする。 【解決手段】 複数の磁極を有するローラ本体部2と該
本体部を両端で支持する軸部3、3とからなるマグネッ
トローラ1であって、前記本体部2の一部又は全体が保
磁力3kOe以下の金属磁石からなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やファクシミ
リ、更にはレーザープリンタ等に組み込まれるマグネッ
トローラに関し、更に詳しくは、局所的に高い磁束密度
が得られるマグネットローラに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やファクシミリ、レーザープリン
タ等の電子写真方式の現像装置には、図5に示す如き、
円筒状又は円柱状のローラ本体部52と該本体部両端か
ら突設する軸部53、53とからなるマグネットローラ
51が内装されている。通常、前記マグネットローラ5
1は、成形性に優れ且つ成形後の割れや欠けが生じにく
いフェライト系ボンド磁石材料を用いて成形され、該成
形と同時に配向着磁することで、前記マグネットローラ
51の外周面上に軸心方向にわたる磁極が周方向に沿っ
て複数形成される。そして、前記各磁極は、前記マグネ
ットローラ51に相対回転可能に外装される円筒状スリ
ーブ56の表面を介して、現像剤の拾い上げから搬送、
感光体への引渡し並びに現像剤ボックスへの回収に至る
各工程を担っている。
【0003】前記各工程における現像剤の取り扱いは、
画像品質に直接影響を与えるため、前記各磁極がスリー
ブ56表面上に形成する磁気パターンには様々な特性が
要求される。特に、現像剤を感光体へ引渡す工程を担う
現像極がスリーブ56表面上で形成する磁気パターンに
は、前記現像剤を装置内に溢すことなく前記感光体に安
定供給するための局所的且つ高い磁束密度が要求されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、フェライト系ボ
ンド磁石材料を成形時に金型内で配向着磁してなる従来
のマグネットローラにおいては、得られる磁束密度の大
きさに限界があり、従って所望の強磁力を得ることは不
可能であるが、図6に示す如く、断面形状を極端に歪ん
だ形状にすれば、略円形状の従来のマグネットローラに
比べて多少の磁力向上を望むことができる。しかし、こ
の様な異形のマグネットローラ51は、管理が困難であ
るとともにその磁極形成位置は金型の断面形状により決
定されるため、着磁装置の移動により磁極形成位置を決
定するといったことが不可能となり、設計上の自由度が
減少する。
【0005】また、特開平2−222109号には、図
7に示す如く、現像極S1などの高磁束密度が要求され
る磁極(以下、単に「主磁極」と称す。)形成位置に軸
方向に延びる凹溝59を設け、該凹溝59に等方性の希
土類系ボンド磁石材料からなる磁石片55を埋設したマ
グネットローラ51が開示されている。このようなマグ
ネットローラ51は、前記主磁極に略1200Gの高い
磁束密度が得られることが確認されている。しかし、前
記希土類系ボンド磁石材料は、高価であるとともに保磁
力が高いため着磁の際に高磁場が必要となる。したがっ
て、着磁装置の大型化、大電力化が避けられず、更には
埋設した磁石片55を上記の如く高磁場で着磁すれば、
隣接する磁極の磁束密度も少なからず影響を受けること
となり、設計通りの磁束密度が得にくいといった問題が
生じていた。
【0006】本発明はかかる現況に鑑みなされたもの
で、着磁装置の大型化、大電力化を伴うことなく局所的
且つ高い磁束密度が得られるマグネットローラを提供せ
んとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題を
解決するにあたり鋭意検討を進めた結果、ローラ本体部
の一部又は全体を保磁力の小さな金属磁石で成形するこ
とで、局所的且つ高い磁束密度を有する磁極を比較的小
さな電力で容易に形成できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、複数の磁極を有するロ
ーラ本体部と該本体部を両端で支持する軸部とからな
り、前記本体部の一部又は全体が保磁力3kOe以下の
金属磁石からなることを特徴とするマグネットローラを
提供する。ここに前記本体部を両端で支持する軸部と
は、本体部両端に突設した軸部によりマグネットローラ
全体を支持することを意味しており、本体部にシャフト
を挿通したり、インサート成形する他、同素材で本体部
と一体成形することで形成される。前記金属磁石は、ボ
ンド磁石の場合に使用する樹脂バインダーを全く使用せ
ず、焼結、鋳造等によって得られる略100%磁性材料
からなる磁石であり、前記ボンド磁石に比べて磁気特性
が良好となり、高磁束密度を達成できる。本発明のマグ
ネットローラにあっては、前記金属磁石として特に保磁
力3kOe以下のものを使用するため、着磁に際して高
磁場を必要とせず、着磁装置の大型化、大電力化を回避
することができる。
【0009】また、本発明は、複数の磁極を有するロー
ラ本体部と該本体部を両端で支持する軸部とからなり、
前記本体部がフェライト系ボンド磁石とその一部に埋設
した保磁力が3kOe以下の金属磁石からなることを特
徴とするマグネットローラを提供する。このように、加
工性および磁束密度の均一性に優れたフェライト系ボン
ド磁石の一部に金属磁石を埋設する構成とすることで、
全体を精度良く形成できるとともに各磁極形成位置に設
計通りの磁束密度を正確且つ容易に得ることが可能とな
る。
【0010】前記金属磁石としては、Mn−Al−C系
磁石やFe−Cr−Co系磁石を用いることが好まし
く、これらは特に磁性粉を一方向に配向した軸異方性で
あることが好ましいが面異方性或いは等方性であっても
よい。前記金属磁石は、希土類系ボンド磁石やフェライ
ト系ボンド磁石よりも保磁力が小さいため着磁し易く、
特に前述の如く金属磁石が軸異方性の場合には、前記希
土類系ボンド磁石と同程度の高磁束密度が達成できる。
【0011】また、前記フェライト系ボンド磁石は等方
性磁石であることが好ましい。この様にフェライト系ボ
ンド磁石を等方性磁石とする場合には、成形時に配向着
磁を行わないため成形品の変形が生じることなく寸法精
度が格段に向上するとともに、成形金型に磁気回路を構
成する必要がなく、該金型の構造は簡単且つ安価とな
る。更に、磁極は加工後に形成できるので、磁極形成位
置が自由且つ正確に設定でき、工程も簡単になる。
【0012】ここで、フェライト系ボンド磁石に金属磁
石を埋設する手段としては、前記フェライト系ボンド磁
石の成型と同時に前記金属磁石を埋設する長手方向全長
にわたる凹溝を形成することが好ましい。前記凹溝は、
前記フェライト系ボンド磁石の押出成型や射出成型の際
に使用する金型に、前記凹溝に対応する突起又は突条を
設けることで容易に成形できる。この様な手段によれ
ば、前記フェライト系ボンド磁石の成型後に前記凹溝を
別途形成する手間が省け、製造コストが削減される。
【0013】また、フェライト系ボンド磁石に金属磁石
を埋設するその他の手段として、前記フェライト系ボン
ド磁石の成型の後に、その外周面上に前記金属磁石を埋
設する長手方向全長にわたる凹溝を機械加工により形成
してもよい。フェライト系ボンド磁石は加工性に優れて
いるため割れや欠けを生じることがなく、前記凹溝を精
度良く形成することが可能である。この様な手段によれ
ば、前記金属磁石の埋設位置を容易に変更、追加でき、
設計上の自由度が向上する。
【0014】これら、本体部に用いるフェライト系ボン
ド磁石は、押出成形や射出成形により成形することが好
ましく、特に前記射出成形の場合においては、前記軸部
を前記本体部と一体で成形してなることが好ましい実施
例である。この場合、シャフトが不要となるため以下に
示す成形手段により成形してなることが好ましい。即
ち、ローラ本体部を成形するための成形空間を有するメ
イン成形部と、前記メイン成形部の一端に設けられ、一
方の軸部を成形する第1軸部成形部と、前記成形空間内
に略隙間なくスライド自在に装着され、他方の軸部を成
形する第2軸部成形部と、成形空間を取り囲むように該
メイン成形部に固定され、該成形空間内に充填される溶
融樹脂磁石材料の磁性粒子を所定方向に配向させる磁場
配向手段とを備えた成形金型を用い、前記第1軸部成形
部に設けられたノズルから成形空間に溶融樹脂磁石材料
を射出注入するとともに、前記第2軸部成形部を溶融樹
脂磁石材料の注入速度に応じて強制的或いは注入圧によ
り適性な成形位置まで後退させ、前記磁場配向手段で溶
融樹脂磁石材料の磁性粒子を所定方向に配向させながら
前記成形空間内で成形してなることが好ましい。この様
なマグネットローラにあっては、成形空間の容積が溶融
樹脂磁石材料の注入速度に合わせて逐次拡大するため、
当該溶融樹脂磁石材料が成形空間内で乱されることなく
磁性粒子は効率的に配向され、マグネットローラの長手
方向における磁気特性の均一化が図れ、通常の射出成形
法や押出成形法によって作製されたものに比べて、軸方
向の磁気特性が均質なマグネットローラが得られる。
【0015】また、本発明は、複数の磁極を有するロー
ラ本体部と該本体部を両端で支持する軸部とからなり、
前記本体部が、主磁極形成位置に保磁力が3kOe以下
で軸異方性のMn−Al−C系磁石を配置し、且つその
他の磁極形成位置に保磁力が3kOe以下で等方性又は
面異方性のMn−Al−C系磁石を配置してなることを
特徴とするマグネットローラをも提供する。この様な構
成のマグネットローラは、主磁極に高磁束密度を得つつ
他磁極にもフェライト系ボンド磁石以上の高い磁束密度
が得られ、更に、前記他磁極は等方性又は面異方性磁石
であるため、本体部成形後、該本体部外周面の任意の箇
所に自由に着磁可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に添付図面に示した実施例に基
づき更に本発明の詳細を説明する。
【0017】図1は本発明のマグネットローラの第1実
施例を示し、図中2はローラ本体部、3は軸部、5は金
属磁石からなる磁石片をそれぞれ示している。本発明に
係るマグネットローラは、ローラ本体部の一部又は全体
を保磁力3kOe以下の金属磁石で構成し、該金属磁石
部分に、着磁装置の大型化、大電力化を伴うことなく、
局所的且つ高磁束密度を有する磁極を形成するものであ
り、本実施例のマグネットローラ1は、フェライト系ボ
ンド磁石材料によりローラ本体部2と軸部3、3を一体
成形するとともに、その外周面上に長手方向全長にわた
る凹溝4を設け、該凹溝4にMn−Al−C系の軸異方
性磁石からなる金属製の磁石片5を嵌着して構成されて
いる。
【0018】前記マグネットローラ1は、軸方向にわた
り均一な磁束密度を有する磁極を前記フェライト系ボン
ド磁石からなるローラ本体部2の表面上に複数形成して
おり、各磁極は、マグネットローラ1に対して相対回転
する円筒状スリーブ6の表面を介して現像剤の攪拌、搬
送等を行う。前記各磁極によるスリーブ6表面の磁束密
度分布、即ち磁気パターン7は、図2に横断面で示して
いる。前記金属製の磁石片5は、マグネットローラ1の
主磁極となる現像極S1の形成位置に嵌着され、スリー
ブ6表面上で約1200Gの高磁束密度を達成してい
る。一方、前記現像極S1以外の磁極(規制極N1、攪
拌極S2、搬送極N2)は、フェライト系ボンド磁石材
料で前記ローラ本体部2を成形する際に、金型周囲に配
設した着磁装置により所定位置に配向着磁して形成され
ており、前記規制極N1、攪拌極S2、搬送極N2によ
りスリーブ6表面上で達成される磁束密度は、それぞれ
700G、500G、700Gである。
【0019】前記凹溝4に埋設するMn−Al−C系の
軸異方性磁石からなる磁石片5は、保磁力3kOe以下
の金属磁石であるため高磁束密度を得るに必要な着磁磁
場は小さく、従って着磁装置の大型化、大電力化が回避
できるとともに隣接磁極への影響も少なくなる。ここで
前記磁石片5としては、前記Mn−Al−C系の軸異方
性磁石の他に、同じくMn−Al−C系の面異方性又は
等方性磁石や、Fe−Cr−Co系の軸異方性又は等方
性磁石を用いてもよい。
【0020】Mn−Al−C系の磁石は、その磁化容易
軸(面心正方晶のc軸)の配向状態の違いによって、等
方性磁石、軸異方性磁石(通常の異方性磁石)、面異方
性磁石の3つのタイプがあり、特に前記面異方性磁石
は、磁化容易軸が特定の面内に分布する構造の磁石であ
り、マグネットロールの軸心から外周面に向かうラジア
ル方向を磁化優位方向とすることが可能である。前記軸
異方性及び面異方性のMn−Al−C系磁石は、温間塑
性加工により磁化容易軸を特定方向に揃えることで形成
され、特に前記面異方性磁石は、押出加工により予めc
軸を押出軸方向に揃えたビレットを、更に押出軸方向に
据込加工することで作製される。これらMn−Al−C
系磁石の保磁力は、等方性が2.0〜2.2kOe、軸
異方性が2.0〜2.6kOe、面異方性が2.0〜
2.9kOeであり、達成できる磁束密度の指標となる
最大エネルギー積は、等方性が1.8〜2.0MGO
e、軸異方性が5.0〜6.0MGOe、面異方性が
3.0〜4.1MGOeであり、フェライト磁石の2倍
以上である。従って、主磁極に特に高い磁束密度を必要
とする場合には、本実施例の如く、磁性粉が一方向に配
向される軸異方性磁石を選択することが好ましいが、本
発明はこれに限らず、等方性又は面異方性の磁石を主磁
極形成位置の磁石材料として選択してもよい。また、M
n−Al−C系磁石はCo、Niなどの高価な元素を含
まず安価で得られるとともに、合金磁石の中で密度が最
も小さいため軽量化を図ることができ、更に機械的強度
が強いため切削加工等を行っても欠けなどを生じなく容
易に磁石片を形成できる。
【0021】一方、前記Fe−Cr−Co系の磁石は、
高温のα相(bcc)を時効することによりスピノーダ
ル分解を生じ、FeとCoに富む強磁性のα1相とCr
に富む非磁性のα2相に2相分離してなる金属磁石であ
り、前記Fe−Cr−Co系の軸異方性磁石は、前記2
相分離を磁界中で行い、α1粒子が磁界方向に伸長した
組織とすることで形成される。これらFe−Cr−Co
系磁石の保持力は、等方性で0.4〜0.7kOe、軸
異方性で0.5〜0.9kOeであり、その最大エネル
ギー積は、等方性が2.0〜7.0MGOe、軸異方性
が7.0〜10.0MGOeである。また、塑性加工性
があり、特殊な形状にも十分応えることができる。
【0022】本実施例において、前記主磁極以外の本体
部を構成しているフェライト系ボンド磁石としては、成
形と同時に磁場配向してなる極異方性磁石を採用してい
るが、前記主磁極以外に高磁束密度を必要としない場合
には、前記主磁極以外の磁極である規制極N1、攪拌極
S2及び搬送極N2を本体部の成形後に着磁形成してな
る等方性磁石を採用してもよい。この場合、成形時に磁
場が不要となり、該磁場により成形品が変形することな
く寸法精度を格段に向上させることが可能となるととも
に、成形金型に磁気回路を構成する必要がなく該金型の
構造を簡単且つ安価にすることができる。
【0023】前記フェライト系ボンド磁石の成形には、
フェライト系磁性粉と、該磁性粉同士を結合する熱可塑
性又は熱硬化性樹脂からなる樹脂バインダーを主成分と
し、それらの結合を強固とするためのシラン系又はチタ
ネート系のカップリング剤や流動性を良くするための滑
剤、前記樹脂バインダーの熱分解を抑止する安定剤等を
適宜微量配合した混合物が用いられる。ここで該混合物
には、必要に応じて難燃剤、補強剤を配合することも好
ましい実施例である。
【0024】前記フェライト系ボンド磁石の成形は、圧
縮成形法、射出成形法、押出成形法等の通常の樹脂成形
法が利用できるが、前記軸部3をローラ本体部2と一体
で成形する場合には、本願出願人が先に提案(特開平1
0−156890号公報参照)している、以下に示す成
形手段を用いることが有利である。即ち、ローラ本体部
を成形するための成形空間を有するメイン成形部と、前
記メイン成形部の一端に設けられ、一方の軸部を成形す
る第1軸部成形部と、前記成形空間内に略隙間なくスラ
イド自在に装着され、他方の軸部を成形する第2軸部成
形部と、成形空間を取り囲むように該メイン成形部に固
定され、該成形空間内に充填される溶融樹脂磁石材料の
磁性粒子を所定方向に配向させる磁場配向手段とを備え
た成形金型を用い、前記第1軸部成形部に設けられたノ
ズルから成形空間に溶融樹脂磁石材料を射出注入すると
ともに、前記第2軸部成形部を溶融樹脂磁石材料の注入
速度に応じて強制的或いは注入圧により適性な成形位置
まで後退させ、前記磁場配向手段で溶融樹脂磁石材料の
磁性粒子を所定方向に配向させながら前記成形空間内で
成形する成形手段が好ましい実施例である。尚、この成
形手段においては、樹脂硬化の防止、射出注入の安定
化、磁粉配向度の向上、磁粉分布の均一性、成形品の外
観及び表面性状を良好なものとするために、前記樹脂磁
石材料の流動性が重要であり、このためヒータによって
加熱したホットノズルを用いることが有利である。
【0025】以上の成形手段によれば、成形空間の容積
が樹脂磁石材料の注入速度に合わせて逐次拡大するた
め、溶融した樹脂磁石材料を成形空間内で乱すことなく
磁性粒子を効率的に配向させることができ、マグネット
ローラの長手方向における磁気特性の均一化が図れ、通
常の射出成形法や押出成形法によって作製されたものに
比べて、軸方向の磁気特性が均質なマグネットローラを
得ることができる。
【0026】尚、本実施例において、前記磁石片5を埋
設する凹溝4は、軸部3、3とローラ本体部2を一体成
形する際の成形金型に設けられた突条によって形成され
るが、ローラ本体部2を押出成形により成形する場合に
は、押出金型の内周面に設けられた突起により形成され
る。また、前記凹溝4は成形と同時に形成される必要も
なく、成形後に切削等の機械加工により成形するものも
好ましい実施例である。
【0027】次に、図3は本発明のマグネットローラの
第2実施例を示している。
【0028】本実施例のマグネットローラ1は、Mn−
Al−C系の面異方性磁石からなるローラ本体部2と、
該ローラ本体部2の中央部に金属シャフト8を挿通して
なる軸部3とからなり、前記ローラ本体部2のMn−A
l−C系磁性粉は、マグネットローラ1外周面に垂直な
ラジアル方向を向いている。
【0029】前記ローラ本体部2外周面上には、現像極
S1、規制極N1、攪拌極S2、搬送極N2がそれぞれ
着磁形成され、各磁極によるスリーブ6表面の磁束密度
分布、即ち磁気パターン7は、図示した如く、現像極S
1に1300G、規制極N1に800G、攪拌極S2に
600G、搬送極N2に800Gの磁束密度を達成して
いる。
【0030】前記ローラ本体部2は、素材金属を一旦鋳
造することで合金組成の均一化を図り、その後、溶融も
しくは粉末化して押出加工し、更に据込加工することで
成形され、該成形時に磁場を加えなくとも磁化優位方向
が外周面の法線方向を向くため、前記磁場により成形品
に変形を生じることがなく寸法精度が格段に向上し、成
形金型に磁気回路を構成する必要もなく、該金型の構造
は簡単且つ安価となる。
【0031】また、成形後の磁極形成に関しては、前記
の如く、磁化優位方向が法線方向、即ちラジアル方向に
分布しているため、磁極形成位置を自由に設定でき、且
つ高い磁束密度を達成することが可能である。
【0032】前記Mn−Al−C系磁石は金属磁石のう
ち比較的加工性に優れていることから、機械加工を施し
ても割れや欠けを生じることなく精度よく加工すること
ができ、例えば金属シャフト8を挿通する貫通孔や、外
周面上に高磁束密度を有する磁石片を埋め込むための凹
溝などを容易に形成できる。
【0033】尚、本実施例のマグネットローラ1は、ロ
ーラ本体部2を略円筒状に成形した後に、その中央部に
金属シャフト8を挿通しているが、本発明はこれに限定
されず、金属シャフト8を内装した成形金型を用いて前
記ローラ本体部2及び金属シャフト8を一体で成形して
なるものも好ましい。
【0034】次に、図4は本発明のマグネットローラの
第3実施例を示している。
【0035】本実施例のマグネットローラ1は、Mn−
Al−C系の面異方性磁石又は等方性磁石により軸部と
一体で成形されたローラ本体部2と、該ローラ本体部2
に設けられた凹溝4に嵌着するMn−Al−C系の軸異
方性磁石の磁石片5とからなり、該磁石片5を嵌着した
主磁極の現像極S1には、略1400Gの高磁束密度を
達成している。
【0036】前記主磁極以外の磁極形成位置には、面異
方性磁石又は等方性磁石の何れで構成してもよい。特に
前記ローラ本体部2に等方性磁石を選択した場合には、
加工が容易となり且つ規制極N1に700G、攪拌極S
2に500G、搬送極N2に700Gの磁束密度を達成
でき、これ以上の磁束密度を望む場合には、前記ローラ
本体部2は面異方性磁石により構成することが好まし
い。
【0037】前記Mn−Al−C系の軸異方性磁石又は
面異方性磁石は、素材金属を一旦鋳造することで合金組
成の均一化を図り、その後、溶融もしくは粉末化して押
出加工することで成形され、特に前記面異方性磁石の場
合には、前記押出加工時に据込加工し、磁化優位方向を
外周面の法線方向に揃えることで成形される。即ち、磁
性粉の配向は、前記軸異方性磁石が押出し方向に略平行
な一方向の配向となり、前記面異方性磁石が押出し軸か
ら放射状に拡散するラジアル方向の配向となるので、得
られる磁束密度の大きさは前記配向が略平行となる軸異
方性磁石が有利となるが、該軸異方性磁石はその配向が
押出し方向に限定されるため、専ら成形後に加工を施し
主磁極形成位置に埋設する磁石片5として使用する。一
方、前記面異方性磁石は、ラジアル方向の配向となるた
め、ローラ本体部2として使用すれば、上記第2実施例
の場合と同様に、該ローラ本体部2の自由な位置に高磁
束密度を有する磁極を容易に形成できることとなる。
【0038】尚、前記凹溝4の形成は、押出加工時のダ
イス形状に前記凹溝4に対応する突起を形成することで
容易に形成できるが、円柱状のローラ本体部を形成した
後に機械加工して形成してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上にしてなる本発明のマグネットロー
ラによれば、本体部の一部又は全体が保磁力3kOe以
下の金属磁石であるので、着磁装置の大型化、大電力化
を回避しつつも主磁極に局所的且つ高磁束密度を達成で
きる。
【0040】また、加工性および磁束密度の均一性に優
れたフェライト系ボンド磁石の一部に金属磁石を埋設す
る構成とすることで、全体を精度良く形成できるととも
に各磁極形成位置に設計通りの磁束密度が正確且つ容易
に得られる。
【0041】前記金属磁石としてMn−Al−C系磁石
やFe−Cr−Co系磁石を用いれば、着磁が容易とな
り、特に軸異方性とすれば、希土類系ボンド磁石と同程
度の高磁束密度が達成できる。
【0042】また、前記フェライト系ボンド磁石を等方
性磁石とすれば、成形時の配向着磁による成形品の変形
が生じなく寸法精度を格段に向上できるとともに、成形
金型に磁気回路を構成する必要がなく、該金型の構造は
簡単且つ安価になる。更に、磁極は加工後に形成できる
ので、磁極形成位置が自由且つ正確に設定でき、工程も
簡単になる。
【0043】ここで、フェライト系ボンド磁石に金属磁
石を埋設する手段として、前記フェライト系ボンド磁石
の成型と同時に前記金属磁石を埋設する長手方向全長に
わたる凹溝を形成すれば、前記フェライト系ボンド磁石
の成型後に前記凹溝を別途形成する手間が省け、製造コ
ストを削減できる。
【0044】また、フェライト系ボンド磁石に金属磁石
を埋設するその他の手段として、前記フェライト系ボン
ド磁石の成型の後にその外周面上に前記金属磁石を埋設
する長手方向全長にわたる凹溝を機械加工により形成す
れば、前記金属磁石の埋設位置を容易に変更、追加で
き、設計上の自由度が向上する。
【0045】また、主磁極形成位置に保磁力が3kOe
以下で軸異方性のMn−Al−C系磁石を配置し、且つ
その他の磁極形成位置に保磁力が3kOe以下で等方性
又は面異方性のMn−Al−C系磁石を配置してなる構
成とすれば、主磁極に高磁束密度を得つつ他磁極にもフ
ェライト系ボンド磁石以上の高い磁束密度が得られ、更
に、前記他磁極は等方性又は面異方性磁石であるため、
本体部成形後、該本体部外周面の任意の箇所に自由に着
磁できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネットローラの第1実施例を
示す簡略縦断面図。
【図2】同じくマグネットローラの第1実施例を示す簡
略横断面図。
【図3】本発明に係るマグネットローラの第2実施例を
示す簡略横断面図。
【図4】本発明に係るマグネットローラの第3実施例を
示す簡略横断面図。
【図5】従来のマグネットローラを示す簡略斜視図。
【図6】従来のマグネットローラを示す簡略横断面図。
【図7】従来のマグネットローラを示す簡略横断面図。
【符号の説明】
1 マグネットローラ 2 ローラ本
体部 3 軸部 4 凹溝 5 磁石片 6 スリーブ 7 磁気パターン 8 金属シャ
フト 51 マグネットローラ 52 ローラ
本体部 53 軸部 55 磁石片 56 スリーブ 57 磁気パ
ターン 58 金属シャフト 59 凹溝

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁極を有するローラ本体部と該本
    体部を両端で支持する軸部とからなるマグネットローラ
    であって、前記本体部の一部又は全体が保磁力3kOe
    以下の金属磁石からなることを特徴とするマグネットロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 複数の磁極を有するローラ本体部と該本
    体部を両端で支持する軸部とからなるマグネットローラ
    であって、前記本体部がフェライト系ボンド磁石とその
    一部に埋設した保磁力が3kOe以下の金属磁石とから
    なることを特徴とするマグネットローラ。
  3. 【請求項3】 前記金属磁石がMn−Al−C系磁石で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載のマグネット
    ローラ。
  4. 【請求項4】 前記金属磁石がFe−Cr−Co系磁石
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のマグネッ
    トローラ。
  5. 【請求項5】 前記Mn−Al−C系磁石が等方性、軸
    異方性、面異方性の何れかであることを特徴とする請求
    項3記載のマグネットローラ。
  6. 【請求項6】 前記Fe−Cr−Co系磁石が等方性、
    軸異方性の何れかであることを特徴とする請求項4記載
    のマグネットローラ。
  7. 【請求項7】 前記フェライト系ボンド磁石が等方性の
    磁石であることを特徴とする請求項2記載のマグネット
    ローラ。
  8. 【請求項8】 フェライト系ボンド磁石の成型の際に、
    その外周面上に前記金属磁石を埋設する長手方向全長に
    わたる凹溝を同時に形成してなる請求項2記載のマグネ
    ットローラ。
  9. 【請求項9】 フェライト系ボンド磁石の成型の後に、
    その外周面上に前記金属磁石を埋設する長手方向全長に
    わたる凹溝を機械加工により形成してなる請求項2記載
    のマグネットローラ。
  10. 【請求項10】 前記本体部のフェライト系ボンド磁石
    を押出成形により成形してなる請求項2記載のマグネッ
    トローラ。
  11. 【請求項11】 前記本体部のフェライト系ボンド磁石
    を射出成形により成形してなる請求項2記載のマグネッ
    トローラ。
  12. 【請求項12】 前記軸部を前記本体部と一体で射出成
    形してなる請求項11記載のマグネットローラ。
  13. 【請求項13】 ローラ本体部を成形するための成形空
    間を有するメイン成形部と、前記メイン成形部の一端に
    設けられ、一方の軸部を成形する第1軸部成形部と、前
    記成形空間内に略隙間なくスライド自在に装着され、他
    方の軸部を成形する第2軸部成形部と、成形空間を取り
    囲むように該メイン成形部に固定され、該成形空間内に
    充填される溶融樹脂磁石材料の磁性粒子を所定方向に配
    向させる磁場配向手段とを備えた成形金型を用い、前記
    第1軸部成形部に設けられたノズルから成形空間に溶融
    樹脂磁石材料を射出注入するとともに、前記第2軸部成
    形部を溶融樹脂磁石材料の注入速度に応じて強制的或い
    は注入圧により適性な成形位置まで後退させ、前記磁場
    配向手段で溶融樹脂磁石材料の磁性粒子を所定方向に配
    向させながら前記成形空間内で成形してなることを特徴
    とする請求項12記載のマグネットローラ。
  14. 【請求項14】 複数の磁極を有するローラ本体部と該
    本体部を両端で支持する軸部とからなるマグネットロー
    ラであって、前記本体部が、主磁極形成位置に保磁力が
    3kOe以下で軸異方性のMn−Al−C系磁石を配置
    し、且つその他の磁極形成位置に保磁力が3kOe以下
    で等方性又は面異方性のMn−Al−C系磁石を配置し
    てなることを特徴とするマグネットローラ。
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