JPH1066723A - 酸化多糖類から形成される生体吸収性医療具 - Google Patents

酸化多糖類から形成される生体吸収性医療具

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JPH1066723A
JPH1066723A JP9208254A JP20825497A JPH1066723A JP H1066723 A JPH1066723 A JP H1066723A JP 9208254 A JP9208254 A JP 9208254A JP 20825497 A JP20825497 A JP 20825497A JP H1066723 A JPH1066723 A JP H1066723A
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methylcellulose
gauze
film
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David M Wiseman
デビット・エム・ワイズマン
Lowell Saferstein
ローウェル・セファスティン
Stephen Wolf
ステファン・ウォルフ
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    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 生体吸収性医療具が、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースおよび酢酸セルロース
を含むセルロース誘導体を酸化することによって製造さ
れる。得られた材料は、フィルム、ガーゼ、および酸化
メチルセルロースの場合にはその水溶性という独特の性
質により、ゲルに形成される。得られた医療具は、手術
後の癒合を抑えたり、止血するのに特に有用である。ま
た、他にも、創傷用包帯、およびヒアルロン酸のような
高価な生体吸収性ゲルの代替材として使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化多糖類、特に
セルロース誘導体、およびこの製造方法と使用方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】外科医は、日常繰り返される手術におい
ても多くの問題に直面するが、中でも最もストレスのた
まる問題は、手術後の癒合である。癒合は、通常は接合
していない二つの体器官の間で生じる接合である。癒合
は、手術とは関係の無い色々な理由から生じる。しか
し、癒合は、瘢痕の形成に類似していると考えられるた
め、手術後に癒合が起こることは驚くに値することでは
ない。癒合は、全手術の約90%で起こり、そのうちの
約10%は手術後に問題を引き起こしていると推定され
てきた(Ellis,H.「The causes and prevention of inte
stinal adhesions」,Br.J.Surg.,第69号,第241〜
243頁(1982年);Weibel MA,Majno G.,「Perito
neal adhesions and their relation to abdominal sur
gery」, Am.J.Surg.第126号,第345〜353頁
(1973年))。
【0003】さらに、癒合の形成場所によって、別の問
題も生じる。例えば、ファロピーオ管の癒合は、不妊に
つながる。腸の癒合は、腸障害を引き起こす。心臓手術
後の胸郭に癒合が生じると、再度の胸郭切開手術が困難
なものになる。
【0004】癒合を減らすための典型的な方法は、癒合
形成領域への外傷を抑えることである。しかし、非常に
熟練した外科医でも、多くの手術で、癒合を引き起こす
ほどの大きな外傷をつくってしまうことがある。これ
は、心臓切開手術のような侵襲的方法を用いる場合に
は、特に起こりやすい。また、癒合が生じやすい患者も
いる。現在のところ、心臓手術後の癒合を効果的に減ら
すとして認可を受けている薬剤や装置は存在しない。し
かし、酸化再生セルロース布(ジョンソン・アンド・ジ
ョンソン・メディカル社からINTERCEEDの商品
名で販売されている)は、一定の骨盤手術においては、
手術後の癒合を減らすとして米国食品医薬局から認可を
受けており、他の手術においても癒合抑制効果をもつこ
とが知られている。
【0005】ところで、ヒアルロン酸やカルボキシメチ
ルセルロースからつくられるいくつかの水溶性ゲルは、
癒合の形成を抑えるのに有用であると提案されてきた。
しかし、ヒアルロン酸やカルボキシメチルセルロースに
は、欠点もある。まず、ヒアルロン酸は、製造がやや難
しい。これは、雄鶏のとさかから精製するか、または発
酵を使って製造する。カルボキシメチルセルロース(C
MC)は、安価に製造できるが、体内で劣化しやすい。
また、CMCは、メチルセルロースやヒドロキシエチル
セルロースなどのセルロース誘導体と同様、代謝の成り
行きは明らかではなく、網内細胞系の細胞によって分離
されると考えられる(Hueper WC;「Macromolecular subs
tances as pathogenic agents」,Arch.Pathol.,第33
号:第267〜290頁,1942年;Hueper WC;「Exp
erimental studies in cardiovascular pathology, XI.
「Thesaurosis and atheromatosis produced in dogs by
therepeated intravenous injections of solutions o
f sodium cellulose glycollate」,Am.J.Pathol.第21
号:第1021〜1029頁,1945年;Hueper WC.
「Experimental studies in cardiovascular pathology,
XII.「Atheromatosisin dogs following repeated intr
avenous injections of solutions of hydroxyethylcel
lulose」,Arch.Pathol. 第41号:第130〜138
頁,1946年)。
【0006】カルボキシメチルセルロース(CMC)
は、水溶性ゲルを形成するセルロース誘導体の一つであ
る。セルロースは、これを酸化剤に曝すことによって生
体吸収性にすることができる。これは、セルロースの酸
化の基礎研究をしていたイーストマン・コダック・リサ
ーチ・ラボラトリーのW. Kenyon によって、1936年
に最初に発見された。Kenyonは、酸化剤として二酸化窒
素を使い、新しい型の材料を製造できることを発見し
た。この材料はアルカリに可溶で、セルロースの他の酸
化方法で得られるこれまでのくだけやすい材料とは対照
的に、最初の形状と、初期の引張り強度を大部分維持し
た。この材料は、無水グルコースと無水グルクロン酸の
コポリマーであり、この酸化セルロース材料は、Parke
Davis 社とジョンソン・アンド・ジョンソン社の止血用
の生体吸収性布の材料となる。この止血用生体吸収性布
の製造プロセスは、次の文献および特許明細書に詳し
い:Richard Kenyon,「Oxidation of Cellulose」,Indust
rial and Engineering Chemistry, 第41巻,第1号,
第2〜8頁(1949年);米国特許第2,232,990 号
(1941年発行)、同第2,298,387 号(1943年発
行)、同第3,364,200 号(1968年1月16日発行;
Ashton外)、同第5,180,398 号(1993年1月19日
発行;Boardman外)およびその対応欧州特許第0,492,99
0 号と日本国の特願平3−361083号。
【0007】種々の酸化剤によるセルロースの酸化は、
広範な温度、pH、反応時間および濃度の広範な条件下
で研究されている。酸化セルロースを研究する上で大き
な問題は、化学物理特性が均質な材料を製造する困難さ
である。いくつかの酸化剤は、攻撃(アタック)された
セルロース分子における無水グルコース単位の特定のヒ
ドロキシル基には、選択的に作用しない。多くの酸化方
法は、トポ化学反応による。酸化が温和に行われるとき
は、材料は通常、酸化部分と、未反応セルロースあるい
はわずかに修飾されただけのセルロースの未変化の残基
からなる。より劇的な酸化がおこると、材料の分解が増
加することに伴って、酸化部分の割合が大きくなる。酸
化を伴う物理的な分解が生じると、セルロース繊維は解
きほぐされて、材料がくずれやすくなり、また容易に粉
末状になる。
【0008】酸化セルロースを二酸化窒素を利用して調
製する方法は、1930年代の終わりから1940年代
にさかのぼるが、本発明者らは、最近、この方法を拡張
し、他の生体吸収性ポリマーを、セルロース誘導体およ
び他の炭化水素から調製することに成功した。本発明者
らは、特にカルボキシメチルセルロース、水溶性一酢酸
セルロースおよびメチルセルロースのごときセルロース
誘導体は、二酸化窒素で生体吸収性材料に酸化できるこ
とを発見した。チェコ国特許第118,765 号(1966年
6月15日発行;Jozef TamchynaとFrantisek Skoda)
は、四酸化窒素でデンプンを酸化する技術を開示してい
るが、酸化されたデンプンの生体吸収性については言及
していない。本発明者らはまた、グアー、コンニャ
ク、、デンプンなどの式(C6105)n の炭化水素
は、二酸化窒素で生体吸収性ポリマーに酸化できること
も見出した。本発明者らはさらに、デキストラン、プス
ツラン(pustulan)およびシクロデキストリンを生体吸
収性ポリマーに酸化することにも成功し、アルジネート
についても酸化してみた。
【0009】メチルセルロースおよびカルボキシメチル
セルロース(CMC)は、水溶性セルロース誘導体の中
で最も広範に用いられている二つで、食品、化粧料およ
び医薬品の分野で使用されている。これら二つのセルロ
ース誘導体は、それぞれアルカリセルロースと塩化メチ
ルの反応、アルカリセルロースとクロロ酢酸の反応によ
って生成する。通常、反応条件は、各セルロースモノマ
ーにある三つのヒドロキシル基の一部だけを置換するも
のとなるように設定する。メチルセルロースやカルボキ
シメチルセルロースのようなセルロース誘導体は、セル
ロースが部分的に置換された誘導体である。これらは水
に溶解して濃い水溶液を形成するが、その粘度はポリマ
ーの濃度とその分子量によって決まる。メチルセルロー
スは数社から販売されているが、ダウ・ケミカル社のも
のは、METHOCEL Aの商品名で販売されている。カルボキ
シメチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムの一般名で、アクアロン(Aqualon)によって販
売されている。
【0010】メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースおよび酢酸セルロースのいずれもが生体吸収性ポ
リマーではない。これらのポリマーからつくられるフィ
ルム、パウダー、スポンジ、溶液その他の装置が体腔に
置かれると、これらは高分子量の水溶性ポリマーとして
溶解する。そのうち一部は排泄されるが、一部はやがて
血管壁、糸球体および網内細胞系の細胞を通って、これ
らに悪影響を及ぼす(Wiseman,D.M.,「Polymers for the
Prevention of Surgical Adhesions.In:Polymer Site S
pecific Pharmacotherapy」,Domb,A.編,John Wiley, Chi
chester(1994年)第385 頁)。
【0011】ポリマーを生体吸収性にする場合は、何ら
かの方法で、肝臓で代謝されるかあるいは腎臓を介して
排泄される低分子量の断片に分断しなければならない。
例えば、コラーゲンやゲラチンからつくる医療用具は、
体内に置かれると、酵素によって分解され、低分子量の
ペプチドとアミノ酸の断片になる。この断片は肝臓によ
って代謝され、新しいタンパク質になるか、もしくは腎
臓から排泄される。生体吸収性縫合糸に用いるポリグリ
コリド(polyglycolide)および薬剤を制御しながら放出
するのに用いるポリアンハイドライド(polyanhydride)
のようなポリマーは、湿度に敏感で、体液によって低分
子量の水溶性断片に分解するが、この断片は、尿として
身体から排出されるかまたは肝臓で代謝される。酸化セ
ルロースは、pH7以下では安定であるが、pHが体液
のそれに近づき、これを超えると、ポリマー鎖が分断さ
れ、水溶性の低分子量のオリゴ糖類や腎臓を通過して尿
に混じって排泄される砂糖のような成分になる。酸化セ
ルロースのpH感度については、Alexander Meller,「Ho
lzforschung」, 第14巻,第78〜89頁および第12
9〜139頁(1960年)に詳しい。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セルロー
スが酸化を通して生体吸収性材料に変換できるだけでな
く、他の多糖類、特にセルロース誘導体が二酸化窒素に
よって生体吸収性ポリマーに酸化できることを発見し
た。出発物質と酸化プロセスは、ヒアルロン酸やデキス
トランのような天然に産生して動物から得られる生体吸
収性のポリマーと比較して、比較的安価である。さら
に、これら出発物質と酸化プロセスは、癒合を抑えた
り、止血や薬剤の放出制御や創傷用包帯の材料にも有用
である。
【0013】本発明による生体吸収性材料は、酸化多糖
類、好ましくはセルロース誘導体を含む。セルロース誘
導体は、好ましくは、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースおよび酢酸セルロースからなる群より選
ばれる。
【0014】この生体吸収性材料は殺菌するのが好まし
く、好ましい殺菌方法はγ線照射である。本発明の生体
吸収性材料は、特にフィルム、ゲル、パウダー、繊維性
マットあるいはガーゼの形で提供するのが好ましい。
【0015】酸化メチルセルロースの場合、この材料は
生体吸収性でかつ水溶性でもある。そして、ゲルを形成
するためには、十分な量の水または生理学的に許容可能
な緩衝液と混合する。このゲルは、含浸によって、酸化
再生セルロースから形成される布のような生体吸収性の
基布とすることができる。複合材料はまた、メチルセル
ロース溶液をレーヨンあるいはセルロース製の布上に塗
布し、布の表面にフィルムを形成するように乾燥するか
あるいは布の隙間にメチルセルロース溶液を含浸させる
ことによって製造される。乾燥時には、複合材料は、二
酸化窒素ガスで酸化すれば、生体吸収性のゲルを形成す
るポリマーを取り込んだ完全に生体吸収性の布を製造す
ることができる。
【0016】本発明による癒合を防ぐためのプロセス
は、セルロース誘導体を含む酸化多糖類を有する生体吸
収性材料を身体の癒合しやすい部位に適用する工程を含
む。好ましい方法においては、心臓の癒合を防止するた
め、本発明による生体吸収性材料、最も好ましくは酸化
メチルセルロースのゲルを胸郭の体腔に配置する。ゲル
はまた、腹部の癒合を阻止するため、腹腔に配置するこ
ともできる。ゲルはさらに、内視鏡の管腔を通して体内
に適用することもできる。
【0017】水溶性生体吸収性ポリマーに変換する上で
は、二酸化窒素と反応させるときは、セルロース誘導体
の中では、メチルセルロースが最も有効であるが、本発
明者らが調べた他の酸化セルロース誘導体も水溶性とな
る。酸化メチルセルロースポリマーは、3%を超える濃
度で、種々の粘性水性ゲル(pH7未満では安定で、p
Hが7を超えると薄い水性の溶液にくずれる)を形成す
る。メチルセルロースの酸化は、たくさんの方法で行う
ことができるが、その一つとして、メチルセルロースパ
ウダーのスラリーを、四塩化炭素のような不活性溶媒を
使った二酸化窒素の溶液に曝すものがある。この場合、
メチルセルローススラリーは、二酸化窒素の溶液に2〜
48時間、好ましくは4〜16時間曝す。この二酸化窒
素の溶液に曝す時間の終わりには、酸化メチルセルロー
スパウダーを溶媒から濾過して、90%のイソプロピル
アルコールと10%の水の混合液、あるいは90%のア
セトンと10%の水の混合液で洗浄して、過剰の二酸化
窒素ガスを取り除く。そして、酸化メチルセルロースパ
ウダーは、100%のアセトンあるいは100%のイソ
プロピルアルコールで乾燥して、水溶性の白色粉末を得
る。溶液は、不溶性の物質を除去するため、濾過しても
よい。濃度0.5ないし5%の酸化メチルセルロース溶
液は、キャスティングブレード(castingblade)を使っ
てガラス上にキャスティングしフィルム形状に乾燥させ
たり、あるいはガーゼ形状に凍結乾燥することもでき
る。酸化ポリマーはまた、この水溶液をポリマーを溶解
しないアセトンあるいはイソプロピルアルコールに注い
で、水溶液から沈殿させることもできる。
【0018】メチルセルロース酸化の機構は、セルロー
ス酸化の機構と同じようなものであると推測される。メ
チルセルロースの典型的な構造は次の
【化1】 に示す。セルロースのヒドロキシル基上でのメチルエー
テル基の置換は、第一ヒドロキシル基あるいは二つの第
二ヒドロキシル基のどちらかで起こる。次の
【化1】は、メチル基の置換が第一ヒドロキシル基上だ
けに生じた理想的な構造を示す。しかし、実際には、ME
THOCEL Aにおける置換割合は、1.6〜1.9である。
これは、各環状構造においては、1個を超えるメチル基
が置換されていることを意味する。メチル基の分布は、
Y.Tezuka, K.Imai, M.OshimaおよびT.Chiba,「Macromole
cules」、 第20巻,第2413〜2418頁(1987
年)に報告がある。二酸化窒素がメチルセルロースポリ
マーと接触すると、第二アルコール基のいくつかはケト
ンに酸化され、このとき未置換の第一アルコール基もカ
ルボン酸に酸化される。 酸化メチルセルロースポリマ
ーは、その約3〜8%を示すカルボン酸部分が特徴であ
る。
【化1】
【0019】メチルセルロースのような容易に入手でき
る安価な出発物質が生体吸収性で水溶性のポリマーに転
換できるという発見は、生体吸収性医療用具の領域では
大きな意味をもつ。例えば、手術後の癒合防止の分野に
おける最新の研究によれば、ヒアルロン酸から精製され
る水溶性ゲルPCT/SE85/00282(発明の名称「体組織間の
癒合を防止するゲルとこのゲルの製造プロセス」,Pharm
acia社,Wiseman,D.M.,Johns,D.B.)、「Anatomical syne
rgy between sodium hyaluronate (HA) and INTERCEED
barrier in rabbits with two types of adhesions」,Fe
rtil. Steril.Prog.Suppl., 第25頁(1993年)、
米国特許第5,156,839 号(1992年10月20日発
行,Pennell PE, Blackmore JM, Allen MD,発明の名称
「脊椎その他の手術および治療において使用するための
粘弾性液とその使用方法」)、MP,DeCherney AH,Links
y, CB,Cunningham T, Constantine B.,「ウサギの子宮角
モデルにおける癒合防止用のカルボキシメチルセルロー
スおよび32%のデキストラン70の技術評価」,Int.J.
Fertil.,第33巻,第278〜282頁(1988
年))は、組織と器官をこれらポリマーの粘性の溶液で
塗布するため、体腔に注がれる。これら粘性のコーティ
ングは、隣接する組織を、1日ないし10日の間(組織
を癒し、並列組織の間で癒合の形成を抑えるのに十分な
時間)、互いに接触させる。酸化メチルセルロースの粘
性の水性ゲルも、同じような機能をする。ゲルはこれら
が互いに接触しないよう覆い、体液が溶液のpHを7以
上に緩衝すると、器官・組織を覆っていた状態から徐々
に剥れていく。
【0020】さらに、酸化メチルセルロースの溶液は、
手術の最中にも、摩滅、乾燥、その他の偶然手を触れて
しまったりすることによる組織の創傷を最小にとどめる
ために使用することができる(米国特許第5,080,893 号
(Goldberg EPとYaacobi Y,発明の名称「ポリマーの希釈
溶液を使った手術後の癒合防止方法」;Diamond,MPとSe
pracoat(商標)癒合研究グループ,「SupracoatTM(HAL
−CTM)による予備塗布は、多中心・ランダムの偽薬で
制御した婦人科学臨床試験における手術後の新しい癒合
を減少させる」,J.Soc.Gynecol Invest 3;2 Suppl. 90A,
1996年)。
【0021】酸化メチルセルロースのガーゼあるいはフ
ィルムは、γ線照射によって殺菌できる。これらは体内
に置かれると、ゆっくりと粘性のゲルに変化し、ポリマ
ーが分断されて水溶性断片の形に可溶化されると、徐々
に溶解する。酸化メチルセルロースのガーゼまたはフィ
ルムは、薬剤をポリマー溶液に組み入れ、およびフィル
ムのキャスティング、溶液のガーゼ形状への凍結乾燥、
あるいは粘性の薬剤溶液をゲルとして使うなどして、薬
剤を制御しながら放出する装置としても使用できる。酸
化メチルセルロースはまた、関節や腱鞘あるいは嚢の潤
滑用滑液の代替手段として用いることもできる。
【0022】酸化メチルセルロースフィルムを生成する
には、置換率1.65〜1.92のダウケミカル社製ME
THOCEL AポリマーのグレードA15LV,A4C,A15CあるいはA4
M のようなメチルセルロースを140°Fで水に溶解
し、濃度を0.5〜15容%w/wとする。この溶液
は、平らな表面上に、名目の厚さが5/1000〜200/1000イ
ンチとなるようにキャスティングする。透明で可撓性の
フィルムは、二酸化窒素ガスを使うときは、気相で酸化
されるか、または、二酸化窒素を四塩化炭素やフレオン
113 のような不活性溶媒に溶解した溶液によって酸化さ
れるか、のいずれかによって酸化される。好ましい気相
による酸化においては、メチルセルロースフィルムは、
中の空気を二酸化炭素を激しく流入させて置き換えた樹
脂製のかまの中に入れる。そして、フィルムの重量の1
〜3倍の冷却した二酸化窒素を、サイドアームを介して
先のかまに連結した小型のフラスコに入れる。フラスコ
内の二酸化窒素ガスは、かまの中にゆっくりと蒸発さ
せ、フィルムを展開する。このかまには、圧力の増加を
防ぐため、大気中に排気口を有する冷却した凝縮器を取
り付ける。メチルセルロースフィルムは、2〜48時
間、好ましくは4〜16時間、二酸化窒素に曝す。この
二酸化窒素への暴露の終わりに、かまを窒素ガスの激し
い流れに曝して、過剰の二酸化窒素ガスを洗い流し、フ
ィルムを取り出す。酸化フィルムは、90%のイソプロ
パノール溶液で数回洗浄して、付着していた酸化剤を除
去する。
【0023】得られた透明で可撓性のフィルム材料は、
0.5NのNaOHに溶解して、生体吸収性となりそう
な薄い水溶液となることが分った。酸化フィルムはま
た、水に溶解して、粘性の酸性溶液になった。本発明に
係る酸化メチルセルロースは、3〜8%のカルボン酸部
分に特徴を有する。酸化フィルム材料はついで、γ線照
射(1.8MRad)によって殺菌した後、ラットの皮下に
埋め込む。埋め込み後10日目および20日目に、埋め
込み場所を拡大観察すると、試験材料を埋め込んだ8匹
のラットのいずれにおいても、埋め込んだことは分らな
くなっていた。気泡質の拡大観察による評価によれば、
試験材料は、皮下の埋め込み部位から急速に消失したと
結論づけられる。手術後10日目においても、試験材料
は特異なあるいは予期しない気泡質を生じさせはしなか
った。酸化メチルセルロースの殺菌済みフィルムは、心
臓の周囲あるいは腹部での癒合を防止する能力があるか
試験した。
【0024】また、酸化メチルセルロースフィルムは、
布、例えば酸化再生セルロース製の布、あるいはラクチ
ドグリコリドコポリマー製の吸収性メッシュに含浸させ
ることもできる。
【0025】酸化メチルセルロースゲルを調製するに
は、置換率1.65〜1.92のダウケミカル社製METH
OCEL A4C,15-LVあるいはA4M のようなメチルセルロース
パウダーを、皿の上に、厚さ2〜8mmで均一に広げる。
皿は、窒素ガスの流れに曝して酸素を追い出したチャン
バの中に入れる。そして、窒素酸化物を吸収する苛性ア
ルカリトラップに排出口を有するチャンバ内に、メチル
セルロースパウダーの重量の1/2ないし3倍の四酸化
窒素ガスを導入する。四酸化窒素に曝すのは、2〜48
時間行う。四酸化窒素への暴露の後は、容器は窒素でパ
ージし、酸化パウダーを70〜90%のイソプロピルア
ルコールで洗浄した後空気乾燥する。この他、メチルセ
ルロースパウダーは、フレオン113 のような不活性な液
体中で懸濁させてもよい。四酸化窒素はこの液体に溶解
するが、懸濁液は2〜48時間撹拌する。酸化パウダー
は、反応の終わりに濾過によって不活性な液体から分離
され、70〜90%のイソプロピルアルコールで洗浄す
る。メチルセルロースの場合、酸化パウダーは、0.5
〜10%の濃度で水に溶解し、粒子分をいくらか取り除
くことができる。得られた溶液は、そのまま使うか、あ
るいは凍結乾燥して試験用のガーゼをつくる。
【0026】カルボキシメチルセルロースと一酢酸セル
ロースも、二酸化窒素の働きを通じて生体吸収性ポリマ
ーに転換可能な水溶性セルロース誘導体である。酢酸セ
ルロースは、アセテートの置換率が1より低い場合には
水溶性である。このような水溶性ポリマーはCelanese社
から入手できるが、このポリマーは、置換率が2以上で
引張り強度のある布をつくるのに用いられるより一般的
な非水溶性の酢酸セルロースとは区別しなければならな
い。カルボキシメチルセルロースは、アクアロン(Aqua
lon)により置換率が0.38〜1.45である数種類の
グレード(すべてのグレードが水溶性である)が製造さ
れる。カルボキシメチルセルロースあるいは酢酸セルロ
ースが二酸化窒素で酸化される場合、得られる酸化材料
は非水溶性であるが、pHが7を超える水溶液には溶解
して、薄くて低粘度の溶液となるが、この溶液は、酸化
ポリマーが分解しており、アルカリに対する感度がある
ことを示す。
【0027】カルボキシメチルセルロースと酢酸セルロ
ースは、ポリマーの薄い水溶液から、フィルムやガーゼ
に形づくることができる。カルボキシメチルセルロース
あるいはセルロースモノアセテートの薄い水溶液を、延
伸ナイフでガラス板あるいはプラスチック板にキャステ
ィングすると、乾燥時にはフィルムとなる。濃度0.5
〜3%の薄い水溶液を凍結乾燥すると、これらポリマー
のガーゼが得られる。フィルムとガーゼは、二酸化窒素
ガスで16時間以上かけて酸化すると、今度は非水溶性
でかつ生体吸収性の対応する酸化ポリマーを得ることが
できる。酸化カルボキシメチルセルロースまたは酸化酢
酸セルロースのフィルムやガーゼは、γ線を照射して殺
菌することができる。これら生体吸収性の医療用具は、
薬剤や癒合防止バリヤおよび手術中の止血を補助する吸
収性止血材の良質な送給システムとなる。
【0028】酸化可能な他のセルロース誘導体には、エ
チルセルロースがある。Hercules社から入手できるエチ
ルセルロースポリマーは、DSが2.46で、セルロー
ス鎖上にある相当量の第一および第二ヒドロキシル基を
酸化して生体吸収性(0.5%Nの水酸化ナトリウムに
溶解することによって証明される)にするのに十分であ
る。しかし、もし置換率0.3〜1.0のエチルセルロ
ースを四酸化窒素で酸化する場合は、生体吸収性の酸化
セルロース誘導体に転換できる。
【0029】〈実施例〉実施例1〜5は、セルロース誘
導体を気相において二酸化窒素に曝すことによって酸化
する方法を示す。酸化はまた、米国特許第5,180,398号
(Boardman外)にあるPF5060のような適当な溶媒に溶解
ないし担持された二酸化窒素に曝すことによっても達成
できる。生成物が洗浄工程で溶解しないよう、洗浄用の
溶媒中における水の量は、50%未満にし、溶媒中の残
りはイソプロピルアルコールのようなアルコールにす
る。
【0030】〔実施例1〕酸化メチルセルロース溶液の調製 ダウケミカル社製のMETHOCEL A4Mを25g、3%の溶液
をつくるため808gの蒸留水に溶解した。溶液は、ト
レーに注ぎ、ガーゼをつくるために凍結乾燥する。得ら
れたガーゼは小片に切断し、樹脂製のかまの中に置く。
かまは、窒素ガスを5分間激しく流すことによって、中
の空気を置き換える。そして、このかまにサイドアーム
を介して接続したフラスコに、冷却した二酸化窒素15
gを注ぎ、24時間かけて二酸化窒素ガスをガーゼの小
片中に拡散させた。この拡散が終わったら、ガーゼの小
片をかまから取り出し、ガス抜きをした。この後、ガー
ゼ小片は、90%のイソプロピルアルコールと10%の
水の混合液1lを各回に使って、3回洗浄した。そし
て、ガーゼは、100%のイソプロピルアルコールを使
って乾燥させた。続いて、乾燥した酸化セルロース製ス
ポンジ25gを2475gの蒸留水に溶解し、不溶物を
濾過によって取り除いた。この溶液のpHは2.3であ
った。この透明な溶液は、トレーに注いで凍結乾燥させ
た。乾燥ガーゼ小片0.5gを0.5NのNaOH10
mlに溶解し、含有するカルボン酸の割合を調べるため滴
定した。この結果、この試料は、7重量%のカルボン酸
を含有することが判明した。
【0031】このガーゼ小片10gを、115gの水に
溶解して8%の溶液をつくった。この粘性溶液は、腹部
と骨盤の癒合を防止するのに使うことができる。
【0032】〔実施例2〕酸化メチルセルロースフィルムの形成 ダウケミカル社製のMETHOCEL A4Mの3%水溶液をガラス
板上に注ぎ、延伸ナイフセットで厚さ25ミル(mil)に
引き伸ばした。引き伸ばしたフィルムは、一晩乾燥さ
せ、翌日にガラス板から取り外して厚さ3ミルのフィル
ムを得た。このフィルムを3g、樹脂製のかま内に置い
た。このかまは、窒素ガスを中に激しく流すことによっ
て、中の空気を置き換えて置いた。そして、このかまの
頭部に、サイドアームを介して、冷却した液体二酸化窒
素2gを収めたフラスコを接続した。この後、フィルム
を酸化するため、16時間かけて二酸化窒素ガスをかま
内に拡散させた。この拡散が終わったら、フィルムをか
まから取り出し、90%のイソプロピルアルコールと1
0%の水の混合液を使って洗浄し、フィルムから残留す
るガスを除去した。このフィルムは、γ線を使って殺菌
し、癒合防止用のバリヤとして使用できる。続いて、フ
ィルム片0.5gを0.5NのNaOH10mlに溶解
し、透明で低粘度の、生体吸収性を有しそうな溶液を得
た。次に、もう一枚のフィルム片0.5gを10mlの水
に溶解し、やや高粘度の溶液を得た。この溶液から得ら
れるフィルムも、γ線を使って殺菌し、癒合防止用のバ
リヤとして使用できる。
【0033】〔実施例3〕酸化カルボキシメチルセルロースガーゼの形成 アクアロン(Aqualon)のカルボキシメチルセルロースの
7HFグレード(置換率0.65〜0.90)を10
g、2%溶液をつくるため、490gの水に溶解した。
溶液は、3インチ×4インチのトレーに、約1/4イン
チの深さとなるように注いだ。溶液は、凍結乾燥機の棚
の上で凍結させ、完全に凍結したら、真空ポンプのスイ
ッチを入れて、100mTorr の真空を形成する。凍結乾
燥機の棚の温度は15℃に調節し、凍結乾燥は20時間
かけて行った。凍結乾燥が終わったら、トレーを凍結乾
燥機から取り出し、カルボキシメチルセルロース製のガ
ーゼを各トレーから得た。これらのガーゼは柔らかかっ
たが、依然として水溶性であった。全部で約10gとな
るこれらのガーゼは、サイドアームを介して小フラスコ
に連結された樹脂製のかま内に置いた。かまは数分間窒
素ガスの急流で洗い、ついで10gの冷却した二酸化窒
素を先の小フラスコに注ぎ、カルボキシメチルセルロー
ス製ガーゼを収めたかまの方へゆっくりと拡散させた。
二酸化窒素ガスに20分間曝した後、ガーゼをかまから
取り出し、1lのイソプロピルアルコール−水混合液
(混合比50:50)で洗浄した。この洗浄は2回行っ
た。ガーゼはついで、流水源の下でトレーに置き、水で
5分間洗浄した。次に、ガーゼは、100%のイソプロ
ピルアルコール1lで洗浄した後空気乾燥したが、凍結
乾燥にかけることもできる。ガーゼ製造のため凍結乾燥
するときは、乾燥は完全に行うことが好ましい。さもな
いと一旦形成したガーゼが大気から湿分を再吸収するお
それがある。
【0034】酸化カルボキシメチルセルロース製のガー
ゼは、もはや水溶性ではない。しかし、1gを、0.5
Nの水酸化ナトリウム溶液10mlに溶解したところ、ご
く低粘度の透明な溶液が得られ、酸化カルボキシメチル
セルロース製ガーゼは、pHが高い水酸化ナトリウム溶
液中では分解することを示した。このガーゼをカルボン
酸含量をみるため滴定したところ、酸化の後にはより多
くの酸基が存在していることが示された。環状酸化だけ
によるカルボン酸含量の増加は、6%である。ガーゼ
は、柔らかく、微細な径の穴を有して、自身の重量の1
5倍の水を吸収する。ガーゼはγ線照射で殺菌すること
ができ、殺菌後にラットの皮下に埋め込んだガーゼは、
10日間は吸収を続け、組織に肉眼で認められる反応は
起こらなかった。酸化カルボキシメチルセルロース製ガ
ーゼは、止血効果に優れる。ブタの脾臓切開モデルで試
験したところ、これらのガーゼは、酸化セルロース布(S
URGICEL)が止血に6.5分間かかったのに比べ、平均で
2.5分間後には止血効果を示した。酸化カルボキシメ
チルセルロースのガーゼはまた、避妊用の隔膜や薬剤送
給系として腫瘍床を充填したり、創傷部を被覆するため
にも用いることができる。この方法は、酸化メチルセル
ロース製ガーゼの製造には好ましいものである。
【0035】〔実施例4〕酸化カルボキシメチルセルロースフィルムの形成 カルボキシメチルセルロース溶液を延伸ナイフでガラス
板上にキャスティングし、二酸化窒素ガスに曝せば酸化
可能なフィルムとなるよう、乾燥させた。酸化カルボキ
シメチルセルロースのフィルムは、癒合を防ぐ生体吸収
性バリヤとして用いることができる。
【0036】カルボキシメチルセルロース(アクアロン
(Aqualon)のグレードが7MFのもの;DSが0.9
0)の3%水溶液を調製してガラス板上にキャスティン
グし、延伸ナイフセットで厚さ30ミルに引き伸ばし
た。引き伸ばしたフィルムは、一晩乾燥させた。つい
で、乾燥したフィルム(3g)を、樹脂製のかま内に置
いた。このかまは、内部に窒素ガスを5分間激しく流す
ことによって、中の空気を置き換えて置いた。そして、
このかまに、サイドアームを介して、冷却した二酸化窒
素3gを収めたフラスコを接続した。この後、液体二酸
化窒素を気化させ、カルボキシメチルセルロースフィル
ムを収めたフラスコに拡散させた。フィルムは20時
間、二酸化窒素ガスに曝した。この拡散が終わったら、
フィルムをかまから取り出し、洗浄水のpHが3より大
きくなるまで水で洗浄した。フィルムはイソプロピルア
ルコールまたはアセトンで乾燥させた。フィルムのいく
つかは、10%のグリセリンで可塑化させ、乾燥フィル
ムに可撓性を与えた。フィルムは水容性ではないが、水
酸化ナトリウムに溶解する。カルボン酸含量測定のため
滴定したところ、26重量%のカルボン酸を含むことが
分った。環状酸化によるカルボン酸含量の増加は7%で
ある。このフィルムは、ラットの皮下に埋め込んでから
10日以内に吸収された。これらの生体吸収性フィルム
は、癒合を防止する上で良好なバリヤとなる。
【0037】〔実施例5〕酸化酢酸セルロース療具の製造方法 Celanese社から入手した水溶性一酢酸セルロースの2%
水溶液を調製し、トレーに注いだ。溶液は凍結乾燥機内
で24時間かけて凍結乾燥した。その結果、白色で柔ら
かいガーゼが得られた。ガーゼ(3g)は、サイドアー
ムでフラスコに連結された樹脂製のかまに入れた。かま
は5分間窒素ガスで洗い流した。ついで、フラスコには
3gの冷却した二酸化窒素を充填し、この液体二酸化窒
素は気化させて酢酸セルロース製ガーゼに拡散させた。
二酸化窒素ガスに20時間曝したら、ガーゼを取り出
し、このガーゼを洗浄水のpHが3を超えるまで水で洗
浄した。ガーゼは、1リットルのイソプロピルアルコー
ルで2度洗浄した。ガーゼは、白色で柔らかく、非水溶
性であった。このガーゼは、水酸化ナトリウムに溶解
し、カルボン酸基の含量を測定するため滴定したとこ
ろ、それは13.3%であることが分った。ガーゼの止
血効果をみるため試験したところ、ブタの秘蔵切開モデ
ルにおいては、酸化セルロース布(SURGICEL)が同じ試験
で6分間かかったのに比べ、6回の平均で3分で止血効
果を発揮することが分った。
【0038】酢酸セルロースフィルムはまた、ポリマー
の水溶液をガラス板上にキャスティングした後、溶液を
乾燥させることによっても調製できる。そして、この酢
酸セルロースフィルムをガスによって酸化しても、もは
や水溶性でなくなった酸化酢酸セルロースフィルムを製
造することができる。酸化酢酸セルロースは、生体吸収
性の材料で、止血材、創傷用包帯、癒合防止用バリヤ、
および薬剤放出制御装置として機能し、その他生体吸収
性の装置が必要とされる場で医療目的に使用される。
【0039】〔実施例6〕複合酸化メチルセルロースの生成と酸化セルロース布の
形成 ダウケミカル社のMETHOCEL A15LV(置換率1.65)に
よるメチルセルロースパウダー1.0gを30gの水に
95℃の温度下で分散させ、濃度1.0%の希釈水溶液
を調製した。分散・混合は、すべての粒子が完全に湿潤
するまで続けた。この分散液には、冷水69gを添加
し、すべてのパウダーが溶解して粘度が増加するまで、
撹拌を継続した。
【0040】レーヨンの編布片5gをMETHOCEL A15-LV
の溶液に20秒間浸漬した後、取り出して乾燥させた。
この一旦含浸した布を乾燥したものの重量は5〜25g
であり、メチルセルロースの含浸率は5%であった。
【0041】乾燥メチルセルロース含浸布を、窒素ガス
で空気を置き換えた樹脂製のかまに入れ、ついで15g
の二酸化窒素ガスに16時間さらした。この後、かま
は、窒素を使って過剰の二酸化窒素をパージし、酸化剤
である二酸化窒素は、二酸化窒素を中和するための苛性
アルカリトラップに追いやった。ついで、かまから布を
取り出し、300mlのイソプロピルアルコールで数回洗
浄して付着した酸化剤を除去した。布はついで、空気乾
燥させた。布のカルボン酸含量を調べるため、試料を滴
定したところ、18%の含量が認められ、またこの布は
0.5Nの水酸化ナトリウムに完全に溶解した。酸化セ
ルロース布を酸化メチルセルロースに含浸した酸化複合
物は、手術後の癒合を防止するのに用いることができ
る。
【0042】〔実施例7〕複合酸化カルボキシメチルセルロースの生成と酸化セル
ロース布の形成 アクアロン(Aqualon)のカルボキシメチルセルロース
(グレード9M8;置換率0.8〜0.95)の2.5
%水溶液を、レーヨン織布上にキャスティングし、布の
多数の孔がカルボキシメチルセルロースの薄膜によって
ブリッジされるよう、延伸ナイフで引き伸ばし、織布の
表面上で乾燥させた。この表面にカルボキシメチルセル
ロースの薄膜を形成した乾燥レーヨン織布(総重量10
g)は樹脂製のかまに入れた。このかまは、磁気撹拌棒
と、かま内の圧力増加を防止するため苛性アルカリ浴に
排気される凝縮器を具備する。また、このかまの頭部に
はサイドアームが取り付けられ、かまはこのアームを通
して、15gの冷却した二酸化窒素を収納した小型のフ
ラスコにつながる。フラスコ内の二酸化窒素は、徐々に
蒸発してかまに至り、レーヨン織布とCMC膜の複合物
を覆う。こうして複合物を20時間かけて酸化したら、
過剰のガスを窒素とともに追い出し、布はかまから取り
出して、500mlのイソプロピルアルコールで数回洗浄
する。次に、布は空気乾燥し、小片の試料をカルボン酸
含有量測定のため滴定したところ、20%のカルボン酸
を含有することが分った。酸化を終えた試料は、0.5
Nの水酸化ナトリウムに完全に溶解した。酸化レーヨン
織布表面上の酸化CMCフィルムは、剥すのが困難であ
った。ラットの皮下に埋め込んだところ、この布とCM
Cフィルムの複合物は、組織反応の誘発は最小にとどめ
たまま、28日以内に吸収された。この複合物は、手術
後の癒合を防止するために用いることができる。
【0043】〔実施例8〕酸化メチルセルロースパウダーあるいは酸化カルボキシ
メチルセルロースパウダーの調製 カルボキシメチルセルロースあるいはメチルセルロース
パウダーのスラリーを四塩化炭素のような不活性溶媒中
で形成した。このスラリーは、不活性溶媒中で2〜48
時間、好ましくは4〜16時間二酸化窒素の溶液に曝し
た。この工程後、酸化メチルセルロースあるいは酸化カ
ルボキシメチルセルロースのパウダーは溶媒から濾過
し、90%のイソプロピルアルコールと10%の水ある
いは90%のアセトンと10%の水の混合液で洗浄して
過剰の二酸化窒素ガスを除去した。酸化メチルセルロー
スあるいは酸化カルボキシメチルセルロースのパウダー
は、100%のアセトンあるいは100%のイソプロピ
ルアルコールで乾燥させ、白色粉末を得た。酸化メチル
セルロースの粉末は水溶液にすることができ、濾過すれ
ば不溶性の物質を除去できる。濃度0.5〜5%の酸化
メチルセルロース溶液は、キャスティングブレードを使
ってガラス上にキャスティングし、フィルムに乾燥させ
ることができる。またこの水溶液は、凍結乾燥してガー
ゼにすることもできる。酸化メチルセルロースポリマー
はまた、水溶液を、ポリマーの溶媒にはならないアセト
ンあるいはイソプロピルアルコールに注ぎ、水溶液から
沈殿させることもできる。生体吸収性のグラブ用潤滑
剤、器具用の潤滑剤および成形品剥離剤もこの方法で製
造することができる。
【0044】〈実験方法〉すべての実験動物はランダム
に処理グループに区分けし、擦過傷のときにだけ外科医
にみせた。評価はすべてブラインドベースで行った。
【0045】ウサギの心臓周辺の癒合モデル 白いニュージーランドウサギに麻酔をかけ、胸骨の間に
メスを入れてその胸郭を切開する。心膜も同様に切開
し、ガーゼ片を巻いた人差し指で、心臓の前面を40回
擦る。本発明のような吸収性の布あるいはバリヤを用い
る場合は、楕円片(長軸が約3インチで短軸が約2イン
チ)を擦った前面に当てがい、所望ならば心膜に縫合す
る。胸郭は複数の層で閉じ合わせる。
【0046】23ないし30日後に、ウサギは死なせ、
心臓前面と胸骨上面の間の癒合を評価した。すなわち、
心臓前面の頂部から底部にかけて延びる幅1cmの試験片
が癒合したパーセンテージを推定した。この試験片は、
胸骨と密着する心臓面の代わりとなる。すなわち、心臓
面と胸骨は癒合を起こしやすく、外科医に胸郭再手術の
問題を引き起こしている。
【0047】ウサギの子宮角モデル ウサギの子宮角癒合モデルは、Linsky外(Linsky CB,Dia
mond MP,Cunningham T,Constantine B,DeCherney AH,di
Zerega G.),「Adhesion reduction in the rabbit uteri
ne horn model using an absorbable barrier-TC7」, J.
Reprod. Med.第32巻,第17〜20頁(1987年)
に記載されている要領で実施した。適当な麻酔および無
菌技術の下、メスの白いニュージーランドウサギ(2〜
2.6kg)を使い、腹面の中央線に沿って腹部を切開し
た。10番メスブレードを用いて、各子宮角の両側に、
子宮の分枝部から約1cmの箇所から始まる長さ5cmの引
っ掻き傷を20回つけた。止血はタンポンで行い、創傷
部は複数の層で閉じ合わせた。ウサギは2週間後に安楽
死させ、以下の標準システムに従って、癒合をブライン
ドベースで評価した。
【0048】癒合の程度は、癒合を起こした子宮角の長
さを測定して定量化した。定量に当っては、以下の階級
を割り当てた: 0=癒合なし 1=癒合が25%の創傷部 2=癒合が50%の創傷部 3=癒合が100%の創傷部(すなわち5cmの長さすべ
てにわたって癒合を生じているもの)
【0049】癒合の強さについては、以下のような階級
を割り当てた: 0.0=分離するのに抵抗がない 0.5=分離するのになまくらな切開が必要 1.0=分離するのに鋭利な切開が必要 癒合の強さと程度の最大値は4とした。
【0050】〈実験結果〉心臓癒合モデル メチルセルロース(ダウケミカル社のA15Cグレード)の
フィルムを四酸化窒素ガスに曝して、気相中で酸化し
た。洗浄とγ線照射による殺菌を行った後、このフィル
ムは、生理食塩水で湿潤させ次にINTERCEED(R)(TC7) 吸
収性癒合バリヤシートに押しつけて、ウサギの心臓癒合
モデルにおいて試験した。この複合フィルムの楕円片
(長軸が約2インチで短軸が約1インチ)を心臓の前面
にあてがった。4週間後に癒合の程度を評価したとこ
ろ、癒合の形成が顕著に減少することが認められた。
【0051】 動物番号 癒合割合(%) 参照例(無処理) 217.03 100 218.33 100 218.49 80 218.04 90 平 均 92.5 標準偏差 9.57 標本数 4 INTERCEED (登録商標) 217.04 50 バリヤを酸化メチルセル 217.02 100 ロースで被膜したもの 219.53 80 218.32 15 218.03 10 平 均 51 標準偏差 39.4 標本数 5
【0052】酸化メチルセルロース/INTERCEED バリヤ
の複合フィルムを用いたものについてStudent のt検定
を行ったところ、癒合形成において統計的に有為な減少
(P<0.05)が認められた。多数の実験から得られ
た結果によれば、癒合を表すスコアの平均は約80%で
あった。
【0053】ウサギ子宮角モデルにおける酸化メチルセ
ルロース(OMC)ゲル メチルセルロースパウダー(ダウケミカル社製のMETHOC
EL A4Mグレード)を気相中で酸化し、ドライアイス上で
γ線照射(1.8MRad) により殺菌した。この殺菌済みの材
料7.5gに、同じく殺菌にした水115mlとグリシン
ナトリウム3mlからなる緩衝液(5%w/v)を加え
た。徐々に溶解する非酸化材料とは違って、酸化メチル
セルロースパウダーは、1分間振盪すれば、急速かつ容
易に溶解して粘性の溶液を生成する。
【0054】比較のため、カルボキシメチルセルロース
(CMC)ナトリウムの2%w/w溶液を混合器を使っ
て調製した。カルボキシメチルセルロースナトリウム
は、激しく撹拌した後にのみ溶液を生成する非分解性の
材料である。カルボキシメチルセルロースは、癒合の形
成を抑えることがすでに分っているため(米国特許第5,
156,839 号(1992年10月20日発行;Pennell P
E, Blackmore JM, AllenMD.,発明の名称「脊椎その他の
手術と治療における粘弾性流体とその使用方法」、Diam
ond,M.P., DeCherney,A.H., Linsky,C.B.,Cunningham,
T., Constantine,B.,「Assessment of carboxymethylcel
lulose and 32% dextran 70 for prevention of adhesi
ons in a rabbit uterine horn model」, Int.J.Fert.
第33巻,第278〜282頁(1998年))、正の
制御用に用いた。
【0055】カルボキシメチルセルロース溶液と酸化メ
チルセルロース溶液は、比較的粘性を有する。そして、
標準的なウサギ子宮角モデル試験を実施した。腹部を閉
じ合わせる直前に、酸化メチルセルロースあるいはカル
ボキシメチルセルロースの20ml溶液を腹腔に染み込ま
せた。二週間後に、癒合をブラインドベースで試験し
た。
【0056】 癒合がない個体の割合 N P 参照例 17 12 カルボキシメチルセルロース(非分解性) 42 12 0.0331 酸化メチルセルロース(分解性) 50 20 0.0055 N=評価した子宮角の個数 P=χ2 検定による末尾の確率
【0057】この結果は、酸化メチルセルロースの分解
可能なゲルは、カルボキシメチルセルロースの効果に匹
敵する程度に癒合を減らす能力があることを示してい
る。
【0058】本発明は、従来の技術に比べてたくさんの
利点を有する。例えば、セルロース誘導体に関するこれ
までの技術では、加水分解されずに多分排泄あるいは内
皮系からは隔離されるセルロース誘導体に限られてい
た。本発明の材料は、同じような化学・物理特性を与え
ながら、簡単な加水分解によって排泄可能な小片に分解
する。
【0059】本発明の材料は、フィルムあるいはシート
の形状にすると、癒合の防止あるいは止血材として有用
になる。この材料はまた、止血材として使用するとき
は、ガーゼ形状にすることもできる。しかし、体内の特
定の場所に配置された酸化メチルセルロースのガーゼ
は、迅速に溶解して保護ゲルになる。これらのガーゼは
また、自身の重量の何倍もの生理食塩水を吸収するた
め、滲出性の傷から出てくる流体を吸収させるのに用い
ることもできる。フィルムあるいはガーゼは、創傷を保
護し、治癒のために湿潤性の環境を与える一次的な創傷
用包帯として使用することができる。
【0060】本発明の材料はすべて、材料を殺菌性にす
る酸基を有する。これは、感染を減少させる上では顕著
な利点となる。酸基はまた、薬剤を放出制御するための
母材を提供すべく、この材料をある種の薬剤と結び付く
のに適したものにする。例えば、成長因子は、酸基に結
合し、ついでイオン交換あるいはポリマーの分解により
体腔に放出される。
【0061】本発明に係る材料の粘弾性は、この材料を
癒合の防止あるいは酸基との結合による薬剤の放出制御
に使用可能なものにするだけでなく、その他多くの用途
に使用可能なものにする。本発明に係る材料の溶液ある
いはシートの粘弾性は、それだけで薬剤の放出制御にと
って有用である。さらに、本発明に係る材料は、手術具
あるいは手術用手袋のための分解性の手術用潤滑剤とし
て使用可能である。これら分解性の材料を医療用具の型
剥離材あるいは手術用手袋の潤滑剤パウダーとして使用
できるのは、嫌う人もいるタルクあるいはデンプンを用
いるよりも大きな利点となる。酸化メチルセルロースあ
るいは酸化カルボキシメチルセルロースのパウダーは、
実施例8に記載したスラリー法で調製できる。
【0062】本発明の材料は、天然物あるいは発酵によ
って得られるため、性質を特定するのが困難であるかま
たはそれに費用がかかる他の材料と同じような性質を有
する。このような材料には、ヒアルロン酸、ヘパリン、
硫化コンドロイチンおよびデキストランがある。こうし
て、本発明の比較的安価で標準化が容易な材料は、血液
膨脹剤、眼および整形外科の手術における粘弾性補助
材、ならびに組織増加物として使用できる。これらの材
料は、放射線照射によって殺菌できる。
【0063】本発明に係る材料の性質をより磨き上げ、
またこの材料に特定の薬剤を共有結合その他によって結
合させるには、業界で知られている架橋法や誘導法を用
いることができる。酸化セルロース誘導体に、ジメチロ
ールウレア(ビス(N−(ヒドロキシメチルウレ
ア)))dimethylolurea(bis(N-hydroxymethyl urea))
、ジビニルスルホン(divinyl sulfone)等の架橋材を
使用すると、生体吸収性の速度を低下させ、体内に長く
とどまるようにできる。一定の場合、この性質は、その
効果を増大させる。酸化メチルセルロースのいくらか架
橋したゲルは、何も架橋しないゲルに比べて強度が高
く、いくぶん固めである。
【0064】本発明に係る酸化材料は、薬剤の送給媒体
としても用いることができ、またそれ事態も薬理学的効
果を有する。以下の実験においては、血管に傷が生じた
後の再狭窄の制御について、酸化再生セルロース自体お
よびヘパリンに含浸したときの効果を調べた。他の酸化
セルロース材料についても同様の結果が予想される。
【0065】麻酔をかけたラットの頚動脈部から、内皮
を剥離した。ついで、傷をつけた血管の一部は、INTERC
EED 酸化再生セルロースあるいは米国薬局方によるヘパ
リンナトリウム注射液400Uにそのまま含浸したINTE
RCEED の小片で包んだ(第1、第2グループ)。第3の
グループは、傷をつけた後に何も処理をしなかった。第
4のグループは、傷の周りに400Uのヘパリンを注射
した。各グループは5匹のラットで構成した。測定は、
手術後20日経過して回復した動脈断面の管腔、内部お
よび中膜の領域で行った。
【0066】結果は以下の通りである。ここで数値は平
均値(μm2単位)である。 中膜 中部 管腔 出血 参照例 194,517 268,672 380,241 無 INTERCEED のみ 225,146 161,011 549,936 無 INTERCEED とヘパリン 218,260 107,529 630,026 小さな血腫 ヘパリンだけ 出血死
【0067】ヘパリンだけで処理した2匹のラットは、
出血死した。したがって、このグループは完全ではな
い。しかし、同じ量のヘパリンにINTERCEED で処理した
ラットの場合は、数匹に小さな血腫が見られただけとい
う事実は、INTERCEED の存在下においては、ヘパリンは
埋め込み場所で隔離されたということを示している。
【0068】血管の手術につきものの内皮の破断は、そ
の場で血栓症と再狭窄を引き起こすことがある。これ
は、血管の手術においては大きな問題である。この問題
の解決手段としてヘパリンのような薬剤を全身に送るの
は、高レベルの投与量が要求されるため、満足できる手
段ではない。このため、局所的に送給するのが好ましい
方法である。本発明者らが得た結果によれば、ヘパリン
に含浸した酸化再生セルロースは、ヘパリンを制御しな
がら局所的に送給し、動脈への外傷による影響を顕著に
減少させた。
【0069】酸化再生セルロースだけでも、参照例に対
してはかなりの効果を発揮し、この酸化再生セルロース
はそれだけでも薬理学的な活性を有することを示した。
【0070】以上、本発明を特定の態様に関連して説明
してきたが、これは説明のためのもので、本発明を制限
する意図でなしたものではないこと、ならびに本発明の
特許請求の範囲は、従来技術との関連においてできるだ
け広く解すべきであることに留意されたい。
【0071】生体吸収性ポリマーを生成するためのセル
ロース誘導体の酸化は、ここで述べた実施例に限定され
るものではなく、セルロース環に結合する脂環族を含む
他の誘導体にも拡張することができる。
【0072】本発明の具体的な実施態様は以下の通りで
ある。 (1)前記生体吸収性材料は、ゲルを形成するのに十分
な量の水または生理学的に受容可能な緩衝液を含む請求
項1記載の材料。 (2)二酸化窒素および四酸化窒素からなる群より選ば
れる酸化剤の存在下でメチルセルロースを酸化すること
によって形成される請求項1記載の材料。 (3)酸化メチルセルロース中のカルボン酸含量は約3
〜10%である請求項1記載の材料。 (4)前記材料は無菌性である請求項1記載の材料。 (5)前記材料はゲルを形成するのに十分な量の水を含
み、前記水と酸化メチルセルロースのゲルは、第2の生
体吸収性材料から形成される布に含浸させる請求項1記
載の材料。 (6)前記第2の生体吸収性材料は酸化セルロースであ
る上記実施態様(5)記載の材料。
【0073】(7)前記多糖類は、エチルセルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよび
酢酸セルロースからなる群より選ばれる請求項2記載の
材料。 (8)前記多糖類は、置換率0.38〜1.45のカル
ボキシメチルセルロースを含む上記実施態様(7)記載
の材料。 (9)前記セルロース構造体の第一アルコールの酸化に
よるカルボン酸含量は3〜12重量%である上記実施態
様(8)記載の材料。 (10)前記材料はフィルム形状をしており、この酸化
フィルム材料は、可撓性を与えるため、グリセロール、
プロピレングリコールなどの多価アルコールで可塑化さ
れている請求項2記載の材料。 (11)前記多糖類はメチルセルロースを含む請求項2
記載の材料。 (12)前記多糖類は酢酸セルロースを含む請求項2記
載の材料。
【0074】(13)前記多糖類は、デンプン、アルギ
ネート、グアー、コンニャク、デキストリン、プルスツ
ランおよびシクロデキストリンを含む請求項2記載の材
料。 (14)前記材料は無菌性である請求項2記載の材料。 (15)前記材料はフィルム形状である請求項2記載の
材料。 (16)前記材料はゲルである請求項2記載の材料。 (17)前記材料は、凍結乾燥したガーゼ形状である上
記実施態様(7)記載の材料。 (18)前記方法はさらに前記生体吸収性材料を殺菌す
る工程を含む請求項3記載の方法。 (19)前記酸化工程は、セルロース誘導体を、二酸化
窒素および四酸化窒素からなる群より選択される酸化剤
に接触させる工程を含む請求項3記載の方法。 (20)前記セルロース誘導体は、エチルセルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよび
酢酸セルロースからなる群より選ばれる請求項3記載の
方法。
【0075】(21)前記セルロース構造体の第一アル
コールの酸化によるカルボン酸含量は3〜12重量%で
ある請求項3記載の方法。 (22)前記セルロース誘導体は、置換率0.38〜
1.45のカルボキシメチルセルロースを含む上記実施
態様(20)記載の方法。 (23)前記セルロース誘導体は、置換率0.3〜1.
0のエチルセルロースを含む上記実施態様(20)記載
の方法。 (24)前記セルロース誘導体は、置換率0.3〜1.
0の酢酸セルロースを含む上記実施態様(20)記載の
方法。 (25)前記セルロース誘導体は、置換率0.5〜1.
92のメチルセルロースを含む上記実施態様(20)記
載の方法。 (26)前記方法は、前記生体吸収性材料のゲルを形成
するのに十分な量の水または生理学的に受容可能な緩衝
液を含ませる工程を含む上記実施態様(25)記載の方
法。
【0076】(27)前記方法は、ゲルを生体吸収性の
基布に含浸させる工程を含む上記実施態様(24)記載
の方法。 (28)前記セルロース誘導体は、まず前記基布のセル
ロース布前駆体に含浸させ、ついで両者を一緒に酸化す
る上記実施態様(27)記載の方法。 (29)前記基布は、生体吸収性材料から形成される布
を含む上記実施態様(27)記載の方法。 (30)前記布の生体吸収性材料は、酸化セルロース、
ポリラクチド−コ−グリコリド(poly lactide-co-glyco
lide)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリ
アンヒドリド(polyanhydride)、ポリラクチド、ポリグ
リコリド、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、ポリホ
スパゼン(polyphospazene)、ヒアルロン酸、ポリオルト
エステルまたはこれらの組み合わせを含む上記実施態様
(29)記載の方法。 (31)前記基布は、酸化セルロースを含む上記実施態
様(29)記載の方法。
【0077】(32)前記方法はさらに、心臓の癒合を
防止するため、前記ゲルと基布を胸郭内に配置する工程
を含む上記実施態様(31)記載の方法。 (33)前記方法はさらに、癒合を防止するため、前記
ゲルあるいは基布を、骨盤、腹膜、頭骸骨その他の体
腔、あるいは腱、靱帯もしくは眼の周辺に配置する工程
を含む上記実施態様(26)記載の方法。 (34)前記方法はさらに、前記ゲルを、内視鏡の管を
通して体内の部位に適用する工程を含む上記実施態様
(26)記載の方法。 (35)前記酸化工程は、セルロース誘導体を、二酸化
窒素および四酸化窒素からなる群より選択される酸化剤
に接触させる工程を含む上記実施態様(25)記載の方
法。 (36)前記メチルセルロースは、酸化工程の前にガー
ゼ形状をしている上記実施態様(35)記載の方法。
【0078】(37)前記方法はさらに、前記酸化工程
の後に、メチルセルロースを、前記酸化剤は溶解するが
前記酸化メチルセルロースは溶解しない溶媒中で洗浄す
る工程を含む上記実施態様(36)記載の方法。 (38)前記溶媒は、イソプロピルアルコールと水から
なる群より選択される上記実施態様(25)記載の方
法。 (39)前記方法はさらに、酸化メチルセルロースの1
〜10%溶液を形成するため、前記酸化メチルセルロー
スを水に溶解する工程を含む上記実施態様(25)記載
の方法。 (40)前記方法はさらに、酸化メチルセルロース溶液
を形成するため前記酸化メチルセルロースを水に溶解す
る工程と、前記酸化メチルセルロース溶液をキャスティ
ングする工程と、このキャスティングした溶液をフィル
ムを形成するために乾燥する工程を含む上記実施態様
(25)記載の方法。 (41)前記方法はさらに、酸化メチルセルロース溶液
を形成するため前記酸化メチルセルロースを水に溶解す
る工程と、前記酸化メチルセルロース溶液をガーゼを形
成するために凍結乾燥する工程を含む上記実施態様(2
5)記載の方法。
フロントページの続き (72)発明者 ローウェル・セファスティン アメリカ合衆国、08820 ニュージャージ ー州、エジソン、ティンバー・ロード 3 (72)発明者 ステファン・ウォルフ アメリカ合衆国、08853 ニュージャージ ー州、ネスハニック・ステイション、テ ン・エイック・シティ 804

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化前の置換率が0.50ないし1.9
    2の酸化メチルセルロースを含む生体吸収性材料であっ
    て、前記酸化メチルセルロースが生体吸収性、かつ水溶
    性で、3〜10%が環状酸化されたカルボン酸部分を含
    む生体吸収性材料。
  2. 【請求項2】 酸化多糖類を含む生体吸収性材料。
  3. 【請求項3】 セルロース誘導体を含む多糖類を酸化し
    て生体吸収性材料を調製する工程と、前記生体吸収性材
    料を身体の癒合しやすい部位に適用する工程を含む癒着
    を阻む方法。
  4. 【請求項4】 セルロース誘導体をセルロース布に含浸
    させ、このセルロース誘導体とセルロース布の複合材料
    を酸化して生体吸収性材料を調製する工程と、前記生体
    吸収性材料を身体の癒合しやすい部位に適用する工程を
    含む癒着を阻む方法。
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