JPH1059956A - 新規イソフラボン誘導体及びその製造法 - Google Patents

新規イソフラボン誘導体及びその製造法

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JPH1059956A
JPH1059956A JP23863696A JP23863696A JPH1059956A JP H1059956 A JPH1059956 A JP H1059956A JP 23863696 A JP23863696 A JP 23863696A JP 23863696 A JP23863696 A JP 23863696A JP H1059956 A JPH1059956 A JP H1059956A
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JP23863696A
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Emiko Kinoshita
恵美子 木下
Yoshinori Ozawa
善徳 小澤
Tetsuro Aijima
鐵郎 相島
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Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】次式のイソフラボン誘導体またはその塩 【化1】 【効果】 本発明のイソフラボン誘導体は、潰瘍、アレ
ルギー疾患等の炎症疾患の原因となるヒスタミンの生合
成に関与するヒスチジン脱炭酸酵素に対し優れた活性阻
害作用を示し、副作用もない。また、本物質は、優れた
抗酸化活性をも有している。本物質は、医薬、抗酸化
剤、機能性食品等として大変有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒスチジン脱炭酸
酵素阻害活性等の薬効及び抗酸化活性を有する新規イソ
フラボン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の潰瘍、喘息性
気管支炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患は、生
体内の過剰なヒスタミンの生成により起こる炎症疾患で
ある。ヒスタミンは、ヒスチジンの脱炭酸反応により生
成する。この反応を触媒する酵素がヒスチジン脱炭酸酵
素(以下、「HDC」という)である。
【0003】上記の炎症疾患の治療薬としては、ヒスタ
ミンの生合成を阻害するもの、すなわちHDC阻害剤が
知られている。このような薬剤としては、(+)−カテ
キン、ヒスチジン誘導体、シアニダノール、トリトクア
リン等を挙げることができる。一方、抗酸化剤は、各種
工業製品及びその製造原料に添加して用いる添加剤とし
て、また、その抗酸化活性を利用する医薬・機能性食品
・化粧料等として広く用いられている。このため、優れ
た抗酸化剤の開発が、強く求められている。なお、本発
明でいう抗酸化剤とは、 (1)食品、医薬、化粧料、化学薬品等の各種工業製品
及びその製造原料に添加され、それらの酸化を防止し、
安定性や保存性等を向上させるために用いられる添加
物。 (2)生体内において抗酸化活性(例えば、フリーラジ
カル消去作用、脂質の過酸化防止作用、抗腫瘍作用等)
を示す医薬あるいは機能性食品として、種々の疾患或い
は皮膚障害等の予防・治療に用いられるもの。 (3)皮膚、粘膜、毛髪等の酸化を抑制するために用い
る化粧料或いは皮膚外用剤。 等として用いることのできる薬剤を意味する。なお、本
発明でいう医薬とは、薬事法上の医薬品及び医薬部外品
を意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規イソフ
ラボン誘導体を有効成分として含有する優れた医薬を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下式で表される新
規イソフラボン誘導体が、優れたHDC阻害活性及び抗
酸化活性を有することを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の一般式:
【0006】
【化2】
【0007】で表される新規イソフラボン誘導体または
その塩である。本発明のイソフラボン誘導体の塩とは、
薬学的に許容されるものであればどのようなものでもよ
く、そのような塩としては、例えば、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウ
ム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウム、モノエ
タノールアミン等のアミン類との塩が挙げられる。さら
には、該イソフラボン誘導体と、無機酸もしくは有機酸
とを反応させることにより得られる塩を挙げることがで
きる。ここでいう無機酸としては、例えば、塩酸、リン
酸、硝酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、酢
酸、コハク酸、マレイン酸等が挙げられる。本発明のイ
ソフラボン誘導体の塩には、上述の塩の無水物及び水和
物も含まれる。また、本発明は、新規イソフラボン誘導
体またはその塩からなる医薬である。更に本発明は、本
発明のイソフラボン誘導体の生産能を有する微生物を培
地に培養し、得られる培養物から該イソフラボン誘導体
を採取することを特徴とするイソフラボン誘導体の製造
法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【本発明の実施の形態】本発明のイソフラボン誘導体
(以下「本物質」という)を得るための出発材料は、本
物質又はその前駆体を含有するものであればいかなるも
のでもよい。本物質は、例えば、本物質の生産能を有す
る微生物を培地に培養し、その培養物から本物質を採取
することによって得られる。
【0009】本発明で用いられる微生物は、本物質の生
産能を有するものであればいかなる菌株でもよいが、例
えば、Aspergillus属に属する微生物、具体
的にはAspergillus oryzae(IFO
4206)等を挙げることができる。又、本発明で用い
られる微生物は、上記の菌株のみならず、人工的又は自
然に得られる変異株であってもよい。上記の菌株の変異
株を人工的に作成する方法としては、例えば、ラジオア
イソトープ、紫外線、ニトロソグアニジン等を用いて原
株に突然変異を起こさせる方法を用いることができる。
【0010】本発明で用いられる微生物を培養するため
の培地は、該微生物を培養する通常の培地、すなわち炭
素源、窒素源、無機物、その他の栄養素を適切な割合で
含有し、且つ本物質の前駆体となり得る物質(以下「前
駆物質」という)を含有するものであれば、合成培地又
は天然培地のいずれでも使用できる。前駆物質として
は、例えば、ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジン、ゲ
ニスチン、トランス−エポキシコハク酸等を挙げること
ができる。該前駆物質は、微生物の培養開始時または途
中で培地に添加することもできるし、あるいは、培養後
に得られる培養物に添加することもできる。なお、本発
明でいう培養物には、培養物を水または適当な溶媒(各
種緩衝液、有機溶媒等)で抽出して得た抽出物も含まれ
る。培地や培養物等に対する前駆物質の添加量は、特に
限定されないが、トランス−エポキシコハク酸の場合な
らば、培地等に対して10〜104ppm程度添加すれ
ばよい。本発明で用いられる培地としては、例えば、蒸
煮大豆及び炒熬後に粉砕した小麦の混合物、あるいは該
混合物にトランス−エポキシコハク酸を添加したものを
挙げることができる。該混合物を用いる場合、前駆物質
であるダイゼイン、ゲニステイン、ダイジン、ゲニスチ
ン等は、培地成分である大豆から供給される。微生物の
培養は、25〜35℃、好ましくは30℃前後で30〜
80時間、好ましくは40〜45時間行えばよい。
【0011】以上の操作により、培養物中に本物質が生
成蓄積する。なお、本物質の生成蓄積を促進するため、
上記の培地にて本物質の前駆体となり得る物質を添加し
てもよい。そのような物質としては、例えば、ダイゼイ
ン、ゲニステイン、ダイジン、ゲニスチン、トランス−
エポキシコハク酸等を挙げることができる。培養終了
後、培養物より本物質を精製するためには、溶媒抽出
法、蒸留法、各種クロマトグラフィー等を含む通常の方
法を用いることができる。本物質は、例えば、下記の方
法を用いて精製することができる。
【0012】先ず、培養物に蒸留水を加えた後、35〜
45℃で一晩静置し、培養物より本物質を抽出する。次
いで、培養物のガーゼ濾過及び遠心分離を行い、得られ
た遠心上清をフィルター濾過する。上記の遠心上清に、
有機溶媒、例えば酢酸エチル、1−プロパノール等を加
えて、振盪した後、上層と下層とに分ける。この上層に
ついて、上記と同様の有機溶媒処理を2回行い、下層を
得る。得られた全ての下層を合わせ、塩酸でpH2.0
前後に調整した後、有機溶媒を加えて、振盪し、上層と
下層とに分ける。この上層をロータリーエバポレーター
(東京理化社製)にて濃縮し、濃縮液を得る。
【0013】該濃縮液を、逆相カラムを用いた高速液体
クロマトグラフィー(以下「逆相HPLC」という)に
供する。逆相カラムとしては、Wakosil−II5
C18HG(和光純薬社製)、TSKgel ODS−
120T(東ソー社製)等が挙げられる。吸着画分は、
トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度勾配によ
り溶出させることができる。溶出液を分画した後、各画
分のHDC阻害活性を後記の測定法に従って測定する。
HDC阻害活性を有する画分を、ロータリーエバポレー
ターにより濃縮し、濃縮液を得る。該濃縮液を蒸留水、
エタノール等に溶解した後、ゲル濾過クロマトグラフィ
ーを行ない、HDC阻害活性を有する画分を集める。ゲ
ル濾過支持体としては、バイオゲルP−2樹脂(バイオ
ラド社製)、トヨパールCW−35(東ソー社製)等が
挙げられる。
【0014】以上の操作により、高度に精製された本物
質を得ることができる。本物質は優れたHDC阻害活性
及び抗酸化活性を有し、且つ高い安全性を示すことか
ら、医薬、抗酸化剤、或いは機能性食品として有用であ
る。本物質を医薬、例えば炎症疾患の治療薬等として用
いる場合、単独で投与することもできるが、通常は、賦
形剤、潤沢剤、希釈剤、pH調製剤、防腐剤、甘味剤、
芳香剤、乳化散剤等を用いて錠剤、粉剤、水和剤、乳
剤、カプセル剤、注射剤、点滴剤、座剤等の形に製剤化
し、経口的又は非経口的に投与することができる。上記
賦形剤としては、水、ゼラチン、澱粉、結晶セルロー
ス、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース、アラビア
ゴム、植物油等が挙げられる。
【0015】本物質の投与量は、投与方法と症状の程
度、患者の年齢、体重等により異なるが、通常、成人一
日当たりの有効成分として0.01〜20g、好ましく
は0.05〜10gの範囲で選ばれる。又、本物質を、
他の医薬品等と適宜混合して使用することも可能であ
る。本物質を機能性食品として用いる場合、そのまま
で、又は他の食品に添加して使用することができる。本
物質を他の食品に添加する場合、食品中に混合する方
法、食品表面に塗布する方法等が例示される。その場合
は、食品1kg当たり0.01g以上、好ましくは、
0.05〜10g程度添加すればよい。
【0016】適用できる食品としては、醤油、味噌、つ
ゆ等の調味料、カマボコ、チクワ等の水産練り製品、ハ
ム、ソーセージ等の畜肉加工品、日本酒、洋酒、果実酒
等の酒類、清涼飲料、果実飲料等の飲料類、ケーキ、プ
リン、饅頭等の菓子類が例示される。更に、本物質を、
果実、野菜類、缶詰類、惣菜食品等に添加して用いるこ
とも可能である。
【0017】本物質は、他の食品添加物等と適宜混合し
て使用することも可能である。本物質のHDC阻害活性
の測定法及び抗酸化活性の測定法を以下に示す。 1.HDC阻害活性の測定法 (1)試薬 a.酵素溶液 HDCを、マウス肥満腫瘍細胞P−815(Bioch
im.Biophys.Acta.,1133,172
−178(1992)参照)から、Ohmoriらの方
法(J.Biochem.,107,834−839
(1990)参照)により部分精製したもの。
【0018】b.基質溶液 リン酸緩衝液100mM ヒスチジン5μg/ml ピリドキサールリン酸5μg/ml aの酵素溶液20μl/ml c.検体溶液 本物質の各精製工程において得られた画分
【0019】(2)反応条件 基質溶液0.1mlに、検体溶液10μlを添加し、3
7℃で12時間反応させる。
【0020】(3)反応生成物ヒスタミンの定量 生成したヒスタミンは、ジメチルアミノアゾベンゼンイ
ソチオシアネート誘導体としてHPLCを用いて定量す
る。HPLCの条件は以下の通り。 a.カラム :Cosmosil 5SL(ナカライテ
スク社製) b.溶出液 :クロロホルム/ジメチルホルムアミド/
水/酢酸=210/80/4/1(vol./vo
l.) c.検出波長:435nm
【0021】(4)HDC阻害活性の算出 HDC阻害率の算出方法は、以下の通りである。 阻害率(%)=(1−A/B)×100 A:基質溶液に、検体溶液を添加して反応させたときの
ヒスタミン生成量 B:検体溶液の代わりに、メタノール10μlを添加
し、同様の条件で反応させたときのヒスタミン生成量 2.抗酸化活性の測定 方法:AMVN(2,2'-azobis(2,4-dimethylvaleronitri
le)によるメチルリノレートの 酸化反応系に本物質を添
加し、本物質が酸化反応に及ぼす影響を検討する。 (1)反応溶液 100mM メチルリノレート n−ヘキサン−イソプロパノール(7:3、v/v) 10mM AMVN 本物質(0.1mM、0.5mM) (2)酸化反応 上記の反応溶液を、37℃の暗室中で振とうし、生成す
るメチルリノレートハイドロパーオキシド(MeL−O
OH)を、HPLCを用いて経時的に分析する。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕 (1) 種菌の培養Aspergillus oryzae(IFO420
6)を、MA培地(2.0%モルトエクストラクト、2.0%グ
ルコース、0.1%ペプトン、2.0%寒天)を用いて斜面培養
した。培養物1白金耳分を、水分含量80%w/vのフ
スマ5gに植菌し、30℃で4日間培養し、得られた培
養物を種菌とした。
【0023】(2) 本培養 本培養に用いる培地は下記の方法により調製した。すな
わち、丸大豆300gを12時間水に浸漬した後、4時
間蒸煮した。得られた蒸煮大豆に、炒熬した後粉砕した
小麦335gを加えた。上記の培地に、種菌2gを加え
て混和し、30℃で1週間静置培養した。得られた培養
物に蒸留水800mlを加えた後、42℃で一晩静置
し、次いで培養物のガーゼ濾過及び遠心分離(7000
rpm)を行った。得られた遠心上清を0.8μmのフ
ィルター(ミリポア社製)で濾過した後、0.45μm
のボトルトップフィルター(ファルコン社製)で濾過し
た。
【0024】(3) 本物質の精製 上記の濾液500mlに、酢酸エチル(和光純薬社製)
250mlを加えて、3分間振盪した後、上層と下層と
に分けた。この上層について上記と同様の酢酸エチル処
理を2回行い、下層を得た。得られた下層を合わせ、塩
酸でpH2に調整した後、酢酸エチル250mlを加え
て3分間振盪し、上層と下層とに分けた。得られた上層
に酢酸エチル(和光純薬社製)250mlを加えて、3
分間振盪し、上層と下層とに分けた。得られた上層をロ
ータリーエバポレーター(東京理化社製)にて濃縮し、
濃縮液10mLを得た。
【0025】該濃縮液を、プレカラム(カラム:Wak
osil−II5C18HG 10×50mm 和光純
薬社製)を配置した逆相HPLC(カラム:Wakos
il−II5C18HG 10×300mm 和光純薬
社製)に供した。吸着画分は、0.05%トリフルオロ
酢酸を含むアセトニトリルの濃度勾配により溶出させた
(図1)。溶出液を15mLづつ分画し、HDC阻害を
有する画分を集めた。高いHDC活性阻害作用を有する
ピークAについて、下記の方法を用いて更に精製した。
すなわち、ピークAの画分をロータリーエバポレーター
にて濃縮し、濃縮液3mlを得た。該濃縮液を、1Mの
酢酸で平衡化したバイオゲルP−2樹脂(バイオラド社
製)を充填したカラム(20×380mm)に供してゲ
ル濾過を行った。溶出液を15mLづつ分画し、HDC
阻害作用を有する区分を集めた。これをロータリーエバ
ポレーターにて濃縮後、ピークAの精製標品約2.1m
gを得た。
【0026】(4) 構造解析 ピークAの物性を以下に示す。 性状:淡黄色粉末 融点(℃):209〜212℃(分解) 分子量及び分子式:418、C191411 マススペクトル:m/z 419〔M+H〕+(FAB-MS、JM
X-LX2000、日本電子社製) IRスペクトル:KBr錠法、JASCO FT/IR−7300(日本
分光社製) (cm-1);3450, 1650, 1640, 1620, 1540, 1520, 1510,
1460, 1420,1220, 1100, 1050, 840 1H-NMRスペクトル:DMSO-d6中、400MHz、JOEL JNM-LA4
00(日本電子社製) δ(ppm);4.63(1H,d), 5.32(1H,d), 6.42(1H,s), 6.81
(2H,d),7.39(2H,d), 8.50(1H,s), 8.72(OH,br), 9.55(O
H,br),12.31(OH,br) 13C-NMRスペクトル:DMSO-d6中、100MHz、JOEL JNM-LA
400(日本電子社製) δ(ppm);71.1, 79.7, 98.1, 105.7, 115.0, 121.1, 12
2.1, 126.9,130.1, 145.1, 151.6, 152.8, 154.3, 157.
4, 168.6, 171.0, 180.8 UVスペクトル:水溶液中265nmに吸収
【0028】上記機器分析の結果より、ピークAは下記
の一般式で表される化合物であると結論した。
【0030】
【化3】
【0031】〔実施例2〕培地にトランス−エポキシコ
ハク酸を5g添加した以外は、実施例1と同様の条件で
Aspergillus oryzae(IFO420
6)を培養し、本物質の精製標品約4.0mgを得た。
本物質の前駆物質を培地に添加することにより、培養物
中への本物質の生成蓄積が促進されることが分かった。 〔試験例1〕 HDC阻害活性試験 ピークA、すなわち本物質の精製標品のHDC阻害活性
を、上述の方法により調べた。結果を表1に示す。な
お、対照として公知のHDC阻害物質である(+)−カ
テキン〔Lorenz,W.,Kusche,J.,Barth,H.,and Mathias,
C.H.(1973) in Histamine (Maslinski,C.Z.ed.)pp.265-
269,Dowdew,Hutchinson and Ross,Stroudsburg,Pennsyl
vania〕を用いた。表中の「50%阻害値」とは、HD
Cの活性を50%とするために必要な本物質の量(μg
/ml)を表す。
【0032】
【0033】表1の結果より、本物質は、(+)−カテ
キンよりも強いHDC阻害活性を示すことが明らかであ
る。
【0034】〔試験例2〕抗酸化活性試験 本物質の精製標品の抗酸化活性を、上述の方法により調
べた。結果を図2に示す。図2中、縦軸は、酸化反応に
より生成したMeL−OOHの、HPLCによる溶出チ
ャート上でのピーク面積を示す。また、CONTOROLは、反
応系に抗酸化剤を加えない場合のデータを示し、sample
は、反応系に本物質を加えた場合のデータを示す。尚、
ポジティブコントロールとしては、公知の抗酸化剤であ
るビタミンE(vitamin E)を用いた。本物質は、0.
1mMで抗酸化活性を示し、0.5mMでは、0.1m
MビタミンEよりも強い抗酸化活性を示した。 〔試験例3〕急性毒性試験 急性毒性試験は、「改正 医薬品毒性試験法ガイドライ
ン GLP基準」に従い行った。本物質の精製標品50
mgを、注射用蒸留水1mlに溶解し、5匹のCrj:
CD−1(ICR)マウス(5週齢、雄)に、体重25
g当たり1ml(投与量 2.0g/Kg)の割合で経
口投与し、14日間観察した。
【0035】試験終了後の本物質投与群は、剖検及び全
身各臓器の病理組織検査において何ら異常は観察されな
かった。試験の結果より、本物質のLD50価は2.0g
/Kg(経口)以上であり、その毒性は極めて低いと判
断された。
【0036】
【発明の効果】本発明の新規イソフラボン誘導体は、潰
瘍、アレルギー疾患等の炎症疾患の原因となるヒスタミ
ンの生合成に関与するヒスチジン脱炭酸酵素に対し優れ
た活性阻害作用を示し、副作用もない。また、本物質
は、優れた抗酸化活性をも有している。本物質は、医
薬、抗酸化剤、機能性食品等として大変有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本物質の逆相HPLCによる溶出チャートを示
す。
【図2】本物質の抗酸化活性試験の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/35 AED A61K 31/35 AED C09K 15/06 C09K 15/06 C12P 17/06 C12P 17/06 //(C12P 17/06 C12R 1:69)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式: 【化1】 で表される新規イソフラボン誘導体またはその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイソフラボン誘導体また
    はその塩を有効成分として含有する医薬。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のイソフラボン誘導体また
    はその塩を有効成分として含有するヒスチジン脱炭酸酵
    素阻害剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のイソフラボン誘導体また
    はその塩を有効成分として含有する抗酸化剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のイソフラボン誘導体の生
    産能を有する微生物を培地に培養し、得られる培養物か
    ら該イソフラボン誘導体を採取することを特徴とするイ
    ソフラボン誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のイソフラボン誘導体の生
    産能を有する微生物を培地に培養し、得られる培養物か
    ら該イソフラボン誘導体を採取するにあたり、培地また
    は培養物に、ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジン、ゲ
    ニスチン、トランス−エポキシコハク酸より選ばれる一
    種以上の物質を添加することを特徴とするイソフラボン
    誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 微生物が、Aspergillus
    ryzaeである請求項5または6記載のイソフラボン
    誘導体の製造法。
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