JPH1059905A - 炭酸ジアリールエステルの製造方法 - Google Patents

炭酸ジアリールエステルの製造方法

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JPH1059905A
JPH1059905A JP9149398A JP14939897A JPH1059905A JP H1059905 A JPH1059905 A JP H1059905A JP 9149398 A JP9149398 A JP 9149398A JP 14939897 A JP14939897 A JP 14939897A JP H1059905 A JPH1059905 A JP H1059905A
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圭吾 西平
Hideji Tanaka
秀二 田中
Hirofumi Ii
宏文 井伊
Satoru Fujizu
悟 藤津
Katsumasa Harada
勝正 原田
Riyouji Sugise
良二 杉瀬
Koichi Kashiwagi
公一 柏木
Takashi Doi
隆志 土井
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、公知の方法が有している問題点を
回避して、炭酸ジアリールエステルを製造できる、新規
な炭酸ジアリールエステルの製造方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、(A−1)シュウ酸ジ
アルキルエステルとフェノール化合物とを、触媒存在
下、副生する脂肪族アルコールを反応系外へ除去しなが
ら、エステル交換反応させるか、及び/又は(A−2)
シュウ酸アルキルアリールエステルを、触媒存在下、副
生するシュウ酸ジアルキルエステルを反応系外へ除去し
ながら、不均化反応させるかして、シュウ酸ジアリール
エステルを生成させ、(B)そのエステル交換反応及び
/又は不均化反応の反応液からシュウ酸ジアリールエス
テルを分離・回収し、(C)回収されたシュウ酸ジアリ
ールエステルを脱CO反応させて、炭酸ジアリールエス
テルを一酸化炭素と共に生成させることを特徴とする炭
酸ジアリールエステルの製造方法により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(A−1)シュウ酸ジア
ルキルエステル(ジアルキルオキサレート)とフェノー
ル化合物を触媒存在下にエステル交換反応させるか、及
び/又は(A−2)シュウ酸アルキルアリールエステル
(アルキルアリールオキサレート)を触媒存在下に不均
化反応させるかして、シュウ酸ジフェニルエステル(ジ
フェニルオキサレート:以下、DPOと略記することも
ある)などのシュウ酸ジアリールエステルを生成させ、
(B)その反応液からシュウ酸ジアリールエステルを分
離・回収し、(C)回収されたシュウ酸ジフェニルエス
テルなどのシュウ酸ジアリールエステルを脱CO反応さ
せて、炭酸ジフェニルエステル(ジフェニルカーボネー
ト:以下、DPCと略記することもある)などの炭酸ジ
アリールエステルを一酸化炭素と共に生成させることに
よる、炭酸ジアリールエステルの製造方法(製造プロセ
ス)に係わる。
【0002】シュウ酸ジアルキルエステルを出発原料と
して用いて炭酸ジフェニルエステル等の炭酸ジアリール
エステルを製造する本発明の方法は、全く新規な炭酸ジ
アリールエステルの製造方法である。本発明の方法で得
られる炭酸ジアリールエステルの代表的な化合物である
炭酸ジフェニルエステル(DPC)は、ポリカーボネー
トの主要な原料として極めて有用である。
【0003】
【従来の技術】DPC等の炭酸ジアリールエステルの製
造方法としては、炭酸ジアルキルエステルとフェノール
化合物を反応させる方法(非ハロゲン法)や、ホスゲン
とフェノール化合物を反応させる方法(ホスゲン法)
や、その他の方法が提案されていたが、それらは必ずし
も工業的に満足すべき方法ではなかった。
【0004】即ち、ホスゲン法による炭酸ジアリールエ
ステルの製造方法では、猛毒のホスゲンを使用するため
にその取扱いが極めて問題になると共に、反応に相当量
のアルカリが必要とされるという問題があった。また、
得られる炭酸ジアリールエステル中にはハロゲン化合物
がかなりの割合で混入していて、製品からそのハロゲン
化合物を除去することが極めて困難であるという問題も
あった(特公昭58−50977号公報)。
【0005】非ハロゲン法による炭酸ジアリールエステ
ルの製造方法としては、炭酸ジアルキルエステルとフェ
ノール化合物をエステル交換反応させる方法(特開平3
−291257号公報、特開平4−211038号公
報)、あるいは炭酸アルキルアリールエステルを不均化
反応させる方法(特開平4−9358号公報)などが知
られていた。
【0006】しかし、炭酸ジアルキルエステルのエステ
ル交換反応による製造方法では、エステル交換反応、特
に炭酸ジアルキルエステルから炭酸アルキルアリールエ
ステルへのエステル交換反応の速度が遅いという問題が
あり、この点を改良するために、種々の特殊な触媒や、
複雑な製造工程あるいは製造装置が提案されていた(特
開平4−235951号公報、特開平4−224547
号公報)。
【0007】また、炭酸アルキルアリールエステルの不
均化反応による製造方法は、炭酸アルキルアリールエス
テルが前記のエステル化反応における中間生成物である
ために、他の生成物と原料を含有するエステル化反応の
反応液から炭酸アルキルアリールエステルのみを単離す
ることが極めて困難であり、更に炭酸アルキルアリール
エステル自体を工業的に生産して入手することも極めて
困難であることから、工業的な製造方法として満足でき
るものではなかった。
【0008】一方、シュウ酸ジアリールエステルの製造
方法としては、シュウ酸とフェノール化合物を、エステ
ル化触媒の存在下、有機溶剤中で100〜130℃に加
熱して、直接エステル化反応させてシュウ酸のジアリー
ルエステルを製造する方法(特公昭52−43826号
公報)、シュウ酸ジアルキルエステルと炭酸ジアリール
エステルをエステル交換反応させてシュウ酸ジアリール
エステルを製造する方法(特公昭56−8019号公
報、特開昭49−42621号公報)、あるいはシュウ
酸ジアルキルエステルと低級脂肪酸アリールエステルを
エステル交換反応させてシュウ酸ジアリールエステルを
製造する方法(特公昭56−2541号公報、特公昭5
7−47658号公報)が知られていた。
【0009】しかし、シュウ酸とフェノール化合物を反
応させてシュウ酸ジアリールエステルを製造する方法
は、反応速度が極めて遅いために長時間の反応を要する
という問題があり、工業的な見地から満足すべき方法で
はなかった。また、シュウ酸ジアルキルエステルと炭酸
ジアリールエステル又は低級脂肪酸アリールエステルを
反応させてシュウ酸ジアリールエステルを製造する方法
では、目的物の他に種々の副生物が多量に生成するの
で、シュウ酸ジアリールエステルを単離するために極め
て煩雑又は複雑な精製工程が必要であるという問題があ
った。更に、前述のように炭酸ジアリールエステルが工
業的に製造されていないため、これを入手すること自体
が困難であり、この製法は必ずしも工業的に満足すべき
方法ではなかった。
【0010】シュウ酸ジフェニルエステルの脱CO反応
について、有機合成化学、5、報47(1948)の
「ジカルボン酸ジフェニルエステルの熱分解について
(第2報)」において、シュウ酸ジフェニルエステルを
高温で熱分解して炭酸ジフェニルエステルを得たとの報
告がある。
【0011】しかし、前記の報告には、シュウ酸ジフェ
ニルエステルの製造方法として、無水シュウ酸、石炭酸
及びオキシ塩化リンの混合物を加熱して製造したことが
記載されているのみであり、本発明におけるシュウ酸ジ
アルキルエステルとフェノールとのエステル交換法によ
るシュウ酸ジフェニルエステルの製造方法については記
載されていない。
【0012】また、アメリカ特許第4544507号明
細書には、シュウ酸ジエステルを、アルカリ金属のアル
コラート触媒の存在下、溶媒中で50〜150℃の温度
で加熱して炭酸ジエステルを製造する方法が開示されて
いる。しかし、シュウ酸ジエステルとしてシュウ酸ジフ
ェニルエステルを用いた場合には主生成物が原料のシュ
ウ酸ジフェニルエステルであったとの実施態様が示され
ている(炭酸ジフェニルエステルが生成したとの記載は
ない)。
【0013】そして、前記のアメリカ特許明細書には、
シュウ酸ジフェニルエステルの製造方法は具体的に全く
記載されておらず、本発明におけるシュウ酸ジアルキル
エステルとフェノール化合物とのエステル交換法による
シュウ酸ジアリールエステルの製造方法については示唆
するものさえ見られない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
の公知の製造方法が有している問題点を回避して炭酸ジ
アリールエステルを製造することができる、新規な炭酸
ジアリールエステルの製造方法を提供することを課題と
する。
【0015】
【課題を解決する手段】本願の発明者らは、公知の方法
が有している問題点を回避できるシュウ酸ジアリールエ
ステル及び炭酸ジアリールエステルの製造方法について
鋭意研究した結果、シュウ酸ジアルキルエステルを出発
原料としてシュウ酸ジアリールエステルを製造し、次い
でシュウ酸ジアリールエステルを脱CO反応させること
により、炭酸ジアリールエステルを得ることができるこ
とを初めて見出して、この発明を完成した。
【0016】本発明は、(A−1)シュウ酸ジアルキル
エステルとフェノール化合物を、触媒存在下、副生する
脂肪族アルコールを反応系外へ除去しながら、エステル
交換反応させるか、及び/又は(A−2)シュウ酸アル
キルアリールエステルを、触媒存在下、副生するシュウ
酸ジアルキルエステルを反応系外へ除去しながら、不均
化反応させるかして、シュウ酸ジアリールエステルを生
成させ、(B)そのエステル交換反応及び/又は不均化
反応による反応液からシュウ酸ジアリールエステルを分
離・回収し、(C)回収されたシュウ酸ジアリールエス
テルを脱CO反応させて、炭酸ジアリールエステルを一
酸化炭素と共に生成させることを特徴とする炭酸ジアリ
ールエステルの製造方法に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、(A)シュウ酸
ジアリールエステルを生成させ、(B)シュウ酸ジアリ
ールエステルを分離・回収し、(C)シュウ酸ジアリー
ルエステルから炭酸ジアリールエステルを生成させる3
工程で行われる。この方法に係わる反応は次のような極
めてシンプルな反応式(1)、(2)及び(3)、並び
に(4)で示される。
【0018】
【化1】
【0019】本発明の方法においては、前記の各反応式
に示すように、A工程では、反応式(1)のエステル交
換反応によりシュウ酸アルキルアリールエステル(c−
1)がまず生成し、次いで反応式(2)のエステル交換
反応によりシュウ酸ジアリールエステル(c−2)が生
成する(A−1工程)。また、反応式(3)の不均化反
応によってもシュウ酸ジアリールエステル(c−2)が
生成する(A−2工程)。そして、反応式(4)の脱C
O反応により、炭酸ジアリールエステル(e)が生成す
る(C工程)。主な副生物としては、反応式(1)、
(2)の反応では脂肪族アルコールが、反応式(3)の
反応ではシュウ酸ジアルキルエステルが、反応式(4)
の反応ではCOがそれぞれ生成する。
【0020】本発明のA−1工程からなるA工程、並び
にA−1工程及びA−2工程からなるA工程では、反応
式(1)、(2)及び(3)の反応が実質的には同時に
起こっているが、A−1工程では主としてシュウ酸ジア
ルキルエステルとフェノール化合物とのエステル交換反
応が起こるため、シュウ酸アルキルアリールエステルと
脂肪族アルコールが主として生成し、その他にシュウ酸
ジアリールエステルやシュウ酸ジアルキルエステルも生
成する。また、A−2工程では主としてシュウ酸アルキ
ルアリールエステルの不均化反応が起こるため、シュウ
酸ジアリールエステルとシュウ酸ジアルキルエステルが
主として生成する。
【0021】本発明のA−2工程からなるA工程では、
反応式(3)の反応が起こってシュウ酸ジアリールエス
テルとシュウ酸ジアルキルエステルが生成するが、原料
のシュウ酸アルキルアリールエステルは反応式(1)の
反応によって生成させることが工業的に好ましい。この
ため、本発明では、A−1工程とA−2工程とが同時に
起こっている工程、又はA−1工程とA−2工程とが連
結されている工程を採用することが好ましい。
【0022】本発明の方法において、A工程としてA−
1工程とA−2工程とが連結されている工程を採用した
場合には、A−1工程で、シュウ酸アルキルアリールエ
ステルを主として含有する反応液が反応式(1)のエス
テル交換反応により得られ、A−2工程で、シュウ酸ジ
アリールエステルを主として含有する反応液が反応式
(3)の不均化反応により得られる。このため、A−2
工程で得られる反応液は、目的物であるシュウ酸ジアリ
ールエステルを比較的高い濃度で含有していることにな
る。このように、本発明の方法においては、A工程とし
て、A−1工程とA−2工程とが連結されている工程を
採用することが好適である。
【0023】A工程では、主な副生物である脂肪族アル
コールやシュウ酸ジアルキルエステルが反応中に蒸留等
により反応系外へ除去され、その他の副生物は殆ど生成
しないので、結局、A工程から得られる反応液には副生
物は微量含有されているのみである。従って、B工程に
おいて、A工程から得られる反応液からシュウ酸ジアリ
ールエステルを何らかの公知の手段で分離・回収するこ
とは容易である。
【0024】B工程において、シュウ酸ジアリールエス
テルは、通常の蒸留法などによってA工程から得られる
反応液から容易に分離・回収される。また、A工程から
得られる反応液中に含有されているシュウ酸ジフェニル
エステルとフェノールは、フェノールが過剰に存在すれ
ば、シュウ酸ジフェニルエステルとフェノールの結晶性
付加物(シュウ酸ジフェニルエステル:フェノール(モ
ル比)=1:2)を形成するため、B工程において、A
工程から得られるエステル交換反応及び/又は不均化反
応による反応液を冷却して前記の結晶性付加物を析出さ
せて、シュウ酸ジフェニルエステルを前記結晶性付加物
として分離することもできる。得られた結晶性付加物は
融点(101〜103℃)以上に加熱すればフェノール
を遊離するので、蒸留により高濃度のシュウ酸ジフェニ
ルエステルを容易に分離・回収することができる。
【0025】本発明の方法のC工程では、反応式(4)
に示すように、シュウ酸ジアリールエステルの脱CO反
応により、COガスの発生を伴って炭酸ジアリールエス
テルが高い選択率で生成する。このとき、その他の副生
物は微量に生成するのみであるので、高い純度の炭酸ジ
アリールエステルが得られる。
【0026】本発明の方法における好ましい実施態様と
しては、(A−1)シュウ酸ジアルキルエステルとフェ
ノールを、触媒存在下、副生する脂肪族アルコールを反
応系外へ除去しながら、エステル交換反応させるか、又
は(A−1)シュウ酸ジアルキルエステルとフェノール
を、触媒存在下、副生する脂肪族アルコールを反応系外
へ除去しながら、エステル交換反応させ、(A−2)シ
ュウ酸アルキルフェニルエステルを、触媒存在下、副生
するシュウ酸ジアルキルエステルを反応系外へ除去しな
がら、不均化反応させるかして、シュウ酸ジフェニルエ
ステルを生成させ、次いで(B)そのエステル交換反応
及び/又は不均化反応による反応液からシュウ酸ジフェ
ニルエステルを分離・回収して精製し、そして(C−
1)分離・回収され精製されたシュウ酸ジフェニルエス
テルを脱CO反応させて、炭酸ジフェニルエステルを一
酸化炭素と共に生成させる炭酸ジフェニルエステルの製
造方法を挙げることができる。
【0027】図1〜3は、本発明の実施態様の例をそれ
ぞれ示す製造プロセス図であり、図4〜5は、A工程で
エステル交換反応及び/又は不均化反応を行う反応装置
の例をそれぞれ概略示す断面図である。以下、それらの
図面も参考にして、本発明の製造方法を更に詳しく説明
する。
【0028】図1に示す製造プロセスでは、概略、A工
程において、原料供給ライン2、3及び触媒供給ライン
4が連結されている反応装置に原料及び触媒が供給さ
れ、脂肪族アルコール、シュウ酸アルキルアリールエス
テル及び未反応原料などが抜き出しライン5経由で反応
系から除去されながら、反応式(1)〜(2)で示され
るエステル交換反応が行われると共に、シュウ酸ジアル
キルエステル及び未反応原料などが同様に反応系から除
去されながら、反応式(3)で示される不均化反応が行
われて、シュウ酸ジアリールエステルが生成する。その
後、シュウ酸ジアリールエステルを主として含有する反
応液が反応液抜き出しライン1から抜き出されて、B工
程において、その反応液が分離装置へ供給され、副生
物、未反応原料及び触媒等が除去されると共に、必要で
あれば精製されて、シュウ酸ジアリールエステルが回収
ライン10から回収される。そして、C工程において、
そのシュウ酸ジアリールエステルがライン10(触媒供
給ライン22が連結している)経由で脱CO反応装置
へ供給され、発生するCOガスがライン20経由で除去
されながら、シュウ酸ジアリールエステルの脱CO反応
が行われて、炭酸ジアリールエステルが生成する。更
に、必要であればD工程において、精製装置を用いて
C工程で得られた反応液から炭酸ジアリールエステルが
精製される。
【0029】図2に示す製造プロセスでは、図1の製造
プロセスにおけるエステル交換反応及び/又は不均化反
応のA工程が、エステル交換反応のA−1工程と不均化
反応及び/又はエステル交換反応のA−2工程の2段階
工程になっている。A−1工程のエステル交換反応装置
A1では、反応式(1)で示されるエステル交換反応が
主として行われて、シュウ酸アルキルアリールエステル
が主として生成する。そして、反応式(2)で示される
エステル交換反応及び(3)で示される不均化反応も同
時に行われてシュウ酸ジアリールエステルも生成する。
A−2工程の不均化反応装置A2では、前記A−1工程
の反応液が抜き出しライン1経由で供給され、副生する
シュウ酸ジアルキルエステルと未反応のシュウ酸アルキ
ルアリールエステルを主成分とする混合物が抜き出しラ
イン7経由で反応系外へ除去されながら、反応式(3)
で示される不均化反応が主として行われて、シュウ酸ジ
アリールエステルが生成する。そして、同時に、副生す
る脂肪族アルコールと未反応のフェノール類及びシュウ
酸アルキルアリールエステルを成分とする混合物が抜き
出しライン7経由で反応系外へ除去されながら、反応式
(2)で示されるエステル交換反応も行われてシュウ酸
ジアリールエステルが生成する。
【0030】次いで、前記の図1の製造プロセスと同様
に、シュウ酸ジアリールエステルを主として含有する反
応液がB工程の分離装置へ供給されて、その反応液か
らシュウ酸ジアリールエステルが分離・回収される。そ
して、そのシュウ酸ジアリールエステルがC工程の脱C
O反応装置へ供給されて、脱CO反応によりシュウ酸
ジアリールエステルから炭酸ジアリールエステルが生成
する。更に、必要であれば精製装置で炭酸ジアリール
エステルが精製される。なお、図2に示す製造プロセス
では、A−2工程の不均化反応装置A2から除去され
た、未反応のフェノール化合物及びシュウ酸アルキルア
リールエステルと副生するシュウ酸ジアルキルエステル
及び脂肪族アルコールを含有する混合物が、循環ライン
7経由でA−1工程のエステル交換反応装置A1へ循環
・供給されて再使用される。
【0031】図3で示される製造プロセスでは、図2の
製造プロセスにおけるシュウ酸ジアリールエステルの分
離・回収に関するB工程が、A−2工程で得られた反応
液を分離してのシュウ酸ジアリールエステルを得るため
の分離装置B1と、得られたシュウ酸ジアリールエステ
ルを更に精製して高純度のシュウ酸ジアリールエステル
を得るための精製装置B2とから成っている。
【0032】前記の分離装置B1としては、例えば、A
−2工程で得られた反応液を冷却してシュウ酸ジフェニ
ルエステルとフェノールとの結晶性付加物を析出させ、
次いでその結晶性付加物を加熱してフェノールを蒸発・
分離して、シュウ酸ジフェニルエステルを得るという晶
析式分離装置、或いは、A−2工程で得られた反応液
を、蒸発器及び蒸留塔、又は複数の蒸留塔からなる蒸留
分離装置へ供給し、軽質分及び高沸物(触媒を含む)を
順次除去して、シュウ酸ジアリールエステルを得るとい
う蒸留式分離装置を採用することができる。前記の精製
装置B2としては、粗シュウ酸ジアリールエステルを蒸
留・精製して高純度のシュウ酸ジアリールエステルを得
ることができる多段蒸留塔などが好適である。
【0033】本発明の方法のA−1工程においては、触
媒存在下、副生する脂肪族アルコールが反応系外へ除去
されながら、シュウ酸ジアルキルエステルとフェノール
化合物とのエステル交換反応が行われてシュウ酸ジアリ
ールエステルが生成する。その際、シュウ酸ジアルキル
エステルとフェノール化合物の使用量の比は、触媒の種
類や量並びに反応条件によって変わるが、供給原料中の
シュウ酸ジアルキルエステルに対して、フェノール化合
物がモル比で表して0.01〜1000倍、特に0.1
〜100倍、更には0.5〜20倍程度であることが好
ましい。
【0034】A−1工程において使用される触媒の量
は、触媒の種類、反応装置(例えば多段蒸留塔)の形式
及びサイズ、各原料の種類及び組成比、更にエステル交
換反応の反応条件によって異なるが、シュウ酸ジアルキ
ルエステル及びフェノール化合物の合計量に対する割合
で表して、約0.0001〜50重量%、特に0.00
1〜30重量%、更には0.005〜10重量%程度で
あることが好ましい。
【0035】A−1工程におけるエステル交換反応にお
いて、反応温度は各原料及び反応生成物を含有している
反応液が溶融する温度以上であって、しかも生成物であ
るシュウ酸アルキルアリールエステルやシュウ酸ジアリ
ールエステルが熱分解しないような温度であることが好
ましい。即ち、本発明では、A−1工程のエステル交換
反応における反応温度は、約50〜350℃、特に10
0〜300℃、更には120〜280℃程度であること
が好ましい。
【0036】A−1工程のエステル交換反応において、
反応圧力は減圧、常圧、加圧のいずれであってもよい
が、副生物である脂肪族アルコール等を蒸発させること
ができる圧力とすることが好ましい。例えば、反応温度
が約50〜350℃であれば、反応圧力は0.01mm
Hg〜100kg/cm2 、特に0.1mmHg〜50
kg/cm2 程度であることが好ましい。
【0037】また、A−1工程のエステル交換反応にお
いて、反応時間(反応装置として多段蒸留塔を用いた場
合は蒸留塔内での滞留時間)は反応条件や反応装置の形
式及び操作条件などによって異なるが、反応温度が約5
0〜350℃であれば、約0.001〜50時間、特に
0.01〜10時間、更には0.02〜5時間程度であ
ることが好ましい。
【0038】本発明の製法では、A−1工程におけるエ
ステル交換反応の条件は、特に反応温度が約50〜35
0℃で、反応圧力が約0.001mmHg〜200kg
/cm2 であって、反応時間が約0.001〜100時
間であることが望ましい。
【0039】A−1工程で使用されるシュウ酸ジアルキ
ルエステルは、炭素数が1〜10、特に1〜6、更には
1〜4であるアルキル基に基づくエステル基を2つ有す
るシュウ酸ジアルキルエステルが好ましい。このような
シュウ酸ジアルキルエステルとしては、シュウ酸ジメチ
ルエステル、シュウ酸ジエチルエステル、シュウ酸ジプ
ロピルエステル、シュウ酸ジブチルエステル、シュウ酸
ジヘキシルエステル、シュウ酸ジオクチルエステル、シ
ュウ酸メチルエチルエステルなどを挙げることができ
る。
【0040】本発明では、シュウ酸ジアルキルエステル
の中でも、アルキル基の炭素数が1〜4程度であるもの
が、エステル交換反応で副生するアルコールを容易に除
去できるので適当である。即ち、シュウ酸ジアルキルエ
ステルとしては、シュウ酸ジメチルエステル、シュウ酸
ジエチルエステル、シュウ酸ジプロピルエステル、シュ
ウ酸ジブチルエステルが好ましい。
【0041】A−1工程で使用されるフェノール化合物
は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコ
キシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を少なく
と1個有していてもよいフェノールであるが、最も好ま
しいものとしてはフェノールを挙げることができる。ま
た、本発明ではフェノール以外のフェノール化合物とし
て、例えば、o−、m−又はp−クレゾール、キシレノ
ール(ジメチルフェノール)、エチルフェノール、メチ
ルエチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェ
ノール、ヘキシルフェノール、ジプロピルフェノール、
トリメチルフェノール、テトラメチルフェノール等のア
ルキルフェノールや、o−、m−又はp−ヒドロキシア
ニソール、エトキシフェノール等のアルコキシフェノー
ルや、p−クロロフェノール、3,5−ジブロモフェノ
ール等のハロフェノールや、o−、m−又はp−ニトロ
フェノール等のニトロフェノールを挙げることができ
る。
【0042】本発明の方法のA−2工程においては、触
媒存在下、シュウ酸ジアルキルエステルが反応系外へ除
去されながら、シュウ酸アルキルアリールエステルの不
均化反応が行われてシュウ酸ジアリールエステルが生成
する。その際、使用される触媒の量は、触媒の種類、反
応装置(例えば多段蒸留塔)の形式及びサイズ、各原料
の種類及び濃度、更には不均化反応の反応条件によって
異なるが、シュウ酸アルキルアリールエステルに対する
割合で表して、約0.0001〜50重量%、特に0.
001〜30重量%、更には0.005〜10重量%程
度であることが好ましい。
【0043】本発明の方法ではA−2工程における不均
化反応の反応条件は特に限定されるものではないが、前
述のA−1工程における反応条件とそれぞれ同様の範囲
であればよい。その条件は、特に反応温度が約50〜3
50℃で、反応圧力が約0.001mmHg〜200k
g/cm2 であって、反応時間が約0.001〜100
時間であることが好ましい。
【0044】A−2工程で使用されるシュウ酸アルキル
アリールエステルとしては、炭素数が1〜10、特に1
〜6であるアルキル基に基づくエステル基を1つ有する
と共に、置換基を少なくとも1つ有していてもよいアリ
ール基に基づくエステル基を1つ有するシュウ酸アルキ
ルアリールエステルが好ましい。
【0045】前記のシュウ酸アルキルアリールエステル
の具体例としては、シュウ酸メチルフェニルエステル、
シュウ酸エチルフェニルエステル、シュウ酸プロピルフ
ェニルエステル、シュウ酸ブチルフェニルエステル、シ
ュウ酸ヘキシルフェニルエステル、シュウ酸ペンチルフ
ェニルエステル、シュウ酸オクチルフェニルエステル等
のシュウ酸アルキルフェニルエステルや、シュウ酸メチ
ル(p−メチルフェニル)エステル、シュウ酸メチル
(p−エチルフェニル)エステル、シュウ酸エチル(p
−メチルフェニル)エステル、シュウ酸エチル(p−エ
チルフェニル)エステル、シュウ酸メチル(p−メトキ
シフェニル)エステル、シュウ酸メチル(p−エトキシ
フェニル)エステル、シュウ酸メチル(p−ニトロフェ
ニル)エステル、シュウ酸メチル(p−クロルフェニ
ル)エステル等のシュウ酸アルキル(置換フェニル)エ
ステル、などを挙げることができる。
【0046】本発明では、シュウ酸アルキルアリールエ
ステルの中でも、炭素数が1〜4程度であるアルキル基
に基づくエステル基及び置換基を有していないフェニル
基に基づくエステル基をそれぞれ1つ有しているシュウ
酸ジエステルが適当である。即ち、シュウ酸アルキルア
リールエステルとしては、シュウ酸メチルフェニルエス
テル、シュウ酸エチルフェニルエステル、シュウ酸プロ
ピルフェニルエステル、シュウ酸ブチルフェニルエステ
ルなどのシュウ酸低級アルキルフェニルエステルが好ま
しい。
【0047】A−1工程及び/又はA−2工程によって
得られるシュウ酸ジアリールエステルとしては、前記の
反応式における化合物(c−2)で示されるものであれ
ばよく、シュウ酸ジフェニルエステル、シュウ酸ジ(p
−メチルフェニル)エステル、シュウ酸ジ(p−メトキ
シフェニル)エステル、シュウ酸ジ(p−ニトロフェニ
ル)エステル、シュウ酸ジ(p−クロルフェニル)エス
テルなどを挙げることができる。これらのシュウ酸ジア
リールエステルの中では、シュウ酸ジフェニルエステル
が特に好ましい。
【0048】A−1工程で使用される触媒としては、シ
ュウ酸ジアルキルエステルとフェノール化合物とのエス
テル交換反応によりシュウ酸アルキルアリールエステル
及び/又はシュウ酸ジアリールエステルを生成しうる触
媒(エステル交換触媒)であれば、いかなる触媒でも使
用することができる。また、A−2工程で使用される触
媒としては、シュウ酸アルキルアリールエステルの不均
化反応によりシュウ酸ジアリールエステルとシュウ酸ジ
アルキルエステルを生成しうる触媒(不均化触媒)であ
れば、いかなる触媒でも使用することができ、例えば、
前記のエステル交換触媒を不均化触媒として好適に使用
することができる。A工程においてA−1工程とA−2
工程を連続して行う場合には、A−1工程で使用される
触媒とA−2工程で使用される触媒は同種のものであっ
ても互いに異なっていてもよいが、工業的には同種の触
媒(特に同じエステル交換触触媒)であることが好まし
い。
【0049】本発明の方法のA−1及び/又はA−2工
程で使用される触媒としては、公知のジカルボン酸ジア
ルキルエステルとフェノール化合物とのエステル交換反
応に使用されるエステル交換触媒であって、シュウ酸ジ
アルキルエステル、フェノール化合物、シュウ酸アルキ
ルアリールエステル、シュウ酸ジアリールエステルなど
からなる反応混合液に対して可溶性であるエステル交換
触媒が好ましい。
【0050】本発明では、A−1及び/又はA−2工程
で使用される触媒として可溶性のエステル交換触媒を少
なくとも一種使用することが好ましい。エステル交換触
媒として、具体的には、アルカリ金属化合物、カドミウ
ム化合物、ジルコニウム化合物、鉛化合物、銅族金属化
合物、鉄化合物、亜鉛化合物、有機スズ化合物、アルミ
ニウム化合物、チタン化合物、バナジウム化合物などを
使用することができる。
【0051】前記のアルカリ金属化合物としては、炭酸
リチウム、ジブチルアミノリチウム、リチウムアセチル
アセトナート等のリチウム化合物などを挙げることがで
き、カドミウム化合物としては、カドミウムジアセチル
アセトナートなどを挙げることができ、ジルコニウム化
合物としては、ジルコニウムジアセチルアセトナート、
ジルコノセンなどを挙げることができる。
【0052】前記の鉛化合物としては、硫化鉛、水酸化
鉛、亜ナマリ酸塩、鉛酸塩、鉛の炭酸塩、鉛の炭酸塩及
びその塩基性塩、有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性
塩、、更にアルキル又はアリール鉛化合物(テトラブチ
ル鉛、テトラフェニル鉛、トリフェニル鉛ブロム、トリ
フェニル鉛等)や、アルコキシ又はアリールオキシ鉛化
合物(ジメトキシ鉛、メトキシフェノキシ鉛、ジフェノ
キシ鉛等)などを挙げることができる。
【0053】前記の銅族金属化合物としては、銅の有機
酸塩(酢酸銅、ビスアセチルアセトナート銅、オレイン
酸銅等)、アルキル銅(ブチル銅等)、アルコキシ銅
(ジメトキシ銅等)、ハロゲン化銅(塩化銅等)などの
銅化合物や、硝酸銀、臭化銀、ピクリン酸銀などの銀化
合物を挙げることができる。また、前記の鉄化合物とし
ては、水酸化鉄、炭酸鉄、トリアセトキシ鉄、トリメト
キシ鉄、トリエトキシ鉄、トリフェノキシ鉄などの鉄化
合物を挙げることができ、亜鉛化合物としては、ビスア
セチルアセトナート亜鉛、ジアセトキシ亜鉛、ジメトキ
シ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、ジフェノキシ亜鉛などを挙げ
ることができる。
【0054】前記の有機スズ化合物としては、Ph4
nや、Sn(OCOMe)4 、Bu 2 Sn(OCOM
e)2 、Me3 Sn(OCOMe)、Bu3 Sn(OC
OMe)、Bu3 Sn(OCOMe)、Ph3 Sn(O
COMe)等のスズのアセトキシ錯体や、Sn(OM
e)4 、Sn(OEt)4 、Sn(OPh)4 、Bu2
Sn(OMe)2 、Ph2 Sn(OMe)2 、Bu2
n(OEt)2 、Bu2 Sn(OPh)2 、Ph3 Sn
(OMe)、Et3 Sn(OPh)等のスズのアルコキ
シ又はアリールオキシ錯体や、Me3 Sn(OCOP
h)、Bu2 SnCl 2 、Bu2 SnO、BuSnO
(OH)、Et3 SnOH、Ph3 SnOHなどを挙げ
ることができる。
【0055】前記のアルミニウム化合物としては、Al
3 (但し、Xはハロゲン原子を示す)、Al(OCO
Me)3 、Al(OMe)3 、Al(OEt)3 、Al
(OBu)3 、Al(OPh)3 などを挙げることがで
き、チタン化合物としては、TiX3 (但し、Xはハロ
ゲン原子を示す)、Ti(OCOMe)3 、Ti(OM
e)3 、Ti(OEt)3 、Ti(OBu)3 、Ti
(OPh)3 、TiX4 (但し、Xはハロゲン原子を示
す)、Ti(OCOMe)4 、Ti(OMe)4 、Ti
(OEt)4 、Ti(OBu)4 、Ti(OPh)4
どを挙げることができる。そして、前記のバナジウム化
合物としては、VOX3 (但し、Xはハロゲン原子を示
す)、VO(OCOMe)3 、VO(OMe)3 、VO
(OEt)3 、VO(OPh)3 、VX5 (但し、Xは
ハロゲン原子を示す)などを挙げることができる。
【0056】本発明の方法のA−1工程及び/又はA−
2工程で、触媒としては、前記のリチウム化合物、ジル
コニウム化合物、有機スズ化合物、チタン化合物などが
好ましいが、中でも有機スズ化合物、或いはチタン化合
物が特に好ましい。
【0057】本発明の方法のA−1工程では、副生する
低沸点生成物である脂肪族アルコールを反応液から直ち
に除去しながら、シュウ酸ジアルキルエステル又はシュ
ウ酸アルキルアリールエステルとフェノール化合物との
エステル交換反応を行うことができるものであれば、ど
のような反応装置を使用してもよい。中でも、副生する
脂肪族アルコールを除去しながら反応装置内で液相状態
の反応液中でエステル交換反応を行うことができる反応
装置が特に好ましい。そのような反応装置としては、例
えば、連続多段蒸留塔からなる蒸留反応装置を挙げるこ
とができる。
【0058】前記の連続多段蒸留塔からなる反応装置
は、理論段数が少なくとも2段以上、特に5〜100
段、更には7〜50段である多段蒸留塔型の反応装置で
あることが好ましい。この多段蒸留塔型の反応装置とし
ては、例えば、泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バブルトレ
イなどを用いた棚段式蒸留塔、或いはラシヒリング、レ
ッシングリング、ポールリングなどの各種充填物を充填
した充填式蒸留塔を使用することができ、更に棚段式及
び充填式を併せもつ蒸留塔であっても使用することがで
きる。
【0059】本発明の方法のA−1工程では、例えば、
図4に示すような多数の棚段42を有する多段蒸留塔
からなる反応装置(特に多段蒸留塔40の棚段42が
設置された部分)で、触媒存在下、上記の反応式(1)
と(2)及び(3)で示されるエステル交換反応及び/
又は不均化反応を行いながら、副生する脂肪族アルコー
ルなどの低沸点生成物を蒸留によって抜き出して、蒸留
塔の頂部に連結されている抜き出しライン46に設けた
冷却器44経由で凝縮させて、その凝縮液を循環ライン
49で多段蒸留塔の上部へ還流させることが好ましい。
その際、還流比は0〜20、特に0〜10であることが
好ましい。そして、前記冷却器44で凝縮した凝縮液
(主として脂肪族アルコール)の一部を抜き出しライン
46から系外へ除去することが好ましい。
【0060】本発明の方法のA−1工程に使用される原
料及び触媒は、図4に示す多段蒸留塔40における棚段
部分(蒸留部分)の上部領域(特に、中央部付近の棚段
部分から最上部の棚段部分の範囲)と連結されている原
料供給ライン45(触媒供給ライン41と連結してい
る)とから多段蒸留塔内へ液相状態で供給される。そし
て、その原料混合液(又は反応液)を棚段42の下方へ
流下させながらエステル交換反応を行うことによって、
多段蒸留塔40の底部にシュウ酸ジアリールエステルを
高い濃度で含有する反応液が蓄積される。また、副生す
る脂肪族アルコールは各棚段42で蒸発させて上方棚段
に導かれ、上方棚段に行くに従って脂肪族アルコールが
高い濃度となるように精留されて反応液から除去され
る。
【0061】図4の多段蒸留塔40において、反応液の
加熱は、多段蒸留塔40の底部に蓄積された反応液を循
環ライン48に循環させながら、循環ライン48に設け
た加熱器43によって該反応液を加熱することによって
行われる。そして、シュウ酸ジアリールエステルなどを
含有する反応液は抜出しライン47から系外へ抜き出さ
れ、図1〜3に示すように、次のB工程の分離装置にお
いてシュウ酸ジアリールエステルが分離・回収される。
【0062】図4に示す多段蒸留塔40からなる反応装
置は、シュウ酸アルキルアリールエステルの不均化反応
を主として行うA−2工程においても好適に使用するこ
とができる。更に、図5に示すような多段蒸留塔40
50が連結された反応装置も、本発明の製法のA工程
において使用することができる。図5に示す装置では、
A−1工程とA−2工程とを連続的に行うことができ
る。
【0063】A−2工程として多段蒸留塔を用いる場合
には、図4に示すように、原料のシュウ酸アルキルアリ
ールエステル及び触媒は、原料供給ライン45及び触媒
供給ライン41から多段蒸留塔40の棚段部分へ供給さ
れる。そして、棚段42を流下する反応液中でシュウ酸
アルキルアリールエステルの不均化反応が行われて、シ
ュウ酸ジアリールエステルが生成する。一方、シュウ酸
ジアルキルエステル及びシュウ酸アルキルアリールエス
テルを含有する揮発分は多段蒸留塔の頂部から抜き出さ
れて、冷却器44で冷却される。得られた凝縮液は循環
ライン49経由で多段蒸留塔の上部へ循環されると共
に、抜き出しライン46経由で抜き出されて系外へ除去
される。多段蒸留塔40の底部にはシュウ酸ジアリール
エステルを高濃度で含有する反応液が蓄積されて、抜き
出しライン47から抜き出され、図1〜3に示すような
B工程の分離装置で分離・回収される。そして、シュウ
酸ジアリールエステルを含有する反応液は、ジアリール
カーボネートを生成させるためにC工程の脱CO工程へ
供給される。
【0064】本発明の方法のA工程において、例えば、
図5に示すような多段蒸留塔40と多段蒸留塔50とが
連結されている反応装置を用いる場合には、A−1工程
の多段蒸留塔40でのエステル交換反応で得られた反応
液が多段蒸留塔50へ供給される。そして、A−2工程
の多段蒸留塔50において、その反応液を多段蒸留塔
の内部(特に棚段52が設置された部分或いは充填材
の充填された部分)を下方へ流下させながら、触媒存在
下、反応式(3)で示される不均化反応が主として行わ
れて、シュウ酸ジアリールエステルを高濃度で含有する
反応液が蒸留塔50の底部に蓄積される。一方、シュウ
酸ジアルキルエステルを主成分とする蒸気は棚段部分を
上方へ上昇し、棚段部分の上方に行くに従ってシュウ酸
ジアルキルエステルを高濃度で含有する蒸気となるよう
に精留されて、蒸留塔50の頂部から抜き出される。そ
の蒸気は必要に応じて冷却器54で凝縮され、その凝縮
液が循環ライン59で蒸留塔50の上部へ還流される
(その際、還流比が0〜20、好ましくは0〜10であ
る)と共に、冷却器54で凝縮された凝縮液(シュウ酸
ジアルキルエステルを含有する)の一部又は蒸留塔50
の頂部から抜き出された蒸気を抜き出しライン56から
系外へ除去することが好ましい。
【0065】前述のA工程において、図5に示すよう
に、蒸留塔50の頂部から抜き出されたシュウ酸ジアル
キルエステルを主成分とする蒸気又は凝縮液は、抜き出
しライン56経由で、A−1工程の多段蒸留塔40の棚
段部分(蒸留部分)へ循環・供給されて再使用されるこ
とが好ましい。
【0066】前記の多段蒸留塔50は、蒸留塔40にお
ける場合と同じように、理論段数が少なくとも2段以
上、特に5〜100段、更には7〜50段である多段蒸
留塔型の蒸留反応塔であることが好ましい。前記の多段
蒸留塔型の蒸留塔50としては、蒸留塔40における場
合と同じように、棚段式蒸留塔あるいは充填式蒸留塔を
使用することができ、更に棚段式及び充填式を併せもつ
蒸留塔であっても使用することができる。
【0067】本発明の方法において、図5の蒸留塔40
の底部と蒸留塔50とを連結している抜き出しライン4
7は、蒸留塔50の棚段部分の中央部から上部の区域へ
連結されていることが、その反応液が蒸留塔50の棚段
部分を流下する際にシュウ酸アルキルアリールの不均化
反応を効果的に行うことができるので好ましい。
【0068】図5に示す蒸留塔50において、反応液の
加熱は、蒸留塔50の底部に蓄積された反応液を循環ラ
イン58で循環させながら、循環ライン58に設けた加
熱器53で該反応液を加熱することによって行われる。
そして、生成物のシュウ酸ジアリールエステルを主とし
て含有する反応液は蒸留塔50の底部から抜き出しライ
ン57経由で系外へ抜き出され、次のB工程の分離装置
(蒸留装置など)へ供給される。
【0069】図5のA−2工程において、液相状態の反
応液を流下させながら行われる不均化反応の反応温度
は、各原料及び反応生成物を含有している混合液(反応
液)が溶融する温度以上であって、しかもシュウ酸アル
キルアリールエステル及びシュウ酸ジアリールエステル
が熱分解しないような温度以下であることが好ましい。
この反応温度は、約50〜350℃、特に100〜30
0℃、更には120〜280℃程度であることが好まし
い。
【0070】そして、図5のA−2工程における不均化
反応の反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれであって
もよいが、シュウ酸ジアルキルエステルを主成分とする
蒸気を蒸発させて除去することができる圧力とすること
が好ましい。例えば、反応温度が約50〜350℃であ
れば、0.01mmHg〜100kg/cm2 、特に1
0mmHg〜10kg/cm2 程度の圧力であることが
好ましい。
【0071】また、図5のA−2工程における不均化反
応の反応時間(多段蒸留塔を用いた場合にはその反応液
の滞留時間)は反応条件や蒸留反応塔の形式及び操作条
件などによって異なるが、例えば、反応温度が約50〜
350℃であれば、約0.001〜50時間、特に0.
001〜10時間程度であることが好ましい。
【0072】図5のA工程(A−1工程及びA−2工
程)で得られる反応液は、図1〜3に示すように、次の
B工程における分離装置へ供給されて、反応液からシ
ュウ酸ジアリールエステルが分離・回収される。そし
て、C工程の反応装置でシュウ酸ジアリールエステルの
脱CO反応が行われてジアリールカーボネートが生成
し、必要であればD工程においてそのジアリールカーボ
ネートの精製が行われる。
【0073】本発明の方法のC工程においては、A工程
及びB工程で得られたシュウ酸ジアリールエステルの脱
CO反応が有機リン化合物などからなる触媒の存在下で
行われて、シュウ酸ジアリールエステルからCOガスと
共にジアリールカーボネートが生成する。
【0074】脱CO反応に使用される触媒(脱CO触
媒)としては、シュウ酸ジアリールエステルの脱CO反
応を比較的低温(約100〜350℃)で行うことがで
き、炭酸ジアリールエステルを高い選択率(少なくとも
50モル%以上、特に60モル%〜100モル%)で得
ることができる触媒が好ましい。脱CO触媒としては、
例えば、少なくとも1個の炭素−リン結合を有する有機
リン化合物を好適に使用することができる。このような
有機リン化合物としては、次の一般式(w)〜(z)で
示されるホスフィン系化合物(w)、ホスフィンオキシ
ド系化合物(x)、ホスフィンジハライド系化合物
(y)及びホスホニウム塩化合物(z)から選択される
少なくとも1種の有機リン化合物からなる触媒を好適に
挙げることができる。
【0075】
【化2】
【0076】〔式中、R1 〜R13は、水素原子、炭素数
1〜16のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、
及び炭素数7〜22のアラルキル基から選ばれる少なく
とも1種を示し、Xは対イオンを形成しうる原子又は原
子団を示し、Y1 、Y2 はハロゲン原子を示す。また、
化合物(w)〜(z)は少なくとも1つが水素原子以外
の前述の基を有している。〕
【0077】R1 〜R13がアリール基又はアラルキル基
である場合には、アリール基又はアラルキル基は、その
芳香環を形成している炭素原子と直接に結合する置換基
として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン
原子、ニトロ基、炭素数1〜16のアルキル基、及び炭
素数1〜16のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1
個の置換基を有していてもよい。更に、R1 〜R3 は、
1 とR2 、R2 とR 3 、R3 とR1 の間で架橋又は連
結されていてもよい。R4 〜R6 、R7 〜R9、R11
13についても同様にそれぞれ2つの置換基の間で架橋
又は連結されていてもよい。
【0078】前記のアルキル基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1
〜16のアルキル基を挙げることができ、アリール基と
しては、例えば、フェニル基、ナフチル基、メチルフェ
ニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メト
キシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェ
ニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、メチ
ルナフチル基、メトキシナフチル基、ニトロナフチル
基、クロロナフチル基等の炭素数6〜16のアリール基
を挙げることができ、また、アラルキル基としては、例
えば、ベンジル基、フェネチル基、p−メチルベンジル
基、p−メトキシベンジル基、p−メチルフェネチル基
等の炭素数7〜22のアラルキル基を挙げることができ
る。
【0079】前記のホスフィン系化合物(w)として
は、一般式(w)においてR1 〜R3の全てがアリール
基であるホスフィン系化合物が好ましいが、前記のR1
〜R3の1〜2個(特に2個)がアリール基であって、
残部がアルキル基又はアラルキル基であるホスフィン系
化合物であってもよい。
【0080】一般式(w)において、R1 〜R3 の全て
がアリール基であるホスフィン系化合物としては、例え
ば、トリフェニルホスフィン、トリス(4−クロロフェ
ニル)ホスフィン、トリス(4−トリル)ホスフィン、
α−ナフチル(フェニル)−4−メトキシフェニルホス
フィンを好適に挙げることができる。また、一般式
(w)において、R1 〜R3 の1〜2個がアリール基で
あって、残部がアルキル基又はアラルキル基であるホス
フィン系化合物としては、例えば、メチルジフェニルホ
スフィン、フェニル(p−メトキシフェニル)メチルホ
スフィン、エチル(フェニル)n−プロピルホスフィ
ン、ジメチルフェニルホスフィンを挙げることができ
る。
【0081】前記ホスフィンオキシド系化合物(x)と
しては、一般式(x)においてR4〜R6 の全てがアリ
ール基であるホスフィンオキシド系化合物が好ましい
が、前記のR4 〜R6 の1〜2個(特に2個)がアリー
ル基であり、残部がアルキル基又はアラルキル基である
ホスフィンオキシド系化合物であってもよい。
【0082】一般式(x)において、R4 〜R6 の全て
がアリール基であるホスフィンオキシド系化合物として
は、例えば、トリフェニルホスフィンオキシド、トリス
(4−クロロフェニル)ホスフィンオキシド、トリス
(4−トリル)ホスフィンオキシド、α−ナフチル(フ
ェニル)−4−メトキシフェニルホスフィンオキシドを
挙げることができる。また、一般式(x)において、R
4 〜R6 の1〜2個がアリール基であって、残部がアル
キル基又はアラルキル基であるホスフィンオキシド系化
合物としては、例えば、メチルジフェニルホスフィンオ
キシド、フェニル(p−メトキシフェニル)メチルホス
フィンオキシド、エチル(フェニル)n−プロピルホス
フィンオキシド、エチル(フェニル)n−プロピルホス
フィンオキシド、ジメチルフェニルホスフィンオキシド
を挙げることができる。
【0083】前記ホスフィンジハライド系化合物(y)
としては、一般式(y)において、R7 〜R9 の全てが
アリール基であるホスフィンジハライド系化合物が好ま
しいが、前記のR7 〜R9 の1〜2個(特に2個)がア
リール基であて、残部がアルキル基又はアラルキル基で
あるホスフィンジハライド系化合物であってもよい。ま
た、Y1 、Y2 で表されるハロゲン原子としては塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、これらは互い
に同一であっても異なっていてもよい。
【0084】一般式(y)において、R7 〜R9 の全て
がアリール基であるホスフィンジハライド系化合物とし
ては、例えば、トリフェニルホスフィンジクロライド、
トリフェニルホスフィンジブロマイド、トリフェニルホ
スフィンジヨーダイドを挙げることができる。
【0085】前記のホスホニウム塩化合物(z)として
は、一般式(z)において、R10〜R13が全てアリール
基であって、しかも対イオンX- がハロゲンイオン、脂
肪族カルボン酸イオン又はフルオロボレートイオンなど
である前述のようなホスホニウム塩化合物が好適である
が、R10〜R13の1〜3個(特に2〜3個)がアリール
基であって、残部が前述のアラルキル基又はアルキル基
であり、しかも対イオンX- がハロゲンイオン、脂肪族
カルボン酸イオン又はフルオロボレートイオンであるも
のであってもよい。
【0086】前記の一般式(z)において、R10〜R13
が全てアリール基であって、しかも対イオンX- がハロ
ゲンイオン、脂肪族カルボン酸イオン又はフルオロボレ
ートイオンなどであるホスホニウム塩化合物(z)とし
ては、例えば、テトラフェニルホスホニウムクロライ
ド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフ
ェニルホスホニウムヨーダイド、4−クロロフェニルト
リフェニルホスホニウムクロライド、4−クロロフェニ
ルトリフェニルホスホニウムブロマイド、4−クロロフ
ェニルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、4−エト
キシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、4
−エトキシフェニルトリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、4−エトキシフェニルトリフェニルホスホニウムヨ
ーダイド、4−メチルフェニルトリフェニルホスホニウ
ムクロライド、4−メチルフェニルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド、4−メチルフェニルトリフェニルホ
スホニウムヨーダイド、9−フルオレニルフェニルトリ
フェニルホスホニウムクロライド、9−フルオレニルフ
ェニルトリフェニルホスホニウムブロマイド等のR10
13が全てアリール基であって、対イオンX- がハロゲ
ンイオンであるホスホニウム塩化合物や、テトラフェニ
ルホスホニウムアセテート、4−クロロフェニルトリフ
ェニルホスホニウムアセテート、4−エトキシフェニル
トリフェニルホスホニウムアセテート、4−メチルフェ
ニルトリフェニルホスホニウムアセテート等のR10〜R
13が全てアリール基であって、対イオンX- が脂肪族カ
ルボン酸イオンであるホスホウニウム塩化合物や、テト
ラフェニルホスホニウムフルオロボレート、4−クロロ
フェニルトリフェニルホスホニウムフルオロボレート、
4−エトキシフェニルトリフェニルホスホニウムフルオ
ロボレート、4−メチルフェニルトリフェニルホスホニ
ウムフルオロボレート等のR10〜R13が全てアリール基
であって、対イオンX- がフルオロボレートイオンであ
るホスホニウム塩化合物を挙げることができる。
【0087】以上のホスホニウム塩のうち、市販されて
いないものは公知の方法〔Bull.Chem.So
c.Jpn.,56,2869(1983)、及びJ.
Am.Chem.Soc.,70,737(194
8)〕に準じて容易に合成することができる。例えば、
テトラアリールホスホニウムクロライドは、トリアリー
ルホスフィンと対応するハロゲン化アリール(ヨード又
はブロム化合物)とを酢酸パラジウム触媒の存在下で反
応させて、得られたテトラアリールホスホニウムヨーダ
イド又はブロマイドをイオン交換樹脂(クロル型)を用
いてテトラアリールホスホニウムクロライドに変換する
方法によって合成される。また、ハロゲンイオン以外の
対イオンを有するテトラアリールホスホニウム塩は、上
記のようにして得られたテトラアリールホスホニウムク
ロライドを、対応する対イオンを有するアルカリ金属塩
(ナトリウム塩、カリウム塩等)又はアンモニウム塩と
反応させることにより合成される。テトラアリールホス
ホニウム塩以外のその他のホスホニウム塩も同様に合成
することができる。
【0088】本発明の方法のC工程において、脱CO触
媒は有機リン化合物単独であってもまた2種以上の混合
物であってもよい。更に、それらの触媒は反応液中で均
一に溶解されていても及び/又は懸濁されていてもよ
い。C工程で使用される触媒の量は、シュウ酸ジアリー
ルエステルに対して0.001〜50モル%、特に0.
01〜20モル%程度であることが好ましい。
【0089】また、前記の有機リン化合物からなる脱C
O触媒には、無機ハロゲン化合物及び有機ハロゲン化合
物から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化合物が助触
媒成分として併用されてもよい。その場合、添加される
助触媒の量は有機リン系化合物に対して0.01〜15
0倍モル、特に0.1〜100倍モルであることが好ま
しい。
【0090】無機ハロゲン化合物としては、アルミニウ
ムのハロゲン化物(塩化アルミニウム、臭化アルミニウ
ム等)や、白金族金属のハロゲン化物(塩化白金、塩化
白金酸、塩化ルテニウム、塩化パラジウム等)や、リン
のハロゲン化物(三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化
リン、三臭化リン、五臭化リン、オキシ臭化リン等)
や、ハロゲン化水素(塩化水素、臭化水素等)や、イオ
ウのハロゲン化物(塩化チオニル、塩化スルフリル、二
塩化イオウ、二塩化二イオウ等)や、ハロゲン単体(塩
素、臭素等)などが挙げられる。これらの無機ハロゲン
化合物の中では、無機塩素化合物又は無機臭素化合物が
好ましいが、特に無機塩素化合物が好ましい。
【0091】有機ハロゲン化合物としては、炭素、水
素、酸素、窒素、イオウ及びケイ素から選ばれる少なく
とも1種の原子、及び少なくとも1個のハロゲン原子
(塩素、臭素等)を含有する有機ハロゲン化合物が用い
られる。このような有機ハロゲン化合物としては、飽和
炭素に少なくとも1つのハロゲン原子が結合している構
造や、カルボニル炭素にハロゲン原子が結合している構
造や、ケイ素原子に少なくとも1つのハロゲン原子が結
合している構造や、イオウ原子にハロゲン原子が結合し
ている構造などを少なくとも1個有する有機ハロゲン化
合物が挙げられる。
【0092】飽和炭素に少なくとも1つのハロゲン原子
が結合している構造を少なくとも1個有する有機ハロゲ
ン化合物としては、ハロゲン化アルキル(クロロホル
ム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、塩化ブチ
ル、塩化ドデシル等)や、ハロゲン化アラルキル(塩化
ベンジル、ベンゾトリクロリド、塩化トリフェニルメチ
ル、α−ブロモ−o−キシレン等)や、ハロゲン置換脂
肪族ニトリル(β−クロロプロピオニトリル、γ−クロ
ロブチロニトリル等)や、ハロゲン置換脂肪族カルボン
酸(クロロ酢酸、ブロモ酢酸、クロロプロピオン酸等)
などが挙げられる。
【0093】カルボニル炭素にハロゲン原子が結合して
いる構造を少なくとも1個有する有機ハロゲン化合物と
しては、酸ハロゲン化物(塩化アセチル、塩化オキサリ
ル、塩化プロピオニル、塩化ステアロイル、塩化ベンゾ
イル、2−ナフタレンカルボン酸クロライド、2−チオ
フェンカルボン酸クロライド等)や、ハロギ酸アリール
エステル(クロロギ酸フェニル等)などが挙げられる。
【0094】ケイ素原子に少なくとも1つのハロゲン原
子が結合している構造を少なくとも1個有する有機ハロ
ゲン化合物としては、ハロゲン化シラン(ジフェニルジ
クロロシラン、トリフェニルクロロシラン等)などが挙
げられる。
【0095】イオウ原子にハロゲン原子が結合している
構造を少なくとも1個有する有機ハロゲン化合物として
は、ハロゲン化スルホニル(p−トルエンスルホン酸ク
ロライド、2−ナフタレンスルホン酸クロライド等)な
どが挙げられる。
【0096】本発明の方法のC工程における脱CO反応
では、シュウ酸ジアリールエステルと有機リン化合物を
主成分とする触媒とを反応装置に供給して、反応温度1
00〜450℃、特に160〜400℃、更には180
〜350℃で、発生するCOガスを除去しながら、シュ
ウ酸ジアリールエステルを脱CO反応させることによっ
てジアリールカーボネートを生成させることが好まし
い。この場合、反応圧力は特に制限されず、例えば10
0mmHg〜10kg/cm2 の範囲で反応を行うこと
ができる。前記の脱CO反応は液相反応で行われること
が好ましく、特別の溶媒は必要とされないが、必要に応
じて非プロトン性の溶媒(ジフェニルエーテル、スルホ
ラン等)を併用してもよい。
【0097】本発明の方法のC工程における反応装置
は、シュウ酸ジアリールエステルを触媒の存在下で脱C
O反応させて、COガスと共にジアリールカーボネート
を生成させることができるものであれば、どのような形
式の反応装置でも使用することができる。反応器の材質
は特に制限されるものではなく、例えばガラス、ステン
レス鋼(SUS)、アルミニウム合金、ニッケル合金を
使用することができる。
【0098】C工程の反応装置としては、例えば、1槽
又は多槽式の完全混合型反応器(攪拌槽)、多管式熱交
換器式の管型反応器又は塔型反応器を挙げることができ
る。管型や塔型反応器の場合には、混合をよくするため
の充填物あるいは邪魔板等を設置したものでもよく、ま
た濡れ壁式の反応器でも好適に使用できる。
【0099】脱CO反応により得られる反応液には未反
応のシュウ酸ジアリールエステルや触媒が含まれている
が、この反応液からの炭酸ジアリールエステルの精製は
特別に困難なものではなく、一般的な分離精製法を用い
て純度の高い炭酸ジアリールエステルを容易に得ること
ができる。例えば、蒸発缶や薄膜蒸発器などで触媒を分
離・回収し、蒸発留分はある程度の段数を有する充填塔
や棚段塔を用いて蒸留することにより、純度の高い炭酸
ジアリールエステルが得られる。
【0100】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 1Lボトムフラスコを備えた内径32mm、段数50段
のオールダーショーの上から12段目に、フェノール6
1.2重量%、シュウ酸ジメチルエステル38.5重量
%、テトラフェノキシチタン0.3重量%の組成の溶液
を300ml/hrの流量で供給した。ボトムフラスコ
をマントルヒーターで190℃に加熱し、塔頂部からの
蒸気を冷却器で凝縮して還流比2で抜き出しながら、エ
ステル交換反応を行った。この間、ボトム液は500m
lを維持するように連続で抜き出した。塔の状態(温
度、液組成)が安定した時点(供給開始から5時間後)
での塔底液(反応液)の組成をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、シュウ酸ジメチルエステル23.4
5重量%、シュウ酸メチルフェニルエステル26.76
重量%、シュウ酸ジフェニルエステル6.74重量%、
フェノール42.62重量%であった。なお、塔底液の
抜き出し量は約306g/hrであった。そして、塔頂
からは、メタノール99.7重量%、シュウ酸ジメチル
エステル0.3重量%の組成の液を約24g/hrで抜
き出した。
【0101】実施例2 実施例1と同様のオールダーショーを用い、このオール
ダーショーの上から12段目に、実施例1で得られた反
応液を300ml/hrで供給した。ボトムフラスコを
マントルヒーターで230℃に加熱し、塔頂部からの蒸
気を冷却器で凝縮して、還流することなく抜き出しなが
ら、不均化反応を行った。この間、ボトム液は500m
lを維持するように連続で抜き出した。塔の状態(温
度、液組成)が安定した時点(供給開始から5時間後)
での塔底液(反応液)の組成をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、シュウ酸ジメチルエステル2.82
重量%、シュウ酸メチルフェニルエステル27.81重
量%、シュウ酸ジフェニルエステル54.74重量%、
フェノール13.64重量%であった。なお、塔底液の
抜き出し量は約126g/hrであった。そして、塔頂
からは、メタノール2.32重量%、シュウ酸ジメチル
エステル45.23重量%、フェノール46.95重量
%、シュウ酸メチルフェニルエステル5.37重量%、
シュウ酸ジフェニルエステル0.13重量%の組成の液
を約189g/hrで抜き出した。
【0102】実施例3 ヘリパック(5×5mm)を充填した内径20mm、長
さ2mのガラス製蒸留塔を用い、この塔の上から80c
mの位置に、実施例2で得られた反応液を100ml/
hrで供給した。缶液温度135℃、塔頂圧力10mm
Hg、還流比2で連続蒸留を行って、塔頂から、シュウ
酸ジメチルエステル5.63重量%、シュウ酸メチルフ
ェニルエステル61.48重量%、フェノール30.4
3重量%、シュウ酸ジフェニルエステル2.46重量%
の組成の液を約47g/hrで抜き出した。塔底から
は、シュウ酸ジフェニルエステル97.9重量%の組成
の液を58g/hrで抜き出した。
【0103】実施例4 実施例3と同様のガラス製蒸留塔を用い、実施例3で得
られた反応液を供給したほかは、実施例3と同様に連続
蒸留を行った。そして、塔頂から、シュウ酸ジフェニル
エステル99.9重量%以上の組成の液を約90g/h
rで抜き出した。塔底からは、テトラフェノキシチタン
を約15重量%含有する液を約15g/hrで抜き出し
た。
【0104】実施例5 温度計、攪拌装置を備えた300ml容丸底フラスコ
に、実施例4で得られたシュウ酸ジフェニルエステル2
00g(0.826mol)とテトラフェニルホスホニ
ウムクロライド1.55g(0.0041mol)を仕
込み、マントルヒーターで加熱して250℃で2時間脱
CO反応を行った。反応中、発生する一酸化炭素は反応
器に接続した排気管から系外に放散した。反応器中の反
応液の組成をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、炭酸ジフェニルエステル98.1重量%、シュウ酸
ジフェニルエステル1.1重量%であった。この状態
で、実施例4で得られたシュウ酸ジフェニルエステルに
テトラフェニルホスホニウムクロライドを0.5mol
%溶解した液を70ml/hrで反応器に供給すると共
に。反応液の容量が200mlを維持するように連続で
抜き出した。また、反応器内の温度は250℃を維持す
るようにマントルヒーターを制御した。反応液の組成が
安定した時点(連続反応開始時より約10時間後)で抜
き出し液の分析を行ったところ、炭酸ジフェニルエステ
ル91.2重量%、シュウ酸ジフェニルエステル7.8
重量%であった。また、反応器からは一酸化炭素が約1
10ml/minで発生し、その純度はほぼ100%で
あった。
【0105】実施例6 実施例3と同様のガラス製蒸留塔を用い、実施例5で得
られた液(抜き出し液)を供給しほかは、実施例3と同
様に連続蒸留を行った。そして、塔頂から、炭酸ジフェ
ニルエステル99.9重量%以上の組成の液を約85g
/hrで留出液として得た。
【0106】
【発明の効果】本発明は、(A−1)シュウ酸ジアルキ
ルエステルとフェノール化合物を触媒存在下でエステル
交換反応させるか、及び/又は(A−2)シュウ酸アル
キルアリールエステルを触媒存在下で不均化反応させる
かして、シュウ酸ジフェニルエステル等のシュウ酸ジア
リールエステルを生成させ、(B)それらの反応液から
シュウ酸ジフェニルエステル等のシュウ酸ジアリールエ
ステルを分離・回収し、(C)回収されたシュウ酸ジフ
ェニルエステル等のシュウ酸ジアリールエステルを脱C
O反応させて、炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリールエ
ステルを一酸化炭素(CO)と共に生成させるという炭
酸ジアリールエステルの新規な製造方法(あるいは製造
プロセス)に係わる。
【0107】シュウ酸ジアルキルエステルを出発原料と
して用いて炭酸ジフェニルエステル等の炭酸ジアリール
エステルを製造する本発明の製造方法は、主な副生物が
脂肪族アルコールと一酸化炭素(CO)のみであると共
に、極めて容易に炭酸ジアリールエステルを製造でき
る、工業的に優れた全く新規な炭酸ジアリールエステル
の製造方法である。本発明の製造方法で得られる炭酸ジ
アリールエステル(代表的な化合物である炭酸ジフェニ
ルエステル:DPC)は、ポリカーボネートの主な原料
として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施態様の1例を概略示すプロセス
図である。
【図2】 本発明の実施態様の1例を概略示す他のプロ
セス図である。
【図3】 本発明の実施態様の1例を概略示す更に他の
プロセス図である。
【図4】 本発明のA工程で使用する反応装置の一例を
示す断面図である。
【図5】 本発明のA工程で使用する反応装置の他の例
を示す断面図である。
【符号の説明】
A :反応装置(エステル交換反応及び不均化反応装
置) A1:エステル交換反応装置 A2:不均化反応装置 B :分離装置 B1:粗分離装置 B2:シュウ酸ジアリールエステルの精製装置 C :脱CO反応装置 D :炭酸ジアリールエステルの精製装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/54 C07C 67/54 68/00 68/00 Z 69/36 69/36 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 藤津 悟 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 原田 勝正 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 杉瀬 良二 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 柏木 公一 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 土井 隆志 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A−1)シュウ酸ジアルキルエステルと
    フェノール化合物を、触媒存在下、副生する脂肪族アル
    コールを反応系外へ除去しながら、エステル交換反応さ
    せるか、及び/又は(A−2)シュウ酸アルキルアリー
    ルエステルを、触媒存在下、副生するシュウ酸ジアルキ
    ルエステルを反応系外へ除去しながら、不均化反応させ
    るかして、シュウ酸ジアリールエステルを生成させ、
    (B)そのエステル交換反応及び/又は不均化反応によ
    る反応液からシュウ酸ジアリールエステルを分離・回収
    し、(C)回収されたシュウ酸ジアリールエステルを脱
    CO反応させて、炭酸ジアリールエステルを一酸化炭素
    と共に生成させることを特徴とする炭酸ジアリールエス
    テルの製造方法。
  2. 【請求項2】 フェノール化合物がフェノールであり、
    シュウ酸アルキルアリールエステルがシュウ酸アルキル
    フェニルエステルであり、シュウ酸ジアリールエステル
    がシュウ酸ジフェニルエステルであって、炭酸ジアリー
    ルエステルが炭酸ジフェニルエステルであることを特徴
    とする請求項1記載の炭酸ジアリールエステルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 触媒がエステル交換触媒であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の炭酸ジアリールエステル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 エステル交換触媒が、アルカリ金属化合
    物、カドミウム化合物、ジルコニウム化合物、鉛化合
    物、鉄化合物、銅族金属化合物、亜鉛化合物、有機スズ
    化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、及びバナ
    ジウム化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の
    化合物であることを特徴とする請求項3記載の炭酸ジア
    リールエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 エステル交換反応及び/又は不均化反応
    による反応液からシュウ酸ジアリールエステルを蒸留操
    作により分離・回収することを特徴とする請求項1又は
    2記載の炭酸ジアリールエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 エステル交換反応による反応液からシュ
    ウ酸ジフェニルエステルとフェノールとの付加物を析出
    させる晶析操作によりシュウ酸ジフェニルエステルを分
    離・回収することを特徴とする請求項2記載の炭酸ジフ
    ェニルエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 シュウ酸ジアリールエステルを脱CO触
    媒の存在下で脱CO反応させることを特徴とする請求項
    1又は2記載の炭酸ジアリールエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 脱CO触媒が少なくとも1個の炭素−リ
    ン結合を有する有機リン化合物であることを特徴とする
    請求項7記載の炭酸ジアリールエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 有機リン化合物がホスフィン系化合物、
    ホスフィンオキシド系化合物、ホスフィンジハライド系
    化合物及びホスホニウム塩から選ばれる少なくとも1種
    の有機リン化合物であることを特徴とする請求項8記載
    の炭酸ジアリールエステルの製造方法。
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