JPH1059246A - 電気自転車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリーケースの取付け構造を少ない部品
数で簡単な構造としながら、確実に保持することができ
る構造とし、安価な電気自転車を提供する。 【解決手段】 自転車のメインフレームであるダウンチ
ューブ３１にバッテリーを収納するバッテリーケースが
バッテリー台１０を介して設けられ、該バッテリーによ
り駆動される電動原動機が人力の補助として設けられた
電気自転車であって、前記バッテリー台は前記ダウンチ
ューブの２か所に固着された金具１１、１２と、該金具
に固定されると共に該金具をカバーし前記自転車の横方
向に２分割されるケーシング１６、１７とからなり、前
記バッテリーケースは前記バッテリー台の前記ケーシン
グ上に載置されると共に一端部は前記金具の一方の一部
の固定ピン１２３により固定され、他端部は前記金具の
他方に取り付けられたロックピン１５２の摺動により固
定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は人力走行の補助にモ
ータなどの電動原動機の動力を利用する電気自転車に関
する。さらに詳しくは、モータを駆動するバッテリーの
取付け構造を少ない部品数で簡素化し、コストダウンを
し得る構造とした電気自転車に関する。

【０００２】

【従来の技術】電気自転車では、人力走行の補助をする
ための車輪駆動用モータが取り付けられると共に、該モ
ータを駆動するバッテリーが自転車に取り付けられる。
このバッテリーは、荷台などの邪魔にならないように、
また走行時のペダルをこぐのに邪魔にならないように取
り付けられる必要がある。そのため、最近ではバッテリ
ーケースに収納して自転車のメインフレームであるダウ
ンチューブまたはシートチューブなどのフレームチュー
ブに取り付けられている。このフレームチューブは丸い
パイプ状のもので、しかも水平面に対して傾斜したもの
であり、またバッテリーケースは４ｋｇ近くあり重いも
のであるため、フレームチューブに頑強な樹脂製のケー
スを取り付け、そのケースにより保持する構成となって
いる。

【０００３】すなわち、たとえば特開平７−３２９８５
７号公報に開示されている従来のバッテリーケースの取
り付け構造は、ダウンチューブとシートチューブを覆う
それぞれＶ字状をなして左右に分割されるサイドカバー
とセンターカバーが複雑な形状で形成され、センターカ
バーでバッテリーケースの下端部を支えながらバッテリ
ーの出力端子との接点も取る構造となっている。したが
って、カバーケースは３点からなり、しかも肉厚が厚
く、強度の強い材料の樹脂が用いられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の電気自転車のバ
ッテリーケースは、前述のように自転車のメインフレー
ムに取り付けられた樹脂製のカバーケースを主体として
保持されている。一方、カバーケースは、４ｋｇ程度の
バッテリーケースの自重や走行時の振動に耐えると共
に、バッテリーケースを充電のため取り外す必要があ
り、着脱自在の構造に形成される必要がある。そのた
め、樹脂製のカバーケースが３〜５部品以上の多部品に
なると共に、各々が頑強で複雑な構造となる。そのた
め、製造も困難になると共に材料費も高く、高価とな
り、電気自転車のコストダウンの妨げとなっている。

【０００５】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、バッテリーを収納するバッテリーケ
ースの取付け構造を少ない部品数で簡単な構造としなが
ら、確実に保持することができる構造とすることによ
り、安価で信頼性の高い電気自転車を提供することを目
的とする。

【０００６】本発明の他の目的は、バッテリーケースに
関連する接点やロック装置の補助をする弾性部材などの
取付を１つの金具に集約し、部品点数を少なくしてロー
コスト化を図った電気自転車を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明による電気自転車
は、自転車のメインフレームであるフレームチューブに
バッテリーを収納するバッテリーケースがバッテリー台
を介して設けられ、該バッテリーにより駆動される電動
原動機が設けられた電気自転車であって、前記バッテリ
ー台は前記フレームチューブに固着された金具と、該金
具に固定されると共に該金具をカバーし前記自転車の横
方向に２分割されるケーシングとからなり、前記バッテ
リーケースは前記バッテリー台の前記ケーシング上に載
置されると共に一端部は前記金具の一方の一部により固
定され、他端部は前記金具の他方に取り付けられたロッ
ク装置により固定される。その結果、重量の重いバッテ
リーケースの保持は基本的にフレームチューブに取り付
けられた金具により保持され、バッテリー台のケーシン
グは機械的な強度を気にする必要がなく簡単な形状で構
成することができ、安価になる。すなわち、ケーシング
はこのフレームチューブに取り付けられた金具をカバー
し、上部にバッテリーケースが載置されるだけで、部分
的な力はかからず、機械的強度を気にする必要がない。
しかも内部にバッテリーケースを嵌合させる必要がない
ため、内部の形状をバッテリーケースに合わせる必要が
ない。そのため、単純な形状で横方向に２分割する簡単
な構造とすることができる。

【０００８】前記金具の一方による前記バッテリーケー
スの固定は、たとえば該金具に設けられた前記バッテリ
ーケースの一部が嵌合し得る間隙部へのバッテリーケー
スの一部の挿入により行われ、前記ロック装置による固
定は、たとえば前記金具の他方に取り付けられた直線移
動が可能なロックピンの前記バッテリーケースのロック
金具の嵌合孔への挿入により行われる。その結果、金具
および金具と接続された金属部分でバッテリーケースを
保持することができる。

【０００９】前記バッテリー台のケーシングの少なくと
も一部に、前記バッテリーケースの横移動防止の補助を
する側壁部が上方に延びて設けられていることが、バッ
テリーケースの横方向への加重に対してバッテリーケー
スを支える補助とすることができるため、好ましい。こ
の場合でも主体的な保持は金具により行われるため、ケ
ーシングの強度を強くする必要はない。

【００１０】前記ロック装置が取り付けられる金具に該
金具の台座と直角方向にバネ性を有する弾性部材が取り
付けられ、該弾性部材の一端部が前記ケーシングから露
出し、該ケーシング上に載置されたバッテリーケースに
上方に押し上げる力を付与することが、金具に部品の集
約をすることができると共に、ロックピンと協同して確
実にバッテリーケースを保持することができ、走行中の
振動などに対しても信頼性の高い保持を維持することが
できる。

【００１１】前記バッテリー台が前記メインフレームの
ダウンチューブに取り付けられ、該バッテリー台のケー
シングが前記メインフレームのシートチューブの一部も
覆うように形成されておれば、バッテリー台のケーシン
グに横方向の加重が加わってもシートチューブにより保
持され、バッテリー台の安定性に寄与するため好まし
い。

【００１２】

【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明の電気自転車について説明をする。

【００１３】図１は本発明の電気自転車の一実施形態の
側面図である。図１において、３２はヘッドパイプ、３
３はシートチューブで、ヘッドパイプ３２から傾斜して
シートチューブ３３の根元に接続するダウンチューブ
（図ではバッテリー台１０により覆われている）と共
に、これらのフレームチューブにより自転車のメインフ
レームを構成している。この例ではダウンチューブにバ
ッテリー台１０が取り付けられ、その上にバッテリーが
収納されたバッテリーケース２０が取り付けられている
が、シートチューブ３３に取り付けられても良い。１５
５はロック装置のキー挿入口で、図示しないキーを差し
込み電源スイッチをオン、オフさせると共に、バッテリ
ーケース２０の上端部を保持固定するロックピンを摺動
させるものである。２９は、バッテリーケース２０を運
搬するための把手である。また、４１は後輪に制動をか
けるブレーキで、４０は回転側と固定側とのケーシング
を有し、固定側のケーシング内に人力トルクを検出する
トルクセンサ、モータ、減速機構、制御基板を内蔵し、
人力トルクに応じてモータが駆動するようになってい
る。なお、他の前輪、後輪、ハンドル、サドル、ペダ
ル、チェーンなどの構造やブレーキなどの機能は通常の
自転車と同じ構造および同じ機能であり、その説明を省
略する。

【００１４】図２は本発明の電気自転車のバッテリー台
１０をダウンチューブ３１に取り付ける場合の２工程に
分離した図で、（ａ）はダウンチューブ３１に第１およ
び第２の金具１１、１２を取り付けた状態、（ｂ）はさ
らに２つ割にしたケーシング１６、１７を取り付けてダ
ウンチューブ３１および第１および第２の金具１１、１
２を覆った状態のそれぞれ平面図を示す。

【００１５】図２（ａ）に示されるように、第１の金具
１１は、ダウンチューブ３１の前側、すなわちヘッドパ
イプ３２側に取り付けられており、ケーシング１６、１
７をネジ１８により取り付けるネジ孔１１２が設けられ
たケーシング取付け部１１１、バッテリーケース２０を
上方に押し上げ、ロックピン１５２と共にバッテリーケ
ース２０を固定するスプリング１３（図ではその一端部
に設けられるキャップが示されている）などの弾性部材
を取り付ける弾性部材取付け部１１３、バッテリーの出
力端子と接続する接点用ピン１４の取付け部１１４、ロ
ック装置取付け部１１５が一体で形成され、ダウンチュ
ーブ３１にロー付けまたは溶接などにより固定されてい
る。

【００１６】第２の金具１２も、ダウンチューブ３１の
後側、すなわちシートチューブ３３側に取り付けられて
おり、ケーシング１６、１７をネジ１８により取り付け
るネジ孔１２２が設けられたケーシング取付け部１２１
と、バッテリーケース２０の一端部である下端部を固定
する固定ピン１２３が、第２の金具１２の台座との間に
間隙部Ｄを有するように、側壁１２４、１２５に取り付
けられている。なお、１２６はシートパイプ３３に設け
られたシートパイプ３３の補強金具である。

【００１７】バッテリーケース２０の出力端子２４（図
３参照）と接続する接点用ピン１４は、バッテリーケー
ス２０がバッテリー台１０上に取り付けられた際にバッ
テリーの両電極とそれぞれ一定のスプリング圧で接触す
るように２本設けられており、この接点用ピン１４を介
してバッテリーの電力が自転車側に伝達され、電源スイ
ッチのオンオフの機能も兼ね備えるロック装置１５に差
し込まれたキーにより電源スイッチがオンにされると駆
動部に電力が供給される。

【００１８】ロック装置１５は、たとえばキーを抜いた
状態でロックピン１５２が最もバッテリーケース２０内
に挿入されてバッテリーケース２０を固定すると共に、
電源スイッチがオフになり、キーを差し込んで１段右側
に回すとロックピン１５２も連動して１段引っ込むが、
なおバッテリーケース２０を固定して保持しながら、マ
グネット１５４の位置が動きリードスイッチがオンとな
り、バッテリーの電力が駆動部側に伝達され、さらに、
キーをもう１段右側に回すとロックピン１５２が完全に
引っ込み、バッテリーケース２０のロックが解除され、
バッテリーケース２０を取り外して充電することができ
るようになっている。この際、不用意にバッテリーケー
ス２０のロックが解除されて脱落することがないよう
に、ロック解除のためキーを一番右側に回転させるとき
は、ストッパピン１５１を押しながらでなければキーが
回転しないようになっており、安全装置になっている。
このように、ロック装置１５のキーの回転により、バッ
テリーケース２０の固定および取り外しの着脱を簡単に
することができると共に、電源スイッチのオンオフも行
うことができる。

【００１９】これらの第１および第２の金具１１、１２
をカバーすると共に、バッテリーケース２０を載置でき
るように平面状にするため、図２（ｂ）に同様の平面図
が示されるように、ケーシング１６、１７が被せられ、
ネジ１８により第１および第２の金具１１、１２にそれ
ぞれ取り付けられている。なお、ダウンチューブ３１の
裏側は、ダウンチューブ３１に溶接ナットを取り付けて
固定される。

【００２０】ケーシング１６、１７は自転車の両横側か
ら覆えるように、２つ割にされた同じような構造になっ
ており、ＡＥＳ、ＡＡＳなどの樹脂により２つ取りの金
型により同時に成形される。この際、内部はダウンチュ
ーブ３１および金具１１、１２を覆うだけであるため、
特別の形状にする必要はなく、外形が２つ合わせて矩形
状になり、同じ肉厚のケースにすれば良いが、スプリン
グ１３およびバッテリーとの接点用ピン１４はケーシン
グ１６、１７から露出するように、またネジ１８のため
の孔が形成されるように型成形される。このケーシング
１６、１７の上面は当然のことながらロックピン１５２
および固定ピン１２３より下側になるように形成され、
このケーシング１６、１７の上面に載置されたバッテリ
ーケース２０の両端部を固定ピン１２３および第２の金
具１２の側壁１２４、１２５とロックピン１５２とによ
り固定するようになっている。

【００２１】図２（ｂ）に示される例は、ケーシング１
６、１７のバッテリーケース２０が載置される両端部側
に側壁部１６１、１６２、１７１、１７２が図４の側面
図に示されるように、徐々に高くなるように形成されて
いる。このような側壁部１６１、１６２、１７１、１７
２が形成されることにより、バッテリーケース２０の保
持は第１および第２の金具１１、１２を介して行われて
いるが、横方向の加重に対して支えの補助になり、走行
時の衝撃などに対しても充分に安定性を保つことができ
る。

【００２２】さらに、図２（ｂ）に示される例では、ケ
ーシング１６、１７の後端部側にシートチューブカバー
１６３、１７３が形成されている。このように、シート
チューブカバー１６３、１７３が形成され、シートチュ
ーブ３３を覆うと共に、固定ピン１２３の上部を覆って
いる。このシートチューブカバー１６３、１７３を設け
ることにより、バッテリー台１０のケーシング１６、１
７に横方向の加重が加わってもシートチューブ５３によ
り保持され、バッテリー台１０の安定性に寄与するため
好ましい。

【００２３】図３〜４は、バッテリー台１０上にバッテ
リーケース２０が固定された状態の平面図および一部破
断側面図、図５（ａ）〜（ｂ）は、それぞれ図４のＡ−
Ａ線およびＢ−Ｂ線の断面図である。なお、図２〜４は
図１と反対側からの側面図およびそれに沿った平面図で
ある。

【００２４】図３〜５に示されるように、バッテリーケ
ース２０は、バッテリー台１０上に載置され、その後端
部はバッテリーケース２０の突起部２１が第２の金具１
２の固定ピン１２３と台座との間隙部Ｄに挿入されるこ
とにより横方向および上下方向の移動が阻止され、その
前端部はバッテリーケース２０に取り付けられたロック
金具２２の嵌合孔にロック装置１５のロックピン１５２
が挿入されることにより固定される。この前端部の固定
および解除の着脱は、前述のように、ロック装置１５に
差し込まれるキーの回転により行われる。なお、図３〜
５において、２３はバッテリーの配列部、２４はバッテ
リーの一方の出力端子で、接点用ピン１４に接続され
る。他の図１〜２に示される部分と同じ部分には同じ符
号を付してその説明を省略する。

【００２５】以上説明したように、本発明の電気自転車
は、駆動部に電力を供給するバッテリーを収納するバッ
テリーケース２０を固定する構造が第１および第２の金
具１１、１２からなる２つの金具により主体的に固定す
る構造であり、ケーシング１６、１７はその金具１１、
１２をカバーする化粧カバーの役目をし、固定に対して
は補助的なものであるため、機械的強度を余り必要とせ
ず、肉厚も薄く簡単な形状で２つ割に形成することがで
きる。また、第１の金具１１には、バッテリー部に要求
される接点用ピン１４やバッテリーケース２０を上方に
押し上げてロックを確実にするスプリング１３の取付け
や、ロック装置１５などのすべてが集約されている。そ
のため、バッテリーケース２０の固定を２個の金具と化
粧カバーとする２つ割りのケーシングとによる最小限の
部品で、しかも金具による確実な固定で行うことができ
る。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば電気自転車のバッテリー
ケースの取付け構造が少ない部品で、しかも簡単な構成
でなされるため、部品代および作業工数を大幅に削減す
ることができる。その結果、コストダウンを達成するこ
とができ、電気自転車の普及に大きく寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気自転車の一実施形態の側面図であ
る。

【図２】本発明の電気自転車のバッテリー台の取付け部
の説明図である。

【図３】図２のバッテリー台上にさらにバッテリーケー
スが取り付けられた状態の平面説明図である。

【図４】図２のバッテリー台上にさらにバッテリーケー
スが取り付けられた状態の側面説明図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線およびＢ−Ｂ線の断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ バッテリー台 １１ 第１の金具 １２ 第２の金具 １２３ 固定ピン １３ スプリング １４ 接点用ピン １５ ロック装置 １５２ ロックピン １６、１７ ケーシング ２０ バッテリーケース ２１ 突起部 ３１ ダウンチューブ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車のメインフレームであるフレーム
   チューブにバッテリーを収納するバッテリーケースがバ
   ッテリー台を介して設けられ、該バッテリーにより駆動
   される電動原動機が設けられた電気自転車であって、前
   記バッテリー台は前記フレームチューブに固着された金
   具と、該金具に固定されると共に該金具をカバーし前記
   自転車の横方向に２分割されるケーシングとからなり、
   前記バッテリーケースは前記バッテリー台の前記ケーシ
   ング上に載置されると共に一端部は前記金具の一方の一
   部により固定され、他端部は前記金具の他方に取り付け
   られたロック装置により固定される電気自転車。
2. 【請求項２】 前記金具の一方による前記バッテリーケ
   ースの固定は、該金具に設けられた前記バッテリーケー
   スの一部が嵌合し得る間隙部へのバッテリーケースの一
   部の挿入により行われ、前記ロック装置による固定は、
   前記金具の他方に取り付けられた直線移動が可能なロッ
   クピンの前記バッテリーケースのロック金具の嵌合孔へ
   の挿入により行われる請求項１記載の電気自転車。
3. 【請求項３】 前記バッテリー台のケーシングの少なく
   とも一部に、前記バッテリーケースの横移動防止の補助
   をする側壁部が上方に延びて設けられてなる請求項１ま
   たは２記載の電気自転車。
4. 【請求項４】 前記ロック装置が取り付けられる金具に
   該金具の台座と直角方向にバネ性を有する弾性部材が取
   り付けられ、該弾性部材の一端部側が前記ケーシングか
   ら露出し、該ケーシング上に載置されたバッテリーケー
   スに上方に押し上げる力を付与する請求項１、２または
   ３記載の電気自転車。
5. 【請求項５】 前記バッテリー台が前記メインフレーム
   のダウンチューブに取り付けられ、該バッテリー台のケ
   ーシングが前記メインフレームのシートチューブの一部
   も覆うように形成されてなる請求項１、２、３または４
   記載の電気自転車。