JPH10230880A - 電気自転車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリー部を含めたメインパイプの太さを
抑え、軽快感、スポーティ感を維持し、しかも安価で簡
単な方法でバッテリー部を保持でき、バッテリー部の着
脱も簡単にできるようにした電気自転車を提供する。 【解決手段】 車輪を駆動する電動機と、該電動機の駆
動電源としてのバッテリー部１１とを備えている電気自
転車であって、ヘッドパイプ１と立パイプ２との間に架
橋されるメインパイプ３が第１メインパイプ３ａと第２
メインパイプ３ｂとで構成され、この第１メインパイプ
３ａと第２メインパイプ３ｂとの間の間隙部１０に前記
バッテリー部１１が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は人力走行の補助など
に電動機（モータ）の動力を利用する電気自転車に関す
る。さらに詳しくは、モータを駆動する着脱自在のバッ
テリー部の配置位置を改良して軽快感、スポーティ感を
向上させた電気自転車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電気自転車では、人力走行の補助
をするための車輪駆動用のモータが取り付けられると共
に、該モータの駆動電源としてのバッテリーが自転車に
取り付けられている。自転車のメインフレームは、一般
に、ハンドルが設けられているヘッドパイプと、サドル
が設けられている立パイプと、上記ヘッドパイプと立パ
イプとの間に架橋されているメインパイプなどで主に構
成されている。そして、バッテリーケースにバッテリー
（電池）を装填したバッテリー部を上記メインパイプに
配置する方法として、メインパイプ上にバッテリー部を
配置する方法（たとえば、特開平７−３２９５８２号公
報）と、メインパイプの下側に配置する方法が代表的で
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来のバッテリ
ー部の配置方法において、バッテリー部をメインパイプ
上に配置する場合、メインパイプよりさらに上方にバッ
テリー部が位置するために高さが高くなり、自転車の軽
快感を失うという問題がある。また、バッテリー部をメ
インパイプ下に配置する方法では、重量物であるバッテ
リー部をメインパイプに固定するために、取付機構を丈
夫にしなければならず、大型化すると共に、バッテリー
部の着脱がやりにくいという問題がある。またコストも
高くなる。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、バッテリー部を含めたメインパイプ
の太さを細く見せて軽快感を維持し、しかも安価で簡単
な方法でバッテリー部を保持でき、バッテリー部の着脱
も簡単にできるようにした電気自転車を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による電気自転車
は、車輪を駆動する電動機と、該電動機の駆動電源とし
てのバッテリー部とを備えている電気自転車であって、
ヘッドパイプと立パイプとの間に架橋されるメインパイ
プが第１メインパイプと第２メインパイプとで構成さ
れ、該第１メインパイプと第２メインパイプとの間に前
記バッテリー部が配置されている。そのため、バッテリ
ー部を含めたメインパイプの太さを細く見せることがで
き、自転車の軽快感を維持することができる。

【０００６】また、前記バッテリー部は断面形状が略Ｔ
字型に形成され、該バッテリー部の上部の両側が第１メ
インパイプと第２メインパイプの上面に載置される構造
にすることにより、安価で簡単な方法でバッテリー部を
保持することができる。その結果、バッテリー部のメイ
ンパイプへのロック機構を負荷がかからない簡単な構成
にでき、バッテリー部の着脱操作も簡単に行なうことが
できる。

【０００７】前記バッテリー部の一端部は突起部を有
し、前記メインパイプに固着される取付金具の取付孔に
挿入して固定され、前記バッテリー部の他端部はロック
ピンの挿入孔を有し、前記メインパイプに固着される取
付金具に取り付けられるキーユニットに摺動自在に設け
られるロックピンの挿入により固定される構造にするこ
とにより、着脱が容易で、装着時にしっかりと固定され
る。

【０００８】前記バッテリー部および取付金具の下面側
がカバーケースにて覆われることにより、バッテリー部
の下面がむき出しになることがなく、外観を向上させる
ことができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明の電気自転車について説明する。

【００１０】本発明の電気自転車は、車輪を駆動する電
動機と、該電動機の駆動電源としてのバッテリー部とを
備え、ヘッドパイプと立パイプとの間に架橋されるメイ
ンパイプの近傍にバッテリー部が設けられる電気自転車
において、図１に示されるように、メインパイプが第１
メインパイプ３ａと第２メインパイプ３ｂの横に平行な
２本で構成され、その間隙部１０に前記バッテリー部１
１が配置されていることに特徴がある。

【００１１】このバッテリー部１１は、たとえば図１お
よび図３に示されるように、上部に鍔部１８を有する断
面形状が略Ｔ字型に形成され、２本のメインパイプ３
ａ、３ｂの間に本体部分が挿入されて、その鍔部のリブ
１８ａ（図１参照）によりメインパイプ３ａ、３ｂ上に
固定されると共に、その長手方向の両端部が第１および
第２メインパイプ３ａ、３ｂにそれぞれ固着される取付
金具２６、３１に固定できる構造になっている。この両
端部の固定は、たとえばその一端部が一方の取付金具２
６の取付孔２７に挿入することにより固定され、他方が
キーユニット３２のキーの回動により摺動するロックピ
ン３７の挿入により固定され、容易に着脱できる構造と
することができる。なお、このバッテリー部１１の取付
は、Ｔ字型形状で支える構造でなくても、２本のパイプ
に取り付けられる受け具により２本のパイプ間で保持固
定するなどの他の構造にすることもできる。

【００１２】本発明の電気自転車のメインフレーム３
（３ａ、３ｂ）は、図２にその一実施形態の側面図が示
されるように、ヘッドパイプ１と、立パイプ２と、ヘッ
ドパイプ１から下方に傾斜して立パイプ２の中間部分に
架橋して設けられるメインパイプ３とからなっている。
また、図２において、４は後輪駆動部であり、回転側と
固定側とのケーシングを有し、たとえば固定側のケーシ
ング内に人力トルクを検出するトルクセンサー、モー
タ、減速機構、制御基板などを内蔵し、たとえば人力ト
ルクに応じてモータが駆動するようになっている。な
お、他の前輪、後輪、ハンドル、サドル、ペダル、チェ
ーンなどの構造やブレーキなどの機能は通常の自転車と
同じ構造および同じ機能なので、その説明を省略する。

【００１３】メインパイプ３は、図１および図３に示さ
れるように、２本の横方向に平行な第１メインパイプ３
ａと第２メインパイプ３ｂとで構成されており、この第
１メインパイプ３ａと第２メインパイプ３ｂとは所定の
間隙を開けてヘッドパイプ１と立パイプ２との間に傾斜
して架橋されている。第１、第２メインパイプ３ａ、３
ｂのそれぞれの両端側は略く字型にパイプ１、２側に折
曲されていて、その両メインパイプ３ａ、３ｂの間隙部
１０がヘッドパイプ１および立パイプ２の太さより広
く、バッテリー部１１が入る間隔にされて、その先端部
分はヘッドパイプ１および立パイプ２の外周面に溶接な
どの手段により固着されている。そして、その間隙部１
０内にバッテリー部１１が着脱自在に装着されるように
なっている。

【００１４】後輪駆動用のモータ（図示せず）の駆動電
源としてのバッテリー部１１は、図１〜４に示されるよ
うに、多数の充電式の電池セル１２からなる電池ユニッ
ト１３と、この電池ユニット１３と外部の接続端子とを
接続するための端子ユニット１４と、これら電池ユニッ
ト１３、端子ユニット１４などを収納するバッテリーケ
ース１５などで構成されている。

【００１５】上記バッテリーケース１５は、たとえばＡ
ＡＳやＡＥＳなどの熱可塑性樹脂からなり、図１に示さ
れるように、断面が略Ｔ字型に形成されており、また前
記電池ユニット１３や端子ユニット１４などを底面に配
設するケースボディ１６と、このケースボディ１６の上
面開口面を閉塞する蓋部１７とで構成されている。バッ
テリーケース１５のケースボディ１６の横寸法は第１メ
インパイプ３ａと第２メインパイプ３ｂとの間隙部１０
の寸法よりやや小さく設定されており、またケースボデ
ィ１６の両側の側板の上端より一体に鍔部１８が長手方
向に設けられ、鍔部１８の裏面にメインパイプ３ａ、３
ｂと断続的に接触するようにリブ１８ａが形成されてい
る。この両側のリブ１８ａ、１８ａが第１メインパイプ
３ａと第２メインパイプ３ｂとの上面に載置されるよう
になっており、バッテリー部１１はリブ１８ａを介して
第１メインパイプ３ａと第２メインパイプ３ｂにより支
持されるようになっている。

【００１６】ケースボディ１６の長手方向の両端部に
は、図３に示されるように、ネジ穴２１がそれぞれ形成
されていて、このネジ穴２１に蓋部１７の上面から挿通
したネジ（図示せず）を螺着することで、蓋部１７がケ
ースボディ１６に固定される。また、図１に示されるよ
うに蓋部１７の天井面には商用電源からのプラグが接続
される充電コネクタ２２が配設されており、バッテリー
部１１を自転車から取り外したときに蓋部１７を外さず
に直接プラグを接続して電池ユニット１３を充電するこ
とができるようになっている。

【００１７】バッテリー部１１の長手方向の一端部を固
定する取付金具２６は、図３〜４に示されるように、断
面が略Ｌ字型の金具からなっており、立パイプ２側の第
１メインパイプ３ａと第２メインパイプ３ｂとに溶接な
どの手段により固着されていている。この取付金具２６
には、バッテリー部１１（ケースボディ１６）の後端面
に突設した突起１９が挿入される取付孔２７が穿設され
ている。また、バッテリー部１１の他端部を固定する取
付金具３１は、図３に示されるように、断面が略コ字型
の金具で第１メインパイプ３ａのヘッドパイプ１側の内
側に溶接などの手段により固着されている。この取付金
具３１にキーユニット３２がボルトなどにより固定され
ている。

【００１８】上記キーユニット３２は図５に示されるよ
うな構成となっており、キー差込口３３と、このキー差
込口３３に挿入したキー（図示せず）を回転させること
で共動するカム３４と、このカム３４に一端が固定され
ているクランクピン３５と、このクランクピン３５の他
端と遊嵌し、上記カム３４の回動により該クランクピン
３５を介してクランクピン３５と直角方向にスライドす
るロックハウジング３６と、このロックハウジング３６
の側壁に基部が固定されている棒状のロックピン３７な
どで構成されている。このキーユニット３２の作用は本
発明の要旨ではないので、詳細な説明は省略するが、キ
ー差込口３３に差し込んだキーの回動により上記カム３
４、クランクピン３５、ロックハウジング３６を介して
ロックピン３７がメインパイプ３ａの長手方向（図５の
左右方向）にスライド自在となっている。

【００１９】上記ロックピン３７の先端側の位置に対応
したバッテリー部１１のケースボディ１６の前端面には
挿入孔４０が設けられると共に、この挿入孔４０の内面
側に金属製のセットプレート４１が設けられており、上
記ロックピン３７を出し入れ自在とするロック孔４２が
穿孔されている。図５に示されるロックピン３７の位置
はスライド方向の中間程度の位置であり、左側の２点鎖
線の位置がロックピン３７が最も引っ込んだ位置であ
り、バッテリーケース１５の取り外し時に相当する位置
である。また、右側の２点鎖線の位置はロックピン３７
が最も突き出した位置であり、ロックピン３７の先端部
がロック孔４２に挿入して、ロックピン３７によりバッ
テリー部１１が係合した状態であり、バッテリーケース
１５（バッテリー部１１）のメインパイプ３への装着時
の状態である。

【００２０】ところで、図１および図４に示されるよう
に、断面がＬ字型の取付金具２６の底面には一対の接点
端子４８、４９を配設した絶縁材からなるベース４７が
ビス４６により固定されている。上記接点端子４８、４
９の上部はケースボディ１６の底部に開けられた挿通孔
５１よりケースボディ１６内に突出し、接点端子４８の
上端面の接点と端子ユニット１４の板バネ５２の先端下
面に固着してある接点と接触するようになっている。こ
の板バネ５２の基部側は電池ユニット１３の一方の極に
接続されている。なお、他方の極の接点端子４９の端子
ユニット１４への接続も上記と同じなので説明を省略す
る。また、５４はヒューズである。

【００２１】図１〜５に示される例では、バッテリー部
１１および取付金具２６、３１の下面全体を覆うように
カバーケース５８が配設されている。すなわち、このカ
バーケース５８は、図１に示されるように断面が略Ｕ字
状に形成されていて、カバーケース５８の後部側は図４
に示されるように取付金具２６の下端に形成された取付
片５９にビス６０により固定されるようになっている。
また、カバーケース５８の前部は図５に示されるよう
に、取付金具３１の下部の取付片６２にビス６３により
固定されている。

【００２２】つぎに、以上の構成例の電気自転車のバッ
テリー部１１の着脱方法について説明をする。図２に示
されるようにバッテリー部１１がメインパイプ３に装着
されている状態から取り外す場合には、先ずキー差込口
３３にキーを挿入して回転させてロックピン３７をロッ
ク孔４２から抜き、バッテリー部１１の前部を少し持ち
上げてバッテリー部１１を前部側に引くことにより、バ
ッテリー部１１の一端部の突起１９が取付金具２６の取
付孔２７から抜け、バッテリー部１１をメインパイプ３
から容易に取り外すことができる。なお、このとき、バ
ッテリー部１１の端子ユニット１４は接点端子４８、４
９からも容易に離脱するようになっている。

【００２３】つぎに、取り外したバッテリー部１１を充
電した後に、自転車に装着する場合には、接点端子４
８、４９に端子ユニット１４を接触させるようにすると
共に、突起１９を取付孔２７に挿入する。そして、バッ
テリー部１１をメインパイプ３に載置して、キーを回転
させてロックピン３７をロック孔４２に挿入することに
より、バッテリー部１１をメインパイプ３に容易に装着
することができる。したがって、バッテリー部１１のメ
インパイプ３への着脱を非常に簡単に行うことができ
る。

【００２４】また、バッテリー部１１をメインパイプ３
に装着した状態では、バッテリー部１１の鍔部１８のリ
ブ１８ａが第１メインパイプ３ａと第２メインパイプ３
ｂの上面にて支持されているので、安価で、かつ、簡単
な方法でバッテリー部１１をメインパイプ３に保持する
ことができる。また、鍔部１８によりバッテリー部の重
量を支持することができるため、メインパイプ３への位
置決めの保持機構やロック機構にかかる負荷を軽くしな
がら比較的重量のあるバッテリー部１１を装着すること
ができる。したがって、上記保持機構やロック機構の構
成を簡素化できて低コスト化が図られ、しかも、バッテ
リー部１１の着脱時の操作も容易にできることになる。

【００２５】さらに、バッテリー部１１は２本の平行な
第１メインパイプ３ａと第２メインパイプ３ｂとの間に
配設されているので、バッテリー部を含めたメインパイ
プ部の太さがあまり太くならず、自転車の軽快感を維持
できると共に、外観上もすっきりとさせることができ。

【００２６】また、図２〜３に示されるように、バッテ
リー部１１および取付金具２６、３１の下面側の全体が
カバーケース５８により覆われているので、バッテリー
部１１やキーユニット３２などがむき出しになることが
なく、雨などの浸入を防ぎやすいと共に、外観の向上に
寄与している。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、バッテリー部をメイン
パイプの近傍に配設しても簡単な構成により着脱をする
ことができると共に、バッテリー部を含めたメインパイ
プの太さがあまり太くならず、自転車の軽快感、スポー
ティ感を維持することができる。また、バッテリー部の
断面を略Ｔ字型とすることにより、一層安価で簡単な方
法によりバッテリー部を保持でき、バッテリー部の着脱
も簡単な構成とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気自転車のバッテリー部をメインパ
イプに装着した状態を示す断面説明図である。

【図２】本発明の電気自転車の一実施形態の側面図であ
る。

【図３】本発明のバッテリー部をメインパイプに装着し
た状態を上から見た断面説明図である。

【図４】本発明のバッテリー部の後部の装着状態を示す
一部破断説明図である。

【図５】本発明のバッテリー部の前部の装着状態を示す
一部破断説明図である。

【符号の説明】

１ ヘッドパイプ ２ 立パイプ ３ メインパイプ ３ａ 第１メインパイプ ３ｂ 第２メインパイプ １１ バッテリー部 １８ 鍔部 １９ 突起 ２６ 取付金具 ３１ 取付金具 ３２ キーユニット ３７ ロックピン ５８ カバーケース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 英明 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車輪を駆動する電動機と、該電動機の駆
   動電源としてのバッテリー部とを備えている電気自転車
   であって、ヘッドパイプと立パイプとの間に架橋される
   メインパイプが第１メインパイプと第２メインパイプと
   で構成され、該第１メインパイプと第２メインパイプと
   の間に前記バッテリー部が配置されてなる電気自転車。
2. 【請求項２】 前記バッテリー部は断面形状が略Ｔ字型
   に形成され、該バッテリー部の上部の両側の鍔部が第１
   メインパイプと第２メインパイプの上面に載置されてな
   る請求項１記載の電気自転車。
3. 【請求項３】 前記バッテリー部の一端部は突起部を有
   し、前記メインパイプに固着される一方の取付金具の取
   付孔に挿入して固定され、前記バッテリー部の他端部は
   ロックピンの挿入孔を有し、前記メインパイプに固着さ
   れる他方の取付金具に取り付けられるキーユニットに摺
   動自在に設けられるロックピンの挿入により固定される
   請求項１または２記載の電気自転車。
4. 【請求項４】 前記バッテリー部および取付金具の下面
   側はカバーケースにて覆われてなる請求項１または２記
   載の電気自転車。