JPH1058679A - インクジェットヘッド部品及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド部品及びその製造方法

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JPH1058679A
JPH1058679A JP21816896A JP21816896A JPH1058679A JP H1058679 A JPH1058679 A JP H1058679A JP 21816896 A JP21816896 A JP 21816896A JP 21816896 A JP21816896 A JP 21816896A JP H1058679 A JPH1058679 A JP H1058679A
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inkjet head
film
manufacturing
substrate
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JP21816896A
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Kunio Ikeda
邦夫 池田
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
Tadashi Kato
忠 加藤
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Ricoh Co Ltd
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    • B41J2/1643Manufacturing processes thin film formation thin film formation by plating

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストが高くなる。 【解決手段】 表面が導電性を有する基板30上にSi
2の絶縁性被膜33を所定のパターンで形成した電鋳
支持基板35を用いるフォトエレクトロフォーミング法
でインクジェットヘッド部品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド部品及びその製造方法に関し、例えばノズルを形成し
たノズル形成部材や振動板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、
コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力する
プリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられ
るようになっている。このようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子、発
熱抵抗体等のアクチュエータ素子を記録信号に応じて駆
動することによってノズルからインク滴を吐出飛翔させ
ることによって記録媒体上に画像記録を行なうものであ
る。
【0003】このようなインクジェットヘッドは、構造
上、ヘッド構成部材の積層の端面側よりインク滴を吐出
するエッジシュータ方式のものと、ノズル形成部材に円
形のノズルを形成するサイドシュータ方式のものとに大
別することができる。このサイドシュータ方式のインク
ジェットヘッドとしては、従来、例えば特開平6−25
5099号公報に記載されているように、圧電素子上
に、ダイアフラム部を有する振動板を積層し、この振動
板上に圧電素子でダイアフラム部を介して加圧される液
室及びこの液室にインクを供給するインク供給路を形成
する流路形成部材を積層し、更にこの流路形成部材上に
ノズルを形成したノズル形成部材を積層したものが知ら
れている。
【0004】ところで、このようなインクジェットヘッ
ドを構成するインクジェットヘッド部品としての例えば
ノズル形成部材の製造方法としては、特開平5−774
17号公報に記載されているように、電鋳基板上にフォ
トリソプロセスによってノズル孔の元となる円形パター
ンを形成し、電鋳によって複数個のノズルを一体的に形
成する方法が知られている。
【0005】また、ノズル形成部材のノズル表面側には
撥水性を有する表面処理を施すことで均一性を高めて、
インク滴の飛翔特性の安定化を図るようにすることが行
われている。この撥水処理としては、例えば特開平4−
294145号公報に記載されているように、インク吐
出面側にフッ素系高分子共析メッキ処理、例えばポリテ
トラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という。)
微粒子を分散させたニッケルメッキを施した後、350
℃〜380℃で30分間加熱して、PTFE粒子を溶融
させて皮膜を形成することが知られている。このような
撥水処理を行うためには、ノズル形成部材の表面と反対
側の面に撥水処理がされないように、マスキングを行う
必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにフォト
リソプロセスを用いてインクジェットヘッド部品を製造
する場合には、フォトリソプロセスは一般的に工程が長
いので製造コストの低減を図ることができない。また、
電鋳支持基板は高価な割りに1回毎に製作しなければな
らないので、コストが高くなると共に、寸法再現性の問
題で歩留りが悪く、部品コストの増加につながってい
る。
【0007】また、ノズル形成部材に撥水処理を施すた
めにマスキングを行うことは、工程が煩雑になると共
に、マスキング膜の部分的欠陥によって安定した表面処
理が難しく、歩留りが低下して、部品コストの増加につ
ながっている。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、インクジェットヘッド部品のコストを低減するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッド部品の製造方法
は、フォトエレクトロフォーミング法を用いるインクジ
ェットヘッド部品の製造方法であって、表面が導電性を
有する基板上に炭化物系、酸化物系、窒化物系のいずれ
かの絶縁性被膜を所定のパターンで形成した母型基板を
用いる構成とした。なお、フォトエレクトロフォーミン
グ法(以下、「PEF法」ともいう。)とは写真製版技
術とメッキ技術を応用して部品を製造する方法をいう。
【0010】請求項2のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項1のインクジェットヘッド部品の
製造方法において、前記母型基板に対してMn,Co,W
のいずれかを含むニッケル電鋳液を用いて成膜する構成
とした。
【0011】請求項3のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項1又は2のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、前記母型基板の絶縁性被膜が
TiN,BN,SiO2,SiON,AlN,Al23,i−
Cのいずれからなる構成とした。
【0012】請求項4のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、フォトエレクトロフォーミング法を用いるイ
ンクジェットヘッド部品の製造方法であって、表面が導
電性を有する基板上にアルミニウム膜を成膜し、このア
ルミニウム膜上に所定のパターンでレジストパターンを
形成し、このレジストパターンの開口部の前記アルミニ
ウム膜を陽極酸化して絶縁性被膜を形成した後、非陽極
酸化部分の前記アルミニウム膜を除去した母型基板を用
いる構成とした。
【0013】請求項5のインクジェットヘッド部品は、
複数の組成の異なるメッキ層からなる構成とした。
【0014】請求項6のインクジェットヘッド部品は、
上記請求項5のインクジェットヘッド部品において、前
記メッキ層は初期電析層、中間層及び最表面層からなる
構成とした。
【0015】請求項7のインクジェットヘッド部品は、
上記請求項6のインクジェットヘッド部品において、前
記初期電析層はテフロン含有の共析ニッケルメッキ層、
中間部は純ニッケルメッキ層、最表面層は硫黄含有ニッ
ケルメッキ層である構成とした。
【0016】請求項8のインクジェットヘッド部品は、
上記請求項6又は7のインクジェットヘッド部品におい
て、前記初期電析層の厚みが1〜10μm、中間層の厚
みが10〜50μm、最表面層の厚みが10〜30μm
である構成とした。
【0017】請求項9のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項5乃至8のいずれかのインクジェ
ットヘッド部品を製造するインクジェットヘッド部品の
製造方法において、最も表面の層をスルフォン酸系、ス
ルフォンアミド系、スルフォンイミド系、アルキル鎖状
化合物系のいずれかの添加物を含むニッケル液で電鋳す
る構成とした。
【0018】請求項10のインクジェットヘッド部品の
製造方法は、上記請求項5乃至8のいずれかのインクジ
ェットヘッド部品を製造するインクジェットヘッド部品
の製造方法において、電鋳が終了した後に250℃〜3
50℃で1〜2時間熱処理する構成とした。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用したイン
クジェットヘッド部品を有するインクジェットヘッドの
分解斜視図である。このインクジェットヘッドは、駆動
ユニット1と、液室ユニット2と、ヘッドカバー3とを
備えている。
【0020】駆動ユニット1は、セラミック、ガラスエ
ポキシ樹脂等からなる絶縁性基板11上に、複数の積層
型圧電素子12を接合して二列配置し、これらの各列の
積層型圧電素子12の周囲を取り囲む液室支持部材であ
るフレーム部材13を接合している。また、基板11上
には共通電極パターン14及び個別電極パターン15を
設け、共通電極パターン14は、フレーム部材13に設
けた穴16内に導電性接着剤を充填することで各パター
ン部の導通を取っている。
【0021】そして、基板11をヘッド支持部材である
スペーサ部材(ヘッドホルダ)17上に支持して保持
し、スペーサ部材17内に保持したヘッド駆動用IC等
を有するPCB基板と駆動ユニット1の各圧電素子12
とをFPCケーブル18を介して接続している。
【0022】液室ユニット2は、金属或いは樹脂の薄膜
からなる振動板21、光感光性樹脂等からなる流路形成
部材22,22及びノズル24を形成した金属、樹脂等
からなるノズル形成部材であるノズルプレート23を積
層して熱融着して形成している。ノズルプレート23の
表面には、撥水性の表面処理を施した撥水処理面25と
周縁の撥水処理を施していない非撥水処理面26とを設
けている。
【0023】ノズルカバー(ヘッドカバー)3は、ノズ
ルプレート23の周縁部及びヘッド側面を覆う箱状に形
成したものであり、ノズルプレート23の撥水処理面2
5に対応して開口部を形成し、ノズルプレート23の非
撥水処理面26に接着剤にて接着接合している。
【0024】また、このインクジェットヘッドには、図
示しないインクカートリッジからのインクを液室に供給
するため、スペーサ部材17、基板11、フレーム部材
13及び振動板21にそれぞれインク供給穴27〜30
を設けている。
【0025】そこで、このインクジェットヘッドにおけ
るインクジェットヘッド部品であるノズルプレートの製
造方法の一例について図2及び図3を参照して説明す
る。先ず、図2(a)に示すように電鋳支持基板を形成
するためにシリコン単結晶板(Si基板)31を用意
し、このSi基板31上に同図(b)に示すようにスパ
ッタリングによりNiの電気導体膜32を成膜して、電
気導体基板30とする。
【0026】なお、電気導体基板としては、銅板、ニッ
ケル板、黄銅板、SUS板などのそれ自体電気導体性を
有する基板を用いることもできる。また、上述したよう
にSi基板の他、例えばガラス、セラミックスなどのそ
れ自体非電気導体性の基板(平板)上に電気導体膜を成
膜することで電気導体性を持たせるようにすることもで
きる。
【0027】そして、同図(c)に示すように電気導体
基板30の電気導体膜32上にSiO2からなる酸化絶縁
膜33を成膜した後、この酸化絶縁膜33上に有機レジ
ストを塗布し、露光、現像工程を経て、同図(d)に示
すように所定のパターンをなすレジスト膜34を形成す
る。なお、この実施例では、ノズル用の円形パターンを
SiO2で形成するので、SiO2膜(酸化絶縁膜)33上
に重ねてレジスト膜を成膜している。
【0028】次いで、レジスト膜34を形成していない
部分(レジスト開口部)を弗酸液で処理することによっ
て、図3(a)に示すようにレジスト膜34のない部分
のSiO2膜33が溶解してNi膜(電気導体膜)32が
露出する。その後、レジスト膜34を除去することによ
って、同図(b)に示すようにSiO2膜33で所定のパ
ターニングをした電鋳支持基板(母型基板)35が得ら
れる。
【0029】そこで、この電鋳支持基板35を用いて電
鋳を行なうことによって、同図(c)に示すように、S
iO2膜33上には電鋳メッキが析出せず、Ni膜32上
にのみ電鋳メッキが析出し、更にメッキを続けるとSi
2膜33上にメッキがせり出すように析出(オーバー
ハング)するので、ある時点で通電を止めると、ノズル
孔となるカーブ状断面の開口を有するNi及び合金の膜
36が形成される。この場合、予めメッキせり出し量と
メッキ厚みの関係を掴んでおくことで、所望の直径のノ
ズル開口にすることができる。そして、同図(d)に示
すように電気導体基板30(Si基板及び絶縁性被膜)
を分離することによってノズル24を有するノズルプレ
ート23が得られる。
【0030】この場合、電鋳液としては、Mn,Co,W
のいずれかを含むニッケル電鋳液を用いている。PEF
法(フォトエレクトロフォーミング法)によるインクジ
ェットヘッド部品の材料特性はメッキ・電鋳条件によっ
て決定される。ところが、従前用いられているスルファ
ミン酸ニッケル浴からの電析では、低PH側のインクに
対する長期信頼性が欠け、腐食が発生し、また、耐腐食
性を向上するためにニッケル部品の熱処理を行うと脆く
なくという欠点が発生する。そこで、このようにMn,
Co,Wなどの添加元素を含むニッケル電鋳液を用いる
ことによって、耐熱性、耐インク安定性、曲げなどの物
理特性が向上する。
【0031】なお、ここでは、単一ノズルの形態で図示
しているが、ノズルプレート23のように複数のノズル
24を複数列形成するには、図4に示すように電気導体
基板30の電気導体膜32上に成膜したSiO2の酸化絶
縁膜上に、有機レジストを塗布し、露光、現像工程を経
て、所定のパターンをなすレジスト膜34を形成する際
に、複数のレジスト膜34を複数列形成して、電気導体
基板30上に複数の円形パターン状のSiO2膜33を複
数列形成した電鋳支持基板35を得る。この電鋳支持基
板35上に電鋳を行ってニッケル及び合金の膜36を形
成することで図5に示すように複数のノズルとなる開口
が形成される。
【0032】また、複数のノズルを一列に形成する場合
のSiO2膜のパターンは、例えば図6に示すようにな
る。さらに、1枚の電鋳支持基板を用いて多数のノズル
プレートを多数個取りで製作する場合には、図7に示す
ように電気導体基板上にSiO2膜でノズル開口用のパタ
ーン37と共に、各ノズルプレートに分割するための分
割溝パターン38を形成した電鋳支持基板35を形成す
る。さらにまた、振動板を多数個取りで製作する場合に
は、図8に示すようにSiO2膜でインク供給孔用のパタ
ーン39と共に、各振動板に分割するための分割溝パタ
ーン40を形成した電鋳支持基板35を形成する。
【0033】このように写真製版技術とメッキ技術を応
用したPEF法でインクジェットヘッド部品を製造する
ことにより、同一基板に多数個のインクジェットヘッド
部品をレイアウトして同時に製造することができ、イン
クジェットヘッド部品の生産性が向上する。
【0034】また、PEF法では析出単位がノナレベル
以下であるので、例えばノズル形成部材のノズル径、振
動板のダイアフラム部の厚さなどの部品の寸法精度の高
精度に制御することができると共に、高い再現性を得る
ことができる。さらに、PEF法によれば肉厚差のある
構造体を一体的に同時に製造することができて生産性が
高くなる。
【0035】さらにまた、添加剤の種類、量、ニッケル
電鋳条件によって広範囲の材料特性の部品を製作するこ
とができ、極めて平滑な電析面が得られるので、例えば
インクの直進性に優れたノズル形成部材を形成すること
ができる。
【0036】そして、PEF法によるインクジェットヘ
ッド部品の製造において、表面が導電性を有する基板上
にSiO2の絶縁性被膜を所定のパターンで形成した母型
基板を電鋳支持基板に用いることによって、この電鋳支
持基板は絶縁性被膜と基板との密着性及び絶縁被膜の硬
度に優れ、多数回のPEF法(フォトエレクトロフォー
ミング法)に耐えることができるため、電鋳支持基板を
繰り返し使用することができて、インクジェットヘッド
部品の製造コストを低減することができる。
【0037】この実施例では、表面が導電性を有する基
板上に形成する絶縁性被膜としてSiO2を用いている
が、この他の酸化物系、或いは炭化物系や窒化物系、例
えば、TiN,BN,SiO2,SiON,AlN,Al
23,i−Cのいずれかの絶縁性被膜を形成しても、基
板との密着性及び硬度に優れているので、同様の作用効
果を得ることができる。また、絶縁性被膜としては、こ
れらの酸化物系、炭化物系或いは窒化物系のPVD、C
VD膜が適している。
【0038】次に、本発明に係る他のインクジェットヘ
ッド部品の製造方法について図9を参照して説明する。
先ず、図9(a)に示すように、前同様に基板31上に
ニッケル膜32を成膜して導体化した電気導体基板30
上に、ニッケル膜32の表面側にアルミニウム膜41を
重ねてスパッタリングなどで成膜し、このアルミニウム
膜41上にレジストを塗布して、露光、現像を行って、
同図(b)に示すようにノズル開口を形成するための円
形パターン状の開口部42aを有するレジストパターン
42を形成する。
【0039】その後、同図(c)に示すように、硫酸水
溶液(10〜15vol%)で陽極電解すると、レジスト
パターン42の開口部42aのアルミニウム膜部分が陽
極酸化してAl23(アルミナ)膜43の絶縁性被膜と
なる。そこで、レジストパターン42を除去して、非陽
極酸化部分のアルミニウム膜41を溶解すると、同図
(d)に示すように所定のパターンでアルミナ膜43が
形成された電鋳支持基板35を得ることができる。
【0040】したがって、この電鋳支持基板35に電鋳
を行うことによって、同図(b)に示すようにアルミナ
膜43上が開口し、アルミナ膜34上にせり出したニッ
ケル及び合金の膜36が形成され、電鋳支持基板35を
剥離することによって、同図(c)に示すようにノズル
24を有するノズルプレート23が得られる。
【0041】このように表面が導電性を有する基板上に
アルミニウム膜を成膜し、このアルミニウム膜上に所定
のパターンでレジストパターンを形成し、このレジスト
パターンの開口部のアルミニウム膜を陽極酸化してアル
ミナ膜の絶縁性被膜を形成した後、非陽極酸化部分のア
ルミニウム膜を除去した母型基板を用いてインクジェッ
トヘッド部品を製造することによって、絶縁性被膜と基
板との密着性及び絶縁被膜の硬度に優れ、多数回のPE
F(フォトエレクトロフォーミング法)に耐えることが
でき、電鋳支持基板を繰り返し使用することができて、
インクジェットヘッド部品の製造コストを低減すること
ができる。
【0042】次に、本発明の更に他のインクジェットヘ
ッド部品の製造方法及びインクジェットヘッド部品につ
いて図10を参照して説明する。この実施例では、同図
(a)に示すように、所定のパターンをなす絶縁性被膜
52を有する電鋳支持基板51を用いて、 四フッ化樹脂などの微粒子を懸濁させたPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)共析メッキ(分散メッ
キ)液を用いて、電鋳を行って初期電析層53を形成し
た。この初期電析層53の厚みは1〜10μmの範囲内
にした。
【0043】 続いて、Mn,Co,Wなどの元素を含
むニッケル電鋳液を用いて、初期電析層53上に電鋳を
行って中間層54を形成した。この中間層54の厚みは
10〜50μmの範囲内にした。 さらに、スルフォン酸系、スルホンアミド系、スル
フォンイミド系、アルキル鎖状化合物などの添加物を加
えた電鋳液を用いて電鋳を行って、中間層54上に最表
面層55を形成した。この最表面層55の厚みは10〜
30μmにした。
【0044】 そして、同図(b)に示すように電鋳
支持基板51を剥離して、初期電析層53、中間層54
及び最表面層55からなる三層構造のノズルプレート5
6とした。 このノズルプレート56を250℃〜350℃で1
〜2時間熱処理をして最終部品とした。この熱処理を行
うことによって初期電析層53表面の撥水性を向上する
ことができる。
【0045】このノズルプレート56においては、電析
初期層53が含フッ素メッキ膜からなる撥水性被膜とな
るので、必要な範囲で簡単に撥水性を付与することがで
き、作業性が向上し、製造コストが低減する。つまり、
一般に、ノズルプレートは、ノズル表面側の撥水性を確
保するための表面処理を行っているが、このとき、ノズ
ルのインク流入側に撥水処理が施されると濡れ性が低下
してしてしまうので、フォトリソ法によって非撥水処理
部分のマスキングを行っている。このマスキング作業は
煩雑で作業工程の増加やコストの増加を招いていたが、
この実施例のようにすることで、絶縁性被膜を形成する
部分を設定するだけで、必要な範囲に簡単に撥水性を付
与することができるのである。
【0046】また、中間層54は純ニッケルメッキから
なるので、耐熱性を維持することができ、後工程の熱処
理などによる屈曲剛性の低下を防止することができる。
さらに、最表面層55はスルフォン酸系、スルホンアミ
ド系、スルフォンイミド系、アルキル鎖状化合物などの
添加物を加えたメッキ層であるので、安価な添加剤と熱
処理によって耐食性を向上することができる。従前、金
メッキなどによってノズルプレート全体を被覆する例も
あるが高価になるという欠点があったのに対して、本実
施例によれば低コスト化を図れる。
【0047】このように、インクジェットヘッド部品を
複数の組成の異なるメッキ層からなる構成とすることに
よって、機能分離を図ることができて、例えば組成の異
なる三層構造にして高耐食、耐熱性及び撥水性を有する
ノズル形成部材を低コストで得ることができ、また、長
期信頼性に優れたインクジェットヘッド部品を得ること
ができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッド部品の製造方法によれば、フォトエレク
トロフォーミング法でインクジェットヘッド部品の製造
するときに、表面が導電性を有する基板上に炭化物系、
酸化物系、窒化物系のいずれかの絶縁性被膜を所定のパ
ターンで形成した母型基板を用いる構成としたので、イ
ンクジェットヘッド部品の生産性を向上し、母型基板の
繰返し使用が可能になり、生産コストを低減することが
できる。
【0049】請求項2のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項1のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、母型基板に対してMn,Co,
Wのいずれかを含むニッケル電鋳液を用いて成膜する構
成としたので、インクジェットヘッド部品の耐熱性、耐
インク性、曲げなどの物理的特性を向上することができ
る。
【0050】請求項3のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項1又は2のインクジェット
ヘッド部品の製造方法において、母型基板の絶縁性被膜
がTiN,BN,SiO2,SiON,AlN,Al23,i
−Cのいずれからなる構成としたので、絶縁性皮膜と基
板との密着性及び絶縁性皮膜の硬度が高くなり、母型基
板の繰返し使用が可能になって、インクジェットヘッド
部品の生産コストを低減することができる。
【0051】請求項4のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、フォトエレクトロフォーミング法でイ
ンクジェットヘッド部品を製造するときに、表面が導電
性を有する基板上にアルミニウム膜を成膜し、このアル
ミニウム膜上に所定のパターンでレジストパターンを形
成し、このレジストパターンの開口部のアルミニウム膜
を陽極酸化して絶縁性被膜を形成した後、非陽極酸化部
分のアルミニウム膜を除去した母型基板を用いる構成と
したので、インクジェットヘッド部品の生産性を向上
し、母型基板の繰返し使用が可能になり、生産コストを
低減することができる。
【0052】請求項5のインクジェットヘッド部品によ
れば、複数の組成の異なるメッキ層からなる構成とした
ので、機能分離による高耐食、耐熱性及び撥水性などの
複合特性を有するインクジェットヘッド部品を低コスト
で得ることができると共に、長期信頼性に優れたインク
ジェットヘッド部品を得ることができる。
【0053】請求項6のインクジェットヘッド部品によ
れば、上記請求項5のインクジェットヘッド部品におい
て、メッキ層は初期電析層、中間層及び最表面層からな
る構成としたので、高耐食、耐熱性及び撥水性などの特
性を向上することができる。
【0054】請求項7のインクジェットヘッド部品によ
れば、上記請求項6のインクジェットヘッド部品におい
て、初期電析層はテフロン含有の共析ニッケルメッキ
層、中間部は純ニッケルメッキ層、最表面層は硫黄含有
ニッケルメッキ層である構成としたので、高耐食、耐熱
性及び撥水性に優れたインクジェットヘッド部品を得る
ことができる。
【0055】請求項8のインクジェットヘッド部品によ
れば、上記請求項6又は7のインクジェットヘッド部品
において、初期電析層の厚みが1〜10μm、中間層の
厚みが10〜50μm、最表面層の厚みが10〜30μ
mである構成としたので、一層、高耐食、耐熱性及び撥
水性に優れたインクジェットヘッド部品を得ることがで
きる。。
【0056】請求項9のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項5乃至8のいずれかのイン
クジェットヘッド部品を製造するインクジェットヘッド
部品の製造方法において、最も表面の層をスルフォン酸
系、スルフォンアミド系、スルフォンイミド系、アルキ
ル鎖状化合物系のいずれかの添加物を含むニッケル液で
電鋳する構成としたので、耐腐食性に優れたインクジェ
ットヘッド部品を得ることができる
【0057】請求項10のインクジェットヘッド部品の
製造方法によれば、上記請求項5乃至8のいずれかのイ
ンクジェットヘッド部品を製造するインクジェットヘッ
ド部品の製造方法において、電鋳が終了した後に250
℃〜350℃で1〜2時間熱処理する構成としたので、
耐食性を一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッド部品を
有するインクジェットヘッドの分解斜視図
【図2】本発明に係るインクジェットヘッド部品の製造
方法の第1例の一部の工程を示す模式的断面図
【図3】同インクジェットヘッド部品の製造方法の第1
例の残部の工程のを示す模式的断面図
【図4】複数のノズルを複数列配置したノズル形成部材
の製造に用いる電鋳支持基板の例の説明に供する斜視図
【図5】図4の電鋳支持基板に電析をしたときの模式的
断面図
【図6】複数のノズルを一列配置したノズル形成部材の
製造に用いる電鋳支持基板の例の説明に供する斜視図
【図7】複数個のノズル形成部材を同時に製造する場合
に用いる電鋳支持基板の例の説明に供する斜視図
【図8】振動板を製造する場合に用いる電鋳支持基板の
例の説明に供する斜視図
【図9】本発明に係るインクジェットヘッド部品の製造
方法の第2例の工程を示す模式的断面図
【図10】本発明に係るインクジェットヘッド部品の製
造方法の第3例及び本発明に係るインクジェットヘッド
部品の説明に供する模式的断面図
【符号の説明】
1…駆動ユニット、2…液室ユニット、21…振動板、
23…ノズルプレート、33…SiO2膜、35…電鋳支
持基板(母型基板)、43…アルミナ膜、53…初期電
析層、54…中間層、55…最表面層。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトエレクトロフォーミング法を用い
    るインクジェットヘッド部品の製造方法であって、表面
    が導電性を有する基板上に炭化物系、酸化物系、窒化物
    系のいずれかの絶縁性被膜を所定のパターンで形成した
    母型基板を用いることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、前記母型基板に対してMn,
    Co,Wのいずれかを含むニッケル電鋳液を用いて成膜
    することを特徴とするインクジェットヘッド部品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッド部品の製造方法において、前記母型基板の絶縁性
    被膜がTiN,BN,SiO2,SiON,AlN,Al
    23,i−Cのいずれからなることを特徴とするインク
    ジェットヘッド部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 フォトエレクトロフォーミング法を用い
    るインクジェットヘッド部品の製造方法であって、表面
    が導電性を有する基板上にアルミニウム膜を成膜し、こ
    のアルミニウム膜上に所定のパターンでレジストパター
    ンを形成し、このレジストパターンの開口部の前記アル
    ミニウム膜を陽極酸化して絶縁性被膜を形成した後、非
    陽極酸化部分の前記アルミニウム膜を除去した母型基板
    を用いることを特徴とするインクジェットヘッド部品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 インクジェットヘッドを構成するインク
    ジェットヘッド部品において、このインクジェットヘッ
    ド部品は複数の組成の異なるメッキ層からなることを特
    徴とするインクジェットヘッド部品。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    部品において、前記メッキ層は初期電析層、中間層及び
    最表面層からなることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド部品。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェットヘッド
    部品において、前記初期電析層はテフロン含有の共析ニ
    ッケルメッキ層、中間部は純ニッケルメッキ層、最表面
    層は硫黄含有ニッケルメッキ層であることを特徴とする
    インクジェットヘッド部品。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載のインクジェット
    ヘッド部品において、前記初期電析層の厚みが1〜10
    μm、中間層の厚みが10〜50μm、最表面層の厚み
    が10〜30μmであることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド部品。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至8のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッド部品を製造するインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、最も表面の層をスルフォン酸
    系、スルフォンアミド系、スルフォンイミド系、アルキ
    ル鎖状化合物系のいずれかの添加物を含むニッケル液で
    電鋳することを特徴とするインクジェットヘッド部品の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5乃至8のいずれかに記載のイ
    ンクジェットヘッド部品を製造するインクジェットヘッ
    ド部品の製造方法において、電鋳が終了した後に250
    ℃〜350℃で1〜2時間熱処理することを特徴とする
    インクジェットヘッド部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006218859A (ja) * 2005-01-14 2006-08-24 Fuji Photo Film Co Ltd ノズルプレートの製造方法、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

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