JPH1056925A - スピニングリールの逆転防止装置 - Google Patents

スピニングリールの逆転防止装置

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JPH1056925A
JPH1056925A JP21576896A JP21576896A JPH1056925A JP H1056925 A JPH1056925 A JP H1056925A JP 21576896 A JP21576896 A JP 21576896A JP 21576896 A JP21576896 A JP 21576896A JP H1056925 A JPH1056925 A JP H1056925A
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Osamu Takeuchi
収 武内
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に精度を高めることなく、簡単な構成によ
り生産性を向上させると共に、コストをダウンさせ、し
かも正常な楔作用をし得るスピニングリールの逆転防止
装置の提供。 【解決手段】 メインシャフト2の外側にピニオン軸筒
3が回転可能に嵌合され、ピニオン軸筒の外側に内輪A
1が嵌合され、リール本体1には外輪A2が回転不能に
固定され、これら両輪の間に、両輪にくいこんで楔作用
が作用する位置と、両輪の間で遊転して楔作用が作用し
ない位置とを取り得る複数の転がり部材A3を保持する
リテーナーA4を回動可能に介在すると共に、リテーナ
ーを回動させて転がり部材を楔作用が作用する位置と、
楔作用が作用しない位置との間で移動保持する操作機構
5と嵌合する操作杆A52をリテーナーに設けてなるス
ピニングリールの逆転防止装置において、操作杆と操作
機構とはリテーナーの回動方向に遊びA54を設けて連
結され、更にリテーナーは付勢手段により常時楔作用が
作用する方向に付勢されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚釣り用のスピニン
グリールの逆転防止装置に関し、詳しくは転がり部材の
楔作用を利用してメインシャフトを逆転防止と逆転可能
に切換えることができるスピニングリールの逆転防止装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の転がり部材の楔作用を利用
してメインシャフトを逆転防止(ON)と逆転可能(O
FF)に切換えることができるスピニングリールの逆転
防止装置として、特開昭54−141285号の公報に
開示されるものがすでに知られている。上記構造の逆転
防止装置では、ON状態にするのに転がり部材を正確な
位置に移動させなければ楔作用が働かない恐れがあり、
転がり部材を楔作用が働く位置まで移動するように正確
に製作しなければならないが、それにはリテーナーの移
動角度等を合わせるのに相当の高精度を要するため、こ
れによる生産性の低下、コストのアップという問題点を
有する。
【0003】そして上記問題点を解決するために、特開
平6−58348号、特開平6−225673号、の公
報に開示されるものが開発された。上記した構造の逆転
防止装置は、転がり部材が板バネを折り曲げて形成した
弾性体によって常時楔作用が働く方向に付勢される構造
になっているため、リテーナーをON状態にする方向へ
回動させた後、更に転がり部材が楔作用が働く方向に移
動するようになっている。すなわちある程度の製作上の
誤差があったとしても、転がり部材の移動によりその誤
差は吸収され楔作用が正常に働くようになっている。
【0004】しかしながら、上記したような構造でも小
さな転がり部材を付勢する弾性体を取付けたり、形成し
たりするには、非常に細かい作業になるため結局は根本
的な解決に至らないのが現状である。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みて成されたもので、その目的とするとこ
ろは、特に精度を高めることなく、且つ簡単な構成によ
り生産性を向上させると共に、コストをダウンさせ、し
かも正常な楔作用をし得るスピニングリールの逆転防止
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明が講じた技術的手段は、リール本体に前後動
可能に備えられたメインシャフトの外側に、ハンドルの
回転により回転するピニオン軸筒が回転可能に嵌合さ
れ、前記ピニオン軸筒の外側に同軸筒と一体回転するよ
うに内輪が嵌合され、前記リール本体には内輪の外側に
位置する外輪が回転不能に固定され、これら両輪の間
に、該両輪にくいこんで楔作用が作用する位置と、両輪
の間で遊転して楔作用が作用しない位置とを取り得る複
数の転がり部材を保持するリテーナーを回動可能に介在
すると共に、前記リテーナーを回動させて転がり部材を
楔作用が作用する位置と、楔作用が作用しない位置との
間で移動保持する操作機構と連結する操作杆をリテーナ
ーに設けてなるスピニングリールの逆転防止装置におい
て、前記操作杆と操作機構とはリテーナーの回動方向に
遊びを設けて連結され、更に前記リテーナーは付勢手段
により常時楔作用が作用する方向に付勢されていること
である。
【0007】上記付勢手段は、リテーナーにおける操作
杆を引っ張ってリテーナーのON状態を保持し得るもの
であればよく、具体的には引っ張りコイルバネなどによ
り達成できる。
【0008】上記構成によれば、操作機構をON状態に
したとき正回転するメインシャフトが逆回転しようとす
ると、楔作用が働いてその逆回転は防止されるが、仮に
製作上の誤差があり、操作機構の操作だけでは転がり部
材がくいこまず楔作用が働かないような場合でも、操作
杆と操作機構とはリテーナーの回動方向に遊びを設けて
連結されているため、その位置から更にリテーナーの回
動が可能になり、又、そのリテーナーは付勢手段により
常時楔作用が作用する位置の方向に付勢されているた
め、リテーナーは楔作用が働く方向に回動してその誤差
は吸収される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明にかかる逆転防止装置
Aを配設したスピニングリールの一部を示し、リール本
体1に前後方向スライド可能に備えられたメインシャフ
ト2の外側にハンドルの回転により回転するピニオン軸
筒3を取付け、このピニオン軸筒3の外側に同軸筒の回
転方向を切換える逆転防止機構Aを配設すると共に、釣
糸をスプールに巻き付けるローター4を着脱自在、且つ
一体回転するように装着してある。
【0010】上記逆転防止機構Aは、メインシャフト2
の外側に位置するピニオン軸筒3に一体回転するように
内輪A1が嵌合され、前記リール本体1には内輪A1の
外側に位置するように外輪A2が回転不能に固定されて
いる。そしてこれら両輪の間に、該両輪にくいこんで楔
作用が作用する位置と、両輪の間で遊転して楔作用が作
用しない位置とを取り得る複数の転がり部材A3を保持
するリテーナーA4を回動可能に介在して構成してあ
る。
【0011】上記転がり部材A3は円柱状に形成され、
外輪A2の内側に設けられた円弧状のガイド溝A21に
移動可能に嵌合され、該ガイド溝A21と内輪A1とで
挟持されるようにしてある。又、前記ガイド溝A21は
楔作用が働く方向の端部を浅溝A211に、楔作用が働
ない方向の端部は、前記浅溝からに徐々に深くする深溝
A212にしてあり、これにより転がり部材A3が浅溝
A211へ移動すると両輪にくいこんで楔作用が働き、
深溝A212へ移動すると両輪の間を遊転するようにし
てある。
【0012】上記リテーナーA4は円筒状に形成され、
その周端部に後述する操作リングA5と嵌合する凹部A
41が周設されている。そしてリテーナーA4の周側面
に転がり部材A3を保持すると共に、楔作用が働く方向
と、楔作用が働ない方向に移動させ、その状態を保持す
るガイド孔A42が設けられている。前記ガイド孔A4
2の内側には前記ガイド溝A21における深溝A212
から浅溝A211へ向って凸設した転がり部材保持片A
43を設けてあり、そして同保持片の先部とガイド孔A
42の内側との間に、転がり部材A3の一部がリテーナ
ーA4の内周面から露出する程度の隙間A44を設けて
ある。
【0013】上記転がり部材保持片A43は、リテーナ
ーA4を楔作用が働ない方向に回動させると、転がり部
材A3を乗り上がらせてガイド溝A21の深溝A212
に嵌合させてその状態を保持する。この状態では、転が
り部材A3は前記転がり部材保持片A43に乗り上がる
ため、外輪A2と内輪A1の間を遊転し、ピニオン軸筒
3が正逆回転する。逆にリテーナーA4を楔作用が働く
方向に回動させると、転がり部材A3を前記隙間A44
に案内し、ガイド溝A21の浅溝A211に嵌合させて
その状態を保持する。この状態では転がり部材A3は前
記隙間A44に入るため、外輪A2と内輪A1にくいこ
んで楔作用が働き、ピニオン軸筒3の逆回転が防止され
る。
【0014】上記リテーナーA4には、前述した該リテ
ーナーA4を回動操作する操作リングA5が嵌合されて
いる。前記操作リングA5はその内周面にリテーナーA
4における凹部A41に嵌合する凸部A51が形成さ
れ、該凸部A51を前記凹部A41に嵌合することによ
りリテーナーA4と一体化してある。又、操作リングA
5には、リテーナーA4を転がり部材A3の楔作用が作
用する位置と、楔作用が作用しない位置との間で移動操
作する操作機構5と連結される操作杆A52が一体形成
されている。
【0015】操作機構5はリール本体1を貫通して回動
可能に取付けられた回転軸51におけるリテーナーA4
側の先端に、前記操作杆A52に連結する連結具52が
設けられ、且つ他端には回転軸51を回動操作するレバ
ー53が設けられている。前記連結具52は有底筒状に
形成されたその周側面に前記回転軸51の中心から外側
に向かって膨出部54が形成され、その膨出部54の先
端面に回転軸51の中心から偏心状態で連結突起55が
設けられている。
【0016】前記操作杆A52は帯板状に形成され、操
作リングA5の周側面にその操作杆A52の幅広面を前
記操作リングA5の軸方向に向けると共に、外側方向へ
突出するように設けられ、その幅広面に操作機構5にお
ける連結突起55が嵌合する連結孔A53が設けられて
いる。前記連結孔A53は連結突起55が嵌合した状態
でリテーナーA4の回動方向に遊びA54が形成され、
操作機構5の操作によるリテーナーA4の回動限界位置
Bから誤差吸収位置B´まで更にリテーナーA4の回動
が可能になっている。
【0017】又、上記操作杆A52とリール本体1に亘
って、リテーナーA4を常時楔作用が作用する方向に付
勢する引っ張りコイルバネ6が架設されている。上記引
っ張りコイルバネ6により、操作機構5の操作でリテー
ナーA4を楔作用が作用する位置に回動させると、前記
引っ張りコイルバネ6が操作杆A52を引っ張って、リ
テーナーA4を更に回動させ、リテーナーA4に保持さ
れた転がり部材A3を確実に内輪A1と外輪A2にくい
こませるようにしてある。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上の構成により以下の効果を
奏する。操作機構をON状態にしたとき正回転するピニ
オン軸筒が逆回転しようとすると、楔作用が働いてその
逆回転は防止されるが、仮に製作上の誤差があり、操作
機構の操作だけでは転がり部材がくいこまず楔作用が働
かないような場合でも、操作杆と操作機構とはリテーナ
ーの回動方向に遊びを設けて連結されているため、その
位置から更にリテーナーの回動が可能になり、そのリテ
ーナーは付勢手段により常時楔作用が作用する位置の方
向に付勢されているため、リテーナーは楔作用が働く方
向に回動してその誤差は吸収される。したがって特に精
度を高めることなく、且つ簡単な構成により生産性を向
上させると共に、コストをダウンさせ、しかも正常な楔
作用をし得るスピニングリールの逆転防止装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る逆転防止装置を備えたスピニング
リールの要部縦断面図。
【図2】図1の(2)−(2)線に沿う断面図で、一部
切欠して示す。
【図3】逆転防止装置の部分拡大断面図で、逆転防止状
態を示す。
【図4】逆転防止装置の分解斜視図。
【符号の説明】
1・・・リール本体 2・・・メインシャフト 3
・・・ピニオン軸筒 5・・・操作機構 6・・・引っ張りコイルバネ
A・・・逆転防止装置 A1・・・内輪 A2・・・外輪 A3・・・転が
り部材 A4・・・リテーナー A52・・・操作杆
A54・・・遊び

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に前後動可能に備えられたメイ
    ンシャフトの外側に、ハンドルの回転により回転するピ
    ニオン軸筒が回転可能に嵌合され、前記ピニオン軸筒の
    外側に同軸筒と一体回転するように内輪が嵌合され、前
    記リール本体には内輪の外側に位置する外輪が回転不能
    に固定され、これら両輪の間に、該両輪にくいこんで楔
    作用が作用する位置と、両輪の間で遊転して楔作用が作
    用しない位置とを取り得る複数の転がり部材を保持する
    リテーナーを回動可能に介在すると共に、前記リテーナ
    ーを回動させて転がり部材を楔作用が作用する位置と、
    楔作用が作用しない位置との間で移動保持する操作機構
    と連結する操作杆をリテーナーに設けてなるスピニング
    リールの逆転防止装置において、前記操作杆と操作機構
    とはリテーナーの回動方向に遊びを設けて連結され、更
    に前記リテーナーは付勢手段により常時楔作用が作用す
    る方向に付勢されていることを特徴とするスピニングリ
    ールの逆転防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006234034A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Ntn Corp 逆入力遮断クラッチ

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