JPH10108598A - 魚釣用リールの逆転防止装置 - Google Patents

魚釣用リールの逆転防止装置

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JPH10108598A
JPH10108598A JP8282958A JP28295896A JPH10108598A JP H10108598 A JPH10108598 A JP H10108598A JP 8282958 A JP8282958 A JP 8282958A JP 28295896 A JP28295896 A JP 28295896A JP H10108598 A JPH10108598 A JP H10108598A
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rotating
rotation
ring body
rolling member
roller
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JP8282958A
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Atsuto Okada
厚人 岡田
Yukihisa Sato
幸久 佐藤
Yoji Yamada
洋二 山田
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転規制力と耐久力に優れ、作動が迅速な魚
釣用リールの逆転防止装置の提供。 【解決手段】 リール枠板2にはハンドル軸6と同芯に
外輪体11が支持される。外輪体の内周面は円形であ
る。ハンドル軸6にはハンドル軸と共に回転可能に内輪
体12が固定され、その外周面は外輪体に対向する四角
形のカム面をなす。内輪体と外輪体との環状の隙間に
は、内輪体と一体に環状保持体14が配置される。環状
保持体14内にはローラ13が保持され、ローラは内輪
体と外輪体に対して摺動可能に設けられる。ハンドル軸
の位置方向の回転により内輪体及び環状保持体が一方向
に回転すると、ローラは内輪体の辺部付近に移動し、ハ
ンドル軸の同方向の回転が可能となる。ハンドル軸が他
方向に回転しようとするときは、ローラは内輪体の角部
方向に移動し内輪体と外輪体との間に挟持され、楔作用
により同方向の回転が不能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用リールの逆転
防止装置に関し、特に、ころがり部材の楔作用により、
両軸受型リールのスプールやスピニングリールのロータ
等の回転体の一方向への回転を規制し他方向への回転を
許容する一方向クラッチを備えた逆転防止装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭48−90882号公報や実開昭
64−38964号公報の全文明細書には、リール筐体
等の固定部と、リール筐体に回転自在に支承されたハン
ドル或いはモータ等に駆動連結された回転部とに、一方
向クラッチの内・外輪体をそれぞれ取付け、内・外輪体
間のガイド溝孔に設けたころがり部材の楔作用により、
一方向への回転を規制し他方向への回転を許容して、回
転部の一方向への回転を規制する魚釣用リールの逆転防
止装置が記載されている。
【0003】特開昭54−141285号公報には、リ
ール筐体に回転自在に支持されたロータの軸筒部とリー
ル筐体の前部との間に、ころがり部材の楔作用によって
一方向のみに回転するベアリングを設け、ベアリングの
前部に回動可能に設けた規制板の係止片をころがり部材
のガイド溝孔内に突出させ、規制板を筐体に支持された
作動桿によって回動させることにより、ころがり部材を
非楔作用位置に切り換えて他方向への回転を可能とした
魚釣用リールの逆転防止装置が記載されている。
【0004】特開平6−58348号公報には、上述の
特開昭54−141285号公報におけるころがり部材
の前後動を規制する環状保持体を設け、環状保持体の外
側にころがり部材の外方移動を規制する外枠(外輪体)
を回り止め嵌着して、逆転防止装置をユニット化する技
術が記載されている。
【0005】特開平6−225673号公報には、上述
の特開平6−58348号公報における環状保持体の外
側にころがり部材の外方移動を規制する外枠(外輪体)
を回動可能に嵌着すると共に、環状保持体を該筐体に支
持された作動桿によって回動させることにより、ころが
り部材を非楔作用位置に切り換えるようにして逆転防止
装置をユニット化する技術が記載されている。
【0006】実開平4−77774号公報の全文明細書
には、ロータ凹陥部の内周面にころがり部材の楔作用に
よって一方向のみに回転するベアリングを設け、回転規
制力の向上と耐久性の向上を図る技術が記載されてい
る。当該公報記載の逆転防止装置は、内枠(内輪体)の
内周に刻設された凹部に対して筐体に支持された作動桿
によって作動される爪を係合解除して他方向への回転を
可能としており、ころがり部材の外方への移動を規制す
る外枠(外輪体)をロータ凹陥部の内周面に設けて形成
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の特開昭
48−90882号公報、実開昭64−38964号全
文明細書、特開昭54−141285号公報、特開平6
−58348号公報、特開平6−225673号公報に
記載されている逆転防止装置は、何れもころがり部材の
外方への移動を外枠(外輪体)により規制しつつ、ころ
がり部材の内方移動によって、ロータ回転軸筒等の回転
部の回転を規制するものであるため、回転部の回転軸芯
より可及的に近接した位置で回転規制が行われることに
なり、回転規制力に難があるのみならず、大きな回転力
が掛かったときは、ころがり部材の楔作用によって、ガ
イド溝孔が拡がって外枠(外輪体)等の変形・損壊を招
いてしまう問題があった。
【0008】また実開平4−77774号公報の全文明
細書に記載のベアリングも、ころがり部材の外方への移
動を外枠(外輪体)により規制しつつ、ころがり部材の
内方移動によって内枠の回転を規制するものであるた
め、前述したのと同様な問題をはらむものである。
【0009】更に、実開平4−77774号公報記載の
逆転防止装置では、内枠の内周に刻設された凹部に爪を
係脱させるものであるために、ころがり部材を非楔作用
位置に移動させて他方向への回転を可能とするものに比
べて、作動迅速性が劣るという問題があった。また、こ
ろがり部材の外方への移動を規制する外枠(外輪体)を
ロータ凹陥部の内周面に設けるものであるため、ロータ
が高速で回転されるとその遠心力によってころがり部材
が内枠(内輪体)から離れて迅速確実な逆転止めができ
ず、これを防止すべく内方向(楔作用方向)にころがり
部材へ弾性力を付勢する弾性手段の弾性力を強めると正
転時にころがり部材が内枠(内輪体)に当接して回転が
重くなるという問題もあった。
【0010】そこで本発明は、回転規制力並びに耐久性
に優れ、作動迅速性に優れた魚釣用リールの逆転防止装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】該目的を達成するため、
本発明は、固定部と該固定部に支持されハンドル操作又
は電動による回転力を糸巻付け回転体に伝達する回転部
との間に、ころがり部材の楔作用によって該回転部を一
方向にのみ回転させる一方向クラッチを設けた魚釣用リ
ールの逆転防止装置において、該一方向クラッチは、該
ころがり部材13、33、133の内方移動を規制する
ために該回転部6、23Aに回り止め嵌着された内輪体
12、32、132Aと、該ころがり部材13、33、
133を所定の位置に保持するために該内輪体12、3
2、132A又は回転部6、23Aと一体的に回転可能
に取付けられた保持体14、34、134と、該保持体
14、34、134の外側の該固定部2、22に回り止
めされて設けられた外輪体11、31とを備え、該回転
部6、23Aが他方向に回転したときに該ころがり部材
13、33、133が移動し該外輪体11、31に係合
して該回転体4、23の他方向の回転を阻止する魚釣用
リールの逆転防止装置を提供している。
【0012】ここで、該内輪体32が該回転部23Aの
回転軸芯から径方向に移動可能に該回転部23Aに支持
されているのが好ましい。また該外輪体11が固定部2
に取付けられ回転部6の回転軸芯と同芯状に形成された
金属製環状体からなるのが好ましい。また該金属製環状
体11が該回転部6の回転軸芯から径方向に移動可能1
1A、2aに該固定部2に支持されているのが好まし
い。また、該ころがり部材33、133が該保持体3
4、134により前後動を規制されて34A、134A
配置されているのが好ましい。また該保持体が該外輪体
に回転可能に嵌合されているのが好ましい。また該内輪
体132Aに該保持体134を回動可能に嵌合すると共
に、該内輪体132Aと該保持体134との間に該ころ
がり部材を楔作用方向に付勢する弾性手段を設けるのが
好ましい。また該保持体34のころがり部材33当接部
には、金属製補強部材35が設けられているのが好まし
い。また該保持体34内に保持されたころがり部材33
又は該保持体134自体を該ころがり部材133と共に
非楔作用位置に切換えて該回転体23の他方向への回転
を可能とするため、該保持体34、134に係脱可能に
切換部材37、137が設けられ、該固定部22には該
切換部材37、137を切換動作するための切換機構4
0が設けられているのが好ましい。また、該保持体3
4、134と該切換機構40との間に該ころがり部材3
3、133を楔作用位置から非楔作用位置に切換える方
向に付勢する弾性手段42Cを設けるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
魚釣用リールの逆転防止装置について図1、図2に基づ
き説明する。第1の実施の形態では、逆転防止装置を両
軸受型リールに適用したものである。
【0014】両軸受型リール1は、リール筐体をなす枠
板2と、枠板2に固定された側板3と、枠板2に回転可
能に支持された糸巻き付け回転体たるスプール4と、ス
プール4を回転させるためのハンドル5を有する。ハン
ドル5には回転部たるハンドル軸6が連結され、ハンド
ル軸6はベアリング7を介して側板3に回転可能に支承
されている。ここで枠板2と一体に、ハンドル軸6の軸
方向に延びる軸部2Aが延設されており、ハンドル軸6
はスリーブ状をなし、軸部2Aを同芯に挿通させ、軸部
2Aに対して回転可能に且つ軸方向に摺動移動不能に軸
部2Aに支承されている。
【0015】また、枠板2と側板3間において、ハンド
ル軸6にはマスターギヤ8が設けられている。マスター
ギヤ8は、公知のドラグ機構を介してハンドル軸6に接
続され、ハンドル軸6と一体回転可能又は相対回転可能
に設けられている。一方スプール4には、枠板2と側板
3に回転可能に支持されたスプール軸9が延設され、ス
プール軸9には公知のクラッチ機構によりビニオンギヤ
10が係脱可能に設けられている。そしてピニオンギヤ
10は、マスターギヤ8と噛合している。従って、ハン
ドル軸6に固定されたハンドル5の回転は、マスターギ
ヤ8、ピニオンギヤ10を介してスプール4に伝達さ
れ、スプール4は釣糸巻取方向又は繰出し方向に回転す
る。
【0016】次に第1の実施の形態における一方向クラ
ッチについて説明する。一方向クラッチは主に外輪体1
1、内輪体12、転がり部材たるローラ13、及び環状
保持体14により構成される。固定部たる枠板2にはハ
ンドル軸6の回転軸芯に対して径方向に長孔2aが形成
されている。そして外輪体11は枠体2に取付け支持さ
れている。即ち外輪体11は、環状部と底部とを有する
金属製環状体にて形成され、底部には突起11Aが突設
されて、枠板2の長孔2aに係合され、しかして枠板2
に対する外輪体11の径方向の取付位置が調整可能であ
る。外輪体11である金属製環状体の環状部の内周面は
真円形状をなし、ころがり部材たるローラ13の外方移
動を規制している。
【0017】回転部たるハンドル軸6と一体に且つ同軸
に内輪体12が設けられている。即ち内輪体12はハン
ドル軸6の回転と一体に回転可能に設けられる。内輪体
12の外周面は辺部が円弧状の略正四角形のカム面をな
し、外輪体11の円形内周面と対向している。従って、
内輪体12と外輪体11との間は略環状のガイド溝孔S
が提供されるが、ガイド溝孔Sのハンドル軸6の軸心か
ら半径方向でみた幅は一定ではなく、図2に示されるよ
うに内輪体12の外周側のカム面の辺部の中央と外輪体
11の内周面とが対向している部分ではガイド溝孔Sの
幅は最も大きくかつローラ13の直径より大きい。また
内輪体12のカム面の角部と外輪体11の内周面とが対
向している部分では、ガイド溝孔Sの幅が最も小さく、
且つローラ13の直径よりも小さい。
【0018】内輪体12の外周側には、内輪体12と一
体に環状保持体14が設けられている。環状保持体14
には、周方向に等間隔に保持孔14aが形成されてい
る。保持孔14aは、環状保持体14の径方向で貫通し
て形成され、それぞれの保持孔14a内にはころがり部
材たるローラ13が配置されている。ここでローラ13
は、保持孔内14a内において、環状保持体14の周方
向へは移動自在であるが、保持孔14aを画成する壁部
(図示せず)により前後方向(軸芯方向)へは移動不能
に収納される。従って内・外輪体12、11間のガイド
溝孔Sにおいて、ローラ13が内輪体12と共回りする
ように設けられる。
【0019】更にそれぞれの保持孔14a内には、ロー
ラ13に楔方向、即ち外輪体11によりローラ13を介
して内輪体12の回転を阻止する方向に弾性力を付与す
るバネ体16が配設されている。環状保持体14の周方
向でみたとき、保持孔14aの一方の壁は、内輪体12
の角部付近に位置しており、他方の壁部にバネ体16が
当接している。従って、ガイド溝S内には環状保持体1
4が配置され、環状保持体14の保持孔14a内におい
て、ローラ13が内輪体12及び外輪体11に接触可能
に配置されると共に、ローラ13は環状保持体14の周
方向且つ内輪体12の角部方向にバネ体16により付勢
される。
【0020】以上の構成において、第2図に於いて釣糸
巻取り方向(正転)へハンドル軸6を回転する時には、
内輪体12はハンドル軸6と一体なので矢印X方向に回
転する。またローラ13を保持する環状保持体14は内
輪体12に一体に設けられているので、ローラ13は内
輪体12と共にX方向に共廻りする。この回転方向は内
輪体12の外周のカム面と外輪体11の内周面との間隔
が拡がる方向であり、上述したように内輪体12の辺部
と外輪体11の内周面との間の距離は、ローラ13の直
径より大きいために、ローラ13自体の自由な回転が可
能であり、よってローラ13と外輪体11は、内輪体1
2の回転を何等阻止しない。即ち、ローラ13は楔作用
をせず、従って、内輪体12と一体回転するハンドル軸
6を正回転し続けることができる。
【0021】しかし、ハンドル軸6を釣糸繰出し方向に
逆転しようとするときは、内輪体11の反矢印X方向へ
の回転により、ローラ13が同じ方向に伴われ、またバ
ネ体16の楔方向への付勢力によってローラ13は図2
において、反時計方向に移動する。換言すれば、反矢印
X方向とは内輪体12の外周のカム面と外輪体11の内
周面との間隔が狭まる方向であるため、ローラ13が内
輪体12の角部付近に移動すると、外輪体11の内周面
と内輪体12の角部との間の距離がローラ13の直径よ
り小さくなるので、楔作用により内輪体12の回転が阻
止される。そのことによりハンドル軸6の逆回転が不能
となる。
【0022】以上のように、第1の実施の形態では、こ
ろがり部材であるローラ13の内方への移動をカム面を
有する内輪体12により規制してローラ13の外方移動
によって回転部であるハンドル軸6の回転を規制するよ
うにしているため、ハンドル軸6の回転軸芯より可及的
に遠い位置でハンドル軸6の回転を規制することになる
から、大きな回転規制力を得ることができる。また回転
を規制する規制面即ち外輪体11の内周面は大径である
ため、可及的に規制円周面の長さが長くなる。その結
果、ハンドル軸6の小さな回転角での迅速な回転規制が
可能になる。ハンドル軸6の回転軸芯より可及的に遠い
位置でハンドル軸6の回転を規制することになるから、
大きな回転力が掛かっていても内・外輪体11、12等
の変形・損壊を招き難く、装置の耐久性の向上が図れ
る。
【0023】また、ローラ13を保持する環状保持体1
4を内輪体12と共に回転可能に設けているため、楔作
用時の規制力並びに規制位置を正確に確保することがで
きる。そして、ローラ13の内方にその内方への移動を
規制する内輪体12を設け、ローラ13の外方移動によ
ってスプール4の釣糸繰出し方向への回転を阻止するも
のであるため、スプール4の高速回転による遠心力によ
って、ローラ13が規制円周面に当接する方向に遠心力
が作用するため、迅速確実な逆転止めができる。
【0024】また外輪体11が枠板2に取付けられハン
ドル軸6の回転軸芯と同芯状に形成された金属製環状体
で構成しているため、枠板2の成形精度をラフにして生
産性の向上が図れるのみならず、枠板2を合成樹脂等に
て形成できるから製品重量の軽量化を図ることができ
る。ここで金属製環状体11は、ハンドル軸6の回転軸
芯から径方向に移動可能に枠板2に支持されているの
で、ハンドル軸6の回転軸芯と回転部又は枠板2との成
形精度をラフにでき、生産性の向上が図れる。
【0025】本発明の第2の実施の形態による魚釣用リ
ールの逆転防止装置について図3乃至図6に基づき説明
する。第2の実施の形態では、逆転防止装置をスピニン
グリールに適用したものである。スピニングリール21
は、リール筐体22と、リール筐体22に回転可能に支
持された糸巻き付け回転体たるロータ23と、釣糸を巻
回保持するためにリール筐体22に支持されたスプール
24と、ロータ23を回転させるためのハンドル25を
有する。リール筐体22はベアリング28を介して軸筒
27を回転可能に支承しており、軸筒27内にはスプー
ル24を支承したスプール軸29が軸方向に往復動可能
に設けられている。またリール筐体22内には図示せぬ
マスターギヤや、図示せぬスプール往復動機構や、軸筒
27に固定されたピニオンギヤ26が設けられている。
ロータ23の後部には底部23Aと筒部23Bにより凹
陥部が形成され、底部23Aが軸筒27に固定されてい
る。またロータ23の底部23Aには径方向に延びる溝
部23aが形成されている。一方筒部23Bには、スプ
ール24の周囲を回転する図示せぬベールを支持するた
めの一対の腕部30が一体に設けられている。
【0026】ハンドル25を回転させると、その力が図
示せぬマスターギヤを介してピニオンギヤ26に伝達さ
れ、ピニオンギヤ26に一体化されている筒軸27に固
定されているローター23が筒軸27と共に回転する。
これと共に、スプール軸29が図示せぬスプール往復動
機構により筒軸27の内部で前後に往復摺動し、スプー
ル24の前後動が得られて釣糸がスプール24上に均一
に巻回される。
【0027】次に第2の実施の形態における一方向クラ
ッチについて説明する。一方向クラッチは主に外輪体3
1、内輪体32、転がり部材たるローラ33、及び環状
保持体34より構成される。外輪体31は、リール筐体
22の先端円筒部に設けられており、その円形内周面が
ローラ33と摺接関係にある。内輪体32は回転体たる
ロータ23の凹陥部を規定する底部23Aに支持されて
いる。具体的には、内輪体32にはフランジ部32Aと
筒部32Bを有し、底部32Aには凸部32Cが一体に
設けられている。凸部32Cは、ロータ23底部23A
の溝部23aに係合可能かつ且つロータ23の径方向に
移動可能に構成される。従って組立時には、内輪体32
はロータ23に対してロータ23の径方向に移動可能で
ある。内輪体32の筒部32Bの外周面はカム面として
作用する正6角形状をなし、それぞれの角部には係合凸
部32Dが半径方向外方に突出して設けられている。ま
た内輪体32の筒部32Bの内周面は円筒形をなす。内
輪体32の筒部32Bのカム面は外輪体31の円筒内周
面と対向配置される。よって、内輪体32と外輪体31
との間は略環状のガイド溝孔S1が提供されるが、ガイ
ド溝孔S1の軸筒27の軸心から半径方向でみた幅は一
定ではなく、内輪体32の外周側のカム面の辺部の中央
と外輪体31の内周面とが対向している部分ではガイド
溝孔S1の幅は最も大きくかつローラ33の直径より大
きい。また内輪体32のカム面の角部付近と外輪体31
とが対向している部分では、ガイド溝孔S1の幅が最も
小さく、且つローラ33の直径よりも小さい。
【0028】ガイド溝S1内には環状保持体34が配置
される。環状保持体34の内周面には、内輪体32の角
部に設けられた係合凸部32Dと係合する6個の係合凹
部34aが形成されている。従って、環状保持体34
は、ガイド溝S1内において、内輪体32の回転と共に
回転可能に設けられている。環状保持体34には周方向
に等間隔に保持孔34aが径方向に貫通するように形成
されている。保持孔34a内にはころがり部材たるロー
ラー33が配置されている。ローラ33は、保持孔34
a内において、環状保持体34の周方向へは移動自在で
あるが、保持孔34aを画成する壁部34Aにより、前
後方向(軸方向)へは移動不能に収納される。更にそれ
ぞれの保持孔34a内には、ローラ33に楔方向、即ち
外輪体31によりローラ33を介して内輪体32の回転
を阻止する方向に弾性力を付与するバネ体36が配設さ
れている。環状保持体34の周方向でみたとき、保持孔
34aのローラ33と当接する一方の壁には、鉄製薄板
等からなる金属製補強部材35が配設されている。
【0029】軸筒27と一体回転可能に切換部材37が
設けられている。従ってロータ23と内輪体32と環状
保持体34と切換部材37の回転方向の相対的位置関係
は一定である。切換部材37は、軸筒上の筒部37Aと
筒部37Aの後端からロータ23径方向に延びるフラン
ジ部37Bとを有している。具体的には軸筒27の周囲
には軸筒27と一体的かつ同軸的に低摩擦係数の材料に
て形成されたカラー38が設けられている。カラー38
には軸筒27の軸方向に延びるキーが設けられ、筒部3
7Aの内周面にはキー溝が設けられてカラー38のキー
と係合している。従って切換部材37は軸筒27と一体
回転可能、且つ軸筒27に対して軸方向に移動可能に設
けられる。
【0030】一方フランジ部37Bには前方に突出する
突起部37Cが設けられている。突起部37Cの先端は
傾斜面37Dをなし、切換部材37の前方への移動によ
り該傾斜面37Dが、ローラ33と金属製補強部材35
との間に侵入可能となっている。
【0031】切換部材37の前後動作を行うために、切
換機構40が設けられている。切換機構40は、操作ノ
ブ41と、作動棹42と、クラッチカム43とクラッチ
レバー44を有する。操作ノブ41は、リール筐体22
の外側に回動操作可能に設けられ、作動棹42はリール
筐体22を貫通して支持され、その後端部が操作ノブ4
1に固定されている。従って操作ノブ41の回動操作に
より作動棹42はその軸芯を中心に回転可能である。一
方作動棹42の先端側には円板部42Aが設けられ、円
板部42Aにはボス部42Bが一体に設けられている。
ボス部42Bは作動棹42の回転軸芯から偏心した位置
に設けられ、バネ42Cが固着されている。クラッチカ
ム43は、リール筐体22の前壁22Aの直前位置にお
いて、軸筒27の廻りを回動可能に設けられている。ク
ラッチカム43は前方に突出した突起43Aが設けられ
ると共に、作動棹42のバネ42Cと当接可能な腕部4
3Bと、コイルバネ接続腕43Cが設けられている。尚
クラッチカム43の回動によってクラッチレバー44を
突起43上に乗り上げ易くするために、突起43には傾
斜面が形成されている。腕部43Bの側方には、リール
筐体22から前方に突出するストッパ部材22Bが位置
して腕部43Bの図6における反時計方向の回動を規制
している。またコイルバネ接続部43Cの側方には、リ
ール筐体22から延びるコイルバネ係止部22Cが延
び、コイルバネ45がコイルバネ係止部22Cとコイル
バネ接続腕43C間に係止されて、クラッチカム43を
図6の反時計方向に回動付勢している。
【0032】クラッチレバー44はクラッチカム43の
直前方位置にあり、軸筒27に対して回転可能に且つ軸
筒27の軸方向に移動可能に設けられている。リール筐
体22の前壁22Aから前方にピン46が延設されて、
クラッチレバー44はピン46に対して摺接関係にあ
り、クラッチレバー44の前後移動がピン46によって
案内される。ピン46の先端には、抜け止め部材46A
が固定され、ピン46の周囲であって抜け止め部材46
Aとクラッチレバー44の前端面間にはコイルバネ47
が介装されている。従ってクラッチレバー44はコイル
バネ47によりリール筐体22の前壁22A方向に(後
方に)付勢されている。そしてクラッチレバー44の前
端面は、クラッチレバー44に対して回転可能な切換部
材37と接続されている。
【0033】図4乃至図6は楔作用位置にある状態を示
す。即ちローラ33は、バネ36の付勢力により金属製
補強部材35に当接保持され、コイルバネ45の付勢力
によりクラッチカム43は図6の反時計方向に付勢さ
れ、クラッチカム43の腕部43Bがストッパ部材22
Bに当接している。またクラッチカム43の突起43A
はクラッチレバー44からずれた位置に保持される。即
ちクラッチレバー44は突起43Aに乗り上がっていな
いために、コイルバネ47の付勢力によって後方に付勢
されており、クラッチレバー44に接続された切換部材
37も後退しているので、傾斜面37Dは保持孔34a
から退出している。
【0034】この状態ではローラ33が外輪体31と内
輪体32の角部付近にあるため、ハンドル25を釣糸巻
取方向に回動操作したときは、ロータ23は矢印Xで示
す釣糸巻取方向に回転し、内輪体32や環状保持体34
も同方向に回転する。この方向は、内輪体32と外輪体
31との間隔が拡大する方向であるため、ローラ33は
内輪体32の回転を阻止せず、釣糸巻取方向の回転が可
能となる。一方ハンドル25を釣糸繰出し方向に回動操
作しようとしたときは、内輪体32や環状保持体34は
反矢印X方向に回転しようとする。しかしこの方向は内
輪体32と外輪体31との間隔が減少する方向であるた
め、ローラ33が内輪体32の回転を阻止し、従って釣
糸繰出し動作は不能となる。
【0035】この状態から、操作ノブ41を回動操作し
て作動棹42の円板部42Aを図6の反時計方向に回転
させると、バネ42Cが腕部43Bを押圧してクラッチ
カム43をコイルバネ45の付勢力に抗して時計方向に
回動させる。なお操作ノブ41の回動操作後の位置は、
図示せぬデッドポイントスプリング等により操作ノブ4
1の位置保持が可能である。この回動により、クラッチ
カム43の突起43Aがクラッチレバー44と整合して
クラッチレバー44は突起43A上に乗り上がり、クラ
ッチレバー44はコイルバネ47の付勢力に抗して前方
に移動する。従ってクラッチレバー44に接続されてい
る切換部材37が前進し、切換部材37の傾斜面37D
が保持孔34a内に侵入してローラ33と金属製補強部
材35間に介在するので、ローラ33は図4において時
計方向に(図5において下方に)バネ36の付勢力に抗
して非楔作用位置に移動する。この状態では、内輪体3
2のカム面と外輪体31との間隔はローラ33の直径よ
り大きいため、内輪体32が釣糸巻取方向や繰出し方向
に回転しても、ローラ33は内輪体32に対して抵抗を
与えず、矢印X方向及び反矢印X方向両方向の回転が可
能となる。即ち釣糸巻取、繰出し操作が可能である。
【0036】なお、ローラ33が楔作用位置にあるとき
に、操作ノブ41を操作して切換部材37を前進させよ
うとしても、ローラ33が外輪体31と内輪体32間に
強固に食い込んでいる場合は、クラッチカム43は回動
できず、切換部材37は前進動作できない。仮にクラッ
チカム43の腕部43Bが、作動棹42に直接接続され
ているとした場合には、操作ノブ41を強引に操作して
クラッチカム43を回動させると、内輪体32の外周面
やローラ33や外輪体31の内周面が変形したり、破損
するおそれがある。本実施の態様では、バネ42Cが作
動棹42とクラッチカム43間に介装されているので、
ローラ33が外輪体31と内輪体32間に食い込んでい
る状態では、操作ノブ41を操作してもバネ42Cが変
形するのみであり、ローラ33等の変形や破損が防止で
きる。クラッチカム43は、ローラ33の食い込み状態
が解消した段階で、非楔方向に変形したバネ42Cの蓄
勢力により回動できる。
【0037】以上のように、第2の実施の形態において
も、第1の実施の形態と同様に、ころがり部材たるロー
ラ33の内方への移動をカム面を有する内輪体32によ
り規制しローラ33の外方移動によってロータ23の回
転を規制するようにしたため、ロータ23の回転軸芯よ
り可及的に遠い位置でロータ23の回転を規制すること
となるから、大きな回転規制力を得ることができる。ロ
ータ23の回転を規制する規制面が大径になるので、可
及的に規制円周面の長さが長くなって、迅速な回転規制
が可能となる。又ロータ23の回転軸芯より可及的に遠
い位置でその回転を規制することになるから、大きな回
転力がかかっても、内・外輪体等の変形・損傷を招き難
く、装置の耐久性の向上が図れる。更にローラ33の内
方移動にその内方への移動を規制する内輪体32を設
け、ローラ33の外方移動によってロータ23の釣糸繰
出し方向への回転を阻止するものであるため、ロータ2
3の高速回転により、ローラ13が規制円周面に当接す
る方向に遠心力が作用するため、迅速確実な逆転止めが
できる。
【0038】また切換部材37や切換機構40によりロ
ーラ33を非楔作用位置に切換可能な構成であるので、
非楔作用位置では、ロータ23の正転と逆転が可能であ
り、楔作用位置ではロータの正転が可能で逆転が阻止さ
れる構成とすることができる。即ち、環状保持体34内
に保持されたローラ33を非楔作用位置に切換えてロー
タ23の釣糸繰出し方向への回転を可能とするため、環
状保持体34の保持孔34aに係脱可能に切換部材37
が設けられ、リール筐体22には切換部材37を切換動
作するための切換機構40が設けられているので、安定
的かつ確実な楔位置又は非楔位置への切換えができる。
又楔位置への切換時の遊度を小さくできる。
【0039】また内輪体32が、ロータ23の回転軸芯
から径方向に移動可能にロータ23に支持されているか
ら、ロータ23の回転軸芯と回転部又はリール筐体22
との成形精度がラフにでき、生産性の向上が図れる。
【0040】またローラ33が環状保持体34により前
後動を規制されて配置されているので、内輪体32と外
輪体31との間でのローラ33の作動の安定化が図れ、
正確な楔作用を行うことができる。またローラ33が、
環状保持体34により保持されるからこれらの部品のユ
ニット化が図れると共に組立作業の簡易化が図れ、組み
込みミスの防止が図れる。
【0041】また環状保持体34のローラ33当接部に
は、金属製補強部材35が設けられているので、環状保
持体34を合成樹脂等にて成形して製品の加工作業の簡
易化が図れ、製品の軽量化等を図ることができる。
【0042】また環状保持体34と切換機構40との
間、具体的にはクラッチカム43と作動棹42の間に、
ローラ33を楔作用位置から非楔作用位置に切換える方
向に付勢する弾性手段たるバネ42Cを設けたので、ロ
ーラ33が楔作用によって楔作用位置に食い込んだ状態
で非楔状態への切換操作が行われたとき、バネ42Cの
みが変形し、環状保持体と切換機構との連結部の損傷を
防止することができる。非楔状態への切換ができなくと
も、条件が整ったときに弾性部材に蓄積された弾性力に
より確実にローラを非楔状態に切換えることができる。
【0043】本発明の第3の実施の形態による魚釣用リ
ールの逆転防止装置について図7に基づき説明する。第
3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に逆転防
止装置をスピニングリールに適用したものであるが、第
2の実施の形態では、内輪体32の係合凸部32Dを環
状保持体34の係合凹部34aに係合させて、両者を一
体回転させ、環状保持体34の保持孔34aに保持され
た個々のローラ33に対して切換部材37の個々の突起
37Cを直接作用させて、ローラ33を非楔作用位置に
切換えるようにしたが、第3の実施の形態では、内輪体
32に対して環状保持体134を所定角度回転可能に設
け、第2の実施の形態と同様に設けられた切換機構によ
って、内輪体に対してローラを保持した環状保持体を移
動するようにしている。
【0044】環状保持体134の内周面は、内輪体の外
周面に回動可能に支承されている。図示せぬ内輪体には
一体にフランジ132Aが設けられる。例えば図3にお
いて、内輪体32の後端面にフランジ132Aが一体に
設けられる。そしてフランジ132Aには孔132aが
形成される。第2の実施の形態と同様に切換部材を設
け、そのフランジ部137Bに第2の実施の形態よりは
長い突起部137Cが設けられる。突起部137Cは内
輪体のフランジ132Aの孔132aを貫通し、環状保
持体134に形成された傾斜穴134aに挿通される。
突起部137Cがフランジ部132の孔132aや環状
保持体134の傾斜穴134aへ挿通することにより、
切換部材は、内輪体や環状保持体134と共に回転可能
である。但し、フランジ部137Bの前後動による突起
部137Cの傾斜面137Dと傾斜穴134aとの位置
関係により、内輪体に対して環状保持体134は僅かに
回動可能である。
【0045】第2の実施の形態と同様に、切換部材のフ
ランジ部137Bは、切換機構のクラッチレバーに接続
され、切換部材は前後方向に移動可能である。また環状
保持体134と図示せぬ内輪体との間に環状保持体13
4を楔位置方向に付勢する楔位置用バネが設けられる。
よって第2の実施の形態のように個々のローラ33に付
設しているバネ36を省略することができる。
【0046】切換機構の操作により、切換部材のフラン
ジ部137Bが後退したときは、突起部137Cも傾斜
穴134aから抜け出る方向に移動し、楔位置用バネの
付勢力により、環状保持体134は内輪体に対して図7
に示される矢印A方向に移動可能である。従って環状保
持体134の移動と共にローラ133も楔作用方向に移
動するので、釣糸巻取方向の回転が可能となりまた繰出
し方向の回転が不能となる。一方切換機構の操作によ
り、切換部材のフランジ部137Bが前進したときは、
突起部137Cが傾斜穴134a内に侵入してゆき、楔
位置用バネの付勢力に抗して、環状保持体134は内輪
体に対して図7に示される反矢印A方向に移動する。よ
って、釣糸巻取繰出し方向の回転が可能となる。
【0047】以上のように第3の実施の形態も、第2の
実施の形態と同様の効果を有する。加えて第3の実施の
形態では、内輪体に環状保持体134を回動可能に嵌合
すると共に、内輪体と環状保持体134との間にローラ
133を楔作用方向に付勢する図示せぬ楔位置用バネを
設けたので、楔作用時においてはローラ133を外輪体
に近接した位置に保持できその作動精度の向上が図れ
る。また個々のローラに個々の弾性手段を作用させる必
要がなくなる。
【0048】本発明による魚釣用リールの逆転防止装置
は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲
に記載された範囲で種々の変更が可能である。例えば第
1の実施の形態において、一方向クラッチの設定位置
は、枠板2とハンドル軸6との間に限定されるものでは
なく、リール筐体とハンドル軸6、或いは電動リールに
おける駆動軸と従動軸等との間などでも良い。
【0049】又、第2、第3の実施の形態における切換
部材や切換機構を第1の実施の形態に導入して、外輪体
と内輪体との間のガイド溝孔S内におけるローラの保持
位置を変更することによってスプールの一方向回転時の
阻止を解除するようにしてもよい。
【0050】また、外輪体11を金属製環状体により枠
板2とは別体に設けたが、ハンドル軸6の回転を規制す
る外輪体11を、ハンドル軸6の回転軸芯と同芯状に固
定部たる枠板2に一体に設ければ、外輪体11を別部品
として用意する必要がなくなる。
【0051】また第2、第3の実施の形態において、一
方向クラッチの設定位置は、リール筐体とロータ軸筒と
の間に限定されるものではなく、リール筐体内のリール
筐体とハンドル軸、リール筐体とマスターギヤ、或いは
リール筐体とピニオン等との間でもよい。
【0052】また第2の実施の形態において、カラー3
8にキーを設け、切換部材37の筒部37Aの内周面に
キー溝を形成してカラー38のキーと係合しているが、
カラーにキー溝を設け、筒部37Aにキー溝と係合する
ピンを設けても良い。更にカラーを省略してもよい。
【0053】また、第3の実施の形態において、切換部
材のフランジ部137Bは、突起部137Cによって内
輪体や環状保持体134と連結されて、これらが一体回
転可能に設けられているが、このような連結構造に限定
されるものではなく、内輪体の内周面又はロータの軸筒
の外周面と切換部材との間に軸方向に形成した突条と凹
溝を設けて切換部材を一体回転可能、摺動可能に支承し
てもよい。
【0054】更に、内輪体のフランジ部132Aを内輪
体の後端面に一体に設けているが、内輪体とは別体で円
板部材を設け、内輪体の外周面に環状保持体134を装
着した後に、円板部材を内輪体の後端面にネジ等で固着
するようにしてもよい。
【0055】更に、内輪体の外周面で環状保持体を支持
する代わりに、ロータ軸筒で環状保持体の一部を所定角
度回転可能に支持するようにしてもよいし、外輪体に環
状保持体を回転可能に嵌合するようにしてもよい。その
ことにより環状保持体と共に外輪体とのユニット化も図
れるので、更なる組立作業の簡易化が図れる。但しこれ
らの場合でも、環状保持体に保持されたローラは内輪体
と外輪体との間に位置しているのは勿論のことである。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の魚釣用リールの逆転防止
装置によれば、ころがり部材の内方への移動を内輪体に
より規制して、ころがり部材の外方移動によって回転部
の回転を規制するようにしたため、回転部の回転軸芯よ
り可及的に遠い位置で回転部の回転を規制することにな
るから、大きな回転規制力を得ることができる。また回
転部の回転を規制する規制面が大径になるので、可及的
に規制円周面の長さが長くなって、回転部の小さな回転
角での迅速な回転規制が可能になる。更に、回転部の回
転軸芯より可及的に遠い位置で回転部の回転を規制する
ことになるから、回転部に大きな回転負荷が掛かってい
ても内・外輪体等の変形・損壊を招き難く、装置の耐久
性の向上が図れる。またころがり部材を保持する保持体
を回転部と一体的に回転可能に設けているため、楔作用
時の規制力並びに規制位置を正確に確保することができ
る。更にころがり部材の内方にころがり部材の内方への
移動を規制する内輪体を設け、ころがり部材の外方移動
によって回転体の一方向への回転を阻止するものである
ため、回転体の高速回転によりころがり部材が規制円周
面に当接する方向に遠心力が作用するため、迅速確実な
逆転止めができる。
【0057】請求項2記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、回転体の回転軸芯と回転部又は固定部との
成形精度がラフにでき、生産性の向上が図れる。
【0058】請求項3記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、固定部の成形精度をラフにして生産性の向
上が図れるのみならず、固定部を合成樹脂等にて形成で
きるから製品重量の軽量化を図ることができる。
【0059】請求項4記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、回転部の回転軸芯と回転部又は固定部との
成形精度をラフにでき、生産性の向上が図れる。
【0060】請求項5記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、内輪体と外輪体との間でのころがり部材の
作動の安定化が図れ、正確な楔作用を行うことができ
る。またころがり部材が、保持体により保持されるから
これらの部品のユニット化が図れると共に組立作業の簡
易化が図れ、組み込みミスの防止が図れる。
【0061】請求項6記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、保持体と共に外輪体とのユニット化も図れ
るので、更なる組立作業の簡易化が図れる。
【0062】請求項7記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、楔作用時においてはころがり部材を外輪体
に近接した位置に弾性手段を介して保持しうるのでその
作動精度の向上が図れる。
【0063】請求項8記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、保持体を合成樹脂等にて形成でき、製品の
加工作業の簡易化が図れ、製品の軽量化等を図ることが
できる。
【0064】請求項9記載の魚釣用リールの逆転防止装
置によれば、安定的かつ確実な楔位置又は非楔位置への
切換えができる。又、楔位置への切換時の遊度を小さく
できる。
【0065】請求項10記載の魚釣用リールの逆転防止
装置によれば、ころがり部材が楔作用によって楔作用位
置に食い込んだ状態で非楔状態への切換操作が行われた
とき、弾性手段のみが変形し、保持体と切換機構との連
結部の損傷を防止することができる。非楔状態への切換
ができなくとも、条件が整ったときに弾性力により確実
にころがり部材を非楔状態に切換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両軸受型リールに本発明の第1の実施の形態に
よるの逆転防止装置を組み込んだ構造を示す要部断面側
面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】スピニングリールに本発明の第2の実施の形態
によるの逆転防止装置を組み込んだ構造を示す要部断面
側面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態による逆転防止装置
の切換機構の一部を示す要部断面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態による切換機構の一
部を示す平面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態による逆転防止装置
の要部を示す断面図。
【符号の説明】
2 固定部たる枠板 22 固定部たるリール筐体 4 糸巻き回転体たるスプール 6 回転部たるハンドル軸 23 糸巻き回転体たるロータ 23A 回転部たるロータの底部 11、31、131 外輪体 12 32、 内輪体 13、33、133 ころがり部材たるローラ 14、34、134 保持体たる環状保持体 23、 回転部たるロータの筒部 37、137 切換部材 40 切換機構 42C 弾性手段たるバネ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部と該固定部に支持されハンドル操
    作又は電動による回転力を糸巻付け回転体に伝達する回
    転部との間に、ころがり部材の楔作用によって該回転部
    を一方向にのみ回転させる一方向クラッチを設けた魚釣
    用リールの逆転防止装置において、 該一方向クラッチは、該ころがり部材の内方移動を規制
    するために該回転部に回り止め嵌着された内輪体と、 該ころがり部材を所定の位置に保持するために該内輪体
    又は回転部と一体的に回転可能に取付けられた保持体
    と、 該保持体の外側の該固定部に回り止めされて設けられた
    外輪体とを備え、該回転部が他方向に回転したときに該
    ころがり部材が移動し該外輪体に係合して該回転体の他
    方向の回転を阻止することを特徴とする魚釣用リールの
    逆転防止装置。
  2. 【請求項2】 該内輪体が該回転部の回転軸芯から径方
    向に移動可能に該回転部に支持されていることを特徴と
    する請求項1に記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  3. 【請求項3】 該外輪体が固定部に取付けられ回転部の
    回転軸芯と同芯状に形成された金属製環状体からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールの逆転防
    止装置。
  4. 【請求項4】 該金属製環状体が該回転部の回転軸芯か
    ら径方向に移動可能に該固定部に支持されていることを
    特徴とする請求項3に記載の魚釣用リールの逆転防止装
    置。
  5. 【請求項5】 該ころがり部材が該保持体により前後動
    を規制されて配置されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4の何れかに記載の魚釣用リールの逆転防止
    装置。
  6. 【請求項6】 該保持体が、該外輪体に回転可能に嵌合
    されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何
    れかに記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  7. 【請求項7】 該内輪体に該保持体を回動可能に嵌合す
    ると共に、該内輪体と該保持体との間に該ころがり部材
    を楔作用方向に付勢する弾性手段を設けたことを特徴と
    する請求項1乃至請求項6の何れかに記載の魚釣用リー
    ルの逆転防止装置。
  8. 【請求項8】 該保持体のころがり部材当接部には、金
    属製補強部材が設けられていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項7の何れかに記載の魚釣用リールの逆転防
    止装置。
  9. 【請求項9】 該保持体内に保持されたころがり部材又
    は該保持体自体を該ころがり部材と共に非楔作用位置に
    切換えて該回転部の他方向への回転を可能とするため、
    該保持体に係脱可能に切換部材が設けられ、該固定部に
    は該切換部材を切換動作するための切換機構が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか
    に記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  10. 【請求項10】 該保持体と該切換機構との間に該ころ
    がり部材を楔作用位置から非楔作用位置に切換える方向
    に付勢する弾性手段を設けたことを特徴とする請求項9
    に記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
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