JPH1075695A - 魚釣用リールの逆転防止装置 - Google Patents

魚釣用リールの逆転防止装置

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JPH1075695A
JPH1075695A JP24932596A JP24932596A JPH1075695A JP H1075695 A JPH1075695 A JP H1075695A JP 24932596 A JP24932596 A JP 24932596A JP 24932596 A JP24932596 A JP 24932596A JP H1075695 A JPH1075695 A JP H1075695A
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JP
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rotating
ring body
reverse rotation
roller
inner ring
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JP24932596A
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Atsuto Okada
厚人 岡田
Yukihisa Sato
幸久 佐藤
Yoji Yamada
洋二 山田
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転規制力と耐久力に優れ、作動が迅速な魚
釣用リールの逆転防止装置の提供。 【解決手段】 リール筐体2にはハンドル軸6と同芯に
内輪体12が固定される。内輪体の外周面は略正四角形
である。ハンドル軸6にはフランジ部15を同芯に固定
され、フランジ部に内輪体に対向する内周が円形の外輪
体11が固定される。内輪体と外輪体との環状の隙間に
は、リール筐体に一体に設けられた環状保持体14が配
置される。環状保持体14内にはローラ13が保持さ
れ、ローラ13は内輪体と外輪体に対して摺動可能に設
けられる。外輪体11が一方向に回転すると、ローラ1
3は内輪体の辺部付近に移動し、ハンドル軸の同方向の
回転が可能となる。外輪体が反対方向に回転すると、ロ
ーラは内輪体の角部方向に移動し内輪体と外輪体との間
に挟持され、楔作用により同方向の回転が不能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用リールの逆転
防止装置に関し、特に、ころがり部材の楔作用により、
両軸受型リールのスプールやスピニングリールのロータ
等の回転体の一方向への回転を規制し他方向への回転を
許容する一方向クラッチを備えた逆転防止装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭48−90882号公報や実開昭
64−38964号公報の全文明細書には、リール筐体
等の固定部と、リール筐体に回転自在に支承されたハン
ドル或いはモータ等に駆動連結された回転部とに、一方
向クラッチの内・外輪体をそれぞれ取付け、内・外輪体
間のガイド溝孔に設けたころがり部材の楔作用により、
一方向への回転を規制し他方向への回転を許容して、回
転部の一方向への回転を規制する魚釣用リールの逆転防
止装置が記載されている。
【0003】特開昭54−141285号公報には、リ
ール筐体に回転自在に支持されたロータの軸筒部とリー
ル筐体の前部との間に、ころがり部材の楔作用によって
一方向のみに回転するベアリングを設け、ベアリングの
前部に回動可能に設けた規制板の係止片をころがり部材
のガイド溝孔内に突出させ、規制板を筐体に支持された
作動桿によって回動させることにより、ころがり部材を
非楔作用位置に切り換えて他方向への回転を可能とした
魚釣用リールの逆転防止装置が記載されている。
【0004】特開平6−58348号公報には、上述の
特開昭54−141285号公報におけるころがり部材
の前後動を規制する環状保持体を設け、環状保持体の外
側にころがり部材の外方移動を規制する外枠(外輪体)
を回り止め嵌着して、逆転防止装置をユニット化する技
術が記載されている。
【0005】特開平6−225673号公報には、上述
の特開平6−58348号公報における環状保持体の外
側にころがり部材の外方移動を規制する外枠(外輪体)
を回動可能に嵌着すると共に、環状保持体を該筐体に支
持された作動桿によって回動させることにより、ころが
り部材を非楔作用位置に切り換えるようにして逆転防止
装置をユニット化する技術が記載されている。
【0006】特開平7−246047号公報には、筐体
に一体的にかつロータの軸筒部のような回転部材と同芯
状にかつ回転部材の外周側に環状保持体を設け、環状保
持体内には回転部材に接触して一方向への回転を規制す
るころがり部材を保持し、環状保持体の外周側に回動可
能に外枠(外輪体)を被嵌させて、ころがり部材の外方
移動を規制し、筐体に支持された作動桿によって外枠回
動させることにより、ころがり部材を非楔作用位置に切
換えるようにした逆転防止装置が記載されている。
【0007】実開平4−77774号公報の全文明細書
には、ロータ凹陥部の内周面にころがり部材の楔作用に
よって一方向のみに回転するベアリングを設け、回転規
制力の向上と耐久性の向上を図る技術が記載されてい
る。当該公報記載の逆転防止装置は、内枠(内輪体)の
内周に刻設された凹部に対して筐体に支持された作動桿
によって作動される爪を係合解除して他方向への回転を
可能としており、ころがり部材の外方への移動を規制す
る外枠(外輪体)をロータ凹陥部の内周面に設けて形成
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の特開昭
48−90882号公報、実開昭64−38964号全
文明細書、特開昭54−141285号公報、特開平6
−58348号公報、特開平6−225673号公報、
特開平7−246047号公報に記載されている逆転防
止装置は、何れもころがり部材の外方への移動を外枠
(外輪体)により規制しつつ、ころがり部材の内方移動
によって、ロータ回転軸筒等の回転部の回転を規制する
ものであるため、回転部の回転軸芯より可及的に近接し
た位置で回転規制が行われることになり、回転規制力に
難があるのみならず、大きな回転力が掛かったときは、
ころがり部材の楔作用によって、ガイド溝孔が拡がって
外枠(外輪体)等の変形・損壊を招いてしまう問題があ
った。
【0009】また実開平4−77774号公報の全文明
細書に記載のベアリングも、ころがり部材の外方への移
動を外枠(外輪体)により規制しつつ、ころがり部材の
内方移動によって内枠の回転を規制するものであるた
め、前述したのと同様な問題をはらむものである。
【0010】更に、実開平4−77774号公報記載の
逆転防止装置では、内枠の内周に刻設された凹部に爪を
係脱させるものであるために、ころがり部材を非楔作用
位置に移動させて他方向への回転を可能とするものに比
べて、作動迅速性が劣るという問題があった。また、こ
ろがり部材の外方への移動を規制する外枠(外輪体)を
ロータ凹陥部の内周面に設けるものであるため、ロータ
が高速で回転されるとその遠心力によってころがり部材
が内枠(内輪体)から離れて迅速確実な逆転止めができ
ず、これを防止すべく内方向(楔作用方向)にころがり
部材へ弾性力を付勢する弾性手段の弾性力を強めると正
転時にころがり部材が内枠(内輪体)に当接して回転が
重くなるという問題もあった。
【0011】そこで本発明は、回転規制力並びに耐久性
に優れ、作動迅速性に優れた魚釣用リールの逆転防止装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、固定部と該固定部に支持されハンドル操作
又は電動による回転力を糸巻き付け回転体に伝達する回
転部との間に、ころがり部材の楔作用によって該回転部
を一方向にのみ回転させる一方向クラッチを設けた魚釣
用リールの逆転防止装置において、該一方向クラッチ
は、ころがり部材13、33、133、233と、該回
転部6、15、23、123、223Aの回転軸芯と同
芯状に配置され該固定部2、22、122に固定して又
は一体に設けられて内部に該ころがり部材を保持する環
状保持体14、34、134、234と、該環状保持体
の内側に配置され外周にカム面が形成されて該ころがり
部材の内方移動を規制する内輪体12、32、132、
232と、該環状保持体の外側で該回転部に固定して配
置された外輪体11、31、131、231とからなる
魚釣用リールの逆転防止装置を提供している。
【0013】ここで、該回転体はスピニングリールのロ
ータ23であり、該外輪体31が、ロータ後部に形成さ
れている凹陥部の底壁23Aにロータの回転軸芯と同芯
状に形成された環状凹部にて形成されているのが好まし
い。又は、該回転体はスピニングリールのロータ123
であり、該外輪体131が、ロータ後部に形成されてい
る凹陥部の内周壁に形成されているのが好ましい。ま
た、該内輪体132が、回転部の回転軸芯から径方向に
移動可能132a、138Aに設けられているのが好ま
しい。また該外輪体が、該回転部15に支持され該回転
部とは別体の金属製環状体11にて構成されているのが
好ましい。また該金属製環状体11が、該回転部6、1
5の回転軸芯から径方向に移動可能に該回転部15に支
持されているのが好ましい。また該ころがり部材13、
33、133、233が、該環状保持体14、34、1
34、234により前後動を規制されて配置されている
のが好ましい。また該環状保持体14、34、134と
該ころがり部材13、33、133との間には、該ころ
がり部材を楔作用方向に付勢する弾性手段16、36、
136が設けられているのが好ましい。また該環状保持
体34の該ころがり部材33当接部には、金属製補強部
材35が設けられているのが好ましい。また、該内輪体
32、232が、該固定部に又は該回転部27に回転可
能に嵌合され、該固定部には該内輪体を回動操作するた
めの切換部材37が支持され、該切換部材の切換動作に
より、該内輪体を回動させて該ころがり部材を楔作動位
置又は非楔作動位置に切換可能にするのが好ましい。ま
た該内輪体132が、該固定部又は該回転部に回転可能
に嵌合され、該内輪体に対して出没する係合突部137
Cを備えた切換部材137を該固定部122に摺動可能
に設け、該切換部材の摺動に基づく該係合突部の該内輪
体に対する出没によって該内輪体を回転させ、該ころが
り部材を楔作用位置又は非楔作用位置に切換え可能とす
るのが好ましい。また、該内輪体は該環状保持体に回転
可能に嵌合されているのが好ましい。また該内輪体23
2を回動させて該ころがり部材233を楔作動位置又は
非楔作動位置に切換えるための切換部材237に対して
弾性手段236を付勢可能に設け、該弾性手段は該ころ
がり部材が非楔作動位置方向に移動するような弾性力を
該内輪体に付与するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
魚釣用リールの逆転防止装置について図1、図2に基づ
き説明する。第1の実施の形態では、逆転防止装置を両
軸受型リールに適用したものである。
【0015】両軸受型リール1は、リール筐体2と、リ
ール筐体2に固定された側板3と、リール筐体2に回転
可能に支持された糸巻き付け回転体たるスプール4と、
スプール4を回転させるためのハンドル5を有する。ハ
ンドル5には回転部たるハンドル軸6が連結され、ハン
ドル軸6はリール筐体2と側板3間にベアリング7を介
して回転可能に支承されている。また、ハンドル軸6の
リール筐体2と側板3間には、マスターギヤ8が設けら
れている。マスターギヤ8は、公知のドラグ機構を介し
てハンドル軸6に接続され、ハンドル軸6と一体回転可
能又は相対回転可能に設けられている。
【0016】一方スプール4には、リール筐体2と側板
3に回転可能に支持されたスプール軸9が延設され、ス
プール軸9には公知のクラッチ機構によりビニオンギヤ
10が係脱可能に設けられている。そしてピニオンギヤ
10は、マスターギヤ8と噛合している。従って、ハン
ドル軸6に固定されたハンドル5の回転は、マスターギ
ヤ8、ピニオンギヤ10を介してスプール4に伝達さ
れ、スプール4は釣糸巻取方向又は繰出し方向に回転す
る。
【0017】次に第1の実施の形態における一方向クラ
ッチについて説明する。一方向クラッチは主に外輪体1
1、内輪体12、転がり部材たるローラ13、及び環状
保持体14により構成される。回転部たるハンドル軸6
にはフランジ15がハンドル軸6の回転軸心と同芯に固
着されている。このフランジ15には、ハンドル軸6の
回転軸芯に対して径方向に長孔15aが形成されてい
る。そして外輪体11はフランジ15に支持されてい
る。即ち外輪体11は、環状部と底部とを有する金属製
環状体にて形成され、底部には突起11Aが突設され
て、フランジ15の長孔15aに係合され、しかしてフ
ランジ15に対する外輪体11の径方向の取付位置が調
整可能である。金属製環状体の環状部の内周面は真円形
状をなし、ころがり部材たるローラ13の外方移動を規
制している。
【0018】固定部たるリール筐体2には、外輪体11
やハンドル軸6と同芯に、内輪体12が一体に突設され
ている。内輪体12の外周面は辺部が円弧状の略正四角
形のカム面をなし、外輪体11の円形内周面と対向して
いる。従って、内輪体12と外輪体11との間は略環状
のガイド溝孔Sが提供されるが、ガイド溝孔Sのハンド
ル軸6の軸心から半径方向でみた幅は一定ではなく、図
2に示されるように内輪体12の外周側のカム面の辺部
の中央と外輪体11の内周面とが対向している部分では
ガイド溝孔Sの幅は最も大きくかつローラ13の直径よ
り大きい。また内輪体12のカム面の角部と外輪体11
の内周面とが対向している部分では、ガイド溝孔Sの幅
が最も小さく、且つローラ13の直径よりも小さい。
【0019】内輪体12の外周側には、リール筐体2と
一体に環状保持体14が突設されている。環状保持体1
4には、周方向に等間隔に保持孔14aが径方向に貫通
するように形成されている。保持孔14は、環状保持体
14の径方向で貫通して形成され、それぞれの保持孔1
4a内にはころがり部材たるローラ13が配置されてい
る。ここでローラ13は、保持孔内14a内において、
環状保持体14の周方向へは移動自在であるが、保持孔
14aを画成する壁部(図示せず)により前後方向(軸
芯方向)へは移動不能に収納される。更にそれぞれの保
持孔14a内には、ローラ13に楔方向、即ち内輪体1
2によりローラ13を介して外輪体11の回転を阻止す
る方向に弾性力を付与するバネ体16が配設されてい
る。環状保持体14の周方向でみたとき、保持孔14a
の一方の壁は、内輪体12の角部付近に位置しており、
他方の壁部にバネ体16が当接している。従って、ガイ
ド溝S内には環状保持体14が配置され、環状保持体1
4の保持孔14a内において、ローラ13が内輪体12
及び外輪体11に接触可能に配置されると共に、ローラ
13は環状保持体14の周方向且つ内輪体12の角部方
向にバネ体16により付勢される。
【0020】以上の構成において、第2図に於いて釣糸
巻き取り方向(正転)へハンドル軸6を回転する時に
は、外輪体11は矢印X方向に回転する。このときロー
ラ13はX方向に回転する外輪体11により、内輪体1
2のカム面の辺の中央部付近にバネ体16の付勢力に抗
して位置している。内輪体12の辺部と外輪体11の内
周面との間の距離は、ローラ13の直径より大きいため
に、ローラ13自体の自由な回転が可能であり、ローラ
13と内輪体12は、外輪体11の回転を何等阻止しな
い。即ち楔作用をせずに、ハンドル軸6は正回転し続け
ることができる。
【0021】しかし、ハンドル軸6を釣糸繰出し方向に
逆転しようとするときは、外輪体11の反矢印X方向へ
の回転により、ローラ13が摩擦的に反時計方向に伴わ
れ、またバネ体16の楔方向への付勢力によってローラ
13は図2において、反時計方向に移動する。そしてロ
ーラ13は内輪体12の角部付近に位置しており、ロー
ラ13の直径が、内輪体12の角部と外輪体11の内周
面との間の距離より大きいので、楔作用により外輪体1
1の回転が阻止される。そのことによりハンドル軸10
の逆回転が不能となる。
【0022】以上のように、第1の実施の形態では、こ
ろがり部材であるローラ13の内方への移動をカム面を
有する内輪体12により規制してローラ13の外方移動
によって回転部であるハンドル軸6の回転を規制するよ
うにしたため、ハンドル軸6の回転軸芯より可及的に遠
い位置でハンドル軸6の回転を規制することになるか
ら、大きな回転規制力を得ることができる。また回転を
規制する規制面即ち外輪体11の内周面はが大径になる
ので、可及的に規制円周面の長さが長くなって、迅速な
回転規制が可能になる。またハンドル軸6の回転軸芯よ
り可及的に遠い位置でハンドル軸6の回転を規制するこ
とになるから、大きな回転力が掛かっても内・外輪体1
1、12等の変形・損壊を招き難く、装置の耐久性の向
上が図れる。更に、ローラ13を保持する環状保持体1
4を固定部たるリール筐体2に固定して設けているた
め、楔作用時の規制力並びに規制位置を正確に確保する
ことができる。そしてローラ13の内方にその内方への
移動を規制する内輪体12を設け、ローラ13の外方移
動によってスプール4の釣糸繰出し方向への回転を阻止
するものであるため、スプール4の高速回転による遠心
力に起因しての規制面からのローラ13の離脱が防止で
き、迅速確実な逆転止めができる。
【0023】また外輪体11は、回転部であるハンドル
軸6のフランジ部15とは別体の金属製環状体11で形
成されるので、フランジ部15等を合成樹脂で形成して
製品の軽量化並びに回転部の回転バランスの調整を簡易
化することができる。更に、金属製環状体11を径方向
に移動可能にフランジ部15に支持したので、回転部の
回転軸芯と回転部との成形精度をラフにでき、生産性の
向上が図れる。
【0024】またローラ13が、環状保持体14の保持
孔14a内において、前後動(ローラ13の軸方向の移
動)を規制されて配置されているので、内輪体12と外
輪体11との間でのローラ13の作動の安定化が図れ、
正確な楔作用を行うことができる。またローラ13が、
環状保持体14により保持されるからこれらの部品のユ
ニット化が図れると共に組立作業の簡易化が図れ、組み
込みミスの防止が図れる。
【0025】また環状保持体14とローラ13との間に
は、ローラ13を楔作用方向に付勢するバネ体16が設
けられているので、楔作用時に於いてはローラ13を規
制面たる外輪体11に近接した位置にバネ体16介して
保持し得るので、スプール4の逆転時に速やかにその逆
転を阻止することができ、作動精度の向上が図れる。
【0026】本発明の第2の実施の形態による魚釣用リ
ールの逆転防止装置について図3、図4に基づき説明す
る。第2の実施の形態では、逆転防止装置をスピニング
リールに適用したものである。
【0027】スピニングリール21は、リール筐体22
と、リール筐体22に回転可能に支持された糸巻き付け
回転体たるロータ23と、釣糸を巻回保持するためにリ
ール筐体22に支持されたスプール24と、ロータ23
を回転させるためのハンドル25を有する。リール筐体
22はベアリング28を介して軸筒27を回転可能に支
承しており、軸筒27内にはスプール24を支承したス
プール軸29が軸方向に往復動可能に設けられている。
またリール筐体22内には図示せぬマスターギヤや、図
示せぬスプール往復動機構や、軸筒27に固定されたピ
ニオンギヤ26が設けられている。ロータ23の後部に
は底部23Aと筒部23Bにより凹陥部が形成され、底
部23Aが軸筒27に固定されている。筒部23Bに
は、スプール24の周囲を回転する図示せぬベールを支
持するための一対の腕部30が一体に設けられている。
【0028】ハンドル25を回転させると、その力が図
示せぬマスターギヤを介してピニオンギヤ26に伝達さ
れ、ピニオンギヤ26に一体化されている筒軸27に固
定されているローター23が筒軸27と共に回転する。
これと共に、スプール軸29が図示せぬスプール往復動
機構により筒軸27の内部で前後に往復摺動し、スプー
ル24の前後動が得られて釣糸がスプール24上に均一
に巻回される。
【0029】次に第2の実施の形態における一方向クラ
ッチについて説明する。一方向クラッチは主に外輪体3
1、内輪体32、転がり部材たるローラ33、及び環状
保持体34より構成される。外輪体31は、回転体たる
ロータ23の凹陥部を規定する底部23Aに、ロータ2
2の半径方向内方に突出してロータ23と一体に設けら
れており、内周面は円形をなす。換言すれば、外輪体3
1は、肉厚のロータ底部23Aに、ロータ23の回転軸
芯と同芯に円形の凹部を形成することにより提供され
る。従って外輪体を別部品として形成する必要がない。
【0030】内輪体32は固定部たるリール筐体22に
支持される。具体的には、リール筐体22は軸筒27を
取囲む筒部22Aが一体に前方に突設され、筒部22A
の外周面に所定量回動可能にかつ外輪体31に対向して
内輪体32が設けられている。内輪体32の内周面は円
形であるが、外周面は正六角形をなす。従って、内輪体
32と外輪体31との間は略環状のガイド溝孔S1が提
供されるが、ガイド溝孔S1の軸筒27の軸心から半径
方向でみた幅は一定ではなく、内輪体32の外周側のカ
ム面の辺部の中央と外輪体31の内周面とが対向してい
る部分ではガイド溝孔S1の幅は最も大きくかつローラ
33の直径より大きい。また内輪体32のカム面の角部
と外輪体31とが対向している部分では、ガイド溝孔S
1の幅が最も小さく、且つローラ33の直径よりも小さ
い。また内輪体32の外周面側の一部には、係合凹部3
2aが形成されている。
【0031】環状保持体34は、ガイド溝S1内にあ
り、リール筐体22の前面から突設されている。第1の
実施の形態と同様に、環状保持体34には周方向に等間
隔に保持孔34aが径方向に貫通するように形成されて
いる。保持孔34a内にはころがり部材たるローラー3
3が配置されている。ローラ33は、保持孔内34a内
において、環状保持体34の周方向へは移動自在である
が、保持孔34aを画成する壁部(図3参照)により前
後方向(軸方向)へは移動不能に収納される。更にそれ
ぞれの保持孔34a内には、ローラ33に楔方向、即ち
内輪体32によりローラ33を介して外輪体31の回転
を阻止する方向に弾性力を付与するバネ体36が配設さ
れている。環状保持体14の周方向でみたとき、保持孔
34aのローラ33と当接する一方の壁には、鉄製薄板
等からなる金属製補強部材35が配設されている。
【0032】リール筐体22を貫通して、切換部材37
がその軸芯を中心に回転可能にかつ図示しない位置保持
手段により2つの切換位置に保持可能に延設され、また
切換部材37も後端部には、操作ノブ37Aが設けられ
ている。切換部材37の先端部には内輪体32の係合凹
部32aと係合する偏心カム部37Bが設けられてい
る。従って、操作ノブ37Aを一方向及び反対方向に回
動すると、切換部材37がその軸芯を中心に回転して偏
心カム部37Bが回動し、偏心カム部37Bが係合凹部
32aを押圧するので、内輪体32は一方向又は反対方
向にリール筐体22の筒部22Aの回りを回転すること
ができる。
【0033】以上の構成において、切換部材37の操作
ノブ37Aを一方向に回動操作したときは、偏心カム部
37Bの軸芯を中心に偏心カム部37Bが回転し、偏心
カム部37Bが、図4の反時計方向に回動する。このこ
とにより、偏心カム部37Bは係合凹部32aの右側の
壁を押圧するので、内輪体32は時計方向に回動する。
その結果図4に示すように内輪体32のカム面の辺部の
中央部付近にローラ33が位置することとなる。このと
き、内輪体32のカム面の辺部と外輪体31の内周面と
の間の距離は、ローラ33の直径より大きいために、ロ
ーラ33を狭持することなく(ローラ33は非楔位置に
あり)、ローラ33と内輪体12は、外輪体11の回転
を何等阻止しない。従って、ハンドル25の正転及び逆
転操作が可能となり、糸巻き回転体たるロータ23は釣
糸巻取方向及び釣糸繰り出し方向に回転可能である。
【0034】この状態から操作ノブ37Aを反対方向に
回動操作すると、偏心カム部37Bが、図4の時計方向
に回動する。このことにより、偏心カム部37Bは係合
凹部32aの左側の壁を押圧するので、内輪体32は反
時計方向に回動する。その結果内輪体32のカム面の角
部付近にローラ33が位置することになる。即ち、内輪
体32の回動により、ローラ33は内輪体32と外輪体
31との間が狭くなる位置に移動される。この状態で
は、ハンドル25を釣糸巻取方向に操作したときは、外
輪体31の回転方向は、内輪体32のカム面の角部とは
反対方向であるので、ローラ33と内輪体32とが外輪
体31の回転を阻止せず、釣糸巻取方向の回転が可能と
なる。
【0035】この状態で、ハンドルを釣糸繰出し方向に
操作したときは、外輪体31も回転しようとするが、外
輪体31の回転方向は、内輪体32のカム面の角部方向
(楔作用方向)であるため、ローラ33と内輪体32が
外輪体31の回転を阻止する。即ち釣糸繰出し方向への
回転操作が阻止される。
【0036】以上のように、第2の実施の形態において
も、第1の実施の形態と同様に、ころがり部材たるロー
ラ33の内方への移動をカム面を有する内輪体32によ
り規制しローラ33の外方移動によってロータ23の回
転を規制するようにしたため、ロータ23の回転軸芯よ
り可及的に遠い位置でロータ23の回転を規制すること
になるから、大きな回転規制力を得ることができる。ロ
ータ23の回転を規制する規制面が大径になるので、可
及的に規制円周面の長さが長くなって、迅速な回転規制
が可能になる。またロータ23の回転軸芯より可及的に
遠い位置でその回転を規制することになるから、大きな
回転力が掛かっても内・外輪体等の変形・損壊を招き難
く、装置の耐久性の向上が図れる。更に、ローラ33を
保持する環状保持体34を固定部たるリール筐体22に
固定して設けるため、楔作用時の規制力並びに規制位置
を正確に確保することができる。そしてローラ33の内
方にその内方への移動を規制する内輪体32を設け、ロ
ーラ33の外方移動によってロータ23の釣糸繰出し方
向への回転を阻止するものであるため、ロータ23の高
速回転による遠心力に起因しての規制面からのローラ3
3の離脱が防止でき、迅速確実な逆転止めができる。
【0037】また、内輪体32をリール筐体22の筒部
23Bに回動可能に設けると共に、内輪体32の回動位
置を切換可能に設けているので、非楔作動位置では、ロ
ータ23の正転と逆転が可能であり、楔作動位置ではロ
ータの正転が可能で逆転が阻止される構成となる。そし
て例えば、内輪体を不動としローラ33を移動させて切
換える構成である場合に比べて、安定的かつ確実な楔位
置又は非楔位置への切換ができ、楔位置への切換時の遊
度を小さくすることができる。
【0038】また、環状保持体34のローラ33と当接
する部分に金属製補強部材35を設けたので、環状保持
体34自体を合成樹脂等にて成形して製品の加工作業の
簡易化が図れ、製品の軽量化等を図ることができる。
【0039】本発明の第3の実施の形態による魚釣用リ
ールの逆転防止装置について図5乃至図7に基づき説明
する。第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様
に逆転防止装置をスピニングリールに適用したものであ
るが、外輪体の位置や内輪体の回動位置切換機構が第2
の実施の形態とは異なる。
【0040】第3の実施の形態では、回転部たるロータ
123の後部に底部123Aと筒部123Bで形成され
る凹陥部内であって、筒部123Bの内周面に環状の外
輪体131がロータ123の半径方向内方に突設されて
いる。外輪体131の内周面は円形である。また固定部
たるリール筐体122の先端は、ロータ123の凹陥部
内に位置しており、ベアリング128にて軸筒127を
保持して軸筒127を回転可能に支承している。リール
筐体122には、軸筒127の回転軸心と同芯に筒部1
22Aが延設され、筒部122Aの外周面には円筒形の
カラー138が筒部122Aに対して回転可能に設けら
れている。そしてカラー138の外周面に内輪体132
が接続されている。従って、内輪体132はカラー13
8と共に、筒部122Aの回りを回動可能である。
【0041】ここで内輪体132の内径はカラー138
の外径より僅かに大きく、またカラー138の外周面か
ら半径方向外方に突出してカラー138の軸方向に延び
る係合突条138Aが設けられている。更に、内輪体1
32の内周面には係合突条138Aの輪郭よりも大きな
係合凹部132aが係合突起138Aに係合可能に内輪
体132の軸方向に延びて形成されている。従って内輪
体132がカラー138に略同軸的に支持されるが、係
合突条138Aと係合凹部132aとのサイズの相違に
より、内輪体132はその径方向に移動可能である。即
ち内輪体132の取付け位置は、回転軸芯に対して径方
向に調整可能となる。従って、回転体であるロータ12
3と固定部であるリール筐体122の相対的な成形精度
をラフにでき、生産性の向上が図れる。
【0042】内輪体132には、その直径方向の互いに
反対側の位置に、貫通孔132bが形成されている。図
7に示されるように、貫通孔132bは傾斜面132
b’を有している。更に、内輪体132とリール筐体1
22との間には、内輪体132を非楔方向に回動付勢す
る図示せぬバネが介装されている。
【0043】リール筐体122の前部には環状保持体1
34が一体に設けられる。環状保持体134には保持孔
134aが形成され、それぞれの保持孔134a内には
ころがり部材たるローラ133とコイルバネ136とを
それぞれ1個ずつ保持する。この保持孔134aは上述
した実施の形態と同様に、ガイド溝S2に配置され、ロ
ーラ134をその軸方向で移動不能に保持するととも
に、コイルバネ136はローラ133を楔作用方向に付
勢するものである。
【0044】リール筐体122は回動可能に操作ノブ1
37Aが支持され、操作ノブ137Aの内端には、切換
部材137の後端部が軸支されている。切換部材137
は軸筒127に対して摺動可能に設けられ、軸筒127
の軸方向に往復摺動可能である。また切換部材137の
先端面には位置決め突起137Bが軸筒127の軸方向
に延設されている。位置決め突起137Bの通過を許容
するために、リール筐体122には貫通孔が形成されて
おり、また位置決め突起137Bの先端部は、内輪体1
32の貫通孔132bの傾斜面132b’に倣う傾斜面
137Cを有しており、位置決め突起137Bの先端部
が、貫通孔132bに出没可能に設けられている。
【0045】以上の構成において、操作ノブ137Aを
図5の状態から時計方向に回動操作すると、切換部材1
37が後退し、従って環状保持体134の保持孔134
aから位置決め突起137Bの先端部が退出し、保持孔
134a内ではローラ133がコイルバネ136によっ
てのみ付勢されている状態となる。切換部材137の後
退により、内輪体132は切換部材137との傾斜面1
32b’、137cと、内輪体132とリール筐体12
2との間に介装された図示せぬバネの付勢力により非楔
方向に回動されて、図6のような回動位置にある。即ち
ローラ133は内輪体132のカム面の辺部中央方向に
位置し、上述した実施の形態と同様に、ロータ123は
正転及び逆転が可能となる。
【0046】次に操作ノブ137Aを反時計方向に回動
操作すると、切換部材137が前進して図5の状態にな
る。従って内輪体132の貫通孔132b内に位置決め
突起137Bの先端傾斜部137Cが侵入する。よって
図示せぬバネの付勢力に抗して、内輪体132が楔作動
方向に回転される。即ち相対的には、ローラ133は内
輪体132のカム面の角部方向に移動することとなり、
上述した実施の形態と同様な楔効果によって、ロータ1
23は正転可能、逆転不能な状態となる。
【0047】以上のように第3の実施の形態も、第2の
実施の形態と同様の効果を有する。加えて、第3の実施
の形態では、第2の実施の形態と比較して、ロータ12
3の回転軸芯より更に遠い位置でロータ123の回転を
規制することになるから、更に大きな回転規制力を得る
ことができ、更に迅速な回転規制が可能になり、大きな
回転力が掛かっても内・外輪体等の変形・損壊を阻止で
き、装置の更なる耐久性の向上が図れる。また固定部た
るリール筐体122への構成部材である環状保持体13
4や内輪体132を固定部前面に近接した位置に設置・
形成できるため、これら構成部材への負荷の低減が図
れ、これに起因しての内・外輪体等の変形・損壊の防止
が図れる。
【0048】本発明の第4の実施の形態による魚釣用リ
ールの逆転防止装置について図8に基づき説明する。第
4の実施の形態は、第2の実施の形態と同様に、スピニ
ングリールにおいて、内輪体の回動位置を切換る切換機
構が設けられている。
【0049】第4の実施の形態における一方向クラッチ
は主に、外輪体231、内輪体232、転がり部材たる
ローラ233、環状保持体234、切換部材237によ
り構成される。外輪体231はロータの底部223Aに
固着され、内輪体232は固定部たるリール筐体222
の筒部222A(第2の実施の形態の122Aに相当)
に回転可能に支持される。内輪体232には4個のネジ
孔232aが形成されている。
【0050】内輪体232の内周面は円形で筒部222
Aに対して回転摺接関係にあるが、外周面は略正八角形
のカム面をなす。従って、内輪体232と外輪体231
との間は略環状のガイド溝孔S3が提供されるが、ガイ
ド溝孔S3の幅は一定ではなく、内輪体232の外周側
のカム面の辺部の中央と外輪体231の内周面とが対向
している部分ではガイド溝孔S3の幅は最も大きくかつ
ローラ233の直径より大きい。また内輪体232のカ
ム面の角部と外輪体231とが対向している部分では、
ガイド溝孔S3の幅が最も小さく、且つローラ233の
直径よりも小さい。
【0051】外輪体231と内輪体232間に画成され
る環状のガイド溝孔S3内には、第2の実施の形態と同
様に、環状保持体234がリール筐体の全面から一体に
延設されて配置されている。環状保持体234の環状部
には複数の保持孔234aが形成されており、保持孔2
34a内にローラ233がその軸方向の移動を規制され
て収納されることによって所定の位置に位置決めされて
いる。又環状保持体234のそれぞれの保持孔234a
のローラ233周面への当接面には、鉄製薄板等からな
る1対の金属製補強部材235、235が配設されてい
る。環状保持体234自体は合成樹脂により構成して、
軽量化と加工性の向上を図ると共に、ローラ233を保
持する部分には金属製補強部材235を配置して、機械
的強度を高めている。
【0052】内輪体232の軸方向の一端面には、円盤
状の切換部材237がネジ240をネジ孔232aに螺
合することによって固定されている。切換部材237は
リール筐体222の筒部222Aに対して回転可能であ
り、また切換部材237の外周面には突出部237Aが
半径方向外方に突出して設けられている。
【0053】第2の実施の形態の切換部材37や操作ノ
ブ37Aと対応する切換部材や操作ノブが同様に設けら
れている。ただし、切換部材の先端は、カム部37Bで
はなく、円板部238が設けられ、円板部238にはボ
ス部238Aが一体に設けられている。なおボス部23
8Aは切換部材237の回転軸芯から偏心した位置に設
けられ、突出部237Aを弾性付勢しつつ切り換えるた
めのバネ236が固着されている。
【0054】図3と共に説明すると、使用者が操作ノブ
37Aを操作することにより、切換部材37が軸芯を中
心に回転し、円板部238が偏心回転することにより、
バネ236による突出部237Aに対する付勢力が変化
する。ここでバネ236は内輪体234が非楔方向に回
動するように切換部材237を付勢するものである。ま
た切換部材237の回動範囲を規定するために、リール
筐体の前面からは、1対のストッパ部材241A、24
1Bが切換板237の突出部237Aと当接可能に突設
されている。
【0055】また、内輪体232と環状保持体234と
の間には、図示せぬトーションバネが介装されている。
トーションバネは、内輪体232を楔方向に付勢してい
るが、バネ236の付勢力よりは小さく設定されてい
る。
【0056】以上の構成において、操作ノブ(図3の3
7A相当)を一方向に回動操作したときは、切換部材
(図3の37相当)の回転軸芯を中心に切換部材37の
円板部238が図8の反時計方向に回転し、バネ236
を介して切換部材237の突出部237Aを時計方向に
付勢して、突出部237Aは、図8の右側のストッパ部
材241Aと当接する。この状態では、バネ236によ
り突出部237Aは図8の時計方向に回動付勢されてお
り、その結果図8に示されるように、内輪体232のカ
ム面の辺部は、環状保持体234の金属製補強部材23
5に保持されたローラ233に対向した位置まで回動移
動する。このとき、内輪体232のカム面の辺部と外輪
体231の内周面との間の距離は、ローラ233の直径
より大きいために、ローラ233自体の回転が可能であ
り、ローラ233と内輪体212は、外輪体211の回
転を何等阻止しない。従って、ハンドルの正転及び逆転
操作が可能となり、糸巻き回転体たるロータは釣糸巻取
方向及び釣糸繰り出し方向に回転可能である。
【0057】この状態から操作ノブ(37A)を反対方
向に回動操作すると、切換部材37が軸芯を中心に回転
し、先端の円板部238が偏心回転して、バネ236は
突出部237Aから離反する。しかし、図示せぬトーシ
ョンバネにより、内輪体232は楔作用方向に回転付勢
されるので、内輪体232は図8の反時計方向に回動
し、突出部237Aは左側のストッパ部材241Bと当
接する。この状態では、内輪体232は、そのカム面の
角部がローラ233に対向する位置近傍まで回動してお
り、ローラ233は内輪体232と外輪体231との間
の狭い位置に移動される。この状態では、ハンドルを釣
糸巻取方向に操作したときは、外輪体231の回転方向
は、外輪体231と内輪体232とによるローラ233
に対する挟持力が弱められる方向であるので、ローラ2
33と内輪体232とが外輪体231の回転を阻止せ
ず、釣糸巻取方向の回転が可能となる。
【0058】この状態で、ハンドルを釣糸繰出し方向に
操作したときは、外輪体231も回転しようとするが、
外輪体231の回転方向は、内輪体232のカム面の角
部方向(楔作用方向)であるため、ローラ233と内輪
体232が外輪体231の回転を阻止する。即ち釣糸繰
出し方向への回転操作が阻止される。
【0059】なお、ローラ233が楔作用位置にあると
き、操作ノブを操作して切換部材237を非楔方向に回
動しようとして、ローラ233が外輪体231と内輪体
232間に食い込んでいる場合は、切換部材237は非
楔方向に回動できない。仮に、切換部材37が切換部材
237の突出部237Aに直接接続されているとした場
合には、操作ノブ37Aを強引に操作して切換部材23
7を回動させると、内輪体232の外周面やローラ23
3や外輪体231の内周面が変形したり、破損するおそ
れがある。本実施の態様では、バネ236が切換部材3
7と切換部材237間に介装されているので、ローラ2
33が外輪体231と内輪体232間に食い込んでいる
状態では、操作ノブ37Aを操作してもバネ236が変
形するのみであり、これらの変形や破損が防止できる。
切換部材237は、ローラ233の食い込み状態が解消
した段階で、非楔方向に変形したバネ236の蓄勢力に
より回動できる。
【0060】以上のように、第4の実施の形態において
も、第2の実施の形態と同様な効果を有する。加えて、
バネ236はローラ233が非楔作動位置方向に移動す
るような弾性力を内輪体232に付与しているので、上
述したように、構成部品の変形や損傷を防止できる。
【0061】本発明による魚釣用リールの逆転防止装置
は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲
に記載された範囲で種々の変更が可能である。例えば第
2乃至第4の実施の形態においては、内輪体を固定部で
あるリール筐体に一体設けた筒部に回動可能に設けてい
るが、第1の実施の形態と同様に、内輪体を固定して設
け、単に、回転体であるロータの釣糸巻取方向の回転を
許容し繰出し方向の回転を阻止するようにしてもよい。
またローラに代えて球状体であってもよい。
【0062】また、第2乃至第4の実施の形態では、内
輪体を固定部であるリール筐体の筒部に回動可能に設け
ているが、内輪体を固定部に支持された環状保持体に回
転可能に嵌合支持するようにしてもよい。その場合に
は、内輪体の外周面に上述したような多角形をなすカム
部を設けると共に、内輪体の軸端部において内輪体の外
周面から半径方向外方に突出する環状突起部を一体に設
け、環状突起部を環状保持体の内周面に回転嵌合するよ
うにすればよい。内輪体を環状保持体に回転可能に嵌合
して設ければ、環状保持体並びにこれに保持されたころ
がり部材と共に内輪体とのユニットが図れるので、更な
る組立作業の簡易化と組み込みミスの防止が図れる。
【0063】また、内輪体をロータの軸筒やハンドル軸
等の回転部に回転可能に支承するようにしても良い。即
ち、回転部が回転しても、内輪体が回転しないように固
定的に保持するか、回転部の回転とは独立して内輪体を
回動操作するようにしてもよい。例えば、第2の実施の
形態において、内輪体32をローター軸筒27に回転可
能に支承しても良く、この支承に際しては回転の円滑化
並びに摩耗防止のために軸筒27と内輪体32との間に
カラー等を介在させても良い。
【0064】また、第1の実施の形態においては、両軸
受けリールにおける一方向クラッチの設置位置は、リー
ル筐体2とハンドル軸6との間であったが、この位置に
限定されるものではなく、リール筐体2に取付けられた
側板3とハンドル軸6、或いは電動リールにおける駆動
軸と従動軸等との間でも良い。
【0065】また第1の実施の形態において、内輪体の
外周カム面を辺部が円弧状の略正四角形としたが、正方
形若しくは略四角形でもよい。
【0066】また、第2の実施の形態では、内輪体32
は偏芯カム部37Bにより直接回動させるようにした
が、図8の第4の実施の形態のように、内輪体32に環
状の切換部材237を固定し、偏芯カム部37Bを切換
部材237に作用するようにして内輪体を回動させるよ
うにしても良い。
【0067】また、第3の実施の形態において、スピニ
ングリールにおける一方向クラッチの設置位置を、リー
ル筐体122とロータ123の凹陥部との間としている
が、リール筐体内のハンドル軸とリール筐体との間、リ
ール筐体とマスターギヤとの間、或いはリール筐体とピ
ニオン軸との間でも良く、いずれにせよ、回転部と固定
部との間に設置すればよい。
【0068】また第3の実施の形態においては、切換部
材137の軸方向のスライド運動によって内輪体132
を回動させる構成であるが、図5に示されるリール筐体
122の前壁に円弧状のスロットを形成し、切換部材1
37の代わりに第4の実施の形態のような円板状の切換
部材237をリール筐体122の後方に回動可能に配置
し、円板状の切換部材にビスを螺合貫通させてビスを該
円弧状スロットを通過させて内輪体に螺合させ、第4の
実施の形態のような切換機構(切換部材37、円板部2
38、バネ236)を用いて切換部材を回動操作し、切
換部材と一体のビスが円弧状スロット内を移動して、内
輪体を回動操作するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載の逆転防止装置によれば、
ころがり部材の内方への移動をカム面を有する内輪体に
より規制してころがり部材の外方移動によってローター
回転軸筒等の回転部の回転を規制するようにしたため、
回転部の回転軸芯より可及的に遠い位置で回転部の回転
を規制することになるから、大きな回転規制力を得るこ
とができる。回転部の回転を規制する規制面が大径にな
るので、可及的に規制円周面の長さが長くなって、迅速
な回転規制が可能になる。また回転部の回転軸芯より可
及的に遠い位置で回転部の回転を規制することになるか
ら、大きな回転力が掛かっても内・外輪体等の変形・損
壊を招き難く、装置の耐久性の向上が図れる。更に、こ
ろがり部材を保持する環状保持体を固定して設けるた
め、楔作用時の規制力並びに規制位置を正確に確保する
ことができる。そしてころがり部材の内方にころがり部
材の内方への移動を規制する内輪体を設け、ころがり部
材の外方移動によって回転体の釣糸繰出し方向への回転
を阻止するものであるため、回転体の高速回転による遠
心力に起因してのころがり部材の離脱が防止でき、迅速
確実な逆転止めができる。
【0070】請求項2記載の逆転防止装置によれば、外
輪体を別部品として形成することなく実施できる。
【0071】請求項3記載の逆転防止装置によれば、回
転部の回転軸芯より更に遠い位置で回転部の回転を規制
することになるから、更に大きな回転規制力を得ること
ができ、更に迅速な回転規制が可能になり、大きな回転
力が掛かっても内・外輪体等の変形・損壊を阻止でき、
装置の更なる耐久性の向上が図れる。また固定部への構
成部材である環状保持体や内輪体を固定部前面に近接し
た位置に設置・形成できるため、これら構成部材への負
荷の低減が図れ、これに起因しての内・外輪体等の変形
・損壊の防止が図れる。
【0072】請求項4記載の逆転防止装置によれば、回
転部の回転軸芯と回転部又は固定部との形成精度がラフ
にでき、生産性の向上が図れる。
【0073】請求項5記載の逆転防止装置によれば、回
転部の成形精度をラフにして生産性の向上が図れるのみ
ならず、回転部を合成樹脂等にて形成できるから製品重
量の軽量化並びに回転部のバランス調整の簡易化を図る
ことができる。
【0074】請求項6記載の逆転防止装置によれば、回
転部の回転軸芯と回転部との成形精度をラフにでき、生
産性の向上が図れる。
【0075】請求項7記載の逆転防止装置によれば、内
輪体と外輪体との間でのころがり部材の作動の安定化が
図れ、正確な楔作用を行うことができる。またころがり
部材が、環状保持体により保持されるからこれらの部品
のユニット化が図れると共に組立作業の簡易化が図れ、
組み込みミスの防止が図れる。
【0076】請求項8記載の逆転防止装置によれば、楔
作用時に於いてはころがり部材を外輪体に近接した位置
に弾性手段を介して保持し得るので、回転体の逆転時に
速やかに逆転を阻止することができ、その作動精度の向
上が図れる。
【0077】請求項9記載の逆転防止装置によれば、環
状保持体自体を合成樹脂等にて成形して製品の加工作業
の簡易化が図れ、製品の軽量化等を図ることができる。
【0078】請求項10及び請求項11記載の逆転防止
装置によれば、ころがり部材を移動させて切換えるもの
に比べて、安定的かつ確実な楔位置又は非楔位置への切
換ができる。また楔位置への切換時の遊度を小さくする
ことができる。
【0079】請求項12記載の逆転防止装置によれば、
環状保持体並びにこれに保持されたころがり部材と共に
内輪体とのユニットが図れるので、更なる組立作業の簡
易化と組み込みミスの防止が図れる。
【0080】請求項13記載の逆転防止装置によれば、
ころがり部材が楔作用によって楔作用位置に食い込んだ
状態で非楔作用状態への切換操作が行なわれたとき、弾
性手段のみが変形し該内輪体と該切換部材との連結部の
損傷を防止することができる。非楔状態への切換ができ
なくとも、条件が整ったときに弾性力により確実に内輪
体を非楔状態に切換ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両軸受型リールに本発明の第1の実施の形態に
よるの逆転防止装置を組み込んだ構造を示す要部断面側
面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】スピニングリールに本発明の第2の実施の形態
によるの逆転防止装置を組み込んだ構造を示す要部断面
側面図。
【図4】図4のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるの逆転防止装
置を示す要部断面図。
【図6】図5のVI−VI線に沿った断面図。
【図7】第3の実施の形態における内輪体の回動位置の
切換機構の要部を示す断面図。
【図8】スピニングリールに本発明の第4の実施の形態
による逆転防止装置を組み込んだ構造を示す図6相当断
面部を示す断面図。
【符号の説明】
2、22、122、固定部たるリール筐体 4 糸巻き回転体たるスプール 6 回転部たるハンドル軸 23、123 糸巻き回転体たるロータ 23A,123A 回転部たるロータの底部 11、31、131、231 外輪体 12 32、132、232 内輪体 13、33、133、233 ころがり部材たるローラ 14、34、134、234 環状保持体 16、36、136、236 弾性手段たるバネ 23、123B 回転部たるロータの筒部 37、137、237 切換部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部と該固定部に支持されハンドル操
    作又は電動による回転力を糸巻き付け回転体に伝達する
    回転部との間に、ころがり部材の楔作用によって該回転
    部を一方向にのみ回転させる一方向クラッチを設けた魚
    釣用リールの逆転防止装置において、 該一方向クラッチは、ころがり部材と、 該回転部の回転軸心と同芯状に配置され該固定部に固定
    して又は一体に設けられて内部に該ころがり部材を保持
    する環状保持体と、 該環状保持体の内側に配置され外周にカム面が形成され
    て該ころがり部材の内方移動を規制する内輪体と、 該環状保持体の外側で該回転部に固定して配置された外
    輪体とからなることを特徴とする魚釣用リールの逆転防
    止装置。
  2. 【請求項2】 該回転体はスピニングリールのロータで
    あり、該外輪体が、ロータ後部に形成されている凹陥部
    の底壁にロータの回転軸芯と同芯状に形成された環状凹
    部にて形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    魚釣用リールの逆転防止装置。
  3. 【請求項3】 該回転体はスピニングリールのロータで
    あり、該外輪体が、ロータ後部に形成されている凹陥部
    の内周壁に形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  4. 【請求項4】 該内輪体が、回転部の回転軸芯から径方
    向に移動可能に該固定部に支持されていることを特徴と
    する請求項1記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  5. 【請求項5】 該外輪体が、該回転部に支持され該回転
    部とは別体の金属製環状体にて構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  6. 【請求項6】 該金属製環状体が、該回転部の回転軸芯
    から径方向に移動可能に該回転部に支持されていること
    を特徴とする請求項5記載の魚釣用リールの逆転防止装
    置。
  7. 【請求項7】 該ころがり部材が、該環状保持体により
    前後動を規制されて配置されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項6の何れかに記載の魚釣用リールの逆
    転防止装置。
  8. 【請求項8】 該環状保持体と該ころがり部材との間に
    は、該ころがり部材を楔作用方向に付勢する弾性手段が
    設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7
    の何れかに記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  9. 【請求項9】 該環状保持体の該ころがり部材当接部に
    は、金属製補強部材が設けられていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項8の何れかに記載の魚釣用リールの
    逆転防止装置。
  10. 【請求項10】 該内輪体が、該固定部又は該回転部に
    回転可能に嵌合され、該固定部には該内輪体を回動操作
    するための切換部材が支持され、該切換部材の切換動作
    により、該内輪体を回動させて該ころがり部材を楔作動
    位置又は非楔作動位置に切換可能にしたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項9の何れかに記載の魚釣用リール
    の逆転防止装置。
  11. 【請求項11】 該内輪体が、該固定部又は該回転部に
    回転可能に嵌合され、該内輪体に対して出没する係合突
    部を備えた切換部材を該固定部に摺動可能に設け、該切
    換部材の摺動に基づく該係合突部の該内輪体に対する出
    没によって該内輪体を回転させ、該ころがり部材を楔作
    用位置又は非楔作用位置に切換え可能としたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の魚釣用リ
    ールの逆転防止装置。
  12. 【請求項12】 該内輪体は該環状保持体に回転可能に
    嵌合されていることを特徴とする請求項10又は請求項
    11の何れかに記載の魚釣用リールの逆転防止装置。
  13. 【請求項13】 該内輪体を回動させて該ころがり部材
    を楔作動位置又は非楔作動位置に切換えるための該切換
    部材に対して弾性手段を付勢可能に設け、該弾性手段は
    該ころがり部材が非楔作動位置方向に移動するような弾
    性力を該内輪体に付与することを特徴とする請求項10
    乃至請求項12の何れかに記載の魚釣用リールの逆転防
    止装置。
JP24932596A 1996-08-29 1996-08-30 魚釣用リールの逆転防止装置 Pending JPH1075695A (ja)

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US08/919,232 US5878972A (en) 1996-08-29 1997-08-28 Release preventing device for fishing reel

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015159757A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 株式会社シマノ スピニングリール

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