JPH105580A - 活性炭繊維成形吸着体 - Google Patents

活性炭繊維成形吸着体

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JPH105580A
JPH105580A JP8184186A JP18418696A JPH105580A JP H105580 A JPH105580 A JP H105580A JP 8184186 A JP8184186 A JP 8184186A JP 18418696 A JP18418696 A JP 18418696A JP H105580 A JPH105580 A JP H105580A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】主成分として活性炭繊維及び包絡材として
フィブリル化した耐アルカリ性セルローズ繊維を含む活
性炭繊維成形吸着体である。ここで、セルローズ繊維と
してはポリノジックレーヨン繊維或いは、マーセル化天
然セルローズ繊維が好ましい。また本発明の成形体にお
いて、フィブリル化耐アルカリ性セルローズ繊維含有量
は活性炭繊維 100重量部に対して、0.3 〜20重量部が好
ましい。 【効果】本発明は主成分として活性炭繊維及び包絡材と
してフィブリル化した耐アルカリ性セルローズ繊維を含
む活性炭繊維成形吸着体で、湿潤強度、高温での強度も
高く耐熱性が優れているため再生処理による吸着性回復
率が高い特徴がある。液相及び気相における微量不純物
及び有害成分の吸着除去用に使用することができる。例
えば、浄水器フィルターまたは空気清浄器用フィルタ
ー、溶剤回収等に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性炭繊維成形吸着
体に関するもので更に詳しく述べると、活性炭繊維のト
ウにフィブリル化した耐アルカリ性セルローズ繊維を混
合・包絡して得られた成形体で、気相或いは液相中に含
まれる着色物質、悪臭物質その他の有害物質等を吸着除
去するために使用される成形吸着体である。
【0002】
【従来の技術】活性炭繊維は従来から使用されている粒
状活性炭に較べて比表面積が大きく吸脱着速度が速いた
め、織物、マット、フエルト状等に加工して溶剤回収装
置やエアークリーナー等の気相中で使用する吸着材や、
浄水器用フィルター等の液相中で使用する吸着材として
使用されている。しかし、活性炭繊維は充填密度が低く
更に機械的強度が乏しいために、これを原料として作成
された脱臭フィルター等は機械的強度が乏しく、充填密
度が低いというデメリットが避けられなかった。
【0003】活性炭繊維を使用した成形吸着体は活性炭
繊維の弱点である、機械的強度及び充填密度を改善する
ために開発されたもので、今迄に開示されている主な活
性炭繊維を使用した成形体には次の様なものがある。
【0004】(1)活性炭繊維及び熱溶融性合成樹脂を
含み、活性炭繊維が熱溶融性合成樹脂によりランダムに
接合保持され、一体的に成形された抄紙構造を有する成
形吸着体(特公平 5-55183号、特公平 7-12429号公報)
である。熱溶融性合成樹脂としては融点が50〜200 ℃の
ポリマーが使用されている。具体的にはポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロ
ニトリル等である。
【0005】この方法によれば密度の高い成形吸着体を
得ることができるが、成形体の強度が弱く且つ成形体の
耐熱性が低いという問題点があった。活性炭繊維は 100
℃以上の温度で再生すれば繰り返し使用可能であるが、
バインダーとして熱溶融性樹脂を使用した場合には加熱
時の強度が極端に低下して変形するおそれがあるため、
充分に再生することが困難となる問題点があった。ま
た、熱溶融性樹脂をバインダーとして成形する場合に
は、熱溶融性合成樹脂との混合スラリーから吸引成型し
脱水後加熱乾燥して成型体を作成する。しかし、吸引成
形して得られた成形体の強度が低いため、成形用の型枠
からの成形体の取り出しが難しくまた無理に取り出すと
成形体が変形するおそれがあった。このため成形体の収
率が低下する問題点もあった。
【0006】(2)活性炭を主成分とする成形吸着体に
おいて、フィブリル化されたアラミド繊維或いはフィブ
リル化されたアクリル繊維を包絡材として、この絡み合
いで活性炭を結合させた成形吸着体が開示されている
(特開平 6-335632 号、特開平7-16458 号公報) 。この
吸着成形体は耐熱性が高い特徴がありまたフィブリル化
された包絡材を使用することにより、前記成形体に較べ
て強度面でも大幅に改善されている。また、成形体の湿
式強度も高いために型枠から取り出す場合に成形体が型
くずれする問題も大幅に改善されている。しかし、実用
的観点からは尚この成形吸着体は充分な強度を持ってい
ない。
【0007】上記の吸着成形体は活性炭繊維とバインダ
ーとの混合スラリーを作り、このスラリーを吸引成形、
脱水、乾燥することにより作成されるものである。この
方法とは対照的な乾式で成形吸着体を得る方法も開示さ
れている。
【0008】(3)活性炭繊維と熱溶融合成樹脂繊維と
を混紡または混合した後加熱して両者を融着させた成形
吸着体が開示されている(特開昭56-24151号公報) 。し
かし、この方法では複雑な構造の成形吸着体をつくるこ
とができないため、この成形吸着体は充分な実用性を持
っていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に従来の活性
炭繊維を主体とする成形吸着体の有する問題点である、
耐熱性、成形体の強度或いは複雑な構造の成型等が不十
分であることを考慮して、耐熱性及び強度が高く更に成
形性も優れた活性炭繊維成形吸着体を開発して提供しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】活性炭繊維は優れた吸着
特性を有するが機械的強度が弱く、また充填密度が低い
性質を改善して機械的強度及び充填密度が高く、更に耐
熱性及び成形性も優れ圧損失も低い立体構造を持つ成形
吸着体を形成させるため、この目的に適合する包絡材に
ついて研究した。その結果、耐アルカリ性を有するフィ
ブリル化セルローズ繊維がこの目的に好適なことを見出
し、これに基づいて本発明に到達した。
【0011】すなわち、主成分として活性炭繊維及び包
絡材としてフィブリル化した耐アルカリ性セルローズ繊
維を含む活性炭繊維成形吸着体である。ここで、セルロ
ーズ繊維としてはポリノジックレーヨン繊維或いは、マ
ーセル化天然セルローズ繊維が好ましい。また本発明の
成形体において、フィブリル化した耐アルカリ性セルロ
ーズ繊維の含有量が活性炭繊維 100重量部に対して、0.
3 〜20重量部である成形吸着体が好ましい。
【0012】尚、本発明の成形吸着体はアルカリ溶液中
で使用することはないが、包絡材の性能の指標としてセ
ルローズ繊維の耐アルカリ性を選択したのは、得られた
成形体の性能と包絡材として使用したセルローズ繊維の
耐アルカリ性の間に、見掛上高い相関関係があることを
見出したからである。以下、本発明について詳しく説明
する。
【0013】本発明の成形吸着体の主成分は活性炭繊維
である。ここで使用される活性炭繊維は特に限定されず
通常1gあたり数100 m2或いはそれ以上の大きな比表面積
を有し、高い吸着性を示す繊維状炭素材料であれば広範
囲に使用できる。これらの中本発明には直径2〜20μm
、比表面積 500〜3000m2/g、細孔半径3〜20Åの活性
炭繊維が好ましい。
【0014】活性炭繊維の原料も特に限定されない。例
えば、レーヨン系、ポリアクリロニトリル系、フェノー
ル樹脂系、石油ピッチ系、石炭ピッチ系等いずれの繊維
も原料として使用可能である。本発明においては活性炭
繊維の他に粒状活性炭、粉末活性炭、ゼオライト等の吸
着剤を混合し、更に包絡材を加えて成形してもよい。活
性炭繊維に対する他の材料の混合割合は特に限定されな
いが、成形吸着体に占める活性炭繊維の体積割合が50%
以下になった場合には活性炭繊維の吸着性能の優越性が
発揮できない。
【0015】本発明の成形吸着体において、活性炭繊維
の充填密度は0.12〜0.25 g/cc であるが、粒状の吸着材
の密度は活性炭繊維の密度より一般にかなり高い(例え
ば粒状活性炭の場合充填密度は0.4 g/cc程度)。粒状活
性炭を70重量%程度混合した場合に体積割合において活
性炭繊維と粒状活性炭とがほぼ同等の割合になる。
【0016】本発明の活性炭繊維成形吸着体には活性炭
繊維以外の主成分として、フィブリル化した耐アルカリ
性セルローズ繊維が含まれている。ここで使用される耐
アルカリ性セルローズ繊維は特に限定されないが、例え
ば、ポリノジックレーヨン繊維及びマーセル化した天然
セルローズ繊維等である。ポリノジックレーヨン繊維は
セルローズキサントゲン酸ソーダを凝固性が低い紡糸浴
中に押し出して、延伸しながら徐々に凝固させて得られ
たもので、繊維の断面形状が円形で表面も平滑である。
また繊維はミクロフィブリル構造を有するためフィブリ
ル化し易く、重合度は 400以上で通常レーヨンよりかな
り高く、吸水性が低く湿潤強度も高い特徴がある。
【0017】マーセル化処理とは針葉樹木材パルプ、広
葉樹木材パルプ、パイナップルパルプ、マニラ麻パルプ
及びサイザル麻パルプ等の天然セルローズ繊維を冷アル
カリ、例えば40%程度の水酸化カリウム溶液中に3〜4
時間浸漬して繊維を膨潤させ、パルプ中の崩壊し易いヘ
ミセルロースを除去すると同時に偏平であった繊維の断
面を円形化したものである。またリンターパルプなどの
α−セルロース含有率が高いパルプを原料とした再生セ
ルロース繊維、例えばポリノジックレーヨンは本来耐ア
ルカリ性が高く、また叩解することにより容易にフィブ
リル化するので本発明の包絡材に適している。
【0018】本発明においてフィブリル化された耐アル
カリ性セルローズ繊維は水中で活性炭繊維と攪拌・混合
されて、水性スラリーが調整され活性炭繊維はフィブリ
ル化セルローズ繊維で包絡された状態となっている。更
にスラリーは多数の吸引用小穴を有する成形用の型枠を
通して濾過されて、フィブリル化セルローズ繊維で包絡
された活性炭繊維成形吸着体が成形され、脱水後加熱乾
燥することにより本発明の成形吸着体が得られる。
【0019】耐アルカリ性が低いセルロース繊維を成形
吸着体の包絡材に使用した場合には成形吸着体の圧力損
失が増大する現象が認められる。圧力損失は一定量の流
体を流す場合に必要となる圧力をいう。成形吸着体は主
として液体および気体を通過させ、この液体および気体
に含まれる悪臭物質等不純物を除去するために使用され
るが、圧力損失が低い程一定の圧力で多量の流体を流す
ことができるため好ましい。
【0020】通常の天然繊維を叩解して得られたフィブ
リルを包絡材として使用した場合には圧力損失の増大が
認められた。これに対して、耐アルカリ性を有するセル
ロース繊維を叩解して得られたフィブリルを包絡材に使
用した場合には圧力損失の増加は殆どなかった。この理
由は天然繊維を叩解したパルプは繊維の断面形状が偏平
状であるのに対し、耐アルカリ性セルロース繊維を叩解
したフィブリルの断面は円形に近いためであることに起
因すると考えられる。
【0021】前記の様に耐アルカリ性を有するセルロー
ス繊維を叩解して得られたフィブリルを包絡材に使用し
た場合には、成型吸着体の圧力損失の増加が抑制される
ことが認められるが、それにも拘らず成型吸着体の機械
的強度及び複雑な形状に成型することを可能とする成型
性向上の効果も認められる。これはフィブリル化したポ
リノジックレーヨン繊維またはマーセル化天然セルロー
ズ繊維の形状が、長い幹から多くの短い枝が生えた様な
形状を有するため、活性炭繊維を包絡した場合その構造
性を強化する機能が高いのに対して、天然繊維をそのま
ま叩解して得られたフィブリルは太く短い枝が不規則に
集積した様なバラバラな形状で存在するため、活性炭繊
維を包絡してもその構造性を強化する機能が乏しいため
と考えられる。本発明者等の試験の結果前述の様なフィ
ブリルの包絡機能を表示するパラメーターとしては、セ
ルロース繊維の耐アルカリ性が見掛上最も優れているこ
とが認められた。
【0022】本発明において使用されるフィブリル化さ
れた耐アルカリ性セルロース繊維の含有量は、特に限定
しないが成形吸着体の全活性炭繊維の含有量に対して0.
3 %〜20重量%が好ましい。耐アルカリ性セルロース繊
維の含有量が0.3 %以下になると成形吸着体の強度の低
下が著しく実用性がなくなる。また、含有量が20%以上
の場合には成形吸着体の中に占める包絡材の量が多くな
り、吸着性能が低下するので好ましくない。包絡材の含
有量は2%〜10%の範囲内であれば成形吸着体の強度が
高くまた成形体の吸着性能も高いのでより好ましい。
【0023】耐アルカリ性セルロース繊維のフィブリル
はビーター或いはリファイナーで叩解して得られる。本
発明の活性炭繊維成形吸着体には叩解の度合いが CFS
(カナディアンフリーネス)値で 100〜700 mlが好まし
い。ここで、 CFS値は通常パルプの叩解の度合いを示す
指標として用いられるもので、水を一定量のパルプで濾
過した時の水の透過量で示す。数値が低い程叩解による
パルプの分散と膨潤の度合いが大きいことを示し、数値
が高い程分散及び膨潤性が低いことを示す。
【0024】本発明の活性炭繊維成形吸着体には更に湿
潤紙力増強剤を添加しても良い。湿潤紙力増強剤は例え
ば、エポキシ化ポリアミドポリアミンが成形体の湿潤強
度と乾燥強度を共に向上させる効果を有するため好まし
い。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の活性炭繊維成形吸着体は
次の様にして調製することができる。先ず耐アルカリ性
セルロース繊維をビーターあるいはリファイナーによ
り、CFS が100〜700 mlの範囲になるまで叩解する。ア
ルカリ性セルロース繊維は長さ1〜5mm程度に切断した
後、ビーターに投入すると水中の分散状態が良好になる
ため好ましい。
【0026】次に長さ 0.5〜20mmの範囲に切断した活性
炭のスラリーを調整し、この中に叩解してフィブリル化
したアルカリ性セルロース繊維を2〜10重量%を加え均
一に混合する。混合する際ビーターを使用してもよいし
或いは混合用のスクリューを使用してもよい。スラリー
濃度を0.1 〜5重量%に調製すると吸着体の成形が容易
となるため好ましい。
【0027】この活性炭スラリーの中に多数の吸引用小
穴を有する成形用の型枠を入れ、スラリーを吸引・濾過
して吸着体を成形する。スラリーをポンプで吸引するこ
とにより、小穴を有する芯体の表面に活性炭繊維及び包
絡材の混合物を均一に集積することができる。成形され
た成形吸着体は型枠から取り外した後、乾燥して活性炭
繊維成形吸着体が調製される。
【0028】本発明の成形吸着体は湿式強度が高いため
型枠から取り外す時に型崩れすることが少なく作成し易
い。乾燥温度は水を蒸発させるため 100℃以上が好まし
いが、80℃以下の低温で乾燥しても強度と耐熱性を有す
る成形吸着体を得ることができるが、乾燥時間が長くな
るため好ましくない。
【0029】フィブリル化した耐アルカリ性を有するセ
ルローズ繊維は一定の融点を示さず、高温になるとその
ままの形状で徐々に炭化する性質を持っている。このた
め本発明の活性炭繊維成形吸着体は 120℃以上の耐熱性
を有し、150 ℃以上の温度でも使用可能である。活性炭
繊維は吸着性能が優れ、再生も粒状活性炭と比較し低温
・短時間で行うことができる。しかし、活性炭繊維の再
生には少なくとも 100℃以上の温度は必要であり、好ま
しくは 120℃以上である。本発明の成形吸着体は 120℃
以上での強度低下が非常に少ないため、活性炭繊維成形
吸着体として高温の雰囲気で広く使用可能である。
【0030】このため本発明の活性炭繊維成形吸着体は
従来の成形吸着体に較べて、より高温における再生処理
が可能となり、従って、吸着性回復率が高く再生から次
の再生迄の使用期間も伸び、更に成形吸着体全体の寿命
も長くなる。
【0031】本発明の活性炭繊維成形吸着体は液相及び
気相における微量不純物及び有害成分の吸着除去用に使
用することができる。例えば、浄水器フィルター(残留
塩素の除去、トリハロメタン等の有機塩素化合物の除
去、カビ臭の除去)または空気清浄器用フィルター、メ
ッキ等の廃液の処理、有機塩素化合物の溶剤回収等に使
用することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0033】(実施例1)図1に本発明の活性炭繊維成
形吸着体調製用の型枠の斜視図を、図2に本実施例で得
られた本発明の活性炭繊維成形吸着体の一態様の斜視図
を示す。
【0034】ポリノジックレーヨン繊維 (2d×3mm)を、
ビーターでCSF が 400mlまで叩解した。平均繊維長が20
mm程度になるまで切断した活性炭素繊維を1kg(比表面積
1500m2/g) とビーターで叩解したポリノジックレーヨン
繊維50g(活性炭素繊維に対して5%混合)をビーターに
入れ、混合と叩解を行って活性炭繊維が叩解により生成
したポリノジックレーヨン繊維のフィブリルで充分に包
絡された状態にした。この調製済スラリーをタンクに入
れ吸引成形用のスラリーとした。
【0035】吸着体成形用型枠の芯体1の表面に多数の
吸引用小孔を設け、両端に盲フランジ2、3(直径65m
m) ジを取り付けた円筒状の成形用型枠 (外径30mm、長
さ250mm) を混合スラリーの中に入れ、吸引ポンプで芯
体の内部からスラリーを吸引し、成形型枠の芯体の周囲
に活性炭繊維とフィブリル化したポリノジックレーヨン
繊維の混合物を付着させた。この様にして中空円筒型の
吸着体を生成させた。
【0036】両端の盲フランジを取り除き、成形体から
芯体を抜き取った。本成形体は湿式強度 (湿潤状態での
強度) が高いために芯体は容易に引き抜くことができ
た。湿潤状態の成形体から芯体を抜く時、湿式強度が弱
い成形体では形が崩れる場合が多く、成形体の収率が低
いことが大きな問題であったが、本成形体ではこの問題
は大幅に改良されていた。
【0037】この成形体を 120℃で12時間加熱乾燥を行
い成形吸着体を得た。得られた成形吸着体は内径30mm、
外径65mm、長さ250 mmで、この成形体の密度は0.18 g/c
c であった。この成形体の比表面積は 1300m2/g (N2
スを使用してB.E.T.法で測定) で充分実用性を有するこ
とが認められた。
【0038】この成形体の25℃および 140℃における強
度を表1に示した。成形体を4mm圧縮するのに必要な最
大加重を成形吸着体の強度とした。強度および耐熱性は
良好であった。また、成形体に10リットル/minの流量で
水を流した場合の圧力損失が低く充分に実用性が認めら
れた。
【0039】
【表1】
【0040】前記で得られた成形吸着体にトリハロメタ
ン60 ppb (クロロホルム30 ppb、クロロジブロモメタン
10 ppb、ジクロロブロモメタン10 ppb、ブロモメタン10
ppb) を含む水を流量 10 リットル/min. で通水した。
4000リットル通水時のトリハロメタンの除去率は 80 %
であった。
【0041】この成形体に 150℃のスチームを20分間通
して再生した後トリハロメタン 60ppb を含む水を通水
した。通水初期のトリハロメタン除去率は 100%、4000
リットル通水時点での除去率は 80 %であり、トリハロ
メタンの吸着性能は完全に再生されていた。
【0042】更に、ポリノジックレーヨン繊維を40℃の
水酸化カリウム溶液 (20重量%) に20日間浸漬して強度
の変化を観察した。この繊維は20日後も高い強度を有し
ており、アルカリ溶液に浸すことによっても強度の低下
がなく耐アルカリ性が高いことが認められた。また繊維
からの溶出物によりアルカリ溶液が汚れることももなか
った。
【0043】(実施例2)マーセル化された広葉樹木材
パルプを、ダブルディスクリファイナーでCSF が400 ml
まで叩解した。これを 50g (活性炭繊維に対して5%使
用した以外は実施例1と同様にして活性炭繊維成形吸着
体を作った。この耐熱性と圧力損失を測定し表1に示し
た。この成形体は湿式強度が高く作成も容易であった。
乾燥後の成形体は強度が高くまた耐熱性も良好であり、
更に圧力損失も低く充分実用に耐える性能を有してい
た。
【0044】マーセル化した広葉樹木材パルプの耐アル
カリ性を実施例1と同様にして測定した。強度の低下は
認められず耐アルカリ性は良好であった。また繊維から
の溶出物によりアルカリ溶液が汚れることもなかった。
【0045】(実施例3)実施例1と同様にして叩解し
たポリノジックレーヨン繊維50g(活性炭素繊維に対して
5%) と、湿潤紙力増強剤エポキシ化ポリアミドアミン
を10g(活性炭素繊維に対して1%) 添加した以外は、実
施例1と同様にして成形体を調製した。成形体の湿式強
度は良好であり作成も容易であった。乾燥した成形体の
強度及び耐熱性も良好であり、また圧力損失も低く実用
性が高い吸着体が得られた。成形体の物性を表1に示し
た。
【0046】(比較例1)広葉樹木材パルプをダブルデ
ィスクリファイナーでCSF が400ml まで叩解した。これ
を使用した以外は実施例1と同様にして活性炭繊維成形
吸着体を作った。この成形体の物性を表1に示した。こ
の成形体の湿式強度は高く作成が容易であった。乾燥後
の成形体の強度は耐アルカリ性を有するセルロース繊維
を使用した場合と比較して低く実用性はなかった。また
この成形体の圧力損失は高く実用性が乏しかった。
【0047】広葉樹木材パルプの耐アルカリ性を実施例
1と同様にして測定した。アルカリ溶液が汚れたことに
よりパルプからの溶出があることが分かった。パルプの
強度は低下しており、このパルプは耐アルカリ性が乏し
かった。
【0048】(比較例2)広葉樹木材パルプをダブルデ
ィスクリファイナーでCSF が400ml まで叩解した。これ
を25g(活性炭繊維に対して2.5 %) と軟化点80℃のポリ
アクリロニトリル繊維25g(活性炭繊維に対して2.5 %)
を使用した以外は実施例1と同様にして成形体を作成し
た。この成形体の湿式強度は弱く、芯体を抜く場合に湿
潤状態の成形体が型くずれすることが多かった。この成
形体を実施例1と同じ条件で乾燥した。得られた成形体
の25℃の強度及び 140℃での強度を表1に示す。 140℃
では強度が大幅に低下し、この成形体は耐熱性に乏しい
ことが分かった。
【0049】(比較例3)軟化点80℃のポリアクリロニ
トリル繊維50g を叩解せずに使用した以外は実施例1と
同様にして成形体を作成した。この成形体の湿式強度は
極めて弱く、芯体を抜く場合には殆どの成形体が崩れ
た。ごく一部崩れない成形体が得られたためこの成形体
を 100℃で18時間乾燥した。 140℃で乾燥した場合には
成形体が崩れた。乾燥後の成形体の強度を測定したが 1
40℃での強度は極めて弱く実用性はなかった。この成形
体の物性を表1に示した。
【0050】前記で得られた吸着成形体を実施例1のト
リハロメタンの吸着試験と同一の条件でトリハロメタン
を含む水を通してその除去率を測定した。4000リットル
通水時点での除去率は実施例1の場合と同様に80%であ
った。
【0051】この成形体に75℃の温水を20分通して再生
した後、トリハロメタンを含む水を通したところ通水開
始直後のトリハロメタン除去率は 90 %であり、700 リ
ットル通水時点での除去率は 80 %に低下した。この成
形体は 80 ℃以上に加熱すると強度が急激に低下する現
象が認められるため、充分な再生処理をすることか困難
であった。
【0052】(実施例4)実施例1においてポリノジッ
クレーヨン繊維を 150g とした以外は同じ条件で成形体
を作成しその物性を測定した。その結果を表1に示す。
活性炭繊維の比率が下がっているため比表面積測定値は
少し低下しているが強度、圧力損失共に良好で、充分に
使用可能であった。
【0053】(比較例4)実施例1においてポリノジッ
クレーヨン繊維を 250g とした以外は同じ条件で成形体
を作成しその物性を測定した。その結果を表1に示す。
強度は優れているが圧力損失はかなり上昇している。成
形体の比表面積が大幅に低下しており実用性は不十分で
あった。比表面積が低下した理由は包絡材の比率が増加
したため活性炭繊維の表面の一部が被覆されたためと考
えられる。
【0054】
【発明の効果】本発明は主成分として活性炭繊維及び包
絡材としてフィブリル化した耐アルカリ性セルローズ繊
維を含む活性炭繊維成形吸着体で、湿潤強度、高温での
強度も高く耐熱性が優れているため再生処理による吸着
性回復率が高い特徴がある。液相及び気相における微量
不純物及び有害成分の吸着除去用に使用することができ
る。例えば、浄水器フィルターまたは空気清浄器用フィ
ルター、溶剤回収等に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性炭繊維成形吸着体調製用の型枠の
斜視図を示す。
【図2】実施例1で得られた本発明の活性炭繊維成形吸
着体の一態様の斜視図を示す。
【符号の説明】
1 成形吸着体調製用の型枠 2 型枠の芯体 3 芯体の吸引用小孔 4、4′型枠のフランジ 5 濾液出口 6 活性炭繊維成形吸着体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として活性炭繊維及び包絡材とし
    てフィブリル化した耐アルカリ性セルローズ繊維を含む
    活性炭繊維成形吸着体。
  2. 【請求項2】 セルローズ繊維がポリノジックレーヨン
    繊維である請求項1記載の活性炭繊維成形吸着体。
  3. 【請求項3】 セルローズ繊維がマーセル化天然セルロ
    ーズ繊維である請求項1記載の活性炭繊維成形吸着体。
  4. 【請求項4】 フィブリル化した耐アルカリ性セルロー
    ズ繊維の含有量が活性炭繊維 100重量部に対して、0.3
    〜20重量部である請求項1〜3のいずれか1項記載の活
    性炭繊維成形吸着体。
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