JPH1054482A - 埋設管の交換工法 - Google Patents

埋設管の交換工法

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JPH1054482A
JPH1054482A JP8211489A JP21148996A JPH1054482A JP H1054482 A JPH1054482 A JP H1054482A JP 8211489 A JP8211489 A JP 8211489A JP 21148996 A JP21148996 A JP 21148996A JP H1054482 A JPH1054482 A JP H1054482A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 地中に敷設されている埋設管の引抜き撤去と
同時に、撤去跡にPE管を抵抗少く引込める埋設管の交
換工法を提供する。 【解決手段】 第1の作業ピットAと、第2の作業ピッ
トBとの間に敷設されている埋設管1に対し、第1の作
業ピットA内に所要の引抜き装置7を設置して埋設管1
の一端を引抜き装置7に挟持させ、また第2の作業ピッ
トB内に露出する埋設管1の他端には連結手段3を介し
て交換用のPE管4を連結する。そして埋設管1の一端
を通して埋設管1の管内に、滑材成分を含むモルタル等
の充填材を導入する充填材供給手段8Aを備える共に、
この充填材を埋設管1の他端より流出させる開口を備え
ておく。引抜き装置7により埋設管1を引き抜く工程時
に、連結手段3により連結された交換用PE管4の外周
と、埋設管1の引抜き経路に生じる空洞部内壁との間に
充填材を注入しつつ埋設管の引抜き動作とPE管の引込
み動作とを同時的に行うように施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス,水道等の供給用
パイプラインとして地中に敷設されている埋設管の引抜
き撤去時に、撤去跡に新しい樹脂のポリエチレン管を同
時引込みする埋設管の交換工法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス,水道等の供給用パイプラインは、
道路の下に埋設されている低圧導管の本管,支管より需
要先に対してガス,水道等を引込む供給管が分岐された
配管系になっている。上述の供給管については、需要先
の家屋の建替え等に起因して地中に管路を埋設した状態
のまま、不使用状態で放置しているものがある。このよ
うな不使用の管路は、これを放置状態にしておくと漏洩
の発生原因となったり地盤沈下の原因となるので、引き
抜いて撤去することが定められている。
【0003】従来、このような不使用の管路の引抜き撤
去には、例えば特開平2ー292590号公報,特開平
3ー9188号公報等に開示されている先行技術が提案
されている。この先行技術は、撤去対象となる管を、導
管から切離し、撤去する管の末端を引抜き装置に把持し
て引抜く作業を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述の先行技術
を用いて行う管路の処理は、埋設管を単に引抜いて撤去
する作業を行うのみであった。また最近、白ガス管と呼
ばれている鋼管を埋設した供給管は、地震対策上よりこ
れを樹脂製のポリエチレン管(以下PE管という)に入
替える作業が行われている。この場合、従来工法では、
埋設管を引抜いた後、別の工程により新しいPE管の引
込みを行う方式を採用しているが、このような工法によ
ると、引抜き作業とは別の引込みに要する作業時間が必
要となってその交換作業に多大の時間がかかる上に、一
旦埋設管を引抜いた後では、引抜によって生じた土中の
空洞内に周辺の土が崩れることから、新しいPE管の引
込み作業が適性に行われず作業性が極めて悪いという問
題点も派生する。
【0005】また地中に埋設されている旧い管を、新し
い管に入替える工法として、例えば特開昭57−120
789号公報,特開平1−126484号公報等に記載
されている先行技術が知られているが、この工法による
場合は、旧い埋設管をパイプスプリッターと称する破断
装置で管軸方向に切り開きつつ新しい管を引込む方式で
あるので、旧い埋設管が地中に残留するという問題点が
ある。
【0006】本発明は、上述した問題点に鑑み、地中に
敷設されている埋設管の引抜き撤去時に、同時的に新し
い樹脂管の引込みが達成できる埋設管の交換工法を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、第1の作業ピットと、第2の作業ピット
との間に敷設されている埋設管に対し、第1の作業ピッ
ト内に所要の引抜き装置を設置して埋設管の一端を上記
引抜き装置に挟持させ、また第2の作業ピット内に露出
する埋設管の他端には連結手段を介して交換用の樹脂管
を連結してなり、上記第1の作業ピットの側より、上記
引抜き装置に挟持させた埋設管の一端を通して埋設管の
管内に滑材成分を含むモルタル等の充填材を供給する充
填材供給手段を備え、この充填材を、埋設管の他端より
流出させる開口を有して、引抜き装置により埋設管を引
き抜く工程時に、連結手段により埋設管の他端に連結さ
れて埋設管の引抜き経路に引き込まれる交換用樹脂管の
外周と、埋設管の引き抜きにより生じた空洞部内壁との
間に上記充填材を注入しつつ埋設管の引抜き動作と樹脂
管の引込み動作とを同時的に行うように施工することを
特徴とするものである。
【0008】また本発明は、上記交換用の樹脂管は、埋
設管の外径に比して僅かに小さい外径とされ、この外径
寸法の差が上記充填材の注入空間になっていることを他
の特徴の1つとするものである。
【0009】
【作用】本発明による工法によると、埋設管の引抜き工
程時に、引抜き経路に交換用の樹脂管が同時的に引き込
まれて埋設管の撤去作業と、新しいPE管の引込み作業
とが同時に達成される。この際に、交換用の樹脂管は、
埋設管の引抜き直後に引込まれ、引抜き経路の地中の空
洞内が崩れないうちに樹脂管が引込まれるから、交換用
樹脂管の引込み抵抗が極めて少ない状態で引込みが行わ
れる。しかも、この樹脂管の引込み動作時に、引抜かれ
る埋設管の管内を通路として滑材成分を含むモルタル等
の充填材が、埋設管の他端より流出して、引込まれる樹
脂管の外周と地中の空洞内との間に注入され、この充填
材が、滑り作用を発揮することで摺動抵抗が小さく、交
換用樹脂管の引込み抵抗を大巾に低減することができ
る。この結果、従来の引抜き装置を大きく変更すること
なく、埋設管の引抜き撤去作業とPE管の引込み作業と
が同時的に達成できるようになる。
【0010】また上述の充填材が、引き込まれる樹脂管
の外周と、空洞部内壁との間に注入されることで、引き
込まれる樹脂管の外周に空洞部が発生しなくなり、引込
んだ樹脂管周辺の不等沈下や地盤沈下を防止できる。
【0011】さらに請求項2に記載の発明では、交換用
の新しい樹脂管と撤去する埋設管との外径に差が設定さ
れることによって、樹脂管の引込み抵抗を軽減できると
同時に、埋設管の引抜き空洞部内に十分な充填材の注入
空間が形成されて空洞部の崩れによる地盤沈下の発生を
確実に防止することができる。
【0012】
【実施例】以下、図示の実施例により本発明の詳細を説
明する。図1は、本発明による埋設管交換工法の一実施
例を示す概要図であり、図1において、符号1は、本発
明に係る交換工法において引抜きの対象となる埋設管で
あり、この埋設管1は、ガス供給用パイプラインとして
道路下に埋設されている導管路2(本管または支管)よ
り分岐されて需要先に引き込まれている供給管である。
以下の説明ではこの埋設管1を撤去管と称する。
【0013】撤去管1の引抜きに際しては、まず導管路
2との接続を適宜の手段により切り離しておく。この方
法としては、道路側を掘削して作業ピットBを開削し、
そのピットB内に露出する導管路2と撤去管1との接続
部を分離させる。導管路2と切り離された撤去管1の延
長方向他端側は、需要先の宅地内に開削された作業ピッ
トA内に露出させ、この作業ピットA内には後述する引
抜き装置7を設置して撤去管1の端部を、同引抜き装置
7に挾持させる。前記作業ピットB内に露出された撤去
管1の一端には、後述する連結手段3を介して交換用の
新しい管4の端部が連結される。本実施例では、交換用
の新しい管4として、耐腐食性が高いポリエチレン管
(PE管)が用いられ、その新しい管(以下この管をP
E管4と称する)の外径は、撤去管1の外径よりも僅か
に小さい外径のPE管4が用いられる。これにより撤去
管1が引き抜かれた後の地中の空洞部Cには、交換用P
E管4の外周面と空洞部Cの内壁面との間には、図2に
おいて符号Sで示す隙間が形成され、この隙間Sが後述
する充填材の注入空間とされている。
【0014】連結手段3は、図2に示すようにその長手
方向の両端に連結部をなす回転自在のフック部材3Aが
設けられている。このフック部材3Aには撤去管1の端
末部と交換用PE管4の端末部とにそれぞれ固定された
係止部材5、6のフック部材が掛け止められ、連結手段
3を介して撤去管1と交換用PE管4とが一体的に連動
するようにしている。
【0015】上記撤去管1側の係止部材5は、撤去管1
の端末部を塞ぐことができると共に厚さ方向に貫通する
吐出孔5Aが周方向に沿って複数形成されている。本実
施例では、吐出孔5Aの断面形状が、撤去管1の長手方
向に沿って連結手段3側が小径をなすテーパ状とされ、
吐出孔5Aの内部を流動する充填材が吐出される際の速
度を高めることができるようになっている。
【0016】交換用のPE管4側に設ける係止部材6
は、連結手段3のフック部材3Aに係合するフック部材
を有する円錐頭部が形成され、その頭部の一部が連結手
段3の内部に入り込むことで交換用PE管4と外周面を
連続させた状態にされている。交換用PE管4の端末部
は係止部材6と一体化されており、撤去管1が引抜かれ
る方向(図1中、矢印Dで示す方向)に移動すると、連
結手段3を介して係止部材6が牽引されることによって
撤去管1にPE管4が連動して移動できるようになって
いる。
【0017】作業ピットA内に露出する撤去管1の末端
は、同作業ピットA内に設置された引抜き装置7に挾持
される。本実施例の引抜き装置7は、油圧シリンダによ
り所定の挾持力が得られる上下一対のクランプロール7
A,7Bを有し、そのクランプロール7A,7B間に撤
去管1の末端が挾持され、ロールの回転により撤去管1
が、図1の矢印Dに示す方向に引抜き移動できるように
している。なお引抜き装置7に装備されるクランプロー
ル7A,7Bについてはその詳細を示していないが、撤
去管1を引抜く際、図1中、円内に点線で示しているよ
うに管1の管体は楕円形に押し潰されるが、撤去管1の
内部に通路空間を形成できる形態で引抜き動作される構
造とされている。
【0018】引抜き装置7により引き抜かれる撤去管1
の末端には、撤去管1の管内を通路とする充填材の供給
経路8Aが接続される。この充填材の供給経路8Aは、
作業ピットA側の地上部に配置された充填材注入機8に
接続するホースで構成されており、充填材注入機8から
の充填材を、撤去管1の管内に順次導入できるようにな
っている。ここに充填材は、本実施例の場合、ベントナ
イト等の滑剤成分を含むモルタルが用いられ、充填材注
入機8に付設されているコンプレッサ9からの圧力(図
2中矢印Fで示す方向の圧力)によって撤去管1の引抜
き動作が開始されるのにあわせて撤去管1の管内に導入
される構成としている。
【0019】撤去管1の管内に導入された充填材は、図
2において矢印Pで示すように係止部材5の吐出孔5A
から流出されるようになっている。係止部材5から流出
された充填材は、連結手段3の外形に沿って流動し、撤
去管1よりも外径寸法が小さい交換用PE管4の外周面
と、空洞部Cの内壁面との間の隙間Sによって形成され
ている注入空間を利用して空洞部C内に流入される。
【0020】本実施例は、以上のような構成であるから
埋設管(撤去管1)の交換作業に際しては、次のような
手順が実行される。まず、交換作業に際して、撤去管1
を導管路2と切り離すための作業ピットBが掘削により
開削され、撤去管1の端部が、導管路2から切り離され
て露出し端末部が開口される。なお撤去管1を切り離し
た導管路2は分離口となるサービスチーが気密に封止さ
れる。
【0021】次いで作業ピットB内に露出している撤去
管1の管端に、連結手段3の一端が固定される。連結手
段3を撤去管1の管端に固定する方法としては、本実施
例の場合、交換後に連結手段3の回収を可能にするため
に締結手段が用いられる。連結手段3には、予め交換用
のPE管4が連結されており、撤去管1の管端に連結手
段3が締結されることにより撤去管1と交換用PE管4
とが連動可能に連結される。
【0022】撤去管1および交換用PE管4の連結が終
了すると、撤去管1を引抜き装置7によって埋設位置か
ら引抜く動作を行う。この場合、引抜き装置7は、クラ
ンプロール7A,7Bの回転により埋設位置から順次引
き抜かれる。撤去管1が埋設位置から引抜かれ始める
と、この引抜きに連動して連結手段3により連結されて
いる交換用のPE管4が、引抜きによって生じた地中の
空洞部C内に順次引き込まれる。
【0023】一方、撤去管1の引抜き作業が行われる時
期にあわせて充填材注入機8およびコンプレッサ9の動
作で充填材が、充填材供給経路8Aを介して撤去管1の
管内に順次圧送される。充填材はコンプレッサ9からの
圧力によって撤去管1の管内で加圧され、係止部材5に
備える吐出孔5Aから流出される。係止部材5の吐出孔
5Aから吐出された充填材は、連結手段3の外周面形状
に沿って流動し、撤去管1と交換用PE管4との外径寸
法の差により形成されている隙間S(図2参照)内に入
り込み、撤去管1が引抜かれた後に生じる空洞部C内に
注入される。空洞部C内に注入された充填材は、交換用
PE管4の外周面と接触することによりPE管4の摺動
抵抗が軽減され、また、PE管4の引込み後に充填材が
硬化すると空洞部Cの崩れを防止する作用が果される。
【0024】引抜き装置7は、撤去管1の全長が引抜か
れて作業ピットA内に交換用PE管4の先端部が露出し
た時点で動作を停止させる。作業ピットAに露出した交
換用PE管4は、その先端部から連結手段3が外され、
新しい管として使用可能な状態にされる。
【0025】
【発明の効果】以上に述べたように請求項1記載された
本発明によると、撤去管の引抜き工程時に、引抜き経路
に交換用のPE管が同時的に引き込まれて撤去管の撤去
作業と新しいPE管の引込み作業とが同時に達成でき
る。この際に、交換用のPE管は、撤去管の引抜き直後
に引込まれ、引抜き経路の地中に生じる空洞内が崩れな
いうちにPE管の引き込みが行われるから、交換用PE
管の引込み抵抗が少ない状態で引込みが行われ、しかも
このPE管の引込み動作時に、引抜かれる撤去管の管内
を通路として滑材成分を含むモルタル等の充填材が、撤
去管の他端より流出して、引込まれるPE管の外周と地
中の空洞部内壁との間に注入される結果、この充填材
が、滑り作用を発揮することで摺動抵抗が大巾に小さく
なり、交換用PE管の引込み抵抗を大巾に低減した状態
でPE管の引込みが達成できる。この結果、従来の引抜
き装置を大きく変更することなく、撤去管の引抜き撤去
作業とPE管の引込み作業とが同時的に達成できるよう
になる。
【0026】また上述の充填材が、引込まれるPE管の
外周と空洞部内壁との間に注入されることで、引込まれ
るPE管の外周に空洞部が発生しなくなり、引込んだP
E管周辺の不等沈下や地盤沈下を防止できる。
【0027】さらに請求項2に記載の発明では、交換用
の新しいPE管と撤去する撤去管との外径に差が設定さ
れることによって、PE管の引込み抵抗を軽減できると
同時に、撤去管の引抜き空洞部内に十分な充填材の注入
空間が形成されて空洞部の崩れによる地盤沈下の発生を
確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る埋設管の交換態様を説明するた
めの概要図である。
【図2】 図1に示した埋設管の交換の際に用いられる
連結手段の構成を説明するための部分的な断面図であ
る。
【符号の説明】
1 引抜き対象の埋設管(撤去管) 3 連結手段 4 交換用のPE管 5、6 係止部材 5A 充填材の吐出孔 8 充填材注入機 9 コンプレッサ A、B 作業ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 維弘 東京都杉並区西荻北4−32−7 (72)発明者 池 宣勝 神奈川県大和市代官3丁目18番3号 株式 会社ハッコー技術開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の作業ピットと、第2の作業ピット
    との間に敷設されている埋設管に対し、第1の作業ピッ
    ト内に所要の引抜き装置を設置して埋設管の一端を上記
    引抜き装置に挟持させ、また第2の作業ピット内に露出
    する埋設管の他端には連結手段を介して交換用の樹脂管
    を連結してなり、 上記第1の作業ピットの側より、上記引抜き装置に挟持
    させた埋設管の一端を通して埋設管の管内に滑材成分を
    含むモルタル等の充填材を導入する充填材供給手段を備
    える共に、この充填材を、埋設管の他端より流出させる
    開口を有し、 上記引抜き装置により埋設管を引き抜く工程時に、連結
    手段により埋設管の他端に連結されて埋設管の引抜き経
    路に引き込まれる交換用樹脂管の外周と、埋設管の引き
    抜きにより生じた空洞部内壁との間に上記充填材を注入
    しつつ埋設管の引抜き動作と樹脂管の引込み動作とを同
    時的に行うように施工することを特徴とする埋設管の交
    換工法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の埋設管の交換工法にお
    いて、上記交換用の樹脂管は、埋設管の外径に比して僅
    かに小さい外径とされ、この外径寸法の差が上記充填材
    の注入空間になっていることを特徴とする埋設管の交換
    工法。
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