JP2796577B2 - 管内面ライニング補修工法 - Google Patents

管内面ライニング補修工法

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JP2796577B2
JP2796577B2 JP20219193A JP20219193A JP2796577B2 JP 2796577 B2 JP2796577 B2 JP 2796577B2 JP 20219193 A JP20219193 A JP 20219193A JP 20219193 A JP20219193 A JP 20219193A JP 2796577 B2 JP2796577 B2 JP 2796577B2
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高則 伊藤
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Tokyo Gas Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばガス配管のよう
に道路下に敷設されている導管より分岐されて需要先に
ガスを引き込む供給管を対象として、これを更生するた
めに供給管の末端開口部より液状樹脂を非圧縮性の液体
流により移送させてライニングを行う際、腐食孔等の漏
洩対策を施した管内面ライニング補修工法に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のような供給管を補修対象として、
その管内に液状樹脂を導入してライニングを施工するよ
うな補修工法は、従来より知られている。その工法とし
て、施工する供給管の一端に樹脂の注入口、他端に余剰
樹脂の回収口を開口する方法を採用すると、道路下に敷
設された導管側の分岐部を掘り起して供給管との接続箇
所を切断,開口させる必要が生じ、そのために、道路の
交通を遮断して道路の掘削や分岐部の切断を行い、ま
た、補修後には管の接続や掘削穴の埋め戻し等の後作業
も必要となることより、補修工事に多大の労力,時間,
経費等を要するという問題点がある。
【0003】そこで、従来、このような問題点の解消対
策として、道路下に敷設されている導管の分岐部を掘り
起して切断,開口することなく供給管の内壁をライニン
グできる非掘削方式の補修工法として、本出願人は、先
に特開平4−114773号公報に記載の補修工法を提
案した。
【0004】この先行技術は、導管より分岐されている
供給管の末端側に樹脂の注入口としての開口部を設け、
この開口部より、第1工程では管内をライニングするに
必要な量の樹脂をプラグ状に導入して樹脂の全量を後方
よりの空気圧により導管側の分岐位置まで一旦移送し、
第2工程でその導入樹脂プラグを供給管の末端側よりの
吸引作用により引き戻しつつ管内面に塗布してライニン
グを施工する補修を基本としている。
【0005】このような補修工法によると、道路下に敷
設されている導管側はこれを掘り起して接続箇所を切
断,開口させる必要がなくなることより、前述した道路
掘削に伴う問題点は解消され、補修工事を能率的に行え
るという利点が得られる。しかし、空気は圧縮性を有
し、空気圧を利用して樹脂プラグを移送する場合、管路
内の移動条件、例えば、管路内径に狭い部分や広い部分
があると、その移動条件の変化によって樹脂プラグの後
部に作用させる空気圧が、空気の圧縮に伴う体積変化に
よって圧力変動を起し、これに起因して移送中に樹脂プ
ラグの先頭が不用意に前方へ噴出するような現象が起
り、その前方に噴出した樹脂が導管側の分岐位置に到達
した際に導管内に流入する等の問題点が生じる。
【0006】そこで、樹脂の移送手段として、空気圧に
代え、例えば特開昭61−181574号公報に記載さ
れた先行技術に見られるように非圧縮性の液体である水
を用いた水圧流を利用して樹脂を移送する方法が考えら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水圧流を利
用した従来の補修工法では、補修対象区間の供給管内に
腐食孔等の漏洩箇所があるような場合には、水圧流が腐
食孔等から漏洩して地中に浸透してしまい、場合によっ
ては腐食孔を大きくしてしまって、第1工程においては
樹脂プラグを導管との分岐位置に適正に移送することが
できなくなり、また、第2工程では樹脂によるライニン
グ塗膜の形成が適正に行われなくなる。
【0008】このため、樹脂によるライニング補修施工
に先立って、腐食孔等の漏洩箇所を塞ぐ必要があり、補
修作業時間が長くかかり、工費がコストアップするとい
う問題点があった。
【0009】本発明は、液圧流を利用して樹脂を移送す
る方法を採用した補修工法において、液圧流に、腐食孔
等の漏洩箇所を閉鎖状にして樹脂ライニングが行えるよ
うにする機能をもたせるようにして、腐食孔等の漏洩箇
所を別の工程で塞ぐことなくライニング作業が行えるよ
うにした管内面ライニング補修工法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、導管より分岐された供給管を補修対象と
して、該供給管の管内をライニングするに必要な量の樹
脂を、第1工程で供給管の末端開口部より管内にプラグ
状に導入してその後方より非圧縮性の液体流により樹脂
プラグの全量を導管側の分岐位置まで移送し、第2工程
で上記樹脂プラグを非圧縮性の液体流の吸引により供給
管の末端側へ引き戻しつつ管内面に塗布してライニング
を施す管内面のライニング補修工法において、上記非圧
縮性の液体に糸状のフレークを混入させ、補修対象区間
の供給管に腐食孔等の漏洩箇所があった場合に、これを
糸状のフレークにより閉鎖状にして、樹脂ライニングを
施すようにしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】このような本発明によると、供給管の補修施工
に際して、液圧流により樹脂を移送する際に、液圧流に
糸状のフレークを混入させておくことで、供給管に腐食
孔等の漏洩箇所があったとしても、これを糸状のフレー
クにより閉鎖状にし、液圧流の漏洩を少なくして、第1
工程においては樹脂プラグを導管との分岐位置に確実に
移送する。また、第2工程では樹脂によるライニング塗
膜の形成が適正に行われる。
【0012】しかもこの場合、腐食孔等の漏洩箇所を別
の工程で塞ぐことなく、第1工程と第2工程だけで補修
作業を行うことができることから、作業時間及び作業経
費が少なくなり、補修工事のコストダウンが図られる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用した管内面ライニング補修工
法の第1工程を示し、図2は供給管に腐食孔がある場合
の説明図である。これらの図1,2において、1は道路
下に敷設されている導管路、2はこの導管路1より分岐
されて宅地内に引き込まれた供給管であり、この供給管
2の末端側には地上に向けて延びるメータ立管2aが接
続されている。このメータ立管2aには、通常、その上
端に需要先のガスメータ(図示せず)が取付けてある
が、本補修に際してメータを取外すことによりその開口
部を樹脂および水圧流の導入口としている。
【0014】図1に示す第1工程では、上記メータ立管
2aの上端開口部より、その管内にライニングピグ3を
先頭に配してその後段に補修用の樹脂Aが液状のままプ
ラグ状に導入される。この樹脂プラグAの導入は、メー
タ立管2aの上端開口部に、例えば手動タイプの樹脂注
入タンク(図示せず)を接続して樹脂Aを所要量導入す
るもので、その樹脂プラグAの量は、補修対象の供給管
2の管長、管内径、形成する塗膜厚さ等の関係条件から
算出された必要量が導入される。
【0015】樹脂プラグAの導入後、メータ立管2aの
上端開口部に、管内に導入された樹脂プラグAを残さず
全量をプラグ状に押して移動する球状の樹脂搬送ピグ4
と、所要量の吸水能力を有する吸水材5と、球状をした
遮水ピグ6とが順に導入される。その後、メータ立管2
aの上端開口部には、それぞれが順に連通している水タ
ンク7、送水ポンプ8、水圧流制御装置9、糸状フレー
ク収容槽10より延びる給水ホース11の先端が接続さ
れる。
【0016】上記水圧流制御装置9は、一定圧の計量さ
れた水流が給水ホース11を介してメータ立管2aより
供給管2の管内に供給され、しかも一定量供給されると
自動的に送水を停止する機能を有している。また、糸状
フレーク収容槽10内には、長さ3〜8mm程度の糸状
フレークFが、送水ポンプ8から水圧流制御装置9を介
して送られる水量に応じてその混合比がほぼ一定となる
量だけ収容され、撹拌装置10aによりほぼ均一に撹拌
されるようになっている。
【0017】第1工程では、上記送水ポンプ8の駆動に
より、水タンク7内の水が水圧流制御装置9を通って糸
状フレーク収容槽10に送られ、ここで糸状フレークF
と混合されて糸状フレーク混入水Wとなり、給水ホース
11を介して遮水ピグ6、吸水材5、樹脂搬送ピグ4の
後方に糸状フレーク混入水Wによる水圧が作用し、その
水圧により樹脂プラグAの前後の管路内に生起する圧力
差によって樹脂プラグAがライニングピグ3を先頭にし
て供給管2の管内を導管路1側へ向けて移動し、先頭の
ライニングピグ3が導管路1側の分岐位置に到達した時
点で送水を止めることにより樹脂プラグAの移動を停止
させる。
【0018】上述の樹脂プラグAの移動中、後方よりの
水圧流と、樹脂プラグAとの間には遮水ピグ6と、吸水
材5と、樹脂搬送ピグ4とが介在されていて、水圧流の
圧力により水が遮水ピグ6の周辺間隙より洩れて前方へ
流出しても、その水は吸水材5により吸水され、遮水機
能が2段になるから樹脂プラグA中への水の混入が完全
に回避される。また、図2に示すように、糸状フレーク
混入水Wが移動あるいは滞留する供給管2にピンホール
状の腐食孔12があって、水が漏洩する箇所がある場合
には、水が腐食孔12から漏洩すると共にその部分に糸
状フレークFが集中的に残り、腐食孔12を閉鎖状にす
る。そのときに管外に漏れる水の量はごく僅かである。
【0019】また樹脂プラグAの移動距離は、メータ立
管2aの上端開口部より導管1側の分岐位置に至る管路
の全長に対し、管路内に導入されたライニングピグ3→
樹脂プラグA→樹脂搬送ピグ4→吸水材5→遮水ピグ6
に至る長さを、管路全長より減算して求めた残余の管路
長に基づいて該管内容積より管路内に送り込む糸状フレ
ーク混入水Wの量が計算により算出され、その量の糸状
フレーク混入水Wが送出された時点で送水を停止すれ
ば、樹脂プラグAは先頭のライニングピグ3が導管路1
側の分岐位置に到達した距離で移動を停止する。
【0020】第1工程が終了したならば、続いて図3及
び図4に示す第2工程が行われる。この第2工程では、
メータ立管2aの上端開口部に、接続筒13を介して回
収タンク14が接続され、これにホース15を介して真
空ポンプ16が連接される。上記接続筒13には、回収
タンク14との間に遮水ピグ6、吸水材5、樹脂搬送ピ
グ4、ライニングピグ3を回収するためのピグ止め17
が介在されている。
【0021】そして第2工程では、真空ポンプ16の作
動により、その吸引作用によって先の第1工程で送水さ
れた糸状フレーク混入水W(供給管2,メータ立管2a
内に滞留している)が順次、吸水されてタンク14内に
回収され、それに伴なって導管1側の分岐端部まで送り
込まれた樹脂プラグAが、第1工程と逆方向に引き戻さ
れるようにして移動する。この戻り工程においては樹脂
プラグAの後尾をライニングピグ3が追従し、引き戻さ
れる工程でライニングピグ3により供給管2、メータ立
管2aの管内壁に所要膜厚の樹脂塗膜が形成され、樹脂
プラグAの引き戻しによりメータ立管2aを含む供給管
2の管内全域にライニングLが施される。
【0022】上述の第2工程では、引き戻される樹脂プ
ラグAの移動に先行して遮水ピグ6が管路内壁の水分を
拭い、次に吸水材5により管内壁に付着している水分を
さらに吸水,除去することで、後続の樹脂プラグAによ
って形成される塗膜中には水泡が発生しなくなり、適正
なライニング施工が達成される。
【0023】また、糸状フレーク混入水Wが移動あるい
は滞留する供給管2に腐食孔12があっても、この腐食
孔12は、この孔12から水が管外に僅かに漏洩するこ
とでその部分に糸状フレークFが集中的に残されて、図
2のように腐食孔12を閉鎖状にしているので、樹脂プ
ラグAによって形成される塗膜は均平化され、図4に示
すように、適正なライニングLの施工が行われる。
【0024】なお、上記実施例では、供給管に導入され
た樹脂プラグを移送し、また、吸引移動させる液体とし
て非圧縮性の水を用いた場合について説明したが、この
水に代えて他の非圧縮性の液体を用いても同様に実施で
きるものである。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の管内面ライ
ニング補修工法によれば、補修施工の第1工程において
樹脂を液圧流により移送する際に、液圧流に糸状のフレ
ークを混入させておくことで、供給管に腐食孔等の漏洩
箇所があったとしても、これを液圧流の管外への僅かな
漏洩で糸状のフレークにより閉鎖状にし、第1工程にお
いては樹脂プラグを導管との分岐位置に適正位置まで移
送する。また、第2工程では樹脂によるライニング塗膜
の形成を適正に行うことができる。
【0026】しかもこの場合に、腐食孔等の漏洩箇所を
別の工程で塞ぐことなく、第1工程と第2工程だけで補
修作業を行うことができることから、作業時間、労力及
び作業経費が少なくなり、補修工事の大幅なコストダウ
ンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管内面ライニング補修工法の第1
工程を示す説明図である。
【図2】同水圧流が導入された供給管に腐食孔がある場
合の説明図である。
【図3】本発明に係る管内面ライニング補修工法の第2
工程を示す説明図である。
【図4】同供給管に腐食孔がある部分の樹脂ライニング
状態の説明図である。
【符号の説明】
1 導管 2 供給管 2a メータ立管 3 ライニングピグ 4 樹脂搬送ピグ 5 給水材 6 遮水ピグ 7 水タンク 8 送水ポンプ 9 水圧流制御装置 10 糸状フレーク収容槽 10a 撹拌装置 11 給水ホース 12 腐食孔 13 接続筒 14 回収タンク 15 ホース 16 真空ポンプ 17 ピグ止め A 樹脂プラグ F 糸状フレーク W 糸状フレーク混入水 L ライニング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導管より分岐された供給管を補修対象と
    して、該供給管の管内をライニングするに必要な量の樹
    脂を、第1工程で供給管の末端開口部より管内にプラグ
    状に導入してその後方より非圧縮性の液体流により樹脂
    プラグの全量を導管側の分岐位置まで移送し、第2工程
    で上記樹脂プラグを非圧縮性の液体流の吸引により供給
    管の末端側へ引き戻しつつ管内面に塗布してライニング
    を施す管内面のライニング補修工法において、 上記非圧縮性の液体に糸状のフレークを混入させ、補修
    対象区間の供給管に腐食孔等の漏洩箇所があった場合
    に、これを糸状のフレークにより閉鎖状にして、樹脂ラ
    イニングを施すようにしたことを特徴とする管内面ライ
    ニング補修工法。
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