JPH1052586A - ミシンの糸準備装置及び自動糸通しミシン - Google Patents

ミシンの糸準備装置及び自動糸通しミシン

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JPH1052586A
JPH1052586A JP8211709A JP21170996A JPH1052586A JP H1052586 A JPH1052586 A JP H1052586A JP 8211709 A JP8211709 A JP 8211709A JP 21170996 A JP21170996 A JP 21170996A JP H1052586 A JPH1052586 A JP H1052586A
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JP
Japan
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thread
yarn
threading
sewing machine
hole
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Application number
JP8211709A
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English (en)
Inventor
Kenzo Doi
憲三 土肥
Takashi Nakamura
孝 中村
Toshifumi Nakai
敏文 中井
Hirokazu Doi
広和 土居
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DATSUKUSU KK
Original Assignee
DATSUKUSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動糸通し装置付きのミシンの糸通しの前準
備を自動化する。 【解決手段】 糸準備装置100 は、上糸用糸巻2 を収納
する多数のチーズケース210 と、各チーズケース210 の
底面から伸ばされた搬送チューブ220 と、各搬送チュー
ブ220 の先端が連結される第1ガイドノズル230 と、各
第1ガイドノズル230 の下に配置されるクランパ240
と、その下に1組配置される送りローラ250と、その下
に1個配置されるカッタ260 と、その下に1個配置され
る第2ガイドノズル272 と、その下に1個配置される糸
検出センサ280 と、その下に1個配置される第3ガイド
ノズル273 と、糸調子装置300 と、その下に1個配置さ
れる第4ガイドノズル274 とから構成される。各ガイド
ノズルにエアを吹き込んで、チーズケース2 内の糸を吸
い出し、カッタ260 で切断して長さを整える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動糸通し機能を
有するミシンの糸準備装置及びこれを備える自動糸通し
ミシンに係り、特に、複数の糸を交換しながら刺繍を実
行するミシンに適するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、刺繍ミシンにおいては、多色縫い
を実行するために、多数の天秤や針棒を備え、それぞれ
の天秤や針棒に、異なるチーズケースから引き出した糸
をそれぞれ通して使用する多針型のミシンが用いられて
いる。こうした刺繍ミシンでは、刺繍を開始する前に、
チーズケースから糸を引き出して天秤等に通す準備作業
が必要となり、多くの時間が費やされている。
【0003】また、最近では、こうした多針型ミシンで
はなく、針を1本だけ備え、糸替えのタイミングになっ
たら自動的に糸を交換しながら多色縫いの刺繍を行うた
めのミシンの自動糸通し装置の提案がある(特開平6−
154453号公報、特開平6−182077号公
報)。
【0004】この装置を利用すれば、針を1本にして小
さなヘッドになった分だけスペースの有効利用が図れる
というメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平6
−154453号等の提案においても、最初に多数の糸
を自動糸通し装置の入口部分までセットしておかなけれ
ばならず、その分の手間が削減されていないという問題
がある。
【0006】そこで、本発明は、自動糸通し装置を有す
るミシンにおいて、糸通しの前準備を自動化することを
第1の目的とし、さらに、かかる糸準備の自動化によっ
て糸通しのほぼ完全な自動化を図ることを第2の目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】上記第1の目的を達成するための本発明のミ
シンの糸準備装置は、請求項1に記載の様に、天秤、ガ
イド爪等に糸を自動的に通す自動糸通し装置により形成
される糸道の入り口の上方に配置されるミシンの糸準備
装置であって、複数個の糸巻を保持し得る糸巻保持手段
と、該糸巻保持手段に保持される各糸巻の近くから延ば
される複数本の搬送チューブと、該複数本の搬送チュー
ブの先端が接続され、いずれかの搬送チューブの先端を
前記自動糸通し装置により形成される糸道に対応する位
置に移動させることにより糸巻を選択する糸巻選択手段
と、前記搬送チューブ内に、前記糸巻保持手段から糸巻
選択手段へ向かう気流を形成する気流形成手段とを備え
たことを特徴とする。
【0008】この請求項1記載の発明によれば、最初
に、各糸巻の糸を、搬送チューブの入口部分に差し込ん
でおく。そして、気流形成手段を駆動することによっ
て、搬送チューブ内に糸巻選択手段へ向かう気流を形成
する。この気流に乗って、糸巻から糸が引き出され、糸
巻選択手段まで搬送される。各糸巻に対応して搬送チュ
ーブが備えられているので、多数の糸巻の糸を簡単に糸
巻選択手段にセットすることができる。
【0009】また、請求項2記載の発明は、この請求項
1記載のミシンの糸準備装置において、前記搬送チュー
ブは、前記糸保持手段の有する糸巻支持用の心棒の下端
から延ばされ、該糸巻支持用の心棒は、上端を漏斗状に
開いた軸方向貫通孔を有することを特徴とする。
【0010】この請求項2記載の発明によれば、糸巻か
ら手で引き出した糸を心棒上端の漏斗状に開いた軸方向
貫通孔に差し込んでおき、気流形成手段を駆動してやる
だけで上記の様な作用が発揮される。なお、搬送チュー
ブが糸巻の上に開口するようなものも考えられるのであ
るが、この場合、1本の糸を手で持って搬送チューブの
入り口に差し入れた状態で気流形成手段を駆動してま
ず、その搬送チューブに糸を通し、次の糸をまた手で持
って搬送チューブの入り口に差し入れて同じ操作をする
といった繰り返しが必要であるが、この請求項2記載の
様に搬送チューブに上から糸を差し入れる構成とするこ
とで、最初に各糸巻の糸をまず心棒の上端の開口に差し
入れておくことができ、上述の様に糸を手で保持したま
まで搬送チューブへの糸通しを行う必要がなく、より一
層自動化が進む効果がある。即ち、請求項2記載の発明
によれば、作業の開始に当たっては、搬送チューブの入
口部分に糸の先端を差し込むだけでよく、準備作業にお
ける手作業がきわめて簡単になるのである。
【0011】また、請求項3記載の発明は、これら請求
項1又は2記載のミシンの糸準備装置において、前記糸
巻選択手段の下方に配置される切断手段と、該切断手段
の下方に配置される糸検出センサとを備えたことを特徴
とする。この請求項3記載の発明によれば、糸検出セン
サによって糸巻選択手段に糸が到達したことを検出し、
切断手段を駆動して各糸巻から引き出された糸の長さを
揃えることができる。
【0012】また、請求項4記載の発明は、この請求項
3記載のミシンの糸準備装置において、前記切断手段の
下方に該切断手段で切断された糸の糸屑を除去する糸屑
除去装置を備えたことを特徴とする。この請求項4記載
の発明によれば、糸屑除去装置を駆動することによっ
て、糸切断手段の切断動作によって発生する糸屑を除去
することができ、糸屑除去のための手作業も不要にな
る。なお、この糸屑除去装置は、前記切断手段を駆動す
る前に駆動しておく。
【0013】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
4のいずれか記載のミシンの糸準備装置において、前記
気流形成手段が、前記搬送チューブの孔と一致する垂直
孔と、該垂直孔に対して斜め上方から連続する斜め孔と
を有して前記搬送チューブの先端に連結されるガイドノ
ズルを備え、該ガイドノズルの前記斜め孔にエアを吹き
込むことによって前記気流を形成する手段として構成さ
れていることを特徴とする。
【0014】この請求項5記載の発明によれば、斜め孔
から吹き込まれたエアが、垂直孔内の空気を下方に引っ
張り、搬送チューブ内に糸を吸い出す方向の気流を形成
するのである。また、請求項6記載の発明は、請求項1
〜5のいずれか記載のミシンの糸準備装置において、前
記糸巻選択手段と前記自動糸通し装置との間に、垂直孔
と、該垂直孔に対して斜め上方から連続する斜め孔とを
有するガイドノズルを取り付け、該ガイドノズルの前記
斜め孔にエアを吹き込むことによって前記糸巻選択手段
と前記自動糸通し装置との間を結ぶ気流による糸搬送路
を形成する手段をも備えることを特徴とする。
【0015】この請求項6記載の発明によれば、糸巻選
択手段と自動糸通し装置との間を結ぶ気流が形成される
ことにより、糸巻選択手段から自動糸通し装置への糸の
受渡しが確実になる。また、請求項7記載の発明は、請
求項1〜6のいずれか記載のミシンの糸準備装置におい
て、前記糸巻選択手段と前記糸準備装置との間に、糸を
挟んで下方へ送る送りローラを配置したことを特徴とす
る。
【0016】この請求項7記載の発明は、自動糸通しを
実行するときに、単に気流に乗せるだけでなく、ローラ
による送りを併用しようというものである。ローラ送り
とすることで、糸の搬送速度及び搬送量をコントロール
することができるからである。糸の搬送速度をコントロ
ールすることにより、糸通しに必要な量だけ糸を繰り出
すことができ、無駄がないという効果がある。例えば、
針孔からの糸の抜け出し量が長すぎると上糸の端が布上
に残ってしまって縫い目が美しくなくなるし、逆に抜け
出し量が短すぎると、布に針を刺したときに上糸が針孔
から抜け出してしまうからである。これに対し、ローラ
送りによって糸の送り量を制御すれば、針孔からの糸の
抜け出し量を最適な長さとすることができるのである。
【0017】また、請求項8記載の発明は、請求項1〜
7のいずれか記載のミシンの糸準備装置において、前記
糸巻選択手段と前記自動糸通し装置との間に、糸調子皿
を開閉可能な糸調子装置を配置し、前記糸巻選択手段の
選択した糸巻の糸を用いて前記自動糸通し装置による糸
通しを実行する際に、前記糸調子皿の開閉動作を実行し
て新たな糸を糸調子皿間に挟ませる糸調子皿開閉手段を
備えたことを特徴とする。
【0018】この請求項8記載の発明によれば、自動糸
通しを行う際に、糸調子皿開閉手段を駆動して糸調子皿
を開いておき、糸通しが完了した後に糸調子皿を閉じて
上糸を糸調子装置にセットすることができる。こうして
糸巻選択手段と自動糸通し装置との間に糸調子装置を配
置することで、糸調子装置を上糸の本数分用意する必要
がなくなる。
【0019】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載のミシンの糸準備装置において、前記糸調子装置を横
方向に移動可能に構成すると共に、前記糸調子皿開閉手
段が糸調子皿を開く際に前記糸調子装置を横方向に逃が
し、該糸調子皿開閉手段が糸調子皿を閉じる際に前記糸
調子装置を元の位置に復帰させる糸調子装置待避手段を
も備えたことを特徴とする。
【0020】この請求項9記載の発明によれば、糸通し
を実行する際には、糸調子皿開閉手段を駆動して糸調子
皿を開かせると共に糸調子装置待避手段を駆動して糸調
子装置を横に逃がしておく。従って、糸巻選択手段から
自動糸通し装置への糸の受け渡しに当たっては真下へ向
かって一直線に糸を送ればよい。そして、糸巻選択手段
から自動糸調子装置への糸の受け渡しが完了したら、糸
調子装置待避手段を駆動して糸調子装置を元の位置へ復
帰させると共に、糸調子皿開閉手段を駆動して糸調子皿
を閉じて、上糸を糸調子皿間に挟み込む。こうして上糸
の糸調子装置へのセットを行う。
【0021】また、請求項10記載の発明は、請求項1
〜9のいずれか記載のミシンの糸準備装置において、前
記糸巻選択手段が、複数本の糸道を有し、横方向にスラ
イドするスライドブロックと、前記スライドブロックを
駆動して、スライドブロックのいずれかの糸道を、前記
自動糸通し装置により形成される糸道の入口の直上に一
致させるアクチュエータと、該アクチュエータに対して
駆動指令を出力する指令手段とにより構成されているこ
とを備えたことを特徴とする。
【0022】本発明を実施するに当たっては、糸巻選択
手段として回転ブロックに対して同心円上に各搬送チュ
ーブを接続しておき、回転ブロックを回転させる構成と
することもできる。しかしながら、この様な回転方式に
よると、条件によっては、搬送チューブが捻れるおそれ
があるのに対して、請求項10記載の発明の様にスライ
ド方式としておけば、搬送チューブが捻れるおそれがな
いからである。
【0023】また、上記第2の目的を達成するためにな
された本発明の自動糸通しミシンは、請求項11に記載
した様に、請求項1〜10のいずれか記載のミシンの糸
準備装置を備え、前記自動糸通し装置として、 天
秤、ガイド爪等の近傍に配置される固定板、該固定板に
対して接触・離間可能に配置される可動板、これら固定
板及び可動板の接触面に形成され、前記糸準備装置から
送られてくる糸を天秤、ガイド爪等に通しながら搬送す
るための天秤部用の糸道形成溝、該天秤部用の糸道形成
溝内で糸を糸通し方向に送るための気流を形成する天秤
部糸通し用気流形成手段、及び前記可動板を、固定板に
接触する位置と離間する位置との間で移動させる可動板
移動手段を備えた天秤部糸通し手段と、 針を横方向
から受け入れる受け入れ口を有すると共に、該針の受け
入れ口の両側に一直線に並ぶ糸道を有する針孔部糸道形
成手段、該針孔部糸道形成手段によって形成される糸道
内で糸を糸通し方向に送るための気流を形成する針孔部
糸通し用気流形成手段、及び前記針孔部糸道形成手段を
針を受け入れた糸通し位置と針から逃げた待避位置との
間で移動させる針孔部糸道移動手段を備えた針孔部糸通
し手段と、 前記天秤部糸通し手段と針孔部糸通し手
段との間に配置され、固定板、可動板、これら固定板と
可動板の接触面に形成される連絡用の糸道形成用溝、前
記可動板の移動手段、該連絡用の糸道形成用溝内で糸を
糸通し方向に送るための気流を形成する連絡用気流形成
手段を備え、前記天秤部糸通し手段の糸道から繰り出さ
れる糸を前記針孔部糸通し手段の糸道へと受け渡す糸受
け渡し手段とを備えることを特徴とする。
【0024】この請求項11記載の自動糸通しミシンに
よれば、上述の様にして糸を準備した上で、天秤部糸道
形成手段の可動板を固定板に接触させて糸道形成用溝を
閉じ、天秤部に対する糸道を形成する。また、糸受け渡
し手段の可動板も固定板に接触させて、天秤部と針孔部
の間を連絡する糸道を形成する。さらに、針孔部糸道移
動手段を駆動して針孔部の糸道を形成する。そして、天
秤部糸通し手段、糸受け渡し手段及び針孔部糸通し手段
のそれぞれの気流形成手段を駆動することによって、天
秤等へ糸を掛ける作業と針孔に糸を通す作業を実行す
る。なお、この作業の前に、糸巻選択手段を駆動して糸
通しすべき糸を選択しておく。
【0025】また、こうして糸通しが完了したら、各可
動板を固定板から離間させ、針孔部糸道形成手段を待避
位置に移動させる。以下、本発明の実施の形態を、一実
施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0026】
【実施例】まず、一実施例としての刺繍ミシン用の糸通
しや糸替えの自動化装置の全体構成を説明する。実施例
の自動化装置は、図1に示す様に、ミシンヘッド1の上
部に配置される糸準備装置100と、ミシンヘッド1の
正面部に配置される糸通し装置400とから構成され
る。なお、本実施例の説明においては、図1(a)の方
向から見た場合を正面といい、同図(b)の方向から見
た場合を前面という。
【0027】次に、糸準備装置100について説明す
る。糸準備装置100は、上糸用糸巻2を収納する多数
のチーズケース210と、各チーズケース210の底面
から伸ばされた搬送チューブ220と、各搬送チューブ
220の先端が連結される第1ガイドノズル230と、
各第1ガイドノズル230の下に配置されるクランパ2
40と、クランパ240の下に1組配置される送りロー
ラ250と、送りローラ250の下に1個配置されるカ
ッタ260と、カッタ260の下に1個配置される第2
ガイドノズル272と、第2ガイドノズル272の下に
1個配置される糸検出センサ280と、糸検出センサ2
80の下に1個配置される第3ガイドノズル273と、
糸調子装置300と、糸調子装置300の下に1個配置
される第4ガイドノズル274とから構成されている。
【0028】チーズケース210は、図2に拡大して示
すように、図示しない糸立て台に固定するためのネジ孔
が形成されたベース211と、ケースカバー213と、
上糸用糸巻2の紙管212を支える支柱部材214とを
備える。ベース211は中心に上方へ伸びる筒部211
aと、この筒部211aの底面中心から下方へ伸びる口
金211bとを備えている。この口金211bに前述の
搬送チューブ220の元側の端220aが連結される。
なお、図3,図4に示す様に、搬送チューブ220の先
端220bは、第1ガイドノズル230の上端の口金2
30aに接続されている。
【0029】また、図2(a)に示す様に、支柱部材2
14は、糸巻2をベース211上に載置した後に紙管2
12の上端開口212aから挿入され、ベース211の
筒部211aに嵌合されている。支柱部材214は、中
心に上下方向に貫通する貫通孔214aを備える。ま
た、図2(b)に示す様に、支柱部材214の上端に
は、90度間隔で4本の水平腕214bが張り出されて
いる。水平腕214bの先端及び根元には、それぞれ、
セラミックス製のリング214c,214dが固定され
ている。このリング214c,214dは、糸3を滑り
易くするためのものである。また、貫通孔214aの上
端部分214uは、図2(a)の様に、漏斗状に広がっ
ている。
【0030】なお、ケースカバー213の上面中心には
エア抜き孔213aが設けられている。また、図中符号
215はベース211上に取り付けられるフェルト台で
ある。次に、糸準備装置100の内、第1ガイドノズル
230から下の部分の構成について説明する。
【0031】第1ガイドノズル230から下の構成部品
は、図3,図4に示す様に、ミシンヘッド1の上部に配
置されるベースフレーム110及びスライドブロック1
20に取り付けられる。図4に示す様に、本実施例で採
用したスライドブロック120は、24個の第1ガイド
ノズル230を取り付けることができる幅を有してい
る。また、スライドブロック120の図4における背面
側には、図3に示す様に、2条の断面「コ」の字状のガ
イドレール121,122が水平方向に固定されてい
る。スライドブロック120には、さらに、上部のガイ
ドレール121の直下に平行してラック123が固定さ
れている。上述のガイドレール121,122は、ベー
スフレーム110上に固定された機器取付ブロック13
0に固定されたレール131,132と噛み合わされて
いる。
【0032】この機器取付ブロック130には、スライ
ドブロック120をスライド駆動するための機器とし
て、モータ141と、このモータ141によって回転さ
れるピニオンギヤ142と、このピニオンギヤ142の
回転をラック123に伝達するアイドラーギヤ143と
が取り付けられている。また、機器取付ブロック130
の上部にには、第1ガイドノズル230の高さに合わせ
て、1個の圧縮エア供給器150が取り付けられてい
る。この圧縮エア供給器150には、エアシリンダ15
1と、このエアシリンダ151によって水平方向(図3
の左右方向)に出没するエア供給ヘッド152とが取り
付けられている。
【0033】再び、スライドブロック120に話を戻
す。図3,図4に示す様に、スライドブロック120に
は、送りローラ250の従動側ローラ251を収納する
ことのできる開口高さ及び奥行きを有する断面U字状の
水平溝125が形成されている。また、この水平溝12
5の上下には、各第1ガイドノズル230の糸排出口の
直下に位置するように、各24本の垂直貫通孔126,
127が設けられている。
【0034】また、上部の垂直貫通孔126の上端部分
には、図5に拡大して示す様に、クランパ240の先端
を収納する凹所128が設けられている。そして、この
凹所128の前面側には、各クランパ240の水平ロッ
ド241を挿入することのできる小孔128aの開いた
カバー板128bが取り付けられている。そして、この
カバー板128bの各小孔128aに一致する孔付きの
帯板129がカバー板128bの前面に取り付けられて
いる。この帯板129は、上下に凸条129a,129
bが形成されると共に、カバー板128bの小孔128
aに合わせて24個の円孔129cが形成されている。
【0035】次に、第1ガイドノズル230の構成につ
いて説明する。第1ガイドノズル230は、図5に示す
様に、上端にラッパ状の口金230aを備え、軸中心に
形成された垂直貫通孔231と、この垂直貫通孔231
の下端部近傍に開口する斜め孔232とを備えている。
垂直貫通孔231の上端には、搬送チューブ220のラ
ッパ状の口金220cが連結されるようになっている。
また、斜め孔232には、上述の圧縮エア供給器150
のエア供給ヘッド152の方向に向かう水平孔233が
連続して形成されている。この水平孔233にエア供給
ヘッド152を密着させて圧縮エアを供給すると、斜め
孔232を通って垂直貫通孔231に圧縮エアが流入
し、垂直貫通孔231内を上から下へ向かう気流を形成
する。これにより、搬送チューブ220内にも、チーズ
ケース210から糸を吸い出そうとする気流が形成され
ることになる。
【0036】次に、クランパ240について説明する。
クランパ240は、図5に示す様に、帯板129の円孔
129cを通って凹所128に挿通される水平ロッド2
41と、この水平ロッド241の両端に設けられた円板
243,244と、これら円板243,244の内、露
出側の円板244と水平板129との間に配設されるコ
イルスプリング245とを備えている。水平ロッド24
1の適当な位置には、垂直孔246が形成されている。
また、露出側の円板244は、スライドブロック120
の移動によって、第2ガイドノズル272等の直上に位
置したときにエアシリンダ247のロッド248が当接
され得るようになっている。エアシリンダ247は、図
4に示す様に一点鎖線で示す位置に1個だけ設置されて
いるのである。
【0037】水平ロッド241は、エアシリンダ247
に給気することによって図示右方向へ押し込まれ、エア
シリンダ247を排気することによって、コイルスプリ
ング245の復元力で図示左方向へ突き出されるように
なっている。図3,図5は、クランパ240がエアシリ
ンダ247によって、押し込まれた状態を示している。
前述の垂直孔246は、水平ロッド241が突き出し状
態にあるとき、第1ガイドノズル230の垂直貫通孔2
31の直下に位置するように形成されている。なお、水
平ロッド241は、垂直孔246が常に垂直方向を向い
ているように、適宜の方法によって回転が規制されてい
る。
【0038】次に、送りローラ250について説明す
る。送りローラ250は、従動側ローラ251と、駆動
側ローラ252とから構成されている。従動側ローラ2
51は金属製のローラであって、図4に示す様に、スラ
イドブロック120の幅と同じ長さを有する。そして、
両端に飛び出している軸251aを、図6に示す様に、
「く」の字状に曲がった支持プレート253にて支持さ
れている。この支持プレート253は、上側アーム25
3aの中ほどの支点253bにてスライドブロック12
0に回動自在に支持されている。そして、下端部253
cに取り付けたコイルスプリング253dによって、中
ほどの支点253bを中心に、図において反時計方向に
引っ張られ、従動側ローラ251を水平溝125の奥へ
向かって回動させておくようになっている。
【0039】なお、支持プレート253の上端には切欠
253eが形成され、スライドブロック120から突設
されたストッパピン120aに当接してコイルスプリン
グ253dによる回動位置が制限される様になってい
る。また、この切欠253eのすぐ下には、エアシリン
ダ254の受け253fが形成され、ここに、エアシリ
ンダ254のシリンダロッド254aが当接されてい
る。図3,図6は、このエアシリンダ254が排気状態
にあるときを示しており、給気状態になると、支持プレ
ート253が図示時計方向に回動されて、従動側ローラ
251と駆動側ローラ252とが接触されるようになっ
ている。
【0040】駆動側ローラ252は、ベースフレーム1
10から水平に張り出されたプレート111上に固定さ
れたモータ255によって、プーリ256,257及び
ベルト258を介して回転駆動されるようになってい
る。なお、駆動側ローラ252は、図4から分かる様
に、幅の狭いものであり、こちらは合成ゴムで製造され
ている。
【0041】この送りローラ250は、上述のエアシリ
ンダ254を給気状態とすることで従動側ローラ251
と駆動側ローラ252で糸を挟み、この状態においてモ
ータ255を一定速度で駆動することにより、糸を下方
へ定速で送り出すことができるようになっている。モー
タ255の駆動速度は任意に制御することができ、針孔
に糸を通すときには糸の送り速度を遅くするといった制
御もできるようになっている。
【0042】次に、カッタ260について説明する。カ
ッタ260は、図3,図6に示す様に、スライドブロッ
ク120の下方の垂直貫通孔127の直下に臨む様に配
置されている。カッタ260は、クロスされた2枚の刃
261,262を閉じることによって糸を切断するハサ
ミであって、エアシリンダ263によって刃261,2
62を前進させると開き、後退させると閉じる様に構成
されている。
【0043】次に、第2ガイドノズル272〜第4ガイ
ドノズル274について説明する。これらのガイドノズ
ル272〜274は、図3に示す様に、第1ガイドノズ
ル230と同一の構成をしており、圧縮エアを斜め孔か
ら吹き込むことによって、垂直貫通孔内を上から下へ向
かう気流を形成して糸を搬送するように構成されてい
る。
【0044】次に、糸検出センサ280について説明す
る。糸検出センサ280は、図6に示す様に、水平プレ
ート111に形成された貫通孔112の下端に取り付け
られる。この糸検出センサ280は、中心に円孔を備え
ており、この円孔を糸が通過すると検出信号を出力する
ように構成されている。センサの種類はどのようなもの
であってもよく、光センサ等によって構成することがで
きる。
【0045】なお、第2ガイドノズル272〜第4ガイ
ドノズル274及び糸検出センサ280は、図3,図4
に示す様に、駆動側ローラ252の幅方向中心線上を、
第1ガイドノズル230の真下に一直線に並ぶ様に配置
されている。次に、糸調子装置300について説明す
る。糸調子装置300は、図7に示す様に、糸調子皿3
02と、皿押えバネ304と、この皿押えバネ304の
圧力を調整する調整ネジ306と、糸調子皿302の上
下に位置するガイドピン308,309とを備えてい
る。そして、糸調子皿302は、支持ブロック310を
水平方向に貫通するロッド312にて支持されるように
取り付けられている。なお、このロッド312の突出端
に前述の調整ネジ306が固定されており、調整ネジ3
06を回転すると、ロッド312が共に回転するように
なっている。
【0046】このロッド312には雄ネジ314が形成
されており、前述の支持ブロック310のロッド貫通孔
に刻設された雌ネジと螺合するようになされている。そ
して、ロッド312の先端には、第1のベベルギヤ32
0が固定されている。また、この第1のベベルギヤ32
0には、モータ330によって回転駆動される第2のベ
ベルギヤ322が噛み合わされている。そして、ロッド
312の先端部318には、カップリング用のスリーブ
340を介して多回転型のポテンショメータ350の回
転軸352が連結されている。
【0047】第1のベベルギヤ320は、支持ブロック
310にネジ止めされるギヤケース360内に収納され
ている。モータ330は、このギヤケース360の下部
水平壁361に下面を支えられるスライドプレート36
2にネジ止め固定されている。この下部水平壁361に
は、大きな開口363が形成されておいる。
【0048】スライドプレート362及びギヤケース3
60の上部水平壁364には、スリット365,366
が形成されている。上述のポテンショメータ350は、
このスリット365,366に摺動可能に係合されたポ
テンショメータケース354内にネジ止め固定されてい
る。なお、図において、符号Mで示したのは、いずれも
芋ネジである。
【0049】以上の構成により、調整ネジ306を回転
させると、ロッド312が回転する。すると、ロッド3
12と支持ブロック310との関係が雄ネジと雌ネジを
螺合させたネジ送り機構の関係にあるので、ロッド31
2が回転しながら軸方向に移動する。この結果、モータ
330及びポテンショメータ350もロッド312と一
緒に軸方向に移動する。このとき、ポテンショメータ3
50の回転軸352はロッド312と一体に回転する。
従って、ポテンショメータ350はロッド312の移動
量に応じた検出信号を出力する。
【0050】一方、モータ330を駆動すると、第2の
ベベルギヤ322が回転し、これに伴って第1のベベル
ギヤ320も回転する。この結果、第1のベベルギヤ3
20と一体化されているロッド312も回転する。従っ
て、この場合もネジ送り機構の原理により、ロッド31
2が水平方向に移動され、糸調子皿302の圧力が変更
される。このとき、圧力の変更に対応して、ポテンショ
メータ350の検出信号も変化する。
【0051】糸調子装置300における糸押えの圧力
は、こうして、調整ネジ306によるマニュアル調整の
他、モータ330による調整も可能になっているのであ
る。また、糸調子装置300の支持ブロック310に
は、図7,図8に示す様に、上部アーム370と下部ア
ーム380とが取り付けられている。下部アーム380
は、その根元のリング381を芋ネジMにて支持ブロッ
ク310に固定されている。一方、上部アーム370の
根元リング371は、下部アーム380の根元リング3
82と、支持ブロック310の鍔310aとの間に挟ま
れているだけであり、支持ブロック310に対する相対
回動が自由となっている。
【0052】各アーム370,380の先端372,3
82は、ピン373,383によって、ベースフレーム
110の前板112に回動自在に支持されている。な
お、上部アーム370のピン挿通孔373aは、図8,
図9に示す様に、長円形をしている。
【0053】各アーム370,380の中ほどには、ピ
ン374,384が固定されており、その先端に長円形
プレート375,385の一端が回動自在に支持されて
いる。この長円形プレート375,385の他端には、
ガイドピン308,309が突設されている。また、各
長円形プレート375,385は、その中ほどに挿通さ
れたピン376,386によって、ベースフレーム31
0の前板312に回動自在に支持されている。ピン37
4等の挿通孔の内、ピン374,384,376用の孔
374a,384a,376aは、図9に示す様に、そ
れぞれ長円形とされている。
【0054】そして、図8に示す様に、支持ブロック3
10の側面から突設された腕310aに、エアシリンダ
390のシリンダロッド391が連結されている。この
エアシリンダ390は、収納されているピストンの両側
に形成される2つのシリンダ室のそれぞれにエア給排管
392,393が配置されている。このエア給排管39
2,393にてエアシリンダ390にエアを給排するこ
とによって、図8に示す様に、糸調子装置300が全体
に移動されるようになっている。
【0055】図9(a)は、糸通しを実行しようとして
いる状態を示し、エアシリンダ390のロッド391を
縮小させることによって糸調子皿302とガイドピン3
08,309とが離れる方向に動作され、糸3のための
通路が開かれる。糸通しが完了したら、エアシリンダ3
90のロッド391を伸長することによって、図9
(b)に示す様に、糸調子皿302とガイドピン30
8,309とに糸3を屈曲させた刺繍実行状態にセット
できるようになっている。
【0056】次に、図1に戻って糸通し装置400につ
いて説明する。糸通し装置400は、糸取りバネ装置5
00に糸通しをするための第1の糸通し部420と、天
秤610及びガイド爪621,622に糸通しするため
の第2の糸通し部440と、針630に糸通しする第3
の糸通し部460と、第2,第3の糸通し部440,4
60の間に配置される連絡部480と、糸屑バキューム
装置490とに分けることができる。
【0057】まず、第1の糸通し部420について説明
する。第1の糸通し部420は、糸3を鉛直方向に搬送
するためのガイドノズル422によって構成されてい
る。このガイドノズル422は、ミシンヘッド1から正
面方向に所定距離離して、糸準備装置100の各ガイド
ノズル230等の真下位置に固定されている。ガイドノ
ズル422は、糸準備装置100の各ガイドノズル23
0等と同様の構成によって、糸通し孔内に下方に向かう
気流を発生させ、上から垂下される糸3を糸通し孔に吸
い込んで真下に向かって搬送することができるようにな
っている。以下、このガイドノズル422を、第5のガ
イドノズル422と呼ぶ。
【0058】次に、第2の糸通し部440について図1
0〜図11に基づいて説明する。第2の糸通し部440
は、図11及び図12に示す様に、ミシンヘッド1の正
面側に所定距離離して配置される固定板441と、この
固定板441とミシンヘッド1との間に配置される可動
板451とから構成される。固定板441には、図10
に示す様に、天秤610及びガイド爪621を正面側に
覗かせる様に、切欠442及び開口443が形成されて
いる。また、固定板441の可動板451側の面には、
図10に示した様な「S」字を寝かせた形状の半円形溝
444が設けられている。そして、この半円形溝444
の所定箇所にエア吹き込み口445〜447が形成され
ている。これらエア吹き込み口445〜447は、図1
1に示す様に、半円形溝444に対して斜め下方に向か
う通路446を有しており、ガイドノズル230等と同
様に、糸3を搬送するための気流を発生させるようにな
っている。
【0059】可動板451は、図12に示す様に平板で
構成され、固定板441の切欠442及び開口443と
同じ切欠及び開口を有している。そして、可動板451
は、固定板441からミシンヘッド1に向かって伸ばさ
れたガイド棒452にベアリング453を介して支持さ
れている。また、可動板451には、図12に示す様
に、エアシリンダ454のシリンダロッド455が連結
されている。このエアシリンダ454は固定板441側
に固定されており、エアの給排によって、可動板451
を、固定板441に密着させた状態と、固定板441か
ら離れた状態とに駆動することができるようになってい
る。
【0060】なお、固定板441に設けた半円形溝44
4の入口端444aは、図10に示す様に、第1ガイド
ノズル230〜第5ガイドノズル422と一直線に並ぶ
様に真上に向けて開口するように直線部を有している。
また、半円形溝444の出口端444bは、真下に向け
て開口する直線部を有している。
【0061】次に、第3の糸通し部460について説明
する。第3の糸通し部460は、図11に示す様に、ミ
シンヘッド1の前方下部に設けられる。図では、左側の
「L」形の部分461と、右側の部分462とに分かれ
た様に記載されているが、針630の前面側において両
部分461,462は連続しており、一体となってい
る。そして、図13に示す様に、L形部分461の上端
に設けた扇型ギヤ463がモータ464のギヤ465に
噛み合わされており、糸通しをしない時には前方へはね
上げておけるように構成されている。この第3の糸通し
部460のL形部分461には、図11に示す様に、糸
通し状態にセットされたとき、針孔630aと一直線に
並ぶ様に水平貫通孔471が形成されている。そして、
この水平貫通孔471の途中に、斜め孔472,473
が形成され、第1ガイドノズル230等と同じくエアを
吹き込むことによって、針孔630aから糸を抜き出す
方向の気流を形成するようになっている。そして、この
水平貫通孔471の出口には糸検出センサ280と同様
の糸検出センサ475が取り付けられている。図11に
おいて針630の右側の部分462には、L形部分46
1の水平貫通孔471と一直線に並ぶ様に、水平貫通孔
476が設けられている。
【0062】次に、連絡部480について説明する。連
絡部480は、図10に示す様に、第2の糸通し部44
0と第3の糸通し部460の間に、前方から見て「逆
L」字状に形成された2枚の板481,482で構成さ
れている。図10において右側の板481は固定板であ
り、左側の板482が可動板となっている。固定板48
1には、第2の糸通し部440の固定板441と同様
に、半円形溝483が形成されており、可動板482は
平板で構成されている。そして、固定板481側に取り
付けられたエアシリンダ485によって、可動板482
が固定板481に密着された状態と離された状態とに駆
動されるようになっている。
【0063】また、固定板481には、図10に示す様
に、斜め孔486が適当数設けられており、ここからエ
アを吹き込むことによって、半円形溝483内を、第2
の糸通し部440から第3の糸通し部460へ向かう気
流を形成するようになっている。
【0064】なお、図11に示す様に、半円形溝483
の入口端483aは垂直方向に伸びる直線部となってお
り、第2の糸通し部440の出口端と一致するようにな
されている。また、半円形溝483の出口端483bは
水平方向に伸びる直線部となっており、第3の糸通し部
460の入口端と一致するようになされている。
【0065】次に、糸屑バキューム装置490について
説明する。糸屑バキューム装置490は、図10に示す
様に、第5ガイドノズルのすぐ下に開口する吸引筒49
1と、この吸引筒491内に設けられたオリフィス49
2と、このオリフィス492の図示右側空間にエアを吹
き出すエア吹き出し口493とを備えている。このエア
吹き出し口493から圧縮エアを吹き出すことによっ
て、吸引筒491内に図において左から右へ向かう気流
を発生させ、糸3を吸い込む様になっている。
【0066】次に、糸取りバネ装置500について説明
する。ミシンヘッド1の正面部には、糸取りバネ501
を支持する部品として、図14に示す様に、ミシンヘッ
ド1の正面にボルト502にて所定距離離して設けられ
る支持部材510が回動自在に設けられている。
【0067】支持部材510は、図15(a)〜(c)
に示す形状を有し、大きな円孔511が開口された正方
形部分512の上下にアーム部513,514を備えた
ものである。上下のアーム部513,514にはそれぞ
れガイドピン503,504をねじ込むためのネジ孔5
15,516が正面側に穿設されている。また、上方の
アーム部513にはボルト502を挿通する円孔517
が開口され、下方のアーム部513の裏面側には、図1
6(b)に示す様なコイルスプリング505を取り付け
るためのネジ506用のネジ孔518が穿設されてい
る。そして、正方形部分512の上方左右には、後方へ
伸びる平行アーム519,519が設けられている。
【0068】上方アーム部513に開口された円孔51
7には、図14に示す様に、長いスリーブ507を挿通
した上でボルト502が挿通される。支持部材510
は、このスリーブ507の長さ分だけミシンヘッド1か
ら離れた位置に回動自在に支持されることになる。な
お、スリーブ507はボルト502の周りを自由に回転
できるように取り付けられ、さらに、このスリーブ50
7に対して支持部材510が自由に回転できるように取
り付けられている。
【0069】一方、正方形部分512の裏面に伸びる平
行アーム519,519には、図15(d),(e)に
示す様な形状のレバー部材520が揺動自在に支持され
るようになっている。このレバー部材520は、上端に
二股部521を備え、この二股部521の先端521a
がミシンヘッド1側に湾曲されている。このレバー部材
520は、図14に示す様に、ボルト502及びスリー
ブ507を跨ぐ様にセットされる。
【0070】支持部材510の大径円孔511には、図
14に示す様に、糸取りバネ収納部材530が回転可能
に挿入される。この糸取りバネ収納部材530は、大径
部531と小径部532とからなり、大径部531に
は、糸調子皿508,509の支軸541及び糸取りバ
ネ501を収納する大径の筒孔533が設けられてい
る。この大径筒孔533の底には、糸調子皿支軸541
の先端部541aが嵌合する小径筒孔534がさらに形
成されている。そして、この小径筒孔534の底に、小
径部532内を貫通するピン挿通孔535が形成されて
いる。
【0071】上述の糸調子皿支軸541は、大径筒孔5
33に収納される部分541bが太径とされて、糸調子
皿508,509を裏から支える様になっている。糸調
子皿508,509は、支軸541の図示左側の部分5
41cに装着された後、押え金具542、押えバネ54
3で押さえられ、調整ナット544で糸調子圧を調整さ
れる様になっている。
【0072】ここで、支軸541の左側部分541c
は、図14(b)に示す様に、切込み541dにて半割
にされており、太径部541bから奥においてピン挿通
孔541eが貫通されている。そして、上述の押え金具
542の挿入孔542aには、図14(c)に示す様
に、切込み541dにはまる連絡部542bが形成され
ている。なお、太径部541bの一部541fは、糸取
りバネ501のコイル部501aを固定するように凹部
とされている。
【0073】支持部材510の正面側には、上述のネジ
孔515,516にガイドピン503,504がねじ込
み固定されている。支持部材510の裏面側には、図1
6に示す様に、ギヤ550と扇型ギヤ560とが取り付
けられている。ギヤ550は、図14(a)に示す様
に、背面のボス部551に芋ネジMをねじ込んで、糸取
りバネ収納部材530の小径部532に固定されてい
る。従って、ギヤ550が回転すると、糸取りバネ収納
部材530も共に回転することになる。
【0074】扇型ギヤ560は、その背面のボス部56
1に芋ネジMをねじ込むことにより、スリーブ507に
対して固定されている。また、このボス部561の裏側
には、図15(f),(g)に示す様な形状のカム部材
570が取り付けられる。このカム部材570も芋ネジ
Mでスリーブ507に固定される。従って、扇型ギヤ5
60が回動すると、スリーブ507及びカム部材570
も一体に回動することになる。
【0075】扇型ギヤ560には、円弧部分中央の裏面
側にシリンダロッド581を係合するための止めピン5
62が取り付けられている。また、扇型ギヤ560の円
弧部分の一方の端近くには、正面側に突設する係合ピン
563が突設されている。この係合ピン563は、支持
部材510の上方アーム部513の側面に係合する高さ
を有している。
【0076】また、カム部材570は、図15(g)に
示す様に、裏面側に形成された縁部571の端縁をカム
面572とするものである。このカム面572は、初期
状態においては、図14に示す様にレバー部材520に
接触していない。レバー部材520の下端部522は、
図14に示すセット状態において、糸取りバネ収納部材
530のピン挿通孔535の真裏まで伸ばされている。
そして、このピン挿通孔535内に挿入されたピン58
2を裏から支える様になっている。
【0077】ピン582は、レバー部材520を図14
に示す様に、カム部材570のベース部573に接触す
るまで反時計方向に回動させたときに、このレバー部材
520の下端部522及び押え金具542の連絡部54
2bに、両端がほぼ接触する位の長さであって、押え金
具542を押し上げない長さとされている。
【0078】次に、以上の様に構成された糸取りバネ装
置500の動きについて図16を用いて説明する。初期
状態においては、シリンダロッド581は縮小状態とさ
れ、扇型ギヤ560は、図16(a)に示す角度に回動
している。また、このとき、糸取りバネ501は、図示
左側を向く位置に回動され、後述するように糸切れセン
サとして機能するストッパ750に当たって停止してい
る。
【0079】この初期状態から、シリンダロッド581
を伸長させることにより、扇型ギヤ560が図16
(b)の矢印A方向に回動し、これに伴って、ギヤ55
0が矢印B方向に回転する。その結果、糸取りバネ50
1は図示右方向を向いた位置まで回動される。
【0080】そして、さらにシリンダロッド581を伸
長させると、図16(c)に示す様に、扇型ギヤ560
の係合ピン563が支持部材510の上方アーム部51
3の側面に係合し、今度は支持部材510を回動させ
る。この結果、図16(d)に示す様に、糸取りバネ5
01も反時計方向に回動され、上下のガイドピン50
3,504が糸取りバネ501の左右に振り分けられた
状態になる。こうして、図16(d)の状態において
は、糸3を真上から供給したときに、ガイドピン50
3,504に邪魔されたりせずにまっすぐに垂下するこ
とができる。その結果、図16(e)に示す様に、糸3
を糸取りバネ501の糸掛け部の溝部分501aにセッ
トすることができる。
【0081】こうして糸3を垂下した上で、再びシリン
ダロッド581を縮小させると、まず、図16(d)の
状態から図16(b)の状態へと支持部材510が反時
計方向に回動して停止する。この停止位置は、ミシンヘ
ッド1から正面側に突設されたピン590に支持部材5
10の下方アーム部514が当接する位置である。この
とき、コイルスプリング505は、さらに縮もうとする
力を発生するようにセットされており、支持部材510
をしっかりとストッパピン590に接触させた状態とな
る。
【0082】そして、さらに、シリンダロッド581を
縮小させると、今度は、扇型ギヤ560がギヤ550を
回転させながら初期状態の角度へと回動していく。この
結果、図16(f)に示す様に、上方のガイドピン50
3、支軸531、糸取りバネ501及び下方のガイドピ
ン504に糸3を屈曲状態で張り渡すことができる。
【0083】この間、シリンダロッド581の伸長動作
に伴ってスリーブ507が回転することにより、レバー
部材520の二股部521がカム面572に押されてピ
ン582を押すことにより、押え金具542が押し上げ
られて糸調子皿508,509の圧力が徐々に解放され
る。
【0084】逆に、シリンダロッド581が縮小するに
従って、レバー部材520が元の状態に戻っていき、糸
調子皿508,509の圧力がセット状態に徐々に戻っ
ていく。次に、本実施例の自動糸通し装置に制御部の構
成について説明する。
【0085】制御部は、図17に示す様に、CPU,R
OM,RAM,バックアップRAM等を備えたマイクロ
コンピュータ710を中心に構成され、周辺機器とし
て、糸準備スイッチ721,刺繍開始スイッチ722,
テンキー723,糸調子圧設定スイッチ724などの配
置された操作パネル720と、エアシリンダ151,2
47,254,263,390,454,485,58
0、エアバルブ731,732、糸検出センサ280,
475、モータ141,255,330,464,74
0、ポテンショメータ350及び糸切れセンサ750が
接続されている。
【0086】これら周辺機器の内、ここまでの説明に現
れなかったエアシリンダ580は、糸取りバネ装置50
0において扇型ギヤ560を回動させるのに用いるもの
である。また、エアバルブ731は、ガイドノズル23
0等やエア吹き込み口445等への圧縮エアの供給を行
うためのものであり、エアバルブ732は、糸屑バキュ
ーム装置490に圧縮エアの供給を行うためのものであ
る。さらに、モータ740はミシンモータである。糸切
れセンサ750は、図16(f)に示す様に、糸取りバ
ネ501の振り上げ位置に設けられており、糸取りバネ
501が天秤610の動きに合わせてこのセンサ750
に接触したり離れたりするのに応じて断続信号を発生す
るようになっている。刺繍を実行しているときにこの断
続信号が発生しなくなったときは、糸切れと判定するこ
とができる。
【0087】次に、本実施例の装置の使用方法を、上記
マイクロコンピュータ710の実行する制御プログラム
と共に説明する。まず、最初に、チーズケース210内
に糸巻2をセットして糸3を引き出し、支柱部材214
のロート状上端部214u内に糸3の先端を差入れる。
この作業を、24個のチーズケース210のそれぞれに
ついて行う。
【0088】次に、糸準備スイッチ721を押下する。
すると、図18に示す手順で構成された糸準備プログラ
ムが実行される。なお、初めて糸準備を実行するとき
は、糸準備スイッチ721の押下に続けてテンキー72
3から「0」を入力する。n番目のチーズケースの糸だ
けを準備状態にするときは、「1」〜「24」のいずれ
かの数値を入力する。
【0089】まず、エアシリンダ247を給気にしてク
ランパ240をアンクランプ状態にすると共に、モータ
330を駆動して糸調子装置300の糸調子皿302を
開き、さらにエアシリンダ390を駆動して糸調子装置
300を図9(a)の状態に逃がす。また、エアシリン
ダ254を駆動して従動側ローラ251を糸を挟む状態
にすると共に、糸屑バキューム装置290用のエアバル
ブ732を開いて糸屑の吸引動作を開始し、カッタ26
0駆動用のエアシリンダ263を駆動して糸切り動作を
実行し、所定時間後にエアバルブ732を閉じ、エアシ
リンダ263をカッタ260の刃261,262を開い
ておく状態に戻し、さらに、エアシリンダ247を排気
にしてロッド248をクランパ240から離れた位置へ
戻すと共に、エアシリンダ390及びモータ330を先
ほどとは逆方向に駆動して糸調子装置300を図9
(b)の状態に戻すと共に、糸調子皿302を閉じ、エ
アシリンダ254も先ほどとは逆方向に駆動して従動側
ローラ251を糸を開放した状態に戻してシステムの初
期化を行う(S10)。これによって、いずれかの糸が
針630に通されていたとしても、これが切断されて、
糸屑として除去されることになる。
【0090】次に、テンキー723の入力値kが「0」
か「1」〜「24」のいずれであったかを判断する(S
20)。「0」の場合は、n=1をセットし(S3
0)、続いてモータ141を駆動して、第n番目のチー
ズケースからの糸準備を行うための位置にスライドブロ
ック120を移動すと共に、エアシリンダ247を給気
状態にしてn番目のクランパ240をアンクランプ位置
に押し込み、さらに、エアシリンダ151を駆動してn
番目の第1ガイドノズル230にエアを供給可能な状態
にしてn番目の糸を送るための糸準備装置100側の準
備動作を実行する(S40)。
【0091】また、ミシンモータ740を駆動して針6
30及び天秤610を図1に示した糸通し位置に移動さ
せる(S50)。そして、エアシリンダ454,485
を駆動して可動板451,482をそれぞれ対応する固
定板441,481に密着させると共に、モータ464
を駆動して第3の糸通し部460を図13に実線で示す
位置へ回動させ、ミシンヘッド部分における糸3の通り
道(以下、「糸道」という)を形成する(S60)。ま
た、エアシリンダ390及びモータ330を初期化にお
いて最初に実施した方向に駆動して糸調子皿302を開
きながら糸調子装置300を図9(a)の状態に逃がし
て糸調子装置300を準備状態とし(S70)、エアシ
リンダ580を駆動して、糸取りバネ装置500を図1
6(d)の準備状態にする(S80)。そして、エアバ
ルブ731を開放する(S90)。
【0092】こうして、n番目のチーズケース内の糸
が、支柱部材214の貫通孔214aから搬送チューブ
220を通って吸い出され、第1ガイドノズル230か
ら真下へ搬送される。そして、糸検出センサ280がオ
ンしたら(S100)、一旦エアバルブ731を閉じる
と共に、エアシリンダ254へ給気して従動側ローラ2
51を駆動側ローラ252に密着させて糸3を挟み付け
る(S110,S120)。この後、再びエアバルブ7
31を開くと共に、モータ255を駆動して糸送りロー
ラ250によって一定速度で糸3を繰り出す(S13
0,S140)。糸3は、こうして気流によって形成さ
れた経路を通って下方へ搬送されていく。
【0093】そして、糸屑バキューム装置290の位置
まで到達するに十分な長さだけ糸3を繰り出したところ
でモータ255を停止させる(S150)。このモータ
255の停止タイミングは、モータ255を何回転させ
たかで制御される。続いて、エアシリンダ247を排気
状態にして対応するクランパ240を糸保持位置に移動
してn番目の糸を保持する(S160)。そして、エア
バルブ732を開いて糸屑バキューム装置290による
糸吸引動作を開始すると共に、エアシリンダ263を駆
動してカッタ260に糸切り動作を実行させる(S17
0)。これによって、第1ガイドノズル230、クラン
パ240のロッドの貫通孔246及びスライドブロック
120の貫通孔126,127を通ったところで糸3が
切断される。
【0094】また、エアシリンダ254を排気状態とし
て従動側ローラ251を開き位置に戻すと共に、エアバ
ルブ731,732を閉じ、エアシリンダ263を逆方
向に駆動してカッタ260の刃261,262を開いて
これらを待機状態に戻す(S180)。そして、n=n
+1とnをインクリメントした上で(S190)、n>
24となるまでS40以下の処理を繰り返す(S20
0)。
【0095】一方、S20においてk=「1」〜「2
4」であったときは、n=kをセットし(S210)、
以下、S40〜S180と同様の糸準備動作をn=kに
ついてだけ実行する(S220)。次に、刺繍開始スイ
ッチ722が押下された場合について説明する。刺繍開
始スイッチ722は、上述の様な糸準備が行われてから
押下される。
【0096】刺繍開始スイッチ722が押下されると、
図19に示す手順でプログラムが実行される。まず、刺
繍実行のためのデータが読み出され(S310)、縫い
始めのカラーコードに基づいて何番目の糸で刺繍を開始
する様になっているかを特定する(S320)。
【0097】そして、特定された糸の番号をnにセット
し(S330)、続いてS10で説明したと同様の初期
化及びS40〜S80と同様の処理を実行する(S34
0)。この後で、エアシリンダ254を駆動して糸送り
ローラ250で糸を挟む(S350)。そして、エアバ
ルブ731を開放すると共に、モータ255を駆動して
糸送りローラ250によって一定速度で糸3を繰り出す
(S360)。糸3は、気流によって形成された経路を
通って下方へ搬送され、準備位置にある糸取りバネ50
1の糸取り部501aを通り、ガイド爪621、天秤6
10、ガイド爪622に通されながら針孔630aに通
される。
【0098】そして、糸3の先端が針孔630aよりも
先に所定量抜け出した位置にちょうど到達する長さだけ
糸3を繰り出したところでモータ255を停止させる
(S370)。このモータ255の停止タイミングは、
モータ255を何回転させたかで制御される。そして、
念のため、糸検出センサ475がオンになったか否かを
確認する(S380)。オンになっていないときは、エ
ラーと判断して、可動板開放動作、クランプ動作及び糸
切り動作を実行する(S390〜S415)。なお、ク
ランプ動作及び糸切り動作は、S160,S170とし
て説明したのと同じ動作である。また、可動板開放動作
としては、エアシリンダ454,485を駆動して可動
板451,482をそれぞれ開き位置に戻し、モータ4
64を駆動して第3の糸通し部460を図13に一点鎖
線で示す位置へ回動させる処理を実行し、さらにミシン
モータ740を駆動して天秤610を上昇位置に移動さ
せるものである。そして、再びS340以下の処理を繰
り返す。
【0099】こうして糸3を通し終えたら、エアバルブ
731を閉じ(S420)、エアシリンダ454,48
5を駆動して可動板451,482を固定板441,4
81から離し、モータ464を駆動して第3の糸通し部
460を図13に一点鎖線で示す位置へ回動させ、ミシ
ンヘッド部分における糸道を解除する(S430)。そ
して、ミシンモータ740を駆動して天秤610を上方
へ振り上げる(S440)。また、エアシリンダ390
を駆動して糸調子装置300を、図9(b)の様に糸を
屈曲状態で引っかけた刺繍実行用の定位置に移動させる
と共に、エアシリンダ580を駆動して、糸取りバネ装
置500を図16(f)を同じく糸を屈曲状態で引っか
けた刺繍実行用の定位置に移動させる(S450,S4
60)。
【0100】次に、糸の番号に応じて糸調子装置300
における糸調子圧テーブルを検索する(S470)。こ
のテーブルは、マイクロコンピュータ710のバックア
ップRAM内に記憶されている。そして、この糸ごとの
糸調子圧に基づいて、ポテンショメータ350の出力を
確認しながらモータ330を駆動して糸調子装置300
における糸調子圧を適切な値に調整する動作を実行する
(S480)。この糸調子圧テーブルは、後述するテー
ブル設定処理によって数値が設定され記憶される。
【0101】こうして、糸調子圧の調整までが済んだ
ら、刺繍データに従って刺繍を実行し(S490)、デ
ータ中に、糸交換を指定するカラーコードが出現したら
(S500)、当該カラーコードで指定された糸の番号
をnにセットし(S510)、S340以下の処理を実
行する。また、カラーコードが現れなくても糸切れが検
出されたときは、S340以下の処理を実行する(S5
20)。こうして、データエンドまで刺繍を実行する
(S530)。
【0102】次に、糸調子圧テーブルの設定方法につい
て説明する。この糸調子テーブルは、デフォルト値とし
て、1番から24番の各糸に対して所定の圧力値が設定
されている。しかし、糸はそのつど種々の性質のものが
セットされるので、デフォルト値では圧力が強すぎたり
弱すぎたりする。そこで、調整ネジ306を用いて刺繍
の前あるいは刺繍の最中に糸調子装置300の圧力を調
整する。そして、圧力調整後に糸調子圧設定スイッチ7
24を押下すると、図20に示す様に、まず、現在糸通
しされている糸の番号nを読み出す(S610)。ま
た、現在のポテンショメータ350の出力値Qを読み込
み(S620)、n番の糸に対する圧力設定条件として
このポテンショメータ出力Qをテーブルの該当箇所に書
き込んでテーブルの更新を行う(S630)。こうし
て、現在セットされている糸に対して最適な糸調子圧の
関係を設定したテーブルを必要に応じて作成することが
できる。
【0103】以上説明した様に、本実施例によれば、糸
巻2をチーズケース210内にセットしたら、後は自動
的に糸の準備から糸通しまでをシステム側で実行してく
れる。従って、刺繍のための準備作業が大幅に低減され
る。ミシンの頭数が増えれば増えるほど、その準備は大
変になるのであるが、本実施例のシステムではこれを解
消してくれる。
【0104】また、糸調子装置300の糸調子圧を、予
め作成したテーブルから読み出して、糸ごとに最適な値
となるように自動的に設定できるので、仕上がりのより
美しい多色縫いの刺繍を容易に実現することができる。
さらに、糸取りバネ501を糸準備状態と糸掛け状態と
で位置を移動させ、糸通しの際に、糸の通り道を単純化
することができるので、糸通しの失敗をなくし、成功率
を大幅に向上することができる。
【0105】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明はその要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種
々なる態様にて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の刺繍ミシンの糸準備及び糸通しの自
動化装置の全体構成を示し、(a)は正面方向から見た
模式図、(b)はミシンヘッドの前方から見た一部の模
式図である。
【図2】 実施例におけるチーズケース及びその部品を
示し、(a)は全体の拡大断面図、(b)は支柱部材の
平面図である。
【図3】 実施例における糸準備装置を正面方向から見
た一部断面図である。
【図4】 実施例における糸準備装置をミシンヘッドの
前方から見た一部断面図である。
【図5】 実施例における第1ガイドノズル及びクラン
パの部分を正面方向から見た拡大断面図である。
【図6】 実施例における送りローラ、カッタ、第2ガ
イドノズル及び糸検出センサの部分を正面方向から見た
拡大断面図である。
【図7】 実施例における第3ガイドノズル、糸調子装
置、及び第4ガイドノズルの部分を正面方向から見たの
拡大断面図である。
【図8】 実施例における第3ガイドノズル、糸調子装
置、及び第4ガイドノズルの部分をミシンヘッドの前方
から見たの拡大断面図である。
【図9】 実施例における糸調子装置の動作を示す説明
図である。
【図10】 図1(a)の一部拡大図である。
【図11】 図1(b)の拡大図である。
【図12】 実施例における第2の糸通し装置の動作を
示す説明図である。
【図13】 実施例における第3の糸通し装置の動作を
示す説明図である。
【図14】 実施例における糸調子装置及びその部品を
示し、(a)は正面方向から見た一部断面図、(b)は
糸調子皿支軸の説明図、(c)は押え金具の平面形状を
示す平面図である。
【図15】 実施例における糸取りバネ装置の部品を示
し、(a)は支持部材の正面図、(b)は支持部材の右
側面図、(c)は支持部材の底面図、(d)はレバー部
材の正面図、(e)はレバー部材の右側面図、(f)は
カム部材の正面図、(g)はカム部材の右側面図であ
る。
【図16】 実施例における糸取りバネ装置の動作を示
す説明図である。
【図17】 実施例における制御系のブロック図であ
る。
【図18】 実施例における糸準備プログラムのフロー
チャートである。
【図19】 実施例における刺繍実行プログラムのフロ
ーチャートである。
【図20】 実施例における糸調子圧設定プログラムの
フローチャートである。
【符号の説明】
1・・・ミシンヘッド、2・・・糸巻、3・・・糸、1
00・・・糸準備装置、110・・・ベースフレーム、
120・・・スライドブロック、130・・・機器取付
ブロック、141・・・モータ、151・・・エアシリ
ンダ、152・・・エア供給ヘッド、210・・・チー
ズケース、214・・・支柱部材、220・・・搬送チ
ューブ、230・・・第1ガイドノズル、240・・・
クランパ、247・・・エアシリンダ、250・・・糸
送りローラ、254・・・エアシリンダ、255・・・
モータ、260・・・カッタ、263・・・エアシリン
ダ、272・・・第2ガイドノズル、273・・・第3
ガイドノズル、274・・・第4ガイドノズル、280
・・・糸検出センサ、290・・・糸屑バキューム装
置、300・・・糸調子装置、302・・・糸調子皿、
304・・・皿押えバネ、306・・・調整ネジ、30
8,309・・・ガイドピン、330・・・モータ、3
50・・・ポテンショメータ、390・・・エアシリン
ダ、400・・・糸通し装置、420・・・第1の糸通
し部、422・・・第5ガイドノズル、440・・・第
2の糸通し部、441・・・固定板、444・・・半円
形溝、451・・・可動板、454・・・エアシリン
ダ、460・・・第3の糸通し部、463・・・扇型ギ
ヤ、464・・・モータ、465・・・ギヤ、475・
・・糸検出センサ、480・・・連絡部、481・・・
固定板、482・・・可動板、483・・・半円形溝、
485・・・エアシリンダ、490・・・糸屑バキュー
ム装置、500・・・糸取りバネ装置、501・・・糸
取りバネ、503,504・・・ガイドピン、510・
・・支持部材、550・・・ギヤ、560・・・扇型ギ
ヤ、563・・・係合ピン、580・・・エアシリン
ダ、610・・・天秤、621,622・・・ガイド
爪、630・・・針、700・・・制御部、710・・
・マイクロコンピュータ、720・・・操作パネル、7
21・・・糸準備スイッチ、722・・・刺繍開始スイ
ッチ、723・・・テンキー、724・・・糸調子圧設
定スイッチ、731,732・・・エアバルブ、740
・・・ミシンモータ、750・・・糸切れセンサ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天秤、ガイド爪等に糸を自動的に通す自
    動糸通し装置により形成される糸道の入り口の上方に配
    置されるミシンの糸準備装置であって、 複数個の糸巻を保持し得る糸巻保持手段と、 該糸巻保持手段に保持される各糸巻の近くから延ばされ
    る複数本の搬送チューブと、 該複数本の搬送チューブの先端が接続され、いずれかの
    搬送チューブの先端を前記自動糸通し装置により形成さ
    れる糸道に対応する位置に移動させることにより糸巻を
    選択する糸巻選択手段と、 前記搬送チューブ内に、前記糸巻保持手段から糸巻選択
    手段へ向かう気流を形成する気流形成手段とを備えたこ
    とを特徴とするミシンの糸準備装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のミシンの糸準備装置にお
    いて、 前記搬送チューブは、前記糸巻保持手段の有する糸巻支
    持用の心棒の下端から延ばされ、 該糸巻支持用の心棒は、上端を漏斗状に開いた軸方向貫
    通孔を有することを特徴とするミシンの糸準備装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のミシンの糸準備装
    置において、 前記糸巻選択手段の下方に配置される切断手段と、 該切断手段の下方に配置される糸検出センサとを備えた
    ことを特徴とするミシンの糸準備装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のミシンの糸準備装置にお
    いて、 前記切断手段の下方に該切断手段で切断された糸の糸屑
    を除去する糸屑除去装置を備えたことを特徴とするミシ
    ンの糸準備装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載のミシンの
    糸準備装置において、 前記気流形成手段が、前記搬送チューブの孔と一致する
    垂直孔と、該垂直孔に対して斜め上方から連続する斜め
    孔とを有して前記搬送チューブの先端に連結されるガイ
    ドノズルを備え、 該ガイドノズルの前記斜め孔にエアを吹き込むことによ
    って前記気流を形成する手段として構成されていること
    を特徴とするミシンの糸準備装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載のミシンの
    糸準備装置において、 前記糸巻選択手段と前記自動糸通し装置との間に、 垂直孔と、該垂直孔に対して斜め上方から連続する斜め
    孔とを有するガイドノズルを取り付け、 該ガイドノズルの前記斜め孔にエアを吹き込むことによ
    って前記糸巻選択手段と前記自動糸通し装置との間を結
    ぶ気流による糸搬送路を形成する手段をも備えることを
    特徴とするミシンの糸準備装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載のミシンの
    糸準備装置において、 前記糸巻選択手段と前記自動糸通し装置との間に、糸を
    挟んで下方へ送る送りローラを配置したことを特徴とす
    るミシンの糸準備装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載のミシンの
    糸準備装置において、 前記糸巻選択手段と前記自動糸通し装置との間に、糸調
    子皿を開閉可能な糸調子装置を配置し、 前記糸巻選択手段の選択した糸巻の糸を用いて前記自動
    糸通し装置による糸通しを実行する際に、前記糸調子皿
    の開閉動作を実行して新たな糸を糸調子皿間に挟ませる
    糸調子皿開閉手段を備えたことを特徴とするミシンの糸
    準備装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のミシンの糸準備装置にお
    いて、 前記糸調子装置を横方向に移動可能に構成すると共に、 前記糸調子皿開閉手段が糸調子皿を開く際に前記糸調子
    装置を横方向に逃がし、該糸調子皿開閉手段が糸調子皿
    を閉じる際に前記糸調子装置を元の位置に復帰させる糸
    調子装置待避手段をも備えたことを特徴とするミシンの
    糸準備装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか記載のミシン
    の糸準備装置において、 前記糸巻選択手段が、 複数本の糸道を有し、横方向にスライドするスライドブ
    ロックと、 前記スライドブロックを駆動して、スライドブロックの
    いずれかの糸道を、前記自動糸通し装置により形成され
    る糸道の入口の直上に一致させるアクチュエータと、 該アクチュエータに対して駆動指令を出力する指令手段
    とにより構成されていることを備えたことを特徴とする
    ミシンの糸準備装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか記載のミシ
    ンの糸準備装置を備え、 前記自動糸通し装置として、 天秤、ガイド爪等の近傍に配置される固定板、 該固定板に対して接触・離間可能に配置される可動板、 これら固定板及び可動板の接触面に形成され、前記糸準
    備装置から送られてくる糸を天秤、ガイド爪等に通しな
    がら搬送するための天秤部用の糸道形成溝、 該天秤部用の糸道形成溝内で糸を糸通し方向に送るため
    の気流を形成する天秤部糸通し用気流形成手段、 及び前記可動板を、固定板に接触する位置と離間する位
    置との間で移動させる可動板移動手段を備えた天秤部糸
    通し手段と、 針を横方向から受け入れる受け入れ口を有すると共に、
    該針の受け入れ口の両側に一直線に並ぶ糸道を有する針
    孔部糸道形成手段、 該針孔部糸道形成手段によって形成される糸道内で糸を
    糸通し方向に送るための気流を形成する針孔部糸通し用
    気流形成手段、 及び前記針孔部糸道形成手段を針を受け入れた糸通し位
    置と針から逃げた待避位置との間で移動させる針孔部糸
    道移動手段を備えた針孔部糸通し手段と、 前記天秤部糸通し手段と針孔部糸通し手段との間に配置
    され、固定板、可動板、これら固定板と可動板の接触面
    に形成される連絡用の糸道形成用溝、前記可動板の移動
    手段、該連絡用の糸道形成用溝内で糸を糸通し方向に送
    るための気流を形成する連絡用気流形成手段を備え、前
    記天秤部糸通し手段の糸道から繰り出される糸を前記針
    孔部糸通し手段の糸道へと受け渡す糸受け渡し手段とを
    備えることを特徴とする自動糸通しミシン。
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