【発明の詳細な説明】
バソプレッシン・アンタゴニストとしての二環式ベンズアゼピン誘導体
1.発明の分野
本発明は、新規の二環式の非-ペプチド性バソプレッシン・アンタゴニストに
関し、これは、鬱血性心不全、過剰な腎水再吸収に関連する疾病状態、および脈
管抵抗性の上昇および冠動脈血管狭窄の関する状態におけるごとき、バソプレッ
シンレベルを低下させることが望ましい症状を治療するのに有用である。
2.発明の背景
バソプレッシンは、脳浸透圧受容体によって検出される血漿浸透圧濃度の上昇
、または低圧容量受容体および動脈圧受容体によって感知される血容積および血
圧の低下のいずれかに応答して視床体後葉から放出される。該ホルモンは、2の
よく定義付けされた受容体サブタイプ:脈管V1および腎臓上皮V2受容体、を介
してその作用を及ぼす。腎上皮V2受容体によって媒介されるバソプレッシン誘
導性の抗利尿は、正常血漿浸透圧、血液容積および血圧の維持を援助する。
バソプレッシンは末梢抵抗性が上昇する鬱血性心不全のある種のケースに関与
している。V1アンタゴニストは、全身性の脈管抵抗性を低下し、心産量(cardia
coutput)を上昇し、バソプレッシン誘導性の冠動脈血管狭窄を予防し得る。した
がって、合計末梢抵抗性および変化した局所血流における上昇に関連する症状に
おいては、V1-アンタゴニストが治療剤となり得る。V1アンタゴニストは血圧
を低下することができ、誘導された低血圧効果が作用し、したがって、ある種の
タイプの高血圧症の治療において治療上有用となり得る。
V2受容体の遮断は、自由水の過剰な腎臓再吸収によって特徴付けられる疾病
を治療するのに有用である。抗利尿は腎臓採取管細胞上の特異的受容体に結合す
バソプレッシン(抗利尿ホルモン)の視床放出によって調節される。この結合は、
アデニリルシクラーゼを刺激し、この細胞の内腔表面への水孔のcAMP-媒介
取り込みを促進する。V2アンタゴニストは、鬱血性心不全、肝硬変、腎炎症候
群、中枢神経系障害、肺の疾病および低ナトリウム血症における流体貯溜を改善
する。
バソプレッシンレベルの上昇は、慢性心不全を患う高齢患者においてより一般
的である鬱血性心不全で生じる。低ナトリウム血症性の鬱血性心不全を患い、か
つバソプレッシンレベルが上昇した患者においては、V2アンタゴニストが抗利
尿ホルモンの作用に拮抗することによって自由水排出を促進することにおいて有
利となり得る。該ホルモンの生化学および薬理学的効果を基礎として、バソプレ
ッシンのアンタゴニストは高血圧、心機能不全、冠動脈血管痙攣、心虚血、腎臓
血管痙攣、肝硬変、鬱血性心不全、腎炎症候群、脳水腫、脳虚血、脳出血性-発
作、血栓症-出血および水貯溜の異常状態の治療および/または予防に治療上有
用であると予想される。
以下の従来技術の参照は、ペプチド性バソプレッシン・アンタゴニストを記載
している:M.Manningら、J.Med.Chem.,35,382(1992);M.Manningら、
J.Med.Chem.,35,3895(1992);H.GavrasおよびB.Lammek、米国特許第5,
070,187号(1991);M.ManningおよびW.H.Sawyer、米国特許第5,055,448号(1
991);F.E.Ali、米国特許第4,766,108号(1988);R.R.Ruffoloら、Drug
News and Perspective,4(4),217(1991年5月)。P.D.Williamsらは活性な
ヘキサペプチドオキシトシン(oxytocin)アンタゴニストを報告しており[J.Med.
Chem.,35,3905(1992)]、これもV1およびV2受容体への結合において弱いバ
ソプレッシン・アンタゴニスト活性を示す。ペプチド性バソプレッシン・アンタ
ゴニストは経口活性の不足に苦しみ、これらのペプチドの多くは、部分的なアゴ
ニスト活性も示すため選択的なアンタゴニストではない。
非-ペプチド性のバソプレッシン・アンタゴニストが最近開示された(Y.Yama
muraら、Science,252,579(1991);Y.Yamamuraら、Br.J.Pharmacol.,105,7
87(1992);Ogawaら、(大塚製薬(株))欧州特許0514667-A1号;JP-04154765-A号;
欧州特許382185-A2号;WO 9105549号および米国特許第5,258,510号;WO 9404525
号;山之内製薬(株)WO 9420473号;WO 9412476号;WO 9414796号;藤沢
製薬工業(株)EP 620216-A1号)。Ogawaら(大塚製薬(株)EP 470514A号は、カルボ
スチリル誘導体および同物を含有する医薬組成物を開示している。非-ペプチド
性のオキシトシン(oxytocin)およびバソプレッシン・アンタゴニストは、Merck
and Co.社;M.G.BockおよびP.D.Williams、EP 0533242A号;M.G.Boc
kら、EP 0533244A号;J.M.Erb、D.F.Verber、P.D.Williams、EP 053324
0A号;K.Gilbertら、EP 0533243A号によって開示されている。
早産は新生児の健康問題および死を引き起こし得、出産機構の鍵メディエータ
ーはペプチド性ホルモンオキシトシンである。オキシトシンの薬理学的作用に基
づき、このホルモンのアンタゴニストは、早期出産の予防に有用である(出典明
示して本明細書の一部とみなすB.E.Evansら、J.Med.Chem.,35,3919(1992
)、J.Med.Chem.,36,3993(1993))。本発明の化合物は、ペプチド性ホルモン
オキシトシンのアンタゴニストであり、早産の制御に有用である。
本発明は、V1および/またはV2受容体でアンタゴニスト活性を示し、イン・
ビボでバソプレッシン・アンタゴニスト活性を示す新規の三環式誘導体に関する
。該化合物は、オキシトシン受容体においてもアンタゴニスト活性を示す。
発明の概要
本発明は、一般式I:
{式中、E-Yは基-CH=CH-、
-CH2-CH2-から選択され、Yが-CH2-である場合、Eは基:
-CHOH、-CHO-低級アルキル(C1-C6)、-CH-S-低級アルキル(C1-C6)
、-CHNH2、-CHN-低級アルキル(C1-C6)、-C[N-低級アルキル(C1-C6
)]2、
-CHOCO-低級アルキル(C1-C6)、-CHNH(CH2)mNH2;-CHNH(C
H2)m-NH-低級アルキル(C1-C6)、-CHNH(CH2)m-N[低級アルキル(C1-
C6)]2;-CHNH(CH2)m-S-低級アルキル(C1-C6)、-CHNH(CH2)m-O
-低級アルキル(C1-C6)、
S、O、-NH、-N-低級アルキル(C1-C6)、-NCO-低級アルキル(C1-C6)
から選択され、mは2〜6の整数であり;
基:
は:(1)所望により、(C1-C3)低級アルキル、ハロゲン、アミノ、(C1-C3)低
級アルコキシまたは(C1-C3)低級アルキルアミノから選択される1または2の
置換基によって置換されていてもよい、2の窒素原子を含む縮合不飽和6-員複
素芳香族環;(2)O、NまたはSから選択される1のヘテロ原子を有する縮合5
-員芳香族(不飽和)複素環;(3)2の窒素原子を有する5-員芳香族(不飽和)複素
環;(4)1の酸素または1の硫黄原子のいずれかと一緒の1の窒素原子を有する
5-員芳香族(不飽和)複素環を表し;ここに、該5または6-員の複素環は、所望
により(C1-C3)低級アルキル、ハロゲンまたは(C1-C3)低級アルコキシによっ
て置換されていてもよく;
R3は-COArであり、ここにArは:
[式中、XはO、S、-NH、-NCH3および-NCOCH3から選択され;
R4は水素、低級アルキル(C1-C3)、-CO-低級アルキル(C1-C3)、
(式中、R1およびR2は水素、(C1-C3)低級アルキル、(C1-C3)低級アルコキ
シおよびハロゲンから選択される)
-SO2-低級アルキル(C1-C3)から選択され;
R5は水素、(C1-C3)低級アルキル、(C1-C3)低級アルコキシおよびハロゲ
ンから選択され;
R6は
(a)式:
(式中、シクロアルキルは、(C3-C6)シクロアルキル、シクロヘキセニルまたは
シクロペンテニルと規定され;Raは独立して水素、-CH3または-C2H5、
-(CH2)q-O-低級アルキル(C1-C3)、-CH2CH2OHから選択され、ここに
qは1、2または3であり、Rbは独立して水素、-CH3または-C2H5から選択
される)
で示される基;
(b)式:
(式中、JはRa、分岐または非分岐の低級アルキル(C3-C8)、分岐または非分
岐の低級アルケニル(C3-C8)、分岐または非分岐のO-低級アルキル(C3-C8)
、分岐または非分岐の-O-低級アルケニル(C3-C8)、テトラヒドロフラン、テ
トラヒドロチオフェン、および基:
または-CH2-K'(ここに、K'は(C1-C3)-低級アルコキシ、ハロゲン、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンまたは複素環基:
(式中、D、E、FおよびGは炭素または窒素から選択され、該炭素原子は、所
望によりハロゲン、(C1-C3)低級アルキル、ヒドロキシ、-CO-低級アルキル(
C1-C3)、CHO、(C1-C3)低級アルコキシ、-CO2-低級アルキル(C1-C3)
で置換されていてもよい))、RaおよびRbは前記定義に同じ)
で示される基;
(c)式:
(式中、RaおよびRbは前記定義に同じで、Rcはハロゲン、(C1-C3)低級アル
キル、-O-低級アルキル(C1-C3)、OH、
から選択される)
で示される基;
(d)式:
-M-Rd
(式中、Rdは低級アルキル(C3-C8)、低級アルケニル(C3-C8)、または-(CH2
)p-シクロアルキル(C3-C6)であり、MがO、S、NH、NCH3である場合、
基-M-Rd中のRdは基:
(式中、pは0〜4であり、R1、R2およびRaは前記定義に同じ)から選択され
、Mは結合またはO、S、NH、NCH3から選択される)
で示される基から選択され;
Ar'は式:
(式中、W'はO、S、NH、N-低級アルキル(C1-C3)、NHCO-低級アルキ
ル(C1-C3)、およびNSO2低級アルキル(C1-C3)から選択される)で示され
る基であり;
R7は水素、低級アルキル(C1-C3)、ハロゲン、O-低級アルキル(C1-C3)お
よびCF3から選択され;
R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル(C1-C3)、-S-低級アルキ
ル(C1-C3)、ハロゲン、-NH-低級アルキル(C1-C3)、-N-[低級アルキル(C1
-C3)]2、-OCF3、-OH、-CN、-S-CF3、-NO2、-NH2、O-低級アル
キル(C1-C3)、NHCO低級アルキル(C1-C3)、-O-CO-低級アルキル(C1-
C3)、-N(Rb)(CH2)qN(Rb)2およびCF3から選択され;
R10は水素、ハロゲンおよび低級アルキル(C1-C3)から選択され]から選択さ
れる基である}
で示されるものから選択される新規な化合物およびその医薬上許容される塩に関
する。
発明の詳細な説明
式Iによって規定される化合物群の中では、化合物のある種のサブグループが
広く好ましい。広く好ましいのは、
R3が基:
[式中、Arは基:
(式中、Ra、Rb、R1、R2、R5、R6およびR7は前記定義に同じ)から選択
される]
である化合物である。
特に好ましいのは、R3が基:
[式中、Arは基:
(式中、R6は
(式中、シクロアルキルはC3ないしC6のシクロアルキル、シクロヘキセニルま
たはシクロペンテニルと規定され;
Ra、Rb、R1、R2、R5、R6、R7は前記定義に同じである)であり;
Ar'は基:
(式中、R8、R9およびW'は前記定義に同じ)から選択され)から選択される]で
ある化合物である。
また特に好ましいのは、YがCH2であって、式I中のEが-CH2、-CHOH
、-CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3)、-CHN[低級アルキル(C1
-C3)]2および-CHO-低級アルキル(C1-C3)であり;
Ra、Rb、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8およびR9が前記定義に同じ
である化合物である。
式Iで示される最も好ましい化合物は、YがCH2であって、Eが-CH2、-C
HOH、-CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3)、-CHN[低級アルキ
ル(C1-C3)]2および-CHO低級アルキル(C1-C3)であり;
R3が基:
であり;
Arが基:
から選択され;
R6が
(CH2)n-シクロアルキルであり、ここにシクロアルキルは(C3-C6)シクロアル
キル、シクロヘキセニルまたはシクロペンテニルと規定され;Ra、Rb、R1、
R2、R5、R7は前記定義に同じであり;
Ar'が基:
(式中、R8およびR9は前記定義に同じ)
であるものである。
最も非常に広く好ましい式Iで示される化合物は、YがCH2であって、Eが-
CH2、-CHOH、-CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3)、-CHN[
低級アルキル(C1-C3)]2および-CHO-低級アルキル(C1-C3)であり;
基:
が、縮合した非置換または置換のチオフェン、フラン、ピロール、ピラゾールま
たはピリジン環であり;Ra、Rb、R1、R2、R4、R5、R7、R8およびR9が
前記定義に同じであり;
R3が基:
であり、
Arが:
であり、R6が基:
[式中、Ar'は基:
から選択され
W'およびシクロアルキルは前記定義に同じ]
であるものである。
なお特に好ましいのは、式:
[式中、Eは-CH2、-CHOH、-CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3
)、-CHN[低級アルキル(C1-C3)]2および-CHO低級アルキル(C1-C3)から
選択され;
R3は基:
(式中、Arは基:
(式中、R6は
であり、Ar'は基:
(式中、Ra、Rb、R1、R2、R5、R7、R8、R9、シクロアルキルおよびW'
は前記定義に同じ)から選択され)から選択される]
で示される化合物である。
また、特に好ましいのは、式:
[式中、Eは-CH2、-CHOH、-CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3
)、-CHN[低級アルキル(C1-C3)]2および-CHO低級アルキル(C1-C3)から
選択され;
R3は基:
(式中、Arは基:
(式中、R6は
(式中、Ar'は基:
(式中、Ra、Rb、R1、R2、R5、R6、R8、R9、シクロアルキルおよびW'
は前記定義に同じ)
から選択され)であり)から選択され)である]
である化合物である。
より特に好ましいのは、式:
[式中、Eは-CH2、-CHOH、-CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3
)、-CHN[低級アルキル(C1-C3)]2および-CHO低級アルキル(C1-C3)から
選択され;
R3は基:
(式中、Arは基:
(式中、R6は
(式中、Raは、独立して、水素または-CH3から選択され;
Ar'は基:
(式中、R1、R2、R5、R7、R8、R9およびW'は前記定義に同じである)か
ら選択され)であり)であり)である]
で示される化合物である。
また、特に好ましいのは、式:
[式中、Eは-CH2、-CHOH、CHNH2、-CHNH-低級アルキル(C1-C3)
、-CHN[低級アルキル(C1-C3)]2および-CHO低級アルキル(C1-C3)から
選択され;
R3は基:
(式中、Arは基:
(式中、R6は
(式中、Raは、独立して、水素、-CH3または-C2H5から選択され、Ar'は基
:
(式中、R1、R2、R5、R7、R8およびR9は前記定義に同じ)から選択され)
であり)から選択され)であり)から選択され)である]
で示される化合物である。
本発明の化合物は、式3のアゼピン誘導体と置換または非置換塩化4-ニトロ-
ベンゾイル4aまたは置換もしくは非置換塩化6-ニトロニコチノイル4bとの
反応によって中間体5aおよび5bを得る反応図式Iに示すごとく調製し得る。
中間体5中のニトロ基を還元して、4-アミノベンゾイル誘導体6aおよび6-ア
ミノ-ニコチノイル誘導体6bを得る。中間体5中のニトロ基の還元は、接触還
元条件下(水素-Pd/C;Pd/C-ヒドラジン-エタノール)または化学還元条
件(SnCl2-エタノール;Zn-酢酸TiCl3)およびニトロ基をアミノ基に変
換するための当該分野で公知の関連還元条件下で行うことができる。ニトロ基か
らアミノ基への変換の条件は、分子中の他の官能基の保存に関する和合性を基礎
として選択する。
トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンなどのご
とき第三級塩基存在下、クロロホルム、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、トルエンなどのごとき溶媒中にて、式6の化合物と塩化アロイルま
たは関連する活性化アリールカルボン酸との反応により、化合物8バソプレッシ
ン・アンタゴニストを得る。
式6の二環式誘導体と、カルバモイル誘導体9またはイソシアンート誘導体1 0
のいずれかとの反応により、式11の化合物(反応図式2)を得、これは式中、
R6が
である式Iのバソプレッシン・アンタゴニストである。
式6の二環式誘導体とアリール酢酸とを反応させ、酸塩化物12として活性化
し、無水和物化し、無水物を混合するか、または公知の活性化試薬で活性化して
化合物13を得る(反応図式3)。
式中のE、Y、R1、R2、R3およびR4が前記定義に同じであって、R3のア
リール(-COAr)が
である式Iの化合物は、インドール-5-カルボン酸14の活性化エステルと二環
式誘導体3aおよび3bとを反応させることによって、反応図式4に示すごとく
調製し得る。インドール-5-カルボン酸14は、無水和物を調製し、無水和物を
混合するか、またはシアノホスホン酸ジエチル、N,N-カルボニルジイミダゾー
ルまたは関連するペプチドカップリング試薬と反応させることによって活性化し
得る。例として、誘導体15は、テトラヒドロフラン中において酸14およびN
,N-カルボニルジイミダゾールを反応させ;溶媒を除去し、その誘導体を溶媒な
しに100℃〜120℃にて3と反応させることによって調製し得る。別法とし
て、トルエンまたはキシレンのごとき溶媒中、還流温度にて3を15と反応させ
ることもできる。インドール酸14用の活性化試薬は、R4基とのその和合性、
およびアゼピン誘導体3とのその反応性に基づいて選択し、バソプレッシン・ア
ンタゴニスト16を得る。
E、Y、R1、R2、R3、R5およびR7が前記定義に同じであって、R3(-CO
Ar)アリール基が
[式中、R6は-M-Rd、ここにMはO、S、NH、N-CH3であり、Rdは前記
定義に同じ]
である式Iの化合物は、最初にアゼピン誘導体3を中間体17に変換し、ついで
、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのごとき非-求核性塩基の存在下にて、こ
れらのニコチノリル中間体と式:HM-Rdの誘導体とを反応させて生成物18を
得る:ことによって反応図式5に示すごとく調製し得る。最良の結果は、ハロゲ
ン原子がフルオロ基である場合のニコチノリル中間体17中のハロゲンの置換に
おいて得られる。求核性アミン(M=NH、NCH3)については、(1)非-求核性
塩基不存在下;(2)非-求核性溶媒中;または(3)過剰量のアミンおよび溶媒な
しで、6-クロロ、ブロモまたはフルオロ誘導体17と反応を行うことができる
。誘導体HORdについては、6−フルオロ誘導体17を18に満足して変換す
るために17が必要である。
別法として、生成物18は、最初に、式19の誘導体を形成し、ついでこれら
の誘導体とアゼピン化合物3とをカップリングさせる(反応図式6)ことによって
調製することができる。カルボン酸中間体は、ペプチドカップリング試薬と反応
させ、酸塩化物、無水和物または混合無水和物に変換させることによってアゼピ
ン化合物3へカップリングさせるために活性化する。
式I(式中、Ra、Rb、R1、R2、R5、R7、A、EおよびYは前記定義に同
じであり、R3は
である)に示す本発明の化合物の合成の別法は、アリールカルボン酸20をアゼ
ピン誘導体3でカップリングすることである(反応図式7)。
アリールカルボン酸は、酸塩化物、臭化物または無水和物に変換することによ
ってか、または最初にN,N-ジシクロカルボジイミド、シアノホスホン酸ジエチ
ルおよび関連する「ペプチド型」活性化試薬のごとき活性化試薬と反応させるこ
と
によってカップリング用に活性化する。カップリング用に酸20をアゼピン誘導
体3に活性化する方法は、分子中の他の置換基との和合性に基づいて選択する。
選択の方法は、アリールカルボン酸20の対応する塩化アロイルへの変換である
。アリール酸塩化物21は、塩化チオニル、塩化オキサリルなどとの反応のごと
き、当該分野で公知である標準的手法によって調製し得る。カップリング反応は
、ピリジンまたはトリエチルアミンなどのごとき第三級塩基存在下、ハロゲン化
炭化水素、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサンのごとき溶媒
中で行う(反応図式7)。別法として、アリールカルボン酸20から調製した塩化
アロイルは、4-(ジメチルアミノ)ピリジンを含むか、またはそれを含まないピ
リジン中の誘導体3と反応させて誘導体22を得ることができる。
一般的に、アリールカルボン酸をN,N-カルボニルジイミダゾールおよび他の
「ペプチド型」活性化試薬で活性化する場合、塩化アロイルを用いる場合よりも
高温が要求される。該反応は、より高温にて溶媒キシレンを沸騰させてか、また
は溶媒なしに行うことができる(100℃〜150℃)。
塩化チオニルまたは塩化オキサリルで酸塩化物に変換することによってアリー
ルカルボン酸を活性化することが好ましい。なぜならば、より反応性の高い塩化
アリールにより、より良好な収量の生成物が得られるからである。選択した例の
合成を反応図式7で説明する。
式Iの化合物
[式中、R3は
であり;
ここに、Ar基は
であり;
R6は
であって、
Ar'は前記定義に同じである]の合成は、反応図式8に従って行う。ジクロ
ロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエンなどのごとき溶媒中、ト
リエチルアミンのごとき第三級塩基存在下にて、アゼピン化合物を塩化モノ-メ
チルテレフタリル23(テレフタル酸モノ-メチルおよび塩化チオニルから調製)
と反応させて、誘導体24を得る。水性メタノールまたはエタノール中にて、こ
れらのエステル中間体24を2〜10当量の水酸化カリウムまたはナトリウムの
ごときアルカリ性水酸化物で水素分解し、酸性化し、仕上げ処理した後に、対応
する酸を得る。塩化チオニルで該遊離酸を酸塩化物に変換し、これらの酸塩化物
中間体25を式:
Ar'-NHRa
26
[式中、Ar'およびRaは前記定義に同じ]
のアミノアリール誘導体と反応させて、化合物27を得る。
本発明の化合物の調製に有用な化合物34および35のごとき特定のアゼピン
(Eがヘテロ原子、酸素、硫黄または窒素である)は反応図式9に従って合成でき
る。式28に例示するごとき、隣接窒素基を含有するハロゲン化複素環を、適当
な塩基存在下にて、α-置換プロピオン酸またはエステルと反応させて、中間体30
を得る。ニトロ基を還元し、閉環させてアゼピン32を得る。ラクタム32
を還元して、縮合複素環を含有するアゼピン33を得る。ついで、これらの中間
体33を適当な塩化アロイルまたは活性化アリールカルボン酸でアシル化して、
本発明の化合物を直接得るか、または前記のごとく発見された生成物に変換可能
な中間体を得る。反応図式9に従って合成できる代表例を、構造式34および3 5
によって図示する。
例示的に記載する、構造式45、46および47のごとき縮合複素環を有する
中間体アゼピンは、反応図式10に示すごとく調製することができる。
反応図式10に示すごとく、6-員環の7-員環ラクタムへの拡張を、ケトン誘
導体36とヒドロキシルアミンとの反応によって行い、多くの場合においては、
シンおよびアンチ形(構造37および38)の混合物として存在するオキシム誘導
体を得る。塩化4-メチルベンゼンスルホニルとの反応において、該オキシムの
混合物は、オキシムO-トシラートの混合物または、あるケースにおいては、単
一のO-トシラート39のいずれかを得る。(エタノール-水またはn-ブタノール
-水のごとき)アルコール-水混合液中にて、該オキシムO-トシラートと酢酸カリ
ウムを加熱して、7-員ラクタム誘導体41を得る。該ラクタムを水素化アルミ
ニウム二ホウ素、または水素化アルミニウムリチウム(LAH)で還元して、縮合
複素環アゼピン42を得る。該アゼピン42は、中間体43および44に変換す
ることができ、これらは新規な本発明の化合物の調製において有用である。前記
に陳述したごとく、式45-55によって示した構造形の複素環アゼピンは、反
応図式10に例示した方法またはアゼピンに閉環する文献方法によって調製でき
る。
式中Raが前記定義に同じであるある種の本発明の化合物は、反応図式11に
示す最終工程または最後から2番目の工程のいずれかにおけるRaの導入によっ
て調製する。誘導体56においては、Ra置換基(RaはHではない)の導入は、最
初に誘導体56のアミド官能基のアニオンを形成し、つづいて窒素原子を適当に
アルキル化して生成物57を得ることによって行うことができる。保護-脱保護
が必要である誘導体においては、誘導体56を保護中間体57aおよび57bに
変換し、これを脱保護して化合物57を得る。R21基は、第三級ブトキシカルボ
ニル基、アセチル基または他の公知のアミン保護基とすることができる。R22基
は、第三級ブチルカルボニル基、アセチル基または他の公知のヒドロキシ保護基
とすることができる。
式60によって表される本発明の化合物は、反応図式12に示す式59のもの
によって代表される化合物から調製し得る。6-クロロ、ブロモ、またはフルオ
ロ中間体17を式RaNH2(式中、Raは前記定義に同じ)のアミノ誘導体と反応
させて式59の化合物を得る。6-アミノニコチノイル誘導体59とR20-塩化物
(式中、R23は反応図式12に示す定義に同じ)とを反応させて、式60によって
例示される本発明の化合物を得る。
参照例1
6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オン,オキシム
エタノール260ml中の4-ケト-4,5,6,7-テトラヒドロ-チオナフテン
の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン27.4gを添加する。その混合物に、酢酸
ナトリウム16.5gおよび水66mlを添加し、ついでその混合物を3.5時間
還流し;氷浴中にて冷却し、濾過する。その固形物を水およびエタノールで洗浄
して、固形物13gを得、これを真空下、65℃にて乾燥させて結晶11.7g
を得る。融点124-126℃(主として、1の異性体シンまたはアンチ)。該
濾液を真空下にて濃縮し、ジクロロメタン250mlで抽出する。その抽出物を
水、ブライン各100mlで洗浄し、ついで乾燥(Na2SO4)する。溶媒を除
去し、固形物を真空下、65℃にて乾燥させて結晶32gを得る。融点106-
109℃(主として1の異性体シンまたはアンチ)。
参照例2
6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オン,オキシム-O-トシラート
0℃まで冷却した無水ピリジン26ml中の6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフ
ェン-4(5H)-オン,オキシム(異性体混合物)12.2gの撹拌溶液に、塩化p-
トルエンスルホニル15.3gを(一度に全部)添加する。5分後に、固形物が
分離し、その混合物を0℃にて1時間撹拌する。その冷却混合物に、2N HCl
195mlを添加し、その混合物を濾過して固形物を得、これを水で洗浄し、乾
燥(真空下にて)して、生成物21.5gを結晶として得る。融点117-120
℃
参照例3
5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-5-オン
6,7-ジヒドロベンゾ-[b]チオフェン-4(5H)-オン,オキシム-O-トシラー
ト21.45g、酢酸カリウム136.1g、エタノール528mlおよび水90
4mlの混合物を22時間還流する。その混合物を(エタノールを除去するため
に)真空下にて濃縮し、冷却し、濾過して固形物を得る。その固形物を水で洗浄
し、(風乾にて)乾燥し、熱酢酸エチル中に溶解し、その溶液をヘキサンで希釈
することによって再結晶化する。冷却し、濾過して結晶7.1gを得る。融点1
28-132℃。
参照例4
5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
(1)アルゴン下、乾燥テトラヒドロフラン400ml中の水素化アルミニウ
ムリチウム4.54gの混合物に、テトラヒドロフラン200ml中の5,6,7,
8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-5-オン10.0gの溶液を滴
下する。添加後に、その混合物を45−50℃(発熱反応)に加熱し、室温まで
冷却する。その混合物を氷浴(0℃)中にて冷却し、1時間にわたって水4.5
mlを滴下し、つづいて、2N水酸化ナトリウム4.5mlを滴下し、水14m
lを滴下する。その混合物を珪藻土を通して濾過し、その濾過ケーキをテトラヒ
ドロフランで洗浄する。その濾液を濃縮して固形物を得る。その固形物をヘキサ
ンから結晶化させて灰色がかった白色結晶5.5gを得る。融点66-68℃。
(2)アルゴン下、0℃に冷却したテトラヒドロフラン100ml中の5,6,
7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-5-オン21.2gの混合
物に、テトラヒドロフラン中のボラン-ジメチルスルフィドの10.0モル溶液2
5.2mlを添加する。その溶液を室温にて16時間撹拌し、5時間還流する。
その混合物を室温に冷却し、メタノール85mlを滴下する(発熱)。溶媒を除
去し、メタノール100mlを(2回)添加し、各添加後に溶媒を除去する。(
真空下にて乾燥した)残渣固形物に、2N NaOH126mlを添加し、その
混合物を3時間還流する。その混合物を冷却(2時間)し、ジクロロメタンで抽
出する。その抽出物を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を除去して茶色固形物15.4
gを得る。融点55-57℃。試料(3g)を昇華させて結晶2.6gを得る。融
点64-65℃。
参照例5
4-(4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]-
アゼピン
アルゴン下、ジクロロメタン150ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-
チエノ[3,2-b]アゼピン10.71gおよびトリエチルアミン19.4mlの
溶液に、塩化4-ニトロベンゾイルを少量づつ添加する(発熱)。その混合物を
25℃にて3時間撹拌し、ついで水、重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し
、乾燥(Na2SO4)する。その溶媒を除去し、その残渣を真空下にて乾燥し、
熱酢酸エチルに溶解し、ヘキサンで希釈することによって再結晶化する。一晩冷
却し、濾過して明茶色結晶16gを得る。融点141−142℃。
参照例6
4-(4-ニトロベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-8H-チエノ[3,2-b]-
アゼピン-8-オン
アセトン713ml中の4-(4−ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒド
ロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン9.0gの溶液に、MgSO46.74gおよ
び水351ml、つづいてKMnO48.2gを添加し、70℃にて18時間加熱
する。別のMgSO46.24gおよびKMnO48.2gを添加し、70℃の加熱
を8時間続ける。さらなるMgSO46.24gおよびKMnO48.2gを添加し
、70℃にて18時間加熱を続ける。その反応混合物を珪藻土を通して濾過し、
そのケーキをアセトンおよび塩化メチレン500mlで洗浄する。合した濾液を
真空下にて蒸発させて残渣とし、これを水で洗浄し、風乾させて固形物5.7g
を得る。その固形物を酢酸エチルから結晶化させて、白色がかった白色固形物5
.1gを得る。融点184-186℃。
参照例7
4-(4-アミノベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-8H-チエノ[3,2-b]-
アゼピン-8-オン
氷酢酸40ml中の4-(4−ニトロベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-
8
H-チエノ[3,2-b]アゼピン-8-オン2.0gの混合物に、6N-塩酸20ml
を添加する。その混合物を冷却し、鉄粉3.53gを少量づつ添加する。その混
合物を放置して室温に温め、70-80℃に1時間加熱し、ついで0℃に冷却す
る。その混合物を10N NaOH(pH14)で塩基化し、酢酸エチル200
mlで抽出する。その水層を酢酸エチル200mlで再度抽出し、その抽出物を
合する。合した抽出物をH2Oおよびブライン各100mlで洗浄し、乾燥(N
a2SO4)する。その抽出物をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して
瀘過し、その瀘液を濃縮して固形物を得、これを酢酸エチル-ヘキサンから結晶
化させて結晶1.24gを得る。融点216-218℃。
参照例8
2-クロロ-4-(4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ
[3,2-b]アゼピン
テトラヒドロフラン40ml中の4-(4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テ
トラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン6.04gの溶液を0℃に冷却し、
N-クロロスクシンイミド5.34gを少量づつ添加する。添加後に、その混合物
を一晩70℃に加熱する。その混合物を濃縮し、ジクロロメタン300mlで希
釈し、その混合物をK2CO3飽和溶液、H2O、1N HClおよびブライン各1
00mlで洗浄する。その有機層を乾燥(Na2SO4)し、ケイ酸マグネシウム
水和物の薄層パッドを介して濾過する。その炉液を濃縮し、その残渣をWaters-
Prep-500 Instrumentおよび2%ジエチルエーテルを含有する酢酸エチル-ジク
ロロメタン(1:1)溶媒系を有するシリカゲル上のHPLC(2-カラム)に
よるクロマトグラフィーに付す。中間採取を合し、濃縮して2,3-ジクロロ-4-
(4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ-[3,2-b]ア
ゼピン0.135gを得る。融点140-141℃。後半採取を合し、濃縮し、そ
の残渣を酢酸エチル-ヘキサンから結晶化して結晶2.8gを得る。融点119-
120℃。
参照例9
2-クロロ-4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ
[3,2-b]アゼピン
0℃に冷却した酢酸52mlおよび6N HCl26mlの混合液中の2-クロ
ロ-4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-
b]アゼピン2.6gの溶液に、鉄粉4.32gを少量づつ添加する。添加後に、
その混合物を70-80℃にて2時間加熱する。その混合物を氷浴(0℃)中にて
冷却し、10N NaOH(pH14)で塩基性とする。その混合物を酢酸エチル
250mlで、ついで酢酸エチル150mlで抽出する。合した抽出物をH2O
およびブライン各100mlで洗浄する。その抽出物を乾燥(Na2SO4)し、ケ
イ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過する。その炉液を濃縮乾固さ
せ、残渣を酢酸エチル-ヘキサンから結晶化させて灰色がかった白色結晶1.7g
を得る。融点146-149℃。
参照例10
2-クロロ-4-(4-ニトロベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-8H-チエノ
[3,2-b]アゼピン-8-オン
アセトン-水(2:1)36ml中の4-(4-ニトロベンゾイル)-4,5,6,7-テ
トラヒドロ-8H-チエノ[3,2-b]アゼピン-8-オン0.336gの撹拌溶液に
、硫酸マグネシウム無水和物0.21gおよび過マンガン酸カリウム0.275g
を添加する。その混合物を70℃にて一晩加熱する。さらなる過マンガン酸カリ
ウム0.275gおよび硫酸マグネシウム0.21gを添加し、その混合物を70
℃にて6時間加熱する。さらなる過マンガン酸カリウム0.275gおよび硫酸
カリウム0.21gを添加し、その混合物を撹拌し、70℃にて24時間加熱す
る。その熱混合物を濾過し、炉液を蒸発させる。その残渣を酢酸エチル数ml中
で加熱し、冷却し、濾過して生成物0.20gを固形物として得る。その反応を
10回スケール繰り返して灰色がかった白色結晶1.3gを得る。融点165-1
68℃。
参照例11
4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ-
[3,2-b]アゼピン
氷酢酸110mlおよび10%炭素パラジウム0.997g中の4-(4-ニトロ
ベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピンの溶液
を、30-50lb圧下、パール水素発生器中で4.5時間水素化する。その混合
物を珪藻土のパッドを通して濾過し、その濾液を真空下にて濃縮乾固する。その
ガム状残渣(8.1g)を、シリカゲルゲルおよび溶媒として酢酸エチル-ヘキサン
(1:1)を用いたWaters-Prep-500 Instrument上のHPLCによって精製す
る。生成物を含有するフラクションを合し、溶媒を除去する。その残渣を結晶化
して結晶4.0gを得る。融点168-172℃。
参照例12
4-[2-(2-クロロフェニル)-2-シアノ-2-(4-モルホリニル)エチル]
安息香酸メチル
油中の60%水素化ナトリウムの試料0.876gをヘキサンで洗浄し、つづ
いて乾燥N,N-ジメチルホルムアミド60mlを添加する。その反応混合物を、
α-(2−クロロフェニル)-4-モルホリンアセトニトリル4.73gを添加後に、
アルゴン下、室温にて1時間撹拌する。その反応混合物に4-(ブロモメチル)安
息香酸メチル4.58gを添加し、3時間連続して撹拌する。数滴の酢酸を氷水
に滴下し、反応をクエンチする。pHを3-4とし、飽和NaHCO3を添加して
pHを6-7に調整する。冷却の際に固形物が生成し、これを濾過し、水で洗浄
し、乾燥して黄色固形物5.92gを得る。塩化メチレン-ヘキサンから結晶化さ
せて、所望の生成物2.10gを結晶固形物として得る。融点116-118℃。
参照例13
4-[2-(2-クロロフェニル)-2-オキソエチル]安息香酸メチル
[4-(2-クロロ-フェニル)-2-シアノ-2-(4-モルホリニル)エチル]安息香酸
メチル1.0gおよび酢酸14mlの混合物および水6mlを20分間加熱還流
し、ついで砕氷上に注入する。15分間撹拌した後、得られた固形物を採取し、
水で洗浄し、風乾して褐色固形物0.63gを得る。融点40-42℃。
参照例14
4-[2-(2-クロロフェニル)-2-オキソエチル]安息香酸
CH3OH288.8ml、水72.2mlおよびNaOH5.2g中の4-[2-(
2-クロロフェニル)-2-オキソエチル]安息香酸メチル18.78gの混合物を3
時間還流し、ついで2N クエン酸で酸性化する。その反応混合物を真空下にて
蒸発させてCH3OHを除去する。水性相をCH2Cl2で抽出し、1N HClで
酸性化する。得られた固形物を採取し、真空下にて乾燥させて所望の生成物17
.27gを得る。融点168-172℃。
参照例15
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3-ベンゾフランカルボン酸メチル
メタノール100ml中の4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]フ
ラン-3-カルボン酸2.11gの溶液に、p-トルエンスルホン酸水和物202m
gを添加し、その混合物を24時間加熱還流する。その反応混合物を室温に冷却
し、真空下にてメタノールを濃縮して残渣とする。その残渣を酢酸エチル100
mlに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム30mlおよびブライン30mlで洗浄す
る。その有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、その濾液を真空下にて濃縮して
残渣とし、これを酢酸エチル-ヘキサンから結晶化させて所望の生成物1.75g
を白色結晶固形物として得る。融点100-102℃。
参照例16
5,6,7,8-テトラヒドロ-5-オキソ-4H-フロ[3,2-b]アゼピン-3-
カルボン酸メチル
クロロホルム5ml中の4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3-ベンゾフラ
ンカルボン酸メチル1.0gおよびアジ化ナトリウム502mgの混合物に、ア
ルゴン下、32-36℃にて硫酸1.4mlを滴下する。その反応混合物を室温に
て24時間撹拌する。その反応混合物を水14mlで希釈し、NH4OHでアル
カリ性にし、クロロホルムで抽出する。分離した有機層を水、ブラインで洗浄し
、Na2SO4で乾燥し、真空下にて濃縮して所望の生成物1.0gを白色固形物
として得る。
参照例17
(E)4,5,6,7-テトラヒドロ-4-[[[(4-メチルフェニル)スルホニル]
オキシ]イミノ]-3-ベンゾフランカルボン酸
ピリジン7ml中の(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(ヒドロキシイミノ)-
3-ベンゾフランカルボン酸2.8gの部分溶液に、アルゴン下、0℃にて塩化p
-トルエンスルホニル3.01gを少量づつ添加する。その混合物を1時間撹拌し
、ついで冷1N HCl40mlで希釈し、濾過し、水で洗浄し、Na2SO4で
乾燥する。その濾液を真空下にて濃縮して所望の生成物4.78gを灰色がかっ
た白色固形物として得る。融点155-165℃。
参照例18
5,6,7,8-テトラヒドロ-5-オキソ-4H-フロ[3,2-b]アゼピン-3-
カルボン酸
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-[[[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキ
シ]イミノ]-3-ベンゾフラン-カルボン酸1.0g、酢酸カリウム5.9g、エタ
ノール23ml、および水39mlの混合物を48時間加熱還流する。その反応
混合物を真空下にて濃縮し、塩化メチレン80mlを添加し、分離した有機層を
水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥する。その有機層を真空下にて固形物
に濃縮し、これを分取用シリカゲルプレート上のクロマトグラフィーに付し、酢
酸エチル中の0.5%酢酸で溶出する。溶出バンドを酢酸エチル中の1%酢酸で
洗浄する。その有機層をNa2SO4で乾燥し、真空下にて濃縮して灰色がかった
白色固形物200mgを得、これを酢酸エチル-ヘキサンから結晶化して所望の
生成物165mgを白色固形物として得る。
参照例19
(E)および(Z)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(ヒドロキシイミノ)-3-
ベンゾフランカルボン酸
エタノール225ml中の4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3-ベンゾフ
ランカルボン酸30.0gの溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン22.97gを添加
し、つづいて酢酸ナトリウム18.10gおよび水55mlを添加する。その反
応混合物を2.5時間加熱還流し、真空下にて濃縮して残渣とし、これを酢酸エ
チル600mlで希釈し、水およびブライン200mlで2回洗浄し、Na2S
O4で乾燥する。その有機層を真空下にて濃縮して残渣とし、これを真空下にて
乾燥して所望の生成物31.0gを固形物として得る。
参照例20
(E)および(Z)-6,7-ジヒドロ-4-(5H)ベンゾフラノン,O-[(4-メチル
フェニル)スルホニル]オキシム
ピリジン54ml中の(E)および(Z)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(ヒドロ
キシイミノ)ベンゾフラン28.0gの部分溶液に、アルゴン下、0℃にて塩化p
-トルエンスルホニル38.8gを少量づつ添加する。その混合物を1時間撹拌し
、ついで酢酸エチル600mlおよび冷2N HCl400mlで希釈する。そ
の有機層を水200mlおよびブライン200mlで希釈し、Na2SO4で乾燥
する。その濾液を真空下にて濃縮して、所望の生成物50gを固形物として得る
。室温に放置することによってエチルアルコールから結晶化し、灰色がかった白
色針状結晶19.9gを得る。融点123-125℃。その濾液を放置し、結晶を
採取し、乾燥して所望の生成物10.0gを灰色がかった白色固形物として得る
。83-85℃。
参照例21
4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-
チエノ[3,2-b]アゼピン
0℃に冷却したジクロロメタン150ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4
H-チエノ[3,2-b]アゼピン15.0gの溶液に、トリエチルアミン27.2m
lを添加する。5分間撹拌した後、ジクロロメタン140ml中の塩化2-クロ
ロ-4-ニトロベンゾイル28.0gの溶液を徐々に添加する。その溶液を室温に
て一晩撹拌し、ジクロロメタン450mlで希釈し、その溶液を水、2N クエ
ン酸、1M 炭酸ナトリウムおよびブライン各200mlで洗浄する。その有機
層をNa2SO4で乾燥し、ケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過
し、その濾液を真空下にて濃縮する。その残渣を酢酸エチルから結晶化して、灰
色がかった白色結晶24.3gを得る。融点131-134℃。
参照例22
4-(2-クロロ-4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-
チエノ[3,2-b]アゼピン
エタノール184ml中の4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8
-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン5.0g、塩化第一スズ二水和物
16.8gの混合物をアルゴン下、80℃にて1時間加熱する。その溶液を氷浴
中で冷却し、1M NaHCO3(約380ml)を徐々に注意深く添加することに
よって塩基性とする。その混合物を室温にて1時間撹拌し、酢酸エチル400m
lで抽出する。その水性層をさらなる酢酸エチル250mlで抽出する。その抽
出物を合し、ブライン300mlで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ケイ酸マグネ
シウム水和物の薄層パッドを通して濾過する。その濾液を真空下にて濃縮して白
色固形物を得、これを酢酸エチルから再結晶化させて灰色がかった白色結晶4.
23gを得る。融点176-179℃。
参照例23
4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-8H-チエノ
[3,2-b]アゼピン-8-オン
アセトン144ml中の4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-4,5,6,7,
8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]-アゼピン2.02gの溶液に、硫酸マ
グネシウム1.56g、水72mlおよび過マンガン酸カリウム1.89gを添加
する。その混合物を撹拌し、70-75℃にて4時間加熱する。さらなる量の硫
酸マグネシウム(1.56g)および過マンガン酸カリウム(1.89g)を添加し、
その混合物を撹拌し、75℃にて16時間加熱する。硫酸マグネシウム(1.56
g)および過マンガン酸カリウム(1.89g)を添加し、その混合物を撹拌し、7
5℃にて5時間加熱する。その混合物を珪藻土を通して濾過し、その濾過ケーキ
をアセトンおよびジクロロメタンで洗浄する。その濾液を濃縮し、その残渣(1.
4g)を酢酸エチルとともに加熱し、その混合物(不溶性固形物を含む)を冷却し
、濾過して生成物1.0gを固形物として得る。その固形物を水で洗浄し、乾燥
して結晶を得る。融点180-185℃。
参照例24
4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-8-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラ
ヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
テトラヒドロフラン10ml中の4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-4,5
,6,7-テトラヒドロ-8H-チエノ[3,2-b]アゼピン-8-オンの溶液に、エタ
ノール1mlを添加し、その混合物を0℃に冷却する。その混合物にホウ水素化
ナトリウム0.129gを少量づつ添加し、その混合物を0℃にて1時間撹拌す
る。0℃にて、その混合物に飽和塩化アンモニウム溶液4.2mlを徐々に添加
する。室温にて10分間撹拌した後に、真空下にて溶媒を除去し、酢酸エチル8
0mlをその残渣に添加する。その混合物をH2O、2N クエン酸、1M Na
HCO3およびブライン各20mlで洗浄する。その有機層を乾燥(Na2SO4)
し、ケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過する。その濾液を真空
下にて濃縮して生成物を白色ガラス状結晶として得る。
参照例25
4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ-
[3,2-b]アゼピン
-10℃に冷却したジクロロメタン5ml中の4-(2-クロロ-4-ニトロベンゾ
イル)-8-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピ
ンの溶液を、アルゴン下にてトリエチルアミン533μlに添加し、塩化メタン
スルホニル296μlを滴下する。1時間後に冷却浴を除去し、その混合物を一
晩放置して室温とする。その混合物をジクロロメタン10mlおよび水5mlで
希釈する。その有機層を分離し、乾燥(Na2SO4)し、ケイ酸マグネシウム水和
物の薄層パッドを通して濾過する。その濾液を真空下にて濃縮して油性物を得、
これをヘキサンを添加することによって結晶化する。濾過して、明黄色結晶(0.
80g)を得る。
参照例26
塩化5-フルオロ-2-メチルベンゾイル
5-フルオロ-2-メチル安息香酸8.0gおよび塩化チオニル52mlの混合物
をスチーム浴で1時間加熱する。真空下にて揮発物を除去し、トルエン50ml
を2回添加し、真空下にて溶媒を除去して生成物8.5gをガム状物として得る
。
参照例27
塩化2-クロロ-5-(メチルチオ)ベンゾイル
2-クロロ-5-(メチルチオ)安息香酸2.03gおよび塩化チオニル10mlの
混合物をスチーム浴で1時間加熱する。真空下にて揮発物を除去し、トルエン2
0mlを添加し、真空下にて(2回)除去して茶色針状結晶2.2gを得る。
参照例28
塩化2-クロロ-4-ニトロベンゾイル
参照例26記載のごとく、2-クロロ-4-ニトロ安息香酸25gを塩化チオニ
ル(124ml)と反応させて、生成物(27.0g)を茶色油性物として得る。
参照例29
塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイル
参照例26記載のごとく、2-クロロ-5-ニトロ安息香酸5.0gを塩化チオニ
ル50mlと反応させて、生成物5.6gを灰色がかった白色固形物として得る
。
参照例30
塩化2,3-ジメチルベンゾイル
参照例26記載のごとく、2,3-ジメチル安息香酸3.0gを塩化チオニル4
0mlと反応させて、生成物3.2gを無色油性物として得る。
参照例31
塩化2-クロロベンゾイル
参照例26記載のごとく、2-クロロ安息香酸3.13gを塩化チオニル40m
lと反応させて、生成物3.32gを灰色がかった白色半固形物として得る。
参照例32
4-(2-クロロ-4-アミノベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ-
[3,2-b]アゼピン
エタノール13ml中のSnCl2・2H2O 2.36gの溶液に、4-(2-ク
ロロ-4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0
.70gを添加する。その混合物を75℃にて1時間加熱し、室温に冷却し、真
空下にて濃縮して10mlとする。その混合物を氷浴中にて冷却し、1M Na
HCO3を徐々に添加する。その混合物を酢酸エチル100ml、ついで酢酸エ
チル80mlで抽出する。その抽出物を合し、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2S
O4)する。その抽出物をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通し、そのパ
ッド
を酢酸エチルで洗浄する。その濾液を濃縮して固形物を得、これを酢酸エチルか
ら結晶化させて白色結晶を得る。融点192-200℃。
参照例33
4-[(2-メチルベンゾイル)アミノ]安息香酸
ジクロロメタン150ml中の4-アミノ安息香酸エチル43.42g(0.26
モル)および塩化2-メチルベンゾイル40.8g(0.26モル)の混合物を氷浴中
にて冷却し、トリエチルアミン26.56g(0.26モル)を滴下する。添加後に
、その溶液を室温にて一晩撹拌する。その混合物を水に注入し、有機層を分離す
る。その有機層を水、1N HCl、1M NaHCO3で洗浄し、乾燥(Na2S
O4)する。溶媒を除去し、固形物を酢酸エチルでスラリー化し、濾過して4-[(
2-メチルベンゾイル)アミノ]安息香酸エチル57gを結晶として得る。融点1
10-115℃。
前記化合物50.7g(0.20モル)、エタノール280mlおよび10N N
aOH55mlの混合物を5分間還流する。その混合物を室温に冷却し、水20
0mlで希釈し、濃塩酸で酸性化(pH1-2)する。その混合物を濾過し、その
固形物を水で洗浄し、乾燥して生成物51gを白色結晶として得る。融点270
-275℃。
参照例34
塩化4-[(2-メチルベンゾイル)アミノ]ベンゾイル
4-[(2-メチルベンゾイル)-アミノ]安息香酸10.3gおよび塩化チオニル3
2mlの混合物を1.5時間還流する。その溶液を真空下にて濃縮する。トルエ
ンを添加し、溶媒を真空下にて除去する。トルエンを添加し、その混合物を冷却
し、濾過して黄色固形物を得る。融点135-141℃。
参照例35
4-[(2,6-ジメトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸
ジクロロメタン10ml中の塩化2,6-ジメトキシベンゾイル2g(10ミリ
モル)、4-アミノ安息香酸エチル1.65g(10ミリモル)、トリエチルアミン
1.11gおよび4-ジメチルアミノピリジン61mgの混合物を20時間還流す
る。その混合物を水で希釈し、有機層を分離する。その有機層を水、1N HC
l、1N Na2CO3、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を除去
して固形物を得、これを酢酸エチルから結晶化して4-[(2,6-ジメトキシベン
ゾイル)アミノ]安息香酸エチル1.22gを結晶として得る。融点183-185
℃。
前記化合物3.88g(11.79ミリモル)、2N NaOH17.3mlおよび
メタノール20mlの混合物を室温にて一晩撹拌する。メタノール(30ml)お
よび水(10ml)を添加し、その溶液を30分間還流する。溶媒を真空下にて除
去し、その残渣固形物をエーテルでトリチュレートし、エーテルでデカンテーシ
ョンする。その固形物を水30mlに溶解し、2N HClで酸性化(pH3)す
る。その混合物を濾過し、その固形物を水で洗浄し、真空下、60℃にて乾燥し
て固形物3.0gを得る。融点236-240℃。
参照例36
4-[(4-ピリジニルカルボニル)アミノ]安息香酸
ジクロロメタン5ml中の塩化イソニコニノイル塩酸塩1.78g(0.01モ
ル)の冷却混合物に、トリエチルアミン2.52g(0.025モル)を添加する。
その溶液に、ジクロロメタン5ml中の4-アミノ安息香酸エチル1.65gの溶
液を添加する。室温にて一晩撹拌した後に、4-ジメチルアミノピリジン50m
gを添加し、その混合物を24時間還流する。その混合物を水に注入し、濾過し
て茶色固形物3.4gを得る。試料0.50gを酢酸エチルでトリチュレートして
、4-[(4-ピリジニルカルボニル)アミノ]安息香酸エチル0.37gを黄色結晶
として得る。融点143-145℃。
参照例37
塩化2-メチルフラン-3-カルボニル
メチル-2-メチルフィフラン-3-カルボン酸4.0g、2N NaOH30ml
、メタノール15mlの混合物を1.5時間還流する。その溶液を真空下にて除
去して固形物を得る。その固形物をジクロロメタンで抽出する(捨てる)。固形物
を水中に溶解し、その溶液を2Nクエン酸で酸性化して固形物を得る。その固形
物を水で洗浄し、乾燥して結晶、2-メチルフラン-3-カルボン酸1.05gを得
る。前記化合物(0.95g)および塩化チオニル3mlを1時間還流する。溶媒
を除去し、トルエンを添加(20ml、3回)し、その溶媒を除去して生成物を油
性物として得る。
参照例38
4-[N-メチル-N-(2−メチルベンゾイル)アミノ]安息香酸
水素化ナトリウム1.51g(油中の60%)の試料を、アルゴン下、ヘキサン
で洗浄し、油性物を除去する。洗浄した水素化ナトリウムにN,N-ジメチルホル
ムアミド5mlを添加する。この混合物にジメチルホルムアミド20ml中の4
-[(2-メチルベンゾイル)アミノ]安息香酸エチル8.69gの溶液を滴下する。
その混合物を室温にて0.5時間撹拌し、ついでヨウ化メチル5.23gを添加す
る。その混合物を室温にて16時間撹拌する。その混合物を水で希釈し、ジクロ
ロメタンで抽出する。その抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して容積を減少さ
せ、その溶液をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過する。その
濾液を真空下にて濃縮して油性物11g(生成物およびN,N-ジメチルホルムア
ミドの1:1混合物)を得る。前記生成物、4-[N-メチル-N-(2-メチルベンゾ
イル)アミノ]安息香酸エチル(11g)をメタノール30mlに溶解し、2N N
aOH25mlを添加する。その混合物を2時間還流し、溶媒を除去する。その
残渣をエーテルで抽出(捨てる)し、残っている残渣を水50mlに溶解する。塩
基性溶液を2Nクエン酸で酸性化し、その固形物を濾別し、水で洗浄する。その
生成物を風乾して結晶6.72gを得る。融点187-190℃。
参照例39
塩化4-[N-メチル-N-(2-メチルベンゾイル)アミノ]ベンゾイル
塩化チオニル20ml中の4-[N-メチル-N-(2-メチルベンゾイル)アミノ]
安息香酸6.72gの溶液を1時間還流する。揮発性物質を真空下にて除去する
。トルエンをその残渣に添加し、ついで真空下にてトルエンを除去して(数回繰
り返す)生成物7.3gを茶色油性物として得る。
適当な4-[(N-アロリル)アミノ]安息香酸エチルを置き換える以外は参照例3
8に記載と同様にして、以下の化合物を調製する。
参照例40
4-[N-メチル-N-(2-クロロベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例41
N-[N-メチル-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例42
N-[N-メチル-N-(2,4-ジクロロベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例43
4-[N-メチル-N-(2-クロロ-4-メチルベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例44
4-[N-メチル-N-(2-メチル-4-クロロベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例45
4-[N-メチル-N-(2,4-ジメチルベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例46
4-[N-メチル-N-(2,3-ジメチルベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例47
4-[N-メチル-N-(2-メトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例48
4-[N-メチル-N-(2-トリフルオロメトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例49
4-[N-メチル-N-(2,4-ジメトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例50
4-[N-メチル-N-(2-メトキシ-4-クロロベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例51
4-[N-メチル-N-(2-メチルチオベンゾイル)アミノ]安息香酸
参照例52
4-[N-メチル-N-(2-メチルチオフェン-3-イルカルボニル)アミノ]
安息香酸
参照例53
4-[N-メチル-N-(3-メチルチオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]
安息香酸
参照例54
4-[N-メチル-N-(2-メチルフラン-3-イルカルボニル)アミノ]安息香酸
参照例55
4-[N-メチル-N-(3-メチルフラン-2-イルカルボニル)アミノ]安息香酸
参照例56
4-[N-メチル-N-(フェニルアセチル)アミノ]安息香酸
参照例57
4-[N-メチル-N-(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]安息香酸
参照例58
4-[N-メチル-N-(2-メトキシフェニルアセチル)アミノ]安息香酸
参照例59
4-[N-メチル-N-(2-メチルフェニルアセチル)アミノ]安息香酸
参照例60
4-[N-メチル-N-(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]安息香酸
参照例61
4-[N-メチル-N-(3-シクロヘキセンカルボニル)アミノ]安息香酸
参照例62
4-[N-メチル-N-(シクロヘキシルアセチル)アミノ]安息香酸
参照例63
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(4-ニトロベンゾイル)-8H-チエノ
[3,2-b]-アゼピン-8-オン,8-オキシム
エタノール7ml中の4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(4-ニトロベンゾイル)-
8H-チエノ[3,2-b]アゼピン-8-オン2.0gの懸濁液に、塩酸ヒドロキシル
アミン0.681g;酢酸ナトリウム0.400gおよび水2mlを添加する。そ
の混合物を2時間還流し、冷却し、濾過して、その固形物を水で洗浄する。その
固形物を真空下、室温にて乾燥して黄色固形物2.0gを得る。
参照例64
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(4-アミノベンゾイル)-8H-チエノ
[3,2-b]アゼピン-8-オン,8-オキシム
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(4-ニトロベンゾイル)-8H-チエノ[3,2-b
]アゼピン-8-オン,8-オキシム1.0g、SnCl2・2H2O6.8gおよびエ
タノール14mlの混合物を2時間還流する。その混合物を冷却(氷浴)し、pH
が約8になるまで1M NaHCO3を添加する。その混合物を1時間撹拌し、つ
いで酢酸エチルで抽出する。その抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)
し、溶媒を真空下にて除去する。その残渣をシリカゲルの分取プレート上のクロ
マトグラフィーに付し、溶媒として酢酸エチル-ヘキサン(2:1)で溶出して固
形物を得る。酢酸エチルからの結晶化により灰色がかった白色結晶0.37gを
得る。融点156-160℃。
参照例65
8-アミノ-4-(4-ニトロベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ
[3,2-b]アゼピン
Synthetic Communications 18(8)777-782(1988)からの手法に従う。
メタノール25ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4-(4-ニトロベンゾイル)-
8H-チエノ[3,2-b]アゼピン-8-オン,8-オキシム0.50g、酢酸アンモニ
ウム0.50gおよびホウ水素化シアノナトリウム0.283gの混合物に、三塩
化チタン(20%水溶液)2.54mlを撹拌しつつ滴下する。その混合物を仕上
げ処理し、その工程を数回繰り返して生成物を固形物として得る。
参照例66
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-8-[[(2−メチルベンゾイル)オキシ]
イミノ]-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)カルボニル]フェニル]-
2-メチルベンズアミド
ジクロロメタン4ml中の4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(4-アミノベンゾイ
ル)-8H-チエノ[3,2-b]-アゼピン-8-オン,8-オキシム0.18gおよびト
リエチルアミン261μlの冷却溶液(0℃)に、塩化2-メチルベンゾイル20
4μlを添加する。その混合物をアルゴン下にて16時間撹拌し、ジクロロメタ
ン40mlで希釈する。その混合物をH2O、2N クエン酸、ブライン各20m
lで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。その溶媒を除去し、その残渣をシリカゲル
上のクロマトグラフィーに付し、溶媒として酢酸エチル-ヘキサンで溶出して白
色非晶固形物0.22gを得る。
参照例67
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-8-オキソ-4H-チエノ[3,2-b]
アゼピン-4-イル)カルボニル]フェニル]-2-メチルベンズアミド,8-オキシム
メタノール4ml中の参照例66(0.20g)の撹拌溶液に、1N NaOH0
.93mlを添加する。その混合物を一晩撹拌し、真空下にて濃縮する。その残
渣を水と酢酸エチルとの間に分配させる。その有機層をブラインで洗浄し、真空
下にて濃縮する。冷却して生成物を結晶(0.10g)として得る。
参照例68
塩化5-(2-ピリジニル)チオフェン-2-カルボニル
5-(2-ピリジニル)チオフェン-2-カルボン酸1.0gおよび塩化チオニル5
mlの混合物を2.5時間還流する。その混合物を真空下にて濃縮乾固させる。
トルエンを(2回)添加し、真空下にて溶媒を蒸発させて生成物を灰色がかった白
色固形物として得る。
参照例69
6-[(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
アルゴン下、ジクロロメタン50ml中の6-アミノピリジン-3-カルボン酸
メチル5.0gおよびジイソプロピルエチルアミン12.6mlの冷却(0℃)溶液
に、ジクロロメタン10ml中の塩化シクロヘキシルカルボニル9.7mlの溶
液を添加する。その混合物を室温にて一晩撹拌し、ジクロロメタン200mlお
よび水60mlで希釈する。有機層を分離し、ブライン60mlで洗浄し、乾燥
(Na2SO4)する。その溶液をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して
濾過し、その濾液を真空下にて濃縮して固形物12.8gを得る。
テトラヒドロフラン-メタノール(1:1)150mlの混合液中の前記固形物(
12.0g)を冷却(0℃)し、2N水酸化ナトリウム62mlを添加する。その混
合物を室温にて3時間撹拌し、氷酢酸10mlで中和し、真空下にて濃縮する。
その混合物(固形物を含む)を1N HClでpH1に酸性化し、酢酸エチル25
0mlで、および酢酸エチル100mlで2回抽出する。合した抽出物をブライ
ン100mlで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して白色固形物とする。ヘキ
サンでトリチュレートして生成物6.5gを白色-固形物として得る。
参照例70
6-アミノピリジン-3-カルボン酸メチル
無水メタノール(400ml)を氷浴中で冷却し、HClガスをその混合物に2
5分間バブリングする。MeOH-HClに6-アミノピリジン-3-カルボン酸3
0gを添加し、ついでその混合物を撹拌し、90℃に2時間加熱する(すべての
固形物が溶解する)。真空下にて溶媒を除去し、残渣固形物を水100ml中に
溶解する。その酸性溶液を飽和重炭酸ナトリウムで中和(固形物が分離する)し、
その混合物を冷却し、濾過して白色結晶30gを得る。融点150-154℃。
参照例71
6-[(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
(氷浴中で冷却した)ジクロロメタン40ml中の6-アミノ-ピリジン-3-カル
ボン酸メチル4.5gおよびトリエチルアミン5.53mlの混合物に、ジクロロ
メタン10ml中の塩化5-フルオロ-2-メチルベンゾイル6.38gを添加する
。その混合物を、アルゴン下、室温にて18時間撹拌し、さらなる塩化5-フル
オロ-2-メチルベンゾイル3.4gを添加する。室温にて3時間撹拌した後に、
その混合物を濾過して6-[[ビス(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)]アミノ]ピ
リジン-3-カルボン酸メチル3.0gを得る。その濾液を濃縮乾固させ、残渣を
ヘキサンおよび酢酸エチルでトリチュレートしてさらなるビスアシル化化合物9
.0gを得る。
6-[[ビス(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)]アミノ]ピリジン-3-カルボン
酸メチル12.0g、メタノール-テトラヒドロフラン(1:1)60mlおよび5
N NaOH23mlの混合物を室温にて16時間撹拌する。その混合物を真空
下にて濃縮し、水25mlで希釈し、冷却して1N HClで酸性化する。その
混合物を濾過し、固形物を水で洗浄して生成物6.3gを白色固形物として得る
。
適当な塩化アロイル、塩化ヘテロアロイル、塩化シクロアルカノイル、塩化フ
ェニルアセチルおよび関連する適当な酸塩化物を置き代える以外は参照例71記
載と同様にして、以下の6-[アロイルアミノ]ピリジン-3-カルボン酸、6-[(ヘ
テロアロイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸および関連する6-[(アシル化)ア
ミノ]ピリジン-3-カルボン酸を調製する。
参照例72
6-[(3-メチル-2-チエニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例73
6-[(2-メチル-3-チエニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例74
6-[(3-メチル-2-フラニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例75
6-[(2-メチル-3-フラニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例76
6-[(3-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例77
6-[(2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例78
6-[(2-クロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例79
6-[(2-フルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例80
6-[(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例81
6-[(2,4-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例82
6-[(4-クロロ-2-フルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例83
6-[(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例84
6-[(2,4-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例85
6-[(2-ブロモベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例86
6-[(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例87
6-[(テトラヒドロフラニル-2-カルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例88
6-[(テトラヒドロチエニル-2-カルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例89
6-[(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例90
6-[(シクロヘクス-3-エンカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例91
6-[(5-フルオロ-2-メチルベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例92
6-[(2-クロロベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例93
6-[(シクロペンチルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例94
6-[(シクロヘキシルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例95
6-[(3-メチル-2-チエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例96
6-[(2-メチル-3-チエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例97
6-[(3-メチル-2-フラニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例98
6-[(2-メチル-3-フラニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例99
6-[(3-メチル-2-テトラヒドロチエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-
カルボン酸
参照例100
6-[(2-メチル-3-テトラヒドロチエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-
カルボン酸
参照例101
6-[(2,5-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例102
6-[(3,5-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例103
6-[(2-メチル-4-クロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例104
6-[(2,3-ジメチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例105
6-[(2-メトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例106
6-[(2-トリフルオロメトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例107
6-[(4-クロロ-2-メトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例108
6-[[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例109
6-[(2,6-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例110
6-[(2,6-ジメチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例111
6-[(2-メチルチオベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例112
6-[(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)アミノ]ピリジン-
3-カルボン酸
参照例113
6-[(2,3-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例114
6-[(4-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例115
6-[(2,3,5-トリクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例116
6-[(5-フルオロ-2-クロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
参照例117
6-[(2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-
カルボン酸
参照例118
塩化6-[(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
6-[(5-フルオロ-2-メチル-ベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
6.2gおよび塩化チオニル23mlの混合物を1時間還流する。さらなる塩化
チオニル12mlを添加し、その混合物を0.5時間還流する。その混合物を真
空下にて濃縮乾固させ、トルエン30mlをその残渣に添加する。真空下にてト
ルエンを除去し、工程(トルエンの添加および除去)を繰り返して粗製生成物7.
7gを固形物として得る。
参照例118記載と同様にして、以下の塩化6-((アシル)アミノ)ピリジン-3
-カルボニルを調製する。
参照例119
塩化 6-[(3-メチル-2-チエニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例120
塩化 6-[(2-メチル-3-チエニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例121
塩化 6-[(3-メチル-2-フラニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例122
塩化 6-[(2-メチル-3-フラニルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例123
塩化 6-[(3-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例124
塩化 6-[(2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例125
塩化 6-[(2-クロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル、白色結晶
参照例126
塩化 6-[(2-フルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例127
塩化 6-[(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例128
6-[(2,4-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例129
塩化 6-[(4-クロロ-2-フルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例130
塩化 6-[(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例131
塩化 6-[(2,4-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例132
塩化 6-[(2-ブロモベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例133
塩化 6-[(2-クロロ-4-ニトロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例134
塩化 6-[(テトラヒドロフラニル-2-カルボニル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例135
塩化 6-[(テトラヒドロチエニル-2-カルボニル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例136
塩化 6-[(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例137
塩化 6-[(シクロヘキセ-3-エンカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例138
塩化 6-[(2-メチルベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例139
塩化 6-[(2-クロロベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例140
塩化 6-[(シクロペンチルカルボニル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例141
塩化 6-[(シクロヘキシルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例142
塩化 6-[(3-メチル-2-チエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例143
塩化 6-[(2-メチル-3-チエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例144
塩化 6-[(3-メチル-2-フラニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例145
塩化 6-[(2-メチル-3-フラニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例146
塩化 6-[(2-メチル-5-フルオロベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例147
塩化 6-[(3-メチル-2-テトラヒドロチエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例148
塩化 6-[(2-メチル-3-テトラヒドロチエニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例149
塩化 6-[(2,5-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例150
塩化 6-[(3,5-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例151
塩化 6-[(2-メチル-4-クロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例152
塩化 6-[(2,3-ジメチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例153
塩化 6-[(2-メトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例154
塩化 6-[(2-トリフルオロメトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例155
塩化 6-[(4-クロロ-2-メトキシベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例156
塩化 6-[[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-3-
カルボニル
参照例157
塩化 6-[(2,6-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例158
塩化 6-[(2,6-ジメチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例159
塩化 6-[(2-メチルチオベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例160
塩化 6-[(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)アミノ]
ピリジン-3-カルボニル
参照例161
塩化 6-[(2,3-ジクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例162
塩化 6-[(4-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例163
塩化 6-[(2,3,5-トリクロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例164
塩化 6-[(5-フルオロ-2-クロロベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
参照例165
塩化 6-[(2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)アミノ]
ピリジン-3-カルボニル
参照例71記載と同様にして、以下のビスアシル化生成物(表A)を調製し、シ
リカゲル・クロマトグラフィーによって精製する。ついで、これらの化合物を実
施例71記載のごとく酸に加水分解する(表B)。
参照例190
6-アミノ-5-ブロモピリジン-3-カルボン酸
氷酢酸(100ml)中の6-アミノニコチン酸(13.8g、0.1モル)の撹拌
溶液に、酢酸(20ml)中の臭素(16g、5ml、0.1モル)を徐々に添加す
る。その反応混合物を室温にて8時間撹拌し、酢酸を減圧下にて除去する。黄色
固形物残渣を水に溶解し、30%NH4OHで注意深く中和する。分離した固形
物を濾過し、水で洗浄して固形物18gを得る;質量分析:218(M+)
参照例191
6-アミノ-5-ブロモピリジン-3-カルボン酸メチル
6-アミノ-5-ブロモピリジン-3-カルボン酸(10g、50ミリモル)を飽和
メタノール性HCl(100ml)に溶解し、24時間還流する。その溶媒、メタ
ノールを減圧下にて除去し、その残渣を氷冷水に溶解する。その水溶液を0.1
NNaOHで中和し、分離した固形物を濾過し;水でよく洗浄し、風乾して固形
物として生成物10gを得る:質量分析231(M+)
参照例192
6-[(2-メチルベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸
ジクロロメタン40ml中の6-アミノピリジン-3-カルボン酸メチル5.0g
、N,N-ジイソプロピルエチルアミン12.6mlの冷却(0℃)混合物に、ジク
ロロメタン10ml中の塩化 2-メチルベンゼンアセチル12.2gの溶液を添
加する。その混合物をアルゴン下、室温にて一晩撹拌する。その混合物をジクロ
ロメタン200mlおよび水50mlで希釈し、有機層を分離する。その有機層
を1M NaHCO3、ブライン各50mlで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。そ
の溶液をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過し、その濾液を濃
縮乾固する。その残渣(9.0g)をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに
付し、溶出液としてヘキサン-酢酸エチル(3:1)で溶出して固形物8.6gを得
る。この固形物、主として6-[[ビス(2-メチルベンゼンアセチル)]アミノ]ピリ
ジン-3-カルボン酸メチル、をテトラヒドロフラン-メタノール(1:1)60m
lに溶解し、5N NaOH23mlをその溶液に添加する。その混合物を室温
にて一晩撹拌し、その混合物を真空下にて濃縮する。水(25ml)を添加し、そ
の混合物を撹拌し、冷1N HClで酸性化する。その混合物を冷却し、固形物
を濾過し、水で洗浄して灰色がかった白色固形物5.9gを得る。
参照例193
塩化 6-[(2-メチルベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
6-[(2-メチルベンゼンアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸4.5gお
よび塩化チオニル25mlの混合物を1時間還流し、ついで真空下にて濃縮乾固
させる。その残渣にトルエン20mlを添加し、真空下にて溶媒を除去する。ト
ルエンの添加および除去を繰り返し、残渣固形物を真空下、室温にて乾燥して暗
茶色固形物5.3gを得る。
参照例194
2-(2-ピリジニル)安息香酸
2-インド安息香酸メチル(12g、47ミリモル)、2-ピリジニル-トリ-n-
ブチル第一スズ(20g、55ミリモル)およびテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(O)(2g)の混合物をトルエン(脱気)中で48時間還流する。
その反応混合物を真空下にて濃縮し、その残渣をシリカゲルカラム上のクロマト
グラフィーに付し、溶出液としての50%酢酸エチル:ヘキサンで溶出する。そ
の最初のフラクション(21)を捨て、最後に生成物2-(2-ピリジニル)安息香酸
メチルを溶出して油性物として単離する(収量:5.5g):質量分析、213(M+
)。
前記化合物(3.0g、14ミリモル)およびNaOH(600mg、15ミリモ
ル)の混合物をMeOH:水(9:1)(50ml)中で4時間還流する。反応が完
了したら、それを真空下にて濃縮し、残渣を冷水50ml中に溶解する。氷酢酸
で中和して固形物を得、これを濾別し、水で洗浄して茶色固形物2.5g(水に僅
かに溶解する)を得る;質量分析(CI)200(M+1)。
実施例1
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]フェニル]-3,4-ジクロロベンズアミド
アルゴン下にて、ジクロロメタン10ml中の4-(4-アミノベンゾイル)-5,
6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.30gおよびトリエ
チルアミン0.208mlの溶液に、塩化3,4-ジクロロベンゾイル0.251g
を添加する。その混合物を一晩撹拌し、真空下にて濃縮乾固する。その残渣を酢
酸エチルに溶解し、その溶液をH2O、2Nクエン酸、NaHCO3溶液、ブライ
ンで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を除去し、酢酸エチル-ヘキサンから
黄色固形物残渣を結晶化させて結晶0.254gを得る。融点154-160℃。
実施例2
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]フェニル]-2-クロロベンゼンアセトアミド
塩化チオニル3ml中の酢酸2-クロロフェニル0.307gの溶液を室温にて
2時間撹拌する。過剰量の塩化チオニルを真空下にて除去し、3回トルエン5m
lを添加し(真空下にて)除去する。その残渣をジクロロメタン5mlおよびトリ
エチルアミン0.3mlに溶解する。その溶液に、4-(4-アミノベンゾイル)-5
,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.49gを(アルゴン
下にて)添加し、その混合物を一晩撹拌する。揮発物を真空下にて除去し、その
残渣を酢酸エチルに溶解する。その溶液を1N HCl、Na2CO3溶液、ブラ
インで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を除去し、残渣固形物を酢酸エチル
-ヘキサンから結晶化させて褐色結晶0.36gを得る。融点178-180℃。
実施例3
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]フェニル]-2-メチルベンズアミド
実施例1記載と同様にして、4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラ
ヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン(0.001ml)をジクロロメタン中の
塩化2-メチルベンゾイルと反応させて生成物を得る。酢酸エチル-ヘキサンから
結晶化させて結晶を得る。融点181-182℃。
実施例1記載と同様にして、以下の化合物を調製する。
実施例93
2,4-ジクロロ-N-[4-[2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ
[3,2-b]アゼピン-4-イル]カルボニル]フェニル]アセトアミド
ジクロロメタン5ml中の2-クロロ-4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8
-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.245g(0.8ミリモル)お
よびトリエチルアミン167μl(1.2ミリモル)の冷却(氷浴)溶液に、塩化
2,4-ジクロロベンゾイル140μl(1ミリモル)を添加する。その溶液をアル
ゴン下、室温にて一晩撹拌し、ジクロロメタン60mlで希釈する。その混合物
を2N-クエン酸、H2O、1M NaHCO3、ブライン各20mlで洗浄し、乾
燥(Na2SO4)する。その溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル-ヘキサンから
結晶化させて、白色結晶0.315gを得る。融点187-189℃。
実施例93記載同様にして、以下の化合物を調製する。
実施例155
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-8-オキソ-4H-チエノ[3,2-b]
アゼピン-4-イル)カルボニル]フェニル]-3-フルオロ-2-メチルベンズアミド
塩化メチレン3ml中の4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(4-アミノベンゾイル)
-8H-チエノ[3,2-b]アゼピン-8-オン287mgの混合物に、トリエチルア
ミン209μlを添加し、これを、塩化2-メチル-3-フルオロベンゾイル20
7.1mgに添加する。冷却浴を除去し、その反応混合物をアルゴン下、室温に
て18時間撹拌する。さらなる塩化メチレン50mlおよび水20mlを添加し
、分離した有機層を2Nクエン酸、1M NaHCO3およびブラインで洗浄する
。その有機層をNa2SO4で乾燥し、ケイ酸マグネシウム水和物の短パッドを通
し、濾液を真空下にて蒸発させて白色泡状物とし、これを酢酸エチル-ヘキサン
から結晶化させて所望の生成物305mgを白色固形物として得る。融点200
-202℃。
実施例155記載同様にして、以下の化合物を調製する。
実施例178
4-[(2-(3-ピリジニル)チアゾール-4-イルカルボニル)]5,6,7,8-
テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
ジクロロメタン8ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]
アゼピン2ミリモル、N,N-ジイソプロピルエチルアミン6ミリモルの冷却(0
℃)溶液に、塩化2-(3-ピリジニル)チアゾール-4-カルボニル2.2ミリモルを
添加する。その混合物を室温にて16時間撹拌し、ジクロロメタン50mlおよ
び水25mlで希釈する。有機層を分離し、H2O、1N NaHCO3、ブライ
ンで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。真空下にて溶媒を除去し、その残渣をシリ
カゲル上のクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル-ヘキサンで溶出して生成物
を固形物として得る。
実施例179
N-[4-[5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]-4-イル)
カルボニル]フェニル]-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]フラン-
3-カルボキシアミド
塩化メチレン3ml中の塩化4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]
フラン-3-カルボニル240mgの溶液を0℃に冷却し、撹拌しつつトリエチル
アミン209μl、つづいて4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒ
ドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン273mgを添加する。アルゴン下、室温
にて撹拌を18時間続ける。さらに塩化メチレン1ml中の酸塩化物240mg
およびトリエチルアミン209μlを添加する。2時間撹拌し続け、3時間加熱
還流し、室温にて18時間撹拌する。その反応混合物を真空下にて濃縮し、酢酸
エチル30mlで希釈し、水、2Nクエン酸、1M重炭酸ナトリウム、ブライン
各12mlで洗浄し、Na2SO4で乾燥する。その有機層を真空下にて濃縮して
泡状物とし、これを1:1酢酸エチル-ヘキサンを用いたシリカゲル分取用プレ
ート上のクロマトグラフィーによって精製して所望の生成物60mgを白色固形
物として得る。融点188-192℃。
実施例180
N-[4-[5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]-4-イル)
カルボニル]フェニル]-インドール-5-カルボキシアミド
0℃にて、テトラヒドロフラン5ml中のインドール-5-カルボン酸250m
gの溶液に、N,N-カルボニルジイミダゾール327mgを添加し、つづいて2
時間撹拌する。真空下にて揮発物を蒸発させて残渣とする。その残渣に4-(4-
アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
352mgを添加し、つづいて100℃にて18時間加熱する。温度を120℃
に上昇し、さらに4時間加熱を続ける。その反応混合物を室温に冷却し、酢酸エ
チル40mlで希釈し、これを水で洗浄する。その有機層をNa2SO4で乾燥し
、真空下にて濃縮して残渣とし、これを分取用プレート上のクロマトグラフィー
によって精製し、1:1酢酸エチル-ヘキサンで溶出して所望の生成物175m
gを(酢酸エチルからの)白色固形物として得る。
実施例181
N-[5-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]-2-ピリジニル]-2-メチルフラン-3-カルボキシアミド
CH2Cl210ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]ア
ゼピン2ミリモル、N,N-ジイソプロピルエチルアミン5ミリモルおよび塩化6
-[(3-メチル-2-フラニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル2.2ミリ
モルの溶液を、室温にて16時間撹拌する。その混合物をCH2Cl250mlお
よび水25mlで希釈し、有機層を分離する。その有機層をH2O、1N NaH
CO3、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を除去し、その残渣を
シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル-ヘキサンで溶出して生
成物を固形物として得る。
実施例182
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]フェニル]-2-ジメチルアミノ)-ピリジン-3-カルボキシアミド
ジメチルスルフォキシド25ml中のN-[4-(5,6,7,8-テトラヒドロ-4
H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)カルボニル]フェニル]-2-クロロピリジ
ン-3-カルボキシアミド1.0g、K2CO31g、水性ジメチルアミン10ml(
水中の40重量%溶液)の混合物を100℃にて8時間加熱する。その混合物を
氷水に注入し、濾過する。その固形物を水で洗浄し、乾燥し、シリカゲル上のク
ロマトグラフィーに付し、酢酸エチル-メタノールで溶出して生成物を固形物と
して得る。
実施例183
N-[4-[5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]-3-クロロフェニル]-2-クロロ-4-フルオロベンズアミド
0℃に冷却したジクロロメタン3.5ml中の4-(2-クロロ-4-アミノベンゾ
イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.50gお
よびトリエチルアミン342μlの溶液に、ジクロロメタン1.5ml中の塩化
2-クロロ-4-フルオロベンゾイル0.394gの溶液を添加する。その混合物を
アルゴン下、室温にて一晩撹拌し、ジクロロメタン50mlおよびH2O20m
l
を添加する。CH2Cl2を分離し、2Nクエン酸、1M NaHCO3およびブラ
イン各20mlで洗浄する。CH2Cl2から白色結晶0.59gを得る。融点2
19-221℃。
実施例184
N-[4-[(5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)-
カルボニル]-3-クロロフェニル]-5-フルオロ-2-メチルベンズアミド
ジクロロメタン3ml中の4-(2-クロロ-4-アミノベンゾイル)-5,6-ジヒ
ドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.20gおよびトリエチルアミン137
μlの冷却溶液に、ジクロロメタン1mlの塩化5-フルオロ-2-メチルベンゾ
イル0.142gの溶液を添加する。その混合物をアルゴン下にて2日間撹拌し
、ジクロロメタン30mlおよびH2O15mlで希釈する。その有機層を分離
し、2Nクエン酸、1M NaHCO3、ブライン各15mlで洗浄し、乾燥(N
a2SO4)する。その溶液をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾
過し、その濾過パッドをジクロロメタンで洗浄し、その濾液を蒸発させる。残渣
を酢酸エチルから結晶化させて白色結晶0.215gを得る。融点125-132
℃。
実施例184記載と同様にして、以下の化合物を調製する。
実施例183記載と同様にして、以下の化合物を調製する。
実施例233
4-[4-(n-ブチルオキシ)ベンゾイル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-
チエノ[3,2-b]アゼピン
5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.306gおよ
びトリエチルアミン417μlの冷却(0℃)溶液に、塩化4-(n-ブトキシ)ベン
ゾイル474μlを添加する。その混合物を室温にて3日間撹拌し、ジクロロメ
タン50mlおよび水20mlで希釈する。その有機層を分離し、2Nクエン酸
、1MNaHCO3、ブライン各20mlで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。そ
の溶液をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過し、そのパッドを
CH2Cl2で洗浄し、濾液を蒸発させる。その残渣を少量の酢酸エチルを含有す
るヘキサンから結晶化させる。結晶(0.585g)をシリカゲルプレート上のク
ロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン-酢酸エチル(2:1)で溶出して(酢
酸エチル-ヘキサンからの)結晶0.40gを得る。融点87-90℃。
実施例233記載と同様にして以下の化合物を調製する。
実施例243
N-[5-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]-2-ピリジニル]-5-フルオロ-2-メチルベンズアミド
ジクロロメタン5ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]
アゼピン0.306gおよびトリエチルアミン1.11μlの冷却(0℃)混合物に
、塩化6-[(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル
1.17gを添加し、その混合物をアルゴン下、室温にて一晩撹拌する。その混
合物をジクロロメタン50mlおよび水20mlで希釈し、有機層を分離する。
その有機層を1M NaHCO3、ブライン各20mlで洗浄し、乾燥(Na2SO4
)する。その溶液をケイ酸マグネシウム水和物の薄層パッドを通して濾過し、そ
の濾液を蒸発させ、真空下にて濃縮乾固させ、ガラス状物を得る。酢酸エチル-
ヘキサンから結晶化させて白色結晶0.35gを得る。融点178-180℃。
実施例243記載と同様にして、以下の化合物を調製する(表A)。
実施例288
N-[5-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-
イル)カルボニル]-2-ピリジニル]-2-メチルベンゼンアセトアミド
ジクロロメタン5ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]
アゼピン0.306gおよびトリエチルアミン1.11μlの冷却(0℃)混合物に
、塩化6-[(2-メチルフェニルアセチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル1.2
gを添加する。その混合物を室温にて16時間撹拌し、ジクロロメタン50ml
で希釈する。その混合物をH2O、1N NaHCO3、H2O、ブラインで洗浄し
、乾燥(Na2SO4)する。その溶液を真空下にて濃縮乾固させて、残渣をシリカ
ゲル上のクロマトグラフィーに付して生成物を固形物として得る。
実施例288記載と同様にして、以下の化合物を調製する(表B)。
実施例325
5,6,7,8-テトラヒドロ-4-[4-[[[(2-メチルフェニル)アミノ]カルボニル]
アミノ]ベンゾイル]-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
テトラヒドロフラン2ml中の4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テト
ラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン0.409gおよび2-メチルフェニル
イソシアネート0.60gの混合物を油浴中、110℃にて6時間加熱する。そ
の混合物を真空下にて濃縮し、その残渣を分取用シリカゲルプレート上のクロマ
トグラフィーに付し、酢酸エチル-ヘキサン(1:1)で溶出して固形物を得る。
酢酸エチル-ヘキサンから結晶化させて白色結晶0.33gを得る。融点179-
182℃。
実施例325記載と同様にして、以下の化合物を調製する(表C)。
実施例359
5,6,7,8-テトラヒドロ-4-[4-[[(メチルフェニルアミノ)]カルボニル]
アミノ]ベンゾイル]-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
アルゴン下、ジクロロメタン5ml中の4-(4-アミノベンゾイル)-5,6,7,
8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]-アゼピン0.409gおよびN,N-ジ
イソプロピルエチルアミン432μlの冷却(0℃)溶液に、塩化 N-フェニル-
N-メチルカルバモイル0.336gを添加する。その混合物を一晩撹拌し、さら
なる塩化 N-フェニル-N-メチルカルバモイル0.672g、N,N-ジイソプロ
ピルエチルアミン864μlおよびトルエン10mlを添加する。その混合物を
16時間還流し、真空下にて溶媒を除去する。その残渣をシリカゲル上のクロマ
トグラフィーに付し、酢酸エチル-ヘキサン(1:1)で溶出して固形物を得る。
酢酸エチル-ヘキサンから結晶化させて灰色がかった白色結晶0.34gを得る。
融点160-162℃。
実施例360
N-[4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン-4-イル)
カルボニル]-3-クロロフェニル][1,1'-ビフェニル]-2-カルボキシアミド
アルゴン下、実施例1記載と同様にして、ジクロロメタン10ml中の4-(2
-クロロ-4-アミノベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-
b]アゼピン2ミリモルおよびトリエチルアミン5ミリモルの溶液を、塩化[1,
1'-ビフェニル]-2-カルボニルと室温にて16時間反応させて生成物を固形物
として得る。
実施例361
4-[5-(2-ピリジニル)チエン-2-イルカルボニル]-5,6,7,8-
テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
ジクロロメタン5ml中の5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-チエノ[3,2-b]
アゼピン0.23g、N,N-ジイソプロピルエチルアミン523μlの冷却(0℃
)溶液に、塩化5-(2-ピリジニル)チオフェン-2-カルボニル0.436gを添加
する。その混合物をアルゴン下、室温にて16時間撹拌し、CH2Cl240ml
および水20mlで希釈する。有機層を分離し、1N NaHCO3、ブライン各
20mlで洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。その溶液をケイ酸マグネシウム水和
物の薄層パッドを通して濾過し、その濾液を濃縮乾固する。その残渣を少量のヘ
キサンを含有する酢酸エチルから結晶化させて褐色結晶0.485gを得る。融
点150-154℃。
実施例362
4-([1,1'-ビフェニル]-4-イルカルボニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-
4H-チエノ[3,2-b]アゼピン
実施例1記載と同様にして、CH2Cl210ml中の5,6,7,8-テトラヒド
ロ-4H-チエノ[3,2-b]アゼピン2ミリモル、トリエチルアミン5ミリモルお
よび塩化[1,1'-ビフェニル]-4-カルボニル2.1ミリモルを室温にて16時間
撹拌して生成物を固形物として得る。
本発明の化合物を生物活性について試験する。
ラット肝臓V1受容体に対する結合アッセイ
バソプレシンV1受容体サブタイプを発現しているラット肝原型質膜を、Lesk
oら(1973)により記載されている方法に従ってショ糖密度勾配により単離する。
この膜を、0.2%牛血清アルブミン(BSA)および0.1mMフッ化フェニルメ
チルスルホニル(PMSF)を含有する50.0mMトリス-HCl緩衝液、pH7
.4中に迅速に懸濁し、つぎの結合実験に用いるまで、-70℃にて凍結する。結
合実験については、以下のものを96穴-マイクロタイタープレートのウェルに
添加する:10.0mMMgCl2、0.2%熱不活化BSAおよびプロテアーゼ
インヒビター混合物:ロイペプチン、1.0mg%;アプロチニン、1.0mg%
、1,10-フェネントロリン、2.0mg%;トリプシンインヒビター、10.0
mg%および0.1mM PMSF、0.8nMの[フェニルアラニル-3,4,5-3
H]バソプレシン(S.A.45.1Ci/ミリモル)を含有する100.0mM トリス
・HCl緩衝液100μl。反応は、組織蛋白質20μgを含有する組織膜80
μlを添加することによって開始する。そのプレートを室温にて、120分間ベ
ンチトップに静置させ平衡に達せさせる。非特異的試料は、20.0μl容量で
添加し最終インキュベーション容量200μlの非標識アンタゴニスト、フェニ
ルアラニルバソプレシン0.1μM存在下でアッセイする。結合が完了したら、
BrandelRCell Harvester(Gaithersburg,MD)を用いて各ウェルの内容物を
濾別する。リガンド-受容体複合体により濾過ディスク上に捕捉された放射能は
、トリチウムについて65%の効率を有するPackard LS Counterで液体シン
チレーション計測によって評価する。データは、競合用のLUNDON-2プログラム(L
UNDON SOFTWARE社,OH)によってIC50値について分析する。
ラット腎髄質V2受容体に対する結合アッセイ
ラット腎臓からの髄質組織を切り出し、細断し、溶液が清澄な血液になるまで
、液相に多くの変化がある1.0mM EDTAを含有する0.154mM塩化ナ
トリウム溶液中に浸漬する。その組織を、テフロンペストルと共にPotter-Elveh
jemホモジナイザーを用いて、1.0mME DTAおよび0.1mM PMSFを
含有する0.25Mショ糖溶液中でホモジナイズする。そのホモジネートを数層(
4層)のチーズクロスを通して濾過する。その濾液を、密着するペストレを有す
るDounceホモジナイザーを用いて再ホモジナイズする。最終ホモジネートを1
500×gにて15分間遠心する。核ペレットを捨て、上清流体を40,000
×gにて30分間再遠心する。形成した得られたペレットは、外側が僅かに桃色
である暗色の内部を含有する。桃色の外側部分を少量の50.0mMトリス・HC
l緩衝液、pH7.4に懸濁する。蛋白質含量は、ローリー法(Lowryら、J.Bi
ol.
Chem.,1953)により測定する。膜懸濁液は懸濁液ml当たり10.0mg蛋白質
を含有するアリコット1.0ml中に0.2%不活化BSAおよび0.1mM PMSF
を含有する50.0mMトリス・HCl中にて、つぎの結合実験に用いるまで、-
70℃で保存する。
結合実験については、以下のものをμl容量で96穴マイクロタイタープレー
トのウェルに添加し:0.2%熱不活化BSA、10.0mM MgCl2およびプ
ロテアーゼインヒビター混合物:ロイペプチン、1.0mg%;アプロチニン、
1.0mg%;1,10-フェナントロリン、2.0mg%;トリプシンインヒビタ
ー、10.0mg%および0.1mM PMSF、[3H]アルギニン8、20.0μl
、0.8nMのバソプレシン(S.A.75.0Ci/ミリモル)を含有する100.
0mMトリス・HCl緩衝液100μl、組織膜(200.0μg組織蛋白質)80
.0μlを添加することによって反応を開始する。そのプレートを120分間ベ
ンチトップに静置し、平衡に達せさせる。非-特異的結合は、20μl容量中に
添加した1.0μM非標識リガンド存在下で評価する。試験化合物に関しては、
これらを50%ジメチルスルフォキシド(DMSO)に可溶化し、20.0μl容
量で添加して、200μlの最終インキュベート容量とする。結合が完了したら
、BrandelRCell Harvester(Gaithersburg,MD)を用いて各ウェルの内容物
を濾別する。リガンド-受容体複合体により濾過ディスク上に捕捉された放射能
は、トリチウムについて65%の効率を有するPackard LS Counterで液体シ
ンチレーション計測によって評価する。データは、競合用のLUNDON-2プログラム
(LUNDON SOFTWARE社,OH)によってIC50値について分析する。
ヒト血小板膜での放射性リガンド結合実験
血小板起源:Hudson Valley Blood Services社,Westchester Medical
Center,Valhalla,NY
血小板膜調製:
Hudson Valley Blood Services社から受領した凍結血小板リッチな血漿
(PRP)を室温に解凍する。PRPを含有するチューブを、4℃、16,000
×gにて10分間遠心し、その上清流体を捨てる。血小板を120mM NaC
lおよび20.0mM EDTAを含有する50.0mMトリス・HCl、pH7.
5の等量に再懸濁する。その懸濁液を16,000×gにて10分間再遠心する
。この洗浄工程をさらに1回繰り返す。洗液を捨て、溶解ペレットを5.0mM
EDTAを含有するトリス・HCl、5.0mM、pH7.5の低イオン強度緩衝
液中でホモジナイズする。そのホモジネートを39,000×gにて10分間遠
心する。得られたペレットをトリス・HCl緩衝液、70.0mM、pH7.5中
に再懸濁し、39,000×gにて10分間再遠心する。最終ペレットを120
mM NaClおよび5.0mM HClを含有する50.0mMトリス・HCl緩
衝液、pH7.4に再懸濁して、懸濁液ml当たり1.0-2.0mg蛋白質を得る
。
ヒト血小板膜中のバソプレシンV1受容体サブタイプへの結合性:
96穴マイクロタイタープレートのウェルに、0.2%BSAおよびプロテア
ーゼインヒビター混合物(アプロチニン、ロイペプチン他)を含有する50.0m
Mトリス・HCl緩衝液100μlを添加する。ついで、[3H]リガンド(マンニ
ングまたはArg8バソプレシン)20μlを添加して、0.01〜10.0nMの
範囲の最終濃度を得る。血小板懸濁液(約100μg蛋白質)80.0μlを添加
することによって結合を開始させる。該混合物を数回ピペッティングすることに
よってすべての試薬を混合する。非-特異的結合は、1.0μM非-標識リガンド(
マンニングまたはArg8バソプレシン)存在下にて測定する。その混合物を室温
にて90分間静置する。この時点で、BrandelRCell Harvesterを用いて、G
F/Bフィルター上で、真空吸引下で培養物を迅速に濾別する。液体シンチラン
トを添加し、液体シンチレーター中でカウントすることによって、濾過ディスク
上に捕捉された放射能を測定する。
ヒトV2バソプレシン受容体を発現するcDNAでトランスフェクトしたマウス
繊維芽細胞系統(LV-2)の膜への結合性
膜調製
密集まで増殖された接着細胞を含有する175ml容量のフラスコを、吸引に
よって培養培地を清澄とする。接着細胞を含有するフラスコをリン酸緩衝液セー
ライン(PBS)2×5mlで濯ぎ、各時点で液体を吸引除去する。最後に、無酵
素解離ハンクス塩溶液(特に、Media Inc.社、Lafayette,NJ)5mlを添加
し、そのフラスコを2分間静置する。フラスコのすべての内容物を遠心チューブ
に注入し、細胞を300×gで15分間ペレット化する。ハンク塩溶液を吸引除
去し、細胞を、0.25Mショ糖および1.0mM EDTAを含有する10.0m
Mトリス・HCl緩衝液、pH7.4中で#6に設定したポリトロンで10秒間
ホモジナイズする。そのホモンジネートを1500×gにて10分間遠心し、ゴ
ースト膜を除去する。上清流体を100,000×gにて60分間遠心し、受容
体蛋白質をペレット化する。完了したら、そのペレットを少量の50.0mMト
リス・HCl緩衝液、pH7.4に再懸濁する。蛋白質含量は、ローリー法によ
って測定し、受容体膜を、0.1mMフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF
)および0.2%牛血清アルブミン(BSA)を含有する50.0mMトリスHCl
緩衝液に懸濁し、その懸濁液ml当たり2.5mg受容体蛋白質を得ることによ
って測定する。
受容体結合性
結合実験については、以下のものをμl容量で96穴マイクロタイタープレー
トのウェルに添加する:0.2%熱不活化BSA、10.0mM MgCl2および
プロテアーゼインヒビター混合物:ロイペプチン、1.0mg%;アプロチニン
、1.0mg%;1,10-フェナントロリン、2.0mg%;トリプシニンヒビタ
ー、10.0mg%および0.1mM PMSF、[3H]アルギニン8、20μl、
0.8nMバソプレシン(S.A.75.0Ci/ミリモル)を含有する100.0m
Mトリス・HCl緩衝液100μl、組織膜(200.0μg組織蛋白質)80.0
μlを添加することによって反応を開始させる。そのプレートを120分間ベン
チトッ
プに静置させて平衡に達せさせる。非-特異的結合は、20μl容量で添加した
1.0μM非-標識リガンド存在下にて測定する。試験化合物については、これを
50%ジメチルスルフォキシド(DMSO)に可溶化し、20.0μl容量で添加
して、200μlの最終インキュベート容量とする。結合が完了したら、Brand
elRCell Harvester(Gaithersburg,MD)を用いて各ウェルの内容物を濾別す
る。リガンド-受容体複合体によって濾過ディスク上に捕捉された放射能は、ト
リチウムについて65%の効率を有するPackard LS Counterでカウントする
液体シンチレーションによって評価する。データは、競合用のLUNDON-2プログラ
ム(LUNDON SOFTWARE社,OH)によってIC50値について分析する。
意識飲水(conscious hydrated)ラットにおけるバソプレシンV2アンタゴニスト
活性
試験下では、意識飲水ラットを0.1〜100mg/kg経口またはビヒクル
の化合物で処理する。各化合物について2〜4のラットを用いる。1時間後に、
落花生油に溶解したアルギニン・バソプレシン(AVP、抗利尿ホルモン、AD
H)を0.4μg/kgで腹膜内投与する。各試験において2のラットはアルギニ
ン・バソプレシンを摂取させないが、水-負荷対照としてビヒクル(落花生油)の
みを摂取させる。20分後に、各ラットに胃管栄養法によって脱イオン水30m
l/kgを経口摂取させ、漏斗と目盛付けしたガラスシリンダーを備えた代謝オ
リ中に個別に入れて4時間尿を採取する。尿容量を測定し、Fiske 1-10浸透圧
計(Fiske Assoc.社、Norwood,MA USA)によって浸透圧分析する。尿中
のナトリウム、カリウムおよびクロライドは、Beckmann社製E3(Electrolyte 3
)Analyzerのイオン-特異的電極を用いることによって分析する。
以下の結果においては、AVP-対照に比しての尿容量の減少および浸透圧の
低下は活性を示唆している。本発明の代表的化合物に対するこの試験の結果を表
3に示す。
意識ラットにおけるバソプレシンV1アンタゴニスト活性
意識ラットを弾性テープで仰向けに拘束する。2%プロカイン(0.2ml)で
の皮下浸潤によって尾の根元の領域を局所麻酔する。無菌技術を用いて尾部動脈
を単離し、PE10および20(熱-融合)製のカニューレを低部大動脈に通す。
該カニューレを留め、ヘパリン処理(1000i.u./cc)し、密封し、Dexon 4-0の1
または2針で閉める。尾静脈にも、静脈内薬物投与用に同様にしてカニューレ処
理する。手術時間は約5分間である。要するなら、さらなる局所麻酔(2%プロ
カインまたはリドカイン)を供する。
動物をプラスチィック製の拘束カゴに仰向け位置で入れる。カニューレをSta
tham P23Db 圧力変換器につなげ、脈動性血圧を記録する。アルギニン・バソプ
レシン0.01および0.2国際単位(I.U.)(350I.U.=1mg)注射に応答
しての収縮期血圧の上昇は、いずれの薬剤(化合物)投与の前に記録し、その後に
、各ラットを実験の化合物0.1-100mg/kg(10cc/kg)を経口投与す
るか、0.1-30mg/kg(1cc/kg)を静脈内投与する。バソプレシン注射
を30、60、90、120、180、240および300分後に繰り返す。化
合物によるアンタゴニズムの%は、100%としての前-薬剤バソプレシンの昇
圧剤応答性を用いて算出する。
オキシトシン受容体結合性
(a)膜調製
約200-250g体重のメスのSprague-Dawleyラットに、0.3mg/kg
体重のジエチルスチルベストロール(DES)を筋肉内(i.m.)注射する。そのラッ
トをペントバルビタール麻酔下にて18時間後に殺す。子宮を取り出し、脂肪お
よび結合組織を清浄し、生理食塩水50mlで濯ぐ。6のラットからプールした
組織を、0.5mMジチオスライトールおよび1.0mM EDTAを含有し、p
H7.4に調整した0.01mMトリスHCl50ml中で、各10秒の3パスで
設定6のポリトロンを用いてホモジナイズする。そのホモジネートを(2)層のチ
ーズクロスを通し、その濾液を1000×gにて10分間遠心する。清澄な上清
を取り出し、165,000×gにて30分間再遠心する。オキシトシン受容
体を含有する得られたペレットを、5.0mM MgCl2を含有し、pH7.4の
50.0mMトリスHClに再懸濁して、蛋白質濃度2.5mg/ml組織懸濁液
を得る。この調製物を次の[3H]オキシトシンとのつぎの結合性アッセイに用い
る。
(b)放射性リガンドの結合性
3,5-[3H]オキシトシン([3H]OT)のその受容体への結合性は、5.0mM
MgCl2およびプロテアーゼインヒビター混合物:緩衝液100ml当たりB
SA、0.1mg;アプロチニン、1.0mg;1,10-フェナントロリン、2.
0mg;トリプシン、10.0mg;およびPMSF、緩衝溶液100ml当た
り0.3mgを含有しpH7.4の50.0mMトリスHClのアッセイ緩衝液中
、種々の濃度の[3H]OTを用いて、マイクロタイタープレートで行う。非特異
的結合は、1.0μM非標識OT存在下で測定する。結合反応は、BrandelRCel
l Haevester(Biomedical Research and Deveropment Laboratories,Inc.
社,Gaithersburg,MD)を用いたガラスファイバー・フィルターを通す急速濾
過によって、22℃にて60分後に終結させる。競合実験は1.0nM[3H]OT
を用い、置換する剤の濃度を変動させた平衡で行う。そのサイトで50%の[3H
]OTを置換する剤の濃度(IC50)は、LUNDON-2 プログラム(LUNDON SOFTWARE I
NC.社,Ohio,USA)で援助されたコンピュータによって算出する。
代表的な例におけるこのアッセイの結果を表5に示す。
本発明の化合物は、医薬上または生理学上許容される酸または塩基由来の塩形
態で使用できる。これらの塩には、限定するものではないが、以下のものが含ま
れる:塩酸、硫酸、硝酸、リン酸のごとき無機酸との塩、および酢酸、シュウ酸
、コハク酸、およびマレイン酸のごとき場合。他の塩には、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウムまたはマグネシウムのごときアルカリ金属またはアルカリ土類金
属との塩、ならびに有機塩基との塩が含まれる。該化合物は、また、エステル、
カルバメート、およびかかる形で投与した場合にイン・ビボ(in vivo)で活性基
に変換される他の慣用的な「プロ-ドラッグ」形で使用することもできる。
該化合物を前記の用途に使用する場合、それは1または2以上の医薬上許容さ
れる担体、例えば、溶媒、希釈剤などと結合することもでき、錠剤、カプセル剤
、散剤、顆粒剤、または例えば、約20-50%のエタノールなどを含有する約
10-50%の砂糖およびエリクシルを含有する約0.05-5%の懸濁剤、シロ
ッ
プのごとき形で経口投与するか、あるいは、等張媒質中に約0.05〜5%の懸
濁剤を含有する無菌注射溶液のごとき形で非経口投与することもできる。かかる
医薬調製物は、例えば、担体、より普通には約5%〜約60重量%の担体と結合
した約25〜約90%の有効成分を含有することができる。
使用する有効成分の有効投与量は、使用する特定の化合物、投与の様式および
治療すべき症状の程度に依存して変動させることができる。しかしながら、一般
に、本発明の化合物を約0.5〜約500mg/kg動物体重の日用量で、好ま
しくは1日に2〜4回に分割した用量、または徐放性形で投与した場合に、満足
すべき結果が得られる。大部分の哺乳動物については、合計日用量は約1〜10
0mg、好ましくは約2〜80mgである。内部用途に適した投与形は、固形ま
たは液体の医薬上許容される担体と完全に混合した約0.5〜500mgの有効
化合物を含む。この投与量様式は、調整して最適の治療応答性を供することがで
きる。例えば、幾つかに分割した用量を毎日投与することができ、または該用量
は要求される治療状況によって指摘されるに従い比例的に減少することができる
。
これらの有効化合物は、経口的、ならびに静脈内、筋肉内または皮下経路で投
与することができる。有効成分の性質に適し、望む特定の投与形に適して、固形
担体には、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、マイクロクリスタリン
・セルロース、スクロースおよびカオリンが含まれる一方、液体担体には、滅菌
水、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、ならびにトウモロコシ、
ラッカセイおよびゴマ油のごとき食用油が含まれる。医薬組成物の調製に慣用的
に使用されるアジュバントは、賦香剤、着色剤、保存料、およびビタミンE、ア
スコルビン酸、BHTおよびBHAのような抗酸化剤のごときを有利に含むこと
ができる。
調製および投与の簡便性の観点より好ましい医薬組成物は、固形組成物、特に
錠剤および硬質-充填また液体-充填のカプセルである。化合物の経口投与が好ま
しい。
これらの有効化合物は、また、非経口または腹膜内投与することもできる。遊
離塩基または薬理学上許容される塩のごときこれらの化合物の溶液または懸濁液
は、ヒドロキシプロピルセルロースのごとき界面活性剤と適当に混合した水中で
調製することができる。分散液は、また、グリセリン、液体ポリエチレングリコ
ール中および油中のそれらの混合物中で調製することができる。保存および使用
の通常の条件下では、これらの調製物は保存料を含有し、微生物の増殖が防がれ
る。
注射用途に適する医薬形には、無菌水溶液または分散液および無菌注射溶液ま
たは分散液の即席調製物用の無菌散剤が含まれる。すべての場合において、形は
無菌でなければならず、簡便な注射性が存在する程度に流動性でなければならな
い。製造条件下および保存で安定でなければならず、細菌および真菌のごとき微
生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタ
ノール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレング
リコール)それらの適当な混合物ならびに植物油を包含する溶媒または分散液と
することができる。
本発明の新規な三環式非-ペプチドバソプレシン・アンタゴニストは、バソプ
レシンレベルの低下が望ましい、鬱血性心不全のごとき症状、過剰な腎水再吸収
を有する疾病症状および脈管抵抗性および冠動狭窄性の上昇を治療するのに有用
である。
特に、本発明のバソプレシン・アンタゴニストは、高血圧症、心不全、冠動脈
血管痙攣、心虚血、腎痙攣、肝硬変、鬱血性心不全、腎炎症候群、脳水腫、脳虚
血、脳出血性発作、血栓症-出血および水保持の異常な状態の治療および/予防
に治療的に有用である。
特に、本発明のオキシトシン・アンタゴニストは、新生児健康問題および新生
児死亡率の重要な原因である早産の予防に有用である。
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