JPH10512224A - あや巻き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 公知のベーン型あや巻き装置では、定規が、ロータのベーンが、回転する回転平面の近くに配置されている。作動中、糸は、定規のガイド縁部に沿って案内される。定規は、保持部材と、相対変位を許すを固定部材とによって、ハウジングに結合されている。本発明のあや巻き装置の場合、定規１７は、両端が、ハウジング９の前壁に取付けられた横アーム４２に、調節可能に取付けられている。調節ボルト４７は、ベーン１３，１４の回転円外に配置され、自由に接近可能である。定規１７は、したがって、作動中、手動式に調節可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 あや巻き装置 本発明は、請求項１の上位概念に記載したあや巻き装置に関するものである。 従来のあや巻き装置と異なり、ベーン型あや巻き装置の場合、糸の交互の運動 が、往復運動する１つだけの糸ガイド部材によって行われるのではなく、逆方向 に回転するベーンが、それらの先端に交互に糸を捕まえて案内することによって 行われる。糸を案内するベーン先端が、定規（Lineal）を擦過し、それによって 糸が定規のガイド縁部に沿って往復滑動する。したがって、ガイド縁部の両末端 点の間隔が、事実上あやふり行程となる。末端点近くでは、ベーンの回転円がガ イド縁部と交差する。糸を、その走行方向に対し横方向に動かす速度成分は、一 方では、ベーンを回転させる角速度に依存し、他方では、ベーンの回転軸線と、 糸が瞬間的に接触するベーン先端点との半径方向間隔に依存する。ガイド縁部の 形態によって、糸には、ベーン回転円に対し半径方向の運動成分が強制される。 これによって、糸があやふり経路に沿って運動するさいの速度の推移に対し、例 えば、あやふり行程方向での速度成分が全経路において事実上一定になるという 意味で、影響を与えることができる。定規の正確な位 置は、したがって、ボビン形成（Spulenaufbau）には、極めて重要である。 ドイツ連邦共和国実用新案登録第８５０７６５０号明細書により公知のあや巻 き装置の場合、ハウジング内に、一方のロータの、駆動可能な中空軸が軸受され ている。この中空軸と同心的又は偏心的に、第２のロータの軸が、ハウジング内 に軸受されている。この第２ロータの軸は、中空軸の内周面に設けられた歯によ って、同じくハウジング内に軸受されている中間軸を介して駆動される。組立て 時に遊びのない歯車調整を可能にするために、第２ロータの軸は回転可能な偏心 ブッシュ内に配置され、中間軸も同様に偏心ブッシュ内に配置されている。双方 の偏心ブッシュの回転は、双方のロータの回転軸線間の結合線が、定規に対して ずらされる副作用を有している。この望ましくないずれを補償するために、ハウ ジングが、定規に対して中空軸の軸線を中心として回転可能かつ固定可能となっ ている。この目的のために、ハウジングを固定しておく蓋に長孔が設けられてい る。 ドイツ連邦共和国出願公開第３８２６１３０号明細書による装置の場合、ボビ ン移動（Spulenreise）中の定規の位置が、規則的に所定の時間間隔で変更され る。これにより、位置変更の形式に応じて、それぞれ少なくとも１つの行程の終 りがずらされる。それによって、巻体端部に隆起部が生じるのを防止しようとい うのである。しかし、前記出願には、定規の位置変更を可能にする、又は位置変 更を生じさせる構成上の特徴については記載されていない。 本発明の根底をなす課題は、請求項１の上位概念に記載した装置の場合に、作 動中に定規を手動式に調節可能にすることにある。 この課題は、請求項１に記載した特徴によって解決された。 本発明のこのほかの有利な特徴は、請求項２から５に記載した通りである。 図面は、略示した一実施例につき本発明を説明するのに役立つ。 図１は、本発明のあや巻き装置を有する巻き上げ装置の部分側断面図である。 図２は、多次元式（mehrstellig）巻き上げ装置の２つの並置されたあや巻き ユニットの平面図である。左側のあや巻きユニットは、ハウジングと歯車とを取 り除いて、ロータと定規の位置のみを示してある。 図３は、前面図である。 図４ａ及び図４ｂは、調節ボルトがロック位置又は解除位置にある状態を示し た図である。 図５ａ〜図５ｃは、定規の種々異なる調節位置を示した図である。 形成中のボビン３の巻管２を取付けた巻取りスピンドル１が、図１には示され ていない機械フレームに公 知の形式で結合されている。巻取りスピンドル１の上方には、糸ガイド部材５を 介して上方から垂直的に供給される糸Ｆ用のあや巻き装置４が、同じく機械フレ ームに結合されている。巻取りスピンドル１とあや巻き装置４との間に接触ロー ラ６が配置されている。接触ローラ６の軸線は、巻取りスピンドル１の軸線に対 し水平かつ平行に配向されている。 あや巻き装置４には、２つのロータ７，８が所属し、これらのロータが、ハウ ジング９内に回転可能に支承されている。ロータの回転軸線は、例えば、ドイツ 連邦共和国実用新案登録第９３０７７４６号明細書により公知のように、互いに 平行に狭い間隔を置いて配置されている。ロータ７，８は、駆動装置によって、 逆方向に等回転数で駆動可能である。図１には、この駆動装置の、ロータ７に所 属する歯付きディスク１２だけが示されている。ロータ７は、図２から分かるよ うに、３個のプロペラ状のベーン１３を有し、ロータ８は、ベーン１３に対応配 置されたベーン１４を有している。図２に示したように、各ベーン１３は、回転 方向で前方に位置する側に、それもベーン先端近くに糸ガイド部材縁１３ａを有 し、各ベーン１４は、糸ガイド部材縁１４ａを有している。 ロータ７のベーン１３は、下方の回転平面１５内を回転し、 ロータ８のベー ン１４は、上方の回転平面１６内を回転する。双方の回転平面１５，１６の狭い 間隔は、符号ｄで示してある。ロータ７，８の軸線は、両回転平面１５，１６が 、図１のあや巻３角形の平面と鋭角をなすように、斜めに配置されている。 ２つの回転平面１５，１６間には、定規１７が配置されている。定規１７は、 ロータ７，８の回転軸線とは反対側に、ほぼ凸状の円弧状のガイド縁部４１を有 している。ガイド縁部４１は、あやふり行程Ｈにわたって延びている。あやふり 行程Ｈは、事実上（すなわち、特にあや巻き装置の傾斜位置に起因する僅かな偏 差は別にして）ベーン１３，１４の回転円がガイド縁部４１と交差する点の位置 によって決定されている。 定規１７の両端には、回転軸線とは反対側に舌状片３３が設けてある。これらの 舌状片３３は、ガイド縁部４１の両末端点を結ぶ線と直角に配向されている。定 規１７は、横アーム４２に固定されている。横アーム４２は、互いに鏡像対称的 にハウジング９の前壁にねじ固定され、回転平面１６上方に間隔を置いて配置さ れている。双方の横アーム４２の間隔はあやふり行程Ｈよりわずかに大きいだけ である。各横アーム４２は、その自由端に下向きのブロック状突出部４３を有し ている。突出部４３は、その下端面の近くに、下端面と平行なスリット４４を有 している。スリット４４内には、僅かの側方遊びをもって、舌状片３３が挿入さ れている。舌状片３３は、横位置の長孔４５を有している。 突出部４３は貫通孔４６を有している。貫通孔４６内には、調節ボルト４７が 挿入されている。調節ボルトの上方端面には、ねじ頭の形式でスリット４８が設 けられている。下方の端面には、偏心ピン４９が備えられ、この偏心ピンが、長 孔４５に突入している。調節ボルト４７には、周方向のＶ字形の溝５０が設けて ある。この溝５０には、クランプねじ５１の円錐形先端が係合する。この先端の 円錐角は、溝５０の側面間の角度に合致し、約９０度である。クランプねじ５１ は、ねじ孔内にねじ込まれており、ねじ孔は突出部４３の端面を貫通している。 定規１７を調節するためには、クランプねじ５１を弛める、つまり図４ａに示 した位置から、図４ｂに示した位置へもたらす。これにより、もはやクランプね じ５１の先端は、溝５０内にはなく、調節ボルト４７は自由回動可能である。調 節ボルトを、例えば、図５ａ〜図５ｃに示した位置へ回動させることにより、定 規１７の端部が、舌状片３３の延びる方向へ、偏心ピン４９の偏心率によって設 定される枠内で、ずらされる。相応の調節は、定規１７の他方の端部のところで も可能である。定規１７は、したがって、定規１７自体と平行に移動するのみで なく、小さな角度域内で旋回も可能である。スリット４４内で舌状片３３が有す る側方の遊びは、この旋回が妨げられない程度に寸法付けされている。他方、こ の遊びは、行程方向で目立 ったずれが生じない程度に小さくされている。定規１７が最適位置に達すると、 クランプねじ５１は両側で締付けられ、その結果、円錐形先端が再び調節ボルト ４７の溝５０に係合する。先端の円錐形は、Ｖ字形の溝横断面と協働して、調節 ボルト４７が、その下方の端面を舌状片３３に固く押圧するように、働く。この ようにして、調節が固定される。 特別な利点は、調節ボルト４７が、図２から最もよく分かるように、クランプ ねじ５１と共に、ベーンの回転円外に位置し、操作側、すなわちあやふり平面の 、機械フレームと向かい合った側から、作動中に自由に接近可能な点である。調 節の効果は、直接に糸の走行や糸の引渡しに現れる。したがって、反復的な最適 化処置は不要である。定規１７を極めて簡単に交換可能であることも、明らかに 利点であある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴェルナー フリュヒティング ドイツ連邦共和国 Ｄ−25551 ホーエン ロックシュテット ドレスデナー シュト ラーセ 45

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．あや巻装置であって、 ａ）ハウジング内に２つのロータが支承され、ロータ軸線が互いに平行に配向 され、互いに最高でも僅かな間隔をおいて位置しており、 ｂ）各ロータが、プロペラ形式に配置された少なくとも２つのベーンを有し、 ｃ）双方のベーンユニットの回転平面間に、狭い間隔が設けてあり、 ｄ）双方のロータが、駆動可能であり、かつまた伝動装置を介して互いに逆方 向に回転可能であり ｅ）双方の回転平面に隣接する平行な平面内に、定規が配置され、この定規の ガイド縁部の両末端点が、事実上、あやふり運動の反転点に対応しており、 ｆ）前記定規が、保持部材と、相対移動を許容する固定手段とによって、ハウ ジングに結合されている形式のものにおいて、 ｇ）定規（１７）が、ハウジング（９）と固定結合された保持部材（４２）の ところに調節可能に取付けられており、 ｈ）調節を行うための調節部材（４７）が、ベーン（１３，１４）の回転円外 に、自由接近可能に配置されていることを特徴とする、あや巻き装置。 ２．ｉ）調節部材が、調節ボルト（４７）として構 成され、この調節ボルトが、保持部材（４２）の貫通孔（４６）内で回動可能か つロック可能であり、 ｊ）調節ボルト（４７）の端面に偏心ピン（４９）が設けてあり、 ｋ）この偏心ピン（４９）が、定規（１７）の穴（４５）内へ突入している、 請求項１記載のあや巻き装置。 ３．ｌ）ガイド縁部（４１）が、ロータ（７，８）の回転軸線とは反対側に位 置し、 ｍ）定規（１７）の両端には、回転軸線とは反対側に舌状片（３３）が設けて あり、これら舌状片（３３）が、ガイド縁部（４１）の両末端点を結ぶ線と直角 方向に配向されており、 ｎ）舌状片（３３）が、横位置の、偏心ピン用の長孔（４５）を備えている、 請求項２記載のあや巻き装置。 ４．調節ボルト（４７）が、クランプねじ（５１）によって回動が防止されて いる、請求項２又は３記載のあや巻き装置。 ５．調節ボルト（４７）が、Ｖ字形横断面を有する周方向の溝（５０）を有し 、クランプねじ（５１）が、円錐形先端を、この溝（５１）内へ係合させる、請 求項４記載のあや巻き装置。