JP2510016Y2 - トラバ―ス装置 - Google Patents
トラバ―ス装置Info
- Publication number
- JP2510016Y2 JP2510016Y2 JP1991067757U JP6775791U JP2510016Y2 JP 2510016 Y2 JP2510016 Y2 JP 2510016Y2 JP 1991067757 U JP1991067757 U JP 1991067757U JP 6775791 U JP6775791 U JP 6775791U JP 2510016 Y2 JP2510016 Y2 JP 2510016Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- traverse
- yarn
- blades
- guide
- yarn guide
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- Winding Filamentary Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、糸を巻取パッケージと
する場合に、糸をトラバースさせるトラバース装置に関
し、特に2以上の糸案内羽根を有する回転部材の2枚を
重ねて配置すると共に互いに逆方向に回転させ、前記糸
案内羽根で運ばれる糸の糸道を規制するトラバース案内
面を設けたトラバースユニットを列設して成るトラバー
ス装置に関する。
する場合に、糸をトラバースさせるトラバース装置に関
し、特に2以上の糸案内羽根を有する回転部材の2枚を
重ねて配置すると共に互いに逆方向に回転させ、前記糸
案内羽根で運ばれる糸の糸道を規制するトラバース案内
面を設けたトラバースユニットを列設して成るトラバー
ス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のトラバースユニットは溝カム機構
を用い、これと係合するトラバースガイドの往復運動に
よって糸のトラバースを行なわせていた。そのためトラ
バースガイドの折返し点において生ずる衝撃や、その場
合に生ずる騒音がきわめて大きく、高速回転を円滑に行
うには限界がある。そこで、このような溝カム機構によ
る欠点を解決するものとして、互いに反対方向に回転す
る糸案内羽根を用いて糸をトラバースさせるトラバース
ユニットが知られている。
を用い、これと係合するトラバースガイドの往復運動に
よって糸のトラバースを行なわせていた。そのためトラ
バースガイドの折返し点において生ずる衝撃や、その場
合に生ずる騒音がきわめて大きく、高速回転を円滑に行
うには限界がある。そこで、このような溝カム機構によ
る欠点を解決するものとして、互いに反対方向に回転す
る糸案内羽根を用いて糸をトラバースさせるトラバース
ユニットが知られている。
【0003】以下図5乃至図7により、互いに反対方向
に回転する糸案内羽根を用いる従来のトラバースユニッ
トを説明する。図5および図7において、紡出された糸
Yは回転部材101,102に設けられた糸案内羽根1
03,103′,104,104′によって交互にトラ
バースされ、トラバース案内部材105のトラバース案
内面dの上を案内されながら、タッチローラ106によ
って回転させられている巻取パッケージ107に巻き取
られる。ここで回転部材101,102は同一の回転中
心を有し、それぞれ回転軸108および109に設けら
れて、互いに反対方向に回転するようになっている。す
なわち、回転軸108の他端には傘歯車110が設けら
れ、また他方の回転軸109の他端には傘歯車111が
設けられ、これらの傘歯車110,111が電動機11
3によって駆動される傘歯車112と噛み合っているの
で、回転部材101,102には互いに反対方向に回転
運動が与えられることになるのである。このように同一
回転中心を有し、互いに反対方向に回転する回転部材1
01,102の周囲に180°ずつの間隔を置いて、そ
れぞれ回転部材101には糸案内羽根103,103′
が、また回転部材102には糸案内羽根104、10
4′がネジ等で固定されている。
に回転する糸案内羽根を用いる従来のトラバースユニッ
トを説明する。図5および図7において、紡出された糸
Yは回転部材101,102に設けられた糸案内羽根1
03,103′,104,104′によって交互にトラ
バースされ、トラバース案内部材105のトラバース案
内面dの上を案内されながら、タッチローラ106によ
って回転させられている巻取パッケージ107に巻き取
られる。ここで回転部材101,102は同一の回転中
心を有し、それぞれ回転軸108および109に設けら
れて、互いに反対方向に回転するようになっている。す
なわち、回転軸108の他端には傘歯車110が設けら
れ、また他方の回転軸109の他端には傘歯車111が
設けられ、これらの傘歯車110,111が電動機11
3によって駆動される傘歯車112と噛み合っているの
で、回転部材101,102には互いに反対方向に回転
運動が与えられることになるのである。このように同一
回転中心を有し、互いに反対方向に回転する回転部材1
01,102の周囲に180°ずつの間隔を置いて、そ
れぞれ回転部材101には糸案内羽根103,103′
が、また回転部材102には糸案内羽根104、10
4′がネジ等で固定されている。
【0004】図7によって更に詳細を説明すると、糸案
内羽根103,103′および104,104′の各先
端の回転中心からの距離は同一半径としてあり、回転に
よって二点鎖線Cの円軌線跡を画く。糸Yは糸案内羽根
の側面によって運ばれ、かつトラバース案内部材105
のトラバース案内面dの曲線に沿い、折返し点aおよび
bにおいて互いに反対方向に回転する糸案内羽根と入れ
かわりながら、左右のトラバース運動を行う。ここで各
折返し点a,bでの糸の折返しを確実にしかも円滑に実
施できるようにするため、次のような構成がとられてい
る。すなわち、各回転部材101,102に対する糸案
内羽根103と103′および104と104′の取付
け位置は180°の関係にし、またトラバース運動の折
返し点aおよびbにおいて上下の糸案内羽根が重なるよ
うにするために角aobが90°にしてある。また、糸
渡しを確実に行うため、折返し点aおよびbにはそれぞ
れ糸案内羽根の重なり合う位置に近接して上面と下面と
に突出ガイドを設けることもある。
内羽根103,103′および104,104′の各先
端の回転中心からの距離は同一半径としてあり、回転に
よって二点鎖線Cの円軌線跡を画く。糸Yは糸案内羽根
の側面によって運ばれ、かつトラバース案内部材105
のトラバース案内面dの曲線に沿い、折返し点aおよび
bにおいて互いに反対方向に回転する糸案内羽根と入れ
かわりながら、左右のトラバース運動を行う。ここで各
折返し点a,bでの糸の折返しを確実にしかも円滑に実
施できるようにするため、次のような構成がとられてい
る。すなわち、各回転部材101,102に対する糸案
内羽根103と103′および104と104′の取付
け位置は180°の関係にし、またトラバース運動の折
返し点aおよびbにおいて上下の糸案内羽根が重なるよ
うにするために角aobが90°にしてある。また、糸
渡しを確実に行うため、折返し点aおよびbにはそれぞ
れ糸案内羽根の重なり合う位置に近接して上面と下面と
に突出ガイドを設けることもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】図4乃至図6に示すト
ラバースユニットでは、トラバースの往路と復路の速度
は同じである。したがって、図4の(b)に示すよう
に、往路eと復路fの糸の軌跡も同じとなる。一般に、
巻方向と逆に解舒する場合、密に巻かれ綾角が大きい程
解舒性が良くなる。しかし、密に巻かれることで固く巻
かれバルジ現象が発生し易くなる。すなわち、従来のよ
うに往路と復路の速度が同じになるトラバース装置では
解舒性向上とバルジ現象の解消の同時達成は難しいとい
う問題点があった。
ラバースユニットでは、トラバースの往路と復路の速度
は同じである。したがって、図4の(b)に示すよう
に、往路eと復路fの糸の軌跡も同じとなる。一般に、
巻方向と逆に解舒する場合、密に巻かれ綾角が大きい程
解舒性が良くなる。しかし、密に巻かれることで固く巻
かれバルジ現象が発生し易くなる。すなわち、従来のよ
うに往路と復路の速度が同じになるトラバース装置では
解舒性向上とバルジ現象の解消の同時達成は難しいとい
う問題点があった。
【0006】本考案は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、互いに反対方向に回転する糸案内羽根を用いる
トラバースユニットの複数を列設したトラバース装置で
あって解舒性に優れバルジも発生しにくいトラバース装
置を提供することを目的としている。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、互いに反対方向に回転する糸案内羽根を用いる
トラバースユニットの複数を列設したトラバース装置で
あって解舒性に優れバルジも発生しにくいトラバース装
置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案のトラバース装置は、糸案内羽根を有する回
転部材の2枚を重ねて配置すると共に互いに逆方向に回
転させ、前記糸案内羽根で運ばれる糸の糸道を規制する
トラバース案内部材を設けたトラバースユニットを列設
して成るトラバース装置において、トラバースユニット
における2枚の前記回転部材の糸案内羽根の枚数を異な
らせると共に、枚数比の逆数で回転速度を異ならせ、隣
合うトラバースユニットの回転部材の糸案内羽根の枚数
配置を逆にすると共に、同じ枚数の糸案内羽根を有する
回転部材は同方向に回転させたものである。
に、本考案のトラバース装置は、糸案内羽根を有する回
転部材の2枚を重ねて配置すると共に互いに逆方向に回
転させ、前記糸案内羽根で運ばれる糸の糸道を規制する
トラバース案内部材を設けたトラバースユニットを列設
して成るトラバース装置において、トラバースユニット
における2枚の前記回転部材の糸案内羽根の枚数を異な
らせると共に、枚数比の逆数で回転速度を異ならせ、隣
合うトラバースユニットの回転部材の糸案内羽根の枚数
配置を逆にすると共に、同じ枚数の糸案内羽根を有する
回転部材は同方向に回転させたものである。
【0008】
【作用】2枚の回転部材の糸案内羽根の枚数を異ならせ
ると共に、枚数比の逆数で回転速度を異ならせると、糸
のトラバースと往路と復路の速度が異なり、タッチロー
ラの回転数は一定であるので往路と復路の糸の綾角も異
なるものとなり、綾角の大きいものと小さいものが混在
するようになる。また、隣合うトラバースユニットの2
枚の回転部材の糸案内羽根の枚数配置を逆にし、互いの
干渉を避ける。また隣り合う回転部材の糸案内羽根の枚
数配置を逆にするだけではなく、同じ枚数の糸案内羽根
を有する回転部材は同方向に回転させたので、隣り合う
トラバースユニットで形成されるパッケージの巻き姿が
同じになる。
ると共に、枚数比の逆数で回転速度を異ならせると、糸
のトラバースと往路と復路の速度が異なり、タッチロー
ラの回転数は一定であるので往路と復路の糸の綾角も異
なるものとなり、綾角の大きいものと小さいものが混在
するようになる。また、隣合うトラバースユニットの2
枚の回転部材の糸案内羽根の枚数配置を逆にし、互いの
干渉を避ける。また隣り合う回転部材の糸案内羽根の枚
数配置を逆にするだけではなく、同じ枚数の糸案内羽根
を有する回転部材は同方向に回転させたので、隣り合う
トラバースユニットで形成されるパッケージの巻き姿が
同じになる。
【0009】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本考案のトラバース装置の上面図、図2
はトラバース装置の案内羽根の配置図である。
明する。図1は本考案のトラバース装置の上面図、図2
はトラバース装置の案内羽根の配置図である。
【0010】図1において、トラバースユニットU1,
U2,U3が列設されている。トラバースユニットU1
では、上側の回転部材1が3枚羽根用であり、下側の回
転部材2が2枚羽根用である。トラバースユニットU2
では、上側の回転部材2が2枚羽根用であり、下側の回
転部材1が3枚羽根用である。トラバースユニットU3
では、上側の回転部材1が3枚羽根用であり、下側の回
転部材2が2枚羽根用である。そして、3枚羽根用の回
転部材1と2枚羽根用の回転部材2は逆方向に回転して
おり、その回転速度比は2対3となっている。例えば、
回転部材1の回転数が600rpmであると、回転部材
2の回転数は900rpmである。また、回転部材1の
回転中心と回転部材2の回転中心は距離εだけ偏心して
いる。
U2,U3が列設されている。トラバースユニットU1
では、上側の回転部材1が3枚羽根用であり、下側の回
転部材2が2枚羽根用である。トラバースユニットU2
では、上側の回転部材2が2枚羽根用であり、下側の回
転部材1が3枚羽根用である。トラバースユニットU3
では、上側の回転部材1が3枚羽根用であり、下側の回
転部材2が2枚羽根用である。そして、3枚羽根用の回
転部材1と2枚羽根用の回転部材2は逆方向に回転して
おり、その回転速度比は2対3となっている。例えば、
回転部材1の回転数が600rpmであると、回転部材
2の回転数は900rpmである。また、回転部材1の
回転中心と回転部材2の回転中心は距離εだけ偏心して
いる。
【0011】回転部材1は円周120°分割位置に3本
の糸案内羽根3を有しており、回転部材2は円周180
°分割位置に2本の糸案内羽根4を有している。すなわ
ち、回転部材1の羽根枚数と回転部材2の羽根枚数との
比は、回転部材1と回転部材2との回転速度比である2
対3の逆数比である3対2となっている。そして、糸案
内羽根3,4は糸Yを送り出す傾斜面3a,4aを有し
ている。
の糸案内羽根3を有しており、回転部材2は円周180
°分割位置に2本の糸案内羽根4を有している。すなわ
ち、回転部材1の羽根枚数と回転部材2の羽根枚数との
比は、回転部材1と回転部材2との回転速度比である2
対3の逆数比である3対2となっている。そして、糸案
内羽根3,4は糸Yを送り出す傾斜面3a,4aを有し
ている。
【0012】5はトラバース案内部材であり、糸案内羽
根3又は4の真上に位置している。糸Yはトラバース案
内部材5の円弧面5aに規制され、糸案内羽根3,4の
傾斜面3a,4aで運ばれる。また、円弧面5aの両端
に山5bが形成され、糸Yが乗り上げるようになってい
る。糸Yのトラバースの折り返し点a,bは山5bの手
前となり、折り返し点a,bと回転部材1,2の中心が
形成する扇形の中心角は約72°となっている。すなわ
ち、早い糸案内羽根4が時計方向に回転しつつ糸Yを案
内して折り返し点aに至ると、遅い糸案内羽根3が図示
の位置から反時計方向に回転しつつ折り返し点aに至る
ようになっている。また、回転部材1,2の回転中心が
距離εだけ偏心しているので、糸Yを運びつつある糸案
内羽根4の円弧面5aからの突出長さが徐々に短くな
り、折り返し点aで突出長がゼロになって糸Yが円弧面
5a上に解放される。一方、糸案内羽根3は円弧面5a
から大きく突出しており、案内羽根4から解放された糸
Yを逆方向に運ぶ。なお、折り返し点bでも同様にして
糸Yの受け渡しが行われる。
根3又は4の真上に位置している。糸Yはトラバース案
内部材5の円弧面5aに規制され、糸案内羽根3,4の
傾斜面3a,4aで運ばれる。また、円弧面5aの両端
に山5bが形成され、糸Yが乗り上げるようになってい
る。糸Yのトラバースの折り返し点a,bは山5bの手
前となり、折り返し点a,bと回転部材1,2の中心が
形成する扇形の中心角は約72°となっている。すなわ
ち、早い糸案内羽根4が時計方向に回転しつつ糸Yを案
内して折り返し点aに至ると、遅い糸案内羽根3が図示
の位置から反時計方向に回転しつつ折り返し点aに至る
ようになっている。また、回転部材1,2の回転中心が
距離εだけ偏心しているので、糸Yを運びつつある糸案
内羽根4の円弧面5aからの突出長さが徐々に短くな
り、折り返し点aで突出長がゼロになって糸Yが円弧面
5a上に解放される。一方、糸案内羽根3は円弧面5a
から大きく突出しており、案内羽根4から解放された糸
Yを逆方向に運ぶ。なお、折り返し点bでも同様にして
糸Yの受け渡しが行われる。
【0013】図2によりトラバース装置全体としての糸
案内羽根配列を説明する。図2は上側の糸案内羽根を図
示している。トラバースユニットU1の3枚の糸案内羽
根3,3の間に、トラバースユニットU2の2枚の糸案
内羽根4が位置し、隣合うトラバースユニットの枚数配
置が逆となっている。そして、糸案内羽根3が時計方向
に回転すると、糸案内羽根4は反時計方向に回転する。
すなわち、糸案内羽根3と4の回転速度比が2対3であ
るので、円弧軌跡が重なるようにトラバースユニットU
1,U2を列設しても糸案内羽根が干渉することがな
い。また、トラバースユニットU2,U3及びトラバー
スユニットU3,U4の糸案内羽根の位置関係も図示の
ようになっており、互いに干渉することなく回転が可能
となっている。このように、糸案内羽根の枚数を異なら
せると共に、枚数比の逆数で回転速度を異ならせたトラ
バースユニットであっても、隣合う糸案内羽根の枚数配
置を逆にすると、トラバースユニットを接近して配置す
ることができる。
案内羽根配列を説明する。図2は上側の糸案内羽根を図
示している。トラバースユニットU1の3枚の糸案内羽
根3,3の間に、トラバースユニットU2の2枚の糸案
内羽根4が位置し、隣合うトラバースユニットの枚数配
置が逆となっている。そして、糸案内羽根3が時計方向
に回転すると、糸案内羽根4は反時計方向に回転する。
すなわち、糸案内羽根3と4の回転速度比が2対3であ
るので、円弧軌跡が重なるようにトラバースユニットU
1,U2を列設しても糸案内羽根が干渉することがな
い。また、トラバースユニットU2,U3及びトラバー
スユニットU3,U4の糸案内羽根の位置関係も図示の
ようになっており、互いに干渉することなく回転が可能
となっている。このように、糸案内羽根の枚数を異なら
せると共に、枚数比の逆数で回転速度を異ならせたトラ
バースユニットであっても、隣合う糸案内羽根の枚数配
置を逆にすると、トラバースユニットを接近して配置す
ることができる。
【0014】つぎに、上述した構造のトラバース装置の
作動を以下に説明する。図1のトラバースユニットU2
において、回転速度の早い糸案内羽根4が糸Yをトラバ
ース案内部材の円弧面5aに沿って左行きで案内してい
る。糸案内羽根4が折り返し点aに至ると、糸案内羽根
3が折り返し点aに至り、糸渡しが行われる。つぎに、
糸案内羽根3が右行きで案内し、折り返し点bに至る
と、糸案内羽根4が折り返し点bに至り、糸渡しが行わ
れる。以上の繰り返しにより糸Yのトラバースが行われ
る。そして、回転部材1と回転部材2の回転速度比が2
対3であるので、往路と復路の糸の綾角が異なってく
る。綾角が異なる場合のパッケージを図4により説明す
る。図4(a)において、往路hのワインド数が4で復
路iのワインド数が6の場合が例示されている。復路i
の綾角θ2は往路hの綾角θ1に比較して大きくなって
いる。例えば、図4(a)のパッケージを右側を上にし
て解舒する場合、逆方向に解舒される復路iがより密に
巻かれており、解舒性が向上する。また、密に巻かれた
復路iのみではなく、粗に巻かれた往路hが混在してい
るので、固く巻かれることが緩和され、バルジ現象解消
に良い影響を与える。
作動を以下に説明する。図1のトラバースユニットU2
において、回転速度の早い糸案内羽根4が糸Yをトラバ
ース案内部材の円弧面5aに沿って左行きで案内してい
る。糸案内羽根4が折り返し点aに至ると、糸案内羽根
3が折り返し点aに至り、糸渡しが行われる。つぎに、
糸案内羽根3が右行きで案内し、折り返し点bに至る
と、糸案内羽根4が折り返し点bに至り、糸渡しが行わ
れる。以上の繰り返しにより糸Yのトラバースが行われ
る。そして、回転部材1と回転部材2の回転速度比が2
対3であるので、往路と復路の糸の綾角が異なってく
る。綾角が異なる場合のパッケージを図4により説明す
る。図4(a)において、往路hのワインド数が4で復
路iのワインド数が6の場合が例示されている。復路i
の綾角θ2は往路hの綾角θ1に比較して大きくなって
いる。例えば、図4(a)のパッケージを右側を上にし
て解舒する場合、逆方向に解舒される復路iがより密に
巻かれており、解舒性が向上する。また、密に巻かれた
復路iのみではなく、粗に巻かれた往路hが混在してい
るので、固く巻かれることが緩和され、バルジ現象解消
に良い影響を与える。
【0015】なお、上述した実施例では、2枚羽根と3
枚羽根の組合せ例であったが、この場合に限ることな
く、2枚羽根と4枚羽根の組合せや3枚羽根と4枚羽根
の組合せであっても、枚数比の逆数の回転速度とし、折
り返し点が一致するようにトラバース案内部材の形状と
羽根同士の位相差を決めることにより上記実施例と同様
の作用効果を得ることができる。
枚羽根の組合せ例であったが、この場合に限ることな
く、2枚羽根と4枚羽根の組合せや3枚羽根と4枚羽根
の組合せであっても、枚数比の逆数の回転速度とし、折
り返し点が一致するようにトラバース案内部材の形状と
羽根同士の位相差を決めることにより上記実施例と同様
の作用効果を得ることができる。
【0016】更に、図3により、回転部材1と回転部材
2の駆動装置を説明する。11はタッチローラ、12は
パッケージであり、糸案内羽根3,4とトラバース案内
部材5がタッチローラ11の上方に位置している。回転
部材1と回転部材2はボックス13によって回転自在に
支持され、ボックス13はタッチローラ11と共に昇降
枠に取り付けられている。ボックス13は第1ハウジン
グ14と第2ハンジング15を有している。第1ハンジ
ング14の内部に軸受16を介して軸17が支持されて
おり、この軸17の上端に回転部材1が嵌入され、軸1
7の下端にタイミングプーリ18が嵌入されている。ま
た、第1ハンジング14の外部に軸受19を介して回転
部材2が支持されている。更に、回転部材2にギア20
が嵌入されている。軸受16の中心軸16aと軸受19
の中心軸19aと距離εだけ偏心しており、この軸受配
置により回転部材1と回転部材2の回転中心が距離εだ
け偏心する。また、第2ハウジング15の内部に軸受2
1を介して軸22が支持されており、軸22のボックス
13内にギア20と噛み合うギア23が嵌入されてお
り、軸22のボックス13外にタイミングベルト24が
掛けられたタイミングプーリ25と駆動プーリ26とが
嵌入されている。
2の駆動装置を説明する。11はタッチローラ、12は
パッケージであり、糸案内羽根3,4とトラバース案内
部材5がタッチローラ11の上方に位置している。回転
部材1と回転部材2はボックス13によって回転自在に
支持され、ボックス13はタッチローラ11と共に昇降
枠に取り付けられている。ボックス13は第1ハウジン
グ14と第2ハンジング15を有している。第1ハンジ
ング14の内部に軸受16を介して軸17が支持されて
おり、この軸17の上端に回転部材1が嵌入され、軸1
7の下端にタイミングプーリ18が嵌入されている。ま
た、第1ハンジング14の外部に軸受19を介して回転
部材2が支持されている。更に、回転部材2にギア20
が嵌入されている。軸受16の中心軸16aと軸受19
の中心軸19aと距離εだけ偏心しており、この軸受配
置により回転部材1と回転部材2の回転中心が距離εだ
け偏心する。また、第2ハウジング15の内部に軸受2
1を介して軸22が支持されており、軸22のボックス
13内にギア20と噛み合うギア23が嵌入されてお
り、軸22のボックス13外にタイミングベルト24が
掛けられたタイミングプーリ25と駆動プーリ26とが
嵌入されている。
【0017】図3の駆動装置の作動は以下の通りであ
る。駆動プーリ26が反時計方向に回転しているとする
と、タイミングプーリ25とタイミングベルト24とタ
イミングプーリ18の組み合わせも同じく反時計方向回
転となり、軸17、回転部材1及び糸案内羽根3は反時
計方向回転である。一方、ギア23とギア20の組み合
わせによって回転方向が逆になり、回転部材2は時計方
向に回転する。このように、回転部材1(3枚)と回転
部材2(2枚)の駆動にベルトとギアを用いることによ
り、回転方向が逆転する。また、回転部材1と回転部材
2の回転比は、(ギア20の歯数/ギア23の歯数)対
(タイミングプーリ25の歯数/タイミングプーリ18
の歯数)で例えば2対3とすることができる。
る。駆動プーリ26が反時計方向に回転しているとする
と、タイミングプーリ25とタイミングベルト24とタ
イミングプーリ18の組み合わせも同じく反時計方向回
転となり、軸17、回転部材1及び糸案内羽根3は反時
計方向回転である。一方、ギア23とギア20の組み合
わせによって回転方向が逆になり、回転部材2は時計方
向に回転する。このように、回転部材1(3枚)と回転
部材2(2枚)の駆動にベルトとギアを用いることによ
り、回転方向が逆転する。また、回転部材1と回転部材
2の回転比は、(ギア20の歯数/ギア23の歯数)対
(タイミングプーリ25の歯数/タイミングプーリ18
の歯数)で例えば2対3とすることができる。
【0018】
【考案の効果】本考案のトラバース装置は、トラバース
ユニットにおける2枚の前記回転部材の糸案内羽根の枚
数を異ならせると共に、枚数比の逆数で回転速度を異な
らせ、隣合うトラバースユニットの2枚の回転部材の糸
案内羽根の枚数配置を逆にしたものであり、糸のトラバ
ースと往路と復路の速度即ち往路と復路の糸の綾角が異
なるものとなり、綾角の大きいものと小さいものが混在
するようになるので、綾角が大きく密に巻かれたものに
比較してバルジ現象が改善し、綾角が大きく密に巻かれ
たものを逆方向に解舒すると解舒性も向上する。また、
隣合うトラバースユニットの2枚の回転部材の糸案内羽
根の枚数配置を逆にし、互いの干渉を避けつつトラバー
スユニットを近接して列設するので、糸案内羽根の枚数
が異なってもトラバースユニットのオーバートラップし
た列設が可能となる。また隣り合う回転部材の糸案内羽
根の枚数配置を逆にするだけではなく、同じ枚数の糸案
内羽根を有する回転部材は同方向に回転させ、隣り合う
トラバースユニットで形成されるパッケージの巻き姿が
同じにしたので、単に隣接する羽根の回転方向を変えて
トラバースユニットを近接配置した場合のように、トラ
バース速度を早くした往路とトラバース速度を遅くした
復路とが逆になって巻き姿が異なることがなく、パッケ
ージの向きを揃えなおす必要がない。
ユニットにおける2枚の前記回転部材の糸案内羽根の枚
数を異ならせると共に、枚数比の逆数で回転速度を異な
らせ、隣合うトラバースユニットの2枚の回転部材の糸
案内羽根の枚数配置を逆にしたものであり、糸のトラバ
ースと往路と復路の速度即ち往路と復路の糸の綾角が異
なるものとなり、綾角の大きいものと小さいものが混在
するようになるので、綾角が大きく密に巻かれたものに
比較してバルジ現象が改善し、綾角が大きく密に巻かれ
たものを逆方向に解舒すると解舒性も向上する。また、
隣合うトラバースユニットの2枚の回転部材の糸案内羽
根の枚数配置を逆にし、互いの干渉を避けつつトラバー
スユニットを近接して列設するので、糸案内羽根の枚数
が異なってもトラバースユニットのオーバートラップし
た列設が可能となる。また隣り合う回転部材の糸案内羽
根の枚数配置を逆にするだけではなく、同じ枚数の糸案
内羽根を有する回転部材は同方向に回転させ、隣り合う
トラバースユニットで形成されるパッケージの巻き姿が
同じにしたので、単に隣接する羽根の回転方向を変えて
トラバースユニットを近接配置した場合のように、トラ
バース速度を早くした往路とトラバース速度を遅くした
復路とが逆になって巻き姿が異なることがなく、パッケ
ージの向きを揃えなおす必要がない。
【図1】本考案のトラバース装置の上面図である。
【図2】トラバース装置の案内羽根の配置図である。
【図3】本考案のトラバース装置の縦断面図である。
【図4】糸の重なりを示す図である。
【図5】従来のトラバース装置の側面図
【図6】従来のトラバース装置の上面図
【図7】図5のZ−Z断面図
1,2 回転部材 3,4 糸案内羽根 5 トラバース案内部材
Claims (1)
- 【請求項1】 糸案内羽根を有する回転部材の2枚を重
ねて配置すると共に互いに逆方向に回転させ、前記糸案
内羽根で運ばれる糸の糸道を規制するトラバース案内部
材を設けたトラバースユニットを列設して成るトラバー
ス装置において、トラバースユニットにおける2枚の前
記回転部材の糸案内羽根の枚数を異ならせると共に、枚
数比の逆数で回転速度を異ならせ、隣合うトラバースユ
ニットの回転部材の糸案内羽根の枚数配置を逆にすると
共に、同じ枚数の糸案内羽根を有する回転部材は同方向
に回転させたことを特徴とするトラバース装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991067757U JP2510016Y2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | トラバ―ス装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991067757U JP2510016Y2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | トラバ―ス装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0512448U JPH0512448U (ja) | 1993-02-19 |
JP2510016Y2 true JP2510016Y2 (ja) | 1996-09-11 |
Family
ID=13354133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991067757U Expired - Lifetime JP2510016Y2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | トラバ―ス装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2510016Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59194977A (ja) * | 1983-01-19 | 1984-11-05 | バルマ−ク・バルメル・マシ−ネンフアブリ−ク・アクチエンゲゼルシヤフト | 巻取装置 |
JP2511686B2 (ja) * | 1987-12-30 | 1996-07-03 | 帝人製機株式会社 | 糸条のトラバ―ス装置 |
-
1991
- 1991-07-30 JP JP1991067757U patent/JP2510016Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0512448U (ja) | 1993-02-19 |
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