【発明の詳細な説明】
発明の名称 ミステリ時計
技術分野
本発明は、時計、ことにほぼ全く透明なことによって呼称されるいわゆるミス
テリ時計(mystery clock)に関する。
背景技術
このような時計は、それぞれ周辺部を駆動される透明な円板を配置した円形の
穴を持つ固定のフレ−ムの形に作られる。
このような時計は当業界にはよく知られ、たとえば伸長性の針を持つ特殊な種
類のミステリ時計について述べた仏国特許願FR−A−2,632,426号明
細書に記載してある。
ミステリ時計の全分野では、関連する透明円板の断面形状は時計穴の形状及び
寸法に対応し、各円板はその固定の軸線のまわりに回転する。
本発明の目的は、針又は類似物と時計駆動機構との間の連結が見掛け上存在し
ないで円板の軸線又は類似物の運動によって著しい効果が加わる時計を提供する
こととある。
従来の時計では時間及び/又は分の指示器の幾何学的回転軸線の移動により或
は正規の読取り素子(ダイヤル、時間指示器、分指示器)の転移又は部分的除去
によって著しい効果の得られる構造が従来提案されている。
すなわち特許DE−A−2,044,355号明細書には、時間又は分の指示
円板(又は円環)がその幾何学的軸線のまわりに回転する間に固定の軸線を持っ
環(又は円板)に対して、たとえば歯車装置により滑動しないで回転運動に次い
で全体が動かされることが記載してある。この場合前記幾何学的紬線は円を画く
。時間は、環及び円板の相対位置の目視の査定によって読取る。
別の例としてWO−A−94−04965特許明細書には、固定の軸線のまわ
りに一定の速度で時計回りに回転しケ−シングの回転と分指示指針の回転とを制
御する従来の時計機構を偏心して支えるケ−シングを備えた時計について記載し
てある。分指示指針の後方には従来の目盛付きダイヤルを位置させてある。この
ダイヤルはこれがその一定の角度位置を重力だけによって保持するようにすなわ
ち12時−6時の線がつねに上下方向になるように安定させる。関連ケ−シング
は時間標識又は時間指針、たとえば指針を備えている。時間はダイヤルに対する
前記ケ−シングの角度位置に基づいて読取り、そして分は後方に位置する前記ダ
イヤルに対する指針の位置から普通の方法で読取る。
これ等の公知の装置では、時間の読取りは、時間指示器及び分指示器が互いに
同軸でなく相互に対して互いに間隔を隔てるから極めて非実際的である。従って
使用者は2つの要素の相対位置の異常な光学的の又は目視の査定を行わなければ
ならない。さらにこれ等の装置は、円板又は類似の指示器により機構を覆わなけ
ればならなくて従って透明にすることができないから、いわゆる「ミステリ」時
計には適用できない。
本発明の目的は従って、時間の読取りは極めて容易にできるが時間指示器及び
分指示器の同軸配置によってこれ等の指示器の幾何学的回転軸線の相対的な運動
により別の著しい効果を持つ「ミステリ」時計を提供することにある。
このために本発明は、読取り標識を設けた透明なダイヤルと、読取り指針の区
域を除いて透明な分指示器と、読取り指針の区域を除いて透明な分指示器と、読
取り指針の区域を除いて同様に透明な時間指示器とを備え、前記の各指示器及び
ダイヤルを共通の幾何学的軸線Yを持つようにし架枠又は囲いにより支え、前記
の指示器及びダイヤルの少なくとも一部分にこれ等を前記囲いに対して前記軸線
Yのまわりに回転駆動するようにそれぞれ周辺部に前記囲いにより覆われた歯を
設けて成るいわゆる「ミステリ」時計において、又
固定の幾何学的軸線Xを持ち前記囲いを運動できるように支える固定のフレ−
ムと、
前記囲いとこの囲いが支える前記のダイヤル及び各指示器とを前記固定軸線X
のまわりに前もって定めた方向に前もって定めた角速度で回転する第1の駆動手
段と
前記の時間指示器及び分指示器がこれ等の指示器の前記ダイヤルに対する相対
的角度位置によって時間の瞬間的指示のために相対的に又前記ダイヤルに対して
回転するように前記のダイヤル、分指示器及び時間指示器の少なくとも一部分を
それぞれ周辺部により前記囲いの前記軸線Yのまわりに回転する第2の駆動手段
と
を設けたことを特徴とする時計を提供することにある。
簡単化のために前記第2駆動手段は、ダイヤルが一定の角度位置に留まるよう
に配置するのが有利である。
たとえばこの第2駆動手段は、歯車装置を介して前記固定フレ−ムに支えた固
定の環状歯車に協働する。
好適な実施例によれば第2駆動手段は、それぞれ歯車装置を介して前記環状歯
車と前記囲いに支えた前記のダイヤル及び各指示器の少なくとも一部分の歯付き
周辺部と共に機能する少なくとも1個の入力歯車及び少なくとも2個の出力歯車
を持つ歯車列を備えている。
1実施例によれば前記歯車列は、環状歯車と前記のダイヤル及び各指示器の少
なくとも一部分の歯付き周辺部との間に延びる。この歯車列は、囲いを固定して
支え装飾部材により覆う運動装置により支える。
1変型として囲いは固定のフレ−ムに対して実質的に接触して整合し、又歯車
列は前記囲いを固定して支える運動装置により支えられ又前記の固定フレ−ム及
び囲いの接触区域内で前記固定フレ−ム内に部分的に納められそして前記囲い内
に部分的に納めてある。
他の実施例によれば前記第2駆動手段は、固定フレ−ム内に納められそれぞれ
一方では前記囲いにより支えた前記のダイヤル及び各指示器のうちの一方の歯付
き周辺部と又他方では前記固定フレ−ム内に納めた駆動歯車と共に機能する少な
くとも2個の浮動環状歯車を備える。
関連する時計は、第1の時間指示部分と前記第2駆動駆動手段の一部を覆い前
記第1部分から前記固定フレ−ムの内部輪郭に延びる第2の部分とを持っ運動装
置を備えるのが有利である。
この場合前記の運動装置の第2部分は前記第2駆動手段の前記部分を除いて透
明か又は空げきである。
たとえば前記の幾何学的軸線XYは、互いに接合され又は別個にしてある。こ
の後者の場合には囲いは、固定フレ−ムの前記内部輪郭に対して接触して配置さ
れ又はこの内部輪郭に対して間隔を隔てている。
1実施例によれば本発明時計は、第1駆動手段をこれ等の手段が囲いとこの囲
いが支えるダイヤル及び各指示器とを観察者から見て時計回りに1/12回転/
hrの角速度で駆動するように配置し、時間指示器を前記囲いと一体にし、そし
て第2駆動手段が分指示器用の出力歯車と前記ダイヤル用の出力歯車とを備えた
ことを特長とする。
他の実施例によれば本発明時計は、第1駆動手段をこれ等の手段が囲いとこの
囲いが支えるダイヤル及び各指示器とを観察者から見て時計回りに1回転/hr
の角速度で駆動するように配置し、分指示器を前記囲いと一体にし、そして第2
駆動手段が時間指示器用の出力歯車と前記ダイヤル用の出力歯車とを備えたこと
を特長とする。
一般に運動学の見地から第2の駆動手段は、
次の関係
Vmn=1−eV1
Vh =1/12−eV1
Vo =−eV1
に従って前記分指示器を前記囲いに対して回転/hrで表わした角速度Vmnで、
前記時間指示器を回転/hrで表わした角速度Vhで、そして前記ダイヤルを回
転/hrで表わした角速度Voで、
(前記関係式中でV1は、回転/hrで表わされ、軸線Xのまわりの前記囲いの
角速度の正の数値(絶対値)であり、eは、前記囲いが時計回りに回転する場合
+1の値を持ち又逆時計回りに回転する場合−1の値を持ち、前記の速度Vmn,
Vh及びVoは前記囲いに対して時計回りの回転では正であり逆時計回りの回転で
は負である)
それぞれ回転するように配置してある。
特定の1実施例によれば、固定のフレ−ムは、前記囲いとこの囲いが支えるダ
イヤル及び各指示器とが固定フレ−ムの固定軸線Xのまわりに回転する円形の穴
を持つ。前記囲いは、少なくとも一部が前記円形穴の縁部まで延びる運動装置の
一部である。この運動装置は前記囲いの外側で前記の第1及び/又は第2の駆動
手段を覆う少なくとも1個所の区域を除いて透明か又は空げきになっている。
前記のダイヤル及び各指示器の少なくとも一部分は標識又はその他の配向点を
設けた透明な円板から構成するのが有利である。若干の場合に前記指示器の1つ
は前記囲いに固定して支えた指示器指針により構成できる。
以下本発明を添付図面により限定しない実施例について詳細に説明する。
図面の簡単な説明
第1図は本発明の好適な実施例による時計の正面図である。
第2図は時間により互いに隔離された2つの互いに異なる瞬間における線図的
正面図である。
第3図は本発明時計を1実施例による第1及び第2の駆動手段と共に示す中央
断面図である。
第4図は第3図のIV−IV線に沿う断面図である。
第5図は第3図に示したような時計の第2駆動手段の拡大正面図である。
第6図は本時計の1変型の線図的正面図である。
第7図は第6図の一部の拡大正面図である。
第8図は第6図の側面図である。
第9図は本時計の別の変型の正面図である。
実施例
第1図は本発明による時計の第1の実施例の正面図を示す。本時計は、時計運
動装置を納めた架台1を備えている。同様に円形の穴3を囲む環の形の固定のフ
レ−ム2は架台1に直接取付ける。時間を読取り又は指示する第1の円形部分5
と少なくとも1つの不透明な装飾部材6´、この場合動物像を支える第2の部分
6と備えた運動装置4は、この穴3内に配置してある。
第1部分5は、後述のように時間指示手段を保持し支える円形の囲い20を備
えている。この部分5は、その囲い20及び時間指示手段とは異なって全く透明
である。この時間指示手段すなわち指針、刻み目又は数字は従って空中につり下
げられているように見える。第2の部分6は、その三日月形又は環形の形状によ
り、固定フレ−ム2の円形の内側リム7まで運動装置4の前記部分5の円形形状
を完成する。この第2部分6はこの場合、後述のように時間指示手段用の駆動手
段を覆う装飾部材6´の区域を除いて透明にするのがよく使用者に対し装飾部材
6´の区域に対応する区域を除いて光が透過することができる。しかし好適な1
変型では前記部分6は装飾部材6´の区域を除いて空げきにしてある。この好適
な変型ではこの場合運動装置4の両側のフレ−ム2内の2つの第1の空げきとこ
の装置の円形部分5の囲い内の第3の空げきとがある。
運動装置4は固定軸線Xのまわりに回転する。固定軸線Xは、外側で運動装置
4を仕切る円と固定フレ−ム2の内側リム7との共通軸線である。運動装置4は
固定フレ−ム2内に受入れ直径に沿い互いに対向して位置する少なくとも2つの
区域8、9でフレ−ム2内にわずかに入込む。前記した例では第1区域8は前記
第1部分5の接点に実質的に対応し、又第2区域9は第2部分6内の2つの点に
対応する。
円形の囲い20は、時間−読取り及び指示手段に適応する部分5の外部輪郭を
仕切る。これ等の手段は、透明な円板すなわち普通の時間標識(hour marker)1
1(第2図及び第3図に1つだけ示した第1図の目盛又は数字)を支えるダイヤ
ルすなわち円板10と、たとえば半径方向指針の形の標識28´を支える分円板
28と、標識28´とは異なる標識26´たとえば普通の場合標識28´の指針
より短い半径方向指針を支える時間円板26とにより構成するのがよい。
円板10、26、28は囲い20内で相対的に平行に同軸に配置され、後述の
ようにこれ等の円板のうちの少なくとも2つは囲い20に対し囲い20及びこれ
等の各円板の共通の幾何学的軸線Yのまわりに回転する。後部ではすなわち観察
者から遠い側では、部分5は、囲い20と一体でたとえば圧力ばめにより保持し
た透明な円形保護円板27により閉じてある。同様に部分5は、囲い20と一体
で同様に保持した透明な円形の保護円板により前部を閉じてある。後述のように
前部のこの円板は、運動装置4を時計回りにそれぞれ1/12回転/hrの割合
で又は1回転/hrの割合で駆動するときは円板26又は円板28にするのが有
利である。前記したように各円板10、26、28及び後部円板は透明でたとえ
ば透明なプラスチック材から作ってある。
囲い20に対して回転できる運動装置4及び円板10、28は、それぞれ固定
フレ−ム42に対して中心の固定軸線Xのまわりに又前記の運動する囲い20に
対して同様に円板10、27の軸線でもある軸線Yのまわりに、これ等の円板の
歯付き外周辺と各歯付き駆動手段とのかみあいによって回転駆動される。運動装
置4の歯付き周辺部はフレ−ム2により覆われ、又部分5により支えた各運動円
板の周辺部は囲い20により覆われ、従って運動装置4及び各円板10、28を
駆動するのに使う各歯付き周辺部はすべて使用者には見えない。
固定フレ−ム2は外部ケ−シングを形成する。第1図ないし第4図に示した実
施例ではこのフレ−ムは、X軸線の方に向いたU字形のみぞ12と2つの側部1
3、14とを持つ環状体により形成してある。一方の側部13は、側部13と一
体で内歯付きの固定の環状歯車17を覆い、又他方の側部14は運動装置4の外
側囲いを形成する環状板18を覆う。環状板18はその周辺に、固定軸線を持つ
歯車19により駆動される外歯を持つ環状歯車18´を固定して支える。歯車1
9は、架台3内に納めた運動装置の出力歯車を形成し固定フレ−ム2の円筒形中
央壁2´に交さして環状歯車18´の下部部分にかみあう。歯車19は架台1に
より又固定フレ−ム2の各側部により覆ってあるのはもちろんである。
環状板18は、それぞれ部分5に支えた外側円板26、27と面一にするのが
よい2つの互いに間隔を隔てた2つの壁30、31により軸線Xに向かい延びて
いる。各壁30、31は従って円形周辺部内に囲い20を仕切る円形窓を形成す
るように切断するのが有利である。
図示の例では、囲い20は固定フレ−ム2に対し接線方向であるが、しかし囲
い20は固定フレ−ム2から或る距離を隔てて異なる位置にし固定軸線Xに対し
従って又固定フレ−ム2に対しなるべくは偏心状態に保持して、時間指示部分5
が時間に伴い動くことができるようにしてある。しかしなお本発明の1変型では
前記部分5を軸線Xに心合わせすることができ、この場合部分5は固定フレ−ム
2に対し同軸であり観察者には全く固定されているように見え、装飾部材6´だ
けが固定フレ−ム2内で部分5のまわりに回転するように見える。
壁30、31となるべくは又これ等と一体でこれ等と単一体を形成するのを有
利とする環状板18とは、透明か又は不透明であるが透明にするのがよい。しか
し壁30、31は、部分5に装置4の外側を連結する部分又は各部分を除いて空
げきにしてもよい。時間指示部分5の輪郭を形成し又この部分5の各回転円板1
0、28の歯付き周辺部とこれ等の円板の駆動手段に組合うこの部分5の機能部
とを覆うように、囲い20は、その厚さの理由で又は囲い20が少なくとも前側
で被覆、覆い、なつ印又は類似物を受ける理由で不透明である。部分5の前記運
動装置は、前部円板10及び後部円板27により共有する中心の最終軸線Yにな
るべくは全部を取付けた囲い20の架台に乗せる。
各壁30、31は、各回転円板を駆動する歯車列22を支える。歯車列22は
、運動装置4の目視できる外部輪郭に囲い20から延びる装飾部材6´により観
察者から隠される。各壁30、31は、第1図に示した好適な例の場合のように
部分6が装飾部材6´を越えた空げきであれば簡単な狭いわくにすることができ
る。
前記の歯車列22は、囲い20及び固定フレ−ム2の間の距離が最大である運
動装置4の区域に位置させるのがよい。その理由は歯車列22の大きさ及び位置
決めによる。
歯車列22は、固定の環状歯車17に当たりこの歯車に作用することにより歯
車17にかみあい歯車29を駆動する。この中間歯車29の組は、歯付きの分円
板28及び歯付きの時間円板26の少なくとも一方の、又はこれ等の2つの円板
28、26の両方の、後述のように、図示の例又は若干の変型におけるそれぞれ
ダイヤル10の歯付き円板及び歯付き分円板28の少なくとも2個の出力歯車2
5、24に終っている。
機能を述べると、歯車19は、環状歯車18´により運動装置4を軸線Xのま
わりにいずれかの方向に設定速度で回転する。従って時間指示部分5は総体的に
この連続回転運動に従って動く。従ってダイヤル円板10にも同じことがいえる
。ダイヤル円板10は一定の角度位置に留まらなければならなくてすなわち12
時ー6時線は上下方向に留まらなければならないから、入力歯車19から出力歯
車26に進む伝動は、運動装置4の軸線Xのまわりの回転速度とダイヤル円板1
0の軸線Yのまわりの回転速度とが同じ数値を持ち又互いに反対の符号を持つよ
うに計算される。すなわちダイヤル円板10は、幾何学運動に従って全体的に運
動する。この幾何学的運動は、ダイヤル円板10がこの円板自体に平行に動く円
形の並進運動として定義される。この円板の各点は軸線Xのまわりに回転する。
歯車19の回転方向と歯車19及び運動装置4の環状歯車18´の間の動力伝
達比とに従って、歯車19と歯付き分円板28及び/又は歯付き時間円板26と
の間の伝達比の符号及び値は前記の式に従って当業者にはよく知られているよう
にして計算され、従って固定フレ−ム2に関して従って観察者に関して、共に時
計回りに指針28´付き分円板28は1回転/hrで回転し又指針26´付き時
間円板26は1/12回転/hrで回転する。添付図面に示した好適な実施例に
よれば関連運動装置4は時計回りに1/12回転/hrの角速度で駆動され、時
間円板26が囲い20と1体になり従って前記歯車列22により駆動する必要が
ないようにする。この場合関連時間円板26は部分5を保護する前記した前側の
透明な保護円板が有利である。又歯車列22は、2個の出力歯車、すなわち前記
したようにダイヤル円板10を一定の角度位置に保持する歯車25と、分円板2
8をこの円板が固定の標識に関して時計回りに1回転/hrで回転するように駆
動する歯車24とだけしか備えていない。
この実施例は、その含む機構を簡単にし、時間円板26が特別に駆動される必
要がなく、この実施例が外部保護円板を形成できるように部分5に固定され、関
連運動装置4を1/12回転/hrの遅い速度で時計回りに駆動することができ
るから有利である。このようにして含まれる時計機構により経済的になる。1変
型として時間円板26は従って代りに、囲い20に又は軸線Yに連結した指針を
代りに使うことができる。
図示していないが前記したのと同じ原理を満たす1変型によれば、運動装置4
は1回転/hrの速度で時計回りに駆動することができる。この場合分円板28
は、部分5を保護する前記した外側円板の1つなるべくは前部円板を形成する際
に囲い20と一体にするか、又は代りに囲い20及び軸線Yに連結した簡単な指
針を使ってもよく、この場合歯車24は時間円板26を駆動し円板26が固定の
標識に関して軸線Yのまわりに時計回りに1/12回転/hrの速度で普通の方
式で、すなわち囲い20に対して11/12回転/hrで逆時計回りに軸線Yの
まわりに回転するようにする。この変型では関連ダイヤル10はその歯車25に
より1回転/hrの速度で逆時計回りに駆動されふたたびその12時ー6時の線
が上下方向に留まるようにする。
前記した2つの場合以外の全部の場合に、又(一定の角度位置のダイヤル10
と一定の基準標識に対して時計回りにそれぞれ1/12回転/hr及び1回転/
hrで回転する時間指針26´及び分指針28´とを)読取る普通の構造を保持
する希望がある場合に、関連歯車列22は3個の出力歯車を備える。運動装置4
の回転速度の方向及び値に従って、伝達比の符号及び値は歯車列22の出力歯車
の個数に関して関連読取り構成に適合させる。たとえばこの構成は、一定の基準
標識に関しては時計回りの1回転/24hrにわたる時間指針の回転から成り、
又はふたたび逆時計回りのダイヤルの回転及び/又は時間及び分の指針の回転か
ら成る。
たとえば前記したような好適な構造の実現のために数字を以下に記載する。こ
の場合運動装置4が時計回りにその軸線Xのまわりに1/12回転/hrでの割
合で回転する。
共通の主駆動歯車19は、36枚の歯を持ち、逆時計回りに1回転/hrの速
度で回転し、環状歯車18´は432枚の歯を持ち、運動装置4が時計回りに1
/12回転/hrの速度で回転するようにし、環状歯車17は400枚の歯を持
ち、そしてダイヤル10及び分円板28も又400枚の歯を持つ。ただしこれ等
の円板10、28の歯のモジュールは環状歯車17の歯のモジュールの半分であ
る。歯車列22は、観察者に対して関連ダイヤル円板10が一定の角度位置に留
まり又分円板28が時計回りに1回転/hrの速度で回転するように設定し算定
する。このために関連式によりさらに確認されるように、ダイヤル円板10は逆
時計回りに1/12回転/hrの速度で駆動しなければならなくて、又分円板2
8は時計回りに11/12回転/hrの速度で駆動しなけるばならない。
第5図に詳細に示した歯車列22は、初めに共通の歯車a,b,c,c´,d
により次いでダイヤル円板i、10を駆動すチエーンe,fと分円板j、28を
駆動するチエーンg,g´h,h´,fとによりダイヤル円板10及び分円板2
8のこのような駆動ができる。さらに歯車17と歯車19と歯車18´とのモジ
ュールに等しい40のモジュールを持つ歯車a,b,cはそれぞれ40枚の歯を
持つが、20のモジュールを持つ歯車c´,d,e,f,g´,g,h´,h,
fはそれぞれ40枚、60枚、60枚、60枚、30枚、90枚、24枚、88
枚及び60枚の歯を持つ。この結果として、関連ダイヤル円板10が運動装置4
と同じ速度ですなわち1/12回転/hrでただし前記運動装置とは反対方向に
すなわち逆時計回りに回転し、又分円板j,28が運動装置4の速度の11倍の
速度ですなわち11/12回転/hrで時計回りに回転するようになる。
運動装置を時計回りに1/12回転/hrの速度で駆動する変型では、関連す
るダイヤル円板10、時間円板26及び分円板28を駆動する式を適用すること
によって歯車列を設け、これ等の2個の円板10、28が依存する関連運動装置
の駆動によってこれ等2個の円板の逆時計回りに1/12回転を補正するように
、ダイヤル円板10が1/12回転/hrの速度で時計回りに回転し又分円板2
8が13/12回転/hrの速度で時計回りに回転するようにし、そして時間円
板26が2/12回転/hrの速度で同様に時計回りに回転するようにすること
が必要である。すなわちこの変型では時間円板は、前記の例の場合のように運動
部分に固定することができなくてこれと同時にこの運動部分を保護する外側円板
でもない。この場合歯車列22が3個の出力歯車を備えた第3の歯車の歯を時間
円板26の歯にかみ合わせてこの円板26を2/12回転/hrの速度で時計回
りに駆動するようにする必要がある。この構造は、運動装置4を1/12回転/
hrの速度で時計回りに駆動する変型に対し設ける構造より一層複雑なのは明ら
かであり(2組でなく3組の駆動装置)、さらに運動部分5の外部補護用の補助
円板を設ける必要がある。
第6図ないし第8図は第2の駆動手段用の構造の変型を線図的に示す。この変
型によれば第2の駆動手段は、固定フレーム2にかみあう外歯を持つ環状歯車1
7´と、運動装置4に支えられ一部は固定フレーム2に又一部は囲い20内にそ
れぞれ納めた歯車列22´とを持つ環状歯車17´を備えている。囲い20はフ
レーム2の内側リム7に大体接している。歯車列22´は、環状歯車17´にか
みあう3個の入力歯車29´と中間歯車29´と駆動しなければならない円板1
0、26、28の歯にかむあう出力歯車24´、25´とを備える。
関連囲い20は内側リム7またはフレ−ム2に大体接するから、歯車列22´
を装飾部材により隠す必要はない。その理由は歯車列22´がフレ−ム2及び囲
い20によりすでに隠されているからである。運動装置4の部分6は従って囲い
20及び歯車列22´を支える小さい板18になる。この場合運動装置4は単に
、囲い20と囲い20が支える装置と小板18と環状歯車18´とから構成され
る。1変型として囲い20は関連フレ−ム2とは別個にできる。この場合歯車列
22´は、穴3の輪郭内に位置させた各歯車を備える。穴3は第1図ないし第4
図に示すようにこれ等の歯車を隠すのに装飾部材を必要とする。囲い20が接す
る場合には穴3は囲い20とこの囲いが支える部材とが占めるだけである。
第9図は、囲い20により支えた円板10、26、28の少なくとも一部分の
回転を制御する第2の駆動手段に関連する変型を線図的に示す。
この変型によれば固定の環状歯車17、17´は省いてその代わりに環状歯車
33のような少なくとも2個の浮動環状歯車を設けてある。各環状歯車は、これ
等が固定フレーム2内で運動し隠されるように納められそれぞれ内側に歯を形成
され円板10、26、28の歯付き周辺部と協働して関連接触区域8で直接駆動
するようにするのがよい。各環状歯車33は、歯車装置を介して、固定軸線を持
ち歯車19に隣接して位置する歯車32のような下部歯車と協働するように外歯
を設けてある。各歯車32は、架台に納めた駆動機構から、歯車19及び環状歯
車18´により制御される運動装置4の回転に依存する方向及び速度で駆動する
。
この変型では、第6図及び第8図の場合のように第2駆動手段が架台内(歯車
32)と固定フレーム2内(歯車32及び環状歯車33)と部分5の囲い内(駆
動しようとする円板10,26,28の歯付き周辺部)とに納めてあるから、装
飾部材6´がなしですまされ、運動装置4は、関連時計の著しいかつ不思議な性
質のほかに、部分5の囲いに関してダイヤル円板の時間及び分の指針及び目盛又
は類似物を除いて全く透明である。1変型として運動装置4は囲い20の外側は
全く空げきか又は中空にすることができる。この場合この運動装置4は、囲い2
0及び環状歯車18´の間の取付け及び連結のために部分5、環状歯車18´及
び小さい板18であるようにする。
囲い20が区域8で固定フレーム2に大体接する場合には、円板10,26,
28又はその一部は環状歯車33に直接接触して、装飾部材6´が設けてなくて
、従って部分6は環状歯車18´及び小さい連結板18だけから成る。
又囲いがフレーム2に接していなければすなわち囲いがフレーム2の内部リム
7から間隔を隔てて位置すると、板18に支えた少なくとも1個の歯車を介して
環状歯車33に協働する円板10,26.28の少なくとも一部と次いで中間歯
車とはこの場合第1図ないし第4図に示すように部分18の前面に支えた装飾部
材により隠される。
以上本発明をその範囲制限しないで例により述べた。当業者には明らかなよう
に本発明はその精神を逸脱しないで種々の変化変型を行うことができる。たとえ
ば前記したのと同じ原理を適用することにより、この場合秒の標識を付ける歯付
き円板とこの補助円板用の特定の駆動装置とを加えて秒の読取りを行うことがで
きる。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,
CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,
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O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM
,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN
【要約の続き】
部により前記囲い20の前記軸線Yのまわりに前記囲い
20の前記回転に応じて回転する第2の駆動手段17、
22、とを又備えたことを特徴とする時計に係わる。