JPH10506472A - 二つの異なる地域時間を表示するための二つの表示を有する時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 第１地域時間のための第１表示（１３，１６，２０）と、第１地域時間と異なる第２地域時間のための第２表示（１３，１７，２０）を有する時計（１０）、特に腕時計であって、これら両表示に１２時間の周期を示すことができる時計において、前記第２表示（１３，１７，２０）に第３表示（２４）が割り当てられ、この第３表示（２４）が一日全２４時間をいくつかの固定された一日の区分に分割し、該第２表示（１３，１７，２０）と関連して、第２地域時間がどの一日の区分にあたるかを示す改良した表示が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 二つの異なる地域時間を表示するための二つの表示を有する時計 技術分野 本発明は、（腕）時計(watch)及び置き時計(clock)の技術に関する。本発明は 、時計、特に腕時計であって、第１地域時間(local time)を示す第１表示(displ ay)と、第１地域時間と異なる第２地域時間を示す第２表示を有し、これら両方 の表示について１２時間の周期で示すことができる時計に関する。 このような時計は例えば FR-A1-2 617 993で知られている。 背景技術 もっとも多い解決法は、異なる時経帯(time zone)について同じ時計の時間表 示に並べて示す方法である。しばしば時計の頭部に２４時間分割の、同心円上に 配置された回転外部リングが設けられており、これは時経帯を変えると、リング 上の時針(hour hand)か又は指標(indicator)が他の時経帯における現地時間を表 示するよう調整できる。この２４時間分割の場合、時計の使用者はいつでも他の 時経帯が昼か夜かを知ることが保証される。また他の解決法によれば、時計の中 に第２時針が設けられており、そして第２時針自体の２４時間文字盤が設けられ るようにしてある。 その他の解決法には、二つの同心円上に配置された時針を利用するものがあり 、両針は相互に相対的に調整することができ、同じ１２時文字盤を使用する。こ の種の解決法は上述した特許明細書の時計も含む。第２文字盤又は数字リングが 設けられていないため、このような時計は、この地域時間表示の利点を失うこと なく、表示を単純化することができ、理解しやすい。しかし、このような単純化 した表示では、第２時針が遠く離れた時経帯に設定される時には、１２時間目盛 り(scale)の曖昧さがあるため、第１時経帯の観察者には第２時経帯のその時間 が昼か夜か直ちにはわからない、という難点がある。 発明の開示 従って、本発明の課題は、第２時経帯が昼か夜かを直ちに読み取ることができ る時計を提供することである。 先述タイプの時計の場合、この課題は、第２表示を第３表示と関連させ、第３ 表示が一日全２４時間(full 24-hour day)をいくつかの固定された一日の区分(d ay section)に分割し、第２表示の機能として、第２地域時間がいずれの一日の 区分にあるかを示せるよう構成することにより解決される。時計の使用者が第１ 地域時間の時経帯にあるとしても、この時計使用者は、第３表示により容易かつ 確実にどの一日の区分、即ち第２時経帯の現地時間が昼か夜かを判断することが できるのである。 本発明の第１の好ましい実施態様では、第１表示は第４表示と関連しており、 第４表示は一日全２４時間をいくつかの固定した一日の区分に分割し、第１表示 の機能として、第１地域時間がどの区分にあるかを示すようにする。このように して時計使用者は、第１時経帯から第２時経帯へ切り替えると、時計を調整する ことなく、容易かつ確実に第１時経帯の時間がいずれの一日の区分にあるかを判 断することができる。 本発明の第２の好ましい実施態様では、一日全２４時間を第３表示又は第４表 示により二つの固定した半日に分割し、第１の半日が午前６時から午後６時を、 第２の半日が午後６時から午前６時をカバーする。この表示方法では、読み取り が特に容易であり、日の出から日没か又はその逆の時間間隔にほぼ関係している ため、観察者(observer)は、他の時経帯にある人が「活動的(active)」な昼の区 分にあるか「静止的(passive)」な夜の区分にあるかを容易に判断できる。 本発明の別の好ましい実施態様では、時計が少なくとも１個の文字盤と複数の 針を有するアナログ腕時計に構成され、第１表示が第１時針と分針(minute hand )を、第２表示が第２時針と前記分針を含み、これらの針が１個の文字盤上で同 軸に回転するように配置され、第３表示及び任意に第４表示が文字盤上に配置さ れ、表示手段を有し、この表示手段がいくつかの視覚的状態(optical state)の 間を後進及び前進することができ、該視覚的状態が一日の区分又は半日の区分と 関連しており、また前記視覚的状態が図形的及び／又は色によって区別された状 態である。この構成は機械的作動する時計、特に腕時計において、文字盤にわず かの変更を加えるだけで良く、読み取りが容易であり、表示素子の容易に理解で きる構造を可能にする。 本発明の別の好ましい実施態様では、第３表示及び任意に第４表示が夫々文字 盤の下で回転するセクタディスク(sector disk)を有し、これらセクタディスク が前記第３表示又は第４表示の視覚的状態と対応する視覚的に異なるセクタを有 し、ウィンドウ(window)が文字盤の下にあり、時針の駆動により駆動するセクタ ディスクのセクタを通って回転することができ、セクタディスクは四分円の形状 の四つのセクタからなり、回転方向に連続した二つのセクタは視覚的に同一であ り、セクタディスクの駆動部が、セクタディスクが６時間毎に１セクタ進むよう に構成されている。４セクタに分割したことにより昼の区分及び夜の区分は更に 区分され、該時経帯の真昼か又は真夜中を表示することが可能となる。 他の実施態様は従属請求の範囲から理解されよう。 図面の簡単な説明 次に本発明を実施例と関連しつつ、添付図面を参照しながら詳細に説明する。 第１図は、二つの重なった時針及び設定可能な時経帯における区分を表示する ため、文字盤中に二つの補足的表示を設けた腕時計の形の、本発明による時計の 好ましい実施例の平面図である。 第２図は、第１図の表示２３の駆動部を、ステップアップギヤー(step-up gea r)及びゼネバクロス(Geneva cross)と共に示す説明図である。 第３図は第２図のゼネバクロスの拡大部分図である。 第４図は第２図のゼネバクロスの３０分刻みのステップを示す図である。 発明を実施するための最良な形態 第１図は、本発明による時計の好ましい態様の平面図である。時計１０は、腕 時計の形であり、好ましくは円形のケーシング１１、ルーネット(lunette; 環) １２及びガラスの下の文字盤１３を有する。ケーシング１１の側方には、対向す る二対のホーン(horn)１４が設けられており、通常の態様で時計バンド(strap) １５が取り付けられている。対をなすホーンの側面には竜頭か又は巻上装置(win der)２２が設けられて、図示しない芯軸により、時計を調整し、任意に巻くこと ができる。時計には、更に、日付表示か又はディスプレイ１９が設けられている 。また、秒針(second hand)１８を設けることもできる。しかし、これらのいず れも、発明を構成するものではなく、説明を省略する。 二つの相異なる時経帯における時間を表示するため、二本の時針１６，１７及 び一本の分針があり、これらは時計中央に位置する軸を中心として同心円状に回 転する。時針１６，１７は同じ設計であることが好ましく、それにより、第２時 経帯の表示が望ましくないなら、これら両時針１６，１７を重ね合わされた形に して観察者には単一の針だけがあるように見えるようにする。区別するために二 本の時針１６，１７の色を変えても良い。例えば時針の円形端部片を第１図に示 す如く別のカラーデザインにしても良い。しかし、二本の時針１６，１７を別の 形として、二針が重なる時には、完全に覆うようにすることも考えられる。 従来の時計の標準的な時針に対応する第１の時針１６は、巻上装置２２により 連続的に調整される。第２時経帯表示のための第２時針１７は、巻上装置２２の 側方に設けられているプレッサー(presser)２１により操作できる。プレッサー ２１は、一回の押し作動により第２時針１７が１時間前進するように構成されて いることが好ましい。調整は、前進方向のみである。従って、第２時経帯が、例 えばニユーヨーク現地時間（６時間の遅れ）に設定されると、第２時針１７のプ レッサー２１は、１８回動かすか又は押されなければならない。第２時針１７が 特定の時経帯に設定されると、二本の時針１６，１７は平行(parallel)に、即ち 同じ角速度(angular velocity)で進み、両時経帯の分時刻は同じ分針２０により 表示される。両時針１６，１７は１２時間に区分された同じ文字盤１３を使用し ており、従って時間の表示が不明瞭である（即ち午前６時と午後６時で同じ針位 置になる）。 通常は二つの設定時経帯の一方にいる観察者が他の時経帯の時間を直ちに、容 易に読み取るためには、夫々時経帯が、昼か夜かを示す別の表示２３または２４ と関係するようにする。基本的には、この目的のため、一日２４時間がいくつか の区分（例えば４つの６時間区分）に分割されるようにできる。ついで表示２３ ，２４は、関係する時経帯で、その時間がどの区分にあるかを表示する。簡単の ために、一日の全２４時間を、第３表示２４又は第４表示２３により二つの固定 した半日に小区分し、第１の半日は午前６時から午後６時をカバーし、第２の半 日は午後６時から午前６時をカバーする。この目的のために、前記表示２３，２ ４は文字盤１３中に円形リング状のウィンドウ（第２図の２８）を有し、観察者 はその下のセクタディスク（第２図の２９）を見ることができる。これはウィン ドウの下の視覚的に異なるセクタである。 表示２３の例示的な駆動機構が第２図に拡大した形で示されている（表示２４ の機構は２３に類似した構成である）。時針１６の駆動と連動する歯車(toothed gear)２５が設けられており、これは時針と同じ角速度（１２時間で１回転）で 回転する。歯車２５は平歯車(spur gear)の形に形成されており、歯車２５に沿 って軸方向へ平行に回転するように取り付けられたカムホイール２６のギヤーリ ム(gear rim)２６ａと係合している（簡単にする理由で歯は第２図に破線の円で のみ示されている）。歯車２５とギヤーリム２６ａの直径比は、歯車に１：２ス テップアップ比が得られるように選ぶ、即ちカムホイール２６が、歯車２５の角 速度の２倍回転する（６時間で一回の回転）ようにする。カムホイール２６は、 その円周のある地点で該円周から突出するカム２７を有し、このカム２７は、隣 接する軸方向へ平行なゼネバクロス３１を越えて回転する際に該ゼネバクロス３ １と係合して、更にこのゼネバクロス３１を、一回転ごとに４分の１回転させる 。カムホイール２６とゼネバクロス３１とはゼネバ駆動部を構成し、これは第３ 図に拡大して示される。 ゼネバクロス３１はその上に位置するセクタディスク２９と共に同軸上に設け られている。セクタディスク２９は好ましくは四分円の形の４つのセクタ３０ａ 〜ｄを有し、これらは図形的か又は色で区別される（第２図にハッチングで示さ れる）。いずれの場合でも二つの連続するセクタ（３０ａと３０ｂ又は３０ｃと ３０d）は、図形的か又は色が同じである。セクタディスク２９は、文字盤１３ のウィンドウ２８の下に位置しており、該セクタディスク２９のニュートラル位 置ではセクタ３０ａ〜ｄの一つだけを、切り替え過程の間に見られる。第２図で はセクタ３０ｂがウィンドウ２８中に見える。ハッチングした（暗い）セクタ３ ０ｃ及び３０ｄは、午後６時から午前６時までの夜の区分を示し、一方（明るい ）セクタ３０ａ及び３０ｂは午前６時から午後６時までの昼の区分を示すとする と、第２図の構成において第１時針１６は昼区分の最初の半分、即ち午前６時と 真昼との間を示す。 あるセクタから次のセクタへのセクタディスク２９の切り替えは６時間ごとに 生じ、実際の切り替え過程は３０分かかる。第４図はそのような切り替え過程の 個々の位相を示す。第４図ａから４ｅまでは、カムホイール２６が合計３０度回 転し、これは６時間当り１回転の速度である場合、３０分（１分当り１度）の時 間に相当する。第４図ａの位置から出発してカムホイール２６のカム２７が５分 後か又は５度の回転により、ゼネバクロス３１と係合し（第４図ｂ）、更に１０ 分後か又は１０度回転後には、ゼネバクロス３１を４５度、第４図ｃに示す中央 位置に達するように回転させる。更に１０分か又は１５分後（第４図ｄ又は４ｅ ）では終わり位置に達し、ここではゼネバクロス３１は９０度回転している。こ のようにして時計の観察者は、一日の区分の切り替わりが午前６時と午後６時で いつ生じるか、又は日の出と日没がいつ生じるかを容易に読み取れる。 両表示２３，２４の色または図形のデザインは、時針の色又は図形デザインに 対応するように選ぶこともでき、それにより一見して表示と針との関係を読み取 れるようにしても良い。また、歯車２５とカムホイール２６及びカムホイール２ ６とゼネバクロス３１を異なるステップアップ／ダウン比に選ぶか、か又はセク タディスク２９上の異なるセクタ区分をとるようにすることもできる。更に、二 つの表示２３，２４の代わりに一つの表示のみを設けること、或いは表示を別の 形か又は文字盤上の別の位置に配置するようにしても良い。もとより時計には機 械的な巻上装置を設けても良く、又は自動巻か又はクオーツ時計であっても良い 。本発明は腕時計に限定されるものではなく、同様にトラベルアラーム(travel alarm)や他の時計類に使用することもできる。 産業上の利用可能性 かくして本発明は、別の時経帯の表示ができる時計であって、他方の時経帯の 時間がどの日区分にあるかを容易に判別できる時計を提供する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１地域時間のための第１表示（１３，１６，２０）と、第１地域時間と 異なる第２地域時間のための第２表示（１３，１７，２０）を有し、これら両表 示に１２時間の周期を示すことができる時計（１０）、特に腕時計であって、 前記第２表示（１３，１７，２０）が第３表示（２４）と関連しており、この 第３表示（２４）が一日全２４時間をいくつかの固定した一日の区分に分割し、 該第２表示（１３，１７，２０）の機能として、第２地域時間がどの一日の区分 にあるかを示すことを特徴とする時計。 ２．前記第１表示（１３，１６，２０）に第４表示（２３）が関連しており、 、この第４表示（２３）が一日全２４時間をいくつかの固定した一日の区分に分 割し、第１表示（１３，１６，２０）の機能として、第１地域時間がどの区分に あるかを示す請求の範囲第１項記載の時計。 ３．前記一日全２４時間を第３表示（２４）又は第４表示（２３）により二つ の固定した半日に分割し、第１の半日が午前６時から午後６時を、第２の半日が 午後６時から午前６時をカバーするようにした請求の範囲第１項または第２項記 載の時計。 ４．前記時計が、少なくとも１個の文字盤（１３）と複数の針（１６，１７， １８，２０）を有するアナログ腕時計に構成され、第１表示が第１時針（１６） と分針（２０）を、第２表示が第２時針（１７）と前記分針（２０）を含んでな る請求の範囲第１〜３項のいずれか記載の時計。 ５．前記針（１６，１７，１８，２０）が１個の文字盤（１３）上で同軸に回 転するように配置されている請求の範囲第４項記載の時計。 ６．前記第３表示（２４）及び任意に第４表示（２３）が文字盤（１３）中に 配置されて、表示手段を有し、この表示手段が、一日の区分又は半日の区分と関 連するいくつかの視覚的状態の間を後進及び前進するように切り替えられる請求 の範囲第４項または第５項記載の時計。 ７．前記視覚的状態が図形的及び／又は色によって区別できる状態である請求 の範囲第６項記載の時計。 ８．前記表示手段が、夫々視覚的状態の間の移動を連続的に一定の固定時間間 隔で、好ましくは３０分間隔で生じさせるように構成されている請求の範囲第６ 項または第７項記載の時計。 ９．前記第３表示（２４）及び任意に第４表示（２３）が、文字盤（１３）の 下で回転するように配置されたセクタディスク（２９）を夫々カバーしており、 このセクタディスク（２９）が視覚的に異なるセクタ（３０ａ〜ｄ）を有し、こ れらセクタ（３０ａ〜ｄ）が前記第３表示（２４）又は第４表示（２３）の視覚 的状態と対応しており、文字盤（１３）に夫々ウィンドウ（２８）が設けられ、 その下でセクタディスク（２９）のセクタ（３０ａ〜ｄ）が回転するように構成 した請求の範囲第５〜８項のいずれか記載の時計。 １０．前記セクタディスク（２９）が、関係する時針（１６又は１７）の駆動 により駆動される請求の範囲第９項記載の時計。 １１．前記セクタディスク（２９）が四分円の形状の四つのセクタ（３０ａ〜 ｄ）からなり、回転方向に連続した二つのセクタが視覚的に同一であり、セクタ ディスク（２９）の駆動部が、該セクタディスク（２９）が６時間毎に１セクタ 進むように構成されている請求の範囲第１０項記載の時計。 １２．前記セクタディスクの駆動がゼネバクロス（２６，２７，３１）により 生じる請求の範囲第１０項または第１１項記載の時計。 １３．前記第１表示（１３，１６，２０）が、巻上装置により連続的に調整す ることができ、第２表示（１３，１７，２０）がプレッサー（２１）により毎時 間毎に不連続的に調整できる請求の範囲第１０〜１２項のいずれか記載の時計。 １４．前記時計（１０）の通常の作動状態で、時針（１６，１７）が同じ角速 度で回転する請求の範囲第５項記載の時計。 １５．前記時針（１６，１７）を重ね合わすことができ、重なった時に観察者 に一本の針のように見える請求の範囲第５項記載の時計。