JPH10509317A - アスペルギルス中の融合体から得られるプロセッシングされた組換えラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片 - Google Patents

アスペルギルス中の融合体から得られるプロセッシングされた組換えラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片

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JPH10509317A JP8515400A JP51540095A JPH10509317A JP H10509317 A JPH10509317 A JP H10509317A JP 8515400 A JP8515400 A JP 8515400A JP 51540095 A JP51540095 A JP 51540095A JP H10509317 A JPH10509317 A JP H10509317A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は新規プラスミド構築物と組合わせて宿主細胞アスペルギルス菌を使用するラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片の製法を提供する。特に本発明はアスペルギルス宿主細胞中でラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片を生産することができる新規ベクター構築物を提供する。さらに本発明はアスペルギルス、特にアスペルギルス・アワモリ、ニガーおよびオリゼの宿主細胞とともに使用するために適切な組換えラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片の多量生産を可能にする新規プラスミド構築物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アスペルギルス中の融合体から得られるプロセッシングされた 組換えラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片 この発明はナショナル・インスティテュート・オブ・ヘルスからHD2796 5号の下に与えられた政府援助の下に行われた。政府は本発明についてある種の 権利を保有する。 関連出願 この出願は1989年5月5日に出願されて既に放棄された米国特許出願第0 7/348270号の継続出願である、1992年10月27日に出願された米 国特許出願第07/967947号の部分継続出願である、1993年10月2 8日に出願された同時係属米国特許出願第08/145681号の部分継続出願 である。米国特許出願第08/145681号はまた1992年4月24日に出 願されて既に放棄された米国特許出願第07/873304号の部分継続出願で ある、1994年5月27日に出願された米国特許出願第08/250308号 の継続出願でもある。前記すべての特許出願について記載内容、殊に図面および 実施例、を参照して本明細書中に参考のために引用する。 発明の分野 本発明は一般的に鉄結合性糖蛋白質および関連ポリペプチド、すなわちラクト フェリンの分野に関する。殊に、本発明はアスペルギルス属菌、特にアスペルギ ルス・アワモリ、ニガーおよびオリゼにおける種々のラクトフェリンおよびラク トフェリンポリペプチド断片の組換え生産に関する。 背景に関する開示 同時係属米国特許出願第08/145681号ではヒトのラクトフェリンに対 するcDNA配列を開示した。これに加えて、同じ同時係属出願米国特許出願第 08/145681号ではヒトのラクトフェリンに対するcDNA配列を、たと えばサッカロミセス・セレビシエ、アスペルギルス・ニデュランスおよびアスペ ルギルス・オリゼのような種々の糸状菌を含む様々な各種生物中でヒト型ラクト フェリンを生産するために使用している。 先行技術の開示 ラクトフェリン(LF)は乳汁その他の分泌物および体液中に見出される鉄結 合性糖蛋白質である。LFは哺乳類における鉄の結合および放出に関わる構成員 である。 LFは最初はミルク中に発見されたが、初乳に7g/リットルまでのレベルで 分泌されることがある。最初の発見以来、LFはヒトその他の哺乳類の分泌液中 に検出されている。これらの液には涙液、唾液および粘膜分泌物を含み、多形核 白血球の二次顆粒中にも見出されている。 LFは78キロダルトン(kDa)の糖蛋白質であって、アミノ酸配列および 第三次元構造の両レベルにおいてC端の一半とN端の一半との間に明らかに高度 な相同性のある双ローブ性構造を持つ。これらローブはおのおの高度な親和性で 可逆的に第二鉄1個を結合できるが、同時に重炭酸イオンの結合も伴う。ラクト フェリンの生物学的機能には病原微生物に対する静菌的および殺菌的効果、鉄の 輸送、細胞増殖の促進、免疫細胞機能および炎症性応答の調節、および骨髄形成 の調節を包含する。脱グリコシル化された蛋白質は在来型LFの全生物学的機能 を保持していることが発見されている。 ラクトフェリンからの殺菌ドメインは範囲の広い抗微生物作用スペクトルを示 す。Bellamy,W.M.など、J.App.Bact.、73巻:472 〜479頁(1992年)。Bellamyらはペプシン消化によって牛乳から 分離したウシのラクトフェリンを商業的な量でこのウシのポリペプチドが提供で きると報告したが、両研究に使用した材料の最高純度は95%であった。Bel lamyなどはヒトまたはウシ型合成ラクトフェリンまたはラクトフェリンポリ ペプチドの大規模な生産に関する情報を提示しなかった。Bellamyなどは 酵素消化によって入手できないペプチドを生産する性能を提供する方法も記載し ていない。 細胞外糖蛋白質の工業的生産においては宿主として糸状菌が使用されている。 ある種の工業的菌株は複数の蛋白質をグラム単位で分泌することができる。これ に加えて、糸状菌は真核生物蛋白質の翻訳後修飾を正確に実行することができ、 多数の蛋白質が米国食品医薬品庁の認可を得ている。さらにその上、大規模発酵 技術および下流部門での処理の経験は入手できる。しかしながら、ラクトフェリ ンがある種の糸状菌に対して毒性があるとの報告があり(Valentiなど、 FEMS・Microbiology・Letters、33巻:271〜27 5頁(1986年);Epsteinなど、Reviews・of・Infec tious・Diseases、6巻:96〜106頁(1984年);Sou kkaなど、FEMS・Microbiology・Letters、90巻: 223〜228頁(1992年))、その結果、ラクトフェリンの生産について は特に、研究者達は真菌を普遍的には使用しなかった。 糸状菌、特にアスペルギルス属菌、中でのラクトフェリンの生産は本発明者が 初めて報告した[以下全て参考のために引用するWardなど、Gene、12 2巻:219〜223頁(1992年);Wardなど、Biotechnol ogy、10巻:784〜789頁(1992年);Conneelyなど、P roduction・of・Recombinant・Human・Lacto ferrin、PCT/US93/22348;優先日1992年4月24日、 公表日1993年11月11日の国際特許出願PCT/US93/03614; Conneelyなど、1992年4月24日に出願して放棄済の米国特許出願 第07/873304号の継続出願である、1994年5月27日に出願した米 国特許出願第08/250308号]。しかしながら、これらの製法が明らかな 躍進である一方、これらには商業的に多量のラクトフェリンを効率的に生産する 性能に限界があった。 現在、ラクトフェリンポリペプチド生産法に加え、ヒト、ウシまたはブタ、い ずれの型のLFであれ、さらに効率的で経済的なLF生産法が求められている。 その結果、ヒトのラクトフェリン生産のため、栄養的および治療的利用のため、 および作用機序の研究進展のため、効率的商業的製法の開発も求められている。 本発明はアスペルギルス属宿主細胞を新規ベクター構築物とともに使用するラク トフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片の製造法、特に組換えラクト フェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片の商業的多量生産を可能にする アスペルギルス宿主細胞中でのラクトフェリン生産法を提供することによって、 この要求を満たすものである。 発明の要約 本発明は新規プラスミド構築物と組合わせて宿主細胞アスペルギルス菌を使用 するラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片の製法を提供する。 特に本発明はアスペルギルス宿主細胞中でラクトフェリンおよびラクトフェリン ポリペプチド断片を生産することができる新規ベクター構築物を提供する。さら に本発明はアスペルギルス、特にアスペルギルス・アワモリ、ニガーおよびオリ ゼの宿主細胞とともに使用するために適切な組換えラクトフェリンおよびラクト フェリンポリペプチド断片の多量生産を可能にする新規プラスミド構築物を提供 する。 本発明はまたラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片の生産を 可能にする新規発現プラスミドベクター構築物を提供する。このプラスミドベク ター構築物はかかる高レベルのラクトフェリン生産を提供する重要な成分2種を 含有する。プロモーター、目的蛋白質をコードするcDNA、シグナル配列、転 写終結配列および選択マーカーに加え、このプラスミドベクター構築物は(a) 高度に発現される内因性遺伝子の5’−一半であって、その生産物をアスペルギ ルス細胞が分泌するものおよび(b)リンカー配列であって、そのリンカー配列 に対して内因性プロテイン分解的酵素が存在するものを追加的に包含する。この 新規プラスミドベクター構築物の生産物は高度に発現される遺伝子の一半がラク トフェリンまたはラクトフェリンポリペプチド断片に融合してなる融合蛋白質で ある。この融合蛋白質は後に、好ましくはKex2ペプチダーゼ切断部位に特異 的な、内因性蛋白質分解酵素によってプロセッシングされる。例えば、もしA. アワモリからのグルコアミラーゼプロモーターを使用すれば、このベクターはA .アワモリのグリコアミラーゼ遺伝子の5’−一半も含有することになる。生産 されるラクトフェリンはグルコアミラーゼ遺伝子の一半に融合しており、そこで Kex2ペプチダーゼ切断部位に特異的な内因性のA.アワモリ蛋白質分解的酵 素 によってプロセッシングされることになる。別の一例としては、もしもA.ニガ ーからのグルコアミラーゼプロモーターを使用すれば、このベクターはA.ニガ ーのグルコアミラーゼ遺伝子の5’−一半を含有することになる。次にこのベク ター構築物によって生産される融合体(グルコアミラーゼ遺伝子の一半に融合し たLF)はA.ニガーのKex2ペプチダーゼ切断部位に特異的な内因性蛋白質 分解的酵素によってプロセッシングされて所期のラクトフェリン蛋白質またはL Fポリペプチド断片を放出することとなる。また、もしA.オリゼ細胞を使用す れば、このベクター構築物はA.オリゼα−アミラーゼ遺伝子からのプロモータ ーおよびA.オリゼα−アミラーゼ遺伝子の一部分を包含する。このベクターを 使用してA.オリゼ細胞を形質転換すると、この融合体(α−アミラーゼ遺伝子 の一半に融合したLF)はKex2ペプチダーゼ切断部位に特異的なA.オリゼ の内因性蛋白質分解的酵素によってプロセッシングされて、所期のLFまたはL Fポリペプチド断片を得ることになる。 かくして、本発明はアスペルギルス属のいずれかの株においてLFまたはLF ポリペプチド断片を商業的に多量生産するための新規ベクタープラスミド構築物 を提供する。 本発明の別の一態様は5’から3’までに作動可能に結合して発現プラスミド ベクターを形成する以下の成分を包含する: (a)プロモーター、 (b)シグナル配列、 (c)その生成物がアスペルギルス細胞から分泌される高度に発現される内因 性遺伝子(すなわちグルコアミラーゼ遺伝子)の5’−部分、 (d)リンカー配列、および (e)所期のラクトフェリンまたはラクトフェリンポリペプチド断片に対応す るヌクレオチド配列。 前記(a)から(e)までのDNA配列を次に共クローニングしてプラスミド を構成する。得られる発現プラスミドを用いてアスペルギルス細胞を形質転換す れば、その細胞は、例えばグルコアミラーゼ遺伝子など、発現の高度な内因性遺 伝子の一半に融合したラクトフェリン蛋白質またはラクトフェリンポリペプチド 断片(発現プラスミドに挿入したラクトフェリンヌクレオチド配列に対応するも の)を発現することとなろう。LFまたはLFポリペプチド断片は内因性のKe x2ペプチダーゼ切断部位に特異的な蛋白質分解的酵素によってプロセッシング される。 ここに請求する発明の別の一態様は組換えプラスミドを含有する形質転換した アスペルギルス糸状菌細胞を培養することからなるラクトフェリン生産法であっ て、そのプラスミドはラクトフェリン蛋白質またはラクトフェリンポリペプチド 断片をコードするヌクレオチド配列を含むものであり、その形質転換したアスペ ルギルス糸状菌細胞をラクトフェリン蛋白質が融合体として形成され、次にKe x2ペプチダーゼ切断部位に特異的な内因性蛋白質分解的酵素によりプロセッシ ングされるまで適切な栄養培地中で培養するものであり、そのプロセッシングさ れたラクトフェリンが栄養培地中に分泌されるものであり、およびそのラクトフ ェリンを分離するか、栄養培地から回収するものである。 本発明はさらに前記プラスミドベクターがさらに、プロモーター、シグナル配 列、グルコアミラーゼ遺伝子の5’−部分、リンカー配列、転写終結配列および 選択マーカー遺伝子を含むものとして定義される。この発明の目的には「リンカ ー配列」と「プロテアーゼ認識配列」とは互換的に使用される。 この発現ベクターはさらに、プロモーターがアルコール脱水素酵素、α−アミ ラーゼ、グルコアミラーゼおよびbenAから構成される群の遺伝子から選択さ れるプロモーターであるとして、また、そのプロモーターがさらにA.アワモリ のグルコアミラーゼ遺伝子からのものであるとして定義される。 前記製法はさらに、そのプロモーターがグルコアミラーゼ遺伝子からのもので あり、そのプロモーターがA.アワモリからのグルコアミラーゼ遺伝子からのも のであり、およびそのシグナル配列がA.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子か らのものであるとして定義される。この製法はさらに前記シグナル配列がさらに A.アワモリからのグルコアミラーゼ遺伝子の5’−部分を含むものとして定義 される。 前記製法はさらに、そのプロモーターがグルコアミラーゼ遺伝子から誘導され るものであり、そのプロモーターがA.ニガーのグルコアミラーゼ遺伝子からの ものであり、およびそのシグナル配列がA.ニガーのグルコアミラーゼ遺伝子か らのものであるとして定義できる。この製法はさらに前記シグナル配列がさらに A.ニガーからのグルコアミラーゼ遺伝子の5’−部分を含むものとして定義さ れる。 前記製法はなおさらに、このプロモーターがα−アミラーゼ遺伝子からのもの であり、そのプロモーターがA.オリゼのα−アミラーゼ遺伝子からのものであ り、およびシグナル配列に対応するcDNA配列がA.オリゼのα−アミラーゼ 遺伝子からのものであるとして定義される。この製法はさらに前記シグナル配列 がさらにA.オリゼからのα−アミラーゼ遺伝子の5’−部分を含むものである として定義される。 前記製法はさらにそのリンカー配列がペプチダーゼ認識配列であるとして定義 される。この発明はさらにリンカー配列がKex2ペプチダーゼ認識配列をコー ドするものとして定義される。この発明の目的では、Kex2ペプチダーゼ認識 配列およびKex2ペプチダーゼ切断部位は同じである。 前記製法はさらに転写終結配列がアルファーアミラーゼ、グルコアミラーゼ、 アルコール脱水素酵素およびbenAから構成される群の遺伝子から選択される ものとして定義される。この発明はさらにその転写終結配列がグルコアミラーゼ 遺伝子からのものであり、その転写終結配列がA.ニガーのグルコアミラーゼ遺 伝子からのものであるとして定義される。 前記製法はさらにその選択マーカー遺伝子がpyr4、pyrG、amdS、 argB、trpCおよびフレオマイシン耐性遺伝子から構成される群の遺伝子 から選択されるものであるとして定義される。この製法はさらに選択マーカーが フレオマイシン耐性遺伝子からのものであるとして定義される。 この発明はさらにラクトフェリン蛋白質またはラクトフェリンポリペプチド断 片がヒト、ブタまたはウシのラクトフェリン蛋白質であると定義される。本発明 はさらに、いずれかのラクトフェリン生成物が脱グリコシル化されているものと して定義される。 本発明の別の一態様は本質的にヒト型ラクトフェリンのアミノ酸をコードする DNAから構成されるプラスミドおよびその細胞中でDNAを発現するためのプ ラスミドベクターであって、そのプラスミドはアスペルギルス・アワモリ糸状菌 細胞中でヒト型ラクトフェリンのDNAを発現するために使用するものである。 特定的に好適なプラスミドはATCC受託番号74290の特性を持ち、Awa ・LF24−1と命名されたものであって、このAwa・LF24−1はここに 参考のために引用する米国特許出願第08/145681号の配列番号1に記載 したヒトのラクトフェリンをコードするDNAを含有する発現プラスミドpPL F−19で形質転換したアスペルギルス・アワモリのものであると定義される。 この発明の他の態様は前記プラスミドを含有するアスペルギルス・アワモリ糸状 菌細胞である。 本発明の特定態様の別のものは組換えプラスミドを含有する形質転換したアス ペルギルス・アワモリ、ニガーおよびオリゼの糸状菌細胞を培養することを含む 製法であって、そのプラスミドが (a)A.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子からのプロモーター、 (b)A.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子からのシグナル配列、 (c)例えばA.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子など、発現の高度な内因 性遺伝子の5’−部分、 (d)Kex2ペプチダーゼ切断部位をコードするリンカー配列、 (e)ヒトのラクトフェリンのアミノ酸をコードするDNA、 (f)A.ニガーのグルコアミラーゼ遺伝子からの転写終結配列、および (g)フレオマイシン耐性選択マーカー遺伝子 を含むプラスミドベクターを含むものであり、その形質転換したアスペルギルス ・アワモリ、ニガーおよびオリゼの糸状菌細胞を適切な栄養培地中でラクトフェ リン蛋白質が融合体として形成されて次にKex2ペプチダーゼ切断部位に特異 的な内因性蛋白質分解的酵素によってプロセッシングされるまで培養するもので あり、そのラクトフェリン蛋白質がヒト型LFのアミノ酸配列をコードするcD N Aの生成物であり、およびラクトフェリンが栄養培地に分泌され、そこから分離 されるものである。この発明の目的では、「Kex2ペプチダーゼ切断部位」お よび「Kex2ペプチダーゼ認識部位」は互換的に使用される。 この発明の別の態様は組換えプラスミドベクターを含有する形質転換したアス ペルギルス糸状菌細胞を培養することを含む糸状菌栄養培地からラクトフェリン を分離する方法であって、そのプラスミドベクターはプロモーター、シグナル配 列、グルコアミラーゼ遺伝子の5’−部分、リンカー配列、ヒト型ラクトフェリ ンのアミノ酸をコードするDNA、転写終結配列、および選択マーカー遺伝子を 含むものであり、またその形質転換したアスペルギルス糸状菌細胞を適当な栄養 培地中でラクトフェリン蛋白質が融合蛋白質として形成されて次に内因性蛋白質 分解的酵素によってプロセッシングされるまで培養するものであり、またラクト フェリンが栄養培地中に分泌され、そこから分離されるものである。 前記の糸状菌栄養培地からのラクトフェリン分離法はさらに、そのプラスミド ベクターがA.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子からのプロモーター、A.ア ワモリのグルコアミラーゼ遺伝子からのシグナル配列、A.アワモリのグルコア ミラーゼ遺伝子の5’−部分、Kex2ペプチダーゼ切断部位をコードするリン カー配列、A.ニガーのグルコアミラーゼ遺伝子からの転写終結配列およびフレ オマイシン耐性選択マーカー遺伝子を含むものであるとして定義される。 この発明の別の態様は5’から3’に向けて作動可能に下記の成分を含む新規 な組換え発現プラスミドベクターである。 1)A.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子からのプロモーター、 2)A.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子からのシグナル配列、 3)A.アワモリのグルコアミラーゼ遺伝子の5’−部分、 4)Kex2ペプチダーゼ切断部位をコードするリンカー配列、 5)ヒトのラクトフェリンまたはラクトフェリンポリペプチド断片のアミノ酸 をコードするヌクレオチド配列、 6)A.ニガーのグルコアミラーゼ遺伝子からの転写終結配列、および 7)フレオマイシン耐性選択マーカー遺伝子。 本発明はまたヒト、ウシまたはブタ型ラクトフェリンおよびその置換類縁体ま たはアレル変異体に対するcDNAの完全配列および部分配列の製法も包含し、 それらのcDNAはラクトフェリンの一部分と相同性を持つ生物学的活性のある ポリペプチド、特に天然ラクトフェリンの酵素消化からは入手できないもの、を コードするcDNAであり、これには部分的cDNA配列の使用および発現によ るポリペプチドの製造法、およびこの発明の方法により生産されたポリペプチド 生成物も包含する。所期の部分配列は、例えば図13、14および15に指摘し た切断部位における、制限酵素切断によって生産できる。図13から図15はお のおのヒト、ウシおよびブタのLFに対するcDNAは配列の制限酵素切断部位 を示す。PCR増幅によって、切断、連結および合成の組合せによって、または この分野における熟練者に知られている他の方法によって、得られる部分配列も 合成しうる。 現在までにブタのラクトフェリン(Lydon,J.P.など、Bioche m.Biophysic.Acta、1132巻:97〜99頁(1992年) ;Alexander,L.J.など、Animal・Genetics、23 巻:251〜256頁(1992年))およびウシのラクトフェリン(Mead ,P.E.など、Nucleic・Acids・Research、18巻:7 167頁(1990年);Pierce,A.など、Eur.J.Bioche m.、196巻:177〜184頁(1991年))に対するcDNA配列は既 に決定されており、文献に報告されている。ウシおよびブタのラクトフェリンに 対するcDNA配列を記載するこれらの文献は本明細書中に参考のためにここに 引用する。 ラクトフェリンから誘導されるポリペプチドの断片が生物学的に活性であるこ とも知られており、本発明の方法によって製造しうる。hLFの殺菌ドメインを 含むヒトラクトフェリンのN−末端断片が無傷なhLFのペプシン消化物から分 離された。Bellamy,W.M.など、Biochem.Biophys. ACTA、1121巻:130〜136頁(1992年)。合成的な23および 25アミノ酸ポリペプチドが合成されて、ペプシン消化に由来する断片と類似の 活性を持つことが発見された。合成の詳細、収率、および合成ペプチドの純度は 報告されていない。Bellamyなどは天然産物からの分離に由来する夾雑物 不含のウシまたはヒトのラクトフェリンポリペプチドを大量に製造する実際的な 経路は提示していない。これらのポリペプチド断片は本発明の方法によって製造 でき、その好適な態様を構成する。 以下の開示におけるアミノ酸配列および対応するcDNA配列は本明細書中に 参考のために引用する。 (a)Powellなど、Nucleic・Acids・Research、 18(13)巻:4013頁(1990年;哺乳類)、 (b)Reyなど、Nucleic・Acids・Research、18( 17)巻:5288頁(1990年;哺乳類)、 (c)Radoなど、Blood、70(4)巻:989〜993頁(198 7年;好中球)、 (d)Stowellなど、Biochem.J.、276(4)巻:349 〜355頁(1991年)、 (e)Panellaなど、Cancer・Research、51巻:30 37〜3043頁(1991年;哺乳類)、および (f)Johnstonなど、Blood、79(11)巻:2998〜30 06頁(1992年;白血病)、 これらの配列またはこれらの配列の修飾型は本発明の方法に使用してもよく、 また、好適な配列は本発明者がGenBankに報告した受理番号A31000 のポリペプチド配列を持つものであるが、これらはいずれも参考のためにここに 引用する。 図面の簡単な説明 本発明の前記特性、進歩、目的その他の様式が明瞭となり、達成され、詳細に 理解されるように、前記概略を本発明のさらに特定的態様を参照するため添付の 図面に記載する。これらの図面は本明細書の一部を構成するものである。 しかしながら、添付図面は本発明の好適な態様を図示するものであるからその 範囲を限定するものと理解すべきでないことを指摘しておく。本発明にはその他 の等しく効果的で均等な態様がある。 図1は「pPLF−19」と命名したhLF・cDNAを含むアスペルギルス ・アワモリ中での発現のためのプラスミドベクターの構築を示す。この図で使用 する略号は次の通り:Apr:アンピシリン耐性、hLF:ヒトのラクトフェリ ン、GA:グルコアミラーゼ、pGA:グルコアミラーゼからのプロモーター、 GA−3’UTR:グルコアミラーゼ・3’−非翻訳領域、s.s.:シグナル 配列、phleo・r:フレオマイシン耐性遺伝子。実施例4はこのベクターの 構築を詳記する。 図2はpPLF−19を含有するアスペルギルス・アワモリ形質転換体の増殖 培地から精製した組換えhLF(500ng)のSDS−PAGEである。 図3はpPLF−19を含有するアスペルギルス・アワモリ形質転換体の増殖 培地から精製したグリコシル化(1μg)および脱グリコシル化(1μg)組換 えhLFのウエスタンブロットである。 図4はアスペルギルス・アワモリ中で組換え技術的に生産したhLFのN−端 10アミノ酸配列の決定結果を示す。 図5は標準および組換えhLFでの鉄結合および飽和実験の結果を示す。 図6は標準および組換えhLFについて、鉄結合のpH安定性比較実験の結果 を示す。 図7は大腸菌0111株に対する天然および組換えhLFの抗菌作用を示す。 図8は赤痢菌に対する天然および組換えhLFの抗菌作用に関する研究から得 られた結果を示す。 図9は赤痢菌に対する天然および組換えhLFの抗菌作用の時間−殺菌相関の 研究結果を示す。 図10−Aおよび図10−Bは普遍的なアスペルギルス・アワモリ発現シャト ルベクター、pPLF−26の設計、中間体、および構築を略記する。これらの 図は制限部位の全部を示すものではない。 図11はクローニングのために独特なNot1およびEcoRI部位を包含す る普遍的なシャトルベクター、pPLF−26の詳細を提示する。 図12は独特なNotIおよびEcoRI部位の存在およびプラスミドの方向 を確認するための様々な制限酵素によるpPLF−26およびpPLF−19の 消化実験の結果を示す。 図13はヒトLF・cDNA配列における制限酵素切断部位を示す。 図14はウシLF・cDNA配列における制限酵素切断部位を示す。 図15はブタLF・cDNA配列における制限酵素切断部位を示す。 図16AはA.オリゼ中に生産された組換えhLFのウエスタン免疫ブロット 分析を示す。 図16Bは図16Aと同じ試料の銀染色SDS−ポリアクリルアミドゲル分析 を示す。 図16CはA.オリゼ中に生産された組換えhLFのN−末端アミノ酸配列を 示す。 本発明の詳細な記載 定義 本出願の目的で本発明の理解を促進するために以下の用語を定義する。 用語「トランスフェリン族」は血清トランスフェリン、オボトランスフェリン およびラクトフェリンを包含する鉄結合蛋白質の一族を意味する。これら蛋白質 には全て構造的な関連がある。 用語「ラクトフェリン」は乳汁その他の分泌物に見出されるトランスフェリン 族の一員を意味する。ラクトフェリンは78KDの鉄結合性蛋白質である。 これに加えて、用語「ドメイン」はこの分子のエレメントの全体または一部を 含み、たとえば鉄結合性、殺菌性、受容体結合性、免疫刺激性などのような特定 の機能を発揮する、ラクトフェリン蛋白質またはラクトフェリンポリペプチドの 機能的な断片を定義するために使用する。 用語「ポリペプチド」または「複数のポリペプチド」は小さなペプチドまたは ポリペプチドを形成する、相互に結合した複数のアミノ酸を意味する。 用語「置換類縁体」または「アレル変異」または「アレル変異体」は全てラク トフェリンまたはラクトフェリンポリペプチドのアミノ酸1個またはそれ以上を 決定するコドン1個またはそれ以上が異なるDNA配列であるが同一のアミノ酸 配列を決定する別のコドンに置換されたDNA配列を示す。「置換類縁体」また は「アレル変異体」が蛋白質またはポリペプチドを示す時にはヒトおよびその他 の哺乳類の蛋白質におけるアレル変異に見出されることが知られているように、 その蛋白質の生物学的活性が維持されるアミノ酸少数、一般的には5個またはそ れ以下、の置換を意味する。文献記載にされた数種のhLF・cDNAの配列に おいて、おそらくアレル変異に起因すると推測すべきアミノ酸置換が報告されて いる。図16およびこの図に関連する検討を参照。 用語「ベクター」はプラスミド、コスミド、ファージ、その他ラクトフェリン cDNAの挿入、増殖および発現を可能にする伝達体のいずれかを意味する。 用語「宿主」はラクトフェリンの発現を可能にする細胞いずれかを意味する。 用語「プロモーター」はラクトフェリンcDNAの転写を制御する調節DNA 配列を意味する。 用語「多重クローニングカセット」は種々のcDNAの挿入を可能にする種々 の酵素に対する独特な制限酵素切断部位を包含するDNA断片を意味する。 用語「形質転換」は細胞による異種DNA配列の発現を可能にする挿入を意味 する。 用語「鉄結合能」はFeを結合する性能を意味する。完全に機能的な、ヒトの ラクトフェリンはLF一分子当り鉄2原子を結合できる。 用語「生物学的活性または生物学的に活性」は、鉄と結合し、または微生物を 殺し、または微生物の増殖を遅延させ、または鉄輸送蛋白質として機能し、また は特定の受容体に結合して免疫応答を刺激するか骨髄形成を調節する、各性能に よって測定したラクトフェリンの機能的な作用を意味する。 本発明で有用な「プロモーター」はラクトフェリンcDNAの転写の調節を可 能にするものいずれであってもよい。好ましくは、このプロモーターは、アルコ ール脱水素酵素、α−アミラーゼおよびグルコアミラーゼの遺伝子の群から選択 する。なお、この技術分野における熟練者には種々の異なる「プロモーター」が 知られているが、本発明者にはA.アワモリから分離したグルコアミラーゼのプ ロモーターを使用することが望ましいと思われる。 この技術分野における熟練者には多数の異なる「シグナル伝達配列およびこれ らのシグナル配列源」が知られているが、本発明者にはグルコアミラーゼのシグ ナル配列プラスA.アワモリから誘導したグルコアミラーゼ遺伝子の5’−部分 を使用することが望ましいと思われる。 本方法に有用な「シグナル配列」は翻訳開始コドン、分泌シグナルおよび高度 に発現される内因性遺伝子のいずれかに対するコード領域の部分を包含するもの いずれでもよい。 本方法に有用な「リンカー配列」は蛋白質分解的酵素のいずれかに対する認識 配列、好ましくはKex2ペプチダーゼ認識配列、を含有する 本方法に有用な「転写終結配列」はラクトフェリンmRNA転写の安定化と正 確な終結を可能にするいかなるものでもよい。好ましくは、この転写終結配列は α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、アルコール脱水素酵素またはbenAの遺 伝子から誘導する。なお、この技術分野における熟練者には多数の異なる「転写 終結配列」が知られているが、本発明者にはA.ニガーからのグルコアミラーゼ 遺伝子からの3’−非翻訳領域を使用することが望ましいと思われる。 本発明の方法に有用な「選択マーカー」遺伝子はラクトフェリンcDNAプラ スミドで形質転換した細胞の分離を可能にするいかなるものでもよい。好ましく はこの選択マーカー遺伝子は、pyr4、pyrG、argB、trpc、am dSまたはフレオマイシン耐性の遺伝子から選択される。なお、この技術分野に おける熟練者には多数の異なる「選択マーカー」が知られているが、本発明者に はフレオマイシン耐性遺伝子を使用することが望ましいと思われる。 これに加えて、ラクトフェリン蛋白質の組換え生産を好適な態様で上述した。 LFはアスペルギルス、サッカロミセス・セレビシアエ、クルイベロミセス・ラ クチス、またはピチア・パストルシスのような細胞;SF9のような昆虫細胞; およびCos細胞のような哺乳類細胞;など多数の材料から生産できる。 これらの細胞は、好ましくは真核生物細胞であるが、本発明に有用であって、 好ましくはラクトフェリンcDNAを含み、ラクトフェリンcDNAを発現する ベクターの導入が可能ないずれのものでもよい。好ましくは、この真核生物細胞 は糸状菌細胞または昆虫細胞である。SF9のような昆虫細胞は本発明の方法に 有用である。さらに好ましくは、この細胞はアスペルギルス真菌の細胞である。 もっとも好ましくは本発明に有用なこの真核生物細胞は、たとえばA.オリゼ、 A.ニガー、A.ニデュランスおよびA.アワモリのようなアスペルギルス属株 である。 hLFをコードするcDNA配列および演繹したアミノ酸の確認は多重な確認 手段で証明された。これらは: 1.多重配列分析、 2.抗−hLF抗体を使用するポジティブアイデンティフィケーションによる cDNAからのhLF蛋白質の転写および翻訳 である。 hLFをコードするcDNA配列は組換えヒト型ラクトフェリンを調製するた め使用でき、治療的および栄養的利用のための蛋白質源を入手可能にする。この 確認されたcDNA配列は適当なクローニング伝達体中でそのcDNA配列を複 製するために使用できる。また、このcDNAはヒト型ラクトフェリンを生産す るためにベクター系に導入できる。その他のラクトフェリンDNA配列もウシ、 ブタ、ウマまたはその他のラクトフェリンを提供するためにヒト型ラクトフェリ ンcDNA配列と交換できる。部分的cDNA配列も所期のラクトフェリン誘導 ポリペプチドを得るための採用できる。本発明の発現系は天然起源ラクトフェリ ンの酵素消化では入手不能なラクトフェリン誘導ポリペプチドを提供するために 使用できる。本発明はさらにアスペルギルス細胞中でラクトフェリンおよびラク トフェリン関連ポリペプチドを生産するための発現系を提供する。本発明は乳汁 またはその他の天然起源から分離したラクトフェリンの夾雑物であるラクトペル オキシダーゼ、リゾチーム、その他の蛋白質不含のラクトフェリンの生産を可能 にする。この発明はヒトcDNA配列の特定的使用または適当なDNA配列から の他種のラクトフェリンの生産のいずれにも限定されるものではない。 組換え技術により誘導されたプロテインである組換えLFは様々な応用に使用 できる。ヒトの遺伝子は牛その他の農業的に重要な動物のような哺乳類系に転移 させ、乳汁中に発現できる。ラクトフェリン遺伝子の導入および動物の乳汁中へ の発現で、子豚に典型的な鉄欠乏症を処置できる。発現を伴うラクトフェリン遺 伝子の導入は細菌およびウイルス感染症に対する動物の疾患抵抗性を改善する筈 である。例えば、ヒト型ラクトフェリンの乳腺中での組織特異的な発現は発現さ れる遺伝子の殺菌的および殺ウイルス的な利益を授乳期の給餌に与え、また治療 目的のためのこの分泌プロテイン生産の手段を提供する。 本発明の組換え法により生産されたLFはヒトまたは動物の食料を含む様々な 生産物中で、鉄輸送および分配を強化するためおよび殺ウイルス的および殺菌的 性質のための治療的添加物として、および点眼液、コンタクトレンズその他の眼 保護液剤、局所的皮膚保護製品、点耳剤、口腔洗浄剤、チューインガムおよび歯 磨への添加剤として、使用できる。組換えLFは安全で局所的に適用でき、なら びに安全に摂取される天然起源生産物を提供することとなる。この殺菌的ラクト フェリンポリペプチドは前記生産物中の保存剤および治療的抗感染症剤として有 用である。この鉄結合ポリペプチドは栄養的および治療的使用のための鉄または その他の金属イオン輸送蛋白質として、および静菌剤および殺菌剤として、特に 前記の型の生産物に、有用である。各蛋白質はまた栄養添加剤としておよびアミ ノ酸および金属の源泉として有用である思われる。 組換えヒト型ラクトフェリンを生産するために使用したプラスミド発現ベクタ ーの種々の成分を以下に提示するが、どの形も本発明の限定を意味するものでは ない。この分野の熟練者には多数の種々の「プロモーター」が知られているが、 本発明者にはA.アワモリから分離したグルコアミラーゼのプロモーターを使用 するのが望ましいと思われる。この分野の熟練者には多数の種々の「シグナル配 列およびこれらのシグナル配列の源泉」が知られているが、本発明者にはグルコ アミラーゼのシグナル配列プラスA.アワモリから誘導したグルコアミラーゼの 5’−部分を使用するのが望ましいと思われる。この分野の熟練者には多数の様 々な「リンカー配列」が知られているが、本発明者にはKex2ペプチダーゼの 切断部位をコードする合成リンカーを使用するのが望ましいと思われる。この分 野の熟練者には多数の種々の「転写終結配列」が知られているが、本発明者には A.ニガーからのグルコアミラーゼ遺伝子からの3’−非翻訳領域を使用するの が望ましいと思われる。この分野の熟練者には多数の種々の「選択マーカー」が 知られているが、本発明者にはフレオマイシン耐性遺伝子を使用するのが望まし いと思われる。 この分野における通常の熟練者は本発明によって生産されるラクトフェリンの 量および質に影響せずに様々な各種のパラメーターを修正できることを理解し、 認識するものである。以下に、変更はできるが、生産されるラクトフェリンの量 および質に影響のないパラメーターを列挙する:温度、pH、必要な栄養、規模 拡大の考慮、使用する装置の型、使用する酸素/空気の比率、撹拌対静置系の使 用、収集時期、その他。 アスペルギルス・アワモリ中での組換えヒト型ラクトフェリンの発現には各種 の増殖および生産条件を使用できる。以下の記載はアスペルギルス・アワモリ中 でのhLFの発現に使用できる例示の目的で種々な条件を示すが、いかなる形で も本発明の限定を意味するものではない。以下に発酵生産工程および生産された ラクトフェリンを回収するために使用する工程の一般的な概略を提示する。この 分野の熟練者はラクトフェリンまたはラクトフェリンポリペプチドの生産を増強 するためにプロトコールを微妙に変更し、修正できることを理解し、認識するも のである。 以下に本発明の様々な態様を例示する目的で実施例を記載するが、いかなる形 でも本発明の限定を意味するものではない。 実施例 1 アスペルギルス・アワモリにおける組換えヒトラクトフェリンの発現のための 発現ベクターpPLF−19の構築 この実施例では、アスペルギルス・アワモリにおいて、組換えヒトラクトフェ リンを発現させるのに使用する発現ベクターの構築を示す。 I.株、プラスミド、酵素および培地 A.細菌および真菌の株 アスペルギルス・アワモリ株(ATCC受託番号第22342号)をヒトラク トフェリンの異種発現の宿主株として使用した。大腸菌DH5α株をヒトラクト フェリン発現ベクター、pPLF−19の構築に使用した。 B.プラスミド プラスミドpUC19およびpGEM4(プロメガ(Promega)、マディソン( Madison)、ウィスコンシン)を様々なクローニング工程において使用し、最終 的にヒトラクトフェリン発現プラスミド、pPLF−19を構築した。 フレオマイシン(phleomycin)耐性ベクター、pLO−3は、酵母シトクロム C1ターミネーターに結合したフレオマイシン耐性遺伝子(ストレプトアロティ カス・ヒンダスタヌス(Streptoalloteichus hindustanus)からのフレオマイ シン結合タンパク質遺伝子)を含み、プラスミドpUT713(CAYLA、ト ゥロウズ−セデックス(Toulose−Cedex)、フランス)由来のものであった。 それはアスペルギルス・ニゲル(A.niger)からのβ−チューブリンプロモー ターによって真菌中で発現する。 C.酵素 制限酵素をニュー・イングランド・バイオラブズ(New England Biolabs) (ビバリー(Beverly)、マサチューセッツ)から入手した。大腸菌DNAポリ メラーゼIからのT4リガーゼ、T4ポリメラーゼ、T4キナーゼおよびクレノ ウフラグメントをベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Laboratories)(BRL、ゲイザーズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド )から購入した。ムング・ビーン・ヌクレアーゼ(Mung Bean Nuclease)を ス トラタジーン(Stratagene)(ラ・ホラ(La Jolla)、カリフォルニア)か ら入手した。Taqポリメラーゼをプロメガ社(マディソン、ウィスコンシン)か ら入手した。プラスミド構築物のDNAシークエンシングをシークエナーゼ・バ ージョン・2.0(Sequenase Version 2.0)T7DNAポリメラーゼ酵素お よびキット(ユナイテッド・ステイテッド・バイオケミカルズ(United State d Biochemicals)、クリーブランド(Cleaveland)、オハイオ)を用いて達成 した。ノボザイム(Novozym)234、スフェロプラストにする(spheroplasti ng)酵素をノボ・バイオラブズ(Novo BioLabs)(バグスバード(Bagsvaer d)、デンマーク)から購入した。 D.一般的な増殖培地 大腸菌株をL−ブロス(ディフコ(Difco)、デトロイト、ミシガン)中で増 殖させた。細菌の形質転換体を1.5% アガーおよび125ug/ml アンピシリ ンを含むL−ブロスプレート上で増殖させた。液体中でのアスペルギルス・アワ モリの増殖のための完全培地(CM)は:50ml 20×クラッターバック塩( Clutterbuck's salts)(120g Na2NO3、10.4g KCl、10.4g Mg SO47H2O、30.4g KH2PO4)、2.0mlVogel's Trace Elements( 蒸留水1l中、0.3M クエン酸、0.2M ZnSO4、25mM Fe[NH42[ SO426H2O、10mM CuSO4、3mM SO4 -3、8mM ホウ酸、2mM N a2MoO4・2H2O)、5.0g トリプトン、5.0g 酵母エキス、10g グルコ ース)よりなる。1.5% アガーをCMスラント(slant)に添加した。PDA スラントは39.0g/L水に溶かしたポテトデキストロースアガー(ディフコ 、デトロイト、ミシガン)、10.0g/L グルコース、10.0g/L アガー、 0.1g/L MgSO47H2O、0.12g/L KH2PO4、0.25g/L(NH4 2HPO4を含んだ。 アスペルギルス・アワモリラクトフェリン産生形質転換体をKT−4培地で増 殖させた:150g/L マルトース、60g/L ソイファイン・ソイミルク・L F(Soyfine soymilk LF)、79.8g/L C657Na3・2H2O、15g /L[NH42SO4、1.0g/L Na2PO4、2.05g/L MgSO4・ 7H2O、1.0ml Tween 80、2.0ml/L 消泡剤 204;ダン−コールマ ン(Dunn-Coleman)ら、1991、Bio/technology 9:976−981。 E.ATCC細胞の寄託 以下の形質転換した株を、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関する ブダペスト条約の条項に従って、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ ン(American Type Culture Collection、12301 パークローン・ドラ イブ(Parklawn Drive)、ロックビル(Rockville)、メリーランド、208 52)に、1994年7月8日に出願人が寄託した:「Awa LF 24−1」は 、ヒトラクトフェリンをコードするcDNAを含む発現プラスミドpPLF−19 で形質転換したアスペルギルス・アワモリである。この寄託には、ATCC受託 番号第74290号が付与された。さらに、出願人は信頼できる第三者が米国に おいて本件出願からの特許の付与と同時に制限ましに本寄託を利用可能とするこ と、および本件出願からの発行特許の請求の範囲によって規定された出願人の権 利に固執する第三者に関するものを除いて、制限なく現行法およびその規約に従 うことに同意している。 II.方法 A.ヒトラクトフェリン発現プラスミドの構築 以下のプラスミドを最終発現プラスミド、pPLF−19の先祖として構築し た。図1にpPLF−19の構造の図を示す。この図において使用する略語は、 以下のとおりである:Apr:アンピシリン耐性;hLF:ヒトラクトフェリン; GA:グルコアミラーゼ;pGA:グルコアミラーゼからのプロモーター;GA 3'UTR:グルコアミラーゼ3'非翻訳領域;s.s.:シグナル配列;phleo r :フレオマイシン耐性ベクター。 p PLF−1 hLF cDNAを2.3kb SacI/HindIII断片としてpGEM4hLFcから除 去し、ベクターpUC−19にサブクローニングした。このサブクローニングに より、望ましくないNgoMI部位を含むpGEM4骨格からcDNAを除去した。 p PLF−2 hLFの5'端を修飾して、グルコアミラーゼ(GA)プロモーターおよびシグ ナル配列の継ぎ目のない添加に使用することができる、単独のNgoMI部位を導 入した。成熟ラクトフェリンコーディング配列の5'端と単独のAccI部位に及 ぶ270bp断片のPCR増幅によって修飾した。以下にプライマーを列挙し、そ れぞれ配列番号:1および2に示す。 270bpの断片をプロメガのTaq ポリメラーゼを使用して以下の条件で増幅 する:1.25〜5mM MgCl2;各0.5μMのプライマー(5hLFFWおよび 5hLFRV);鋳型としての10ng pGEM4hLFc。パーキン・エルマー96 00サーモサイクラー(Perkin Elmer 9600 Thermocycler)にて循環し た:96℃ 2分を1回;96℃ 20秒/55℃ 20秒/72℃ 20秒を30 回;72℃ 5分で1回。 断片をアガロースから単離し、酵素により平滑末端化し、リン酸化し、SmaI で切断したpUC 19にサブクローニングして、プラスミドpPUC270を得 た。増幅産物の配列をM13普遍的順方向および逆方向プライマーを使用して確 認した。ついで、その断片をKpnIAccI断片としてpPUC270から除去し 、pPLF−1のKpn/AccI断片と取り換えるのに使用した。得たプラスミド をpPLF−2と称した。 p PLF−6 hLFの終わりの17bpおよびGA 3'非翻訳領域(UTR)の160bpを有 する280bpのEcoRI/PstI断片をベクターpAhLFG(+1)からEcoR I/PstI切断pUC19にサブクローニングした。 p PLF−7 pPLF−2の修飾したhLF遺伝子をEcoRI断片としてベクターpPLF− 6にサブクローニングした。正確に方向づけられたプラスミド(pPLF−7) は成熟hLF配列の全長を、すぐ上流に単独のNgoMI部位、すぐ下流に160b p GA 3'UTRと共に含む。GAプロモーターおよびシグナル配列(以下を参 照)はこのベクターに添加される。 GAプロモーターおよびシグナル配列をアスペルギルス・アワモリ株ATCC 受託番号第22342号から単離したゲノムDNAからPCR増幅により得た。 その順方向プライマーはGAシグナル配列の約1.1kb上流のSacI部位に及ぶ 。このプライマーの配列は、ATCC受託番号第10864号(ジーンバンク( GenBank)受託番号第X56442号)の公開された配列から設計し、それぞ れ配列番号:3および4に示す。 逆方向プライマーはhLFへの接着にNgoMI部位を包含する。 正確な大きさの断片(1.1kb)をATCC受託番号第22342号ゲノムD NAから以下の条件を用いて増幅した:2.5mM MgCl2:各0.5μMのプラ イマー(GAFWおよびGARV)および100ng ゲノムDNA。循環パラメー ターを、95℃ 2分を1回;95℃ 30秒/60℃ 30秒/72℃ 45秒を 30回;72℃ 5分を1回に設定した。 増幅した産物を平滑末端化し、リン酸化し、ついでSmaIで切断したpUC− 19にサブクローニングした。DNA配列を増幅した断片の3'端から産生し、 GAシグナル配列領域に及ぶ増幅の忠実度をチェックした。確認した配列を有す るクローンをGAプロモーターおよびs.s.断片の保存源として使用した。 p PLF−9 PCR増幅したGAプロモーターおよびシグナル配列をSacI/NgoMI断片 としてベクターpPLF−7にライゲーションしてベクターpPLF−9を得た。 一方向での連結により産生した配列は完全なライゲーションであることを確認し た。 p PLF−18 最終的なGA発現プラスミドはGAプロモーター、シグナル配列およびhLF に融合したプロ−グルコアミラーゼの498アミノ酸をコードする配列を含む。 二塩基性KEX−2認識配列Lys−Argに終わるグルコアミラーゼのプロ−ヘキ サペプチドをGAおよびhLF配列の間に入れた。多分、そのキメラタンパク質 をhLFの一層高い分泌力価となる内在性のGA分泌経路によって一層よく認識 されるだろう。KEX−2リンカーはGA不在でhLFの正確なプロセッシング を可能にすべきである。 pPLF9を最初にNgoMIで切断した。その末端をクレノウフラグメントを 用いてdCTPで充填した。ついでムング・ビーン・ヌクレアーゼを使用して、 残存5'突出部分を除去し、インフレームタンパク質融合のために準備した平滑 末端を得た。ついでそのベクターをNsiIで切断し、以下に記載するようにPC R増幅したGA配列を受け入れた。 目的のGA断片をコードする断片をATCC受託番号第22342号の株から 以下のプライマーのセット(それぞれ配列番号:5、6および7に示す)を用い てPCR増幅した。 この順方向プライマーは公開されたATCC受託番号第22342号(NRR L受託番号第3112号)のGA上流の配列の1−18塩基(ナンバーグ(Nun berg)ら、Mol Cell Bio 1984,2306−2315頁)に及ぶ。この配 列は構築に使用した単独のNstI部位の約50bp上流に存在する。 この逆方向プライマーは、挿入したプロ−ヘキサペプチド(下線)コーディン グ配列に相補的であり、492−498をコードするプロ−GA配列補足物が続 く。 2.0kbの断片をTaqポリメラーゼを用いてPCR増幅した。2.5mM MgCl2 を経験的に決定して最良の増幅を得た。断片を酵素によりクレノウで平滑末端 化して、増幅から潜在的にでこぼこな残余末端をきれいにした。ついで平滑末端 化した断片をNsiIで切断し、ついでNsiI/平滑断片として操作したベクター pPLF−9(上記参照)にサブクローニングして、プラスミドpPLF−18を 得た。配列をジ−デオキシシークエンシングによりGA/KEX−2/hLF連 結で確認した。 p PLF−19 CAYLAベクターpUT713(ストレプトアロティカス・ヒンダスタヌス ble 遺伝子)由来およびアスペルギルス・ニゲル チューベリンプロモーター(p PLO−3)から発現したフレノマイシン耐性マーカーを2.3kb HindIII断片 としてpPLF−18に添加して、最終的な発現プラスミドpPLF−19を得た 。 B.ATCC受託番号第22342号のアスペルギルス・アワモリ株のDNA 形質転換 ATCC受託番号第22342号のアスペルギルス・アワモリ株をスフェロプ ラストにし、ティルバーン(Tilburn)ら、1983、Gene 26:205−2 21の手法を改良することによって形質転換した。完全培地(CM)スラント上 で30℃、4〜7日間増殖したATCC受託番号第22342号のアスペルギル ス・アワモリ株の分生胞子化した培養(conidating culture)を2mlのNP40 水(0.005% Nonidet−40)でこすり取り、胞子懸濁液を得た。1mlの胞 子懸濁液(約1×108胞子)を50mlのCMに添加し、30℃で22時間、2 00rpmで増殖させた。菌糸体をチーズクロス(cheesecloth)の2層を通して濾 過により収集し、5mg/mlのNovozym 234(ノボ・バイオラブズ、バグスバ ード、デンマーク)を含む50mlのKCMバッファー(キャントラル(Cantoral )ら、1987、Biotechnology 5:494−497;KCM:0.7M KCl 、10mM MOPS、pH5.8)を添加し、ついで30℃で一夜、90rpmでイ ンキュベートしてスフェロプラストを産生させた。 スフェロプラストをミラクロス(miracloth)(カルバイオケム(Calbiochem );ラ・ホラ、カリフォルニア)を詰め、チーズクロスで覆ったロートを通して 、4つの15mlのコニカル遠心チューブに濾過して回収し、ついでベンチ−トッ プ(bench-top)遠心で10分間1800rpmで回転させた。そのペレットを総量 15mlのKCMバッファーに穏やかに再懸濁し、ついで再度遠心した。そのペレ ットを再度15mlのKCMフバッファーで洗浄し、ついでKCMCバッファー( KCM+50mM CaCl2)に再懸濁して最終密度5×107細胞/mlとした。 20μl TEバッファー(10mM トリス−HCl、1mM EDTA、pH8. 0)中5ug pPLF19プラスミドDNAを200μlのスフェロプラストに添 加し、50μlのPCM(キャントラルら;PCM:40% PEG8000、1 0mM MOPS、pH5.8、50mM CaCl2[CaCl2は使用前に添加した] )をDNA−スフェロプラスト混合物に穏やかにピペッティングして氷上で30 分間インキュベートした。 1mlの新鮮に調製したPCMを形質転換混合物に添加し、その混合物を50ml 再分化アガー(CM+1.3Mマンニトール、3%アガー)にピペッティングし 5枚のペトリ皿に分割して50℃に冷却した。スフェロプラストを、等量のOL +120ug/mlのフレオマイシン(OL:1% ペプトン、1% アガー;フレオ マイシン[CAYLA;トゥロウズ、フランス])で覆う前に30℃で3〜5時 間再分化させた。推定形質転換体を125−150ug/mlのフレオマイシンを含 むPDAスラントにトランスファーした。 C.アスペルギルス・アワモリにおけるヒトラクトフェリンの発酵条件 推定のHLF−産生形質転換体からの胞子を選択的PDAスラントからCMス ラントへトランスファーし、ついで30℃で4日間増殖させた。分生胞子を1. 5mlのNP40水でスラントをこすり取ることによって回収し、1×108胞子 アリコートを250mlフラスコ中の30ml KT−4培地に添加した。培養物を 30℃で6日間200rpmで発酵させた。ラクトフェリンサンプルを発酵ブロス 1mlを3000rpmで15分間遠心することによって回収し、保有上清をアッセ イする。 D.ヒトラクトフェリンアッセイ ラクトフェリンをビルジャ(Vilja)ら、1985、J.of Imm.Methods 76:73−83によって発展された非競合アビジン−ビオチンイムノアッセイ の修飾によって定量した。96ウェルマイクロタイタープレート(U底マイクロ テストIII;バクスター(Baxter)、シカゴ、イリノイ)をコーティングバッフ ァー(0.1M 炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム、pH 9.6)中、0.1μg /mlウサギ抗血清ラクトフェリン抗体(シグマ、(Sigma)、セントルイス、モ ミズーリ)の100μlでコートし、4℃で一夜振盪した。 その翌日、コーティング溶液を除去し、ついでそのプレートを3度洗浄バッフ ァー(1×PBS pH7.4、0.5% Tween20)で洗浄し、その後希釈バッ ファー250μlの(1×PBS pH7.4、1%BSA×Fraction V、RIA グレード、ユナイテッド・ステイツ・バイオケミカルズ、クリーブランド、オハ イオ]、0.05% Tween20)で室温で少なくとも1時間ブロッキングした。 希釈バッファーを捨て、100μlの希釈した発酵サンプルおよび公知のラクト フェリン標準を皿に添加し、ついで37℃で1時間インキュベーションした。発 酵サンプルから回収した上清を1:1000で希釈バッファーにて希釈し、その 後マイクロタイタープレートに添加した。ラクトフェリン標準はヒトラクトフェ リン(シ グマ、セントルイス、ミズーリ)からなり、希釈バッファー中で1〜1000ng /mlに希釈した。 37℃での反応の後、サンプルを捨てて、皿を3度洗浄バッファーで洗浄した 。1mg/mlのストックから希釈バッファー中で1:7500に希釈した100ul のビオチン化抗HLF抗体(ビオチン−SP−ウサギ−抗−hLF IgG、ジャ クソン イムノ−リサーチ・ラブズ(Jackson Immuno-Research Labs)を各 ウェルに添加し、37℃で1時間インキュベートした。 溶液を捨てて、その皿を3度洗浄バッファーで洗浄し、100μlのABC剤( ベクタスティン(Vectastain)ABCキット、ベクターラブズ(Vector Labs) 、バーリンゲイム(Burlingame)、GA)を添加し、ついで37℃で1時間プレー トをインキュベートした。ベクタステイン剤Aを1:200に希釈し、B剤を希 釈バッファー中で1:400に希釈して、ブロス溶液を合わせ、ついで使用前に 室温で1時間前もってインキュベートした。 ABC溶液を捨て、そのプレートを5回洗浄バッファーで洗浄した。100ul のOPD基質溶液(10ml基質バッファー[25mM クエン酸、50mM Na2H PO47H2O、pH 5.0]、8mg o−フェニレンジアミン[ベセスダ・リサー チ・ラブズ、ゲイザーズバーグ、メリーランド]、100μl 30% H22[ シグマ、セントルイス、ミズーリ]を添加し、ついでそのプレートを暗所で、室 温で穏やかに撹拌しながら20分間インキュベートした。発色後、100ulの2 M H2SO4を添加して反応を停止した。ついでそのプレートを490nmにて解 読し、公知の標準と比較することによりラクトフェリンの濃度を決定した。 実施例 2 アスペルギルス・アワモリにおけるhLF(pPLF−19)の 発現およびプロセッシング ヒトラクトフェリン発現カセットpPLF−19をアスペルギルス・アワモリ 22342号に形質転換した場合に、分泌ラクトフェリンをELISAアッセイ およびウエスタンブロット解析の両者によって培地中で検出した。1つの形質転 換体、#19−254は約250mg/lのヒトラクトフェリン(hLF)を産生し た。より好ましい形質転換体であるAwa LF 24−1(ATCC受託番号第7 4290号;#19−24.1)は約500mg/lのヒトラクトフェリンを産生す る。収量および株の増殖を改良する実験は、アスペルギルス・アワモリ中の組換 えhLFの産生を増加するために行われる。現在まで、本発明はAwa LH 24 −1株を含むアスペルギルス・アワモリ形質転換体中で産生される900mg/l hLFを超える力価を得た。その結果を以下の比較産生表に示す。 pPLF−19発現産物が、グルコアミラーゼの498アミノ酸およびKEX −2分解切断部位により分離されたhLFの完全なコーディング領域からなるキ メラタンパク質であるため、SDS−PAGE、および銀染色法、ウエスタンブ ロット解析およびN−末端シークエンシングを行って、そのタンパク質が正確に プロセッシングされたかどうかを決定した。 A.アスペルギルス・アワモリ形質転換体から精製された組換えヒトラクトフ ェリンの銀染色したSDS−ポリアクリルアミドゲル分析 組換えヒトラクトフェリンをCM−セファデックスC50(CM−Sephadex C50)を用いたイオン交換クロマトグラフィー(ストウェル(Stowell,K. M.)ら、Biochem J.、276:349−355)によってアスペルギルス・ アワモリの増殖培地から精製した。標準ヒト胸乳LF(human breast milk LF )(Std hLF)および精製した組換えhLF(Rec LF)を7.5% SDS−ポ リアクリルアミドゲルおよび銀染色法で解析した。この分析結果を図2に示す。 組換えhLFタンパク質はプロセッシングしたhLF(レーン2)の期待された大 きさで移動し、標準hLF(レーン1)の大きさと同一である。分子量マーカー の位置は左に示す。 B.アスペルギルス・アワモリ形質転換体から精製されたグリコシル化および 脱グリコシル化された組換えヒトラクトフェリンのウエスタンブロット分析 アスペルギルス・アワモリ形質転換体の増殖培地から精製した組換えヒトラク トフェリン、N−グリコシダーゼFで処理したものおよび非処理のものをSDS −ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析し、ニトロセルロースにトラン スファーし、ついでヒトラクトフェリン(シグマ)に直接対する特異的なIgG を用いてプローブとした。この分析結果を図3に示す。非処理組換えhLFと非 処理標準胸乳hLFの比較は、これら両者タンパク質は共に移動することを示す (それぞれ図3 レーン3および1)。N−グリコシダーゼFは一層小さな分子 量の炭水化物遊離ペプチドを産生するグリコシラミン結合を加水分解する酵素で ある。N−グリコシダーゼ Fで処理した後の組換えhLFと標準hLFとの比較 は両タンパク質は同様に移動することを示し、それによって両タンパク質は同様 に炭水化物にN−結合することを示唆する(それぞれ図3、レーン4および2) 。 実施例 3 N末端配列分析により、アスペルギルス・アワモリにおいて 組換えヒトラクトフェリンが正しくプロセッシングされていることを確認する アスペルギルス・アワモリにおいて産生された組換えhLFが正しくプロセッ シングされていることを確認するために、組換えにより産生されたhLFのN末 端部分を配列決定した。まず最初に、アスペルギルス・アワモリにおいて、組換 えhLFを、アスペルギルス・ニゲルのグルコアミラーゼの触媒ドメイン(498 AA)への融合タンパク質として発現させるが、これは、KEX−2タンパク質 分解切断部位をコードする合成リンカーにより分離される。次に、CM−セファ デックスC50を用いて、組換えhLFを増殖培地から精製した(Stowellら、B iochem J、276;349−59(1991)により、以前に記載されている) 。組換えhLFがそのN末端で正しくプロセッシングされているかどうかを測定 するために、自動化エドマン分解法を利用して、精製されたタンパク質の最初の 10個のN末端アミノ酸を配列決定した(5ug)。この分析の結果を第4図に概説 する。組換えタンパク質の配列は、ヒト胸乳ラクトフェクチン中の対応するアミ ノ酸と同一である。従って、組換えhLFは、アスペルギウス・アワモリにおけ るKEX−2タンパク質分解切断部位で正しくプロセッシングされている。 実施例4 Aspergillus awamori において産生したヒトラクトフェリンの機能分析 A.標準及び組み換えhLFの鉄結合及び飽和 ラクトフェリンは、ラクトフェリン1モル当たりに鉄2モルを結合する能力を 有する鉄結合性糖タンパクである。組み換えラクトフェリンによる鉄の結合が飽 和的なものであるかどうかを調べるために、鉄結合アッセイを行った。アポ−ラ クトフェリンを得るために、精製Rec hLFと人乳を0.1M クエン酸(pH 2.0)に対して透析し、次いでH2Oに対して充分に透析した。溶液のpHを5m M リン酸ナトリウムを用いてpH7.6にゆっくりと上げた。FeCl359FeCl3 :NTA(400:1:8)の濃度を増加させたもの(0.5〜4.0モル過剰 ))を、結合緩衝液(0.025M トリス、pH7.8;0.01M 炭酸水素ナト リウム;0.1M NaCl)1mL中のhLF(500μg)に加えた。試料を室温 で30分間インキュベーションした。結合緩衝液15mLで平衡化したNAP− 10カラムに通すことにより、鉄が結合したhLFを、結合しなかった鉄とNT Aとから分離した。LFに結合した鉄の量をリキッドシンチレーション計測を用 いて測定した。この分析の結果を第5図にまとめた。組み換え及び標準hLFは 、同じ様に鉄に結合する。この鉄の結合は用量依存性である。さらに標準及び組 み換えhLFによる鉄の結合はどちらも、鉄のラクトフェリンに対する比率が2 :1モルで飽和する。典型的には、飽和レベルは92.5%の最大結合に達する 。これは、始めの7.5%の鉄が透析後も依然としてラクトフェリンに結合して いることを示すものである。本発明においては、“標準hLF”又は“組み換え hLF”は、人乳から単離したヒトラクトフェリンであって、シグマ社から購入 したものである。B.標準及び組み換えhLFに対する鉄結合のpH安定性 標準及び組み換えhLFに対する鉄結合のpH安定性を測定するために、59Fe で飽和した標準及び組み換えhLF(500μg)を,pH7.0〜pH2.0の範 囲の緩衝液に対して、4℃で48時間透析して、結合しなかった鉄を除去した( Stowell,Biochem J,276;349〜59(1991))。透析後の、hLF試料に結合 した鉄をリキッドシンチレーション計測を用いて測定した。この分析の結果を第 6図に示した。標準及び組み換えhLFからの鉄のpH依存性の放出については 、両者は同じである。標準及び組み換えhLFは両者ともpH7〜4の範囲にわ たっては鉄の大部分を保持しており、pH2.0では本質的に鉄を含まない。C.E.coli 0111に対する天然及び組み換えhLFの抗菌作用 E.coli 0111に対する天然(標準)及び組み換えhLF双方の抗菌活性を、イ ン・ビトロマイクロ滴定プレートアッセイ(Nonnecker及びSmith.,J.Dairy Sci ,67;606〜613(1984))を用いて測定した。簡潔に説明すれば、対数増殖期の 細胞(1×106CFU/mL)の標準接種量を、1% Basal Bactopeptone培地 (100μl)中、Apo−Std又はApo−Rec hLFの濃度を増加させ又は増加 させないでインキュベートした。試料を37℃/200RPMで4時間培養した 。計測のために、一部を取り、連続希釈をして、MacConkey寒天プレート上で一 晩平面培養をした。この分析の結果を第7図に示した。試験したすべての濃度に おいて、天然及び組み換えhLFは、E.coli 0111に対し、同様の抗菌作用を示 した。D.Shigella flexneriに対する天然及び組み換えhLFの抗菌作用 天然(標準)及び組み換えhLF双方のS.flexneriに対する抗菌作用を実施 例4(C)に記載したように測定した。この分析の結果を第8図に示した。天然 及び組み換えhLFは両者とも、試験したすべての濃度において、同様なS.fle xneriの用量依存性の阻害を示した。E.Shigella flexneriに対する天然及び組み換えhLFの抗菌作用(死滅時間試 験) 天然及び組み換えhLFの抗菌活性の時間経過を調べた。簡潔に説明すれば、 対数増殖期(1×106CFU/mL)のS.flexneri細胞の標準接種量を、1%B asal Bactopeptone培地(100μl)中、Apo−Std又はApo−Rech LF(300μg)の非存在下又は存在下でインキュベートした。試料を37℃ /200RPMで培養した。計測のために、種々の時間間隔(0、1、4及び2 0時間)をおいて一部を取り、連続希釈をして、MacConkey寒天プレート上で一 晩平面培養をした。この分析の結果を第9図に示す。組み換え天然及び組み換え hLFはS.flexneriに対して時間依存的に同様の抗菌作用を示し、4時間後に は生存するS.flexneriCFUは検出されなかった。 実施例5 cDNAのフレーム内サブクローニングできるユニバーサルシャトルベクターp PLF−26の構築 本実施例では、Aspergillus種においてhLF変異体を発現することが可能な ヒトラクトフェリンシャトルベクターの設計と構築を記載する。ベクターへのラ クトフェリンの改変体のクローニングを容易にするために、ユニークなNotI及 びEcoRI部位を作成した。タンパク質は、グルコアミラーゼ:hLFキメラの ようなグルコアミラーゼプロモーターとシグナル配列の指令の下に発現し、その キメラはKEX−2開裂部位の認識によってイン・ビボでプロセシングされる。 双方のベクターは、mRNA安定性を増強するためのグルコアミラーゼ3'非翻 訳領域とAspergillusにおける選択のためのフレオマイシン耐性遺伝子も含んで いる。 I.ヒトラクトフェリン発現ベクター構築 A.pPLF−26の構築 ラクトフェリンの変異体を受容可能な発現ベクターを作成するために、幾つか の制限部位を、ユニークなクローニング部位を許容するように改変した。ラクト フェリンの変異体をプラスミドへ置換するために、hLF遺伝子の5'末端でN OTI部位の付加を設計した。hLF遺伝子の3'末端でのユニークなクローニ ング部位としてEcoRI部位を選択した;そしてこの部位をユニークなにするた めに他の存在するEcoRI部位を除去する必要がある。 pPLF−26は、ユニークなクローニング部位に加えて、Aspergillus awam oriグルコアミラーゼ(GA)プロモーター、シグナル配列、及びKEX−2認 識部位によりhLFから分離されるグルコアミラーゼタンパクの498アミノ酸 を含む。このベクターはAspergillus niger GA 3'非翻訳領域(UTR)、及 びA.nigerベーターチューブリンプロモーターによって発現されるStreptoallot etchus hindustanus(CAYLAベクター pUT713)由来のフレオマイシ ン耐性遺伝子も含んでいる。E.coliにおける選択と複製のために、このプ ラスミドはColEI複製開始点とアンピシリン耐性遺伝子を含んでいる。hLF 発現ベクターpPLF−26の構築を、第10−A図及び第10−B図に概説し 、中間体の構築についての記載は以下に示す通りである。pPLF18Sp.Alt プロモーター、シグナル配列及びKEX−2認識部位によってhLFから分離 されたグルコアミラーゼの部分的なタンパク配列を含むプラスミドpPLF−1 8を、所望の部位修飾のための出発プラスミドとして選択した。pPLF−18 をSphIで消化して2つのフラグメントに分離した;hLFを含む3.3kbの フラグメントをイン・ビトロ突然変異誘発ベクターpALTERに正しい方向に サブクローンしてpPLF18Sp.Altを得た。pR18.2 pPLF−18から4.4kbのSphフラグメントを除去してpR18.2を 得た。pNot.9 KEX−2開裂部位とhLF開始部位にまたがるNotI制限部位を、ベクター pPLF18Sp.Altのイン・ビトロ突然変異誘発によって作成した。NotI部 位は、ヌクレオチド“T”をヌクレオチド“C”に変えたものであるが、イン− フレームであり、いずれのアミノ酸も変化しない。(配列番号No.8に示した) 以下の21マーのオリゴヌクレオチドを突然変異誘発に使用した。小文字は塩基 の変化を意味する。 オリゴHLFNotI: 変異誘発性オリゴHLFNotIをアンピシリン修復オリゴ(Promega)と一緒 に使用して、1本鎖のpPLF18Sp.Alt DNAにアニーリングし、次いで 、これをT4DNAポリメラーゼとT4DNAリガーゼを使用してフィルイン( fill in)させた。修復不能株BMH 71−18mut及びJM109を形質転 換すると、選択された形質転換体の50%が新しいNotI部位を含んでおり、そ の1つをpNot.9と命名した。p△E12 プラスミドpR18.2をEcoRIで消化し、2つのフラグメントをゲル電気 泳動により単離した。双方のフラグメンをそれぞれクレノウ(Klenow)でフィル インさせ、大きい方の3.6kbのフラグメントをウシ胎児腸管フォスファター ゼ(CIP)により50℃で1時間脱リン酸化した。フェノール抽出とエタノー ル沈殿の後、フィルインした両フラグメントを、互いにブラントライゲートした 。形質転換の前にライゲーション混合物をEcoRIで消化してEcoRI部位を依 然として含んでいるベクターをすべて直線化した。16個の内3個のクローンは 、依然としてEcoRI部位を含んでいるいずれのベクターをも直線化する両方の EcoRIを有していた。16の内の3つのクローンは両方のフィルインされたE coRI部位を有しており、正しい方向であった。これらの内の1つをp△E12 と命名した。pPLF−25 p△E12をSphIで消化し、CIPで脱リン酸化した。新しいNotI部位 を含んでいる3.3kbのSphIフラグメントをpNot.9から単離しp△E1 2/Sphにライゲートした。正しい方向性のSphIフラグメント有するクロ ーンをpPLF−25と命名した。これはユニークなEcoRIとNotI部位の両 方及び、GAプロモーターによって発現するグルコアミラーゼ配列と融合したh LFを含んでいる。pLO3△RI Aspergillusにおける選択に有用なpPLF−25を作成するために、フレオ マイシン耐性カセットを加えた。カセットの前に、除去する必要のある2つのE coRI部位を含んでいるプラスミドpLO3中のカセットを加えることができる 。プラスミドpLO3をEcoRIで消化し、4.3及び0.9kbのフラグメント を単離し、それぞれクレノウでフィルインさせた。フィルイン反応の後、4.3 kbのフラグメントをCIPで処理し、次いで精製して沈殿させた。両フィルイ ンしたフラグメントを、お互いに一晩ライゲートさせた。細菌の形質転換の後に 選択したコロニーは、24個の内5個がフィルインしたEcoRI部位を有し、正 しい方向性であったことが示された。これをpLO3△RIと命名した。pPLF−26 B−チューブリンプロモーターによって転写されるフレオマイシン耐性遺伝子 を含んでいるpLO3△RI由来の2.3kbのHind IIIフラグメントを、Hin d IIIで消化したpPLF−25にライゲートし、CIPで脱リン酸化した。1 6個の内9個のクローンは、両方向にHind IIIフラグメントを有していた。こ のプラスミドを“pPLF−26”と命名した。これはhLF遺伝子と同じ方向 に転写されるフレオマイシン耐性遺伝子を有している。 第11図は、クローニングのためのユニークNotIとEcoRI部位を含んでい るユニバーサルシャトルベクターpPLF−26を詳細に記載したものである。 グルコアミラーゼ(GA)プロモーター領域に先在するEcoRI部位をフィルイ ンによって除去した。ベクターは、GA非翻訳領域、Kex−2開裂部位、及び A.awamoriにおける選択のためのフレオマイシン耐性も含んでいる。既知の制限 部位のすべてをこの図に示したことに注意。 第12図は、ユニークNotI及びEcoRI部位の存在とプラスミドの方向性を 確認するための、種々の制限酵素によるpPLF−26及びpPLF−19の消 化から得られた結果を示すものである。pPLF−26又はpPLF−19DN Aのいずれか一方1μgを、記載した制限酵素により、20μLの体積中で37℃ にて1時間消化した。レーン1、1μgラムダHind III標準。レーン2、EcoR Iで消化したpPLF−26。レーン3、pPLF−19/EcoRI。レーン4 、pPLF−26/EcoRI及びNotI。レーン5、pPLF−19/EcoRI 及びNotI。レーン6、pPLF−26/BamHI。レーン7、pPLF−19 / BamHI。レーン8、pPLF−26/Hind III。レーン9、pPLF−19 /Hind III。レーン10、pPLF−26/SphI。レーン11、pPLF −19/SphI。レーン12、pPLF−26/Xba(注:不完全な消化) 。レーン13、pPLF−19/Xba。 このユニバーサルベクターは、様々な異なる所望のタンパク質を発現するよう に容易に適合させることができる。例えば、公表されたhLF'sの配列をこの ベクター内に挿入して発現させ、ここから単離することができる。 実施例6 Asepergillus awamori におけるウシ及びブタラクトフェリンの発現 実施例5で構築されたユニバーサルA.awamori発現ベクターは、目的のいずれ のcDNAをインフレームでサブクローニングするために使用し得る。このベク ター、pPLF−26は、A.awamoriにおけるヒトラクトフェリンの発現に利用 されるpPLF−19と類似している。5'及び3'オリゴヌクレオチドプライマ ーは、NotIとEcoRI末端それぞれを含むように設計することができ、成熟ブ タ及びウシラクトフェリンの既知のDNA配列のポリメラーゼ連鎖反応(PCR )増幅を用いて、成熟ブタ及びウシラクトフェリンをコードする完全長のcDN A配列を得るために使用することができる。PCRフラグメントはNotIで消化 でき、Mung Bean ヌクレアーゼ(Stratagene)を用いて修復でき、そしてEcoR Iで全て消化できる。これによって、NotIにインフレームサブクローニングで き、修復でき、EcoRIはpPLF−26を消化する。次いで、ヒトラクトフェ リンについて前記したように、このプラスミドでA.awamoriを形質転換し、これ らのcDNAから発現させて分泌させることができる。 実施例7 種々のアスペルギルス菌株におけるヒトラクトフェリンの発現:比較実験 この実施例では、種々のベクターから構築した種々のアスペルギルス、特にア スペルギルス・オリゼおよびアスペルギルス・ニデュランスにおけるhLFの発 現濃度の差異を比較した。これらのデータを前述のアスペルギルス・アワモリで 得られたhLFの発現データと比較した。 A.アスペルギルス・オリゼにおけるヒトラクトフェリンの発現 ヒトラクトフェリンをコードする完全cDNA配列を含み、アスペルギルス・ オリゼにおける該ラクトフェリンの発現に用いられるように発現プラスミド、p AhLFGを設計した。pAhLFGの設計、構築および図示的表現は、同時係 属特許出願である1994年5月27日出願のU.S.08/873,304(現 在放棄されている1992年4月24日出願のU.S.07/873,304の 一部継続出願である)に記載した。同時係属特許出願である1994年5月27 日出願のU.S.08/873,304は本発明の引用文献である。 発現プラスミドpAhLFGは、α−アミラーゼプロモーター、分泌シグナル 配列および成熟α−アミラーゼの第1コドンをコードするアスペルギルス・オリ ゼのAMYII遺伝子の681bpの5'フランキング配列を含む。成熟ヒトラ クトフェリンをコードするcDNAを、これらの配列から下流のフレームにおい てサブクローニングし、増殖培地にデンプンを添加することによって組換えタン パク質を産生させる。アスペルギルス・ニガーのグルコアミラーゼの3'非翻訳 領域は、転写ターミネーターおよびポリアデニル化シグナルを提供する。該プラ スミドは、ニューロスポラ・クラッサのpyr4の選択可能マーカーおよびアン ピシリン耐性遺伝子も含んでいる。 形質転換したアスペルギルス・オリゼ菌株においてサザンブロット分析を行い 、そのデータは同時係属特許出願である1994年5月27日出願のU.S.08 /873,304(現在放棄されている1992年4月24日出願のU.S.0 7/873,304の一部継続出願である)に記載した。簡単に述べると、別の 形質転換体由来のゲノムDNAおよびコントロールAO7を、放射標識したhL FのcDNAプローブ(2.1kb)とハイブリダイズした。結果から、全形質 転換体(#1〜9)中に存在するが、コントロールである非形質転換体AO7に は存在しない発現プラスミドのEcoRI消化によってできた放射標識されたフ ラグメント(2.8kb)の形成がわかった。 発現プラスミドの調節コントロール要素の下でラクトフェリンmRNAがアス ペルギルス・オリゼに正確かつ効率的に転写されるかどうかを決定するためにノ ーザンブロット分析を行った。そのデータは同時係属特許出願である1994年 5月27日出願のU.S.08/873,304(現在放棄されている1992年 4月24日出願のU.S.07/873,304の一部継続出願である)に記載 した。簡単に述べると、その結果から、ヒトラクトフェリンのmRNAが、32P 標識ヒトLFのcDNA(2.0kb)プローブを用いて検出されることがわか った。ヒトLFの放射標識したcDNAプローブを用いたハイブリダイゼーショ ンによって、形質転換体ではラクトフェリンmRNA(2.3kb)に対して正 確なサイズで特異的放射標識バンドが検出されたが、コントロールである非形質 転換菌株では検出されなかった。ドットアッセイによってmRNA濃度を定量し たところ、コントロールAO7と被検形質転換体(#1)との間で、外来性α− アミラーゼのmRNAの発現が、比較できる濃度であることがわかった。 アスペルギルス・オリゼで発現し、分泌された組換えLFの濃度を測定するた めに、3%デンプンの存在下で、30℃にて72時間、形質転換体(#1)を増 殖させた。増殖培地を収穫し、菌糸体をpH10で洗浄し、細胞壁にゆるく結合 したタンパク質をすべてはずした[ヒュージ−ジェンセンらのLipids,24: 781〜785(1989年)]。結果を図16に示す。ヒトラクトフェリンに対 する特異的IgGを用いるウエスタンブロット分析を行ったところ、形質転換体 では、ラクトフェリンの大きさに対応する78kDのタンパク質が検出されたが 、コントロールAO7では検出されなかった(図16Aのレーン2および3)。 図16A:レーン1は乳汁hLFスタンダードである;レーン2および3は誘 導コントロールAO7および形質転換体#1フラクション由来の増殖培地(40 ngタンパク質)のサンプルである;レーン4〜6は増殖培地から得た組換えh LFのCM−セファデックス精製において採取された溶出フラクション(それぞ れ#35,40および45)の25μlのアリコートである。 2回行った銀染色SDS−PAGEゲル分析からも、形質転換体中には78k Dタンパク質が存在するが、コントロールAO7には存在しないことがわかった (図16Bのレーン2および3)。hLFに対して特異的ビオチン化したIgG を用いるELISA分析[ヴィルジャらのJ.Immunol.Methods,76:73〜8 3(1985年)]には、組換えhLFが濃度5〜25mg/リットルで分泌され 、誘発培養由来の総増殖培地タンパク質の約5%の量で存在することが示されて いる。組み込まれたコピー数と組換えタンパク質の分泌濃度との間には、相関関 係はなかった。ベクターの設計と産生濃度については後記の表を参照せよ。 CM−セファデックス C5026[ストウェルらのBiochem.J.,276:3 49〜355(1991年)]を用いるイオン交換クロマトグラフィーによって 、形質転換体#1の増殖培地から、組換えラクトフェリンを精製した。直線塩勾 配を用いてカラムからヒトラクトフェリンを溶離した。hLFに対する特異的I gGを用いるウエスタンイムノブロット分析を行い、フラクション35〜45に おいてhLFのサイズに対応する免疫反応性バンドを検出した(図16Aのレー ン4〜6)。銀染色SDS−PAGE分析でサンプルを2回分析したところ、こ の免疫反応性hLFが、これらのフラクションにおける主タンパク質バンドに対 応することがわかった(図16Bのレーン4〜6)。これらの結果から、組換え hLFが、このシングルイオン交換ステップで約95%の純度に精製されること が示される。図16B:銀染色SDS−ポリアクリルアミドゲル分析で、図16 Aに示されるサンプルを2回分析したものである。 hLFが正確にそのN末端で切断されたかどうかを審査するために、自動エド マン分解操作によって、組換えタンパク質のN末端から10残基のシーケンシン グを行った。シグナルペプチドの成熟α−アミラーゼへの結合を正確にまねるた めにプラスミド構築物に導入されたアラニン残基がN末端に追加されている(図 16C)以外は、この物質の大部分が、天然のヒト乳LFにおける対応するアミ ノ酸と一致した[メッツ−ブティーグらのEur.J.Biochem.,145:659〜 676(1984年)]。N末端のAla−Gly−Argトリペプチドまたは Ala−Gly−Arg−Argテトラペプチドが失われているものが少しあっ た。先に行われた天然のhLFの分析から、この切断パターンが、hLFタンパ ク質それ自体に本質的なものであるという可能性[ハッチンズらのProc.Natl. Acad.Sci.U.S.A.,88:2994〜2998(1991年)]またはアスペル ギルス・オリゼのシグナルペプチダーゼのN末端切断能力の不均質性によるもの である可能性[クリステンセンらのBio/Technology,6:1419〜1422( 1988年);ヒュージ−ジェンセンらのLipids,24:781〜785(1 989年)]が示唆される。 A.アスペルギルス・ニデュランスにおけるヒトラクトフェリンの発現 アスペルギルス・ニデュランスにおけるhLFのcDNAの発現のためのプラ スミドを構築した。このベクターの設計および構築についての詳細は、前述の同 時係属特許出願である1993年10月28日出願のU.S.08/145,68 1に記載した。 簡単に述べると、アスペルギルス・ニデュランスのための発現プラスミド、p AL3hLFTには、制御された遺伝子発現に必要な全調節要素を含むアスペル ギルス・ニデュランスのalcA遺伝子の300bpの5'フランキング配列を 含む。このベクターは、アスペルギルス・ニデュランス由来のアルコールデヒド ロゲナーゼプロモーター、天然のhLFのシグナル配列、hLFをコードするc DNA、アスペルギルス・ニデュランス由来のBen A 37非翻訳配列および ニューロスポラ・クラッサのpyr4選択可能マーカーを含む。 形質転換したアスペルギルス・ニデュランス菌株においてサザンブロット分析 を行い、そのデータは同時係属特許出願である1993年10月28日出願のU .S.08/145,681に記載した。簡単に述べると、形質転換体がhLFの cDNAを組み込まれたプラスミドを含むことを確認するためにサザンブロット 分析を行った。レーン1〜10において、hLF特異的放射標識バンドが、予想 されるサイズ(2.3kb)で検出されたがコントロール胞子由来のDNAでは 検出されなかった。これらの結果から、hLFのcDNAが全被検アスペルギル ス・ニデュランス形質転換体のゲノムに組み込まれ、その数がランダムに1細胞 あたり1コピーから20コピーの値で変化することがわかった。アスペルギルス ・ニデュランスへのプラスミドの組込み部位は、ベクターを特定の部位へ標的化 するための相同配列がないゆえにランダムである。 アスペルギルス・ニデュランスにおけるhLFの産生の詳細は、同時係属特許 出願てある1993年10月28日出願のU.S.08/145,681に記載し た。簡単に述べると、炭素源として酢酸ナトリウムを含む最小培地中、1.2% エタノールの存在あるいは不在下にて、分生子(1×106/ml)を培養し、 hLFのcDNAの転写を誘発した。培地および菌糸を収穫し、Miracloth(カ ルボバイオケム、サンディエゴ、CA)を用いて分離した。菌糸(200mg)を凍 結し、一夜吸引乾燥した。フッ化フェニルメチルスルホニルの存在下、リン酸塩 緩衝食塩水を用いてガラス・テフロン・ホモジェナイザー中でホモジェナイズし て全細胞抽出物を調製した。ホモジェネートを遠心分離し、可溶分画を含む上清 を回収した。増殖培地を濃縮し、凍結乾燥し、PBSに再懸濁した。説明書に従 ってブラッドフォード試薬(バイオ−ラド、リッチモンド、CA)を用い、タン パク質濃度を測定した。タンパク質40μgおよび可溶抽出物(タンパク質50 μg)を含む濃縮培地サンプルをSDS−PAGEに付した。精製ラクトフェリ ンをスタンダードとして(hLFスタンダード)用いた。ウエスタンブロット法 により電気泳動でタンパク質を分離し、ニトロセルロース膜に転写した。2%乾 燥乳を含むトリス緩衝食塩水に膜を浸し、次いで、hLFに対する特異的ポリク ローナルIgG(シグマ、セントルイス、MO)1μg/mlを添加した同緩衝 液中でインキュベートした。TBS/0.05%NonidetP−40で膜を洗浄し 、次いで、[125I]タンパク質Aとともにインキュベートした。次いで、膜を 洗浄し、乾燥し、コダックXAR5フィルムを−70℃で一夜感光させた。次い で、フィルムをオートラジオグラフィー装置にかけた。オートラジオグラフ写真 は、hLFの産生を示している。 alcAプロモーターの制御下においてアスペルギルス・ニデュラス形質転換 体にhLFのcDNAが発現するかどうかを検定するために、ウエスタンブロッ ト分析を行った。組み込まれたhLFのcDNAの最高数のコピーを含む、ひと つの形質転換体(No.5)由来の分生子(1×106/ml)を培養した。培養 物を収穫し、洗浄し、エタノールを加えた最小培地に再度植え込み、培養物を収 穫する前に、さらに12あるいは24時間増殖させた。細胞抽出物および増殖培 地のサンプルをSDS−PAGEによって分割し、ニトロセルロース膜に転写し 、hLFに対する特異的ポリクローナルIgGを用いて免疫ブロットを行った。 天 然のhLFとは分離不可能の免疫反応性バンドが、エタノール導入後12および 24時間増殖させた後の形質転換体No.5由来の細胞および増殖培地に現れた 。これらの結果は、alcAプロモーターの制御下において、形質転換されたア スペルギルス・ニデュラスにhLFが発現することを示す。 残りの形質転換体すべての細胞内にhLFが発現することがウエスタンブロッ ト分析によりわかった(データ示さず)。一般に、プラスミドのコピー数および 得られる発現濃度の間には、相関関係がある。該培地では、hLFは、組み込ま れた発現プラスミドのコピー数が多い形質変換体のみに検出された(No.1、 5、7および10)。 形質転換体No.5の試験的発酵を行って、産生されたhLFのおよその量を測 定した。hLFに対する特異的ビオチン化IgGを用いるELISAから、産生 された組換えhLFの総濃度が5mg/lであり、この物質の約30%(1.5 〜2.0μg/ml)が培地に分泌されることが示された。ベクターの設計およ び産生濃度については後記の表を参照せよ。 このように、この実施例は、発現ベクターであるプラスミド構築物の設計を修 飾することおよび使用する宿主細胞を変更することによって、出願人がヒトラク トフェリンの発現を改良し、強化したことを説明するものである。後記の表に記 載されているように、数種の異なるベクター構築物を用い、少なくとも4種の異 なるアスペルギルス菌株においてヒトラクトフェリンを産生した。産生されたヒ トラクトフェリンの量は、1リットル当たりのhLFのミリグラム数で示す。 便宜上、各ベクター成分は、そのベクター構築物内で方向的に左から右へ位置 する順序で記載する。発現プラスミドベクターに含まれる成分として、プロモー ターおよびその由来;シグナル配列およびその由来、リンカー配列、ヒトラクト フェリンをコードするDNA、転写終結配列および選択可能マーカーが挙げられ る。 実施例8 対立変異体を含む公表されたDNA配列を用いるラクトフェリンの産生 これまでに引用した公表文献および特許出願において同定されているラクトフ ェリン類をコードする幾つかの公知のDNA配列のいずれかひとつを使用するこ ともできる。さらに、ラクトフェリンの特徴を保持しているラクトフェリンのポ リペプチドフラグメントをコードするDNA配列を使用することもできる。当業 者であれば、ヒト、ブタあるいはウシラクトフェリンの種々の公知あるいは公知 のものから明らかな対立変異体を用いてラクトフェリンを産生することが、本発 明の範囲に含まれることを理解しうるであろう。幾つかの対立変異体が、文献に 報告されており、それらは、本発明の製造方法によって産生しうるラクトフェリ ン類の菌型に含まれることを意図されるものである。 実施例9 発酵実験プロトコル 種々の増殖および産生条件を用いて、アスペルギルス・アワモリにおいて組換 えヒトラクトフェリンを発現することができる。以下の記載内容は、アスペルギ ルス・アワモリにおけるhLFの発現に使用しうる種々の条件を説明する目的の ために提出されるものであり、本発明にいかなる形体の制限をも加えるものでは ない。以下の記載は、発酵産生プロセスおよび産生したラクトフェリンの回収に 用いたプロセスの一般的な概略である。当業者であれば、所望のラクトフェリン あるいはラクトフェリンポリペプチドの産生を強化するために、該実験プロトコ ルに多少の変更あるいは修飾を加えてもよいことを理解しうるであろう。 以下に、発酵法によるラクトフェリンの製造の簡単な概略を示す。 I.発酵工程 A.培地成分 1)播種培地(Seed Medium) Roquette Corn Steep Powder 100g/L グルコース 10g/L MgSO4−7H2O 1g/L NaH2PO4−2H2O 1g/L オートクレーブ処理前にpHを5.8に調節し、15分間オートクレーブ処理 する。 2)生産培地(Production medium)濃縮物は接種後(post-innoculation)) Amaizo Lodex-5 部分的に加水分解 されたコーンスターチ 175g/L Roquette Corn Steep Powder (SolulyR A ST) 60g/L クエン酸三ナトリウム 80g/L MgSO4−7H2O 2g/L NaH2PO4−2H2O 1.3g/L 硫酸アンモニウム 15g/L Antifoam 204 2ml/L オートクレーブ処理前にpHを6.2に調節し、15分間オートクレーブ処理 する。 本発明者らは、部分的に加水分解された澱粉(スターチ)を発酵工程に用いる ことにより、ラクトフェリンの生産を高めることができることを見いだした。し かしながら、未修飾コーンスターチとデキストロースの組合せでラクトフェリン の適度の生産が得られた。日常的な実験によって、ラクトフェリンの生産を適切 にするために、より少量の澱粉の使用、またはより高価な澱粉に置き換えること もできる。 B.発酵工程 今日までのところ、発酵はバッチ法で行われている。約5−6日で生成物濃度 は最高となる。 1)Seed Stage 1: a)2Lエーレンマイヤーフラスコ中、播種培地450ml。 b)播種培地1mlあたり1×106個の胞子を播種。 c)33℃、相対湿度70%において240rpm(50mm スローシェーカー)で 24時間]インキュベート。 2)Seed Stage 2: a)2つの12cmの6枚刃のrushton羽根車(impeller)を備えたNBS Micr os30 ファーメンター中、播種培地20L。 b)30分間の滅菌。 Stage1の種(2%)を播種 かきまぜ 500rpm。 通気(流速) 0.75VVM 圧力 300mbar pH 非調節 DO 非制御 3)生産 パイロット容器は、アスペクト(aspect)比3:1のB.Braun Biotech UD100で ある。2つの16cmの6枚刃のRushton羽根車(impeller)をかきまぜに用いた。 発酵はpost-innoculation 80Lで行った。 かきまぜ 450rpm。入力は調べていない。 温度 33℃。 通気(流速) 0.75VVM 変動の可能性は、調べていない。 圧力 300mbar pH 非調節 DO 非制御 変動の可能性は、調べていない。 消泡剤(Antifoam) 不要 容器条件は上記の通りである。容器に培地成分80Lを入れ、脱イオン水で容 量を72Lにする。それを30分間滅菌する。Stage2の種80L(10%CV )を36−48時間の増殖により転移させる。最適な播種工程は現在開発中であ る。 ラクトフェリン生産は24時間までに見られ、生成物の蓄積は5−6日で最大 になる。 II.ダウンストリームプロセッシング(Downstream processing) A.ろ過 発酵により非-ペレット状の外観を示す30−40%充填細胞が得られる。ブ ロスを清澄にするためにろ過を用いる場合には、フィルター補助材が必要である 。プロセス量の低さから、3,000cm2支持体(support)以上の直真空ろ過を用 いるとよい。基材としてポリプロピレンフィルターマットが用いられる。 最初の試験ではフィルター補助材としてけい藻土を用いた。しかしながら、直 −焼成、またはフラックス−焼成けい藻土は、ラクトフェリンに結合するので、 フィルター補助材として用いることができない。酸−洗浄けい藻土のみがラクト フェリンと結合しないであろう。酸−洗浄けい藻土(DE)は非処理製品の価格 の40−50倍で購入することができる。他の選択肢は製造者側でDEを酸処理 することである。予備的な試験では、それを3N HClでスラリーとし、45分 間混合し、洗浄水のpHが4.0になるまで、脱イオン水で洗浄した。このよう にして処理された物質には、ラクトフェリンは結合しなかった。処理DEを全ブ ロスと一緒に1:5w/v比で用いた。ブロスと混合する前にDEを脱イオン水で スラリー処理した。比率が1:10ではろ過できないことが分かった。 別の製品はセルロースファイバーである。本発明者らは、Solkafloc 10IND(P rotein Technologies International Urbana,IL; 1-800-258-0351)が、ラクト フェリンと結合せずに良く機能することを見いだした。本発明者らは、Solkaflo cをろ過の補助材としてのフィルターに用いる。発酵ブロス100Lにつき、脱 イオン水100LにSolkafloc20kgをスラリー化する。ブロスをスラリーに 混合する。次いで、混合物は容易にろ過される。この段階で清澄に達しているの で、さらにろ過することなく、以後のダウンストリームプロセッシング(限外ろ 過及びカラムクロマトグラフィー)を進めることができる。一回のバッチろ過に おけるSolkaflocの、ブロスおよび脱イオン水に対する割合は至適化されつつあ る。ラクトフェリンの回収はろ過ケーキを洗浄すれば、ほぼ定量的である。連続 ろ過工程装置を用いることにより、Solkaflocをろ過補助材として用いる方法は 変化する。 流動学及びろ過特性が改善されている既存の種(strains)又は開発された種を 用いても良い。例えば、撹拌されているタンク発酵内でペレット化する変種(mut ants)は、プロセッシングの間にろ過ケーキをより分厚くし、フィルタープレコ ートとして以外には、フィルター補助材を必要としないであろう。 B.限界ろ過 清澄化したブロスを限界ろ過で濃縮する。30,000MWメンブランを持つ 、2つのAmicon S10Y30(それぞれ、0.93 m2)スパイラルカートリッジをAmicon DC−30システムと一緒に用いる。このメンブランは、低−タンパク質結合性 セルロースに基づく物質である。還流(フラックス)速度は、プロセッシングの 段階に応じて1−1.8rpmである。最少の操作工程の容量に達すれば、濃縮液を 5倍量の、0.1M NaCl、1mM EDTA及び25mM Tris pH 7.5を含有する緩衝液で連続的に透析する。次いで、緩衝液を4℃に冷却し、 透析液を可能な限り少量まで濃縮し、回収する。この工程での収率はほぼ100 %であった。 最終の限外ろ過(UF)濃縮物の全タンパク質は5−8mg/mlであり、ラクト フェリンは全タンパク質中10%である。回収率は、新しい種が開発されれば、 最適なものとなるであろう。発酵バッチ80Lに対し、このシステムでは、濃縮 及び透析に約2時間かかる。 C.クロマトグラフィー分離 Pharmacia CM Sepharose Fast Flow ゲルを用いる。この樹脂の清澄ブロス中 のラクトフェリンへの結合能力は約20mg/mlである。 カラムにUF濃縮物を適用する。負荷したカラムをまず、0.2M NaCl 25mM TRISpH7.5で洗浄する。カラムに過剰に負荷しなければ、ラ クトフェリンの放出はないであろう。0.5M NaCl/25mM TRIS p H7.5でラクトフェリンを溶離する。ラクトフェリンを含有する溶出フラクシ ョンの容量は、通常、樹脂ベッドの2倍である。 D.アポラクトフェリンへの変換 ラクトフェリンを含有する0.5M NaClフラクションを合する。1Mクエ ン酸アンモニウムを加えて最終濃度を0.1Mクエン酸アンモニウムとする。1 0N HClでpHをゆっくり2.0に調節する。溶液を、30,000MWメン ブランを用いて適当な大きさの限外ろ過ユニットに移すが、そこで溶液は適当な 容量に濃縮され、次いで、0.5M NaCl/0.1Mクエン酸アンモニウム、p H2.0で連続的に透析する。鉄の放出および透析が完了した後、pHを中性に 調節して次工程での沈殿を防止する。もしも残留鉄が存在すれば、中性pHでラ クトフェリンに再結合する。透析緩衝液を50mM 重炭酸アンモニウム(pH 7.8)に代え、溶液を5倍量の緩衝液で連続的に透析する。次いで、溶液を最 少量まで濃縮し、回収し、凍結乾燥する。 工程の最適化は現在進行中である。用いる種に応じて、ケース・バイ・ケース で具体的な因子を考察している。そのような因子には、(1)pH制限、(2) 鉄を除去するための装置の予備処理、及び(3)痕跡量の鉄を除去するためのCh elex樹脂による緩衝液の予備処理がある。ラクトフェリンの沈殿および残存鉄の 再結合を避けるために、0.2M NaCl 50mM 重炭酸アンモニウムのよう な中間体緩衝液を検討することも必要かもしれない。 実施例10 アスペルギルス・オリザエ又はアスペルギルス・ニガー細胞 内での、融合タンパク質としてのラクトフェリン又は ラクトフェリンポリペプチドフラグメントの製造 A.ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントのアスペルギ ルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)内での発現 アスペルギルス・オリザエ内で、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプ チドフラグメントを融合タンパク生成物として発現させるために、前記と同様の 発現ベクターを構築することができる。A.オリザエ発現ベクターは、5'から 3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)Aspergillus oryzaeα−アミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (f)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子; を含んでおり、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントを 融合タンパク質として生産させ、該タンパク質をプロセッシングされたタンパク 質として発現させることができる。 次いで、このベクターを用いてA.oryzaeを形質転換する。この新規なプラス ミドベクター構築物の生成物は、上記のステップ(e)におけるヌクレオチド配 列に対応するラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントと融 合した、高度に発現されたA.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子の半分を含む融合タ ンパク質である。次いで、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラ グメント融合生成物は、Kex2ペプチダーゼ部位に特異的な内因性A.oryzae タンパク質分解酵素によりプロセッシングされる。 B.ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントのアスペルギ ルス・ニガー(Aspergillus niger)内での発現 アスペルギルス・ニガー内で、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチ ドフラグメントを融合タンパク生成物として発現させるために、前記と同様の発 現ベクターを構築することができる。A.ニガー発現ベクターは、5'から3'方 向に機能的に結合した以下の成分: (a)Aspergillus nigerグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それ配 列に対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (f)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子; を含んでおり、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントを 融合タンパク質として生産させ、該タンパク質をプロセッシングされたタンパク 質として発現させることができる。 次いで、このベクターを用いてA.niger細胞を形質転換する。この新規なプ ラスミドベクター構築物の生成物は、上記のステップ(e)におけるヌクレオチ ド配列に対応するラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメント と融合した、高度に発現されたA.nigerグルコアミラーゼ遺伝子の半分を含む 融合タンパク質である。次いで、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチ ドフラグメント融合生成物は、Kex2ペプチダーゼ部位に特異的な内因性A. nigerタンパク質分解酵素によりプロセッシングされる。 結論として、本発明及び本明細書に開示した実施態様は、本願に記載した目的 を実行し、最終目的を達成するのに、十分に適合できることが分かる。本発明の 思想及び範囲から外れることなく、方法及び装置にある種の変化をもたらすこと ができる。変化は可能であり、さらに本願の任意のクレームで統轄されている各 要素又はステップは、実質上同一又は同等の手段で、基本的に同一の結果を導く ようなあらゆる同等の要素又はステップを意図しているということが分かる。本 発明は、その基本原理がいかなる形で利用されていても、それらを包含すること を意図している。従って、本発明は、目的を実行し、最終目的物と言及した利益 およびそれに固有のものを得る上で十分に適合する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:69) (C12N 1/15 C12R 1:665) (C12P 21/02 C12R 1:69) (C12P 21/02 C12R 1:665) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP ,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT, LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,P L,RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TT ,UA,UZ,VN (72)発明者 オマリー,バート・ダブリュー アメリカ合衆国77079テキサス州ヒュース トン、ランブルウッド639番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)プロモーター; (b)シグナル配列; (c)その生成物がAspergillus の細胞から分泌される高度に発現された内因 性遺伝子の5'部分; (d)リンカー配列であって、それに対する特異的な内因性タンパク質分解酵 素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; を含む新規な組換え発現プラスミドベクターであって、ラクトフェリン又はラク トフェリンポリペプチドフラグメントを融合タンパク質として生産させ、該タン パク質をプロセッシングされたタンパク質として発現させることができるベクタ ー。 2.該プロモーターがアルコールデヒドロゲナーゼ、α−アミラーゼ、グルコア ミラーゼ、及びbenAからなる群の遺伝子から選択されるものである請求項1記 載のベクター。 3.該プロモーターがグルコアミラーゼ遺伝子由来のものである請求項2記載の ベクター。 4.グルコアミラーゼ遺伝子がA.awamori又は A.nigerに由来するものであ る請求項3記載のベクター。 5.該プロモーターがα−アミラーゼ遺伝子由来のものである請求項2記載のベ クター。 6.α−アミラーゼ遺伝子がA.oryzae由来のものである請求項5記載のベクタ ー。 7.該シグナル配列が、グルコアミラーゼ及びα−アミラーゼからなる群の遺伝 子から選択されるものである請求項1記載のベクター。 8.該シグナル配列が、A.awamori又は A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に 由来するものである請求項7記載のベクター。 9.該シグナル配列が、A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子に由来するものである 請求項7記載のベクター。 10.該高度に発現された内因性遺伝子が、α−アミラーゼ遺伝子及びグルコア ミラーゼ遺伝子からなる群から選択されるものである請求項1記載のベクター。 11.該高度に発現された内因性遺伝子が、A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子で ある請求項10記載のベクター。 12.該高度に発現された内因性遺伝子が、A.awamori又は A.nigerグルコ アミラーゼ遺伝子である請求項10記載のベクター。 13.該リンカー配列が、ペプチダーゼ開裂部位である請求項1記載のベクター 。 14.該リンカー配列が、Kex2 ペプチダーゼ開裂部位をコードしている請求項 13記載のベクター。 15.さらに、転写終止配列及び選択可能マーカーをも含んでいる請求項1記載 のベクター。 16.該転写終止配列がα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、アルコールデヒド ロゲナーゼ、及びbenAからなる群の遺伝子から選択されるものである請求項1 5記載のベクター。 17.該転写終止配列が、A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来するもので ある請求項16記載のベクター。 18.該選択可能マーカー遺伝子が、pyr4、pyrG、amdS、argB、trpC、およびフ レオマイシン耐性からなる群の遺伝子から選択されるものである請求項15記載 のベクター。 19.該選択可能マーカーが、フレオマイシン耐性遺伝子に由来するものである 請求項18記載のベクター。 20.該ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントが、ヒト 、ウシ又はブタから導かれたものである請求項1記載のベクター。 21.請求項1記載のベクターを用いてAspergillus 属の菌を形質転換して生産 されるラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメント。 22.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子; を含む新規な組換え発現プラスミドベクターであって、ラクトフェリン又はラク トフェリンポリペプチドフラグメントを融合タンパク質として生産させ、該タン パク質をプロセッシングされたタンパク質として発現させることができるベクタ ー。 23.請求項22記載のベクターを用いてAspergillus awamoriの菌を形質転換 したとき生産され、プロセッシングされるラクトフェリン又はラクトフェリンポ リペプチドフラグメント。 24.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子; を含む新規な組換え発現プラスミドベクターであって、該ベクターによりA.ni ger細胞を形質転換した後、ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフ ラグメントを融合タンパク質として生産させ、該タンパク質をプロセッシングさ れたタンパク質として発現させることができるベクター。 25.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子; を含む新規な組換え発現プラスミドベクターであって、ラクトフェリン又はラク トフェリンポリペプチドフラグメントを融合タンパク質として生産させ、該タン パク質をプロセッシングされたタンパク質として発現させることができるベクタ ー。 26.請求項25記載のベクターを用いてA.oryzaeの菌を形質転換して生産さ れ、プロセッシングされたラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラ グメント。 27.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)プロモーター; (b)シグナル配列; (c)その生成物がAspergillus の細胞から分泌される高度に発現された内因 性遺伝子の5'部分; (d)リンカー配列であって、それに対する特異的な内因性タンパク質分解酵 素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; を含む組換えプラスミドを含有するAspergillus属の菌を培養することを含むラ クトフェリンの製造方法であって、ここに、該形質転換されたAspergillus属の 菌は適当な栄養培地でラクトフェリンタンパク質又はラクトフェリンポリペプチ ドフラグメントが融合生成物として生産され、次いで該リンカー配列に特異的な 内因性タンパク質分解酵素でプロセッシングされるまで培養され、そして該プロ セッシングされたラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメント は栄養培地に分泌され、それから単離されるものであるラクトフェリンの製造方 法。 28.該プラスミドが、さらに、転写終止配列及び選択可能マーカー遺伝子をも 含んでいる請求項27記載の方法。 29.該プロモーターがアルコールデヒドロゲナーゼ、α−アミラーゼ、グルコ アミラーゼ、及びbenAからなる群の遺伝子から選択されるものである請求項2 7記載の方法。 30.該プロモーターがグルコアミラーゼ遺伝子由来のものである請求項29記 載の方法。 31.グルコアミラーゼ遺伝子がA.awamori又は A.nigerに由来するもので ある請求項30記載の方法。 32.該プロモーターがα−アミラーゼ遺伝子由来のものである請求項29記載 の方法。 33.α−アミラーゼ遺伝子がA.oryzae由来のものである請求項32記載の方 法。 34.該シグナル配列が、グルコアミラーゼ及びα−アミラーゼからなる群の遺 伝子から選択されるものである請求項27記載の方法。 35.該シグナル配列が、A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子に由来するもの である請求項34記載の方法。 36.該シグナル配列が、A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子に由来するものであ る請求項34記載の方法。 37.該高度に発現された内因性遺伝子が、α−アミラーゼ遺伝子及びグルコア ミラーゼ遺伝子からなる群から選択されるものである請求項27記載の方法。 38.該高度に発現された内因性遺伝子が、A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子で ある請求項37の方法。 39.該高度に発現された内因性遺伝子が、A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝 子である請求項37記載の方法。 40.該リンカー配列が、ペプチダーゼ開裂部位である請求項27記載の方法。 41.該リンカー配列が、Kex2 ペプチダーゼ開裂部位をコードしている請求項 40記載の方法。 42.該転写終止配列がα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、アルコールデヒド ロゲナーゼ、及びbenAからなる群の遺伝子から選択されるものである請求項2 8記載の方法。 43.該転写終止配列が、A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来するもので ある請求項42記載の方法。 44.該選択可能マーカー遺伝子が、pyr4、pyrG、amdS、argB、trpC、およびフ レオマイシン耐性からなる群の遺伝子から選択されるものである請求項28記載 の方法。 45.該選択可能マーカーが、フレオマイシン耐性遺伝子に由来するものである 請求項44記載の方法。 46.請求項27記載の方法で製造されたラクトフェリンタンパク質又はラクト フェリンポリペプチドフラグメント。 47.ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントが、ヒト、 ブタ又はウシラクトフェリンである、請求項46記載のラクトフェリンタンパク 質。 48.該ラクトフェリンタンパク質が、脱グリコシル化されている請求項47記 載のラクトフェリンタンパク質。 49.該ヒトラクトフェリン生成物が、脱グリコシル化されている請求項47記 載のラクトフェリンタンパク質。 50.該Aspergillusの菌がラクトフェリンを発現する、請求項27記載の方法 。 51.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それ配 列に対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ヒトラクトフェリン又はヒトラクトフェリンポリペプチドフラグメント をコードするヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子; を含み、Aspergillusの菌内でのヒトラクトフェリン又はヒトラクトフェリンポ リペプチドフラグメントの発現に用いられる発現プラスミドベクター。 52.ATCCの受託番号が74290であり、Awa LF 24-1と呼称される請求 項51記載のプラスミド。 53.請求項51記載のプラスミドを含有するAspergillus awamori。 54.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ヒトラクトフェリン又はヒトラクトフェリンポリペプチドフラグメント をコードするヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子 を含む組換えプラスミドを含有する、形質転換されたAspergillus awamoriの菌 を培養することを含むラクトフェリンの製造方法であって、ここに、該形質転換 されたAspergillus awamoriの菌は適当な栄養培地でラクトフェリンタンパク質 又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントが融合生成物として生産され、次 いで該リンカー配列に特異的な内因性タンパク質分解酵素でプロセッシングされ るまで培養され、そして該プロセッシングされたラクトフェリン又はラクトフェ リンポリペプチドフラグメントが栄養培地に分泌され、それから単離されるもの であるラクトフェリンの製造方法。 55.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.oryzaeα−アミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子 を含む組換えプラスミドを含有する、形質転換されたAspergillus oryzaeの菌を 培養することを含むラクトフェリンの製造方法であって、ここに、該形質転換さ れたAspergillus oryzaeの菌は適当な栄養培地でラクトフェリンタンパク質又は ラクトフェリンポリペプチドフラグメントが融合生成物として生産され、次いで 該リンカー配列に特異的な内因性タンパク質分解酵素でプロセッシングされるま で培養され、そして該プロセッシングされたラクトフェリン又はラクトフェリン ポリペプチドフラグメントは栄養培地に分泌され、それから単離されるものであ るラクトフェリンの製造方法。 56.組換えプラスミドを含有する形質転換されたAspergillus awamoriの菌を 培養することを含むラクトフェリン製造法によって製造されたラクトフェリンタ ンパク質又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントであり、ここに、該プラ スミドは、5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコード するヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子 を含有しており、該形質転換されたAspergillus awamoriの菌は適当な栄養培地 でラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントが融合生成物と して生産され、次いで該リンカー配列に特異的な内因性タンパク質分解酵素でプ ロセッシングされるまで培養され、そして該プロセッシングされたラクトフェリ ン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントは栄養培地に分泌され、それか ら単離される。 57.菌の栄養培地からラクトフェリンポリペプチドフラグメントを単離する方 法であって、A.awamoriグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター;A.awa moriグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列;A.awamoriグルコアミラー ゼ遺伝子の5'部分;Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であ って、それに対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在しているリンカー 配列;ラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントをコードす るヌクレオチド配列;A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配 列;及びフレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子を含む組換えプラスミドベ クターを含有する形質転換されたAspergillus awamoriの菌を培養することを含 む方法、ここに、該形質転換されたAspergillus awamoriの菌は適当な栄養培地 でラクトフェリン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントが融合生成物と して生産され、次いで該リンカー配列に特異的な内因性タンパク質分解酵素でプ ロ セッシングされるまで培養され、そして、該プロセッシングされたラクトフェリ ン又はラクトフェリンポリペプチドフラグメント栄養培地に分泌され、そこから 単離される。 58.5'から3'方向に機能的に結合した以下の成分: (a)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子由来のプロモーター; (b)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子由来のシグナル配列; (c)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子の5'部分; (d)Kex2ペプチダーゼ開裂部位をコードするリンカー配列であり、それに 対する特異的な内因性タンパク質分解酵素が存在するリンカー配列; (e)ヒトラクトフェリン又はヒトラクトフェリンポリペプチドフラグメント をコードするヌクレオチド配列; (f)A.nigerグルコアミラーゼ遺伝子に由来する転写終止配列;及び (g)フレオマイシン耐性選択可能マーカー遺伝子 を含む組換えプラスミドを含有する、形質転換されたAspergillus nigerの菌を 培養することを含むラクトフェリンの製造方法であって、ここに、該形質転換さ れたAspergillus nigerの菌の細胞は適当な栄養培地でラクトフェリンタンパク 質又はラクトフェリンポリペプチドフラグメントが融合生成物として生産され、 次いで該リンカー配列に特異的な内因性タンパク質分解酵素でプロセッシングさ れるまで培養され、そして該プロセッシングされたラクトフェリン又はラクトフ ェリンポリペプチドフラグメントは栄養培地に分泌され、それから単離されるも のであるラクトフェリンの製造方法。
JP8515400A 1994-11-02 1995-11-01 アスペルギルス中の融合体から得られるプロセッシングされた組換えラクトフェリンおよびラクトフェリンポリペプチド断片 Pending JPH10509317A (ja)

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