【発明の詳細な説明】
脂混合物の製造方法及び得られた脂混合物を含む可塑性のスプレッド
本発明は、脂混合物の製造方法と、そのような脂混合物を含む可塑性のスプレ
ッドに関する。
例えばマーガリン等の可塑性の油中水型乳化物スプレッドの製造のために、そ
の使用温度全域(通常は5℃〜約20℃)にわたって、液状及び固体の脂をバラ
ンスよい比率で含むマーガリン脂が使用されるべきである。
十分な固体含有量を有する天然脂の混合物を使用することによって、この目的
に合致させるという歴史的な試みがなされた。しかしながら、それは、塗り伸ば
し易さ、固さ及び口での感触が不満足な生成物をもたらした。別のアプローチと
して、異なる飽和度で硬化された脂の混合物の使用が研究された。しかし、栄養
学上の理由により、近年では、脂の構成トリアシルグリセリドの飽和脂肪酸量は
、可能な限り低く保たれるべきであるという要望が示されている。その上、例え
ば水素化又は硬化(仮に部分硬化が含まれると、それはトランス不飽和をもたら
し得る)によって、脂を化学的に修飾することについての、ある種の懸念を時々
表明する消費者がいる。
可塑性のスプレッド、例えば油中水型乳化物のスプレッド、の構造脂もまた、
エステル交換によって得られ、エステル交換は、その特性がかなり改良された生
成物をもたらす。しかしながら、特に酵素的エステル交換の工程が含まれている
場合には、それにはかなりのコストがかかる。
酵素的エステル交換は、かなり穏やかな条件下に行われ、且つ、自然界で広く
生じている工程に非常に近いため、今日では、化学的エステル交換よりも好まし
い。それゆえ、酵素的エステル交換は、より“自然な”方法であると看做されて
いる。しかしながら、これまでは、非常に高いコストがかかっている。本発明者
等は、今回、コストを実質的に下げる方法を見出した。あるケースにおいては、
本発明者らのコストが低減された方法に従って製造された脂混合物を用いて作ら
れた生成物は、従来の方法で得られた脂混合物を用いて作られた生成物と、感覚
的に区別することができない。しかし、一方では、本発明者らは、しばしば、感
覚的に感知され得る生成物メリットが得られることを見出した。
本発明は、脂(a)を20−90%と脂(b)を10−80%含有する混合物
を、酵素触媒を用い、交換率が5−95%となるように部分エステル交換するこ
とを含む脂混合物の製造方法であって、脂(a)は、ラウリン脂、液状油及びそ
れらの混合物からなる群から選択され、脂(b)は、その構成脂肪酸鎖中に主と
して16個以上の炭素原子を有し、且つ、飽和脂肪酸を少なくとも40%含むC16+
脂である方法を提供する。その方法の好ましい態様は、請求項2−10に記
載される。本発明は、この方法によって得ることができる脂混合物を包含する。
脂混合物の好ましい態様は、請求項12に示される。本発明は又、本発明の脂混
合物を8−100%と、液状油及び/又は他の脂を0−92%含有し、トランス
不飽和脂肪酸含有量が10%未満であるマーガリン脂も提供する。本発明は、そ
のようなマーガリン脂を含有する可塑性のスプレッドをも提供する。スプレッド
の好ましい態様は、請求項15−16に示される。
本発明者等は、脂間の酵素的エステル交換反応のメカニズムについて、鋭意検
討した。本発明者等は、エステル交換率が高い場合、すべての種類の因子が、コ
ストを上昇させるように寄与することを見出した。特に、主たるコスト因子の一
つである酵素の消耗が、劇的にコストを上昇させる。よい又は更に改良された特
性を有するスプレッドを提供できる、価値の高い脂混合物を得るためには、部分
的にエステル交換された脂の選択と、それらの混合比が重要である。本発明者等
は、他の脂が使用されたり、他の混合比が適用された場合には、従来選択されて
いるものよりも、有用性が低い脂混合物が得られることを見出した。本発明者等
が見出した、コストに影響する他の重要な側面は、本発明の方法では、脂がエス
テル交換されなかった場合に匹敵する程度よりもずっと高い程度まで、製造容量
が増加され得ることである。
例えば、本発明者等は、パーム核ステアリン35%とパーム油ステアリン65
%の混合物について、1,3位特異的リパーゼを用いた酵素的エステル交換の相
対コスト(エステル交換率の関数として)を算定した。本発明者等は、次の結果
を得た。
エステル交換率 相対的なエステル交換コスト
(%) (%)
0 0
20 5
40 11
60 20
70 26
80 35
90 50
95 65
100 100
酵素的エステル交換は、流速又は反応時間を、所望のエステル交換率が得られ
るように適合させることを除いて、従来の方法で行うことができる。酵素の選択
は、重要ではなく、トリグリセリドの脂肪酸残基のエステル交換に触媒作用を及
ぼす酵素であれば、いずれも使用可能である。1,3位特異的リパーゼが好まし
い。方法は、好ましくは、例えば固定された酵素を含む充填床反応器を用いる、
連続的な設計を使用して行う。連続法では、酵素の量に対して、反応混合物の流
速又は処理量を調整することによって、エステル交換を制御することができる。
処理量が多くなるにつれ、エステル交換率は低下し、費用も低下する。替わりに
、例えば攪拌槽中での、バッチ式反応を使用し得る。バッチ法では、反応時間を
調整することによって、エステル交換率を制御することができる。
所定の方法設計では、前もって選択されたエステル交換率を得るために必要な
流速又は反応時間は、触媒の事前使用に応じて変化する。それゆえ、反応を頻繁
にチェックすべきである。反応を、例えばヘキサン等の溶剤の存在下に行うこと
はできるが、そのような溶剤を使用しないことが好ましい。
エステル交換率(degree of conversion)は、時には、交換率(conversion r
ate)又は正に転換(conversion)とも呼ばれるが、これらの表現は、あまり正
しくはない。エステル交換率は、反応の進行の程度を示す。本発明の目的のため
に、それは、次のように表現される:
エステル交換率=(Xt−X0)/(Xeq−X0)×100%
式中:
Xは、トリグリセリド混合物の分子組成に依存する、測定可能な特性であって、
エステル交換開始前の組成物と、完全にエステル交換がなされた後の組成物が、
その両極端の値を有する特性であり;
X0は、エステル交換前のXの値であり;
Xeqは、完全にエステル交換がなされた後のXの値であり;
Xtは、エステル交換率が測定されることになっている組成物のXの値である。
Xとして、例えば、炭素数(CN)分析や銀相HPLC分析から得られる結果
を、適切に使用することができる。仮に、脂(a)がラウリン脂であり、脂(b
)が炭素数が16及び18の酸に富む脂であるならば、炭素数44+炭素数46
がXとして特に適切であることを、本発明者等は見出した。炭素数44は、三つ
の脂肪酸鎖を合わせると炭素原子が44個であるトリグリセリドの百分率を示す
。炭素数46では、三つの脂肪酸鎖が、合計で46個の炭素原子を有する。仮に
、脂(a)が液状油であるならば、その場合は、銀相HPLC分析が適切に使用
され得る。殆どの場合、S3(S3は、十分に飽和されたトリグリセリド類を示
す)含有量の使用が相応しい。仮に、脂(b)のS3含有量が低い場合に
は、普通は、二つの飽和酸残基と一つのオレイン酸残基を有するトリグリセリド
を示すS2Oの含有量が相応しいであろう。炭素数分析及び銀相HPLC分析は
、よく知られている技術である。その方法は、例えば、EP 78.568とJ
AOCS、68巻(5)、289−293ページ、1991年のそれぞれに記載
されている。
本発明の方法において、エステル交換率は、好ましくは20−93%であり、
より好ましくは30−90%であり、特に好ましくは50−90%である。
マーガリン脂において、部分エステル交換混合物の替わりに、それに対応する
比率の十分にエステル交換されたものと未交換成分との混合物を使用することに
より、恐らく同じ結果が得られると考えられるかもしれない。しかしながら、本
発明者等は、そうではないことを見出した。部分エステル交換混合物を使用する
ことは、コスト及び結果物の特性の両面で、より魅力的である。
最善の結果を得るためには、部分エステル交換がなされる混合物中において、
好ましくは、脂(a)が20−80%、脂(b)が80−20%使用される。
脂(a)の選択に関して、ラウリン脂、液状油又はその混合物を使用すること
ができる。ラウリン脂とは、ラウリン酸残基含有量が、少なくとも40%、好ま
しくは少なくとも45%である脂を意味する。ラウリン脂は、実際には、ヤシ油
、パーム核油又はババス油であろう。但し、原理的には、いくつかのそれらより
も珍しいラウリン脂も使用することができる。その構造付与効果を高めるために
、好ましい態様においては、ラウリン脂を分画し、天然に存在するそれらの脂の
ステアリン画分をエステル交換に使用する。
ラウリン脂のその構造付与効果は、エステル交換の前に、硬化、特に十分な硬
化、を行うことによって高められ得るが、この選択は、ここで言及する考慮すべ
きその生来の性質と、他の考慮すべき事項とを有する未硬化のラウリン脂を使用
することと比べて好ましくない。
この明細書では、“脂”と“油”の用語は、同義語として用いられる。融点が
より低い成分が除去された脂は、“ステアリン画分”と表示される。この明細書
及び請求の範囲のために、ステアリン画分は、例えば乾式分画法や溶剤分画法等
のある種の分画法によって、融点がより低い成分が少なくとも10%除去された
トリグリセリド混合物又は脂混合物と定義される。同様に、オレイン画分は、分
画法において、融点がより高いトリグリセリド類が少なくとも5%除去された脂
である。中間画分は、少なくとも二つの分離工程を含む分画法において、その原
料と比較して、融点がより高いトリグリセリド類が少なくとも3%、及び融点が
より低いトリグリセリド類が少なくとも10%除去された脂である。
この明細書において、“液状油”という用語は、20℃において、好ましくは
10℃において、固体を含まないグリセリド混合物に対して使用される。好まし
くは、液状油は植物油である。不飽和脂肪酸(UFA)、特には多不飽和脂肪酸
(PUFA)、とりわけリノール酸を、少なくとも40%含有する液状油が、特
に重要である。具体的には、液状油は、好ましくは、ヒマワリ油、大豆油、菜種
油、綿実油、ピーナツ油、とうもろこし油、サフラワー油、アマニ油、それらの
油の高オレイン酸残基含有油(例えば、高オレインヒマワリ油、高オレイン大豆
油又は高オレイン菜種油)、又はこれらの油の二種以上の混合物を含有する。
前記した理由により、C16+脂は、好ましくは未硬化天然脂(但し、それでも
なお、飽和脂肪酸(SAFA)を少なくとも40%含有する)である。好ましく
は、脂(b)は、鎖長が16−24の脂肪酸残基を65−100%含有する。鎖
の中に16−18個の炭素原子を含む脂肪酸残基を65−100%含有するもの
が、特に好ましい。好ましい態様においては、脂(b)は、飽和脂肪酸を、少な
くとも65%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%
含有する。脂(b)の適切な例には、高ステアリン菜種油、高ステアリンヒマワ
リ油、高ステアリン大豆油、パーム油、それらの中間画分又はステアリン画分、
及びそのような脂二種以上の混合物がある。しかしながら、より好ましくはない
選択であるが、C16及びそれ以上の鎖長の脂肪酸類を少なくとも65%含有する
十分に硬化された天然脂を使用することができる。
仮に、C16+脂が飽和脂肪酸を高含有率で含むことを望むのであれば、天然に
存在するC16+油のステアリン画分を使用することが出来、それにより、上記水
素化を避けることができる。
ここで、“ハードストック”及び“ハード脂”という用語は、脂肪酸の、少な
くとも過半数、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%
が飽和されている脂肪酸トリグリセリド類を示す。そのようなトリグリセリド混
合物は、周囲環境温度で固体である。ハードストックは、二種以上の異なるハー
ド脂を含んでいてもよい。
“構造脂”という用語は、周囲環境温度、典型的には20℃で、マーガリン又
はスプレッドの構造に寄与する脂成分を示すために、より一般的に用いられる。
しかし、これは、著しく飽和されていることが好ましいということを意味しない
。このように、“構造脂”は、ハードストックも他の脂成分も包含する。
次の三態様は、それぞれ本発明の方法の好ましい態様である。
A. 脂(a)は、ラウリン脂、好ましくはパーム核ステアリン又は、ことに
よると、十分に硬化されたパーム核油である。
脂(b)は、少なくとも65%の、好ましくはより多くの飽和された脂
肪酸残基(SAFA)を含有する。最も好ましいのは、例えば溶剤分画法で得ら
れる、高融点のパームステアリンである。替わりに、例えば、十分に硬化された
パーム油を使用することができる。得られる脂混合物は、ハードストック、特に
は、いわゆる健康スプレッドの製造において、高含有量の、好ましくは、脂の総
量を基に計算して少なくとも75%
の液状油と共に用いるのに適するハードストックである。
この態様において、部分エステル交換混合物の構造特性は、十分にエス
テル交換がなされた混合物の構造特性よりも、少しばかり悪く言われるかもしれ
ないが、費用を考慮すると、そのような部分エステル交換混合物の使用が好まし
い。十分にエステル交換された成分とエステル交換されていない成分との対応す
る混合物のハードストックと比べて、本発明者等の部分エステル交換脂混合物は
、官能検査でよりよい結果をもたらす。エステル交換率が少なくとも50%の、
部分エステル交換ハードストック混合物は、好ましくは、脂総量に対して8−2
5%の量で用いられる。
この態様において、好ましくは、エステル交換率は60−90%である
。
ハードストックとして用いる場合、エステル交換で得られた脂混合物の
構造付与効果は、仮に、エステル交換反応において、ラウリン脂を30−50%
、好ましくは30−40%と、C16+脂を50−70%、好ましくは60−70
%用いた場合に最高である。
B. 脂(a)は、未硬化ラウリン脂、好ましくはパーム核油又はヤシ油であ
る。脂(b)は、例えばパーム油、乾式分画法で得られるパームステアリン等の
、好ましくは53℃未満の融点を有する未硬化C16+油である。得られる脂混合
物は、魅力的な結晶化特性と、良好な一連のN値を有する構造脂である。それら
は、最終製品を作るために使用されるマーガリン脂中において、多量に使用され
得る。エステル交換をせずに、パーム核油と共に、パーム油及び/又はパームス
テアリン等の成分を使用する場合と比べて、幾つかの利点が得られる。そのよう
な利点の中の一つは、異なる温度において、固体脂含有量がよりよく寄与するこ
とで
あり、その結果、製品に、より優れた感覚特性とより早い結晶化(それは、製造
速度をより早くし、且つ、製造の間に、パーム核油とパームステアリンが個々に
結晶化する恐れを低減する)をもたらす。そのような個々の結晶化は、保存及び
流通の間に、製品欠陥が生じる恐れを増加させる。例えば、製品が温度変化循環
に曝されると、製品は実際により柔らかくなり得る。そのような脂を完全にエス
テル交換して作られた脂と比べると、本発明の脂混合物は、実際に、製品中に粒
状物が生じる恐れが小さい。それゆえ、本発明の脂混合物は、より多量に使用さ
れ得る。この態様においては、例えば20%という非常に低いエステル交換率に
おいて、既に、実際的なメリットが得られている。エステル交換率は、好ましく
は30−90%である。とりわけ、より低いエステル交換率は、非常に低いコス
トでなされ得る。これらの脂混合物は、例えばかなり高温に耐えることができな
くてはならないしっかりした包装製品を作るために、マーガリン脂中において、
その構造成分として、かなり多量に(例えば50又は60%というほどの多さで
)使用され得る。
C. 脂(a)は、液状油であり、脂(b)は、飽和脂肪酸を少なくとも65
%、好ましくは80−100%、特に好ましくは90−100%含有するC16+
脂である。エステル交換がなされない場合、そのような硬化C16+脂は、ほんの
わずかしか使用することができない。さもないと、硬化C16+脂は、製品の口溶
けに悪影響を与える。完全エステル交換物を得るようにエステル交換を行うと、
マーガリン又はスプレッドの構造脂であって、それを用いて得られるマーガリン
又はスプレッドの特性に、かなり望ましく寄与するものが得られる。しかしなが
ら、そのような構造脂は、しばしば非常にゆっくりと結晶化し、製造に問題を引
き起こす。本発明者等は、本発明に従って部分エステル交換された脂混合物を用
いると、結晶化がより迅速に行われ得ることを見出した。この態様において、エ
ステル交換される混合物中の液状油の量は、好ましくは少なくとも50%であり
、特に好ましくは60−90%である。エステル
交換された混合物が分画され、且つ、スプレッド又はマーガリンを作るためのマ
ーガリン脂中において、オレイン(画分)を脂混合物として使用したいのであれ
ば、その場合は、エステル交換される混合物中に、脂(b)がより多量に(例え
ば80%まで、好ましくは30−70%)含有され得る。
同様に非常に有用な脂混合物を提供する、これらの好ましい態様のある種の変
形では、脂(a)として、ラウリン脂と液状油との組み合わせを使用する。この
方法においては、脂混合物の特性は、適用の意図に応じて微調整され得る。その
ようなケースであって、脂(a)及び(b)に、水素化されていない成分のみが
使用される際には、エステル交換される混合物は、好ましくは、脂(b)20−
70%、ラウリン脂5−60%及び液状油5−70%からなる。
部分エステル交換される混合物は、好ましくは、脂(a)及び(b)のみから
なる。そのようなケースでは、エステル交換のために、未硬化の又は注意深く且
本質的に十分に硬化された生成物を選択することにより、最終脂混合物中のトラ
ンス脂肪酸基の量を、容易に、10%未満、好ましくは5%未満、特に好ましく
は1%未満に制限することができ、且つ、それを0.2%にまで低減することが
できる。
しかしながら、例えば部分水素化脂等の他の脂が、例えば25%までの量で、
この混合物中に含まれていてもよい。しかし、そのような他の脂を含むことは、
好ましくない。仮にそのような他の脂を含むのであれば、最終脂混合物中のトラ
ンス脂肪酸残基の量は、それでも10%未満、好ましくは0−5%であることが
保証されるのが好ましい。
本発明の方法は、部分エステル交換された混合物を分画し、ある画分を回収し
て脂混合物を得ることを含むことができる。例えば仮に、脂(a)が液状油を含
み、オレイン画分が回収されるのであれば、これは魅力的となり得る。
例えばスープを作るというように、例えばある種の調理で使用される場合には
、脂混合物は、そのまま使用され得る。そのような直接の使用のために、脂混合
物に、少量の添加剤(例えばフレーバー、着色剤、レシチン等)が含まれてもよ
い。
“マーガリン脂”は、可塑性のスプレッド又はマーガリン中で、唯一の油とし
て使用するのに適する脂混合物であり、そのようなマーガリン脂は、通常は、ハ
ードストック又は他の構造脂と、液状油とを含有する。
しかしながら、ある種の使用(例えば、製パンでの使用、又は、冷蔵流通が使
用されない場合の熱帯の国向けスプレッド)のためには、脂混合物は、液状油を
含むことなく、マーガリン脂として使用され得る。一方、容器に詰められた柔ら
かいスプレッドを作るためには、マーガリン脂中において、液状油が、非常に高
い含有量で使用され得る。しかしながら、本発明の利益を得るためには、マーガ
リン脂中の脂混合物の量は、少なくとも8%とすべきである。
つまり、マーガリン脂は、本発明の脂8−100%と、液状油及び/又は他の
脂0−92%を含む。他の脂は、例えば、パーム油、パームオレイン、パームス
テアリン、パーム中間画分、ヤシ油、パーム核油、例えば大豆油、菜種油、ヒマ
ワリ油等の高ステアリン酸残基含有油、乳脂肪、及びそのような水素化されてい
ない油二種以上の混合物であろう。部分的又は十分に水素化された油も含むこと
ができる。しかし、好ましくは、部分的又は十分に水素化された油は含有されな
い。あるケースにおいては、マーガリン脂のトランス不飽和脂肪酸含有量が、1
0%を超えないことが保証されねばならない。その含有量は、好ましくは0−6
%、特に好ましくは0−3%である。
マーガリン脂中の脂混合物と液状油との合計量は、好ましくは50−100%
、より好ましくは70−100%、特に好ましくは85−100%である。
マーガリン脂の構造脂、即ち、液状油以外のすべての脂は、30−100%、好
ましくは50−100%、とりわけ70−100%の脂混合物を含むことが好ま
しい。マーガリン脂中の脂混合物として、本発明に係る、二種以上の異なる脂混
合物の組み合わせも、勿論使用することができる。
マーガリン脂は、例えば調理脂、ショートニング等として、そのままで、ある
いは、任意に軟化(可塑化)された形態で使用することができる。そのようなケ
ースにおいて、マーガリン脂は、例えば着色剤、乳化剤等の添加剤を、少量含ん
でいてもよい。
好ましい態様によれば、マーガリン脂は、可塑性のスプレッド中で使用される
。そのようなスプレッドは、脂相と水相を含む。これらの中のいずれか又は両者
が、連続相を構成することができる。仮に、生成物が、その分散相にのみ脂を含
むのであれば、水相中に構造付与剤を加えることによって、可塑性が提供され得
る。そのようにするための方法は、その技術分野でよく知られている。好ましく
は、スプレッドは、連続する脂相を有する。マーガリン脂は、このタイプのスプ
レッドに特に適する。生成物の微生物に対する安定性のためには、スプレッドの
水相が分散相を構成することが更に好ましい。
特に好ましい態様においては、スプレッドは、油中水型乳化物スプレッドであ
る。即ち、スプレッドは、連続する油相(脂相)と分散された水相とを含み、そ
の脂相は、マーガリン脂として、液状油を少なくとも75%とハードストック(
そのハードストックは、本発明の脂混合物を含有する)とを含有する脂を含む。
マーガリン脂中のハードストックの量は、好ましくは8−25%、特に好ましく
は12−20%であり、残部は、好ましくは液状脂のみからなる。ハードストッ
ク中の脂混合物の量は、好ましくは70−100%であり、より好ましくは90
−100%であり、特に好ましくは100%である。
脂相組成物は、マーガリン脂に加えて、乳化剤、ビタミン類、フレーバー等の
他の物質を含むことができる。水相は、水に加え、粉乳、フレーバー、防腐剤、
ゴム質等を含むことができる。
この明細書において、すべての部、割合、及び百分率は、特記しない限り、重
量基準である。特記しない限り、油脂中の脂肪酸の量は、その油脂中の脂肪酸の
総量を基準とし、且つ、脂組成物中の構造脂、ハードストック及び/又はハード
脂の量は、その脂組成物の総重量を基準とする。
この明細書及び請求の範囲において、固体脂含有量(SFC)は、N値、本質
的には、油脂、石鹸、塗料(Fette,Seifen,Anstrichmettel)、80巻、18
0−186ページ(1978年)で定義されたN値で表される。
本発明をよりよく理解し得るように、次の実施例中に、幾つかの実施態様を示
す。スプレッドを製造するためには、例えば、ホフマン(G.Hoffmann)による
可食性油脂の化学と技術、及び油脂含有量が多い可食性油脂製品(The Chemist
ry and Technology of Edible Oils and Fats and their High Fat Prod
ucts)、アカデミック出版、ロンドン、1989年、319ページ以降、特に3
20−321ページ等の、種々の教科書を参照することができる。
グラム単位で表された“スティーブンス”硬度(St)は、測定温度に24時
間放置して平衡とした後で、スティーブンス−LFRA風合い分析装置(イギリ
ス、ダンモアのスティーブンス・アドバンスト・ウェイイング・システムズが販
売している)にて、直径4.4mmの円筒(シリンダー)を用い、荷重レンジ1
000gで、“標準”で作動させ、針入深さは10mm、針入速度は2.0mm
/秒にセットして測定する。
“薄さ”(34℃にて、又はせん断速度110秒-1で、mPa.sでの粘度)
は、ベルリンのハーケ・ブロス製造の粘度試験器、VT181を用いて測定する
。脂試料を、15℃に3日間放置して平衡とし、その後、粘度試験器中で34℃
とする。先ず、試験器のおもり(ボブ)を、ポジション1で1分間回転させ、そ
の後、ポジション4に変え、その30秒後に粘度を読み取る。実施例 1
パルミチン酸含有量が76.9%の、溶剤分画がなされたパーム油ステアリン
と、不飽和脂肪酸含有量が8.1%の、乾式分画がなされたパーム核油ステアリ
ンを、50:50の比率で混合し、その後、酵素触媒法でエステル交換を行った
。
酵素エステル交換反応は、担持された酵素、SP392(ノボ社が市販してい
る)、を75g含む研究室用の大きさの充填床反応器内で行った。反応温度は7
0℃であり、流速は50g/時間であった。これらの反応条件により、炭素数分
析の結果を基に計算して、エステル交換率が97%となった(比較例1)。
流速を180g/時間としたこと以外は同じ反応条件で、同じ組成物の第二バ
ッチを、酵素的にエステル交換した。これにより、炭素数分析の結果を基に計算
して、エステル交換率が74%となった(実施例1)。
反応生成物両者を、ハードストックとして用い、且つ、十分に精製されたヒマ
ワリ油と、15:85の比率で混合した。
これらのマーガリン脂、即ち、比較例1と実施例1のそれぞれから、スプレッ
ドを製造した。スプレッドは、次のような一般組成を有していた。
マーガリン脂 82.8 %
アドムル6203(登録商標)(オランダ国ナアルデン 0.15%
のクエスト社が販売しているモノグリセリド乳化剤)
セチノール(登録商標)(オランダ国ツバインドレヒト 0.2 %
のユニミルズ社が販売しているレシチン組成物)
水 16.0 %
脱脂粉乳 0.6 %
ソルビン酸カリウム 0.1 %
混合物を、、研究室スケールで、従来のA−A−Cの順序で、処理量5.5k
g/時間で、Cユニットからの固体含有量6.0%で加工した。“A”は、表面
掻き出し式(サーフェス・スクレープド)熱交換器を示す。“C”は、攪拌式結
晶化装置を示す。脂両者の一連のN値と、得られたスプレッド生成物の硬さ及び
薄さの値を、表1に示す。
両生成物とも、塗り伸ばし易さ及び可塑性が良好で、且つ、溶融挙動に優れて
いた。薄さの値(34℃における粘度)は、硬化された成分のエステル交換反応
生成物を基本とする対応するマーガリンと比べて、非常に低かった。エステル交
換率が最も低い生成物は、三飽和トリグリセリド類をより多く含んでいたにもか
かわらず、専門パネルは、二つの生成物を識別することができなかった。
これらの生成物は、長期保存及び温度変化循環を伴う保存において、安定性が
良好であった。実施例 2
パーム核油35部と、多段乾式分画法で得られたパーム油ステアリン65部を
、エステル交換率が92%となるように処理量を調整したこと以外は、実施例1
に記載の如く、酵素的にエステル交換した。
比較のため、パーム核油35部と、溶剤分画法で得られたパーム油ステアリン
65部の混合物を、化学触媒を用い、従来の方法で十分にエステル交換した(比
較例2)。
これらの脂混合物のそれぞれ15%を、ヒマワリ油85%と混合することによ
り、マーガリン脂を調製した。
マーガリン脂のN値は、下表に記載の通りであった。
二つの予備混合物、即ち、脂相組成物及び水相組成物を、次のように調製した
。
マーガリン脂 69.7%
モノグリセリド 0.1%
レシチン 0.2%
β−カロテン 少 量
水 27.0%
塩 1.5%
ホエー粉末 1.5%
クエン酸 pHが5.2となる少量
脂の連続相を有するスプレッドを、A−A−A−C順序で、従来の方法で製造
した。Cユニットは、200rpmで作動させた。製造ラインの最終時点で、生
成物の温度は8.4℃であった。両処方共に、その方法のその段階での脂固体含
有量は、8−9%であった。生成物を容器に詰め、5℃にて保存した。
1週間の保存の後、5℃及び20℃におけるスティーブンス値(S)と、薄さ
の値を測定し、下記の結果を得た。
生成物を、経験豊かなパネルが評価した。両者共に、良好であることがわかっ
た。それらの間に、著しい感覚上の相違はなかった。
生成物を、9週間の保存の後、再び評価した。両者共に、より固くなっていた
。両者共に、依然として良好な生成物であった。それらの間に、著しい相違は見
られなかった。
両生成物は、また、温度変化循環に対して、非常に類似した応答を示した。
この例は、脂肪酸組成物の栄養上の側面又は感覚で認識し得る生成物の特性に
なんら不都合な影響を与えずに、化学的エステル交換及び溶剤分画が、本発明に
よる酵素的部分エステル交換及び乾式分画というより穏やかで且つ自然な方法に
よって、置き換えられ得ることを示す。スティーブンス値は、比較例2に比べて
実施例2が、概して少しばかり高かった(スティーブンス値がより高いというこ
とは、そのような生成物はより優れていることを示す)。実施例 3
82%のエステル交換率が得られるように、処理量を適応させたことを除いて
、実施例2を繰り返した。
比較のため、同じ原料を用い、但し、処理量は、99%のエステル交換率が得
られるように減少させた(比較例3)。
これらの脂混合物を、次の組成のマーガリン脂の調製に使用した。
パーム核油及びパーム油ステアリンは、エステル交換された脂混合物を調製す
るために使用したものと同じバッチのものであった。比較例3の構造脂の“平均
エステル交換率”は、実施例3の“平均エステル交換率”に比べ、少し高い(8
2%と比べて、[13×99+(0.7+1.3)×0]/15又は86%)。
マーガリン脂のN値は、下表に記載の通りであった。
実施例2に記載のようにして、これらの脂からスプレッドを調製した。生成物
を、経験豊かなパネルにより、ブラインド法で評価した。そのパネルは、溶融挙
動、風味及び総合的な好みの点で、比較例3と比べ、実施例3の生成物をはっき
りと好んだ。実施例 4−8
パーム核油を乾式分画されたパーム核ステアリンに置き換えた以外は、実施例
3を繰り返した。エステル交換率が異なるものを用いて、試験を数回行った。
予備混合物組成は、次の通りであった。
マーガリン脂 79.55部
モノグリセリド 0.15部
水 16.0 部
ホエー粉末 0.6 部
ベテーターでの順序は、A−A−Cであった。
マーガリン脂組成及び得られた結果は、次の通りである。
これらの結果は、最もよい生成物は実施例4及び5であることを示す。実施例
6は、それでもまだ、適切な風合いを有しており、その薄さのデータは、幾分高
くなっているが、まだ許容できる範囲内である。実施例7及び8は、それらの薄
さのデータが上昇し続け、生成物は幾分柔らかくなるので、このタイプの生成物
の場合、53%及び43%という低いエステル交換率は、むしろ望ましくないこ
とを示す。実施例 9−11
実施例4、5及び6を繰り返した。比較のため、交換率98%でのエステル交
換も行った。この成分を、同じバッチから得たものであって、エステル交換をし
ていないものと一緒に用いた。使用した組成は、次の通りであった。
実施例10を比較例4と、又、実施例11を比較例5とそれぞれ比べて、風合
い及び塗り伸ばし易さに明白な相違はなかったけれども、実施例の試料は、対応
する比較例の試料と比べて、口溶けがよりよいことがわかった。実施例 12−13
原料として、パーム核油と、乾式分画法で得たパーム油のステアリン画分を用
いた。それらの脂肪酸組成は、FAME GLC分析で測定した。トリグリセリ
ドの2位の脂肪酸組成も、1位及び3位の部分加水分解及びGLCを用いて決定
した。次の結果が得られた。
パーム核油50部とパームステアリン50部の混合物を、充填床反応器で、触
媒として担持1,3位特異的リパーゼ SP392(ムコール ミエハイ(Muc
ormiehei)、デュオライトに固定、デンマークのノボノルディスクが販売してい
る)を用いて、酵素的にエステル交換した。
反応実施温度は、70℃であった。溶剤は用いなかった。異なるエステル交換
率とするために、反応は、幾つかの異なる流速で、且つ、充填床中の酵素の量を
変えて実施した。エステル交換率が100%の生成物を分析するために十分な試
料を得るために、十分に低い流速で、少量の生成物を製造した。
得られた生成物も原料も、また、エステル交換前の1:1混合物も、炭素数を
分析した。次の結果が得られた。
エステル交換率が100%の混合物について得られた、炭素数44と炭素数4
6のデータは、1,3ランダム仮説を用い、原料の組成から算出した炭素数44
と炭素数46についての推定値と一致する。表は、エステル交換を行っていない
混合物とエステル交換率が100%の混合物の間で(これら二つの混合物に、両
極端の値が見出されている)、炭素数44と炭素数46のデータが最も大きく変
化することを示す。それゆえ、炭素数44と炭素数46のデータの合計は、得ら
れた生成物のエステル交換率を計算するために使用され得る。
生成物と、エステル交換を行っていない1:1原料混合物の固体脂含有量を測
定した。次の結果が得られた。
実施例 14−15
実施例12及び13と比較例6エステル交換脂混合物と、これらの実施例で用
いたものと同じバッチのパーム核油及びパーム油ステアリンを用い、次に示す割
合で、これらの成分をヒマワリ油と共に混合して、一連のマーガリン脂を製造し
た。
マーガリン脂のN値は、次の通りであった。
これらのマーガリン脂を用いて、下記の脂相組成と水相組成の予備混合物を製
造した。
脂相組成
マーガリン脂 76.60部
モノグリセリド 0.10部
レシチン 0.15部
β−カロテン溶液 0.15部
水相組成
水 18.90部
塩 0.30部
ホエー粉末 0.70部
ソルビン酸カリウム 0.10部
クエン酸 pHが4.0となる少量
マーガリンは、A−C−A−Cの順序で製造した。Aユニットは800rpm
で、Cユニットは150rpmで作動させた。予備混合温度は、55℃であった
。第二のAユニット後の温度は、すべてのケースで7℃であり、最後のCユニッ
ト後の温度は、9.5℃であった。製造のこの工程で、すべての処方は、結晶質
の脂を16−17%含んでいた。生成物を容器に詰め、10℃にて保存した。
生成物を1週間保存し、その後、15℃にて24時間、試料(保存後の生成物
)を整え、それから、経験豊かなパネルにより、生成物をブラインドで評価した
。比較例9の生成物は、拒絶された。その口どけは大変悪く、その塗り伸ばし易
さもよくはなかった。他の四つの生成物は、許容できると判定された。しかし、
それらの中で、比較例8は、溶融挙動があまりよくなかったので、最も好まれな
かった。比較例7は、口中で非常に早く溶けたが、一部のパネルには、その価値
が認められなかった。総体的には、実施例14の試料が最も好まれた。口溶けに
関する結論は、マーガリン脂のN値の観点から予想したものと一致した。実際、
本発明者等は、実施例15と比較例8との間に、N30とN35の数値に大きな
違いがあることに驚かされた。試料は、それらのスティーブンス値及び薄さの値
によっても特徴づけられた。
同じ製造ロットから得た対応する一揃いの試料について、温度変化循環に対す
る安定性を試験した。これらの試料を、始めの2日間は10℃に保存し、その後
、5℃に12時間、20℃に12時間保存し、5℃と20℃のこの循環を更に2
回繰り返し、その後、試料を再び10℃に2日間保存した。これらの試料につい
ても、スティーブンス値と薄さの値を測定した。すべての試料を、スティーブン
ス値の測定温度にて、また、薄さの値の測定のためには15℃にて、24時間整
えた。次の結果が得られた。
N試料の結果は、パネルの結論と一致する。比較例7の薄さ値は、非常に低い
が、比較例8及び9の薄さ値は高い。比較例9のスティーブンス値は、まったく
高く、塗り伸ばし易さに悪影響を与えている。
温度変化循環においては、比較例7の薄さ値は、少しばかり低くなっている。
実施例14及び15の薄さ値は、幾分改良されている。しかし、比較例8では悪
化している。比較例9の薄さ値は、許容できないほど高いままである。スティー
ブンス値は、温度変化循環において、特に比較例8及び9の生成物が、より低温
側において非常に柔らかくなることを示す。そのような軟化は、消費者が朝食の
テーブルにそれら生成物を数分間放置することを2〜3回行った後には、感覚で
認識され得るほどに生成物を変化させるので、望ましくない。他の生成物の軟化
は、温度変化循環に対する依存性がより少ない。
これらの試みは、部分エステル交換生成物を用いて、完全エステル交換物を用
いた場合に匹敵する品質が得られることを示す。一部の消費者にとっては、部分
エステル交換生成物は、むしろ好ましいかもしれない。実施例15を比較例9と
比較すると、29%という低いエステル交換率でも、生成物特性は劇的に改良さ
れることがわかる。実施例15を比較例8と比べると、更に、部分エステル交換
物の使用は、十分にエステル交換がされた成分とエステル交換をしていない成分
との混合物であって、部分エステル交換物と総体的には同じ平均エステル交換率
を有するものを使用するよりも、よりよい結果をもたらすことがわかる。
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,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,
SK,TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,V
N
(72)発明者 ベルマース、レオ・フランス
オランダ国、3145・ブイエヌ・マースルイ
ス、リスターラーン 160