JP2018068128A - 可塑性油脂組成物及び食品 - Google Patents

可塑性油脂組成物及び食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2018068128A
JP2018068128A JP2016207951A JP2016207951A JP2018068128A JP 2018068128 A JP2018068128 A JP 2018068128A JP 2016207951 A JP2016207951 A JP 2016207951A JP 2016207951 A JP2016207951 A JP 2016207951A JP 2018068128 A JP2018068128 A JP 2018068128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
fat composition
feeling
oil
plastic fat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016207951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6227088B1 (ja
Inventor
晶 太田
Akira Ota
晶 太田
杏子 東
Kyoko Azuma
杏子 東
政憲 志田
Masanori Shida
政憲 志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miyoshi Yushi KK, Miyoshi Oil and Fat Co Ltd filed Critical Miyoshi Yushi KK
Priority to JP2016207951A priority Critical patent/JP6227088B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6227088B1 publication Critical patent/JP6227088B1/ja
Publication of JP2018068128A publication Critical patent/JP2018068128A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】パンや菓子等の焼成品に配合することで、チルド温度域での保管時においても焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる可塑性油脂組成物、このような可塑性油脂組成物が添加された食品を提供する。【解決手段】本発明の可塑性油脂組成物は、該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して28質量%以上58質量%以下であり、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して、28質量%以上60質量%以下であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、可塑性油脂組成物及び食品に関する。
従来より、パンや菓子等の焼成品には、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感等の食感が求められている。ふわふわ感とは、口の中に入れたときにふわっとした食感があり、噛んだときには、ソフトさを有しながらもその中に適度な弾力感があり、口の中で焼成品がダマになりにくい食感を言う。
特に、サンドイッチのような食材を配合するパン類は、食材の保管を考慮する必要があるため、チルド温度域で流通し、販売される。
しかしながら、パン類や菓子類等の焼成品は小麦粉等の澱粉類を主成分とするため、特にチルド温度域では、澱粉による老化や、サンドイッチ等の食材が生地の水分を奪ったり、食材からパンに水分が移行し、食感が低下する。
そこで、焼成品の食感を向上させる方法や、パンや菓子のチルド温度域での保管により生じる食感の低下を抑えるための各種の方法が開発されている。
例えば、特許文献1には、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂等を含む所定の可塑性油脂組成物を含むパン生地に、糊化膨潤抑制澱粉を配合して焼成されたパンが開示されており、このようなパンは、冷蔵温度において老化現象が起こりにくいことが記載されており、しっとり感(シトリ感)の評価が良好であったことが記載されている。
特許文献2には、所定の油脂を含有するチルドパン・ケーキ用可塑性油脂組成物が開示されており、該可塑性油脂組成物によると、チルド温度域の保存において、ソフト性、しっとり性(シトリ感)、口溶け性の評価が良好であったことが記載されている。
特許文献3には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をパン生地に配合したパンが開示されており、HPMCをパン生地に配合することで、その焼成品がしっとりとした食感(シトリ感)となったことが記載されている。
特開2013−110974号公報 特開2013−34418号公報 特開2013−215158号公報
しかしながら、特許文献1における可塑性油脂組成物自体は、チルド温度域の保管時における焼成品にシトリ感を付与する点で未だ十分なものとはいえず、また、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感を付与する点においても、十分なものではない。特許文献2のチルドパン・ケーキ用可塑性油脂組成物も、チルド温度域の保管時における焼成品にふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与する点で十分なものとはいえない。また、特許文献3のように、HPMCを生地に配合した焼成品においては、チルド保管時におけるふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感については、改善の余地があった。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、パンや菓子等の焼成品に配合することで、チルド温度域での保管時においても焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる可塑性油脂組成物、このような可塑性油脂組成物が添加された食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、所定の構成を有する油脂にヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合した可塑性油脂組成物が、焼成品に優れた食感を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 可塑性油脂組成物であって、
該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して28質量%以上58質量%以下であり、
油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して、28質量%以上60質量%以下であり、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する、可塑性油脂組成物。
(2) 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、組成物全体の質量に対して0.001〜5質量%である、(1)に記載の可塑性油脂組成物。
(3) さらに、増粘多糖類を含有する、(1)又は(2)に記載の可塑性油脂組成物。
(4) 前記増粘多糖類が、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、及びカラギーナンからなる群から選択される1種以上を含む、(3)に記載の可塑性油脂組成物。
(5) さらに、モノグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(6) さらに、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素を含有する、(1)から(5)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(7) 製菓又は製パン練り込み用又はロールイン用である、(1)から(6)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(8) チルド温度域で保管される菓子又はパン製造用である、(7)に記載の可塑性油脂組成物。
(9) 食材配合パン製造用である、(7)又は(8)に記載の可塑性油脂組成物。
(10) (1)から(9)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物が添加された食品。
(11) チルド温度域で保管される菓子又はパンである、(10)に記載の食品。
本発明によれば、パンや菓子等の焼成品に配合することで、チルド温度域での保管時においても焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる可塑性油脂組成物、このような可塑性油脂組成物が添加された食品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<可塑性油脂組成物>
本発明の可塑性油脂組成物は、該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して28質量%以上58質量%以下であり、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して、28質量%以上60質量%以下であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。本発明の可塑性油脂組成物は、かかる構成により、焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる。特に、本発明の可塑性油脂組成物によると、チルド温度域における保存時においても、焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる。さらに、本発明によると、チルド温度域における保存時において焼成品に食材を配合していても、良好な食材(例えば、レタス等)のシャキシャキ感を得ることができる。また、本発明によると、焼成品の加熱放冷後においても、良好なふわふわ感を得ることができる。なお、本発明において、「チルド温度域」とは、15℃〜0℃の温度域を指す。
本発明の可塑性油脂組成物において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、可塑性油脂組成物に配合された状態で焼成品の生地に配合されることで、(特に、チルド温度域の保管時において)焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる。また、本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して28質量%以上58質量%以下であることにより、焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる。さらに、本発明の可塑性油脂組成物は、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して、28質量%以上60質量%以下であることにより、焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができる。上記の理由により、特にチルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与することができるものと推測される。
(油脂)
本発明の可塑性油脂組成物において、該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量(以下、本明細書において「2位オレイン酸量」と略称する場合がある。)が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して28質量%以上58質量%以下であれば特に限定されないが、2位オレイン酸量が過小であると、チルド温度域で保管される焼成品において、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が低下するおそれがある。よって、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できることから、本発明の可塑性油脂組成物において、2位オレイン酸量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して30質量%以上であることが好ましく、32質量%以上であることがより好ましく、35質量%以上であることがさらに好ましい。他方、本発明の可塑性油脂組成物において、2位オレイン酸量が過大であっても、チルド温度域で保管される焼成品において、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が低下するおそれがある。よって、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できることから、本発明の可塑性油脂組成物において、2位オレイン酸量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して55質量%以下であることが好ましく、52質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物において、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して、28質量%以上60質量%以下であれば特に限定されないが、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対して過小であると、チルド温度域で保管される焼成品において、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が低下するおそれがある。よって、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できることから、本発明の可塑性油脂組成物において、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、41質量%以上であることがさらに好ましく、48質量%以上であることが特に好ましい。他方、本発明の可塑性油脂組成物において、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して過大であっても、チルド温度域で保管される焼成品において、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が低下するおそれがある。よって、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できることから、本発明の可塑性油脂組成物において、油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して57質量%以下であることが好ましく、54質量%以下であることがより好ましく、52質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明において、SSS型トリグリセリド(トリ飽和脂肪酸グリセリド)の油脂全体の質量に対する質量は、特に限定されず、例えば、5〜35質量%であってもよい。なお、本明細書において、「S」は、油脂を構成する飽和脂肪酸を意味し、「U」は、油脂を構成する不飽和脂肪酸を意味する。また、トリグリセリドの1、2、3位とは、構成脂肪酸が結合された位置を意味する。
本発明の油脂中の構成脂肪酸である飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、各脂肪酸の炭素数である。本発明の油脂中の構成脂肪酸である飽和脂肪酸Sは、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。
本発明の油脂中の構成脂肪酸である不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。本発明の油脂中の構成脂肪酸である不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。
本発明の可塑性油脂組成物において、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がオレイン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SOS型トリグリセリド、SOU型トリグリセリド、UOU型トリグリセリド等が挙げられるが、特に限定されない。なお、「O」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるオレイン酸を意味する。焼成品のチルド温度域における保管によるネチャツキ感を抑制しやすいことから、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1))等であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数16の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸(16:1))、炭素数18の不飽和脂肪酸(オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3))、炭素数20の不飽和脂肪酸(エイコセン酸(20:1))、炭素数22の不飽和脂肪酸(エルカ酸(22:1)))等であることが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、油脂の構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を含んでいてもよく、含まなくてもよいが、トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、人体に摂取された際のLDLコレステロールが増加しうる。よって、これを抑制しやすい観点で、本発明においては、油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量は、油脂の構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが最も好ましい。
本発明において、トリグリセリドの構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)により行う。なお、トリグリセリドの2位に結合されたオレイン酸の含有量は、リパーゼ溶液で処理後のモノアシルグリセリン画分をガスクロマトグラフィーで測定した全ピーク面積である油脂全量(油脂の2位構成脂肪酸全体の質量)を基準としている。
本発明において、油脂における飽和脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」)で測定する。なお、飽和脂肪酸の含有量は、上記試験法のとおりガスクロマトグラフィーで測定した全ピーク面積である油脂全量(油脂の構成脂肪酸全体の質量)を基準としている。
本発明において、油脂中のトランス脂肪酸の含有量の測定は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.4.3−2013 トランス脂肪酸含量(キャピラリーガスクロマトグラフ法)」)により行う。
本発明において、後述する各油脂のヨウ素価の測定は、基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」により行う。
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
本発明の可塑性油脂組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。
可塑性油脂組成物に含有されるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、特に限定されず、例えば、市販品としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであるメトローズNE−100(63.3mPa・s、信越化学工業株式会社製)、メトローズNE−4000(726mPa・s、信越化学工業株式会社製)、メトセルK−99(58.0mPa・s、ダウ・ケミカル社製)が挙げられる。なお、上記括弧内に示す粘度(単位:mPa・s)は20℃における2%水溶液の粘度である。
本発明の可塑性油脂組成物において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、特に限定されず、例えば、0.0001〜10質量%であってもよいが、過小であると、チルド温度域で保管される焼成品において、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が低下するおそれがある。よって、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できることから、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、組成物全体の質量に対して0.001%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。他方、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が過大であると、焼成品のふわふわ感、口溶け感が低下するおそれがある。このことから、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、組成物全体の質量に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物に含有されるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、特に限定されないが、例えば、20℃における2%水溶液の粘度が1000mPa・s以下であることが好ましい。特に、粘度が低い方がチルド温度域で保管される焼成品に優れた口溶け感、歯切れ感、ふわふわ感、シトリ感を付与できることから、20℃における2%水溶液の粘度が800mPa・s以下であるヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく、700mPa・s以下がより好ましく、500mPa・s以下がさらに好ましく、300mPa・s以下が特に好ましく、100mPa・s以下であることがより一層好ましく、100mPa・s未満であることがさらにより一層好ましく、80mPa・s以下であることがよりさらに一層好ましく、70mPa・s以下であることが最も好ましい。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度の下限については、例えば、20℃における2%水溶液の粘度が1.0mPa・s以上のヒドロキシプロピルメチルセルロースであってもよい。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースの20℃における2%水溶液の粘度は、SV型粘度計SV−10(株式会社エー・アンド・ディ製)により測定する。なお、「2%水溶液」とは、水溶液全体の質量に対するヒドロキシプロピルメチルセルロースのみを含有するヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液において、水溶液全体の質量に対するヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が2質量%であることを意味する。
本発明の可塑性油脂組成物が水を含む場合、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、可塑性油脂組成物を構成する油相又は水相のいずれに含まれてもよいが、油相に含まれることが好ましい。これにより、油脂中にヒドロキシプロピルメチルセルロースが多く分散することになり、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できる。この観点で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは油相に含まれる量が多い方が好ましく、具体的には、可塑性油脂組成物に含まれるヒドロキシプロピルメチルセルロース全体のうち、60質量%以上が油相に含まれるのが好ましく、70質量%以上が油相に含まれるのがより好ましく、80質量%以上が油相に含まれるのがより一層好ましく、90質量%以上が油相に含まれるのがさらに好ましく、95質量%以上が油相に含まれるのが最も好ましい。
また、本発明の可塑性油脂組成物において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース以外のセルロースエーテルを含有してもよく、含有しなくてもよい。そのようなセルロースエーテルとしては、メチルセルロース(MC)、エチルヘキシルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等が挙げられる。
(増粘多糖類)
本発明の可塑性油脂組成物は、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロース以外の増粘多糖類を含有してもよく、含有しなくてもよいが、含有することで、得られる焼成品は、チルド温度域の保管時において、口溶け感、歯切れ感に優れ、食材のシャキシャキ感を損なわない。このことから、本発明の可塑性油脂組成物は、増粘多糖類を含むことが好ましい。
増粘多糖類の種類は、特に限定されないが、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラヤガム、アラビアガム、タマリンド種子ガム、タラガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、グァーガム、カラギーナン(イオタカラギーナン等)、ペクチン、トラガントガム、結晶性セルロース、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、SSHC(水溶性大豆多糖類)、ガティガム、サイリウムシード、カシヤガム、寒天、ゼラチン等が挙げられる。これらのうち、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、カラギーナンが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。キサンタンガムの市販品としては、例えば、ユニテックフーズ株式会社製のSATIAXANE CX915、ADM社製のノヴァザン200が挙げられる。アラビアガムの市販品としては、例えば、TIC GUMS社製のティカシアガムが挙げられる。グァーガムの市販品としては、例えば、ユニテックフーズ社製のVIDOCREM A、VIDOGUM GHK 175が挙げられる。カラギーナンの市販品としては、ユニテックフーズ株式会社製のSATIAGUM BDC20等が挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物において、増粘多糖類の含有量は、特に限定されず、例えば、0.0001〜5.0質量%であってもよいが、可塑性油脂組成物全体の質量に対して0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.1質量%であることがさらに好ましい。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:グァーガム:アラビアガム:キサンタンガム=1:0.001〜3:0.001〜3:0.001〜3で添加することができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースと増粘多糖類が予め混合された製剤を使用することができ、市販品としては、ユニテックフーズ株式会社製のUNetエマヒートLVが挙げられる。
(乳化剤)
本発明の可塑性油脂組成物は、さらに、乳化剤を含有してもよく、含有しなくてもよいが、含有することで、得られる焼成品は、チルド温度域の保管時において、口溶け感、歯切れ感に優れ、食材のシャキシャキ感を損なわない。このことから、本発明の可塑性油脂組成物は、乳化剤を含有することが好ましい。乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリンモノパルミチン酸エステル、モノグリセリンモノステアリン酸エステル等)、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル(グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等)、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、本発明の可塑性油脂組成物はモノグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。特に、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、これを可塑性油脂組成物が含有することで、得られる焼成品がチルド温度域の保管時において口溶け感、歯切れ感に優れ、食材のシャキシャキ感を損なわない。そのため、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは特に好ましい。
乳化剤の含有量は、特に限定されず、例えば、可塑性油脂組成物全体の質量に対して0.0001〜5.0質量%(例えば、0.001〜5.0質量%、0.005〜4.0質量%で、0.01〜2.0質量%、0.1〜1.0質量%等)の範囲内で乳化剤の種類に応じて適宜選択してもよい。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの種類は、特に限定されず、例えば、グリセリンの重合度が2〜10であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが挙げられる。また、市販品としては、阪本薬品工業株式会社製のSY グリスターCR−ED(ポリタイプ)SY グリスターCR−310(テトラグリセリン 重合度4)、SY グリスターCR−500(ヘキサグリセリン 重合度 6)、太陽化学株式会社製のサンソフト 818DG(テトラグリセリン 重合度4)、サンソフト 818R(ペンタグリセリン 重合度5)、サンソフト 818SK(ヘキサグリセリン 重合度6)等が挙げられる。これらのうち、チルド温度域で保管される焼成品に優れた歯切れ感を付与できることから、本発明の可塑性油脂組成物に含まれる全てのポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのうち、グリセリンの重合度が4〜6であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの質量が最も多いことが好ましい。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノール酸とのエステル化物であり、エステル化反応は公知の方法で製造される。ポリグリセリンは、通常グリセリンもしくはグリシドールやエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。そのため市販品においては、異なる重合度のグリセリンのポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの混合物であり、上述の市販品のグリセリンの重合度は、最も多いグリセリンの重合度を示している。特に、チルド温度域で保管される焼成品に優れた歯切れ感を付与できるという観点では、グリセリンの重合度が高いポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(より具体的には、グリセリンの重合度6のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)を用いることが好ましい。また、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのリシノレイン酸の縮合度は、特に限定されず、例えば、2〜10であるものを使用することができる。
(糖質分解酵素、リン脂質分解酵素)
本発明の可塑性油脂組成物は、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素を含有してもよく、含有しなくてもよいが、含有することが好ましい。本発明の可塑性油脂組成物が糖質分解酵素又はリン脂質分解酵素、これによりチルド温度域で保管される焼成品にさらに優れたふわふわ感、シトリ感を付与でき、加熱放冷後のふわふわ感も維持できる。
糖質分解酵素の種類は、特に限定されず、例えば、αアミラーゼ、βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコースオキシダーゼ、セルラーゼ、プルラナーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アラバナーゼ、デキストラナーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ等が挙げられるが、これらのうち、特に、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、シトリ感を付与でき、加熱放冷後のふわふわ感も維持できることから、糖質分解酵素はαアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、βアミラーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナーゼ、ヘミセルラーゼが好ましい。なお、糖質分解酵素は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
リン脂質分解酵素の種類は、特に限定されず、例えば、ホスホリパーゼA(ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2)、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD等が挙げられるが、これらのうち、特に、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、シトリ感を付与でき、加熱放冷後のふわふわ感も維持できることから、リン脂質分解酵素はホスホリパーゼAが好ましい。なお、リン脂質分解酵素は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の可塑性油脂組成物は、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量は、特に限定されず、例えば、組成物全体の質量に対して0.00001〜1質量%の範囲内であってよいが、過小であると、チルド温度域で保管される焼成品におけるふわふわ感、シトリ感、加熱放冷後のふわふわ感が低下するおそれがある。このことから、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量は、組成物全体の質量に対して、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0002質量%以上であることがより好ましく、0.0003質量%以上であることがさらに好ましい。他方、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量が、過剰であると、生地がべたつき、作業性が低下するおそれがある。このことから、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。なお、これらの酵素の含有量は、糖質分解酵素のみの量であってもよく、リン脂質分解酵素のみの量であってもよい。
(その他の成分)
本発明の可塑性油脂組成物は、水相を実質的に含有しない形態と、水相を含有する形態のいずれの形態であってもよい。水相を含有する形態の場合、本発明の可塑性油脂組成物は、特に限定されないが、例えば、マーガリン類であってもよい。また、水相を含有する乳化形態は、特に限定されないが、例えば、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型等が挙げられる。この場合の油相の含有量は、可塑性油脂組成物の全体の質量に対して、好ましくは55〜99.95質量%であり、より好ましくは60〜99.4質量%であり、より好ましくは65〜98質量%である。また、水相の含有量は、可塑性油脂組成物の全体の質量に対して、好ましくは0.5〜45質量%であり、より好ましくは、0.6〜40質量%であり、さらに好ましくは、2〜35質量%である。乳化形態は、特に、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できることから、油中水型であることが好ましい。
マーガリン類とは、マーガリン又はファットスプレッドのことを指す。マーガリンは、油脂を80質量%以上含み、ファットスプレッドは、油脂を80質量%未満含むものである。
水相を実質的に含有しない形態としては、ショートニングが挙げられる。本発明において、「実質的に含有しない」とは、水分(揮発分を含む。)の含有量が0.5質量%以下であることである。
本発明の可塑性油脂組成物は、上記成分以外に、従来の公知の成分を含有してもよく、含有しなくてもよい。そのような公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、乳、乳製品、粉末油脂、酵素又は蛋白質、増粘多糖類以外の糖質、塩類、卵加工品、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、調味料、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、ウイスキー・ウォッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、乳製品を酵素処理した呈味剤、香辛料、着色成分、香料(フレーバー)等の食品素材や食品添加物が挙げられる。乳としては、例えば、牛乳等が挙げられる。乳製品としては、脱脂乳、クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等が挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白等の植物蛋白等が挙げられる。増粘多糖類以外の糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース等)、オリゴ糖、糖アルコール、イヌリン(アガベイヌリン等)等の多糖類等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。香辛料としては、例えば、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等の成分を含むものが挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
(用途)
本発明の可塑性油脂組成物の用途は特に限定されず、製菓又は製パン用、バタークリーム用、スプレッド用に用いることができる。製菓又は製パン用としては、ロールイン用、練り込み用等が挙げられる。特に、本発明の可塑性油脂組成物は、チルド温度域で保管される菓子又はパン製造用としての使用に好適である。また、発明の可塑性油脂組成物を、菓子又はパンに練り込んで用いた場合に、チルド温度域で保管される焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感を付与できる。このことから、本発明の可塑性油脂組成物は、製菓又は製パン練り込み用として用いることが好ましい。また、チルド温度域で保管される焼成品に優れた口溶け感、歯切れ感、ふわふわ感(特に、歯切れ感)を付与できる観点で、ロールイン用として用いることが好ましい。なお、「製菓又は製パン練り込み用」とは、菓子又はパンの生地に練り込まれて用いられることを指す。「製菓又は製パン練り込み用」の可塑性油脂組成物が添加された焼成品は、生地に可塑性油脂組成物が練り込まれた状態で生地が焼成されて製造される。「ロールイン用」とは、菓子又はパンの生地に折り込んで用いることを指す。「ロールイン用」の可塑性油脂組成物が添加された焼成品は、生地の間に可塑性油脂組成物を挟み込み、伸展と折り畳みを繰り返すことによって生地に可塑性油脂組成物が層状に折り込まれた状態で生地が焼成されて製造される。
本発明の可塑性油脂組成物を焼成品の製造に用いる場合の生地は、穀粉を主成分とし、穀粉としては、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、全粒粉、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉、雑穀(アワ、ヒエ、アマランサス等)、ジャガイモ粉などが挙げられる。
生地には、穀粉と本発明の可塑性油脂組成物以外に、従来の公知の成分を含有してもよく、含有しなくてもよい。そのような公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、乳、乳製品、乳化剤、粉末油脂、酵素又は蛋白質、増粘多糖類、増粘多糖類以外の糖質、塩類、卵加工品、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、調味料、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、ウイスキー・ウォッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、乳製品を酵素処理した呈味剤、香辛料、着色成分、香料(フレーバー)等の食品素材や食品添加物が挙げられる。乳としては、例えば、牛乳等が挙げられる。乳製品としては、脱脂乳、クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等が挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白等の植物蛋白等が挙げられる。増粘多糖類としては、キサンタンガム、ジェランガム、カラヤガム、アラビアガム、タマリンド種子ガム、タラガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、グァーガム、カラギーナン、ペクチン、トラガントガム、結晶性セルロース、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、アルギン酸ナトリウム、SSHC(水溶性大豆多糖類)、ガティガム、サイリウムシード、カシヤガム、カードラン、寒天、ゼラチン、セルロースエーテル等が挙げられる。増粘多糖類以外の糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース等)、オリゴ糖、糖アルコール、イヌリン(アガベイヌリン等)等の多糖類等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。香辛料としては、例えば、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等の成分を含むものが挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
パンとして、食材と組み合わせるようなもの(例えば、サンドイッチのような食材を挟むもの等)は、食材の種類によってはパンの水分を奪うことがあるため、得られるパンはチルド温度域における保管によりパサツキ感が生じやすく、シトリ感が損なわれやすい。パンの水分を奪う食材としては、例えば、餡子、ピーナッツクリーム、ジャム類(イチゴ、ブルーベリー、リンゴ等)が挙げられる。また、食材の種類によっては、食材の水分がパンへ移行しやすく、得られるパンはチルド温度域における保管により、ふわふわ感、歯切れ感(特に、歯切れ感)が損なわれやすい。パンに水分が移行しやすい食材としては、例えば、野菜類、卵(フィリング)等が挙げられる。また、食材と組み合わせるパンは、食材を挟むためにカット工程を要し、カットの際にパン屑が発生してしまうという問題があり、加工耐性のあるものが求められる。特に、サンドイッチのような、1センチ程度と薄くスライスされるものは、パン屑が多く、また、パンの乾きが速いため、チルド温度域における保管により一層シトリ感が低下しやすい。このような問題に対し、本発明の可塑性油脂組成物によると、上述のとおり、焼成品に優れたシトリ感を付与できるため、パンの水分を奪われてもパサツキ感が生じにくく、また、パンへ水分が移行してもふわふわ感、歯切れ感が低下しにくく、チルド保管においても同様に食感が低下しにくく、カットの際のパン屑を防止しやすいため、食材と組み合わせるパン(以下、本明細書において、「食材配合パン」という。)の製造用として用いることが好ましい。食材配合パンとしては、例えば、サンドイッチ、ドックパン、バンズ、バターロール、デニッシュ、デニッシュサンド、クロワッサン等が挙げられる。
また、本発明の可塑性油脂組成物を添加した製菓製パン生地は、冷凍生地として冷凍保存されてもよく、焼成する他、電子レンジ調理、蒸す、揚げるなどの調理をすることにより、後述の食品を得ることができる。
<可塑性油脂組成物の製造方法>
本発明の可塑性油脂組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、水相を含有する形態のもの(マーガリン類等)は、本発明の油脂組成物を含む油相と水相とを、適宜に加熱し混合して乳化した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。水相を含有しない形態のもの(ショートニング等)は、本発明の油脂組成物を含む油相を加熱した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。また、必要に応じて、冷却混合機において窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込んだり、急冷捏和後に熟成(テンパリング)して、得ることができる。
本発明の可塑性油脂組成物は、水相を含有する場合は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、水相、油相、乳化後のいずれにも添加できるが、油相に添加することが好ましい。また、他の任意成分も、水相、油相、乳化後のいずれにも添加できるが、油相に添加し分散することが、生地への分散性が向上し、焼成品のシトリ及びダマになりにくさが一層向上するので好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物の製造に用いられる油脂としては、特に限定されないが、パーム系油脂、ラウリン系油脂、豚脂(ラード)、牛脂、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、コーン油、イリッペ脂、マンゴー脂、サル脂、シア脂、カカオ脂、乳脂、それらの分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。なお、ラウリン系油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上の油脂であり、例えば、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、パーム系油脂は、全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量が35質量%以上の油脂であり、例えば、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油などが挙げられる。油脂全体におけるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の含有量及び飽和脂肪酸の含有量などを適宜調整するために、これらの油脂は、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。硬化油としては、部分硬化油、極度硬化油が挙げられるが、上述したトランス脂肪酸をほとんど含んでいないことから、極度硬化油を使用することが好ましい。
以下に、本発明の可塑性油脂組成物の製造に用いる油脂について、より具体的な例示を示す。本発明の油脂は、例えば、以下のA油脂、B油脂及びC油脂を組み合わせることで調製することができる。
(A油脂)
本明細書において、「A油脂」とは、トリ飽和量が20〜50質量%でありヨウ素価が20〜50である油脂のことを指す。このようなA油脂としては、特に限定されないが、例えば、上記で述べたパーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油脂等の植物油脂や乳脂等の動物油脂を挙げることができ、1種以上組合せて使用することもできる。中でも、パーム分別硬質油、パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂を用いると、結晶核となり、その結果、他の油脂の結晶を誘発し結晶量が確保され、焼成品に弾力性を付与できる。なお、本明細書において、油脂の「トリ飽和量」とは、その油脂全体の質量に対する、その油脂に含まれるトリ飽和脂肪酸グリセリドの質量を指し、例えば、上記A油脂の「トリ飽和量」は、A油脂全体の質量に対する、A油脂に含まれるトリ飽和脂肪酸グリセリドの質量を意味する。
(B油脂)
本明細書において、「B油脂」とは、トリ飽和量が2〜20質量%未満である油脂のことを指す。(但し「B油脂」としては、前述の「A油脂」及び後述の「C油脂」は包含しない。)このようなB油脂としては、特に限定されないが、例えば、A油脂、C油脂以外の植物油脂、動物油脂(豚脂(ラード)、牛脂等)、これらの分別油、硬化油、エステル交換油脂が挙げられる。中でも、A油脂との相溶性を考慮すると、パーム系油脂であるパーム油、パーム分別軟質部、パーム分別軟質部のエステル交換油脂、豚脂等を組み合わせて用いることが好ましい。
(C油脂)
本明細書において、「C油脂」とは、トリ飽和量が2%未満である油脂、又はトリ飽和量が50質量%超である油脂のことを指す。
トリ飽和量が2%未満である油脂としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
トリ飽和量が50質量%超である油脂としては、特に限定されないが、植物油脂又は動物油脂又はこれらの硬化油(部分水素添加油又は極度硬化油)や分別油の硬質油、これらを含む油脂を原料とするエステル交換油脂等が挙げられる。これらの中でも、植物油脂又は動物油脂の極度硬化油、あるいはこれを含む油脂を原料とするエステル交換油脂を用いることが好ましい。植物油脂としては、例えば、ヤシ油やパーム核油が挙げられ、植物油脂の極度硬化油としては、例えば、ヤシ極度硬化油、パーム極度硬化油、パーム核極度硬化油、菜種極度硬化油、大豆極度硬化油等とそれらのエステル交換油脂等が挙げられる。動物油脂の極度硬化油としては、例えば、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油、魚油極度硬化油等とそれらのエステル交換油脂等が挙げられる。焼成品の口溶けが良好となる観点からは、融点が50℃以上の極度硬化油を用いる場合は、油脂全量に対し、5質量%以下とすることが好ましい。
以上で述べたA油脂、B油脂の配合割合は、A油脂は、全油脂に対して0〜70質量%で配合することが好ましく、B油脂は、全油脂に対して45〜100質量%で配合することが好ましく、C油脂は、全油脂に対して0〜52質量%で配合することが好ましい。
<可塑性油脂組成物が添加された食品>
本発明は、上記可塑性油脂組成物が添加された食品を包含する。
本発明の食品は、特に限定されないが、焼成品であることが好ましい。焼成品は、特に限定されないが、例えば、菓子(例えば、パイ、ケーキ(パウンドケーキ等)、クッキー、ビスケット、クラッカー、ワッフル、スコーン、シュー、ドーナツ等)、パン(食パン、菓子パン、クロワッサン、デニッシュ、パイ、バンズ、ベーグル、ロールパン、コッペパン等)等が挙げられる。本発明は、上記可塑性油脂組成物が添加されることから、チルド温度域で保管される菓子又はパンであることが好ましい。また、本発明の食品がパンである場合、パンにおいては、特に、カット時にパン屑が生じやすく、チルド温度域の保管によりパサツキ感が生じ、シトリ感が損なわれやすい。しかし、本発明の可塑性油脂組成物が添加されることで、カットの際にパン屑を防止しやすく、また、焼成品に優れたシトリ感を付与できる。このことから、本発明の食品は、パンであることが好ましい。特に、本発明の食品は、食材の重みでパンが潰れることを抑制でき、また、加工耐性を付与することができることから、食材配合パンであることが好ましい。食材配合パンとしては、例えば、サンドイッチ、デニッシュサンド、ドックパン、バンズ、バターロール等が挙げられる。特にサンドイッチのような食材配合パンは、薄いにもかかわらず、カットの際にパン屑を防止しやすく、また、チルド温度域における保管時においてもシトリ感を付与できることから、本発明の食品は、チルド温度域で保管される食材配合パンであることが好ましい。
<可塑性油脂組成物及び食パンの製造>
(エステル交換油脂の製造)
[エステル交換油脂 ※1](A油脂−1)
パーム油57.5質量%、パーム核油20質量%、パーム極度硬化油15質量%、パーム核極度硬化油7.5質量%を混合し、触媒としてナトリウムメチラート添加し、減圧下で、エステル交換反応した。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色しエステル交換油脂を得た。エステル交換油脂のヨウ素価は35、トリ飽和量は31.0質量%であった。
[エステル交換油脂 ※2](A油脂−2)
パーム油70質量%、パーム核油15質量%、パーム極度硬化油7.5質量%、パーム核極度硬化油7.5質量%を混合し、触媒としてナトリウムメチラート添加し、減圧下で、エステル交換反応した。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色しエステル交換油脂を得た。エステル交換油脂のヨウ素価は40、トリ飽和量は24.3質量%であった。
[パーム分別軟質部エステル交換油脂 ※3](B油脂−1)
パーム分別軟質油(パームオレイン)(ヨウ素価56)に触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭しエステル交換油脂を得た。パーム分別軟質部エステル交換油脂のヨウ素価は56、トリ飽和量は9.1質量%であった。
[パーム油エステル交換油脂 ※4](B油脂−2)
パーム油(ヨウ素価53)に触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭しエステル交換油脂を得た。パーム油エステル交換油脂のヨウ素価は53、トリ飽和量は13.7質量%であった。
(練り込み用マーガリンの製造)
後述する表1、2、5、6に示す油脂配合で75℃の調温し、油相を作製した。一方、水16部に脱脂粉乳1.5部添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、上記で得た油相82.5部に水相17.5部を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和して、可塑性油脂組成物である、実施例1〜20、実施例41〜60、比較例1〜7、比較例15〜21に係るマーガリンを製造した。これらのマーガリンのうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを添加したものについては、表1、2、5、6の配合割合になるように油脂を混合した後にヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを油脂に添加してから、調温を行った。ただし、比較例2、比較例16については、後述のとおり、焼成品の生地にヒドロキシプロピルメチルセルロース添加しているため、マーガリンにヒドロキシプロピルメチルセルロースは含まれていない。酵素(αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホスホリパーゼA2、ヘミセルラーゼ)を配合したものについては、表1、2、5、6の配合割合になるように油脂を混合した後に酵素を油脂に添加してから、調温を行った。乳化剤(モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)を添加したものについては、油相を作製する際に、表1、2、5、6の配合割合になるように油相に乳化剤を添加してから、調温を行った。増粘多糖類(キサンタンガム、グァーガム、アラビアガム)を添加したものについては、調温後、表1、2、5、6に示すとおりに増粘多糖類を油相に分散させた。なお、パーム分別硬質油はヨウ素価34であり、トリ飽和量が25.8質量%である油脂を用い、パーム分別軟質油はヨウ素価56の油脂を用いた。
(ショートニングの製造)
後述する表3、4に示す油脂配合で調合した油脂に、表3、4に示す量となるように、それぞれの成分を必要に応じて配合し、75℃に調温した後にパーフェクターによって急冷捏和して、可塑性油脂組成物である実施例21〜40、比較例8〜14に係るショートニングを製造した。具体的には、乳化剤(モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)を油脂に添加したものについては、油脂に乳化剤を添加して混合してから75℃に調温した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを油脂に添加したものについては、油脂にヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを添加して混合してから75℃に調温した。酵素(αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホスホリパーゼA2、ヘミセルラーゼ)を添加したものについては、油脂に酵素を添加して混合してから75℃に調温した。増粘多糖類(キサンタンガム、グァーガム、アラビアガム)を油相に添加したものついては、75℃に調温した後に増粘多糖類を油相に分散させ、パーフェクターによって急冷捏和した。なお、比較例9については、後述のとおり、焼成品の生地にヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加しているため、ショートニングにヒドロキシプロピルメチルセルロースは含まれていない。
(ロールイン用マーガリンの製造)
後述する表7、8に示す油脂配合で75℃の調温をし、油相を作製した。一方、水14部に脱脂粉乳2.0部、食塩1.0部を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、上記で得た油相83部に水相17部を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、コンビネーターによって急冷捏和して、25cm×21cm×1cmのシート状に成型して、可塑性油脂組成物である実施例61〜80、比較例22〜28に係るロールイン用マーガリンを製造した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを配合したマーガリンについては、表7、8の配合割合になるように油脂を混合した後にヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを油脂に添加してから、調温を行った。ただし、比較例23については、後述のとおり、焼成品の生地にヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加しているため、マーガリンにヒドロキシプロピルメチルセルロースは含まれていない。酵素(αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホスホリパーゼA2、ヘミセルラーゼ)を配合したものについては、表7、8の配合割合になるように油脂を混合した後に酵素を油脂に添加してから、調温を行った。乳化剤(モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)を添加したものについては、油相を作製する際に、表7、8の配合割合になるように油相に乳化剤を添加してから、調温を行った。増粘多糖類(キサンタンガム、グァーガム、アラビアガム)を添加したものについては、調温後、表7、8に示すとおりに増粘多糖類を油相に分散させた。なお、パーム分別硬質油はヨウ素価34であり、トリ飽和量が25.8質量%である油脂を用い、パーム分別軟質油はヨウ素価56の油脂を用いた。
上記実施例及び比較例の油脂組成物の作製に用いたヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメチルセルロースを以下に示す。配合割合は、後述する表1〜8に記載されたとおりである。なお、下記括弧内に示す粘度(単位:mPa・s)は20℃における2%水溶液の粘度である。
メトローズNE−100(63.3mPa・s、信越化学工業株式会社製、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
メトセルK−99(58.0mPa・s、ダウ・ケミカル社製、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
メトローズNE−4000(726mPa・s、信越化学工業株式会社製、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
メトローズMCE−4000(信越化学工業株式会社製、メチルセルロース)
(乳化剤)
上記実施例の油脂組成物の作製に用いた乳化剤を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜8に記載されたとおりである。
モノグリセリン脂肪酸エステル(エマルジーMS、理研ビタミン株式会社製)
グリセリンコハク酸脂肪酸エステル(ポエムB−10、理研ビタミン株式会社製)
ソルビタン脂肪酸エステル(ポエムS−320YN、理研ビタミン株式会社製)
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(SY グリスターCR−500、重合度6、阪本薬品工業株式会社製)
なお、上記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの重合度は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのグリセリンの重合度における最も多い重合度を示している。
(増粘多糖類)
上記実施例の油脂組成物の作製に用いた増粘多糖類を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜8に記載されたとおりである。
キサンタンガム(SATIAXANE CX915、ユニテックフーズ株式会社製)
グァーガム(VIDOCREM A、ユニテックフーズ株式会社製)
アラビアガム(ティカシアガム、TIC GUMS社製)
(酵素)
上記実施例及び比較例の可塑性油脂組成物の作製に用いた酵素を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜8に記載されたとおりである。
αアミラーゼ(ノバミル10000BG、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社製)
グルコースオキシダーゼ(ハイデラーゼ15、天野エンザイム株式会社製)
ホスホリパーゼA2(デナベイクRICH、長瀬産業株式会社製)
ヘミセルラーゼ(アマノ90、天野エンザイム株式会社製)
(食パンの製造)
上記で得た実施例1〜20及び比較例1〜7に係る練り込み用マーガリンを用いて、下記配合で食パンを製造した。まず、イーストを分散させた水、イーストフード、及び強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速4分、中低速1分でミキシングを行った。捏上げ温度は24℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で4時間発酵を行った。発酵の終点温度は29℃であり、発酵後、中種生地を得た。その後、上記で製造したマーガリン以外の材料及び中種生地を、低速3分、中高速3分でミキシングした後、上記で製造したマーガリンを投入し、さらに低速3分、中低速4分でミキシングしパン生地を得た。捏上温度は28℃であった。比較例2については、ミキシング前に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを表2の割合となるように配合した。その後、室温で20分フロアタイムをとった後、パン生地を成型して3斤用の焼成型に入れ、38℃、湿度80%のホイロで45分発酵させた後、200℃で40分間焼成して、実施例1〜20及び比較例1〜7に係る食パンを製造した。焼成したパンを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べた食パンの配合を下記に示す。
[食パン配合]
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 2.5質量部
イーストフード 0.1質量部
水 40質量部
・本捏配合
強力粉 30質量部
上白糖 6質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
練り込み用マーガリン 5質量部
水 25質量部
(サンドイッチの製造)
上記で得た食パン(後述する表1、2に記載された実施例、比較例の食パン)を室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、片面ずつマヨネーズを薄く塗り、ハムとレタスを挟んだ。パンの耳を切り落とした後、半分に切断し、サンドイッチを作製した。作製したサンドイッチを、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。
(包あん機によるあんパンの製造)
上記で得た実施例1、4、11、12に係る練り込み用マーガリンを用いて、下記配合であんパンを製造した。まず、イーストを分散させた水、イーストフード、及び強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速3分、中低速2分でミキシングを行った。捏上げ温度は28℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で2時間15分発酵を行い、中種生地を得た。その後、上記で製造したマーガリン以外の材料及び中種生地を、低速3分、低中速2分、中高速3分でミキシングした後、上記で製造したマーガリンを投入し、さらに低速3分、中低速2分、中高速4分でミキシングしパン生地を得た。捏上温度は28℃であった。その後、27℃ 湿度75%の条件で1時間発酵を行い、パンチングマシーンによりパンチを60秒行った後、包あん機(CN511、レオン自動機株式会社製)にて、パン生地23gに、あんを23g包み込んで成型し、38℃、湿度75%のホイロで50分発酵させた後、200℃で9分間焼成して、あんパンを得た。焼成したあんパンを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、後述する評価に用いた。その結果、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感すべてにおいて良好な評価であった。また、得られたあんパンの形状(高さ及び比容積)、包あん機で成型したパン生地の機械耐性(アレがなく、なめらか)も良好であった。
[あんパン配合]
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 3.5質量部
イーストフード 0.5質量部
上白糖 4質量部
ドウマスターFR(理研ビタミン株式会社製) 2.5質量部
ソフィカルスーパー(理研ビタミン株式会社製)1.2質量部
卵 8質量部
水 34質量部
・本捏配合
強力粉 30質量部
上白糖 28質量部
食塩 0.6質量部
脱脂粉乳 2質量部
練り込み用マーガリン 8質量部
水 14質量部
(バンズの製造)
上記で得た実施例21〜40及び比較例8〜14に係るショートニングを用いて、下記配合でバンズを製造した。まず、イーストを分散させた水、イーストフード、及び強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速3分、中低速2分でミキシングを行った。捏上げ温度は25℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で4時間発酵を行い、中種生地を得た。その後、下記の本捏配合の材料及び中種生地を、低速4分、中低速10分でミキシングし、パン生地を得た。捏上温度は28℃であった。比較例9については、ミキシング前に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを表4の割合となるように配合した。その後、ミンチ機でフギリ後、パン生地を60gずつ分割し、丸くのして、バンズ用焼成型に入れ、38℃、湿度80%のホイロで50分発酵させた後、200℃で8〜10分間焼成して、実施例21〜40及び比較例8〜14に係るバンズを製造した。焼成したバンズを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、袋中で5℃で2日保管後、後述する各評価に用いた。
[バンズ配合]
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 2.5質量部
イーストフード 0.1質量部
エマルジーMM100(理研ビタミン株式会社製) 0.3質量部
水 40質量部
・本捏配合
強力粉 30質量部
液糖 17質量部
食塩 1.8質量部
酢 1.5質量部
イースト 0.5質量部
ショートニング 3質量部
水 12質量部
(ハンバーガーの製造)
上記で得たバンズを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、半分にカットし、トースターで1分30秒加熱後、カット面にマヨネーズを薄く塗り、ハンバーグを挟み、ハンバーガーを作製した。作製したハンバーガーを、さらに袋中で20℃で2時間保管後、後述する評価に用いた。
(パウンドケーキの製造)
上記で得た実施例41〜60及び比較例15〜21の練り込み用マーガリンを用いて、下記配合でパウンドケーキを得た。練り込み用マーガリンと上白糖をすり合わせホイップし、比重を0.75とした。その後、全卵を徐々に加え合わせ、最後に薄力粉とベーキングパウダーを加え合わせ、最終比重を0.8〜0.85となるようミキシングし、生地を得た。比較例16については、ホイップ前に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを表6の割合となるように配合した。この生地をパウンド型に流し込み、165℃で35分間焼成して、実施例41〜60及び比較例15〜21に係るパウンドケーキを製造した。焼成したパウンドケーキを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べたパウンドケーキの配合を下記に示す。
[パウンドケーキ配合]
薄力粉 100質量部
上白糖 100質量部
練り込み用マーガリン 100質量部
全卵 100質量部
ベーキングパウダー 2質量部
(デニッシュの製造)
上記で得た実施例61〜80及び比較例22〜28に係るロールイン用マーガリンを用いて、下記配合でデニッシュを製造した。具体的には実施例及び比較例のロールイン用マーガリン及びショートニングZ(ミヨシ油脂株式会社製)以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中低速5分ミキシングを行った後、ショートニングZを入れ低速2分、中低速4分ミキシングを行い、生地を得た。比較例23については、ミキシング前に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを表8の割合となるように配合した。この生地を、室温で30分、フロアタイムをとった後、0℃で一晩リタードさせた。この生地にロールイン用マーガリンを折り込み、3つ折り2回を加え−10℃にて30分リタードし、3つ折り1回を加え−10℃にて60分リタードさせた。その後シーターゲージ厚3mmまで延ばし、10cm角(10cm×10cm)にカットし、35℃、湿度75%のホイロで60分発酵させた後、200℃で14分焼成して、実施例61〜80及び比較例22〜28に係るデニッシュを製造した。焼成したデニッシュを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、袋中で5℃で2日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べたデニッシュの配合を下記に示す。
[デニッシュの配合]
強力粉 90質量部
薄力粉 10質量部
上白糖 10質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 3質量部
全卵 6質量部
ショートニングZ 8質量部
イースト 5質量部
イーストフード 0.1質量部
水 53質量部
ロールイン用マーガリン 生地100質量部に対して21質量部
(デニッシュサンドの作製)
上記で得たデニッシュを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、半分にカットし、片面ずつマヨネーズを薄く塗り、ハムとレタスを挟み、デニッシュサンドを作製した。作製したデニッシュサンドを、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。
<評価>
上記条件で保管した食パン、サンドイッチ、バンズ、あんパン、ハンバーガー、パウンドケーキ、デニッシュ及びデニッシュサンドに関して、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感について、パネル12名で以下の基準により評価を行った。パネルは、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性5名、女性7名を選抜した。
(焼成品のふわふわ感)
食パン、サンドイッチ、バンズ、あんパン、パウンドケーキ、デニッシュ、デニッシュサンドを喫食し、口中でのふわふわ感を上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、ふわふわ感が良好であると評価
◎:12名中8〜10名が、ふわふわ感が良好であると評価
○:12名中6〜7名が、ふわふわ感が良好であると評価
△:12名中3〜5名が、ふわふわ感が良好であると評価
×:12名中2名以下が、ふわふわ感が良好であると評価
(焼成品の口溶け感)
食パン、サンドイッチ、バンズ、あんパン、パウンドケーキ、デニッシュ、デニッシュサンドを喫食し、口溶け感を上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、口溶け感が良好であると評価
◎:12名中8〜10名が、口溶け感が良好であると評価
○:12名中6〜7名が、口溶け感が良好であると評価
△:12名中3〜5名が、口溶け感が良好であると評価
×:12名中2名以下が、口溶け感が良好であると評価
(焼成品の歯切れ感)
食パン、サンドイッチ、バンズ、あんパン、パウンドケーキ、デニッシュ、デニッシュサンドを喫食し、口中での歯切れ感を上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、歯切れ感が良好であると評価
◎:12名中8〜10名が、歯切れ感が良好であると評価
○:12名中6〜7名が、歯切れ感が良好であると評価
△:12名中3〜5名が、歯切れ感が良好であると評価
×:12名中2名以下が、歯切れ感が良好であると評価
(焼成品のシトリ感)
食パン、サンドイッチ、バンズ、あんパン、パウンドケーキ、デニッシュ、デニッシュサンドを喫食し、口中でのシトリ感を上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、シトリ感が良好であると評価
◎:12名中8〜10名が、シトリ感が良好であると評価
○:12名中6〜7名が、シトリ感が良好であると評価
△:12名中3〜5名が、シトリ感が良好であると評価
×:12名中2名以下が、シトリ感が良好であると評価
(加熱放冷後のハンバーガーのふわふわ感)
ハンバーガーを喫食し、口中でのハンバーガーのふわふわ感を上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、ふわふわ感が良好であると評価
◎:12名中8〜10名が、ふわふわ感が良好であると評価
○:12名中6〜7名が、ふわふわ感が良好であると評価
△:12名中3〜5名が、ふわふわ感が良好であると評価
×:12名中2名以下が、ふわふわ感が良好であると評価
(サンドイッチ、デニッシュサンドの食材(レタス)のシャキシャキ感)
サンドイッチ又はデニッシュサンドを喫食し、口中での食材(レタス)部分のシャキシャキ感を上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、シャキシャキ感が良好であると評価
◎:12名中8〜10名が、シャキシャキ感が良好であると評価
○:12名中6〜7名が、シャキシャキ感が良好であると評価
△:12名中3〜5名が、シャキシャキ感が良好であると評価
×:12名中2名以下が、シャキシャキ感が良好であると評価
(サンドイッチ、ハンバーガー、デニッシュサンドの食べ易さ)
サンドイッチ、ハンバーガー又はデニッシュサンドを喫食し、口中での食べ易さを上記パネルにて以下の基準で評価した。
◎◎:12名中11名以上が、食材との一体感があり食べ易いと評価
◎:12名中8〜10名が、食材との一体感があり食べ易いと評価
○:12名中6〜7名が、食材との一体感があり食べ易いと評価
△:12名中3〜5名が、食材との一体感があり食べ易いと評価
×:12名中2名以下が、食材との一体感があり食べ易いと評価
<評価結果>
実施例1〜20及び比較例1〜7に係るマーガリンの組成並びに実施例1〜20及び比較例1〜7に係る食パン、サンドイッチについての評価結果を、下記の表1、2に示す。実施例21〜40及び比較例8〜14に係るショートニングの組成並びに実施例21〜40及び比較例8〜14に係るバンズ、ハンバーガーについての評価結果を、下記の表3、4に示す。実施例41〜60及び比較例15〜21に係るマーガリンの組成並びに実施例41〜60及び比較例15〜21に係るパウンドケーキについての評価結果を、下記の表5、6に示す。実施例61〜80及び比較例22〜28に係るマーガリンの組成並びに実施例61〜80及び比較例22〜28に係るデニッシュ、デニッシュサンドについての評価結果を、下記の表7、8に示す。なお、表1〜8中、「油脂配合」のそれぞれの欄の数値は、それぞれの配合された油脂の、油脂全体の質量に対する配合量(質量%)を意味する。表1〜8中の「飽和酸量」の欄の数値は、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対する、飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量(質量%)を意味する。表1〜8中の「2位オレイン酸量」の欄の数値は、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対する、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量の割合(質量%)を意味する。表1〜8中の「トリ飽和酸量」の欄の数値は、SSS型トリグリセリド(トリ飽和脂肪酸グリセリド)の油脂全体の質量に対する質量を意味する。表1〜8中の「セルロースエーテル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロース)」、「乳化剤」「増粘多糖類」、「酵素」の欄のそれぞれの数値は、それぞれの成分の、油脂組成物全体の質量に対する含有量(質量%)を意味する。表1〜8中の「虐待試験」とは、5℃で1日又は2日保管後における試験を意味する。
Figure 2018068128
Figure 2018068128
Figure 2018068128
Figure 2018068128
Figure 2018068128
Figure 2018068128
Figure 2018068128
Figure 2018068128
表1〜8に示すように、実施例1〜80に係る可塑性油脂組成物(マーガリン又はショートニング)が添加された食パン、サンドイッチ、バンズ、ハンバーガー、パウンドケーキ、デニッシュ、デニッシュサンドは、5℃保管時におけるふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感の評価が高かった。これに対し、比較例1〜28に係る可塑性油脂組成物(マーガリン又はショートニング)が添加された食パン、サンドイッチ、バンズ、ハンバーガー、パウンドケーキ、デニッシュ、デニッシュサンドには、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感の評価は全て低かった。実施例1〜80に係る可塑性油脂組成物は、全て、2位オレイン酸量が28質量%以上58質量%以下であり、飽和酸量が28質量%以上60質量%以下であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有するものである。これに対し、比較例1〜28に係る可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が28質量%以上58質量%以下であること、飽和酸量が28質量%以上60質量%以下であること、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することの全ての条件を満たすものでない。より具体的には、比較例1、8、15、22に係る可塑性油脂組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含まないものである。比較例3、10、17、24に係る可塑性油脂組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの代わりにメチルセルロースを含むものである。比較例4、11、18、25に係る可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が58質量%超である。比較例5、12、19、26に係る可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が28質量%未満である。比較例6、13、20、27に係る可塑性油脂組成物は、飽和酸量が28質量%未満である。比較例7、14、21、28に係る可塑性油脂組成物は、飽和酸量が60質量%超である。これらの結果より、可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が28質量%以上58質量%以下であること、飽和酸量が28質量%以上60質量%以下であること、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することにより、チルド温度域での保管時においても、焼成品に優れたふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感(特に、ふわふわ感及びシトリ感)を付与できることがわかった。また、比較例2、9、16、23は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むにもかかわらず、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感の評価が低かった。実施例1〜80は、油脂中にヒドロキシプロピルメチルセルロースが添加されたのに対し、比較例2、9、16、23は、生地に直接ヒドロキシプロピルメチルセルロースが添加されたものである。この結果により、焼成品のふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が向上するためには、可塑性油脂組成物中にヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むことが重要であり、生地に添加しても焼成品のふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感が向上しないことが示された。また、実施例1〜20に係るサンドイッチ、実施例61〜80に係るデニッシュサンドは、食材のシャキシャキ感の評価も高いことがわかった。また、実施例21〜40に係るハンバーガーは、加熱放冷後のハンバーガーのふわふわ感の評価も高いことがわかった。また、実施例1〜20に係るサンドイッチ、実施例21〜40に係るハンバーガー、実施例61〜80に係るデニッシュサンドは、食材との一体感があり食べ易いことが分かった。これは、それぞれの可塑性油脂組成物において、2位オレイン酸量が28質量%以上58質量%以下であり、飽和酸量が28質量%以上60質量%以下であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することにより、それらを添加した焼成品は適度な弾力を有し、口中での歯切れ感、食べ残り感(口溶け感)が食材と同じタイミングになったために、食材との一体感を感じて食べ易くなったものと考えられる。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル及び増粘多糖類を含む実施例11、31、51、71に係る可塑性油脂組成物と、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、増粘多糖類を含まない実施例2、22、42、62に係る可塑性油脂組成物と、実施例11、31、51、71の方が虐待試験による口溶け感、歯切れ感の評価が(実施例11、71についてはシャキシャキ感の評価も)高かった。この結果より、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルや増粘多糖類により、さらに、チルド温度域での保管時における焼成品の口溶け感、歯切れ感、シャキシャキ感が向上することがわかった。
αアミラーゼ、グルコオキシダーゼ、又はホスホリパーゼA2を含む実施例12、13、14、32、33、34、52、53、54、72、73、74に係る可塑性油脂組成物は、αアミラーゼ、グルコオキシダーゼ及びホスホリパーゼAを含まない以外はこれら実施例と同様の構成である実施例11、31、51、71に係る可塑性油脂組成物より、虐待試験によるふわふわ感、シトリ感の評価が(実施例32、33、34については加熱放冷後のハンバーガーのふわふわ感の評価も)高かった。この結果より、αアミラーゼ、グルコオキシダーゼ、又はホスホリパーゼA2により、さらに、チルド温度域での保管時における焼成品のふわふわ感、シトリ感、及び加熱放冷後のハンバーガーのふわふわ感が向上することがわかった。また、ヘミセルラーゼを含む実施例20、40、60、80に係る可塑性油脂組成物は、ヘミセルラーゼを含まない以外はこれら実施例と同様の構成である実施例19、39、59、79に係る可塑性油脂組成物より、ふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感の評価が(実施例20、80については食材のシャキシャキ感の評価も、実施例40については加熱放冷後のハンバーガーのふわふわ感の評価も)高かった。この結果より、ヘミセルラーゼにより、さらに、チルド温度域での保管時における焼成品のふわふわ感、口溶け感、歯切れ感、シトリ感、食材のシャキシャキ感及び加熱放冷後の焼成品のふわふわ感が向上することがわかった。

Claims (11)

  1. 可塑性油脂組成物であって、
    該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して28質量%以上58質量%以下であり、
    油脂の全構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量が、油脂の全構成脂肪酸の質量に対して、28質量%以上60質量%以下であり、
    ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する、可塑性油脂組成物。
  2. 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、組成物全体の質量に対して0.001〜5質量%である、請求項1に記載の可塑性油脂組成物。
  3. さらに、増粘多糖類を含有する、請求項1又は2に記載の可塑性油脂組成物。
  4. 前記増粘多糖類が、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、及びカラギーナンからなる群から選択される1種以上を含む、請求項3に記載の可塑性油脂組成物。
  5. さらに、モノグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  6. さらに、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  7. 製菓又は製パン練り込み用又はロールイン用である、請求項1から6のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  8. チルド温度域で保管される菓子又はパン製造用である、請求項7に記載の可塑性油脂組成物。
  9. 食材配合パン製造用である、請求項7又は8に記載の可塑性油脂組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の可塑性油脂組成物が添加された食品。
  11. チルド温度域で保管される菓子又はパンである、請求項10に記載の食品。
JP2016207951A 2016-10-24 2016-10-24 可塑性油脂組成物及び食品 Active JP6227088B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016207951A JP6227088B1 (ja) 2016-10-24 2016-10-24 可塑性油脂組成物及び食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016207951A JP6227088B1 (ja) 2016-10-24 2016-10-24 可塑性油脂組成物及び食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6227088B1 JP6227088B1 (ja) 2017-11-08
JP2018068128A true JP2018068128A (ja) 2018-05-10

Family

ID=60265831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016207951A Active JP6227088B1 (ja) 2016-10-24 2016-10-24 可塑性油脂組成物及び食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6227088B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020026996A1 (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 株式会社J-オイルミルズ スポンジケーキ用改良剤
JP2020048465A (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物及び糖分解酵素の活性低下抑制方法
EP4368025A1 (en) * 2022-11-14 2024-05-15 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing sponge cake with hydroxypropyl methylcellulose

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020039274A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 月島食品工業株式会社 可塑性油脂組成物およびこれを用いた食品

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10508497A (ja) * 1994-11-15 1998-08-25 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ 脂混合物の製造方法及び得られた脂混合物を含む可塑性のスプレッド
JP2003213289A (ja) * 2002-01-25 2003-07-30 Asahi Denka Kogyo Kk ロールイン用油脂組成物
JP2004129562A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Asahi Denka Kogyo Kk ベーカリー食品スプレッド用油脂組成物
JP2009045033A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Kaneka Corp 食用油脂の製造方法
JP2012075404A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Adeka Corp ベーカリー練り込み用油中水型乳化油脂組成物
JP2013066431A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Adeka Corp 可塑性油脂組成物
WO2015045922A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物、該油脂組成物が配合された小麦膨化食品、及び該油脂組成物の製造方法
JP2016131559A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 ミヨシ油脂株式会社 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10508497A (ja) * 1994-11-15 1998-08-25 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ 脂混合物の製造方法及び得られた脂混合物を含む可塑性のスプレッド
JP2003213289A (ja) * 2002-01-25 2003-07-30 Asahi Denka Kogyo Kk ロールイン用油脂組成物
JP2004129562A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Asahi Denka Kogyo Kk ベーカリー食品スプレッド用油脂組成物
JP2009045033A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Kaneka Corp 食用油脂の製造方法
JP2012075404A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Adeka Corp ベーカリー練り込み用油中水型乳化油脂組成物
JP2013066431A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Adeka Corp 可塑性油脂組成物
WO2015045922A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物、該油脂組成物が配合された小麦膨化食品、及び該油脂組成物の製造方法
JP2016131559A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 ミヨシ油脂株式会社 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"トリアシルグリセリンの位置における脂肪酸分布", 油脂化学便覧, vol. 改訂三版, JPN6017007295, 15 January 1992 (1992-01-15), JP, pages 16, ISSN: 0003578436 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020026996A1 (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 株式会社J-オイルミルズ スポンジケーキ用改良剤
JP7384804B2 (ja) 2018-08-03 2023-11-21 株式会社J-オイルミルズ スポンジケーキ用改良剤
JP2020048465A (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物及び糖分解酵素の活性低下抑制方法
JP7289622B2 (ja) 2018-09-26 2023-06-12 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物及び糖分解酵素の活性低下抑制方法
EP4368025A1 (en) * 2022-11-14 2024-05-15 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing sponge cake with hydroxypropyl methylcellulose

Also Published As

Publication number Publication date
JP6227088B1 (ja) 2017-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6588706B2 (ja) 油中水型乳化油脂組成物とそれを用いたマーガリン類及びベーカリー製品
JP6227088B1 (ja) 可塑性油脂組成物及び食品
JP6514559B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品
JP6429642B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品
JP5214536B2 (ja) フラワーペースト類
JP6588823B2 (ja) 油中水型乳化油脂組成物とその製造方法
JP6914627B2 (ja) 可塑性油脂組成物、食品、焼成品の食感を向上させる方法、及び焼成品の保存安定性を向上させる方法
JP6763748B2 (ja) 油脂組成物とそれを用いた食品
JP7195364B2 (ja) 可塑性油脂組成物、食品、食感向上剤、保存安定性向上剤及び方法
JP7174737B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品
JP2010075138A (ja) パン生地
JP6931275B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び焼成品
JP4812511B2 (ja) フラワーペースト類
JP2015073474A (ja) ベーカリー上掛け用バッター生地
JP2018113910A (ja) 層状食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法
JP2013085483A (ja) パン生地
JP6316604B2 (ja) ベーカリー製品の製造方法
JP5460433B2 (ja) フラワーペースト類
JP6850105B2 (ja) 練り込み用可塑性油脂組成物及び食品
JP6817710B2 (ja) 製パン用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂およびパンの製造方法
JP2018113909A (ja) 練り込み用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および焼成品の製造方法
JP2013215163A (ja) パン生地及びパン類
JP6914754B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び食品
JP2008253160A (ja) フラワーペースト類
JP2012217432A (ja) ベーカリー用上掛け生地

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171010

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6227088

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250