JP2005210978A - アンチエイジング用油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンチエイジングし、寿命を延長する効果を有し、融点が高く配合しても分離のないエステル交換してなるアンチエイジング用油脂組成物を提供する。そのアンチエイジング用油脂組成物を用いた安定したマーガリンを提供する。
【解決手段】α−リノレン酸(n−3)を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸(n−3)とリノール酸(n−6)との重量比が1以上である油脂組成物であって、n−3/n−6の重量比が1以上である油脂20〜50重量%と動物油脂80〜50重量%とを配合しエステル交換してなるアンチエイジング用油脂組成物。また、前記のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリン。
【選択図】なし
【解決手段】α−リノレン酸(n−3)を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸(n−3)とリノール酸(n−6)との重量比が1以上である油脂組成物であって、n−3/n−6の重量比が1以上である油脂20〜50重量%と動物油脂80〜50重量%とを配合しエステル交換してなるアンチエイジング用油脂組成物。また、前記のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリン。
【選択図】なし
Description
本発明は、アンチエイジング用油脂組成物に関する。さらに詳しくは、α−リノレン酸を多量に含み、マーガリン等の配合に好適な効果を有し、アンチエイジングし寿命を延長させる油脂組成物に関する。
我が国は、高老齢化社会を迎えつつあり、老齢化対策が強く望まれているが、老齢化に伴う種々の疾病を予防し、健康維持に有効で、しかも長期に摂取しても安全な物質はほとんど発見されていない。ところで、現在の我が国の食環境におけるα−リノレン酸とリノール酸とのバランスを見てみると、このα−リノレン酸とリノール酸との比が極端に小さいベニハナ油、ヒマワリ油、コーン油、綿実油等が健康に良いとされ、食品として広く使用されているほか、病院補助食、栄養食品としても使用されている。そして、α−リノレン酸とリノール酸との比が小さい鳥獣肉類、卵製品、乳製品等の摂取が増えているのが現状である。
一方、本発明者等は、上記のような一般の趨性とは逆に、α−リノレン酸含量が多く、リノール酸含量の少ない、すなわちα−リノレン酸とリノール酸との比が大きい食餌をとることによって、血小板凝集が抑制され、高血圧状態のラットの血圧が低下すること(特開昭63−36744号公報:特許文献1)、腫瘍細胞の転移が抑制されること(特願昭63-154626号公報:特許文献2)、明度弁別型学習能が高く保たれること(Yamamotoら(1987)J.Lipid Res,28,144-151:非特許文献1)を、若齢ラットを実験動物として証明してきた。
また、特開昭64−3117号公報(特許文献3)において、本発明者等は、これらの事実に着目し、α−リノレン酸を多量に含み、リノール酸含量が比較的少ない植物種子油組成物が老齢時の健康増進作用を有する可能性を想定し、老齢の脳卒中易発生ラット(SHR-SP)およびドンリュウ系ラットを実験動物として鋭意研究した結果、α−リノレン酸を多量に含む植物種子油が、老齢時の脳卒中発作を抑制する効果、識別能低下を抑制する効果を有することを見い出し、開示してきた。
しかしながら、これらのα−リノレン酸を多く含む油脂は、いずれも融点が低く通常常温で液体である。そのためこれらの油脂組成物を配合する場合に。例えばマーガリン等の製造において、そのままでは液状でできない、或いは融点の高い油脂と配合する際に、長期保存中に相分離を引き起こし、油脂加工原料として使用するには、用途が限定される問題があった。
一方、本発明者等は、上記のような一般の趨性とは逆に、α−リノレン酸含量が多く、リノール酸含量の少ない、すなわちα−リノレン酸とリノール酸との比が大きい食餌をとることによって、血小板凝集が抑制され、高血圧状態のラットの血圧が低下すること(特開昭63−36744号公報:特許文献1)、腫瘍細胞の転移が抑制されること(特願昭63-154626号公報:特許文献2)、明度弁別型学習能が高く保たれること(Yamamotoら(1987)J.Lipid Res,28,144-151:非特許文献1)を、若齢ラットを実験動物として証明してきた。
また、特開昭64−3117号公報(特許文献3)において、本発明者等は、これらの事実に着目し、α−リノレン酸を多量に含み、リノール酸含量が比較的少ない植物種子油組成物が老齢時の健康増進作用を有する可能性を想定し、老齢の脳卒中易発生ラット(SHR-SP)およびドンリュウ系ラットを実験動物として鋭意研究した結果、α−リノレン酸を多量に含む植物種子油が、老齢時の脳卒中発作を抑制する効果、識別能低下を抑制する効果を有することを見い出し、開示してきた。
しかしながら、これらのα−リノレン酸を多く含む油脂は、いずれも融点が低く通常常温で液体である。そのためこれらの油脂組成物を配合する場合に。例えばマーガリン等の製造において、そのままでは液状でできない、或いは融点の高い油脂と配合する際に、長期保存中に相分離を引き起こし、油脂加工原料として使用するには、用途が限定される問題があった。
本発明の第1の目的は、エステル交換してなるアンチエイジング用油脂組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリンを提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリンを提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するために、鋭意検討をした結果、特定の油脂をエステル交換することにより、アンチエイジングし寿命延長効果を有するとともに、融点を変更でき、用途展開が広がることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、次の(1)〜(3)である。
(1)α−リノレン酸(n−3)を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸(n−3)とリノール酸(n−6)との重量比が1以上である油脂組成物であって、n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂20〜50重量%と融点30℃〜融点60℃の動物油脂80〜50重量%とを配合しエステル交換してなる融点25℃〜融点60℃のアンチエイジング用油脂組成物。
(2)n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂がシソ油であり融点30℃〜融点60℃の動物油脂が豚脂であり、できたエステル交換油の融点25℃〜融点45℃である前記(1)記載のアンチエイジング用油脂組成物。
(3)前記(1)または(2)記載のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリン。
(1)α−リノレン酸(n−3)を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸(n−3)とリノール酸(n−6)との重量比が1以上である油脂組成物であって、n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂20〜50重量%と融点30℃〜融点60℃の動物油脂80〜50重量%とを配合しエステル交換してなる融点25℃〜融点60℃のアンチエイジング用油脂組成物。
(2)n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂がシソ油であり融点30℃〜融点60℃の動物油脂が豚脂であり、できたエステル交換油の融点25℃〜融点45℃である前記(1)記載のアンチエイジング用油脂組成物。
(3)前記(1)または(2)記載のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリン。
本発明によれば、アンチエイジングし寿命延長効果を有するとともに、n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂の融点を高くしてマーガリン等に配合し、長期の安定性の優れたアンチエイジング用油脂組成物が提供される。
本発明のアンチエイジング用油脂組成物は、α−リノレン酸(n−3)を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸(n−3)とリノール酸(n−6)との重量比が1以上である油脂組成物であって、n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂20〜50重量%と融点30℃〜融点60℃の(動物)油脂80〜50重量%とを配合しエステル交換してなる融点25℃〜融点45℃であることを特徴としている。
本発明で用いるn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂としては、シソ目シソ科植物の種子、アマニ種子、エゴマの種子等の植物油脂が挙げられる。シソ油、アマニ油、エゴマ油は、シソ目シソ科植物の実、亜麻仁の種子、エゴマの種子からそれぞれ圧搾法あるいは有機溶媒抽出法などの公知の方法により得られる植物油である。シソ目シソ科植物としては、シソ、アオチリメンジソ、トラノオジソ、エゴマなどが用いられる。たとえばシソ実中には30%前後の油脂が含まれており、その脂肪酸組成については、α−リノレン酸、リノール酸が多量に含まれており、α−リノレン酸は60〜65重量%の量で、リノール酸は12〜15重量%の量で存在しており、残部はパルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸と、オレイン酸などのモノエン酸である。このようなシソ実中には、他の植物油とは比較にならないほど多量にα−リノレン酸が含まれている。より好ましくは、シソ油である。
本発明では、上記のようなシソ油のほかに、シソ油と他の植物油たとえば食用ナタネ油などとの混合油であって、しかもα−リノレン酸を20重量%以上で含み、α−リノレン酸とリノール酸との重量比が1以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上の油脂を用いることもできる。α−リノレン酸含量が50〜70重量%である市販のシソ油が使用できる。シソ油の融点としては、10℃以下、好ましくは、5℃〜−15℃程度である。
本発明で用いるn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂の融点は、10℃以下、好ましくは10℃〜−20℃程度、さらに好ましくは5〜−15℃である。
本発明に係る油脂組成物は、α−リノレン酸を多量に含んでおり、酸化をうけて変質しやすい。
このような変質は、油脂組成物中にα−トコフェロール(ビタミンE)などの抗酸化剤を添加することによって防止される。食用油脂組成物中にα−トコフェロールなどの抗酸化剤は、該油脂重量の0.1重量%以上の量で存在することが望ましい。
前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂のエステル交換反応に用いる配合量は、20〜50重量%である。好ましくは、配合量は、40〜50重量%である。
前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、20重量%より少ないとエステル交換油のα−リノレン酸含量が低くなり、本発明の寿命延長効果が得られない。前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、50重量%より多いとエステル交換油の融点が25℃以下になるので好ましくない。
本発明では、上記のようなシソ油のほかに、シソ油と他の植物油たとえば食用ナタネ油などとの混合油であって、しかもα−リノレン酸を20重量%以上で含み、α−リノレン酸とリノール酸との重量比が1以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上の油脂を用いることもできる。α−リノレン酸含量が50〜70重量%である市販のシソ油が使用できる。シソ油の融点としては、10℃以下、好ましくは、5℃〜−15℃程度である。
本発明で用いるn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂の融点は、10℃以下、好ましくは10℃〜−20℃程度、さらに好ましくは5〜−15℃である。
本発明に係る油脂組成物は、α−リノレン酸を多量に含んでおり、酸化をうけて変質しやすい。
このような変質は、油脂組成物中にα−トコフェロール(ビタミンE)などの抗酸化剤を添加することによって防止される。食用油脂組成物中にα−トコフェロールなどの抗酸化剤は、該油脂重量の0.1重量%以上の量で存在することが望ましい。
前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂のエステル交換反応に用いる配合量は、20〜50重量%である。好ましくは、配合量は、40〜50重量%である。
前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、20重量%より少ないとエステル交換油のα−リノレン酸含量が低くなり、本発明の寿命延長効果が得られない。前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、50重量%より多いとエステル交換油の融点が25℃以下になるので好ましくない。
本発明に用いる融点30℃〜融点60℃の動物油脂としては、豚脂(融点35〜40℃)、牛脂(融点35〜40℃)、硬化魚油(融点30〜45℃)、またはそれらを分別した油等が挙げられる。好ましくは、入手性等から豚脂である。
本発明に用いる融点30℃〜融点60℃の動物油脂のエステル交換に用いる配合量は、80〜50重量%である。融点が30℃より低いとエステル交換油の融点が25℃より低くなり好ましくなく、60℃より高い動物油脂は食用油脂として一般に入手困難であるばかりか、作業性が著しく悪くなり、実質的に食品工業において使用が困難である。
前記の動物油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、50重量%より少ないとエステル
交換油の融点が25℃より低くなりマーガリンなどの可塑性油脂の原料としては好ましくない。前記の動物油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、80重量%より多いとエステル交換油のα−リノレン酸含量を20重量%以上にすることができなくなり、本油脂組成物の寿命延長効果が得られなくなるので好ましくない。
本発明に用いる融点30℃〜融点60℃の動物油脂のエステル交換に用いる配合量は、80〜50重量%である。融点が30℃より低いとエステル交換油の融点が25℃より低くなり好ましくなく、60℃より高い動物油脂は食用油脂として一般に入手困難であるばかりか、作業性が著しく悪くなり、実質的に食品工業において使用が困難である。
前記の動物油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、50重量%より少ないとエステル
交換油の融点が25℃より低くなりマーガリンなどの可塑性油脂の原料としては好ましくない。前記の動物油脂のエステル交換反応に用いる配合量が、80重量%より多いとエステル交換油のα−リノレン酸含量を20重量%以上にすることができなくなり、本油脂組成物の寿命延長効果が得られなくなるので好ましくない。
本発明の用いるエステル交換油は、前記のn−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂と動物油を所定量配合し、通常のエスエル交換反応により、得ることができる。
前記のエステル交換の方法は特に限定されないが、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒によるエステル交換方法あるいは、リパーゼ等の酵素触媒によるエステル交換方法等が挙げられる。
エステル交換反応後、温水を加えて水洗、分離し、水分を脱水除去した後、ろ過等を行って精製する。
前記のエステル交換の方法は特に限定されないが、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒によるエステル交換方法あるいは、リパーゼ等の酵素触媒によるエステル交換方法等が挙げられる。
エステル交換反応後、温水を加えて水洗、分離し、水分を脱水除去した後、ろ過等を行って精製する。
本発明に係るアンチエイジング用油脂組成物は、α−リノレン酸を20重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上の量で含み、α−リノレン酸とリノール酸との重量比が1以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上である。
本発明のエステル交換油は、異なる融点の原料の油脂の融点が変化することにより反応が進行することがわかる。
本発明のエステル交換油は、異なる融点の原料の油脂の融点が変化することにより反応が進行することがわかる。
次に、本発明に係るアンチエイジング用油脂組成物を摂取した場合、アンチエイジングし、寿命を延長する効果について、動物実験に基いて説明する。
本発明において、アンチエイジングし寿命を延長する効果は、次の方法により判定できる。
1)4週齢脳卒中易発生ラット(SHR−SP Seack Yoshitomi Co.)を試験動物を用い、飼料として市販の一般飼料に各種の油脂を配合し、その飼料を、給餌する。なお、飲み水として、食塩水を与えて脳卒中を起こしやすい条件で行っている。
2)アンチエイジングし寿命を延長する効果の評価は、毎日目視で観察し、生存を確認して、寿命を調べる。
本発明において、アンチエイジングし寿命を延長する効果は、次の方法により判定できる。
1)4週齢脳卒中易発生ラット(SHR−SP Seack Yoshitomi Co.)を試験動物を用い、飼料として市販の一般飼料に各種の油脂を配合し、その飼料を、給餌する。なお、飲み水として、食塩水を与えて脳卒中を起こしやすい条件で行っている。
2)アンチエイジングし寿命を延長する効果の評価は、毎日目視で観察し、生存を確認して、寿命を調べる。
本発明のアンチエイジング用油脂組成物は、α−リノレン酸を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸とリノール酸との重量比が1以上であるため、この油脂組成物を摂取した場合には、α−リノレンを20重量%以上含まない油脂に比べて、老化を予防し平均寿命が延長する顕著な効果が認められる。
以下に、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
次に用いた評価方法を示す。
油脂の融点の測定方法は、基準油脂分析試験法2.2.4.2−1996(日本油化学協会編 2003年)に従い測定した。
<動物試験の方法>
1)試験動物:4週齢脳卒中易発生ラット(SHR−SP Seack Yoshitomi Co.より入手)各試験12匹を1群として試験を行なった。
2)飼料:
市販一般飼料(日本クレア社製CE−2)を用い、飼料と試験油脂の比9:1で配合した飼料を用いた。
また、飲み水としては、0.25重量%食塩水を自由に与えた。
3)寿命延長効果の評価:
毎日午前と午後の2回観察し、生存を確認して、寿命を調べた。
また、用いた各飼料の脂肪酸組成は、ガスクロマトグラフィー分析によるもので、次の表1に示すものを用いた。
次に用いた評価方法を示す。
油脂の融点の測定方法は、基準油脂分析試験法2.2.4.2−1996(日本油化学協会編 2003年)に従い測定した。
<動物試験の方法>
1)試験動物:4週齢脳卒中易発生ラット(SHR−SP Seack Yoshitomi Co.より入手)各試験12匹を1群として試験を行なった。
2)飼料:
市販一般飼料(日本クレア社製CE−2)を用い、飼料と試験油脂の比9:1で配合した飼料を用いた。
また、飲み水としては、0.25重量%食塩水を自由に与えた。
3)寿命延長効果の評価:
毎日午前と午後の2回観察し、生存を確認して、寿命を調べた。
また、用いた各飼料の脂肪酸組成は、ガスクロマトグラフィー分析によるもので、次の表1に示すものを用いた。
なお、飼料に用いた油脂は、次の通り。
1.シソ油−豚脂エステル交換油:融点27.5℃
下記のシソ油および豚脂を用いて、以下のエステル交換例1法により得たもの。
2.シソ油:日本油脂(株)製、商品名、融点−12℃
3.豚脂:日本油脂(株)製、融点36.5℃
4.市販マーガリン抽出油:市販品のマーガリンを用いてヘキサンにより抽出 融点35.2℃
5.水添大豆油:日本油脂(株)製、融点42.2℃
1.シソ油−豚脂エステル交換油:融点27.5℃
下記のシソ油および豚脂を用いて、以下のエステル交換例1法により得たもの。
2.シソ油:日本油脂(株)製、商品名、融点−12℃
3.豚脂:日本油脂(株)製、融点36.5℃
4.市販マーガリン抽出油:市販品のマーガリンを用いてヘキサンにより抽出 融点35.2℃
5.水添大豆油:日本油脂(株)製、融点42.2℃
<シソ油−豚脂エステル交換油の合成>
前記のシソ油50重量部、豚脂50重量部を反応容器にとり、触媒として、ナトリウムメチラート0.1重量部を加えて、85〜90℃で30分間反応した。温度80℃の湯300重量部を加えて水洗、分離し、水分を脱水した後、ろ過して、シソ油−豚油(1:1)のエステル交換油を得た。融点27.5℃であった。
前記のシソ油50重量部、豚脂50重量部を反応容器にとり、触媒として、ナトリウムメチラート0.1重量部を加えて、85〜90℃で30分間反応した。温度80℃の湯300重量部を加えて水洗、分離し、水分を脱水した後、ろ過して、シソ油−豚油(1:1)のエステル交換油を得た。融点27.5℃であった。
試験例1<寿命測定>
実施例1、比較例1〜4
表1記載の脂肪酸組成の油脂を配合した飼料を用い、前記の方法により、ラットの寿命を測定した。結果を表2および図1に示す。図1では、縦軸は生存率、横軸は生存の日数を示す。
実施例1、比較例1〜4
表1記載の脂肪酸組成の油脂を配合した飼料を用い、前記の方法により、ラットの寿命を測定した。結果を表2および図1に示す。図1では、縦軸は生存率、横軸は生存の日数を示す。
表2の結果より実施例1の油脂を配合して飼料として与えたラットは、生後200日後の生存率が100%であるのに対して、比較例1〜3ではそれぞれ、75%、33%、0%と生存率が低く、また平均寿命もそれぞれ、実施例1が296日、比較例1が264日、比較例2が190日、比較例3が140日であり、実施例1が寿命を有意に延ばしていることがわかる。
試験例2<配合の安定性試験>
実施例1、比較例1に用いた油脂、シソ油と豚油を1/1で配合した油、シソ油、各々100重量部を用いて水分16重量%になるようにしてマーガリンを製造した。
その安定性について1日後、目視で調べた結果を表3に示す。安定性の評価基準は、次の通り。
安定:均一固体状態
分離:固体油部分と液体油部分の両方が存在する状態
液状:全体が液体油状態
実施例1、比較例1に用いた油脂、シソ油と豚油を1/1で配合した油、シソ油、各々100重量部を用いて水分16重量%になるようにしてマーガリンを製造した。
その安定性について1日後、目視で調べた結果を表3に示す。安定性の評価基準は、次の通り。
安定:均一固体状態
分離:固体油部分と液体油部分の両方が存在する状態
液状:全体が液体油状態
以上の結果から、本発明に用いたシソ油―豚脂エステル交換油は、比較例に比べて、寿命延命しており、また配合しても安定であることがわかる。
Claims (3)
- α−リノレン酸(n−3)を20重量%以上の量で含み、α−リノレン酸(n−3)とリノール酸(n−6)との重量比が1以上である油脂組成物であって、n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂20〜50重量%と融点30℃〜融点60℃の動物油脂80〜50重量%とを配合しエステル交換してなる融点25℃〜融点45℃のアンチエイジング用油脂組成物。
- n−3/n−6の重量比が1以上である融点10℃以下の油脂がシソ油であり融点30℃〜 融点60℃の動物油脂が豚脂であり、できたエステル交換油の融点25℃〜融点45℃である請求項1記載のアンチエイジング用油脂組成物。
- 請求項1または2に記載のアンチエイジング用油脂組成物を用いてなるマーガリン。
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