JP2018011578A - 可塑性油脂組成物及び焼成品 - Google Patents

可塑性油脂組成物及び焼成品 Download PDF

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Abstract

【課題】生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができる可塑性油脂組成物及びこのような可塑性油脂組成物を用いた焼成品を提供する。【解決手段】本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して25質量%以上55質量%以下であり、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、可塑性油脂組成物及び焼成品に関する。
近年、健康志向の高まりから、精製された小麦粉以外の穀粉を用いた製菓製パンや精製された小麦粉に種実類等を添加した製菓製パンが好まれているが、精製されていない穀粉や、精製された穀粉に果実やナッツ等の固形物を含む生地は、グルテンネットワークの形成がされにくいため、生地の繋がりが悪く、良好なパン等を製造しにくいという問題があった。また、そのような生地を用いて製造したパン等は、老化しやすいため、特に、チルド温度域で保管すると食感が低下しやすくなる。
そのため、このような、生地が繋がりにくい穀粉を用いても良好な食感及びチルド保管域で保管をしても食感が低下しにくいパン等を得られる技術が求められている。
例えば、特許文献1〜4には、所定のセルロースエーテルを米粉と混合して生地を得ることで、その生地の焼成品の食感が向上することが記載されている。
特開2010−22313号公報 特表2014−506480号公報 特表2014−506481号公報 特開2015−226488号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載された焼成品は、食感において改善の余地があった。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができる可塑性油脂組成物及びこのような可塑性油脂組成物を用いた焼成品を提供することを目的とする。
本発明者らは、所定の油脂に所定のセルロースエーテルを配合することで、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 可塑性油脂組成物であって、
該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して25質量%以上55質量%以下であり、
60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有する、可塑性油脂組成物。
(2) 前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したラウリン酸の質量が、前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して1.0〜21.0質量%である、(1)に記載の可塑性油脂組成物。
(3) 前記セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、(1)又は(2)に記載の可塑性油脂組成物。
(4) 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、組成物全体の質量に対して0.001〜5質量%である、(3)に記載の可塑性油脂組成物。
(5) さらに、増粘多糖類を含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(6) さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、
前記可塑性油脂組成物に含まれる全ての前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのうち、グリセリンの重合度が4〜6であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの質量が最も多い、(1)から(5)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(7) 製菓又は製パン練り込み用又はロールイン用である、(1)から(6)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(8) チルド温度域で保管される菓子又はパン製造用である、(7)に記載の可塑性油脂組成物。
(9) 食材配合パン製造用である、(7)又は(8)に記載の可塑性油脂組成物。
(10) (1)から(9)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物と穀粉とを含有する生地組成物の焼成品。
(11) チルド温度域で保管される菓子又はパンである、(10)に記載の焼成品。
本発明によれば、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<可塑性油脂組成物>
本発明の可塑性油脂組成物は、該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して25質量%以上55質量%以下であり、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有する。本発明の可塑性油脂組成物は、かかる構成により、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができる。特に、本発明の可塑性油脂組成物によると、チルド温度域における保存時においても、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができる。また、本発明によると、生地が繋がりにくい穀粉の風味も向上させることができる。なお、本発明において、「チルド温度域」とは、15℃〜0℃の温度域を指す。
本発明において「焼成品の食感のバランスが良好であること」とは、焼成品の食感の総合評価が良好であることを意味し、例えば、焼成品の「ふわふわ感」、「歯切れ感」、「口溶け感」等の総合評価が良好であることを意味するが、良好な食感は、焼成品の生地に使用する穀粉の種類に対応する。例えば、穀粉として米粉を使用した場合、上記の焼成品の「ふわふわ感」、「歯切れ感」、「口溶け感」に加えて「もっちり感」を含めた総合評価が良好となる。なお、ふわふわ感とは、口の中に入れたときにふわっとした食感があり、噛んだときには、ソフトさを有しながらもその中に適度な弾力感があり、口の中で焼成品がダマになりにくい食感を言う。
生地が繋がりにくい穀粉を用いた焼成品は、用途によっては生地がベタツキやすくなるが、本発明の可塑性油脂組成物を用いると、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもベタツキにくくなる。生地がベタツキにくくなるという点で、本発明の可塑性油脂組成物は、練り込み用等の用途に用いられることが挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物において、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテル(以下、「セルロースエーテル」と略称することがある。)は、粘度が低く、水に溶けやすく、固まりにくく、保水性が高い。このようなセルロースエーテルが、可塑性油脂組成物に配合された状態で焼成品の生地に配合されることで、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域の保管時における焼成品の食感が良好になったり、焼成前の生地がベタツキにくくなるものと推測される。また、本発明者らは、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対する、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量(以下、本明細書において「2位オレイン酸量」と略称することがある。)が、25質量%以上55質量%以下であることにより、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感が良好になったり、焼成前の生地がベタツキにくくなることも見出した。本発明の可塑性油脂組成物は、上記の理由により、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができるものと推測される。
(油脂)
本発明の可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が25質量%以上55質量%以下であれば特に限定されないが、2位オレイン酸量が過小であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときに、焼成品の食感(特にチルド温度域で保管される焼成品において)及び焼成前の生地のベタツキのなさが低下するおそれがある。よって、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、また、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、本発明の可塑性油脂組成物における2位オレイン酸量は、29質量%以上であることが好ましく、33質量%以上であることがより好ましく、37質量%以上であることがさらに好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。他方、2位オレイン酸量が過大であっても、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときに、焼成品の食感(特にチルド温度域で保管される焼成品において)及び焼成前の生地のベタツキのなさが低下するおそれがある。よって、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、本発明の可塑性油脂組成物における2位オレイン酸量は、51質量%以下であることが好ましく、49質量%以下であることがより好ましく、47質量%以下であることがさらに好ましく、45質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物において、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対する、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したラウリン酸の質量(以下、本明細書において「2位ラウリン酸量」と略称することがある。)は、特に限定されず、油脂全体の質量に対して、例えば、0.0〜30.0質量%であってよいが、2位ラウリン酸量が、過小であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いるときに焼成品の食感(特にチルド温度域で保管される焼成品において)が低下するおそれがある。よって、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感(特に、口溶け感)が良好となることから、本発明の可塑性油脂組成物において、2位ラウリン酸量が、1.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましく、9.0質量%以上であることがさらに好ましい。他方、本発明の可塑性油脂組成物において、2位ラウリン酸量が過大であると、焼成品の食感(特にチルド温度域で保管される焼成品において)が低下するおそれがある。よって、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感(特に、ふわふわ感)が良好となることから、本発明の可塑性油脂組成物において、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの合計含有量が、油脂全体の質量に対して21.0質量%以下であることが好ましく、16.0質量%以下であることがより好ましく、14.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明において、SSS型トリグリセリド(トリ飽和脂肪酸グリセリド)の油脂全体の質量に対する質量は、特に限定されず、例えば、5〜35質量%であってもよい。なお、本明細書において、「S」は、油脂を構成する飽和脂肪酸を意味し、「U」は、油脂を構成する不飽和脂肪酸を意味する。また、トリグリセリドの1、2、3位とは、構成脂肪酸が結合された位置を意味する。
本発明の油脂中の構成脂肪酸である飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、各脂肪酸の炭素数である。本発明の油脂中の構成脂肪酸である飽和脂肪酸Sは、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。
本発明の油脂中の構成脂肪酸である不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。本発明の油脂中の構成脂肪酸である不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。
本発明の可塑性油脂組成物において、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がオレイン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SOS型トリグリセリド、SOU型トリグリセリド、UOU型トリグリセリド等が挙げられるが、特に限定されない。なお、「O」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるオレイン酸を意味する。焼成品のチルド温度域における保管によるネチャツキ感を抑制しやすいことから、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数16〜20の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1))等であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数16の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸(16:1))、炭素数18の不飽和脂肪酸(オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3))、炭素数20の不飽和脂肪酸(エイコセン酸(20:1)))等であることが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物において、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がラウリン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SLS型トリグリセリド、SLU型トリグリセリド、ULU型トリグリセリド等が挙げられるが、特に限定されない。なお、「L」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるラウリン酸を意味する。特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、また焼成前の生地がベタツキにくくなることから、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数16〜20の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1))等であることが好ましい。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位又は3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数16〜20の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)))等であることが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物において、飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量は特に限定されず、例えば、20〜70質量%の範囲内であってよいが、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対して過小であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときに、焼成品の食感(特にチルド温度域で保管される焼成品において)及び焼成前の生地のベタツキのなさが低下するおそれがある。よって、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、本発明の可塑性油脂組成物において、飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量は、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対して30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、41質量%以上であることがさらに好ましく、48質量%以上であることが特に好ましい。他方、本発明の可塑性油脂組成物において、飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量が、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対して過大であっても、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときに、焼成品の食感(特にチルド温度域で保管される焼成品において)及び焼成前の生地のベタツキのなさが低下するおそれがある。よって、生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、本発明の可塑性油脂組成物において、飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量が、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対して60質量%以下であることが好ましく、57質量%以下であることがより好ましく、54質量%以下であることがさらに好ましく、52質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、油脂の構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を含んでいてもよく、含まなくてもよいが、トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、人体に摂取された際のLDLコレステロールが増加しうる。よって、これを抑制しやすい観点で、本発明においては、油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量は、油脂の構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることがさらに好ましく、2質量%未満であることが特に好ましい。
本発明において、油脂におけるトリグリセリドの2位に結合されたオレイン酸の含有量、トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸の含有量、トリ飽和脂肪酸グリセリドの含有量の測定は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)により行う。なお、トリグリセリドの2位に結合されたオレイン酸の含有量とトリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸の含有量は、上記試験法のとおり、リパーゼ溶液で処理後のモノアシルグリセリン画分をガスクロマトグラフィーで測定した全ピーク面積である油脂全量(油脂の2位構成脂肪酸全体の質量)を基準としている。また、本発明において、油脂における飽和脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」)で測定する。なお、飽和脂肪酸の含有量は、上記試験法のとおりガスクロマトグラフィーで測定した全ピーク面積である油脂全量(油脂の構成脂肪酸全体の質量)を基準としている。
本発明において、油脂中のトランス脂肪酸の含有量の測定は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益団法人日本油化学会)の「2.4.4.3−2013 トランス脂肪酸含量(キャピラリーガスクロマトグラフ法)」)により行う。
本発明において、後述する各油脂のヨウ素価の測定は、基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」により行う。
(セルロースエーテル)
本発明の可塑性油脂組成物は、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有する。
可塑性油脂組成物に含有されるセルロースエーテルは、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であれば、特に限定されないが、例えば、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルヘキシルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等が挙げられる。生地が繋がりにくい穀粉を用いてもチルド温度域の保管時における焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることが好ましい。特に、粘度が低い方が、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品において優れた口溶け感を付与できることから、60℃における2%水溶液の粘度が150mPa・s以下であるセルロースエーテルが好ましく、60℃における2%水溶液の粘度が120mPa・s以下であるセルロースエーテルがより好ましく、100mPa・s以下であるセルロースエーテルがさらに好ましく、60℃における2%水溶液の粘度が100mPa・s未満であるセルロースエーテルが特に好ましく、80mPa・s以下であるセルロースエーテルがより特に好ましく、70mPa・s以下であるセルロースエーテルがより一層好ましく、50mPa・s以下であるセルロースエーテルが最も好ましい。また、セルロースエーテルの粘度の下限については、例えば、60℃における2%水溶液の粘度が1.0mPa・s以上のセルロースエーテルであってもよいが、粘度が高い方が、特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいて、チルド温度域で保管される焼成品において優れたふわふわ感、もっちり感を付与できることから、60℃における2%水溶液の粘度が5.0mPa・s以上のセルロースエーテルであることが好ましく、60℃における2%水溶液の粘度が10.0mPa・s以上のセルロースエーテルであることがより好ましく、60℃における2%水溶液の粘度が20.0mPa・s以上のセルロースエーテルであることがさらに好ましく、60℃における2%水溶液の粘度が35.0mPa・s以上のセルロースエーテルであることが特に好ましい。セルロースエーテルは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下のセルロースエーテルの市販品としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであるメトローズNE−100(信越化学工業株式会社製)、メトローズNE−4000(信越化学工業株式会社製)、メトセルK4M(ダウ・ケミカル社製)が挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物において、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、特に限定されず、例えば、0.0001〜10質量%であってもよいが、過小であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいて、チルド温度域で保管される焼成品においてふわふわ感、もっちり感、焼成前の生地のベタツキのなさが低下するおそれがある。よって、このことから、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、組成物全体の質量に対して0.001%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。他方、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が過大であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいて、チルド温度域で保管される焼成品において、ふわふわ感、口溶け感が低下するおそれがある。このことから、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、組成物全体の質量に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物が水を含む場合、セルロースエーテルは、可塑性油脂組成物を構成する油相又は水相のいずれに含まれてもよいが、油相に含まれることが好ましい。これにより、油脂中にセルロースエーテルが多く分散することになり、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域で保管される焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。この観点で、セルロースエーテルは油相に含まれる量が多い方が好ましく、具体的には、可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテル全体のうち、60質量%以上が油相に含まれるのが好ましく、70質量%以上が油相に含まれるのがより好ましく、80質量%以上が油相に含まれるのがさらに好ましく、90質量%以上が油相に含まれるのが特に好ましく、95質量%以上が油相に含まれるのが最も好ましい。
セルロースエーテルの60℃における2%水溶液の粘度は、SV型粘度計SV−10(株式会社エー・アンド・ディ社製)により測定する。なお、「2%水溶液」とは、水溶液全体の質量に対するセルロースエーテルのみを含有するセルロースエーテル水溶液において、水溶液全体の質量に対するセルロースエーテルの含有量が2質量%であることを意味する。
また、本発明の可塑性油脂組成物において、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s超のセルロースエーテルを含んでもよく、含まなくてもよい。そのようなセルロースエーテルとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであるメトセル250M(ダウ・ケミカル社製)等が例示される。
(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)
本発明の可塑性油脂組成物は、さらにポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有してもよく、含有しなくてもよいが、含有することで、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品の風味、もっちり感、歯切れ感、焼成前の生地のベタツキのなさに優れる。このことから、本発明の可塑性油脂組成物は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含むことが好ましい。特に、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを増粘多糖類とともに含むことにより、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品のもっちり感、焼成前の生地のベタツキのなさに優れる。このことから、本発明の可塑性油脂組成物において、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと増粘多糖類とのいずれも含むことが好ましい。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの種類は、特に限定されず、例えば、グリセリンの重合度が2〜10であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが挙げられる。また、市販品としては、阪本薬品工業株式会社製のSY グリスターCR−ED(ポリタイプ)SY グリスターCR−310(テトラグリセリン 重合度4)、SY グリスターCR−500(ヘキサグリセリン 重合度6)、太陽化学株式会社製のサンソフト 818DG(テトラグリセリン 重合度4)、サンソフト 818R(ペンタグリセリン 重合度5)、サンソフト 818SK(ヘキサグリセリン 重合度6)等が挙げられる。これらのうち、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品の風味、もっちり感、歯切れ感を付与でき、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、本発明の可塑性油脂組成物に含まれる全てのポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのうち、グリセリンの重合度が4〜6であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの質量が最も多いことが好ましい。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノール酸とのエステル化物であり、エステル化反応は公知の方法で製造される。ポリグリセリンは、通常グリセリンもしくはグリシドールやエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。そのため市販品においては、異なる重合度のグリセリンのポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの混合物であり、上述の市販品のグリセリンの重合度は、最も多いグリセリンの重合度を示している。特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品の風味、もっちり感、歯切れ感を付与でき、焼成前の生地がベタツキにくくなるという観点では、グリセリンの重合度が高いポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(より具体的には、グリセリンの重合度6のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)を用いることが好ましい。また、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのリシノレイン酸の縮合度は、特に限定されず、例えば、2〜10であるものを使用することができる。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量は、特に限定されないが、特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品の風味、もっちり感、歯切れ感を付与でき、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、可塑性油脂組成物全体の質量に対して、0.001〜5.0質量%であることが好ましく、0.005〜4.0質量%であることがより好ましく、0.01〜2.0質量%であることがさらに好ましく、0.1〜1.0質量%であることが最も好ましい。特に、本発明の可塑性油脂組成物に含まれる全重合度のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのうち、重合度が4〜6であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの質量が最も多い場合は、特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品の風味、もっちり感、歯切れ感を付与でき、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量が、上記範囲内であることが好ましい。
(増粘多糖類)
本発明の可塑性油脂組成物は、さらにセルロースエーテル以外の増粘多糖類を含有してもよく、含有しなくてもよいが、含有することで、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品のもっちり感に優れ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。このことから、本発明の可塑性油脂組成物は、増粘多糖類を含むことが好ましい。特に、上述のとおり、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを増粘多糖類とともに含むことにより、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品のもっちり感に優れ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。
増粘多糖類の種類は、特に限定されないが、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラヤガム、アラビアガム、タマリンド種子ガム、タラガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、グアガム、イオタカラギナン、ペクチン、トラガントガム、結晶性セルロース、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、SSHC(水溶性大豆多糖類)、ガティガム、サイリウムシード、カシヤガム、寒天、ゼラチン等が挙げられる。これらのうち、キサンタンガム、アラビアガム、グアガムが好ましく、特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いたときにおいても、チルド温度域で保管される焼成品のもっちり感を付与でき、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、キサンタンガムが好ましく、セルロースエーテルの冷水分散性を向上させることができることから、アラビアガムが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。キサンタンガムの市販品としては、例えば、ユニテックフーズ株式会社製のSATIAXANE CX915、ADM社製のノヴァザン200が挙げられる。アラビアガムの市販品としては、例えば、TIC GUMS社製のティカシアガムが挙げられる。グアガムの市販品としては、例えば、ユニテックフーズ社製のVIDOCREM A、VIDOGUM GHK 175が挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物において、増粘多糖類は、特に限定されず、例えば、0.0001〜5.0質量%であってもよいが、可塑性油脂組成物全体の質量に対して0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.1質量%であることがさらに好ましい。例えば、セルロースエーテル:グアガム:アラビアガム:キサンタンガム=1:0.001〜3:0.001〜3:0.001〜3で添加することができる。セルロースエーテルと増粘多糖類が予め混合された製剤を使用することができ、市販品としては、ユニテックフーズ株式会社製のUNetエマヒートLVが挙げられる。
(糖質分解酵素、リン脂質分解酵素)
本発明の可塑性油脂組成物は、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素を含有してもよく、含有しなくてもよいが、含有した方が、特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域で保管される焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。このことから、本発明は、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素を含有することが好ましい。
糖質分解酵素の種類は、特に限定されず、例えば、αアミラーゼ、βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコースオキシダーゼ、セルラーゼ、プルラナーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アラバナーゼ、デキストラナーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ等が挙げられるが、これらのうち、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、糖質分解酵素はαアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、βアミラーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナーゼが好ましい。なお、糖質分解酵素は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
リン脂質分解酵素の種類は、特に限定されず、例えば、ホスホリパーゼA(ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2)、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD等が挙げられるが、これらのうち、特に、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域で保管される焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、リン脂質分解酵素はホスホリパーゼAが好ましい。なお、リン脂質分解酵素は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の可塑性油脂組成物は、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量は、特に限定されず、例えば、組成物全体の質量に対して0.00001〜1質量%の範囲内であってよいが、過小であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときに、チルド温度域で保管される焼成品の食感、焼成前の生地のベタツキのなさが低下するおそれがある。このことから、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量は、組成物全体の質量に対して、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0002質量%以上であることがより好ましく、0.0003質量%以上であることがさらに好ましく、0.001質量%以上であることが特に好ましく、0.005質量%以上であることがより一層好ましく、0.01質量%以上であることが最も好ましい。また、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量が過剰であると、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いたときに、生地のべたつきのなさ、作業性が低下するおそれがある。このことから、糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群から選択される1つ以上の酵素の含有量は、組成物全体の質量に対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。なお、これらの酵素の含有量は、糖質分解酵素のみの量であってもよく、リン脂質分解酵素のみの量であってもよい。
(その他の成分)
本発明の可塑性油脂組成物は、水相を実質的に含有しない形態と、水相を含有する形態のいずれの形態であってもよい。水相を含有する形態の場合、本発明の可塑性油脂組成物は、特に限定されないが、例えば、マーガリン類であってもよい。また、水相を含有する乳化形態は、特に限定されないが、例えば、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型等が挙げられる。この場合の油相の含有量は、可塑性油脂組成物の全体の質量に対して、好ましくは55〜99.95質量%であり、より好ましくは60〜99.4質量%であり、さらに好ましくは65〜98質量%である。また、水相の含有量は、可塑性油脂組成物の全体の質量に対して、好ましくは0.5〜45質量%であり、より好ましくは、0.6〜40質量%であり、さらに好ましくは、2〜35質量%である。乳化形態は、特に生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域で保存される焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなることから、油中水型であることが好ましい。
マーガリン類とは、マーガリン又はファットスプレッドのことを指す。マーガリンは、油脂を80質量%以上含み、ファットスプレッドは、油脂を80質量%未満含むものである。
水相を実質的に含有しない形態としては、ショートニングが挙げられる。本発明において、「実質的に含有しない」とは、水分(揮発分を含む。)の含有量が0.5質量%以下であることである。
本発明の可塑性油脂組成物は、上記のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル以外の乳化剤を含んでもよく、含まなくてもよい。そのような乳化剤としては、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリンモノパルミチン酸エステル、モノグリセリンモノステアリン酸エステル等)、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル(グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等)、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル以外の乳化剤のうち、モノグリセリン脂肪酸エステルを含むのが好ましい。また、モノグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、例えば、可塑性油脂組成物全体の質量に対して0.1〜5.0質量%含んでよい。
本発明の可塑性油脂組成物は、上記成分以外に、従来の公知の成分を含んでもよく、含まなくてもよい。そのような公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、乳、乳製品、粉末油脂、酵素(糖質分解酵素及びリン脂質分解酵素以外の酵素)又は蛋白質、増粘多糖類以外の糖質、塩類、卵加工品、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、調味料、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、ウイスキー・ウォッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、乳製品を酵素処理した呈味剤、香辛料、着色成分、香料等の食品素材や食品添加物が挙げられる。乳としては、例えば、牛乳等が挙げられる。乳製品としては、脱脂乳、クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等が挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白等の植物蛋白等が挙げられる。増粘多糖類以外の糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース等)、オリゴ糖、糖アルコール、イヌリン等の多糖類等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。香辛料としては、例えば、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等の成分を含むものが挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
(用途)
本発明の可塑性油脂組成物の用途は特に限定されず、製菓又は製パンに用いることができる。製菓又は製パン用としては、ロールイン用、練り込み用、バタークリーム用、スプレッド用等が挙げられる。特に、本発明の可塑性油脂組成物は、チルド温度域で保管される菓子又はパン製造用としての使用に好適である。また、発明の可塑性油脂組成物を、菓子又はパンに練り込んで用いた場合に、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域における保存される焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。このことから、本発明の可塑性油脂組成物は、製菓又は製パン練り込み用として用いることが好ましい。また、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、チルド温度域における保存される焼成品の食感において良好なバランスを得ることができる観点で、ロールイン用として用いることが好ましい。なお、「製菓又は製パン練り込み用」とは、菓子又はパンの生地に練り込まれて用いられることを指す。「製菓又は製パン練り込み用」の可塑性油脂組成物が添加された焼成品は、生地に可塑性油脂組成物が練り込まれた状態で生地が焼成されて製造される。「ロールイン用」とは、菓子又はパンの生地に折り込んで用いることを指す。「ロールイン用」の可塑性油脂組成物が添加された焼成品は、生地の間に可塑性油脂組成物を挟み込み、伸展と折り畳みを繰り返すことによって生地に可塑性油脂組成物が層状に折り込まれた状態で生地が焼成されて製造される。
パンとして、食材と組み合わせるようなもの(例えば、サンドイッチのような食材を挟むもの等)は、食材の種類によってはパンの水分を奪うことがあるため、得られるパンはチルド温度域における保管によりパサツキ感が生じやすく、シトリ感が損なわれやすい。パンの水分を奪う食材としては、例えば、餡子、ピーナッツクリーム、ジャム類(イチゴ、ブルーベリー、リンゴ等)が挙げられる。また、食材の種類によっては、食材の水分がパンへ移行しやすく、得られるパンはチルド温度域における保管により、ふわふわ感、歯切れ感(特に、歯切れ感)が損なわれやすい。パンに水分が移行しやすい食材としては、例えば、野菜類、卵(フィリング)等が挙げられる。また、食材と組み合わせるパンは、食材を挟むためにカット工程を要し、カットの際にパン屑が発生してしまうという問題があり、加工耐性のあるものが求められる。特に、サンドイッチのような、1センチ程度と薄くスライスされるものは、パン屑が多く、また、パンの乾きが速いため、チルド温度域における保管により一層シトリ感が低下しやすい。このような問題に対し、本発明の可塑性油脂組成物によると、上述のとおり、焼成品に優れたシトリ感を付与できるため、パンの水分を奪われてもパサツキ感が生じにくく、また、パンへ水分が移行してもふわふわ感、歯切れ感が低下しにくく、チルド保管においても同様に食感が低下しにくく、カットの際のパン屑を防止しやすいため、食材と組み合わせたパン(以下、本明細書において、「食材配合パン」という。)の製造用として用いることが好ましい。食材配合パンとしては、例えば、サンドイッチ、ドックパン、バターロール、バンズ、デニッシュ、クロワッサン等が挙げられる。
<可塑性油脂組成物の製造方法>
本発明の可塑性油脂組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、水相を含有する形態のもの(マーガリン類等)は、本発明の油脂組成物を含む油相と水相とを、適宜に加熱し混合して乳化した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。水相を含有しない形態のもの(ショートニング等)は、本発明の油脂組成物を含む油相を加熱した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。また、必要に応じて、冷却混合機において窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込んだり、急冷捏和後に熟成(テンパリング)して、得ることができる。
本発明の可塑性油脂組成物は、水相を含有する場合は、セルロースエーテルは、水相、油相、乳化後のいずれにも添加できるが、油相に添加することが好ましい。また、酵素、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、増粘多糖類等の任意成分も、水相、油相、乳化後のいずれにも添加できるが、油相に添加し分散することが、生地への分散性が向上し、焼成品のシトリ及びダマになりにくさが一層向上するので好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物の製造に用いられる油脂としては、特に限定されないが、パーム系油脂、ラウリン系油脂、豚脂(ラード)、牛脂、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、イリッペ脂、マンゴー脂、サル脂、シア脂、カカオ脂、乳脂、それらの分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。なお、ラウリン系油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上の油脂であり、例えば、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、パーム系油脂は、全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量が35質量%以上の油脂であり、例えば、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油などが挙げられる。油脂中の飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量を適宜調整するために、これらの油脂としては、1種あるいは2種以上を選択して含有させることが好ましい。油脂全体におけるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の含有量及び飽和脂肪酸の含有量などを適宜調整するために、これらの油脂は、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。硬化油としては、部分硬化油、極度硬化油が挙げられるが、上述したトランス脂肪酸をほとんど含んでいないことから、極度硬化油を使用することが好ましい。また、本発明の可塑性油脂組成物は、油脂としてエステル交換油脂を含有することが好ましい。エステル交換油脂の中でも、パーム系油脂単独のエステル交換油脂や、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油脂が好ましい。なお、上記エステル交換油脂の原料であるラウリン系油脂は、例えば、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記エステル交換油脂の原料であるパーム系油脂は、例えば、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。パーム分別油としては、硬質部、軟質部、中融点部などを用いることができる。
以下に、本発明の可塑性油脂組成物の製造に用いる油脂について、より具体的な例示を示す。本発明の油脂は、例えば、以下のA油脂、B油脂及びC油脂を組み合わせることで調製することができる。
(A油脂)
本明細書において、「A油脂」とは、トリ飽和量が20〜50質量%でありヨウ素価が20〜50である油脂のことを指す。このようなA油脂としては、特に限定されないが、例えば、上記で述べたパーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油脂等の植物油脂や乳脂等の動物油脂を挙げることができ、1種以上組合せて使用することもできる。中でも、パーム分別硬質油、パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂を用いると、結晶核となり、その結果、他の油脂の結晶を誘発し結晶量が確保され、焼成品に弾力性を付与できる。なお、本明細書において、油脂の「トリ飽和量」とは、その油脂全体の質量に対する、その油脂に含まれるトリ飽和脂肪酸グリセリドの質量を指し、例えば、上記A油脂の「トリ飽和量」は、A油脂全体の質量に対する、A油脂に含まれるトリ飽和脂肪酸グリセリドの質量を意味する。
(B油脂)
本明細書において、「B油脂」とは、トリ飽和量が2〜20質量%未満である油脂のことを指す。(但し「B油脂」としては、前述の「A油脂」及び後述の「C油脂」は包含しない。)このようなB油脂としては、特に限定されないが、例えば、A油脂、C油脂以外の植物油脂、動物油脂(豚脂(ラード)、牛脂等)、これらの分別油、硬化油、エステル交換油脂が挙げられる。中でも、A油脂との相溶性を考慮すると、パーム系油脂であるパーム油、パーム分別軟質部、パーム分別軟質部のエステル交換油脂、豚脂等を組み合わせて用いることが好ましい。
(C油脂)
本明細書において、「C油脂」とは、トリ飽和量が2%未満である油脂、又はトリ飽和量が50質量%超である油脂のことを指す。
トリ飽和量が2%未満である油脂としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
トリ飽和量が50質量%超である油脂としては、特に限定されないが、植物油脂又は動物油脂又はこれらの硬化油(部分水素添加油又は極度硬化油)や分別油の硬質油、これらを含む油脂を原料とするエステル交換油脂等が挙げられる。これらの中でも、植物油脂又は動物油脂の極度硬化油、あるいはこれを含む油脂を原料とするエステル交換油脂を用いることが好ましい。植物油脂としては、例えば、ヤシ油やパーム核油が挙げられ、植物油脂の極度硬化油としては、例えば、ヤシ極度硬化油、パーム極度硬化油、パーム核極度硬化油、菜種極度硬化油、大豆極度硬化油等が挙げられる。動物油脂の極度硬化油としては、例えば、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油等が挙げられる。焼成品の口溶けが良好となる観点からは、融点が50℃以上の極度硬化油を用いる場合は、油脂全量に対し、5質量%以下とすることが好ましい。
以上で述べたA油脂、B油脂、C油脂の配合割合は、A油脂は、全油脂に対して0〜70質量%で配合することが好ましく、B油脂は、全油脂に対して45〜100質量%で配合することが好ましく、C油脂は、全油脂に対して0〜52質量%で配合することが好ましい。
<可塑性油脂組成物が添加された食品>
本発明は、上記可塑性油脂組成物が添加された食品を包含する。
本発明の食品は、特に限定されないが、上記の可塑性油脂組成物と穀粉とを含有する生地組成物の焼成品であることが好ましい。
本発明における焼成品の生地組成物に含まれる穀粉は、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、全粒粉、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉などが挙げられるが、米粉、全粒粉、ライ麦、雑穀(アワ、ヒエ、アマランサス等)、ジャガイモ粉等の生地が繋がりにくい穀粉が好適である。上記の可塑性油脂組成物は、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。特に、米粉のようなグルテンを含まない穀粉を用いると、発酵耐性が低下し、発酵時間を長く取ることができず、良好な生地が得られにくいため、焼成品の食感や風味がが低下してしまうところ、本発明の可塑性油脂組成物を添加すると、発酵耐性が向上し、発酵時間を長く取ることができるため、焼成品の食感や風味が向上する。なお、生地が繋がりにくい穀粉とは、穀粉自身が生地が繋がりにくいものや、穀粉自身が生地が繋ぎにくくなくても、他の物質と混合されることで生地が繋ぎにくくなるもの等のことを指す。
例えば、以下の(a)〜(c)のいずれかの条件を満たす生地が繋ぎにくいものである。
(a) 穀粉のグルテン量が10質量%以下である
(b) 穀粉のグルテン量が10質量%超であり、灰分量が0.5質量%以上である
(c) 穀粉のグルテン量が10質量%超であり、生地組成物が粒状の固形物をさらに含有する
上記(a)に関して、穀粉中のグルテン量が少ないと、グルテンネットワークが形成しにくくなることから、生地が繋ぎにくくなるが、上記の可塑性油脂組成物は、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。この観点によると、上記(a)のような条件を満たす生地(穀粉のグルテン量が、穀粉全体の質量に対して10質量%以下(9質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、4質量%以下、2質量%以下、1質量%以下等))が好適である。このような穀粉としては、薄力粉、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉などが挙げられる。穀粉のグルテン量は、以下の方法により測定する。
(グルテン量の測定方法)
[1]穀粉50gに水25gを加えざっとこねた後、60回こねる。
[2][1]の生地をまるめて濡れふきんをかけて,30分ねかした後、まるめて水につける。
[3]ボールに水を入れて、水中で[2]の生地をまとめるようにこねては水をかけながら、白い水が出なくなるまで洗い出す。
[4][3]でとれたガム状のものを180℃に加熱した天火に入れ30分焼成し、5分放置し後、乾燥物の質量を測定する。
[5][4]で得られた乾燥物の質量の数値を用いて、以下の式により、グルテン量を計算する。
グルテン量(%)=乾燥物の質量/50×100
上記(b)に関して、穀粉中のグルテン量が多くても、灰分量が多いと、生地が繋ぎにくくなるが、上記の可塑性油脂組成物は、生地が繋がりにくい穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。この観点によると、上記(b)のような条件を満たす生地(穀粉の灰分量が、穀粉全体の質量に対して0.5質量%以上(0.6質量以上、0.8質量以上、1.0質量以上、1.5質量以上、2.0質量以上、2.5質量以上等))が好適である。また、穀粉の灰分量が、穀粉全体の質量に対して2.5質量%以下であることが好ましい。また、穀粉のグルテン量は、生地組成物全体の質量に対して10質量%超(12質量%以上、14質量%以上、16質量%以上、18質量%以上、20質量%以上等)が好適である。このような穀粉としては、全粒粉等が挙げられる。穀粉の灰分量は、直接灰化法により測定する。
上記(c)に関して、穀粉中のグルテン量が多くても、粒状の固形物が生地組成物に含まれていると、生地が繋がりにくくなるが、上記の可塑性油脂組成物は、粒状の固形物とともに含まれることで生地が繋がりにくくなった穀粉を用いても、焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。粒状の固形物とは、焼成品の生地に一般的に添加される固形物であれば特に限定されず、具体的には、種実類(レーズン、ナッツ、小豆(餡子)等)、野菜類(コーン、サツマイモ)、チーズ、チョコレート、ココア、抹茶等が挙げられる。特に、水を含みやすいレーズン等は、生地の繋ぎが悪くなるが、このようなものに対しても焼成品の食感において良好なバランスを得ることができ、焼成前の生地がベタツキにくくなる。また、上記(c)のような条件を満たす生地(穀粉のグルテン量は、穀粉全体の質量に対して10質量%超(12質量%以上、14質量%以上、16質量%以上、18質量%以上、20質量%以上等)が、本発明の焼成品の生地として好適である。また、穀粉中のグルテン量が、穀粉全体の質量に対して20質量%以下であることが好ましい。なお、粒状の固形物は、上記(a)におけるグルテン量が10質量%以下である穀粉とともに生地組成物中に含まれてもよい。
生地組成物には、穀粉と本発明の可塑性油脂組成物以外に、従来の公知の成分を含んでもよく、含まなくてもよい。そのような公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、乳、乳製品、粉末油脂、酵素又は蛋白質、増粘多糖類、増粘多糖類以外の糖質、塩類、卵加工品、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、調味料、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、ウイスキー・ウォッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、乳製品を酵素処理した呈味剤、香辛料、着色成分、香料等の食品素材や食品添加物が挙げられる。乳としては、例えば、牛乳等が挙げられる。乳製品としては、脱脂乳、クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等が挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白等の植物蛋白等が挙げられる。増粘多糖類としては、キサンタンガム、ジェランガム、カラヤガム、アラビアガム、タマリンド種子ガム、タラガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、グアガム、イオタカラギナン、ペクチン、トラガントガム、結晶性セルロース、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、アルギン酸ナトリウム、SSHC(水溶性大豆多糖類)、ガティガム、サイリウムシード、カシヤガム、カードラン、寒天、ゼラチン等が挙げられる。増粘多糖類以外の糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース等)、オリゴ糖、糖アルコール、イヌリン等の多糖類等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。香辛料としては、例えば、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等の成分を含むものが挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
焼成品の種類は、特に限定されないが、例えば、菓子(例えば、パイ、ケーキ(パウンドケーキ等)、クッキー、ビスケット、クラッカー、ワッフル、スコーン、シュー、ドーナツ等の洋菓子)、パン(食パン、菓子パン、クロワッサン、デニッシュ、ベーグル、ロールパン、コッペパン、バンズ等)等が挙げられる。本発明は、上記可塑性油脂組成物が添加されることから、チルド温度域で保管される菓子又はパンであることが好ましい。また、本発明の食品がパンである場合、パンにおいては、特に、カット時にパン屑が生じやすく、チルド温度域の保管によりパサツキ感が生じ、シトリ感が損なわれやすい。しかし、本発明の可塑性油脂組成物が添加されることで、カットの際にパン屑を防止しやすく、また、焼成品に優れたシトリ感を付与できる。このことから、本発明の食品は、パンであることが好ましい。特に、本発明の食品は、食材の重みでパンが潰れることを抑制でき、また、加工耐性を付与することができることから、食材配合パンであることが好ましい。食材配合パンとしては、例えば、サンドイッチ、ドックパン、バターロール、バンズ等が挙げられる。特にサンドイッチのような食材配合パンは、薄いにもかかわらず、カットの際にパン屑を防止しやすく、また、チルド温度域における保管時においてもシトリ感を付与できることから、本発明の食品は、チルド温度域で保管される食材配合パンであることが好ましい。
<可塑性油脂組成物及び食パンの製造>
(エステル交換油脂の製造)
[エステル交換油脂](A油脂)
パーム油(PO)67.5質量%、パーム核油(PKO)15質量%、パーム極度硬化油(PHmax)5質量%、パーム核極度硬化油(PKHmax)12.5質量%を混合し、触媒としてナトリウムメチラート添加し、減圧下で、エステル交換反応した。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色しエステル交換油脂を得た。エステル交換油脂のヨウ素価は39、トリ飽和量は25.7質量%であった。
[パーム分別軟質部エステル交換油脂](B油脂−1)
パーム分別軟質油(パームオレイン)(ヨウ素価56)に触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭しエステル交換油脂を得た。パーム分別軟質部エステル交換油脂のヨウ素価は56、トリ飽和量は9.1質量%であった。
[パーム油エステル交換油脂](B油脂−2)
パーム油(ヨウ素価53)に触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭しエステル交換油脂を得た。パーム油エステル交換油脂のヨウ素価は53、トリ飽和量は13.7質量%であった。
(練り込み用マーガリンの製造)
後述する表1〜3に示す油脂配合で75℃の調温し、油相を作製した。一方、水16部に脱脂粉乳1.5部を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、上記で得た油相82.5部に水相17.5部を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和して、可塑性油脂組成物である、実施例1〜46、比較例1〜15に係るマーガリンを製造した。セルロースエーテルを配合したマーガリンについては、表1〜3の配合割合になるように油脂を混合した後にセルロースエーテルを油脂に添加してから、調温を行った。ただし、比較例2、7、12については、後述のとおり、焼成品の生地にセルロースエーテルを添加しているため、マーガリンにセルロースエーテルは含まれていない。酵素(αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホスホリパーゼA2)を配合したものについては、表1〜3の配合割合になるように油脂を混合した後に酵素を油脂に添加してから、調温を行った。乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル)を添加したものについては、油相を作製する際に、表1〜3の配合割合になるように油相に乳化剤を添加してから、調温を行った。増粘多糖類(キサンタンガム、グアガム、アラビアガム)を添加したものについては、調温後、表1〜3に示すとおりに増粘多糖類を油相に分散させた。なお、パーム分別硬質油はヨウ素価34であり、トリ飽和量が25.8質量%である油脂を用い、パーム分別軟質油はヨウ素価56の油脂を用いた。
(ロールイン用マーガリンの製造)
後述する表4に示す油脂配合で75℃の調温をし、油相を作製した。一方、水16部に脱脂粉乳2.0部、食塩1.0部を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、上記で得た油相82.5部に水相17.5部を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、コンビネーターによって急冷捏和して、25cm×21cm×1cmのシート状に成型して、可塑性油脂組成物である、実施例47〜61、比較例16〜20に係るロールイン用マーガリンを製造した。セルロースエーテルを配合したマーガリンについては、表4の配合割合になるように油脂を混合した後にセルロースエーテルを油脂に添加してから、調温を行った。ただし、比較例17については、後述のとおり、焼成品の生地にセルロースエーテルを添加しているため、マーガリンにセルロースエーテルは含まれていない。酵素(αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホスホリパーゼA2)を配合したものについては、表4の配合割合になるように油脂を混合した後に酵素を油脂に添加してから、調温を行った。乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル)を添加したものについては、油相を作製する際に、表4の配合割合になるように油相に乳化剤を添加してから、調温を行った。増粘多糖類(キサンタンガム、グアガム、アラビアガム)を添加したものについては、調温後、表4に示すとおりに増粘多糖類を油相に分散させた。なお、パーム分別硬質油はヨウ素価34であり、トリ飽和量が25.8質量%である油脂を用い、パーム分別軟質油はヨウ素価56の油脂を用いた。
(ショートニングの製造)
後述する表5に示す油脂配合で調合した油脂に、表5に示す量となるように、実施例62〜77、比較例21〜25については乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル)を添加し、実施例62〜77、比較例23〜25についてはさらにセルロースエーテルを添加して混合し、実施例74〜76についてはさらに酵素(αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホスホリパーゼA2)を添加して混合し、75℃に調温した後、実施例63〜65、70〜77については増粘多糖類(キサンタンガム、グアガム、アラビアガム)を油相に分散させ、パーフェクターによって急冷捏和して、可塑性油脂組成物である実施例62〜77、比較例21〜25に係るショートニングを製造した。なお、比較例22については、後述のとおり、焼成品の生地にセルロースエーテルを添加しているため、ショートニングにセルロースエーテルは含まれていない。
(セルロースエーテル)
上記実施例及び比較例の油脂組成物の作製に用いたセルロースエーテルと、各セルロースエーテルの60℃における2%水溶液の粘度(以下、単に「粘度」と略称する場合がある。)を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜5に記載されたとおりである。
メトローズNE−100(信越化学工業株式会社製、粘度:5.19mPa・s)
メトローズNE−4000(信越化学工業株式会社製、粘度:40.0mPa・s)
メトセルK4M(ダウ・ケミカル社製、粘度:19.8mPa・s)
メトセルK250M(ダウ・ケミカル社製、粘度:210mPa・s)
(酵素)
上記実施例及び比較例の油脂組成物の作製に用いた酵素を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜5に記載されたとおりである。
αアミラーゼ(ノバミル10000BG、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社製)
グルコースオキシダーゼ(ハイデラーゼ15、天野エンザイム株式会社製)
ホスホリパーゼA2(デナベイクRICH、長瀬産業株式会社製)
(乳化剤)
上記実施例の油脂組成物の作製に用いた乳化剤を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜5に記載されたとおりである。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(SY グリスターCR−500、重合度6、阪本薬品工業株式会社製)
なお、上記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの重合度は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのグリセリンの重合度における最も多い重合度を示している。
モノグリセリン脂肪酸エステル(エマルジーMS、理研ビタミン株式会社製)
(増粘多糖類)
上記実施例の油脂組成物の作製に用いた多糖類を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜5に記載されたとおりである。
キサンタンガム(SATIAXANE CX915、ユニテックフーズ株式会社製)
グアガム(VIDOCREM A、ユニテックフーズ株式会社製)
アラビアガム(ティカシアガム、TIC GUMS社製)
<実施例1〜16、62〜77、比較例1〜5、21〜25に係る食パン(米粉使用)の製造>
上記で得たそれぞれのマーガリン又はショートニングを用いて、下記配合で食パンを製造した。具体的には実施例及び比較例の練り込み用マーガリン又はショートニング以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中低速3分ミキシングを行った後、マーガリン又はショートニングを入れ低速2分、中低速7分ミキシングを行い、生地を得た。比較例2、22については、ミキシング前に、セルロースエーテルを表1、5の割合となるように配合した。捏上げ温度は26℃であった。この生地を、室温で15分(実施例16、77は30分)発酵させた後、パン生地を320gに分割し室温でベンチタイムを取り生地を休ませた後、成型してワンローフ型用の焼成型に入れ、38℃、湿度80%のホイロで60分発酵させた後、200℃で25分焼成して、実施例1〜16、62〜77及び比較例1〜5、21〜25に係る食パン(米粉使用)を製造した。焼成したパンを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べた食パンの配合を下記に示す。
[食パン配合]
米粉(グルテン量0質量%) 80質量部
グルテン粉末 20質量部
イースト 3質量部
上白糖 7質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン又はショートニング 6質量部
水 84質量部
(実施例17〜31及び比較例6〜10に係る食パン(全粒粉使用)の製造)
上記で得たそれぞれのマーガリンを用いて、下記配合で食パンを製造した。具体的には実施例及び比較例の練り込み用マーガリン以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中高速4分ミキシングを行った後、マーガリンを入れ低速2分、中高速4分ミキシングを行い、生地を得た。比較例7については、ミキシング前に、セルロースエーテルを表2の割合となるように配合した。捏上げ温度は27℃であった。この生地を、室温で60分発酵させた後、パン生地を320gに分割し室温でベンチタイムを取り生地を休ませた後、成型してワンローフ型用の焼成型に入れ、38℃、湿度80%のホイロで60分発酵させた後、200℃で30分焼成して、実施例17〜31及び比較例6〜10に係る食パン(全粒粉使用)を製造した。焼成したパンを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べた食パンの配合を下記に示す。
[食パン配合]
強力粉(グルテン量11.8質量%、灰分量0.37質量%) 85質量部
全粒粉(グルテン量13.5質量%、灰分量1.5質量%) 15質量部
イースト 3質量部
イーストフード 0.1質量部
上白糖 6質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン 6質量部
水 65質量部
(実施例32〜46及び比較例11〜15に係る食パン(レーズン使用)の製造)
上記で得たそれぞれのマーガリンを用いて、下記配合で食パンを製造した。具体的には実施例及び比較例の練り込み用マーガリン、レーズン以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中高速5分ミキシングを行った後、マーガリンを入れ低速2分、中高速4分ミキシングを行い、レーズンを入れ低速1分ミキシングを行い、生地を得た。比較例12については、ミキシング前に、セルロースエーテルを表3の割合となるように配合した。捏上げ温度は27℃であった。この生地を、室温で60分発酵させた後、パン生地を320gに分割し室温でベンチタイムを取り生地を休ませた後、成型してワンローフ型用の焼成型に入れ、38℃、湿度80%のホイロで60分発酵させた後、200℃で30分焼成して、実施例32〜46及び比較例11〜15に係る食パン(レーズン使用)を製造した。焼成したパンを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べた食パンの配合を下記に示す。
[食パン配合]
強力粉(グルテン量11.8質量%、灰分量0.37質量%) 100質量部
レーズン 40質量部
イースト 4質量部
イーストフード 0.1質量部
上白糖 10質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン 6質量部
水 68質量部
(実施例47〜61及び比較例16〜20に係るデニッシュの製造)
上記で得たそれぞれのマーガリンを用いて、下記配合でデニッシュを製造した。具体的には実施例及び比較例のロールイン用マーガリン以外の材料をミキサーに投入し、低速4分、中低速6分ミキシングを行い、生地を得た。比較例17については、ミキシング前に、セルロースエーテルを表4の割合となるように配合した。この生地を、室温で30分発酵をとった後、0℃で一晩リタードさせた。この生地にロールイン用マーガリンを折り込み、4つ折り1回を加えた後、3つ折り1回を加え−10℃にて30分リタードし、2つ折り1回を加え−10℃にて30分リタードさせた。その後シーターゲージ厚3mmまで延ばし、10cm角(10cm×10cm)にカットし、34℃、湿度75%のホイロで60分発酵させた後、200℃で15分焼成して、実施例47〜61及び比較例16〜20に係るデニッシュを製造した。焼成したデニッシュを室温で放冷させた後、ポリプロピレン製袋に入れ、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後、後述する各評価に用いた。以上で述べたデニッシュの配合を下記に示す。
[デニッシュの配合]
強力粉(グルテン量11.8質量%、灰分量0.37質量%) 90質量部
ライ麦(グルテン量8.5質量%、灰分量1.5質量%) 10質量部
上白糖 10質量部
食塩 1.3質量部
全卵 8質量部
ショートニングZ(ミヨシ油脂株式会社製) 8質量部
イースト 5質量部
粉末醗酵種 2質量部
モルト液 0.3質量部
水 45質量部
ロールイン用マーガリン 生地100質量部に対して50質量部
<評価>
(生地のベタツキ)
食パン生地に関して、ミキシング後、焼成前の生地の状態を以下の基準で評価した。
◎:生地にベタツキがまったくなく、扱いやすい。
○:生地にベタツキがなく、扱いやすい。
△:生地にややベタツキがあり、扱いにくい。
×:生地にかなりベタツキがあり、非常に扱いにくい。
また、上記条件で保管した食パン、デニッシュに関して、風味、ふわふわ感、もっちり感、歯切れ感、口溶けについて評価を行った。評価はパネル10名により行った。パネルは、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
(風味)
食パン又はデニッシュを喫食し、上記パネルにより風味を以下の基準で評価した。
◎:10名中8名以上が良好であると評価した。
○:10名中7〜5名が良好であると評価した。
△:10名中4〜3名が良好であると評価した。
×:10名中2名以下が良好であると評価した。
(ふわふわ感)
食パン又はデニッシュを喫食し、上記パネルによりふわふわ感を以下の基準で評価した。
◎:10名中8名以上が良好であると評価した。
○:10名中7〜5名が良好であると評価した。
△:10名中4〜3名が良好であると評価した。
×:10名中2名以下が良好であると評価した。
(もっちり感)
食パン(米粉使用)を喫食し、上記パネルによりもっちり感を以下の基準で評価した。
◎:10名中8名以上が良好であると評価した。
○:10名中7〜5名が良好であると評価した。
△:10名中4〜3名が良好であると評価した。
×:10名中2名以下が良好であると評価した。
(歯切れ感)
食パン又はデニッシュを喫食し、上記パネルにより歯切れ感を以下の基準で評価した。
◎:10名中8名以上が良好であると評価した。
○:10名中7〜5名が良好であると評価した。
△:10名中4〜3名が良好であると評価した。
×:10名中2名以下が良好であると評価した。
(口溶け)
食パン又はデニッシュを喫食し、上記パネルにより口溶けを以下の基準で評価した。
◎:10名中8名以上が良好であると評価した。
○:10名中7〜5名が良好であると評価した。
△:10名中4〜3名が良好であると評価した。
×:10名中2名以下が良好であると評価した。
<評価結果>
実施例1〜16及び比較例1〜5に係るマーガリンの組成に係る食パン(米粉使用)についての評価結果を、下記の表1に示す。実施例17〜31及び比較例6〜10に係るマーガリンの組成に係る食パン(全粒粉使用)についての評価結果を、下記の表2に示す。実施例32〜46及び比較例11〜15に係るマーガリンの組成に係る食パン(レーズン使用)についての評価結果を、下記の表3に示す。実施例47〜61及び比較例16〜20に係るマーガリンの組成に係るデニッシュ(ライ麦使用)についての評価結果を、下記の表4に示す。実施例63〜77及び比較例21〜25に係るショートニングの組成に係る食パン(米粉使用)についての評価結果を、下記の表5に示す。
なお、表1〜5中、「油脂配合」のそれぞれの欄の数値は、それぞれの配合された油脂の、油脂全体の質量に対する配合量(質量%)を意味する。表1〜5中の「飽和脂肪酸」の欄の数値は、油脂全体の構成脂肪酸の質量に対する、飽和脂肪酸である構成脂肪酸の含有量(質量%)を意味する。表1〜5中の「2位オレイン酸量」の欄の数値は、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対する、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量(質量%)を意味する。表1〜5中の「2位ラウリン酸量」の欄の数値は、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対する、可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したラウリン酸の質量(質量%)を意味する。表1〜5中の「トリ飽和酸量」の欄の数値は、SSS型トリグリセリド(トリ飽和脂肪酸グリセリド)の油脂全体の質量に対する質量を意味する。表1〜5中の「セルロースエーテル」、「乳化剤」「増粘多糖類」、「酵素」の欄のそれぞれの数値は、それぞれの成分の、可塑性油脂組成物全体の質量に対する含有量(質量%)を意味する。表1〜5中の「20℃保管D+1」とは、20℃の恒温槽にて1日保管した後における試験を意味する。表1〜5中の「5℃保管D+2」とは、食パンについては、20℃の恒温槽にて1日保管した後、10mmの厚さにスライスし、さらに袋中で5℃で1日保管後における試験を意味し、デニッシュについては、袋中で5℃で2日保管後における試験を意味する。
Figure 2018011578
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表1〜5に示すように、実施例1〜77に係る可塑性油脂組成物(マーガリン又はショートニング)が添加された焼成品(食パン又はデニッシュ)は、生地のベタツキのなさ及び焼成品の食感の総合評価が高かった。これら実施例より、比較例1〜25に係る可塑性油脂組成物(マーガリン又はショートニング)が添加された焼成品(食パン又はデニッシュ)は、生地のベタツキのなさ及び食感の総合評価が低かった。実施例1〜77に係る可塑性油脂組成物は、全て、2位オレイン酸量が、25質量%以上55質量%以下であり、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有するものである。これに対し、比較例1〜25に係る可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が25質量%以上55質量%以下であること、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有することの全ての条件を満たすものでない。より具体的には、比較例3、8、13、18、23に係る可塑性油脂組成物は、セルロースエーテルを含むものの、セルロースエーテルの粘度が210mPa・sであり、これらは、粘度が200mPa・s超のセルロースエーテルのみを含むものである。比較例4、9、14、19、24に係る可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が25質量%未満である。比較例5、10、15、20、25に係る可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が55質量%超である。これらの結果より、可塑性油脂組成物は、2位オレイン酸量が、25質量%以上55質量%以下であること、60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有することにより、生地のベタツキのなさ及びチルド保管時における食感の総合評価が高くなることがわかった。また、比較例2、7、12、17、22に係る焼成品は、セルロースエーテルを含むにもかかわらず、生地のベタツキのなさ及びチルド保管時における食感の総合評価が低かった。実施例1〜77は、油脂中にセルロースエーテルが添加されたのに対し、比較例2、7、12、17、22は、焼成品の生地に直接添加されたものである。この結果により、生地のベタツキのなさ及びチルド保管時における食感の総合評価が向上するためには、可塑性油脂組成物中にセルロースエーテルを含むことが重要であり、生地に添加しても生地のベタツキのなさ及びチルド保管時における食感が良好とならないことが示された。
乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含まない実施例2、18、33、48、63に係る可塑性油脂組成物と、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む実施例3、19、34、49、64に係る可塑性油脂組成物とを比較すると、実施例3、19、34、49、64の方が、生地のベタツキ、風味、歯切れ感(実施例3、64についてはさらにもっちり感の評価も)の評価が高かった。この結果より、本発明の可塑性油脂組成物はポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含むことで、さらに、生地のベタツキのなさ、チルド温度域での保管時における焼成品の風味、歯切れ感、もっちり感が向上することがわかった。この結果から、グリセリンの重合度が4〜6のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが特に生地のベタツキのなさ、焼成品の風味、歯切れ感、もっちり感の付与の点で優れると推測される。
増粘多糖類を含まない実施例1、17、32、47、62に係る可塑性油脂組成物と、増粘多糖類を含む実施例2、18、33、48、63に係る可塑性油脂組成物を比較すると、実施例2、18、33、48、63の方が、生地のベタツキ、5℃保管時におけるふわふわ感(実施例2、63については、さらにもっちり感の評価も)の評価が高かった。この結果より、本発明の可塑性油脂組成物は増粘多糖類を含むことで、さらに、生地のベタツキのなさ、チルド温度域での保管時における焼成品のふわふわ感、もっちり感が向上することがわかった。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと増粘多糖類(キサンタンガム)とを両方含む実施例3、19、34、49、64に係る可塑性油脂組成物は、一方しか含まないものより、生地のベタツキ(実施例3、64についてはさらにもっちり感の評価も)さらに良好となった。この結果より、本発明の可塑性油脂組成物はポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと増粘多糖類とを両方含むことで、生地のベタツキのなさ、焼成品のもっちり感がさらに良好になることがわかった。
増粘多糖類として、キサンタンガムとグアガムとアラビアガムを含む実施例4、20、35、50、65に係る可塑性油脂組成物は、生地のベタツキ、焼成品の風味、ふわふわ感、歯切れ感、口溶け感(実施例3、65についてはさらにもっちり感の評価も)の全てにおいてバランス良く向上することがわかった。この結果より、本発明の可塑性油脂組成物は、増粘多糖類として、キサンタンガムとグアガムとアラビアガムを併用することで、生地のベタツキ、焼成品の風味、ふわふわ感、もっちり感、歯切れ感、口溶け感が良好となることがわかった。

Claims (11)

  1. 可塑性油脂組成物であって、
    該可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したオレイン酸の質量が、前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して25質量%以上55質量%以下であり、
    60℃における2%水溶液の粘度が200mPa・s以下であるセルロースエーテルを含有する、可塑性油脂組成物。
  2. 前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合したラウリン酸の質量が、前記可塑性油脂組成物に含まれるトリグリセリドの2位に結合した脂肪酸全体の質量に対して1.0〜21.0質量%である、請求項1に記載の可塑性油脂組成物。
  3. 前記セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1又は2に記載の可塑性油脂組成物。
  4. 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、組成物全体の質量に対して0.001〜5質量%である、請求項3に記載の可塑性油脂組成物。
  5. さらに、増粘多糖類を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  6. さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、
    前記可塑性油脂組成物に含まれる全ての前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのうち、グリセリンの重合度が4〜6であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの質量が最も多い、請求項1から5のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  7. 製菓又は製パン練り込み用又はロールイン用である、請求項1から6のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  8. チルド温度域で保管される菓子又はパン製造用である、請求項7に記載の可塑性油脂組成物。
  9. 食材配合パン製造用である、請求項7又は8に記載の可塑性油脂組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の可塑性油脂組成物と穀粉とを含有する生地組成物の焼成品。
  11. チルド温度域で保管される菓子又はパンである、請求項10に記載の焼成品。
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