【発明の詳細な説明】
アテローム性動脈硬化症の治療のためのアゼチジノン誘導体
本発明はある種の新規な単環式β−ラクタム化合物、その製法、その製造に有
用な中間体、該化合物を含有する医薬組成物および療法、特にアテローム性動脈
硬化症の治療におけるその使用に関する。
リポ蛋白質結合ホスホリパーゼA2(Lp−PLA2)は前は血小板活性化因子
アセチルハイドロラーゼ(PAFアセチルハイドロラーゼ)として知られていた
。酵素の配列、その単離および精製、その酵素をコードする単離された核酸、該
酵素をコードするDNAで形質転換された組換え宿主細胞が、特許出願WO95
/00649(SmithKline Beecham plc)に記載されている。アテローム性
動脈硬化症、糖尿病、リウマチ様関節炎、発作、心筋梗塞、再潅流損傷ならびに
急性および慢性炎症に関連する酵素の阻害剤についての治療的使用が示唆されて
いる。より新しい特許出願(WO95/09921、Icos Corporation)およ
びNatureにおける関連する発表(Tjoelkerら、vol 376.6,1995年4月、
549)は、同じ酵素を記載しており、その酵素が病理学上の炎症事象を制御す
る治療用蛋白質としての可能性があることを示唆している。
Lp−PLA2が、低密度リポ蛋白質(LDL)のその酸化形態への変換の間の
、ホスファチジルコリンのリゾホスファチジルコリンへの変換に関与しているこ
とが明らかにされている。該酵素が酸化されたホスファチジルコリンのsn−2
エステルを加水分解し、リゾホスファチジルコリンおよび酸化修飾された脂肪酸
を付与することが知られている。Lp−PLA2作用の両生成物は、循環単核細胞
についての有効な化学誘引物質であることが知られている、リゾホスファチジル
コリン、酸化LDLの成分と生物学的に活性である。リゾホスファチジルコリン
それ自体が、動脈中のコレステロールエステル負荷の細胞の蓄積に関与すること
によりアテローム性動脈硬化症にて有意な役割を果たしていると考えられる。し
たがって、Lp−PLA2酵素を阻害することにより(リゾホスファチジルコリン
お
よび酸化された遊離脂肪酸の形成を阻害することにより)、これらのマクロファ
ージに富む病変の構築を停止させ、それがアテローム性動脈硬化症の治療にて有
用であると考えられる
酸化修飾されたLDLのリゾホスファチジルコリン含量の増加はまた、アテロ
ーム性動脈硬化症の患者にて観察される内皮機能不全の原因であると考えられる
。したがって、Lp−PLA2の阻害剤がこの事象の治療にて有益であることを証
明しうる。Lp−PLA2阻害剤はまた、糖尿病、高血圧、狭心症ならびに後の貧
血および再潅流を含む内皮機能不全を示す他の病状においても有用性を見いだす
ことができる。
さらに、Lp−PLA2阻害剤は、Lp-PLA2活性と共に脂質過酸化に関連し
、その2種の有害な生成物、リゾホスファチジルコリンおよび酸化修飾された脂
肪酸を産生する障害において一般的用途があるかもしれない。そのような症状は
、前記した症状、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、リウマチ様関節炎、発作、
心筋梗塞、再潅流損傷ならびに急性および慢性炎症を包含する。かかる病状は、
さらには、精神分裂症などの種々の神経精神病学的障害を包含する(Psycho-ph
armacology Bulletin,31,159−165,1995参照のこと)。
今回、本発明者らは、Lp−PLA2の阻害剤として作用することが見いだされ
た一連の化合物を同定した。
したがって、本発明は、式(I):
[式中、
R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、各々、水素またはC1-8ア
ルキルから選択され;
R3はC1-8アルキル、C3-8シクロアルキルまたはC3-8シクロアルキルC1-6
アルキルであり、各々、所望により置換されていてもよく;
Xはリンカー基であり;
Yはアリール基であり;および
nは0、1または2を意味する;
ただし、(4−メチルチオ−2−オキソーアゼチジン−1−イル)酢酸ベンジ
ルを除く]
で示される化合物を提供する。
式(I)の化合物はLp-PLA2の阻害剤であり、それ自体がアテローム性動
脈硬化症および前記した他の症状の治療にて有用であると期待される。
適当には、R1およびR2は、各々、水素、メチルまたはエチルから選択される
。好ましくは、R1およびR2は、各々、水素であるか、またはR1およびR2の一
方は水素であり、R1およびR2の他方はメチルである(トランス−メチルを付与
する)。さらに好ましくは、R1およびR2は、各々、水素である。
R3の代表例は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチルおよび
n−ヘキシル、シクロヘキシルおよびシクロヘキシルメチルを包含する。R3中
のアルキルまたはシクロアルキル基についての適当な置換基は、ハロゲン、ヒド
ロキシおよびCO2R(ここに、Rは水素、C1-8アルキル、C2-8アルケニルま
たはin vivoにて加水分解可能なエステル基である)を包含する。好ましくは、
該置換基はヒドロキシまたはCO2Rである。さらに好ましくは、該置換基はC
O2R(ここに、Rは水素またはin vivoにて加水分解可能なエステル基である)
である。好ましくは、R3は置換されていないn−ブチルまたはn−ヘキシル基
またはCO2R(ここに、Rは水素またはin vivoにて加水分解可能なエステル基
である)により置換されたC1-8アルキルである。
好ましくは、nは1また2、さらに好ましくは1である。
適当には、Xは直接結合;基X'(CH2)m(ここに、X'はCO、CONR5、C
OOまたはCONHOであり、R5は水素またはC1-6アルキルであり、mは0ま
たは1〜12の整数である);または所望によりX'で中断されていてもよいC1 -12
アルキレン鎖である。好ましくは、Xは直接結合または基X'(CH2)mで
ある。好ましくは、X'はCOまたはCONR5、さらに好ましくは、CONHで
ある。好ましくは、mは1、5、6または7で、好ましくは6である。好ましく
は、XはCONH(CH2)6である。
適当には、Yは、所望によりさらに3個までの置換基で置換されていてもよい
ベンゼン環である。適当な置換基はハロゲンおよびC1-8アルキルを包含する。
好ましくは、Yは所望によりハロゲンで置換されていてもよいフェニルである。
β−ラクタム環のC−4が立体異性体を存在させる原因となるキラル中心であ
ることは当業者に明らかであろう。本発明はそのようなすべての立体異性体を包
含する。
さらには、nが1である式(I)の化合物、すなわち、スルホキシド化合物に
おいて、SO基が存在することで、さらなるキラル中心がその分子に導入され、
したがってさらなる立体異性体が存在する原因となることは当業者に明らかであ
ろう。本発明はそのようなすべての立体異性体を包含する。
式(I)の好ましい化合物において、C−4での絶対配置およびSO基は、各
々、RおよびSである。
本明細書にて用いる場合、「アルキル」なる語は、あらゆる直鎖および分枝鎖
異性体を包含する。その代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよ
びn−ヘキシルを包含する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
を包含する。
C1-8アルキルまたはC3-8シクロアルキル基についての適当な置換基は、例え
ば、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボ
ニル、カルバモイル、モノ−またはジ−C1-6アルキルカルバモイル、スルホ、
スルファモイル、モノ−またはジ−C1-6アルキルスルファモイル、アミノ、モ
ノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ、アシルアミノ、ウレイド、C1-6アルコキ
シカルボニルアミノ、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ、アリー
ル、ヘテロサイクリル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アシルオキシ、オキソ
、
アシル、2−チエノイル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6
アルキルスルホニル、ヒドロキシイミノ、C1-6アルコキシイミノ、ヒドラジ
ノ、ヒドラゾノ、ベンゾヒドロキシモイル、グアニジノ、アミジノおよびイミノ
アルキルアミノを包含する。
本明細書にて用いる場合、「アリール」なる語は、特に限定しない限り、5個
までの、好ましくは3個までの置換基で置換されていてもよいフェニルまたはナ
フチルを包含する。
アリール基についての適当な置換基は、例えば、ハロゲン、シアノ、C1-6ア
ルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキル、ヒドロ
キシ、アミノ、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ
、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシカルボニルC1-6
アルキル、C1-6アルキルカルボニルオキシ、カルボキシC1-6アルキルオキシ、
C1-6アルキルカルボニルオキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィ
ニル、C1-6アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ−およびジ−C1-6アル
キルスルファモイル、カルバモイル、モノ−およびジ−C1-6アルキルカルバモ
ィルおよびヘテロサイクリルを包含する。適当な例は、例えば、ブロモ、クロロ
、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシおよびメチルを包含する。
本明細書にて用いる場合、「ハロゲン」および「ハロ」なる語は、各々、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素ならびにフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを
包含する。
適当な医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステル基の例は、体内
にて容易に分解され、その親酸または塩を放出するものを包含する。この型の適
当なエステル基は、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f):
−CO2CH(Ra)O.CO.Rb (a)
−CO2CH(Ra)O.CO.Rc (b)
−CO2RdNReRf (c)
−CO2CH2ORg (d)
−CO2CH(Ra)O.CO.C6H4YCOCH(Ri)NH2
(f)
[式中;
Raは水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、メチルまたはフェニルで
あり;
RbはC1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、フェニル、ベンジル、
C3-7シクロアルキル、C1-6アルキルC3-7シクロアルキル、1−アミノC1-6ア
ルキルまたは1−C1-6アルキルアミノC1-6アルキルであるか;または
RaおよびRbは一緒になって1または2個のメトキシ基で所望により置換され
ていてもよい1,2−フェニレン基を形成し;
RcはC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルキルC3-7シクロアル
キルであり;
Rdはメチルまたはエチル基で所望により置換されていてもよいC1-6アルキレ
ンであり;
ReおよびRfは、同一または異なっていてもよく、各々、C1-6アルキルであ
り;
RgはC1-6アルキルであり;
Rhは水素、C1-6アルキルまたはフェニルであり;
Riは水素またはハロゲン、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシから選択さ
れる3個までの置換基で所望により置換されていてもよいフェニルであり;
および
Yは酸素またはNHを意味する]
で示されるエステル基を包含する。
適当な医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステル基の例は、例え
ば:
(a)アセトキシメチル、イソブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチ
ル、ベンゾイルオキシメチル、α−アセトキシエチル、α−ピバロイルオキシエ
チル、1−(シクロヘキシルカルボニルオキシ)エチルおよび(1−アミノエチ
ル)カルボニルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;
(b)エトキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオ
キシメチルおよびα−エトキシカルボニルオキシエチルなどのアルコキシ/シク
ロアルコキシカルボニルオキシアルキル基;
(c)ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル
またはジエチルアミノエチルなどのジアルキルアミノアルキル、特にジ−低級ア
ルキルアミノアルキル基;
(e)フタリジルおよびジメトキシフタリジルなどのラクトン基;および
(f)(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル
を包含する。
式(I)の好ましい化合物は:
4−n−ブチルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチ
ジン−2−オン;4−tert−ブチルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オ
キソブチル)アゼチジン−2−オン;4−n−ヘキシルスルフィニル−1−(4
−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オン;N−6−フェニルヘキ
シル−(4−メチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトア
ミド;トランス−N−(6−フェニルヘキシル)−(3−メチル−4−メチルス
ルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;4−メチルスル
フィニル−1−(4−フェニルブチル)アゼチジン−2−オン;N−(6−フェ
ニルヘキシル)−(4−n−ヘキシルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1
−イル)アセトアミド;4−(2−ヒドロキシエチルスルフィニル)−N−(4
−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オン(ジアステレオマー2)
;N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−アリルオキシ
カルボニルプロピル)スルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミド(ジアステレオマー2);N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル
]−[4−(3−カルボキシプロピル)スルフィニル−2−オキソアゼチジン−
1−イル]アセトアミド(ジアステレオマー2);N−[6−(4−フルオロフ
ェニル)ヘキシル]−[4−カルベメトキシメチルスルフィニル−2−オキソア
ゼチジン−1−イル]アセトアミド(ジアステレオマー2)およびN−[6−(
4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−カルボキシメチルスルフィニル−2
−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド(ジアステレオマー2)を包含す
る。
本発明の化合物、特に式(I)の化合物は、医薬組成物における使用を意図と
するため、該化合物は、各々、実質的に純粋な形態、例えば、少なくとも50%
純度、さらに適当には少なくとも75%純度、好ましくは少なくとも95%純度
(%はwt/wtを基礎とする)で提供されることがわかるであろう。式(I)
の化合物の不純調製物は、医薬組成物にて用いられるさらに純粋な形態を調製す
るのに用いられる。本発明の中間化合物の純度は臨界的なものではないが、式(
I)の化合物にとって実質的に純粋な形態が好ましいことは容易に理解されるで
あろう。可能な限り、本発明の化合物は結晶形で得られるのが好ましい。
本発明の化合物のうちいくつかの化合物は、有機溶媒より結晶化または再結晶
させる場合、結晶化の溶媒が結晶性生成物中に存在してもよい。本発明はかかる
溶媒和物もその範囲内に含むものである。同様に、本発明の化合物のうちいくつ
かの化合物は、含水溶媒より結晶化または再結晶してもよい。そのような場合、
水和物が形成されるかもしれない。本発明は、その範囲内に、化学量論的水和物
ならびに凍結乾燥などの方法により得られる可変量の水を含有する化合物を包含
する。加えて、種々の結晶化条件で、結晶生成物の種々の多形性形態を形成する
ことができる。本発明はその範囲内に式(I)の化合物のすべての多形性形態を
包含する。
本発明の化合物は、リポ蛋白質結合のホスホリパーゼA2(Lp-PLA2)酵素
の阻害剤であり、それで療法、特にアテローム性動脈硬化症の治療にて有用であ
ると考えられる。したがって、さらなる態様において、本発明は療法にて用いる
ための式(I)の化合物を提供する。
式(I)の化合物は、Lp−PLA2によるリゾホスファチジルコリン生成の阻
害剤であり、したがって内皮機能障害に関連する障害、例えばアテローム性動脈
硬化症、糖尿病、高血圧、狭心症ならびに後の貧血および再潅流においてもまた
一般的用途を有する。加えて、式(I)の化合物は、酵素活性と共に脂質過酸化
に関連する障害、例えば、アテローム性動脈硬化症および糖尿病のような症状に
加えて、リウマチ様関節炎、発作、アルツハイマー病などの脳の炎症性症状、精
神分裂症などの種々の神経精神病学的障害、心筋梗塞、再潅流損傷、再狭窄、急
性および慢性炎症および敗血症などの他の症状にて一般的用途を有しうる。さら
には、Lp-PLA2阻害剤はまた、活性化された単核細胞、マクロファージまた
はリンパ球はすべてLp−PLA2を発現するため、これらの型の細胞に関与する
障害、例えば、乾癬にて一般的用途を有するかもしれない。
本発明の化合物はまた、抗高脂質血症剤、抗アテローム性動脈硬化症剤、抗糖
尿病剤、抗アンギナ剤、抗炎症剤または抗高血圧剤と組み合わせて前記した病状
を治療するのに用いてもよい。前記の例として、スタチンなどのコレステロール
合成阻害剤、プロブコールなどの抗酸化剤、インスリン感作物質、カルシウムチ
ャネル拮抗物質、およびNSAIDなどの抗炎症薬が挙げられる。
治療的使用において、本発明の化合物は、通常、標準的な医薬組成物にて投与
される。したがって、本発明は、さらなる態様にて、式(I)の化合物と、医薬
上許容される担体とを含有してなる医薬組成物を提供する。
適当な医薬組成物は、経口または非経口投与のためのまたは坐剤として適合す
る組成物を包含する。
経口投与した場合に活性である式(I)の化合物は液体、例えば、シロップ、
懸濁液またはエマルジョン、錠剤、カプセルおよびロゼンジとして処方できる。
液体処方は、一般に、該化合物または医薬上許容される塩の、沈殿防止剤、保
存剤、フレーバー剤または着色剤を含む、適当な液体担体、例えばエタノール、
グリセリン、非水性溶媒、例えばポリエチレングリコール、油または水中懸濁液
または溶液からなる。
錠剤の形態の組成物は、固体処方を調製するのに慣用的に使用されるいずれか
適当な医薬担体を用いて調製できる。このような担体の例は、ステアリン酸マグ
ネシウム、澱粉、ラクトース、シュークロースおよびセルロースを包含する。
カプセルの形態の組成物は、慣用的なカプセル化操作を用いて調製できる。例
えば、活性成分含有のペレットを標準的担体を用いて調製し、ついでハードゼラ
チンカプセルに充填することができる;別法として、分散液または懸濁液をいず
れか適当な担体、例えば水性ガム、セルロース、シリケートまたは油を用いて調
製し、ついでその分散液または懸濁液をソフトゼラチンカプセルに充填すること
もできる。
典型的な非経口組成物は、式(I)の化合物の滅菌水性担体または非経口的に
許容される油、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチ
ン、落花生油またはゴマ油中溶液または懸濁液からなる。また、該溶液を凍結乾
燥し、ついで投与する直前に適当な溶媒で復元することもできる。
典型的な坐剤処方は、このような方法で投与した場合に活性である式(I)の
化合物と、ポリマーグリコール、ゼラチンまたはカカオ脂または他の低融点植物
または合成油脂などの結合剤および/または滑沢剤とを含有してなる。
好ましくは、該組成物は錠剤またはカプセルなどの単位投与形の形態である。
経口投与では、各投与単位は、好ましくは、1ないし500mgの式(I)の
化合物を含有する(非経口投与の場合、好ましくは、0.1ないし25mgを含
有する)。
大人の患者の場合、一日の投与方法は、式(I)の化合物が、経口用量で、例
えば、1mgと1000mgの間、好ましくは1mgと500mgの間であり、
または静脈内、皮下または筋肉内用量で0.1mgと100mgの間、好ましく
は0.1mgと25mgの間であり、該化合物を一日に1ないし4回投与する。
適当には、該化合物を、連続的療法の期間、例えば一週間またはそれ以上の期間
投与する。
式(I)の化合物は、当該分野にて周知の合成操作を用いることにより、通常
の出発物質より調製できる。適当な方法は、式(II):
[式中、
n、R1、R2およびR3は前記と同意義である]
で示されるアゼチドンを、式(III):
ZCH2XY (III)
[式中、Zはハロゲンなどの適当な離脱基であり;
XおよびYは前記と同意義である]
で示されるアルキル化剤と、水素化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの適当
な塩基の存在下、テトラヒドロフラン(THF)などの適当なアルキル化溶媒中
、−10ないし0℃の範囲の温度で反応させることからなる。
前記のアルキル化反応は、通常、nが0である式(II)の化合物を用いて行わ
れる。
nが1または2である式(I)の化合物は、nが0である式(I)の化合物を
、m−クロロ過安息香酸などの適当な酸化剤と反応させることにより容易に調製
できる。(+)−または(−)−1,1'−ビ−2−ナフトール/チタンイソプロ
ポキシド(N Komatsuら、J Org Chem,1993,58,7624−762
6)などのキラル酸化剤を用いることで、純粋なキラル化合物でないならば、ジ
アステレオマー選択性を得ることができる。
nが0である式(II)の化合物は、4−アセトキシアゼチジノンを、ナトリウ
ムエトキシドなどの塩基の存在下、エタノールなどの適当な溶媒中、0ないし5
℃の範囲にある温度で、チオール、R3OHと反応させることにより得ることが
できる。
式(III)の化合物は、Xの特定の基に応じて、公知合成方法を適用すること
により容易に調製できる。通常の出発物質は、適宜置換されたアリール化合物で
あり、ついで、それに工夫を施し、側鎖ZCH2X−を導入してもよい。
Xが基X'(CH2)m(ここに、X'はCONR5(アミド)またはCONHO(
ヒドロキサム酸エステル)をいう)である式(I)の化合物は、通常、式(IV)
:
[式中、
n、R1、R2、およびR3は前記と同意義である]
で示される酸を、クロロギ酸エチルまたはジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)などの活性化剤の存在下、クロロホルムまたはジメチルホルムアミドなど
の適当な溶媒中、−10ないし20℃の範囲にある温度で、式(V):
NHR5(CH2)mY (V)
[式中、Yおよびmは前記と同意義である]
で示されるアミンと、または式(VI):
NHO(CH2)mY (VI)
[式中、Yおよびmは前記と同意義である]
で示されるヒドロキシルアミンと反応させることにより調製できる。
式(IV)の酸は、式(II)の化合物を、前記したアルキル化条件下、2−ブロ
モ酢酸エステルと反応させ、こうして形成された中間体エステルを標準条件を用
いて加水分解することにより得てもよい。
Xが基X'(CH2)m(ここに、X'はCOO(エステル)をいう)である式(I
)の化合物は、別のエステル、特に式(VII):
[式中、
n、R1、R2、およびR3は前記と同意義である]
で示されるメチルエステルから、そのような反応について当該分野にてよく知ら
れている条件を用い、例えば触媒量のナトリウムメトキシドおよびアルコールの
存在下、トルエン中で加熱し、エステル交換反応に付すことで通常調製される。
式(VII)の化合物は、式(II)の化合物を、前記したアルキル化条件下、2
−ブロモ酢酸メチルと反応させることにより得ることができる。
別法として、Xが基X'(CH2)m(ここに、X'はCOO(エステル)をいう)
である式(I)の化合物は、式(IV)の化合物を、アルコールのY(CH2)mOH
と、またはその活性化誘導体、例えばトシレートと反応させることにより調製で
きる。
Rがin vivoにて加水分解可能なエステル基である式(I)の化合物は、エス
テルのプロドラッグの形成について当業者に周知の操作を適用し、例えば、その
ナトリウム塩を、エステル形成条件下、プロドラッグ基の適当な誘導体と反応さ
せることにより、対応する式(I)の化合物(ここに、R3はカルボキシ置換基
からなる)より容易に調製できる。
式(I)のジアステレオマー化合物の混合物は、所望により、当該分野にて周
知の操作に従って分割できる。例えば、スルホキシド(n=1)は、クロマトグ
ラフィーおよび/または結晶化操作により分離してもよい。純粋なキラル化合物
は、キラルクロマトグラフィーにより、純粋なキラル中間体から、またはキラル
試薬または触媒を用いるキラル合成により調製できる。適当なキラル中間体は、
当該分野にて周知の方法に従って、天然のキラル分子を分割、キラル誘導または
合成に付すことにより得ることができる。
本発明を以下の実施例を用いて説明する。その実施例において、「ジアステレ
オマー1」および「ジアステレオマー2」なる語は、スルホキシド化合物につい
て、各々、R,R/S,SおよびR,S/S,R配置を有するジアステレオマーいう
のに用いられる。最初、限定数の化合物をX−線解析に付すことでかかる配置を
得、ついで残りの化合物についてその1H NMRスペクトルに基づき推定した。
特に限定しない限り、化合物はすべてラセミ体である。キラル化合物を4Rまた
はS、SRまたはSとして記載し、ここに4はアゼチジノンのC4位にあるキラ
ル中心をいい、Sはスルホキシド中心をいう。
実施例1 4−メチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジ
ン−2−オン
4−メチルチオアゼチジン−2−オン(Clauss K.、Grimm D.、Prossel
G.、Anal.1974、539)(1.17g、0.01モル)のTHF(10ml
)中溶液を、窒素雰囲気下、−10℃で、水素化ナトリウム(0.42g、0.0
1モル)の乾燥THF(30ml)中懸濁液に5分間にわたって滴下した。その
混合物を、温度を−5と−10℃の間に維持しながら15分間撹拌した。乾燥T
HF(10ml)中の1−ブロモ−4−フェニルブタン−2−オン(Tetrahedr
on、1970、26、5611)(2.27g、0.01モル)を−10℃で5分
間にわたって添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、ついで氷/水(
100g)上に注ぎ、Hyfloを介して濾過し、ブラインで洗浄し、分離した。有
機抽出液を乾燥し、減圧下で黄色油にまで蒸発させた。これを石油エーテル/酢
酸エチル(2:1)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに
付して精製し、4−メチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼ
チジン−2−オンを無色油として得る(1.08g、41%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.96(3H,s,SCH3)、2.73(2H,t,J=7.0Hz,CH2Ph)
、2.86(2H,t,J=7.0Hz,COCH2)、2.97(1H,dd,J=15.25,2.25Hz,H3a)、3.37(1H,d
d,J=15.25,5.00Hz,H3b)、3.68、4.24(各,1H,d,J=18.5Hz,N-CH2)、4.82(1H,m
,H4)、7.10-7.31(5H,m,Ph-H)。
元素分析:C14H17NO2Sとして、計算値(%):C,63.9;H,6.5;N,5.3、
測定値(%):C,63.8;H,6.3;N,5.0
実施例2 4−メチルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)
アゼチジン−2−オン
4−メチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2−
オン(0.4g、1.5ミリモル)のジクロロメタン(40ml)中溶液を−60
℃に冷却した。この溶液に、温度を−50および−60℃に維持しながら、メタ
クロロ過安息香酸(m−CPBA、0.52g、1.5ミリモル)の乾燥ジクロロ
メタン(50ml)中溶液を10分間にわたって滴下した。混合物を室温で60
分間撹拌し、希亜硫酸ナトリウム、希炭酸水素ナトリウム、水(x2)で洗浄し
、乾燥(硫酸マグネシウム)した。減圧下で蒸発させて残渣を得、それを酢酸エ
チルを、ついで石油エーテル/酢酸エチルを用いるシリカゲル上のフラッシュク
ロマトグラフィーにより精製し、4−メチルスルフィニル−1−(4−フェニル
−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オンをワックス状黄色固体として得た(
0.18g、43%)。1H NMRよりこの物質がジアステレオマーの混合物(
1:1)であることがわかった。1
H NMR(CDCl3)δ:2.46(3H,s,SOCH3)、2.53(3H,s,SOCH3)、2.73(
4H,m,2xCH2Ph)、2.70−2.90(5H,m,2xCOCH3,H3a)、3.23(1H,dd,J=14.75,5.00
Hz,H3b)、3.41(1H,dd,J=14.75,5.00Hz,H3b)、3.53(1H,dd,J=14.75,2.25Hz,H3a
)、3.85、4.22(各,1H,J=19.00,18.75Hz,N-CH2)、4.41、4.49(2H,dd,J=11.
50,11.75Hz,H4)、4.69(1H,m,H4)、4.72(1H,m,H4)、7.15-7.32(10H,m,
2xPh-H)。
元素分析:C14H17NO3Sとして、計算値(%):C,60.2;H,6.1;N,5.0、
測定値(%):C,59.2;H,6.1;N,4.9
実施例3 4−メチルスルホニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)ア
ゼチジン−2−オン
4−メチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2−
オン(0.24g、0.9ミリモル)のジクロロメタン(30ml)中溶液を−1
0℃に冷却した。ジクロロメタン(30ml)中のm−CPBA(1.10g、
3.2ミリモル)を10分間にわたって滴下した。この溶液を室温で90分間撹
拌し、希亜硫酸ナトリウム、希炭酸水素ナトリウム、水(x2)で洗浄し、つい
で乾燥(硫酸マグネシウム)し、油にまで蒸発させた。これを石油エーテル/酢
酸エチルを用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し
、4−メチルスルホニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン
−2−オンを無色油として得た(0.14g、53%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.78(2H,m,CH2Ph)、2.90(3H,s,SO2CH3)、2.96(
2H,m,COCH2)、3.25(1H,dd,J=15.5,2.25Hz,H3a)、3.51(1H,dd,J=15.5,5.25Hz
,H3b)、4.04、4.40(各,1H,d,J=18.25,18,25Hz,N-CH2)、4.85(1H,m,H4)、7.
15-7.33(5H,m,Ph-H)。
元素分析:C14H17NO4Sとして、計算値(%):C,56.9;H,5.8;N,4.7、
測定値(%):C,57.1;H,5.8;N,4.8
実施例4 4−メチルチオ−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)アゼチジ
ン−2−オン
A.1−ブロモ−9−フェニルノナン−2−オン 塩化6−ブロモヘキサノイ
ル(49.7g、0.233モル)の乾燥ジクロロメタン(40ml)中溶液を、
塩化アルミニウム(31.0g、0.233モル)の乾燥ジクロロメタン(100
ml)中懸濁液に、温度を20℃と213℃の間に維持しながら5分間にわたっ
て滴下した。該混合物を室温で30分間撹拌して黄色溶液を得た。乾燥ジクロロ
メタン(30ml)中のベンゼン(18.2g、0.233モル)を添加し、室温
で20時間撹拌した。トリエチルシラン(59.9g、0.515モル)を、温度
を25℃と35℃の間に維持しながら10分間にわたって添加した。その溶液を
室温で60分間撹拌した。ついで、この溶液を氷/水(200g)に注いだ。一
部分離を行い、有機層をその溶液のpHが中性になるまでブラインおよび水で数
回洗浄した。有機溶液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下で黄色油にまで蒸
発させた。この物質を、減圧下、90℃ないし110℃/0.5ミリバールで蒸
留し、無色油を得た。関連するフラクションを合し、ヘキサンを用いるシリカゲ
ル上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、6−ブロモ−1−フェニ
ルヘキサンを無色油として得た(18.33g、33%)。
6−ブロモ−1−フェニルヘキサン(18.02g、0.075モル)をアセト
ン(300ml)に溶かし、NaI(44.85g、0.299モル)を加え、そ
の混合物を還流温度で18時間加熱した。この物質を濾過し、アセトンを減圧下
で蒸発させて残留物を得、それをn−ペンタン(1850ml)で抽出した。不
溶性固体を濾去し、濾液を蒸発させて6−ヨード−1−フェニルヘキサンを無色
液体として得た(21.22g、99%)。
6−ヨード−1−フェニルヘキサン(17.43g、0.061モル)、アセチ
ルアセトン(6.66g、0.067モル)および炭酸カリウム(8.41g、0.
061モル)を乾燥無水エタノール(75ml)に溶かし、その溶液を18時間
還流した。室温に冷却した後、溶液を濾過し、減圧下で油にまで蒸発させた。こ
れを酢酸エチル(80ml)と水(80ml)の間に分配し、有機層をブライン
で洗浄し、乾燥し、橙色油にまで蒸発させた(15.27g)。石油エーテル/
酢酸エチルを用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付してこの
物質を精製し、9−フェニルノナン−2−オンを無色油として得た(7.12g
、54%)。
臭素を9−フェニルノナン−2−オン(7.12g、0.033モル)の乾燥メ
タノール(75ml)中溶液に加え、室温で2時間撹拌した。水(50ml)を
添加し、撹拌を室温で18時間続けた。エーテル(175ml)および水(10
0ml)を加え、有機層を希炭酸水素ナトリウム、水(x2)で洗浄し、乾燥(
硫酸マグネシウム)し、減圧下で油にまで蒸発させた(5.39g)。石油エー
テル(40°−60°、50ml)を加え、混合物を−10℃に冷却し、濾過し
た。得られた固体をエーテル(40ml)に再び溶かし、減圧下で油にまで蒸発
させ(4.06g)、それをヘキサン/酢酸エチルを用いるシリカゲル上のフラ
ッシュクロマトグラフィーに付してさらに精製し、1−ブロモ−9−フェニルノ
ナン−2−オンを淡黄色固体として得た(3.80g、39%)。
B.4−メチルチオ−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)アゼチジン−2
−オン 1−ブロモ−9−フェニルノナン−2−オン(1.9g、6.4ミリモ
ル)を1−ブロモ−4−フェニルブタン−2−オンの代わりに用い、対応するモ
ル量の4−メチルチオアゼチジン−2−オンおよび水素化ナトリウムを実施例1
に記載の方法に従って用い、溶出液として石油エーテル/酢酸エチルを用いるシ
リカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した後、4−メチルチ
オ−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)アゼチジン−2−オンを黄色固体
(1.09g、51%)(融点48℃〜51℃)として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.23-1.44(1H,m,5xCH2)、2.02(3H,s,SCH3)、2.
41(2H,t,J=7.25Hz,COCH2)、2.60(2H,t,J=7.25Hz,CH2Ph)、3.03(1H,dd,J=15
.0,2.0Hz,H3a)、3.43(1H,dd,J=15.00,5.00Hz,H3b)、3.72、4.29(各、1H,d,J
=18.5Hz,N-CH2)、4.92(1H,m,H4)、7.14-7.30(5H,m,Ph-H)
元素分析:C19H27NO2Sとして、計算値(%):C,68.4;H,8.2;N,4.2、
測定値(%):C,67.9;H,7.9;N,4.1
実施例5 4−メチルスルフィニル−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)
アゼチジン−2−オン
実施例6 4−メチルスルホニル−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)ア
ゼチジン−2−オン
4−メチルチオ−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)アゼチジン−2−
オン(0.993g、2.98ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(90ml)中溶
液を−50℃に冷却し、乾燥ジクロロメタン(50ml)中のmCPBA(0.
95g、2.58ミリモル)を30分間にわたって滴下し、ついで室温で90分
間撹拌した。この物質を亜硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび水(x2
)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、固体にまで蒸発させた(1.09g
)。これを石油エーテル/酢酸エチル/エタノールで溶出するシリカゲル上のフ
ラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、4−メチルスルフィニル−1−(
9−フェニル−2−オキソノニル)アゼチジン−2−オン(実施例5)を白色ワ
ックス状固体として得た(0.718g、69%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.23-1.65(20H,m,2xCH2CH2CH2CH2CH2)、2.43(4H
,t,J=7.25Hz,2xCOCH2)、2.47(3H,s,SOCH3)、2.54(3H,s,SOCH3)、2.60(4H,
t,J=7.25Hz,2xCH2Ph)、2.89(1H,dd,J=15.0,2.25Hz,H3a)、3.24(1H,dd,J=14.
75,5.00Hz,H3b)、3.41(1H,dd,J=15.0,5.25Hz,H3b)、3.54(1H,dd,J=14.75,1.
75Hz,H3a)、3.91、4.51(各、1H,d,J=19.0,19.0Hz,N-CH2)、4.23、4.44(各、
1H,d,J=19.0,19.0Hz,N-CH2)、4.70(1H,m,H4)、4.81(1H,m,H4)、7.15-7.30
(10H,m,2xPh-H)。元素分析:C19H27NO3Sとして、計算値(%):C,65.3;
H,7.8;N,4.0、測定値(%):C,64.8;H,7.7;N,4.1
および4−メチルスルホニル−1−(9−フェニル−2−オキソノニル)アゼチ
ジン−2−オン(実施例6)を無色固体として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.18-1.52(10H,m,CH2CH2CH2CH2CH2)、2.33(2H,t
,J=7.25Hz,COCH2)、2.53(2H,t,CH2Ph)、2.87(3H,s,SO2CH3)、3.18(1H,dd,J=15
.5,2.25Hz,H3a)、3.46(1H,dd,J=15.5,5.25Hz,H3b)、4.00、4.35(各、1H,d,J
=18.75,18.75Hz,N-CH2)、4.80(1H,m,H4)、7.08-7.23(5H,m,Ph-H)。
元素分析:C19H27NO4Sとして、計算値(%):C,62.4;H,7.5;N,3.8、
測定値(%):C,62.0;H,7.3;N,3.7
実施例7 4−メチルチオ−1−フェナシルアゼチジン−2−オン
2−ブロモアセトフェノン(1.70g、8.54ミリモル)を1−ブロモ−4
−フェニルブタン−2−オンの代わりに用い、対応するモル量の4−メチルチオ
アゼチジン−2−オンおよび水素化ナトリウムを用い、2−ブロモアセトフェノ
ンを−55℃で20分間にわたって添加することを除いて実施例1の方法に従い
、4−メチルチオ−1−フェナシルアゼチジン−2−オンを黄色固体として得た
(0.62g、31%、融点43℃〜45℃)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.04(3H,s,SCH3)、3.07(1H,dd,J=15.25,1.75Hz,
H3a)、3.50(1H,dd,J=15.25,5.0Hz,H3b)、4.32、4.99(各、1H,d,J=18.25,8.2
5Hz,N-CH2)、5.03(1H,m,H4)、7.46-7.66、7.91-7.95(3H,2H,m,Ph-H)
元素分析:C12H13NO2Sとして、計算値(%):C,61.2;H,5.6;N,5.9、
測定値(%):C,61.2;H,5.8;N,5.6
実施例8 4−メチルスルフィニル−1−フェナシルアゼチジン−2−オン
実施例9 4−メチルスルホニル−1−フェナシルアゼチジン−2−オン
実施例5および6について、4−メチルチオ−1−(9−フェニル−2−オキ
ソノニル)アゼチジン−2−オンの代わりに4−メチルチオ−1−フェナシルア
ゼチジン−2−オン(0.53g、2.25ミリモル)を用い、対応するモル量の
mCPBAを用い、4−メチルスルフィニル−1−フェナシルアゼチジン−2−
オン(実施例8)をワックス状固体として得た(0.45g、80%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.50(3H,s,SOCH3)、2.58(3H,s,SOCH3)、2.98(
1H,dd,J=15.0,2.50Hz,H3a)、3.32(1H,dd,J=15.0,5.0Hz,H3b)、3.50(1H,dd,J
=15.0,5.25Hz,H3b)、3.63(1H,dd,J=2.50,15.0Hz,H3a)、4.52、5.20(各、1H,
d,J=18.75,18.75Hz,N-CH2)、4.85、5.12(各、1H,d,J=18.75,18.75Hz,N-CH2)
、4.86(1H,m,H4)、4.95(1H,m,H4)、7.45-7.67、7.86-7.93(6H,4H,m,Ph-H)
。
元素分析:C12H13NO3Sとして、計算値(%):C,56.9;H,5.2;N,5.5、
測定値(%):C,56.7;H,5.2;N,5.5
および4−メチルスルホニル−1−フェナシルアゼチジン−2−オン(実施例9
)を黄色ガム状物として得た(0.09g、15%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.98(3H,s,SO2CH3)、3.34(1H,dd,J=15.5,2.0Hz,
H3a)、3.58(1H,dd,J=15.5,5.25Hz,H3b)、4.68、5.13(各、1H,d,J=18.5,18.5
Hz,N-CH2)、5.04(1H,m,H4)、7.47-7.57、7.88-7.91(3H,2H,m,Ph-H)。
元素分析:C12H13NO4Sとして、計算値(%):C,53.9;H,5.0;N,5.1、
測定値(%):C,53.9;H,5.0;N,4.6
実施例10ないし15の化合物は、実施例1〜9について記載されている方法に
類似の方法により製造した。
実施例10 4−メチルチオ−1−(5−フェニル−2−オキソペンチル)アゼ
チジン−2−オン
無色油、34%収率
元素分析:C15H19NO2Sとして、計算値(%):C,59.3;H,7.3;N,3.3、
測定値(%):C,59.3;H,7.6;N,3.0
実施例11 4−メチルスルフィニル−1−(5−フェニル−2−オキソペンチ
ル)アゼチジン−2−オン
無色固体、融点62−64℃、収率69.5%
元素分析:C15H19NO3Sとして、計算値(%):C,61.4;H,6.5;N,4.8、
測定値(%):C,61.0;H,6.4;N,4.7
実施例12 4−メチルスルホニル−1−(5−フェニル−2−オキソペンチル
)アゼチジン−2−オン
無色固体、融点62−64℃、収率92%
元素分析:C15H19NO4Sとして、計算値(%):C,58.2;H,6.2;N,4.5、
測定値(%):C,58.0;H,6.0;N,4.7
実施例13 4−メチルチオ−1−(7−フェニル−2−オキソヘプチル)アゼ
チジン−2−オン
黄色固体、融点37−8℃、収率50%
元素分析:C17H23NO2Sとして、計算値(%):C,66.9;H,7.6;N,4.6、
測定値(%):C,66.7;H,7.4;N,4.6
実施例14 4−メチルスルフィニル−1−(7−フェニル−2−オキソヘプチ
ル)アゼチジン−2−オン
無色油、54%1
H NMR(CDCl3)δ:1.34、1.62(6H,2xm,CH2)、2.4(2H,m,COCH2)、2
.47、2.54(3H,2xs,SOCH3)、2.61(2H,t,J=7.7Hz,CH2Ph)、3.24、3.53、2.90
、3.40(2H,4xdd,J=15.5Hz,H3a,J=15.2Hz,H3a)、3.91、4.49、4.22、4.42(2H,
4xd,J=19Hz,N-CH2)、4.80、4.69(1H,2xm,H4)、7.15-7.30(5H,m,Ph-H)
実施例15 4−メチルスルホニル−1−(7−フェニル−2−オキソヘプチル
)アゼチジン−2−オン
無色固体、融点77−9℃、17%
元素分析:C17H23NO4Sとして、計算値(%):C,60.5;H,6.9;N,4.2、
測定値(%):C,60.2;H,6.7;N,4.2
実施例16 4−ブチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチ
ジン−2−オン
A.4−ブチルチオアゼチジン−2−オン ナトリウム(1.2g、0.05モ
ル)をエタノール(100ml)に溶かし、冷却し、ブタンチオール(4.7g
、0.0525モル)を添加した。混合物を5℃に冷却し、4−アセトキシアゼ
チジノン(6.46g、0.05モル)のエタノール(50ml)中溶液で処理し
た。その混合物を30分間撹拌し、多量のエタノールを蒸発させた。残渣を酢酸
エチルと水の間に分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。合した抽出液をブライ
ンで洗浄し、乾燥して蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル
、酢酸エチル−ヘキサン)に付し、標記化合物を油状物として得た(3.25g
、4
1%)。1
H NMR(CDCl3)δ:
B.4−ブチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2
−オン 4−ブチルチオアゼチジン−2−オン(3.2g、0.02モル)、臭
化テトラブチルアンモニウム(0.65g、0.002モル)、1−ブロモ−4−
フェニル−2−オキソブタン(5.0g、0.022モル)および水酸化カリウム
粉末(1.23g、0.022モル)の混合物を、乾燥テトラヒドロフラン(10
0ml)中、氷浴でいくらか冷却しながら30分間撹拌した。その混合物を酢酸
エチル−希塩化アンモニウム溶液の間に分配した。水溶液をエーテル(x2)で
抽出し、合した抽出液をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。フラッシュク
ロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン−酢酸エチル)に付し、標記化合物を
黄色油として得た(3.6g、59%)。1
H NMR(CDCl3)δ:
実施例17 4−ブチルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル
)アゼチジン−2−オン(>99%、ジアステレオマー1)
m−クロロ過安息香酸(0.81g、0.0047モル)のジクロロメタン(5
0ml)中溶液を、4−ブチルチオ−N−(4−フェニル−2−オキソブチル)
アゼチジン−2−オン(1.2g、0.0039モル)のジクロロメタン(50m
l)中撹拌溶液に−60℃で滴下した。撹拌を−60℃で30分間続け、ついで
該混合物を炭酸水素ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムの水溶液に注いだ。層を
分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合した抽出液を乾燥し、蒸発させて
固体を得、それをエーテル中でスラリーにし、濾過し、エーテルおよびペトロー
ルで洗浄した。その固体をエーテルから再結晶し、標記化合物を白色結晶として
得た(280mg、22%)(融点145−6℃)。
元素分析:C17H23NO3S・0.3H2Oとして、計算値(%):C,62.47;H,
7.28;N,4.29、測定値(%):C,62.19;H,6.80;N,4.28
実施例18 4−ブチルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル
)アゼチジン−2−オン(80%、ジアステレオマー2)
前記した調製の母液を濃縮し、放置して結晶を得た。エーテルから再結晶し、
標記化合物を得た(84mg、7%)(融点64−5℃)。
元素分析:C17H23NO3S・0.3H2Oとして、計算値(%):C,62.47;H,
7.28;N,4.29、測定値(%):C,62.11;H,6.85;N,4.30
実施例19 4−ブチルスルホニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)
アゼチジン−2−オン
m−クロロ過安息香酸(1.5g、9ミリモル)のジクロロメタン(50ml
)中溶液を、4−ブチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチ
ジン−2−オン(0.9g、3ミリモル)のジクロロメタン(50ml)中撹拌
溶液に0℃で添加した。30分後に冷却浴を取り外し、混合物をさらに2時間撹
拌した。混合物を炭酸水素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの水溶液に注いだ。層
を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合した有機抽出液を炭酸水素ナト
リウム溶液で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発させて固体を得、それ
をエーテルでスラリー状にし、濾過し、エーテルおよびペトロールで洗浄した。
エーテルから再結晶し、標記化合物を白色固体として得た(530mg、43%
)(融点93−94℃)。
元素分析:C17H23NO4S・0.17H2Oとして、計算値(%):C,59.96;H
,6.91;N,4.11、測定値(%):C,59.69;H,6.61;N,4.26
実施例20 4−tert−ブチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)
アゼチジン−2−オン
実施例16Bの4−ブチルチオアゼチジン−2−オンの代わりに4−tert−ブ
チルチオアゼチジノン(Kauraら、JCS Chem Comm、1980、34)(2.
1g、13ミリモル)を用い、対応するモル比の他の試薬を用いて、標記化合物
を固体として得た(0.6g、16%、融点65℃)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.29(9H,s,t-Bu)、2.73(2H,t,J=7Hz,CH2Ph)、2
.88(2H,t,J=7Hz,COCH2)、3.00(1H,dd,J=2.5,15Hz,H3a)、3.55(1H,dd,J=5,1
5Hz,H3b)、3.59、4.32(各、1H,d,J=17.5Hz,NCH2)、4.99(1H,m,H4)、7.16-7
.32(5H,m,Ph-H)
実施例21 4−tert−ブチルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソ
ブチル)アゼチジン−2−オン
4−tert−ブチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン
−2−オン(0.6g、2ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(30ml)に溶か
し、その溶液を−50℃に冷却した。m−CPBA(0.32g、2ミリモル)
の乾燥ジクロロメタン(20ml)中溶液を滴下し、得られた混合物をさらに3
時間撹拌した。該混合物を炭酸水素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの水溶液に注
いだ。層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合した有機抽出液を炭酸
水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発させて固体を
得、それを溶出溶媒として酢酸エチル/エーテルおよび酢酸エチルを用いるフラ
ッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを蒸発させて標
記化合物を無色固体として得た(0.3g、48%、融点79−81℃)。
元素分析:C17H23NO3として、計算値(%):C,63.5;H,7.2;N,4.4、
測定値(%):C,63.6;H,7.0;N,4.5
実施例22 4−ヘキシルチオ−N−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼ
チジン−2−オン
A.4−ヘキシルチオアゼチジノン 実施例16Aにおける1−ブタンチオー
ルの代わりに1−ヘキサンチオール(6.0ml、0.042モル)を用い、対応
するモル比の他の試薬を用いて標記化合物を油状物として得た(6.97g、9
5%)。1
H NMR(CDCl3)δ:
B.4−ヘキシルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−
2−オン 実施例16Bにおける4−ブチルチオアゼチジン−2−オンの代わ
りに4−ヘキシルチオアゼチジノン(6.0g、0.032モル)を用い、対応す
るモル比の他の試薬を用いて標記化合物を油状物として得た(5.6g、52%
)。1
H NMR(CDCl3)δ:
実施例23 4−ヘキシルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチ
ル)アゼチジン−2−オン(>99%、ジアステレオマー1)
m−クロロ過安息香酸(2.48g、0.0144モル)のジクロロメタン(5
0ml)中溶液を、4−ヘキシルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル
)アゼチジン−2−オン(4.0g、0.012モル)のジクロロメタン(50m
l)中撹拌溶液に−60℃で滴下した。撹拌を−60℃で30分間続け、ついで
混合物を炭酸水素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの水溶液に注いだ。層を分離し
、水層をジクロロメタンで抽出した。合した有機抽出液を乾燥(硫酸マグネシウ
ム)し、蒸発させて固体を得、それをエーテルにてスラリーにし、濾過し、エー
テルおよびペトロールで洗浄した。その固体を酢酸エチルから再結晶し、標記化
合物を白色結晶として得た(920mg、22%)(融点154−5℃)。
元素分析:C19H27NO3Sとして、計算値(%):C,65.30;H,7.79;N,4.
01、測定値(%):C,64.93;H,7.50;N,4.24
実施例24 4−ヘキシルスルフィニル−1−(4−フェニル−2−オキソブチ
ル)アゼチジン−2−オン(97%、ジアステレオマー2)
前記した調製物の母液を濃縮し、クロマトグラフィー(細状シリカゲル、酢酸
エチル)に付し、エーテルから結晶化させ、標記化合物を白色固体として得た(
800mg、19%)(融点67−8℃)。
元素分析:C19H27NO3S・0.1H2Oとして、計算値(%):C,64.96;H,
7.80;N,3.99、測定値(%):C,64.67;H,7.47;N,4.30
実施例25 (4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸ベン
ジル
標記化合物を文献の記載にしたがって灰白色ワックス状固体として調製した。1
H NMR(CDCl3)δ:2.01(3H,s,CH3)、3.03(1H,ddd,J=15,2.3,0.7Hz,
H3b)、3.40(1H,dd,J=15,5Hz,H3b)、3.74、4.30(各、1H,d,J=18Hz,NCH2)、4
.91(1H,dd,J=2,2.3Hz,H4)、5.16、5.20(各、1H,d,J=12Hz,OCH2)、7.37(5H,
m,Ph-H)
実施例26および27を、実施例2および3に記載の方法に類似する方法に従
って調製した。実施例26および27を結晶化により分離した。
実施例26 (4−メチルスルフィニル−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジル(90%、ジアステレオマー1)1
H NMR(CDCl3)δ:2.56(3H,s,SOCH3)、2.91(1H,dd,J=2.5,15Hz,H3a)、
3.37(1H,dd,J=5.2,15Hz,H3b)、4.20、1.42(各、1H,d,J=18Hz,N-CH2)、4.75
(1H,dd,J=2.5,5.2Hz,H4)、5.18(2H,m,CH2Ph)、7.36(5H,m,Ph-H)
実施例27 (4−メチルスルフィニル−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジル(55%、ジアステレオマー2)1
H NMR(CDCl3)δ:2.47(3H,s,SOCH3)、3.21(1H,dd,J=5,15Hz,H3a)
、3.57(1H,m,H3b)、3.89、4.49(各、1H,d,J=18.5Hz,N-CH2)、4.76(1H,dd,J
=2.2,5Hz,H4)、5.19(2H,s,CH2Ph)、7.37(5H,m,Ph-H)
実施例28 (4−メチルスルホニル−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢
酸ベンジル1
H NMR(CDCl3)δ:2.94(3H,s,SO2CH3)、3.27(1H,dd,J=2.2,15.5Hz,
H3a)、3.49(1H,dd,J=5.2,15.5Hz,H3b)、4.05、4.41(各、1H,d,J=18.5Hz,N-C
H2)、4.89(1H,dd,J=2.2,5.2Hz,H4)、5.17、5.22(各、1H,d,J=12Hz,CH2Ph)、7
.35(5H,m,Ph-H)
実施例29 (+)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジル
A.(+)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸およ
び(−)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸 (
±)−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸(E Huntら
、Tet.Lett.、1979、391)をエタノール(50ml)に溶かし、その
溶液をブルシン・二水和物(15.97g、0.034モル)のエタノール(20
0ml)中溶液で処理した。混合物を冷却し、得られた固体を濾過し、エタノー
ルから再結晶した。その固体を水に溶かし、その溶液を希塩酸でpH1.5に酸性
化した。得られた混合物をエーテル(2x100ml)で抽出し、有機相を分離
し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、蒸発させて(−)−(4−メチルチ
オ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸(1.02g、35%、融点11
2−113℃、[α]D 25=−109.5°(c=1、EtOH)。最初の結晶操
作の濾液を蒸発乾固させ、希塩酸でpH1.5に酸性化し、エーテル(2x100
ml)で抽出した。合したエーテル抽出液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過
し、蒸発させて(+)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル
)酢酸(1.14g、38%、融点117−118℃、[α]D 25=+104.7
°(c=1、EtOH)。
B.(+)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸ベン
ジル 3−ベンゾイル−3−フェニルジアジリン(1.0g、4.3ミリモル)
をエーテル(25ml)に溶かし,水酸化ナトリウム(0.13g、3.4ミリモ
ル)のメタノール/H2O(6:1、5ml)中溶液を添加した。その混合物を
16時間激しく撹拌し、得られた沈殿物を濾過し、5%水酸化ナトリウム溶液、
水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、デカントした。(+)−(4−メチ
ルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸(0.48g、2.8ミリモル
)のジクロロメタン(5ml)中溶液を加え、該混合物を15分間撹拌し、大過
剰量の酢酸と反応させた。反応物を飽和水性炭酸水素ナトリウムで注意して洗浄
し、
乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発させてフラッシュクロマトグラフィー(Et2
O/ヘキサン 2:1)に付し、(+)−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル)酢酸ベンジルを固体として得た(0.10g、13%、融点3
5−36℃)
元素分析:C13H15NO3Sとして、計算値(%):C,58.9;H,5.7;N,5.3、
測定値(%):C,58.6;H,5.5;N,5.4
実施例30 (−)−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢
酸ベンジル
実施例29Bにおける(+)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−
1−イル)酢酸の代わりに(−)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン
−1−イル)酢酸(0.48g、2.8ミリモル)を用い、対応するモル量の他の
試薬を用い、(−)−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジルを固体として得た(0.13g、18%、融点38−40℃)。
元素分析:C13H15NO3Sとして、計算値(%):C,58.9;H,5.7;N,5.3、
測定値(%):C,58.5;H,5.6;N,5.3
実施例31 (+)−(4−メチルスルホニル−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)酢酸ベンジル
実施例2に記載されているように、(+)−(4−メチルチオ−2−オキソア
ゼチジニル−1−イル)酢酸ベンジルをmCPBAと反応させ、標記化合物を無
色結晶として得た(融点105−106℃、収率38%)。
元素分析:C13H15NO5Sとして、計算値(%):C,52.3;H,5.1;N,4.7、
測定値(%):C,52.5;H,5.1;N,4.7
実施例32 (−)−(4−メチルスルホニル−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)酢酸ベンジル
実施例2に記載されているように、(−)−(4−メチルチオ−2−オキソア
ゼチジニル−1−イル)酢酸ベンジルをmCPBAと反応させ、標記化合物を無
色結晶として得た(融点102−103℃、収率87%)。
元素分析:C13H15NO5Sとして、計算値(%):C,52.4;H,4.9;N,4.6、
測定値(%):C,52.5;H,5.1;N,4.7
実施例33 (4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸6−(
4−フルオロフェニル)ヘキシル
実施例48cにおける(3,3−ジメチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼ
チジニル)酢酸の代わりに(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジニル)酢酸を
用い、標記化合物を無色油として得た。
元素分析:C18H24FNO3Sとして、計算値(%):C,61.2;H,6.8;N,3.9
、測定値(%):C,61.3;H,6.9;N,3.5
実施例34 トランス−(3−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン
−1−イル)酢酸ベンジル
A.トランス−3−メチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オン シスおよ
びトランス−3−メチル−4−アセトキシアゼチジン−2−オンの混合物(RA
Firestoneら、Tetrahedron、1990、46、2255)を、実施例16A
の条件下でメタンチオールと反応させ、クロマトグラフィーに付した後、標記化
合物を無色油として得た(収率39%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.37(3H,d,J=7.4Hz,CH3)、2.15(3H,s,SCH3)、3
.17(1H,dq,J=2.0,7.0Hz,H3)、4.37(1H,d,J=2.0Hz,H4)、6.67(1H,brs,NH)
B.トランス−(3−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)酢酸ベンジル
トランス−3−メチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オンを、実施例16
Bに記載の条件下、1−ブロモ酢酸ベンジルと反応させ、トランス−(3−メチ
ル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸ベンジルを無色油
として得た(収率25%)。
元素分析:C14H17NO3Sとして、計算値(%):C,60.2;H,6.1;N,5.0、
測定値(%):C,60.1;H,6.1;N,5.2
実施例35および36を、実施例5および6について記載されている方法に従っ
て調製した。
実施例35 トランス−(3−メチル−4−メチルスルフィニル−2−オキソア
ゼチジン−1−イル)酢酸ベンジル
無色油、21%1
H NMR(CDCl3)δ:1.45、1.45(3H,2xd,J=7.5Hz,CH3)、2.53、2.58(
3H,2xs,SOCH3)、3.1、3.8(1H,2xm,H3)、3.82、4.48、4.15、4.43(2H,2xd,J=
18Hz,N-CH2)、4.4(1H,m,H4)、5.2(2H,m,CH2Ph)、7.38(5H,m,Ph-H)
元素分析:C14H17NO4S・0.16H2Oとして、計算値(%):C,56.4;H,
5.9;N,4.7、測定値(%):C,56.3;H,5.8;N,4.5
実施例36 トランス−(3−メチル−4−メチルスルホニル−2−オキソアゼ
チジン−1−イル)酢酸ベンジル
無色油、56%1
H NMR(CDCl3)δ:1.46(3H,d,J=7.4Hz,CH3)、2.92(3H,s,SO2CH3)
、3.5(1H,m,H3)、4.0、4.4(各、1H,d,J=18.3Hz,N-CH2)、4.5(1H,d,J=2.1Hz
,H4)、5.19(2H,s,CH2Ph)、7.35(5H,m,Ph-H)
元素分析:C14H17NO5Sとして、計算値(%):C,54.0;H,5.5;N,4.5、
測定値(%):C,53.5;H,5.5;N,4.2
実施例37 4−メチルチオ−1−(4−フェニル−3−オキソブチル)アゼチ
ジン−2−オン
A)4−ブロモ−1−フェニルブタン−1−オン ジクロロメタン(50ml
)中の塩化4−ブロモブチリル(25g、0.135モル)を、AlCl3のジクロ
ロメタン(100ml)中懸濁液に室温で5分間にわたって滴下した。撹拌を室
温で30分間続け、つづいてジクロロメタン(20ml)中のベンゼン(10.
53g、0.135モル)を添加した。反応混合物を20時間撹拌した。混合物
を氷/水(200g)に注ぎ、エーテル(100ml)を加え、有機層を分離し
た。これを希炭酸水素ナトリウム、ブラインおよび水で、その溶液のpHが中性
になるまで洗浄した。合した有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下で蒸
発させて褐色油を得た(27.83g)。これをヘキサン/エーテル(15:1
、10:1、1:1、ついで1:2)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマ
トグラフィーに付して精製し、標記化合物を固体として得た(24.98g、8
1%)。
B)4−ヨード−1−フェニルブタン−1−オン 4−ブロモ−1−フェニル
ブタン−1−オン(22.71g、0.10モル)を実施例1に記載の方法により
NaIと反応させ、4−ヨード−1−フェニルブタン−1−オンを得た(8.93
g、92%)。
C)4−ヨード−1−フェニルブタン−1−オン・エチレンアセタール 4−
ヨード−1−フェニルブタン−1−オン(8.53g、0.031モル)、エチレ
ングリコール(3.85g、0.062モル)および触媒量のp−トルエンスルホ
ン酸(0.29g、1.55モル)の乾燥ベンゼン(250ml)中溶液を、Dea
n Stark装置を用い、18時間一夜にわたって共沸蒸留下で還流した。ついで、
冷却し、希炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し
、減圧下で黄色固体にまで蒸発させた(10.45g)。これを酢酸エチル/石
油エーテル(40−60°)から再結晶して精製し、黄色結晶(4.33g)を
得た。その母液を固体にまで蒸発させ、酢酸エチル/石油エーテル(40−60
°)から再結晶し、さらに黄色結晶(2.00g、全体として64%)
を得た。
D)4−メチルチオ−1−(4−フェニル−4−オキソブチルエチレンアセター
ル)アゼチジン−2−オン 実施例1における1−ブロモ−4−フェニルブタ
ン−2−オンの代わりに4−ヨード−1−フェニルブタン−1−オン・エチレン
アセタール(2.72g、8.53ミリモル)を用い、対応するモル量の他の試薬
を用い、標記化合物を淡黄色固体として得た(0.82g、31%)。
E)4−メチルチオ−1−(4−フェニル−4−オキソブチル)アゼチジン−2
−オン 4−メチルチオ−1−(4−フェニル−4−オキソブチル エチレン
アセタール)アゼチジン−2−オン(0.75g、2.45ミリモル)を乾燥TH
F(30ml)に溶かし、1mlの5%HClを毎日、TLCで連続モニター観
察しながら10日間加えた。ついで、THFを減圧下で油状物にまで蒸発させ、
その油状物を酢酸エチル(50ml)に溶かし、ついで水、希亜硫酸ナトリウム
、希炭酸水素ナトリウム、およびブラインで、その溶液のpHが中性になるまで
洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、固体にまで蒸発させた(0.43g)。
これをエーテル/石油エーテル(40−60°)から再結晶に付して精製し、標
記化合物を淡黄色固体として得た(融点57−60℃、0.29g、44%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.07(5H,m,CH2CO+SCH3)、2.94(1H,dd,J=2,15Hz
,H3)、3.07(2H,t,J=7.1Hz,CH2)、3.27(1H,dd,J=5,15Hz,H3)、3.15、3.4(2
H,2xm,NCH2)、4.7(1H,m,H4)、7.5、7.9(5H,2xm,Ph-H)
実施例38 4−メチルスルフィニル−1−(4−フェニル−4−オキソブチル
)アゼチジン−2−オン
実施例2に記載されているように、4−メチルチオ−1−(4−フェニル−4
−オキソブチル)アゼチジン−2−オン(0.29g、1.09ミリモル)をmC
PBAと反応させ、標記化合物を黄色油として得た(0.27g、89%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.01-2.20(4H,m,2xCH2CH2CH2)、2.49(3H,s,
SOCH3)、2.61(3H,s,SOCH3)、2.79(1H,dd,J=15.0,2.25Hz,H3a)、3.00-3.26
(6H,m,2xCH2CO,2xH3b)、3.42-4.07(5H,m,2xN-CH2,H3a)、4.46(1H,m,H4)、
4.56(1H,m,H4)、7.43-7.60、7.93-7.97(6H,4H,m,Ar-H)
元素分析:C14H17NO3Sとして、計算値(%):C,60.0;H,6.2;N,4.8、
測定値(%):C,59.4;H,6.2;N,5.0
実施例39 シス−(3−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸ベンジル
A.シス−3−メチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オン シス−および
トランス−3−メチル−4−アセトキシアゼチジン−2−オンの混合物(RA
Firestoneら、Tetrahedron、1990、46、2255)を、実施例16Aの
条件下でメタンチオールと反応させ、クロマトグラフィーに付した後、標記化合
物を無色油として得た(収率5%)。1
H NMR(CDCl3)δ1.33(3H,d,J=7.6Hz,CH3)、2.16(3H,s,SCH3)、3.5
5(1H,m,H3)、4.78(1H,d,J=5Hz,H4)、6.22(1H,brs,NH)、
B.シス−(3−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジル シス−3−メチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オンを、
実施例16Bに記載の条件下、1−ブロモ酢酸ベンジルと反応させ、シス−(3
−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸ベンジルを
無色油として得た(収率40%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.29(3H,d,J=7.6Hz,CH3)、2.08(3H,s,SCH3)、3
.61(1H,m,H3)、3.78(各、1H,d,J=18.0Hz,N-CH2)、4.94(1H,d,J=4.9Hz,H4)
、5.18(2H,s,CH2Ph)、7.36(5H,m,Ph-H)
元素分析:C14H17NO3Sとして、計算値(%):C,60.2;H,6.1;N,5.0、
測定値(%):C,60.2;H,6.1;N,4.9
実施例40および41を、実施例5および6に記載の方法により調製した。
実施例40 シス−(3−メチル−4−メチルスルフィニル−3−オキソアゼチ
ジン−1−イル)酢酸ベンジル
無色油、42%1
H NMR(CDCl3)δ:1.34(3H,d,J=7.7Hz,CH3)、2.59(3H,s,SOCH3)、
3.66(1H,m,H3)、4.23、4.45(各、1H,d,J=18.3Hz,N-CH2)、4.67(1H,d,J=5.1
Hz,H4)、5.18(2H,s,CH2Ph)、7.36(5H,m,Ph-H)
元素分析:C14H17NO4Sとして、計算値(%):C,56.9;H,5.8;N,4.7、
測定値(%):C,56.4;H,5.8;N,4.3
実施例41 シス−(3−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸ベンジル
無色油、48%1
H NMR(CDCl3)δ:1.53(3H,d,J=7.7Hz,CH3)、2.92(3H,s,SO2CH3)
、3.82(1H,m,H3)、3.92、4.49(各、1H,d,J=18.3Hz,N-CH2)、4.93(1H,d,J=5
.4Hz,H4)、5.18(2H,s,CH2Ph)、7.36(5H,m,Ph-H)
元素分析:C14H17NO5S+1.1%w/w EtOAcとして、計算値(%):C
,54.0;H,5.5;N,4.5、測定値(%):C,53.8;H,5.6;N,4.2
実施例42 トランス−(3,3−ジメチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼ
チジン−1−イル)酢酸ベンジル
A.3,3−ジメチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オン 3,3−ジメチ
ル−4−アセトキシアゼチジン−2−オン(RA Firestoneら、Tetrahedron
、1990、46、2255)を、実施例16Aの条件下でメタンチオールと反
応させ、標記化合物を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:
B.(3,3−ジメチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジル 3,3−ジメチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オンを、
実施例16Bに記載の条件下、1−ブロモ酢酸ベンジルと反応させ、シス−(3
−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸ベンジルを
淡黄色油として得た(収率31%)。
元素分析:C15H19NO3Sとして、計算値(%):C,61.4;H,6.5;N,4.8、
測定値(%):C,61.3;H,6.4;N,4.4
実施例43および44を、実施例2および3に記載の方法により調製した。
実施例43 (3,3−ジメチル−4−メチルスルホニル−2−オキソアゼチジ
ン−1−イル)酢酸ベンジル
無色油、収率49%
元素分析:C15H19NO5Sとして、計算値(%):C,55.4;H,5.9;N,4.3、
測定値(%):C,55.2;H,5.8;N,4.0
実施例44 (3,3−ジメチル−4−メチルスルフィニル−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル)酢酸ベンジル
無色油、収率50%
元素分析:C15H19NO4Sとして、計算値(%):C,58.2;H,6.2;N,4.5、
測定値(%):C,58.0;H,6.2:N,4.7
実施例45 (3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸ベンジル
A.3,3−ジエチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オン 実施例16A
における4−アセトキシアゼチジノンの代わりに3,3−ジエチル−4−アセト
キシアゼチジン−2−オン(SK Shahら、J Med Chem、1992、35、
3745)(10g、0.053モル)を用い、対応するモル量の他の試薬を用
い、3,3−ジエチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オン(5.9g、65%)
を油状物として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:0.82-1.07(6H,m,2xCH2CH3)、1.64-1.90(4H,m,2x
CH2CH3)、2.17(3H,s,SCH3)、4.43(1H,s,H4)、6.87(1H,bs,NH)
B.(3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)
酢酸ベンジル 3,3−ジエチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オンを、
実施例16Bに記載の条件下、1−ブロモ酢酸ベンジルと反応させ、(3,3−
ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸ベンジルを
無色油として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.02(6H,m,2xCH2CH3)、1.72(4H,m,2xCH2CH3)、
2.08(3H,s,SCH3)、3.81および4.38(各、1H,d,J=18Hz,N-CH2)、4.59(1H,s,H4
)、5.12および5.23(各、1H,d,J=12Hz,OCH2Ph)、7.36(bs,5H,Ph-H)
実施例46および47を、実施例2および3に記載の方法により調製した。
実施例46 (3,3−ジエチル−4−メチルスルフィニル−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル)酢酸ベンジル
無色結晶、融点98℃、収率70%
元素分析:C17H23NO4Sとして、計算値(%):C,60.5;H,6.9;N,4.2、
測定値(%):C,60.2;H,6.6;N,4.2
実施例47 (3,3−ジエチル−4−メチルスルホニル−2−オキソアゼチジ
ン−1−イル)酢酸ベンジル
無色結晶、融点99℃、収率88%
元素分析:C17H23NO5S・0.2H2Oとして、計算値(%):C,57.2;H,6
.4;N,3.9、測定値(%):C,57.2;H,6.4;N,3.9
実施例48 (3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸4−フルオロフェニルヘキシル
A.(3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル
)
酢酸メチル
−78℃の3,3−ジエチル−4−メチルチオアゼチジン−2−オン(1.2g
、6.9ミリモル)の乾燥THF(50ml)中溶液に、リチウムヘキサメチル
ジシラジドの乾燥THF中1モル溶液(6.9ml、6.9ミリモル)を滴下した
。撹拌を1時間続け、ブロモ酢酸メチル(2.6g、16.7ミリモル)を滴下し
、得られた混合物を−78℃で30分間撹拌した。温度を0℃に加温し、EtO
Ac(50ml)を加えた。該溶液をブラインで洗浄し、分離し、乾燥(亜硫酸
ナトリウム)し、濾過して蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(
ヘキサン/酢酸エチル10−20%)に付して精製し、(3,3−ジエチル−4
−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)酢酸メチル(0.82g、
49%)を油状物として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:0.95-1.05(6H,m,2xCH2CH3)、1.60-1.89(4H,m,2x
CH2CH3)、2.14(3H,s,SCH3)、3.74(3H,s,OCH3)、3.7、4.27(各、1H,d,J=17
.5Hz,N-CH2)、4.62(1H,s,H4)
B.(3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)
酢酸4−フルオロフェニルヘキシル
(3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)
酢酸メチル(0.8g、3.2ミリモル)を、4−フルオロフェニルヘキシルアル
コール(1.3g、6.5ミリモル)およびナトリウムメトキシド(50mg、0
.9ミリモル)を含むベンゼンに溶かし、その混合物を2時間還流した。反応混
合物を蒸発させ、EtOAcで希釈し、その溶液を水で洗浄し、分離し、乾燥(炭
酸カリウム)し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル9:1
)に付し、(3,3−ジエチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−
イル)酢酸4−フルオロフェニルヘキシル(0.17g、14%)を油状物とし
て得た。
元素分析:C22H32FNO3Sとして、計算値(%):C,64.52;H,7.88;N,
3.42、測定値(%):C,64.20;H,7.75;N,3.23
実施例49 N−ベンジルオキシ−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−
1−イル)アセトアミド
トリエチルアミン(2ml)を(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸(1.67g)の−10℃に冷却した乾燥クロロホルム(15ml
)中溶液に加えた。5分後、クロロギ酸エチル(1.6ml)を加え、ついでさ
らに5分経過した後、o−ベンジルヒドロキシルアミン遊離塩基(1.67g)
のクロロホルム中溶液を添加した。該溶液を室温に加温し、16時間撹拌し、つ
いでブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)して蒸発させた。残渣をシリ
カゲル上のクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)に付し、N−ベン
ジルオキシ−(4−メチルチオ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル)アセトア
ミドを透明なガム状物として得た(収率22%)。
元素分析:C13H16N2O3Sとして、計算値(%):C,55.7;H,5.7;N,10.0
、測定値(%):C,55.3;H,5.3;N,10.0
実施例50および52を実施例49と同様の方法にて調製した。
実施例51、53および54を、実施例2および3に記載の方法と同じ方法に
より実施例50および52から調製した。
実施例50 N−(2−フェニルエチルオキシ)−(4−メチルチオ−2−オキ
ソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
クリーム状固体、融点74−76℃、収率34%
元素分析:C14H18N2O3Sとして、計算値(%):C,57.1;H,6.2;N,9.5
、測定値(%):C,57.3;H,6.1;N,9.4
実施例51 N−(2−フェニルエチルオキシ)−(4−メチルスルフィニル−
2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
粒状ガム状物、ジアステレオマー(帰属されていない)の60:40混合物、
収率64%1
H NMRδ(DMSO−d6)2.56および2.46(3H,s,SCH3およびSCH3)、2.88
(3H,t,J=7Hz,CH2Ph)、3.03(1H,dd,J=2,15Hz,H3a)、3.19(1H,dd,J=5,15Hz,H3b
)、3.25(1H,d,J=3Hz,H3a,)、3.31(1H,d,J=18Hz,H3b,)、3.66および3.86
(各、1H,d,J=17Hz,N-CH2)、3.95-4.09(>2H,m,OCH2,N'-CH2)、4.75(<1H,m,
H4,)、4.80(1H,m,H4)、7.29-7.17(5H,m,Ph-H)、11.34(1H,bs,NH)
実施例52 N−(2−フェニルプロピルオキシ)−(4−メチルチオ−2−オ
キソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色ガム状物、収率57%
元素分析:C15H20N2O3S・0.55H2Oとして、計算値(%):C,56.6;H
,6.7;N,8.8、測定値(%):C,56.6;H,6.3;N,8.4
実施例53 N−(2−フェニルプロピルオキシ)−(4−メチルスルフィニル
−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
白色ワックス、収率57%1
H NMRδ(DMSO−d6)1.85(2H,m,CH2CH2CH2Ph)、2.66(2H,t,J=7.5Hz
,CH2Ph)、3.13(3H,s,SO2CH3)、3.28(1H,dd,J=>2,15.5Hz,H3a)、3.47(1H,dd
,J=5,15.5Hz,H3b)、3.77(2H,t,J=6Hz,OCH2)、4.04および3.73(各、1H,d,J=1
7Hz,N-CH2)、4.96(1H,m,H4)、7.16-1.30(5H,m,Ph-H)、11.25(1H,bs,NH)
実施例54 N−(2−フェニルプロピルオキシ)−(4−メチルスルホニル−
2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
クリーム色ワックス、収率54%
元素分析:C15H20N2O5S・0.55H2Oとして、計算値(%):C,56.6;H
,6.7;N,8.8、測定値(%):C,56.6;H,6.3;N,8.4
実施例55 (±)−N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン
−1−イル)アセトアミド
ベンジルアミン(0.58g、5.4ミリモル)、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCC)(1.13g、5.5ミリモル)、ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBT)(0.74g、5.5ミリモル)および(±)−(4−メチルチオ−
2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸(1.04g、5.9ミリモル)のDMF
(15ml)中溶液を室温で2時間撹拌した。酢酸エチル(40ml)を加え、
反応混合物を濾過し、濾液を希炭酸水素ナトリウム、水(x2)で洗浄し、乾燥
(硫酸マグネシウム)し、油状物(1.02g)にまで濃縮した。その油状物を
エーテル/酢酸エチルから結晶化させて白色固体(0.90g)を得、それを石
油エーテル/酢酸エチルを用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー
に付して精製し、N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)アセトアミドを無色固体として得た(0.66g、46%、融点84−
87℃)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.03(3H,s,SCH3)、2.96(1H,dd,J=15.25,2.25Hz,
H3a)、3.37(1H,dd,J=15.25,5.00Hz,H3b)、3.57、4.02(各、1H,d,J=16.75Hz,
N-CH2)、4.45(2H,t,J=4.25Hz,CH2Ph)、4.82(1H,m,H4)、6.62(1H,s,CONH)
、7.17-7.37(5H,m,Ph-H)
元素分析:C13H16N2O2Sとして、計算値(%):C,59.1;H,6.1;N,10.6
、測定値(%):C,59.4;H,6.4;N,10.5
実施例56 (±)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2−オキソア
ゼチジン−1−イル)アセトアミド
実施例2における、4−メチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル
)アゼチジン−2−オンの代わりにN−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキ
ソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(0.60g、2.27ミリモル)を用い
、対応するモル量の他の試薬を用い、(±)−N−ベンジル−(4−メチルスル
フィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドを黄色/緑色油状物
として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:2.45(3H,s,SOCH3)、2.59(3H,s,SOCH3)、2.99
(1H,dd,J=15.0,2.0Hz,H3a)、3.22(1H,dd,J=15.0,5.0Hz,H3b)、3.31(1H,dd,
J=15.0,5.5Hz,H3b)、3.34(1H,dd,J=15.0,2.5Hz,H3a)、3.75、4.14(各、1H,d
,J=17.0Hz,N-CH2)、3.94、4.17(2H,dd,J=17.0Hz,N-CH2)、4.30(4H,m,2xCH2Ph
)、4.79(1H,m,H4)、4.84(1H,m,H4)、7.22-7.34(10H,m,2xPh-H)、8.59(1H
,m,NH)、8.70(1H,m,NH)
実施例57 N−ベンジル−(4−メチルスルホニル−2−オキソアゼチジン−
1−イル)アセトアミド
mCPBA(0.49g、1.42ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(40ml
)中溶液を、N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミドの乾燥ジクロロメタン(30ml)中溶液に室温で10分間に
わたって滴下し、2.5時間撹拌した。2時間後、さらなる量(0.1g)のmC
PBAを添加した。その溶液を希亜硫酸ナトリウム、希炭酸水素ナトリウムおよ
び水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下で油状物にまで蒸発させた
。この油状物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/エ
タノール)に付して精製し、N−ベンジル−(4−メチルスルホニル−2−オキ
ソアゼチジン−1−イル)アセトアミドを無色固体として得た(0.08g、2
4%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.94(3H,s,SO2CH3)、3.31(1H,dd,J=15.20,2.4Hz
,H3a)、3.46(1H,dd,J=15.20,5.20Hz,H3b)、4.00、4.17(各、1H,d,J=16.8Hz,
N-CH2)、4.46(2H,d,J=5.6Hz,CH2Ph)、4.92(1H,m,H4)、6.15(1H,m,CONH)
、7.26-7.37(5H,m,Ph-H)
元素分析:C13H16N2O4Sとして、計算値(%):C,52.7;H,5.4;N,9.5
、測定値(%):C,52.3;H,5.4;N,9.6
実施例58 Rc,Rs−(−)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2
−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
A.4R−(+)−N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−
1−イル)アセトアミド
実施例55における、(±)−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸の代わりに(−)−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1
−イル)酢酸(0.35g、1.99ミリモル)を用い、対応するモル比の他の試
薬を用い、4R−(+)−N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル)アセトアミドを油状物として得た(0.19g、40%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.03(3H,s,SCH3)、2.95(1H,dd,J=15.5,5Hz,H3a)
、3.41(1H,dd,J=15,2.2Hz,H3b)、3.78、3.99(各、1H,dd,J=17Hz,N-CH2)、4.
45(2H,m,PhCH2)、4.83(1H,m,H4)、6.60(1H,bs,NH)、7.28(5H,m,Ph-H)
B.4R,SR−(−)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2−オキ
ソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
S−(−)−1,1'−ビ−2−ナフトール(0.012g、4.2マイクロモル
)のトルエン(2ml)中溶液を、水(6mg、0.033ミリモル)中のチタ
ンイソプロポキシド(0.012g、21マイクロモル)で処理した。得られた
混合物を室温で1時間撹拌した。(−)−N−ベンジル−(4−メチルチオ−2
−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(0.2g、0.76ミリモル)の
トルエン中溶液を添加した。30分経過した後、t−ブチルヒドロペルオキシド
(136mg、1.5ミリモル)を加え、混合物を3時間撹拌した。蒸発乾固の
後、残渣をシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH 6:
1ないし3:1)に付して精製し、(−)−N−ベンジル−(4−メチルスルフ
ィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドを固体として得た(7
0mg、33%、融点138−140℃、[α]25 D=−237°(c=1.35
、EtOH))。
元素分析:C13H16N2O3Sとして、計算値(%):C,55.7;H,5.8;N,10.0
、測定値(%):C,55.9;H,5.7;N,9.8
実施例59 4R,SS−(+)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−
2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
実施例2における、4−メチルチオ−1−(4−フェニル−2−オキソブチル
)
アゼチジン−2−オンの代わりに4R−(+)−N−ベンジル−(4−メチルチ
オ−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(0.18g、0.72ミリ
モル)を用い、対応するモル量の他の試薬を用い、4R,SR−(−)−N−ベ
ンジル−(4−メチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミドおよびRc,Ss−(+)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2
−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドの混合物を得、それを分取用HP
LC(ヘキサン:EtOH(45:55)でアイソクラチック溶出するBeckmann
製シリカカラム)で分離した。適当なフラクションを蒸発させ、4R,SS−(
+)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−
イル)アセトアミド(0.01g、6.2%)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:2.48(3H,s,SOCH3)、3.05(1H,dd,J=15,5Hz,H3a)
、3.35(1H,dd,J=15,2.2Hz,H3b)、3.95、4.25(各、1H,d,J=17Hz,N-CH2)、4.4
5(2H,m,PhCH2)、4.60(1H,m,H4)、7.30(5H,m,Ph-H)、7.60(1H,bs,NH)
実施例60 4S,SS−(+)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−
2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
A.4S−(−)−N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−
1−イル)アセトアミド 実施例55における、(±)−(4−メチルチオ−
2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸の代わりに(+)−(4−メチルチオ−
2−オキソアゼチジン−1−イル)酢酸(0.33g、1.99ミリモル)を用い
、対応するモル比の他の試薬を用い、4S−(−)−N−ベンジル−(4−メチ
ルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドを油状物(0.25g
、収率53%)として得た。1
H NMR(CDCl3)δ:2.04(3H,s,SCH3)、3.01(1H,dd,J=15,5Hz,H3a)
、3.37(1H,dd,J=15,2.2Hz,H3b)、3.83、4.01(各、1H,d,J=17Hz,N-CH2)、4.4
6(2H,m,PhCH2)、4.83(1H,m,H4)、6.60(1H,bs,NH)、7.28(5H,m,Ph-H)
B.4S,SS−(+)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2−オキ
ソアゼチジン−1−イル)アセトアミド 実施例2における、4−メチルチオ
−1−(4−フェニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オンの代わりに4
S−(−)−N−ベンジル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(0.23g、0.91ミリモル)を用い、対応するモル量の他
の試薬を用い、4S,SS−(+)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル
−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドと4S,SR−(−)−N−
ベンジル−(4−メチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセ
トアミドの混合物を得、それを分取用HPLC(ヘキサン:EtOH(45:5
5)でアイソクラチック溶出するBeckmannシリカカラム)により分離した。適
当なフラクションを蒸発させ、4S,SS−(+)−N−ベンジル−(4−メチ
ルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(0.017
g、7%、[α]25 D=+220°)を無色油として得た。
元素分析:C13H16N2O3S・0.2EtOHとして、計算値(%):C,55.6;H
,6.0;N,9.7、測定値(%):C,55.4;H,5.6;N,9.3
実施例61 4S,SR−(−)−N−ベンジル−(4−メチルスルフィニル−
2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
この化合物は、実施例60Bの適当なフラクションを蒸発させることにより、
無色油として得られた(4mg、1.5%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.49(3H,s,SOCH3)、3.09(1H,m,H3)、3.40(1H,
m,H3)、3.95、4.28(各、1H,d,J=17Hz,N-CH2)、4.45(2H,m,PhCH2)、4.62(1
H,m,H4)、7.25-7.35(5H,m,Ph-H)、7.55(1H,b,NH)
実施例62ないし79を、実施例55ないし57で用いた方法と同様の方法に
より調製した。
実施例62 N−6−フェニルヘキシル−(4−メチルチオ−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル)アセトアミド
黄色油、収率80%1
H NMR(CDCl3)δ:1.30(4H,m,CH2CH2)、1.45-1.67(4H,m,NHCH2CH2,
CH2CH2Ph)、2.09(3H,s,SCH3)、2.59(2H,t,J=7.50Hz,CH2Ph)、2.99(1H,dd,
J=15.25,2.25Hz,H3a)、3.29(2H,m,NHCH2)、3.41(1H,dd,J=15.25,5.00Hz,H3b
)、3.76、3.96(各、1H,d,J=16.75Hz,N-CH2)、4.82(1H,m,H4)、6.22(1H,s,C
ONH)、7.14-7.30(5H,m,Ph-H)
元素分析:C18H26N2O2Sとして、計算値(%):C,64.6;H,7.8;N,8.4
、測定値(%):C,64.3;H,7.8;N,8.1
実施例63 N−6−フェニルヘキシル−(4−メチルスルフィニル−2−オキ
ソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
ワックス状黄色固体、収率78%1
H NMR(CDCl3)δ:1.25-1.72(16H,m,2xCH2CH2CH2CH2)、2.50(3H,s,
SOCH3)、2.60(4H,t,J=8.0Hz,2xCH2Ph)、2.61(3H,s,SOCH3)、3.11(1H,dd,J
=15.25,2.25Hz,H3a)、3.14-3.38(5H,m,2xNHCH2,H3b)、3.39(1H,dd,J=15.25,
5.25Hz,H3b)、3.60(1H,dd,J=14.75,2.25Hz,H3a)、3.84、4.14(各、2H,2xd,J
=17.25,17.25Hz,N-CH2)、4.61(1H,m,H4)、4.65(1H,m,H4)、6.69(2H,s,2xC
ONH)、7.13-7.30(10H,m,Ph-H)
実施例64 N−6−フェニルヘキシル−(4−メチルスルホニル−2−オキソ
アゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色固体、融点86−88℃、収率80%
元素分析:C18H26N2O4Sとして、計算値(%):C,59.0;H,7.1;N,7.6
、測定値(%):C,59.0;H,6.8;N,7.9
実施例65 トランス−N−ベンジル−(3−メチル−4−メチルチオ−2−オ
キソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率61%1
H NMR(CDCl3)δ:1.37(3H,d,J=7.4Hz,CH3)、2.04(3H,s,SCH3)、3
.
19(1H,m,H3)、3.81、4.00(各、1H,d,J=16.6Hz,N-CH2)、4.44(3H,m,CH2Ph,H4
)、6.52(1H,brs,NH)、7.3(5H,m,Ph-H)
実施例66 トランス−N−ベンジル−(3−メチル−4−メチルスルフィニル
−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率19%1
H NMR(CDCl3)δ:1.45、1.48(3H,2xd,J=7.6Hz,CH3)、2.47、2.53(
3H,2xs,SOCH3)、3.29、3.86(1H,2xm,H3)、3.9-4.5(5H,m,N-CH2,CH2Ph,H4)、7
.0、7.5(1H,brs,NH)、7.3(5H,m,Ph-H)
実施例67 トランス−N−ベンジル−(3−メチル−4−メチルスルホニル−
2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率42%
元素分析:C14H18N2O4Sとして、計算値(%):C,54.2;H,5.9;N,9.0
、測定値(%):C,53.9;H,5.8;N,9.2
実施例68 シス−N−(6−フェニルヘキシル)−(3−メチル−4−メチル
チオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率46%1
H NMR(CDCl3)δ:1.2-1.7(8H,m,4xCH2)、1.31(3H,d,J=7.6Hz,CH3
)、2.20(3H,s,SCH3)、2.60(2H,t,J=7.6Hz,CH2Ph)、3.25(2H,m,NHCH2)、3
.60(1H,m,H3)、3.89(2H,s,NCH2)、4.87(1H,d,J=5.1Hz,H4)、6.24(1H,brs
,NH)、7.2-7.3(5H,m,Ph-H)
元素分析:C19H28N2O2Sとして、計算値(%):C,65.5;H,8.1;N,8.0;
S,9.2、測定値(%):C,64.9;H,7.8;N,7.6;S,9.0
実施例69 シス−N−(6−フェニルヘキシル)−(3−メチル−4−メチル
スルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色ワックス状固体
元素分析:C19H28N2O3Sとして、計算値(%):C,62.61;H,7.74;N,7
.69、測定値(%):C,62.56;H,7.70;N,7.54
実施例70 トランス−N−(6−フェニルヘキシル)−(3−メチル−4−メ
チルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率59%
元素分析:C19H28N2O2Sとして、計算値(%):C,65.5;H,8.1;N,8.0
、測定値(%):C,65.2;H,8.0:N,7.8
実施例71 トランス−N−(6−フェニルヘキシル)−(3−メチル−4−メ
チルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率75%1
H NMR(CDCl3)δ:1.2-1.75(11H,m,CH3,4xCH2)、2.56(5H,m,SOCH3,
CH2Ph)、3.24(2H,m,NHCH2)、3.33(1H,m,H3)、3.8-4.3(2H,m,NCH2)、4.27
(1H,m,H4)、6.67(1H,brs,NH)、7.13-7.30(5H,m,Ph-H)
実施例72 トランス−N−(6−フェニルヘキシル)−(3−メチル−4−メ
チルスルホニル−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、融点91−2℃、収率74%
元素分析:C19H28N2O4Sとして、計算値(%):C,60.0;H,7.3;N,7.5
、測定値(%):C,60.0;H,7.3;N,7.5
実施例73 N−ベンジル−(3,3−ジメチル−4−メチルチオ−2−オキソ
アゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、融点59−62℃、収率79%
元素分析:C15H20N2O2Sとして、計算値(%):C,61.6;H,6.9;N,9.6
、測定値(%):C,61.7;H,6.8;N,9.9
実施例74 N−ベンジル−(3,3−ジメチル−4−メチルスルフィニル−2
−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(94%、ジアステレオマー2)
無色油、収率43%
元素分析:C15H20N2O3S・0.8CH2Cl2として、計算値(%):C,50.4;
H,5.8;N,7.4、測定値(%):C,50.7;H,5.6;N,7.5
実施例75 N−ベンジル−(3,3−ジメチル−4−メチルスルフィニル−2
−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(>99%、ジアステレオマー1
)
無色油、収率16%
元素分析:C15H20N2O3S・0.5CH2Cl2として、計算値(%):C,53.1;
H,6.0;N,8.0、測定値(%):C,53.0;H,6.1;N,8.6
実施例76 N−ベンジル−(3,3−ジメチル−4−メチルスルホニル−2−
オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
無色油、収率76%
元素分析:C15H20N2O4Sとして、計算値(%):C,55.5;H,6.2;N,8.6
、測定値(%):C,55.3;H,6.3;N,8.6
実施例77 N−(6−フェニルヘキシル)−(4−n−ヘキシルチオ−2−オ
キソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
黄色油1
H NMR(CDCl3)δ:0.89(3H,t,J=6.7Hz,CH3)、1.3(10H,m,5xCH2)、
1.59(6H,m,3xCH2)、2.58(4H,m,PhCH2,SCH2)、2.94、3.01(1H,dd,J=2.4,15.
3Hz,H3a)、3.45(2H,m,CONHCH2)、3.41、3.48(1H,dd,J=5.1,15.3Hz,H3b?)、
3.79、3.94(各、1H,d,J=20.7Hz,N-CH2)、4.84(1H,m,H4)、6.2(1H,m,NH)、
7.2(5H,m,Ph-H)
実施例78 N−(6−フェニルヘキシル)−(4−n−ヘキシルスルフィニル
−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(>99%、ジアステレオマ
ー1)
無色結晶固体、融点118−119℃
元素分析:C23H36N2O3Sとして、計算値(%):C,65.7;H,8.6;N,6.7
、測定値(%):C,65.5;H,8.3;N,6.9
実施例79 N−(6−フェニルヘキシル)−(4−n−ヘキシルスルフィニル
−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(96%、ジアステレオマー
2)
無色固体、融点70−71℃
元素分析:C23H36N2O3Sとして、計算値(%):C,65.7;H,8.6;N,6.7
、測定値(%):C,65.3;H,8.3;N,6.7
実施例80 4−メチルチオ−1−ベンジルアゼチジン−2−オン
4−メチルチオアゼチジン−2−オン(1.0g、8.53ミリモル)の乾燥T
HF(10ml)中溶液を、−20℃、不活性雰囲気下、NaH(0.35g、8
.63ミリモル)の乾燥THF(5ml)中懸濁液に滴下した。乾燥THF(1
0ml)中の臭化ベンジル(1.46g、8.53ミリモル)を−55℃で15分
間にわたって滴下した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、氷/水(50g
)中に注ぎ、濾過し、ブラインおよび水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し
、減圧下で黄色油にまで濃縮した(1.62g)。この物質を石油エーテル/酢
酸エチルで溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製
し、黄色固体を得た(0.98g、55%、融点26−28℃)。
元素分析:C11H13NOSとして、計算値(%):C,63.7;H,6.3;N,6.8、
測定値(%):C,63.9;H,6.3;N,6.6
実施例81および82を、実施例5および6について用いた方法と同じ方法で
製造した。
実施例81 4−メチルスルフィニル−1−ベンジルアゼチジン−2−オン
無色ワックス状固体1
H NMR(CDCl3)δ:2.38(3H,s,SOCH3)、2.49(3H,s,SOCH3)、2.84(
1H,dd,J=15.0,2.25Hz,H3a)、3.09(1H,dd,J=14.75,4.75Hz,H3b)、3.22(1H,dd
,J=15.0,5.25Hz,H3b)、3.52(1H,dd,J=14.75,2.50Hz,H3a)、4.22(1H,m,H4)
、4.27、4.78(各、1H,d,J=15.0Hz,N-CH2)、4.35(1H,m,H4)、4.41、4.85(各
、1H,d,J=15.0Hz,N-CH2)、7.20-7.42(10H,m,Ph-H)
元素分析:C11H13NO2Sとして、計算値(%):C,59.2;H,5.9;N,6.3、
測定値(%):C,59.0;H,5.8;N,6.1
実施例82 4−メチルスルホニル−1−ベンジルアゼチジン−2−オン
無色固体、融点74−76℃
元素分析:C11H13NO3Sとして、計算値(%):C,55.2;H,5.5;N,5.9、
測定値(%):C,55.2;H,5.5;N,5.9
実施例83 4−メチルチオ−1−(4−フェニルブチル)−アゼチジン−2−
オン
実施例80における、臭化ベンジルの代わりに4−フェニル−1−ヨードブタ
ン(1.4g、5.5モル)を用い、反応時間を24時間にまで延ばし、他の試薬
を適当なモル量用いて標記化合物を無色油として得た(0.59g、43%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.63(4H,m,CH2CH2)、1.99(3H,s,SCH3)、2.65(
2H,m,CH2Ph)、2.92(1H,dd,J=1.9,15Hz,H3a)、3.03、3.42(各、1H,m,N-CH2)、3.
26(1H,dd,J=5,15Hz,H3b)、4.56(1H,m,H4)、7.15-7.31(5H,m,Ph-H)
実施例84および85を実施例5および6で用いたのと同じ方法で調製した。
実施例84 4−メチルスルフィニル−1−(4−フェニルブチル)−アゼチジ
ン−2−オン
無色油、収率83%1
H NMR(CDCl3)δ:1.6-1.8(4H,m,CH2)、2.45、2.54(3H,2xs,SOCH3)
、2.65(2H,m,CH2Ph)、2.6-3.6(4H,m,H3,NCH2)、4.27、4.37(1H,2xm,H4)、
7.1-7.3(5H,m,Ph-H)
実施例85 4−メチルスルホニル−1−(4−フェニルブチル)−アゼチジン−
2−オン
無色固体、融点59−60℃、収率9%
元素分析:C14H19NO3Sとして、計算値(%):C,59.76;H,6.81;N,4.
98、測定値(%):C,59.73;H,6.89;N,4.75
実施例86〜88を、実施例80にて用いた方法に類似する方法にて調製した
。
実施例86 トランス−3−メチル−4−メチルチオ−1−(6−フェニルヘキ
シル)アゼチジン−2−オン
無色油、収率48%
元素分析:C17H25NOSとして、計算値(%):C,70.06;H,8.65;N,4.81;
S,11.00、測定値(%):C,69.72;H,8.52;N,4.39;S,10.84
実施例87 トランス−3−メチル−4−メチルスルフィニル−1−(6−フェ
ニルヘキシル)アゼチジン−2−オン
淡黄色油1
H NMR(CDCl3)δ:1.25-1.34(12H,m,2xCH2CH2CH2)、1.39(3H,d,J=7
.5Hz,CHCH3)、1.45(3H,d,J=7.5Hz,CHCH3)、1.62-1.67(4H,m,2xNCH2CH2)、2
.51(3H,s,SOCH3)、2.55(3H,s,SOCH3)、2.60(4H,t,J=7.25Hz,2xCH2Ph)、2.
98(1H,dd,J=2.5,7.5Hz,H3)、3.22-3.52(4H,m,2xN-CH2)、3.69(1H,q,J=2.5,
7.5Hz,H3)、4.00(1H,d,J=2.5Hz,H4)、4.08(1H,d,J=2.5Hz,H4)、7.14-7.30
(10H,m,Ph-H)
実施例88 トランス−3−メチル−4−メチルスルホニル-1−(6−フェニ
ルヘキシル)アゼチジン−2−オン
無色固体、融点72−73℃、収率26%
元素分析:C17H25NO3Sとして、計算値(%):C,63.1;H,7.8;N,4.3、
測定値(%):C,63.0;H,7.7;N,4.3
実施例89 トランス−3−メチル−4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−
1−イル酢酸6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル
4−メチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸を、ジエチルアゾジカ
ルボキシレートおよび亜リン酸トリフェニルの存在下、(4−フルオロフェニル
)ヘキサノールと反応させ、標記化合物を無色油として得た(収率34%)。
元素分析:C19H26FNO3Sとして、計算値(%):C,62.1;H,7.1;N,3.8
、測定値(%):C,62.3;H,7.1;N,3.5
実施例90 4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−N−(4−フェニル−2−オ
キソブチル)アゼチジン−2−オン
a.4−(2−ヒドロキシエチルチオ)アゼチジン−2−オン
4−(2−ヒドロキシエチルチオ)アゼチジン−2−オンを、実施例16Aに
記載の操作により、2−ヒドロキシエチルチオールと4−アセトキシアゼチジノ
ンとから調製し、無色油として単離した(3.4g、収率46%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.79-2.92(3H,m,O-CH2およびH3a)、3.34-3.43(1
H,m,H3b)、3.77-3.82(1H,m,S-CH2)、3.89-3.96(1H,m,S-CH2)、4.80-4.84(
1H,m,H4)、6.88(1H,brs,N-H)
b.4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−N−(4−フェニル−2−オキソブチ
ル)アゼチジン−2−オン
4−(2−ヒドロキシエチルチオ)アゼチジン−2−オンを、THF中、水素
化ナトリウムの存在下、1−ブロモ−4−フェニルブタン−2−オンと反応させ
、標記化合物を無色油として得た(1.4g、収率50%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.64-2.70(2H,m,Ph-CH2)、2.73-2.80(2H,m,CO-C
H2)、2.90-2.96(2H,m,O-CH2)、3.00(1H,dd,J=15.24,2.20Hz,H3a)、3.50(1
H,dd,J=15.16,4.95Hz,H3b)、3.66-3.79(3H,m,S-CH2,N-CH2)、4.27(1H,d,J=1
8.41Hz,N-CH2)、4.94(1H,dd,J=5.05,2.36Hz,H4)、7.16-7.33(5H,m,Ph-H)
実施例91 4−(2−ヒドロキシエチルスルフィニル)−N−(4−フェニル
−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オン(86%、ジアステレオマー1)
4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−N−(4−フェニル−2−オキソブチル
)アゼチジン−2−オンを、実施例17の記載に従って、mCPBAと反応させ
、結晶化により標記化合物を得た:白色結晶、融点104−5℃、収率20%。1
H NMR(CDCl3)δ:2.54(1H,brt,J=5.03Hz,O-H)、2.68-2.84(4H,m,C
H2)、2.89-2.95(2H,m,CH2)、3.26(1H,dd,J=14.82,4.83Hz,H3a)、3.59(1H,
dd,J=14.80,1.75Hz,H3b)、3.89および4.45(各、1H,d,J=18.88Hz,N-CH2)、4.1
1-4.18(2H,m,SO-CH2)、4.85(1H,dd,J=4.82,2.18Hz,H4)、7.15-7.36(5H,m,P
h-H)
元素分析:C15H19NO4S・0.1H2Oとして、計算値(%):C,57.9;H,6
.2;N,4.5、測定値(%):C,57.7;H,6.1;N,4.6
実施例92 4−(2−ヒドロキシエチルスルフェニル)−N−(4−フェニル
−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オン(ジアステレオマー2)
標記化合物を実施例91にて実施した再結晶の母液より白色結晶として得た;
融点64−5℃、収率20%。1
H NMR(CDCl3)δ:2.52(1H,t,J=5.01Hz,O-H)、2.71-2.79(2H,m,Ph-
CH2)、2.81-2.87(2H,m,SOCH2)、2.88-2.99(3H,m,CO-CH2,H3a)、3.41(1H,d
d,J=15.15,5.19Hz,H3b)、4.11-4.20(2H,m,OCH2)、4.22および4.43(各、1H,d
,
J=18.71Hz,N-CH2)、4.95(1H,dd,J=5.18,2.43Hz,H4)、7.15-7.33(5H,m,Ph-H
)
元素分析:C15H19NO4Sとして、計算値(%):C,58.2;H,6.2;N,4.5、
測定値(%):C,58.3;H,6.0;N,4.8
実施例93および94を実施例90および91に用いた方法で調製した。
実施例93 4−(メトキシカルボニルメチルチオ)−N−(4−フェニル−2
−オキソブチル)アゼチジン−2−オン
a.4−(メトキシカルボニルメチルチオ)アゼチジン−2−オン
紫色油、収率25%1
H NMR(CDCl3)δ:2.90(1H,dd)、3.37(2H,s)、3.40(1H,dd)、3.
76(3H,s)、4.85(1H,m)、6.65(ブロード)
b.4−(メトキシカルボニルメチルチオ)−N−(4−フェニル−2−オキソ
ブチル)アゼチジン−2−オン1
H NMR(CDCl3)δ:2.76(2H,m)、2.92(2H,m)、3.07(1H,dd)、3.2
6(2H,s)、3.52(1H,dd)、3.72(3H,s)、3.83および4.25(各、1H,d)、4.98
(1H,dd)、7.16-7.32(5H,m)
実施例94 4−(メトキシカルボニルメチルスルフィニル)−N−(4−フェ
ニル−2−オキソブチル)アゼチジン−2−オン(ジアステレオマー1)
白色結晶固体、融点137−39℃、収率31%
元素分析:C16H19NO5Sとして、計算値(%):C,56.96;H,5.68;N,4.
15、測定値(%):C,56.71;H,5.57;N,4.26
実施例95 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−ア
リルオキシカルボニルプロピル)チオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセ
トアミド
a.4−ブロモブタン酸アリル
塩化4−ブロモブトリル(18.6g)を、乾燥ジクロロメタン中、ピリジン
(8g)の存在下、0℃で0.5時間、アリルアルコール(5.8g)と反応させ
た。溶液を水性HClで処理し、室温に加温した。有機層を分離し、飽和水性ブ
ラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発させ、標記化合物を無色油
として得た(19.7g、収率97%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.2(m,1xCH2)、2.54(2H,t)、3.35(2H,m)、4.
60(2H,m)、5.29(2H,m)、5.94(1H,m)
b.4−(アセチルチオ)ブタン酸アリル
4−ブロモ酪酸アリル(19.7g)を、ジメチルホルムアミド(100ml
)中、20℃で2時間、チオ酢酸カリウム(10.9g)と反応させた。水(5
00ml)を加え、混合物をジエチルエーテルで抽出した。エーテル性溶液を希
塩酸水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発させ、標記
化合物を油状物として得た(18.6g、97%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.9(m,1xCH2)、2.32(3H,s)、2.42(2H,t)、2.
92(2H,t)、3.35(2H,m)、4.60(2H,m)、5.29(2H,m)、5.94(1H,m)
c.4−(3−アリルオキシカルボニルプロピルチオ)アゼチジン−2−オン
ナトリウム(1.15g)をアリルアルコール(50ml)に加え、この溶液
を、室温で20分間、4−(アセチルチオ)ブタン酸アリル(10.0g)と反
応させた。4−アセトキシアゼチジノン(6.5g)を加え、撹拌を20℃で1
時間続けた。得られた混合物を過剰量の酢酸エチル中に注ぎ、層を分離した。有
機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過して蒸発させ
た。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ジエチルエーテル)に付し、標
記化合物を黄色油として得た(5.5g、収率48%)。1
H NMR(CDCl3)δ:2.50(2H,m)、2.7(2H,t)、2.92(1H,dd)、3.4
(1H,dd)、4.59(2H,dd)、4.8(1H,m)、5.23-5.37(2H,m)、5.9(1H,m)、6
.5(1H,ブロード)
d.N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−1−ブロモアセトアミド
6−(4−フルオロフェニル)ヘキシルアミン(2.0g)およびHunig's塩
基(1.33g)の乾燥ジクロロメタン(25ml)中冷却溶液を、ジクロロメ
タン(10ml)中、0〜5℃で臭化ブロモアセチル(2.07g)と反応させ
た。後処理し、クロマトグラフィーに付した後、N−[6−(4−フルオロフェ
ニル)ヘキシル]−1−ブロモアセトアミドを無色固体として得た(2.71g
、融点50−51℃)。
e.N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−アリルオキ
シカルボニルプロピル)チオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド
4−(3−アリルオキシカルボニルプロピルチオ)アゼチジン−2−オン(5
.5g)を、乾燥THF中、カリウムt−ブトキシド(2.7g)および18−ク
ラウン−6(5mg)の存在下、−40ないし−30℃で2時間、前記のブロモ
アセトアミド(7.6g)と反応させた。水性後処理に、つづいてシリカゲルク
ロマトグラフィー(ジエチルエーテル、ついでEtOAc)に付し、標記化合物を
無色油として得た(2.34g、収率21%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.30-1.60(m,4xCH2)、1.95(2H,m)、2.46(2H,t)
、2.58(2H,t)、2.65(2H,m)、2.97(1H,dd)、3.24(2H,m)、3.48(1H,dd)
、3.7-4.0(2H,q)、4.6(2H,m)、4.90(1H,dd)、5.23-5.34(2H,m)、5.9(1
H,m)、6.9-7.1(4H,m)
実施例96 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−ア
リルオキシカルボニルプロピル)スルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(ジアステレオマー1)
N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−アリルオキシ
カルボニルプロピル)チオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミドを
、実施例17に記載されているようにmCPBAと反応させ、標記化合物を白色
結晶固体として得た(融点95−96℃、収率21%)。
元素分析:C24H33FN2O5Sとして、計算値(%):C,59.98;H,6.92;N
,5.83、測定値(%):C,59.68;H,6.71;N,5.75
実施例97 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−ア
リルオキシカルボニルプロピル)スルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(ジアステレオマー2)
実施例96のジアスレオマーの混合物からの結晶化からの濾液を蒸発させ、標
記化合物(ジアスレオマー2)を褐色油として得た(収率51%)。
元素分析:C24H33FN2O5S・0.3CH2C12として、計算値(%):C,57.6
7;H,6.69;N,5.54、測定値(%):C,57.4;H,6.5;N,5.7
実施例98 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−カ
ルボキシプロピル)チオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド
N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−アリルオキシ
カルボニルプロピル)チオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド(
1.4g)を乾燥ジクロロメタン(30ml)に溶かし、得られた溶液を、TL
C分析で出発物質がなくなるまで、室温でピロリジン(0.3g)および(テト
ラキストリフェニルホスフィノ)パラジウム(0.2g)と反応させた。混合物
を希塩酸、ブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)して蒸発させた。残渣
をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール:酢酸90
:9:1)に付して精製し、標記化合物を油状物として得た(0.7g、収率5
2%)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.30-1.60(m,4xCH2)、1.93(2H,m)、2.6(6H,m)
、3.0(1H,dd)、3.20(2H,m)、3.42(1H,dd)、3.75-4.0(2H,q)、4.9(1H,d
d)、6.4(1H,ブロードm)、6.9-7.1(4H,m)
実施例99 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−カ
ルボキシプロピル)スルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトア
ミド(ジアステレオマー1)
合成:オゾン酸化
オゾン化酸素を、−70℃で、出発物質がなくなるまで、N−[6−(4−フ
ルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−カルボキシプロピル)チオ−2−オ
キソアゼチジン−1−イル]アセトアミド(0.7g)の乾燥ジクロロメタン(
30ml)中溶液に通気した。過剰のオゾンを酸素でパージし、反応混合物を室
温に加温し、蒸発乾固させた。エーテルでトリチュレートして固体を得、それを
酢酸エチルから再結晶し、標記化合物を灰白色結晶として得た(0.4g、融点
85−7℃、収率53%(母液の再結晶など))。
元素分析:C21H29FN2O5S・0.4H2Oとして、計算値(%):C,54.2;H
,6.9;N,6.0、測定値(%):C,54.0;H,6.5;N,6.1
実施例100 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−(3−
カルボキシプロピル)スルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセト
アミド(ジアステレオマー2)
実施例99の結晶化からの濾液を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のクロマトグ
ラフィー(ジクロロメタン:メタノール:酢酸 90:9:1)に付し、標記化
合物を粘性無色油として得た(0.16g、収率23%)。
元素分析:C21H29FN2O5S・0.64H2Oとして、計算値(%):C,52.5;
H,6.2;N,5.7、測定値(%):C,52.8;H,6.2;N,5.5
実施例101および102の化合物を実施例95における類似化合物について
記載されている方法により調製した。
実施例101 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−メトキ
シカルボニルメチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド
無色油、収率25%1
H NMR(CDCl3)δ:1.30-1.60(m,4xCH2)、2.55(2H,t)、3.0(1H,dd)、
3.2-3.5(5H,m)、3.7-4.1(5H,m)、5.0(1H,dd)、6.6(1H,ブロード)、6
.9-7.1(4H,m)
実施例102 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−アリル
オキシカルボニルメチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド
a.4−アリルオキシカルボニルメチルチオ−アゼチジン−2−オン
黄色油、収率73%1
H NMR(CDCl3)δ:2.90(1H,dd)、3.37(2H,s)、3.40(1H,dd)、4.
6(2H,m)、4.88(1H,dd)、5.33(2H,m)、5.9(1H,m)、6.5(1H,ブロード)
b.N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−アリルオキシカル
ボニルメチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド
無色油、収率30%1
H NMR(CDCl3)δ:1.30-1.60(m,4xCH2)、2.55(2H,t)、3.0-3.5(6
H,m)、3.7-3.9(2H,q)、4.6(2H,m)、5.0(1H,dd)、5.3(2H,m)、5.8-6.0
(2H,m)、6.9-7.1(4H,m)
実施例103および104の化合物を、実施例17および18の類似化合物に
ついて記載した方法により、N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−
[4−カルボメトキシメチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトア
ミドより調製した。
実施例103 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−メトキ
シカルボニルメチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトア
ミド(ジアステレオマー1)
白色結晶固体、融点131−33℃、収率21%
元素分析:C20H27FN2O5Sとして、計算値(%):C,56.3;H,6.4;N,6.6、
測定値(%):C,56.3;H,6.3;N,6.6
実施例104 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−メトキ
シカルボニルメチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトア
ミド(ジアステレオマー2)
灰白色固体形、融点90−93℃、収率57%
元素分析:C20H27FN2O5Sとして、計算値(%):C,56.3;H,6.4;N,6.6、
測定値(%):C,56.6;H,6.2;N,6.8
実施例105 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−カルボ
キシメチルチオ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド
標記化合物を、実施例98について記載されている操作に従って、N−[6−
(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−アリルオキシカルボニルメチルチ
オ−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミドから調製し、無色油として
単離した(収率78%)1
H NMR(CDCl3)δ:1.30-1.60(m,4xCH2)、2.55(2H,t)、3.0-4.0(9
H,m)、5.0(1H,dd)、6.6(1H,m)、6.9-7.1(4H,m)
N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−カルボキシメチルチ
オ−2−オキソ−アゼチジン−1−イル]アセトアミドを,実施例99および1
00について記載されているようにオゾンと反応させ、以下の実施例106およ
び107に記載の化合物を得た。
実施例106 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−カルボ
キシメチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド(ジ
アステレオマー1)
灰白色結晶、融点134−36℃、収率20%
元素分析:C19H23FN2O5S・0.8H2Oとして、計算値(%):C,53.7;H
,5.8;N,6.6、測定値(%):C,53.7;H,5.8:N,6.8
実施例107 N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル]−[4−カルボ
キシメチルスルフィニル−2−オキソアゼチジン−1−イル]アセトアミド(ジ
アステレオマー2)
灰白色結晶、融点93−96℃、収率14%
元素分析:C19H23FN2O5S・0.5H2Oとして、計算値(%):C,54.4;H
,5.8;N,6.7、測定値(%):C,54.4;H,5.8;N,6.7
生物学的データ
1.Lp−PLA2阻害についてのスクリーン
酵素活性を、150mM NaCl含有の50mM HEPES(N−2−ヒドロ
キシエチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸)緩衝液中、pH7.4、3
7℃で、人工基質(A)のターンオーバー速度を測定することにより測定した。
検定は96ウェルのタイタープレートにて行った。
Lp−PLA2をヒト血漿を密度勾配遠沈操作で部分精製した。活性フラクショ
ンをプールし、Lp−PLA2の供給源として用いた。その酵素を、ビヒクルまた
は試験化合物と一緒に10分間、180μlの総容量で37℃でプレインキュベ
ートした。ついで、20μlの基質(A)を10回添加し、20μMの最終基質
濃度を得ることで反応を開始した。反応を自動ミキシングを備えたプレート読み
取り機を用いて405nmで20分間追跡した。反応速度を吸光度の変化の速度
として測定した。
結果:
実施例18、21、24、63、71、79および84の化合物は、0.03
ないし0.40μMの範囲にあるIC50を有した。
2.Cu2+刺激のリソーホスファチジルコリン(lyso-PtdCho)形成の阻害
1mlのアリコートのヒトLDL(0.25mg蛋白質/ml)を化合物また
はビヒクルと一緒に37℃で15分間インキュベートした。ついで、5μMCu2 +
を加え、酸化/lyso-PtdCho形成を生じさせた。3.75mlのクロロホルム
/メタノール/濃塩酸(200:400:5 v/v/v)を添加することによ
りインキュベートを止めた。1.25mlのクロロホルムおよび1.25mlの0
.1M HClを添加した後、混合物を撹拌し、遠心分離に付した。下相を注意し
て取り出し、上相を等容量の合成した下相で再び抽出した。抽出液をプールし、
窒素下で乾燥させた。
リン脂質を50μlのクロロホルム/メタノール(2:1v/v)中に復元し
た。10μlのアリコートをpre-runシリカゲルHPTLCプレートにスポット
し、クロロホルム/メタノール/25−30%メチルアミン(60:20:5v
/v/v)に展開させた。その後、プレートを蛍光指示薬、2−p−トルイジニ
ルナフタレン−6−スルホン酸(50mMトリス/HCl中に1mM、pH7.4
)でスプレーし、リン脂質成分を識別した。蛍光は、CAMAG TLCスキャ
ナーを用いて222nmで測定した。
リポ蛋白質 lyso-PtdCho含量を、平行して調製した標準曲線(0.05−0.
5μg)を用いて定量した。
化合物71は、〜0.06μMのIC50値で、銅イオンによって刺激されるL
DL lyso-PtdCho蓄積を、用量に依存して阻害した。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/395 AED A61K 31/395 AED
C07D 205/08 T
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B
Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES
,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,
KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,L
V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ
,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,
SK,TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,V
N
(72)発明者 ダナック,ダシュヤント
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ
(72)発明者 リーチ,コリン・アンドリュー
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ
(72)発明者 イフェ,ロバート・ジョン
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ
(72)発明者 テュー,デイビッド・グラハム
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ