JPH10505794A - 手持ち式電動工作機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 旋削工具（１８）を駆動するための作業スピンドル（１３）と、前記旋削工具（１８）を相対回動不能に前記作業スピンドル（１３）と結合する緊締装置（１７）と、前記旋削工具（１８）の交換時に前記作業スピンドル（１３）を回動不能に固定するために手動操作されるスピンドルロック機構（２５）とを備えた手持ち式電動工作機械において、前記スピンドルロック機構（２５）を摩耗の無いようにかつ人間工学の面から見て有利に構成するために、該スピンドルロック機構（２５）は、旋削工具（１８）を取付ける緊締フランジ（１９）の外周に配置されていて等しい回転角度間隔だけ互いにずらされた多数の円弧状横断面の溝（２８）を有する溝付きリム（２７）と、作業スピンドル（１３）の軸線に対して平行に方位づけられた回転軸線（３０）を有するハンドレバー（２９）に配置されておりかつ前記溝（２８）内へ内旋して係合可能な、扁平面取りの施された円形成形断面部を有する係止カム（３２）とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 手持ち式電動工作機械 技術分野： 本発明は、請求項１に発明の上位概念として記載した形式の手持ち式電動工作 機械、すなわち機械ケーシングと、アングルグラインダや手持ち式丸鋸などのよ うな旋削工具を駆動するために前記機械ケーシングから突出していて電動モータ によって駆動される作業スピンドルと、前記旋削工具を相対回動不能に前記作業 スピンドルと結合する緊締装置と、前記旋削工具の交換時に前記作業スピンドル を回動不能に固定するために手動操作されるスピンドルロック機構とを備え、し かも前記緊締装置が、前記旋削工具をセッティングするために前記機械ケーシン グからの作業スピンドルの突出部に相対回動不能かつ軸方向にシフト不能に保持 された緊締フランジと、該緊締フランジに旋削工具を圧着して摩擦接続するため に前記作業スピンドルの突出部のねじ山区分に螺合可能な緊定ナットとを有し、 かつ前記スピンドルロック機構が、前記緊締フランジの外周に配置されていて等 しい回転角度間隔だけ互いにずらされた多数の溝を備えた溝付きリムと、前記機 械ケーシングに確定された回転軸線を中心として旋回可能なハンドレバーとを有 し、該ハンドレバーが、該 ハンドレバーに配置されていて前記溝内へ内旋して係合可能な係止カムを備えて いる形式の手持ち式電動工作機械に関するものである。 背景技術： 旋削工具の交換時、例えば突切り円盤又は研削砥石車又は丸鋸刃の交換時に、 電動モータで駆動される作業スピンドルを、工具無装着のままで位置固定するた めには、機械ケーシング内に組込まれた手動操作可能なスピンドルロック機構が 使用され、該スピンドルロック機構は、作業スピンドルが回動不能に確保された 場合に緊定ナットを弛め又は緊定することができる。スピンドルロック機構のハ ンドレバーが作動されると直ちに、ハンドレバーに設けられた係止カムが溝の１ つに内旋して係合し、かつこの係合によって、作業スピンドルに相対回動不能に 装着されていて旋削工具を相対回動不能に取付けている緊締フランジの全ての回 転運動がロックされる。 スピンドルロック機構を組込んだ手持ち式電動工作機械は、ドイツ連邦共和国 特許出願第４３４４１２８．９号明細書に基づいて既に提案されており、その場 合、溝横断面は方形状に形成されておりかつバー状の係止カムが、スピンドル軸 線に対して横方向に旋回可能なハンドレバーに配置されている。溝横断面と係止 カムがこのように構成されていることに基づいてスピンドルロック機構は、緊締 フランジのどのような回動 位置においても即座に係止するという訳にはいかず、往々にして緊締フランジが 或る程度回動して始めて係止カムは妨げなく溝内に侵入することができる。緊締 フランジの前記回動は大抵は緊定ナットの弛め開始又は緊締開始に伴って行われ 、ハンドレバーが作動されると係止カムは急激に溝内に落ち込む。これはハンド レバーの唐突な旋回運動を伴う。戻しばねの戻し力に抗してハンドレバーを作動 する場合、係止カムが溝内に落ち込んで緊締フランジがロックされたか否かに大 抵は注意を払っていない操作者にとっては、ハンドレバーの唐突な旋回運動は、 予期せぬことであり、その結果、操作に慣熟していない場合には工作機械を手か ら放したり、あるいは指損傷が惹起されることになる。その上に長期間のうちに はスピンドルロック機構に可成りの摩耗が生じる。 発明の開示： 本発明による手持ち式電動工作機械の構成手段は、溝が円弧状横断面を有し、 ハンドレバーの回転軸線が作業スピンドルの軸線に対して平行に方位づけられて おり、かつ係止カムが、ハンドレバーの前記回転軸線と共軸に配置されていて前 記溝横断面に適合した扁平面取りの施された円形成形断面部を有する回転ピンに 形成されている点にある。 従来技術に対比して本発明の構成手段によって奏せられる顕著な作用効果は、 緊締フランジの如何なる回 動位置においても係止カムが円弧状の溝の１つに侵入することができ、かつ、溝 軸線と係止カム軸線とが半径方向で正確には整合していない場合でも、溝内への 係止カムの内旋によって、扁平面取りの施された円形の係止カムが半円形の溝内 に入り込んで係合するまで、緊締フランジが徐々に回動させられる。従ってハン ドレバーの各作動毎に、スピンドルロック機構が効果的に働いて緊締フランジを 回動不能に固定することが保証されていることである。スピンドル軸線に対して ハンドレバーの旋回軸線を平行に方位づけたことによって、スペースを取らずに スピンドルロック機構を、機械ケーシングのほぼ任意の部位に装備することが可 能であり、ひいては専ら人間工学的な観点に従って設置することが可能になる。 請求項２乃至請求項８に記載の手段によって、請求項１に記載した手持ち式電 動工作機械の有利な構成と更なる改良が得られる。 本発明の有利な実施形態によれば、係止カムが溝付きリムから完全に外旋した 状態にある基本位置へ回転ピンを戻し負荷する戻しばねが、回転ピン又はハンド レバーに係合している。殊に回転ピン軸線に対して共軸のばね軸線をもって回転 ピンに設けられた捩りばねとして構成された、かかる戻しばねを用いることによ って、スピンドルロック機構は、操作者によってハンドレバーを作動しない限り 常にロック解除されており 、かつハンドレバーが作動状態に保たれる間だけ有効に作用することができる。 つまりハンドレバーが解放されると即座に、スピンドルロック機構のロック作用 は解消される。 図面の簡単な説明： 図１は図２のＩ−Ｉ線に沿ったアングル研削機械の部分的な断面図である。 図２は研削砥石車を取り外した状態で示した図１の矢印ＩＩの方向に見たアン グル研削機械の部分的な下面図である。 発明を実施するための最良の形態： 次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。 電動手持ち式工作機械の１例として図１には断面図で、また図２には下面図で 夫々部分的に示したアングル研削機械又はアングルグラインダーは機械ケーシン グ１０を有し、該機械ケーシングは電動式駆動モータ（但し図１では該駆動モー タの出力軸１１だけが図示されている）と変速伝動装置１２と作業スピンドル１ ３を収容している。該作業スピンドル１３は、ラジアル軸受として共に構成され た玉軸受１４とニードル軸受１５内に回転可能に軸支されており、しかも前記ニ ードル軸受１５は機械ケーシング１０によって、また前記玉軸受１４はプラスチ ック製の軸受ネック１６によって受容されており、該軸受ネックは機械ケーシン グ１０と固着結合されている。作業スピンドル１３は 前記軸受ネック１６を超えて突出し、かつ、この突出部１３１に座着した緊締装 置１７内に、突切り円盤又は研削砥石車の形の旋削工具１８を取付けている。前 記緊締装置１７は、作業スピンドル１３の突出部１３１に差し嵌められて該作業 スピンドルと相対回動不能かつ半径方向及び軸方向にシフト不能に結合された緊 締フランジ１９と、前記突出部１３１のねじ山区分２１に螺合可能な緊定ナット ２０とから成っている。旋削工具１８はその中央のセンタリング穴２２でもって 、緊締フランジ１９の端面側に形成された受容ピン２３に形状嵌合式に装着され 、かつ前記緊締フランジ１９のリング状端面１９１に対して緊定ナット２０によ って摩擦接続式に圧着される。場合によっては緊定ナット２０と円盤状の旋削工 具１８との間に緊締ワッシャ２４を間挿することも可能である。 緊定ナット２０を緊定しかつ弛めるためには作業スピンドル１３は回動不能に 固定されねばならない。このためにスピンドルロック機構２５が設けられており 、該スピンドルロック機構は、その作動時に作業スピンドル１３を回動不能に軸 受ネック１６に固定する。このためにスピンドルロック機構２５は、緊締フラン ジ１９の外周に形成された溝付きリム２７並びに、該溝付きリム２７と協働する 、扁平面取りの施された円形成形部を有する係止カム３２を備え、前記溝付きリ ム２７は、等しい回転角度間隔だけ相互にずらされた 円弧状横断面を有する多数の溝２８から成っている。該溝２８の溝横断面と前記 係止カム３２の成形断面とは、係止カム３２が溝２８内に形状嵌合して位置する ように互いに調和されている。係止カム３２は、軸受ネック１６内に回転可能に 支承された回転ピン３１の自由端部に形成されており、しかも該回転ピン３１の 回転軸線３０はスピンドル軸線に対して平行に方位づけられている。回転ピン３ １にはハンドレバー２９が相対回動不能に結合されており、この場合ハンドレバ ー２９と回転ピン３１と係止カム３２は一体的なプラスチック射出成形品として 製作されるのが有利である。前記ハンドレバー２９は、係止カム３２から離反し た方の、回転ピン３１の端部近傍に配置されており、この場合回転ピン区分３１ １がハンドレバー２９を超えて延長されている。該回転ピン区分３１１の外周に は、捩りばねとして構成された戻しばね３３が嵌装されており、該戻しばね３３ の一方のばね端部は軸受ネック１６に、また他方のばね端部は回転ピン３１に固 定されている。戻しばね３３は、係止カム３２が完全に溝２８から外旋されて緊 締フランジ１９の溝付きリム２７の半径方向直前に位置することになる基本位置 へ回転ピン３１を回転負荷するように設計されている（図１及び図２に実線で図 示）。回転ピン３１もしくは係止カム３２の前記基本位置は、緊締ネック１６に 形成されていてハンドレバー２９の当接するストッパ ３４によって規定されている（図２）。ハンドレバー２９は、軸受ネック１６に 形成された開口３５を通って該軸受ネックを僅かに超えて張出しており、かつ端 部寄りにグリッププレート２９１を保持している（図１）。 旋削工具１８を交換しようとする場合には先ず、レンチによって緊定ナット２ ０が弛められねばならない。そのために作業スピンドル１３を位置固定するため に、操作者はハンドレバー２９のグリッププレート２９１に指をかけて該ハンド レバーを、図２に示した矢印２６の方向に旋回させる。これによって回転ピン３ １は、図２によれば時計回り方向に戻しばね３３のばね力に抗して回動し、かつ 半円形の係止カム３２が、溝付きリム２７の円弧状の溝２８の１つへ内旋する。 ハンドレバー２９を固定的に保持しておけば、溝２８と係止カム３２との間の形 状嵌合を介して緊締フランジ１９、ひいては作業スピンドル１３は回転不能に保 持された状態にある。今や緊定ナット２０はレンチによって問題なく弛めること ができる。旋削工具１８を交換した後に緊定ナット２０を緊定する場合、作業ス ピンドル１３を同じようにロックすることが必要である。 緊定ナット２０を緊定した後に操作者がハンドレバー２９を放すと、戻しばね ３３は、ハンドレバー２９が軸受ネック１６のストッパ３４に当接するまで回転 ピン３１を、図２によれば逆時計回り方向に回動させる。回転ピン３１のこの回 動時に確実に係止カム３２は完全に溝２８の外へ外旋させられ、かつ緊締フラン ジ１９は自由な回転運動を行うために解放された状態にある。 符号の説明： １０ 機械ケーシング、１１ 出力軸、１２ 変速伝動装置、１３ 作業スピンドル、１４ 玉軸受、１５ ニードル軸受、１６ 軸受ネック 、１７ 緊締装置、１８ 旋削工具、１９ 緊締フランジ、２０ 緊定 ナット、２１ ねじ山区分、２２ センタリング穴、２３ 受容ピン、２ ４ 緊締ワッシャ、２５ スピンドルロック機構、２６ 旋回方向を示す 矢印、２７ 溝付きリム、２８ 円弧状の溝、２９ ハンドレバー、３０ 回転軸線、３１ 回転ピン、３２ 半円形の係止カム、３３ 戻しば ね、３４ ストッパ、３５ 開口、１３１ 突出部、１９１ 端面、２ ９１ グリッププレート、３１１ 回転ピン区分

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．機械ケーシング（１０）と、旋削工具（１８）を駆動するために前記機械ケ ーシングから突出していて電動モータによって駆動される作業スピンドル（１３ ）と、前記旋削工具（１８）を相対回動不能に前記作業スピンドル（１３）と結 合する緊締装置（１７）と、前記旋削工具（１８）の交換時に前記作業スピンド ル（１３）を回動不能に固定するために手動操作されるスピンドルロック機構（ ２５）とを備え、しかも前記緊締装置（１７）が、前記旋削工具（１８）をセッ ティングするために前記機械ケーシングからの作業スピンドル（１３）の突出部 （１３１）に相対回動不能かつ軸方向にシフト不能に保持された緊締フランジ（ １９）と、該緊締フランジ（１９）に旋削工具（１８）を摩擦接続式に圧着する ために前記作業スピンドル（１３）の突出部（１３１）のねじ山区分（２１）に 螺合可能な緊定ナット（２０）とを有し、かつ前記スピンドルロック機構（２５ ）が、前記緊締フランジ（１９）の外周に配置されていて等しい回転角度間隔だ け互いにずらされた多数の溝（２８）を備えた溝付きリム（２７）と、前記機械 ケーシング（１０）に確定された回転軸線（３０）を中心として旋回可能なハン ドレバー（２９）とを有し、該ハンドレバーが、該ハンド レバーに配置されていて前記溝（２８）内へ内旋して係合可能な係止カム（３２ ）を備えている形式の手持ち式電動工作機械において、溝（２８）が円弧状横断 面を有し、ハンドレバー（２９）の回転軸線（３０）が作業スピンドル（１３） の軸線に対して平行に方位づけられており、かつ係止カム（３２）が、ハンドレ バー（２９）の前記回転軸線（３０）と共軸に配置されていて前記溝横断面に適 合した扁平面取りの施された円形成形断面部を有する回転ピン（３１）に形成さ れていることを特徴とする、手持ち式電動工作機械。 ２．回転ピン（３１）が、作業スピンドル（１３）のための、機械ケーシング（ １０）に固着結合された軸受ネック（１６）内に回転可能に支承されており、か つ、前記回転ピン（３１）と相対回動不能に結合されたハンドレバー（２９）が 、前記回転ピンから直角に張出し、かつ前記軸受ネック（１６）に形成された開 口（３５）を通って外方に向かって突出してその突出部にグリッププレート（２ ９１）を保持している、請求項１記載の手持ち式電動工作機械。 ３．係止カム（３２）が回転ピン（３１）と一体に形成されており、かつ、軸受 ネック（１６）から突出する該回転ピン（３１）の自由端部に配置されている、 請求項１又は２記載の手持ち式電動工作機械。 ４．ハンドレバー（２９）が、回転ピン（３１）の、係止カムから離反した方の 端部近傍に、しかも該回転ピンと一体に固定されている、請求項２又は３記載の 手持ち式電動工作機械。 ５．係止カム（３２）が溝付きリム（２７）から完全に外旋した状態にある基本 位置へ回転ピン（３１）を戻し負荷する戻しばね（３３）が、回転ピン（３１） 又はハンドレバー（２９）に係合している、請求項１から４までのいずれか１項 記載の手持ち式電動工作機械。 ６．回転ピン（３１）の基本位置が、軸受ネック（１６）に形成されたストッパ （３４）によって確定されており、該ストッパにハンドレバー（２９）が戻しば ね（３３）の作用を受けて当接するようになっている、請求項５記載の手持ち式 電動工作機械。 ７．戻しばね（３３）が、回転ピン（３１）に装着された捩りばねによって形成 されており、該捩りばねの一方のばね端部が前記回転ピン（３１）に、また他方 のばね端部が軸受ネック（１６）に固定されている、請求項５又は６記載の手持 ち式電動工作機械。 ８．回転ピン（３１）が、ハンドレバー（２９）を超えて突出する回転ピン区分 （３１１）を有し、該回転ピン区分に捩りばねが装嵌されている、請求項７記載 の手持ち式電動工作機械。