JPH1050545A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JPH1050545A
JPH1050545A JP8199273A JP19927396A JPH1050545A JP H1050545 A JPH1050545 A JP H1050545A JP 8199273 A JP8199273 A JP 8199273A JP 19927396 A JP19927396 A JP 19927396A JP H1050545 A JPH1050545 A JP H1050545A
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JP
Japan
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capacitor
side margin
capacitor body
margin portion
dielectric ceramic
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JP8199273A
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Yoshihiro Fujioka
芳博 藤岡
Shinichi Osawa
真一 大沢
Kenichi Iwasaki
健一 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄層、高積層化による誘電特性の悪化を防止
し、さらには表面実装工程でのクラック発生を抑制し、
コンデンサとしての信頼性を維持し得る積層セラミック
コンデンサを提供する。 【解決手段】サイドマージン部4の熱膨張係数がコンデ
ンサ本体3の誘電体セラミック層1の熱膨張係数より4
〜10×10-7/℃だけ小さく、かつ、一対のサイドマ
ージン部4の外面間の長さL1 に対するサイドマージン
部4の厚みL2 の割合をそれぞれ2.5〜25%とした
ものであり、誘電体セラミック層がチタン酸塩を主成分
とし、サイドマージン部4がコンデンサ本体3の誘電体
セラミック層1よりもジルコニウム酸塩を5〜15mo
l%多く含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、電子部品としてチップ型積層セラ
ミックコンデンサが大量に使用されるようになった。か
かる積層セラミックコンデンサはチタン酸バリウムやチ
タン酸ネオジウム等からなる厚さ5〜30μmの誘電体
セラミック層と、銀パラジウムやニッケル等からなる厚
さ0.5〜2μmの内部電極層と、前記誘電体セラミッ
ク層と同質の誘電体セラミックからなる厚さ100〜5
00μmの保護層を接着して一体的に焼成した後、該積
層焼結体の両端面に内部電極層と接続される外部電極を
焼付けて形成されている。
【0003】このようなチップ型積層コンデンサは、近
年においては小型化と共に大容量化が要求されている。
この要求に応えるため誘電体セラミック層を薄層化する
ことにより高積層化を図っている。また、できるだけ大
きな容量を得るために取得容量に寄与しないマージン部
分を縮小化することにより、各層の内部電極面積の拡大
を図る必要があった。
【0004】マージン部分を縮小化する積層セラミック
コンデンサの製造方法として、特開平6−13259号
に開示されるように、サイドマージン部をセラミックス
ラリーの印刷または塗布により形成する方法が提案され
ている。この積層セラミックコンデンサの製造方法によ
れば、積層コンデンサの内部における内部電極の位置ず
れによる対向面積の減少を防止することができ、大きな
容量が得られ、ばらつきの少ない積層セラミックコンデ
ンサが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−13259号に開示された製造方法において
は、内部電極に含まれる金属とセラミック層のセラミッ
クとの焼成時における収縮率や熱膨張係数等の違いによ
り、コンデンサに発生する内部応力が大きくなり、歪が
大きくなる。この歪によって、同じ誘電体厚みであって
も積層数の増大により誘電特性が悪化するとともに、表
面実装工程で生じる熱応力や機械的応力さらには熱衝撃
等によりコンデンサにクラックを生じ、その信頼性の低
下を引き起こすという問題があった。
【0006】実際に積層コンデンサを作製した場合、積
層数が多くなると、内部電極の厚みにより、積層体内部
でセラミック層を介して内部電極が重なり合っている部
分とそれ以外のマージン部分との積層厚みの差が大きく
なり、上記したような問題が起こり易かった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、薄層、高積層化による誘電特
性の悪化を防止し、さらには表面実装工程でのクラック
発生を抑制し、コンデンサとしての信頼性を維持し得る
積層セラミックコンデンサを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の積層セラ
ミックコンデンサは、複数の誘電体セラミック層と、複
数の内部電極層とを交互に積層したコンデンサ本体の対
向する端面に、前記内部電極層と接続される外部電極を
それぞれ有するとともに、該外部電極が形成されていな
い前記コンデンサ本体の側面に、コンデンサとして機能
しないセラミックスからなる一対のサイドマージン部を
それぞれ有する積層セラミックコンデンサにおいて、前
記サイドマージン部の熱膨張係数が前記コンデンサ本体
の誘電体セラミック層の熱膨張係数より4〜10×10
-7/℃だけ小さく、かつ、前記一対のサイドマージン部
の外面間の長さに対する前記サイドマージン部の厚みの
割合をそれぞれ2.5〜25%としたものである。
【0009】また、複数の誘電体セラミック層と、複数
の内部電極層とを交互に積層したコンデンサ本体の対向
する端面に、前記内部電極層と接続される外部電極をそ
れぞれ有するとともに、該外部電極が形成されていない
前記コンデンサ本体の側面に、コンデンサとして機能し
ないセラミックスからなる一対のサイドマージン部をそ
れぞれ有する積層セラミックコンデンサにおいて、前記
誘電体セラミック層がチタン酸塩を主成分とするととも
に、前記サイドマージン部が前記誘電体セラミック層よ
りもジルコニウム酸塩を5〜15mol%多く含むもの
である。
【0010】
【作用】本発明の積層セラミックコンデンサは、焼結後
の冷却過程でコンデンサ本体に引張応力が、サイドマー
ジン部に圧縮応力が蓄積され残留し、この応力によって
コンデンサ本体の誘電体セラミック層は本来の特性を示
すことができる。
【0011】即ち、例えば、図5に示すように、本発明
の積層セラミックコンデンサの一対の外部電極9を、銅
配線されたガラスエポキシ等の基板11上にハンダ13
により実装する場合、両側を外部電極9により固定され
るため、この外部電極9の間のコンデンサ本体3には、
実装過程で生じる熱応力、機械的応力さらには熱衝撃
(基板に加わる曲げ応力やハンダ付けの際の熱負荷等に
よる)等による引張応力が作用するが、この引張応力は
サイドマージン部の圧縮応力により吸収され、その結果
サイドマージン部とコンデンサ本体との間にストレスが
生じず、クラックの発生が未然に防止される。
【0012】また、積層セラミックコンデンサの幅及び
厚みが同等の場合、実装方向の峻別が難しいが、応力が
集中するコーナー部は上記熱膨張係数の特定されたサイ
ドマージン部であるため、どの方向に実装しても引張応
力の大半を吸収することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の積層セラミックコンデン
サは、図1および図2に示すように、複数の誘電体セラ
ミック層1と、複数の内部電極層2とを交互に積層して
コンデンサ本体3が形成され、内部電極層2の側方にお
けるコンデンサ本体3の側面には一対のセラミックから
なるサイドマージン部4が形成されている。
【0014】そして、サイドマージン部4の熱膨張係数
がコンデンサ本体3の誘電体セラミック層1の熱膨張係
数より4〜10×10-7/℃だけ小さく、かつ、図3に
示すように、一対のサイドマージン部4の外面間の長さ
1 に対するサイドマージン部4の厚みL2 の割合(L
2 /L1 ×100)がそれぞれ2.5〜25%とされて
いる。尚、図4に示すように、内部電極層2に電気的に
接続する外部電極9が、コンデンサ本体3の側面にそれ
ぞれ形成されている。
【0015】サイドマージン部4とコンデンサ本体3の
誘電体セラミック層1の熱膨張係数差及び積層セラミッ
クコンデンサの幅L1 に対する片側のサイドマージン部
4の厚みL2 の割合を上記のごとく特定した理由は、熱
膨張係数差が4×10-7/℃未満の場合、誘電特性の悪
化を防止するための引張応力をコンデンサ本体3に付与
できず、かつ表面実装工程で生じる熱応力、機械的応
力、更には熱衝撃を吸収し得るに十分な圧縮応力をサイ
ドマージン部4に付与できず、サイドマージン部4から
クラックが生じ易くなる。
【0016】そして、積層セラミックコンデンサの幅L
1 に対する片側のサイドマージン部4の厚みL2 の割合
が2.5%未満の場合、誘電特性の悪化を防止するため
の引張応力をコンデンサ本体3に付与できない。一方、
熱膨張係数差が10×10-7/℃よりも大きい場合、或
いは積層セラミックコンデンサの幅L1 に対する片側の
サイドマージン部4の厚みL2 の割合が25%よりも大
きい場合、コンデンサ本体3に付与される引張応力が大
きくなり過ぎて、コンデンサ本体3からクラックが生じ
易くなるからである。
【0017】サイドマージン部4とコンデンサ本体3の
誘電体セラミック層1との熱膨張係数差は、誘電特性の
悪化を防止するとともに、表面実装工程等で生じる圧縮
応力を低減するために、コンデンサ本体3に最適な引張
応力を付与するという理由から、コンデンサ本体3が6
〜10×10-7/℃大きいことが望ましい。
【0018】また、一対のサイドマージン部4の外面間
の距離L1 に対するサイドマージン部4の厚みL2 の割
合(L2 /L1 ×100)は、コンデンサ本体3に最適
な引張応力を付与するという理由から、6〜20%であ
ることが望ましい。
【0019】誘電体セラミック層は、誘電特性向上とい
う点から、主に、チタン酸バリウム、チタン酸ランタ
ン、チタン酸カルシウム、チタン酸ネオジウム及びチタ
ン酸マグネシウム等のチタン酸塩を主成分とする誘電体
セラミックから構成することが望ましい。この場合は、
上記サイドマージン部のセラミックがコンデンサ本体の
誘電体セラミック層よりジルコニウム酸塩を5〜15m
ol%多く含むよう調整することにより、サイドマージ
ン部とコンデンサ本体の誘電体セラミック層との熱膨張
係数の差を上記のごとく設定することができる。サイド
マージン部に於けるジルコニウム酸塩の過剰含有量が5
mol%未満の場合、上記熱膨張係数差が4×10-7
℃よりも小さくなる傾向にあり、逆に15mol%を越
えると同熱膨張係数差が10×10-7/℃よりも大きく
なる傾向にある。
【0020】尚、誘電体セラミック層の原料として、ジ
ルコニウム酸塩を用いてはいないが、原料中に不可避的
に含まれる場合があること、誘電体セラミックの一組成
材料としてジルコニウム酸塩を後添加する場合もあるこ
とから、ジルコニウム酸塩についてサイドマージン部が
5〜15mol%多く含むと表現した。このように、誘
電体セラミック層の原料としてジルコニウム酸塩を添加
すると、コンデンサとしての磁器強度も大となるのでよ
り望ましい。
【0021】本発明の積層セラミックコンデンサは、例
えば、チタン酸バリウム、酸化イットリウム(Y
2 3 ) 、酸化マグネシウムを主成分とした誘電体材料
粉末に、分散剤等を添加し、これらを粉砕混合してスラ
リーを作製する。得られたスラリーを公知の成形法、例
えば、ドクターブレード法により所定の厚みのグリーン
シートを作製する。
【0022】このグリーンシートの片面に内部電極ペー
ストを印刷し、この内部電極ペーストを印刷したグリー
ンシートを複数積層し、熱圧着した後、内部電極が側面
に露出するように所定の寸法に切断し、コンデンサ本体
の成形体を作製する。
【0023】コンデンサ本体の誘電体セラミック層の原
料粉末に、ジルコン酸塩、例えば、ジルコン酸カルシウ
ム(CaZrO3 ) 、ジルコン酸バリウム(BaZrO
3 )粉末を加え、上記と同様に処理してサイドマージン
部用のスラリーを作製する。
【0024】このサイドマージン部用スラリーをコンデ
ンサ本体の成形体の側面の内部電極が露出した部分に、
公知の方法、例えばオフセット印刷法により所定の厚み
に印刷塗布し、乾燥し、生チップを作製する。
【0025】この生チップを、大気中等の酸化性雰囲気
や窒素雰囲気等の還元雰囲気において、1150〜13
00℃で0.5〜4時間焼成し、この後、サイドマージ
ン部が形成されていないコンデンサ本体の側面に外部電
極を形成して本発明の積層セラミックコンデンサを得
る。尚、還元雰囲気で焼成する場合には、磁器の酸化処
理を大気中等の酸化性雰囲気で行ってもよい。
【0026】尚、本発明の積層セラミックコンデンサ
は、誘電体セラミック層を40層以上積層したものにお
いて特に有効である。
【0027】
【実施例】
(a)チタン酸バリウム(BaTiO3 )と、BaTi
3 100重量部に対して酸化イットリウム(Y
2 3 ) を1重量部、酸化マグネシウム(MgO)を
0.4重量部添加してなる誘電体材料粉末に、分散剤及
びエチルセルソルブを加え、これらをZrO2 ボールを
用いたボールミルで20時間粉砕混合してスラリーを得
た。
【0028】(b)得られたスラリーにポリビニルブチ
ラール及び可塑剤を加えて混合後、ドクターブレード法
により厚さ約10μmのコンデンサ本体の誘電体セラミ
ック用のグリーンシートを得た。
【0029】(c)このグリーンシートの片面にニッケ
ル50重量%とエチルセルロースとブチルカルビトール
アセテートとからなる内部電極ペーストを印刷し、この
グリーンシートを表1に示す積層数積み重ね、更にこの
積層物の上下に内部電極ペーストを印刷していない上記
誘電体セラミック用のグリーンシートを積層し、これら
を熱圧着して積層成形体を作製し、この後内部電極が側
面に露出するように所定の寸法に切断した。
【0030】(d)上記誘電体材料粉末にジルコン酸カ
ルシウム(CaZrO3 ) および/またはジルコン酸バ
リウム(BaZrO3 ) 粉末を、表1に示す量だけ加
え、上記誘電体セラミック用のスラリーと同様に処理し
てサイドマージン部用のスラリーを得た。
【0031】(e)このサイドマージン部用のスラリー
を、(c)の積層成形体の内部電極が露出した側面にオ
フセット印刷法により、焼成した後の厚みが表1に示す
厚みとなるように所定厚みで印刷塗布し、乾燥し内部電
極を絶縁する層を形成して生チップを得た。
【0032】(f)この生チップをジルコニア板の上に
載せて水素が3%含まれた窒素ガス中で1150〜13
00℃で焼成し、空気中600℃で30分酸化処理を行
い、縦2mm×横1.1mm、厚さ0.8mm、有効積
層数100層、有効電極面積1.6mm×0.98〜
1.05mm、誘電体セラミック層厚み5μmのチップ
コンデンサ用焼結体を得た。
【0033】(g)この焼結体をバレル研磨後、サイド
マージン部が形成されていないコンデンサ本体の両側面
に銅ペーストを塗布し、900℃で焼付け、更にその表
面にNiメッキ及びSnメッキを施し、外部電極を形成
して、図4および図5に示す積層セラミックコンデンサ
を得た。
【0034】(h)サイドマージン部の厚み、CaZr
3 及びBaZrO3 の添加量を変えた試料について、
図3に示す片側のサイドマージン部の厚みL2 と積層セ
ラミックコンデンサの長さL1 との比(L2 /L1 ×1
00)を測定算出し、またコンデンサ本体の誘電体セラ
ミック層の熱膨張係数からサイドマージン部の熱膨張係
数を差し引いた値Δαを測定算出し、さらに残留応力
(サイドマージン部の圧縮応力、コンデンサ本体の引張
応力)をFEM解析法により求めた。
【0035】また、試料を、LCRメーター4284A
を用いて、周波数1.0MHz、入力信号レベル1.0
Vrmsにて−55〜125℃における静電容量を測定
し、+25℃での静電容量に対する各温度での静電容量
の変化率を算出した。
【0036】(i)そして、図5に示すように、試料の
コンデンサを銅配線されたガラスエポキシ基板11上に
ハンダ13により接合し、該基板11を間隔が90mm
の支持台に載せ、基板11の裏面から押圧して試料のコ
ンデンサにクラックが入るまでの基板11のたわみ変形
量を求めた(日本電子機械工業会規格RC−3402に
準拠)。
【0037】(j)上記(f)の焼結体の研磨断面を実
体顕微鏡(×40)で観察し、コンデンサ本体における
クラックの有無を調べた。
【0038】CaZrO3 及びBaZrO3 の添加量、
サイドマージン部の厚みL2 、サイドマージン部とコン
デンサの幅との比(L2 /L1 ×100)、サイドマー
ジン部の熱膨張係数、サイドマージン部とコンデンサ本
体の誘電体セラミック層との熱膨張係数の差、残留応
力、クラックが入るまでの基板のたわみ変形量、焼成後
のコンデンサ本体のクラックの有無、および誘電特性の
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】この表1により、試料No.2、3、6、
7、10、11は、いずれもサイドマージン部の圧縮応
力が大きいため、上記規格RC−3402の試験法によ
るクラックが入るまでの変形量が大きく、表面実装時の
引張応力に十分耐えることが理解される。また、コンデ
ンサ本体の引張応力が小さく、コンデンサ本体における
内部クラックが皆無であり、誘電特性も比較例よりも優
れていることが判る。
【0041】これに対し、試料No.1、12は、サイド
マージン部とコンデンサ本体との熱膨張係数に差がない
ため、サイドマージン部に圧縮応力が蓄積されず、従っ
てクラックが入るまでの基板のたわみ変形量が小さく、
表面実装の際の引張応力によりクラックが発生する可能
性がある。
【0042】試料No.8は、積層セラミックコンデンサ
の幅に対する片側のサイドマージン部の厚みの割合が大
きいためコンデンサ本体の引張応力が大となり、焼結体
内部にクラックが発生し、逆に試料No.5はサイドマー
ジン部の厚みの割合が小さいためにコンデンサ本体の引
張応力が小さく温度特性(TCC)を改善できないこと
が判る。
【0043】また試料No.9は熱膨張係数の差が小さい
ためにコンデンサ本体の引張応力が小さくなりTCCを
改善できず、試料No.4は、熱膨張係数の差が大きいた
めコンデンサ本体の引張応力が大となり、試料No.8と
同様内部クラックが発生することが判る。
【0044】尚、上記ではサイドマージン部の熱膨張係
数を小さくする手段として、サイドマージン部の誘電体
セラミックにジルコン酸塩を添加する方法を採用した
が、他の方法の採用を除外するものではない。
【0045】
【発明の効果】本発明の積層セラミックコンデンサで
は、焼結後、コンデンサ本体には引張応力が蓄積残留
し、高積層時においても誘電特性、特にTCCが変化せ
ず、またサイドマージン部に圧縮応力が蓄積残留し、こ
の圧縮応力により表面実装時の引張応力を吸収できるた
め、表面実装時のクラック発生が抑止され、コンデンサ
の信頼性を維持できる。特に、誘電体セラミックがチタ
ン酸塩を主成分とする場合、サイドマージン部のセラミ
ックにジルコニウム酸塩を適宜添加することにより上記
熱膨張係数の調整が簡易になされ、上記優れた特性を有
する積層セラミックコンデンサが確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサのサイドマ
ージン部とコンデンサ本体を説明するための斜視図であ
る。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】本発明の積層セラミックコンデンサの平面図で
ある。
【図5】積層セラミックコンデンサの基板への表面実装
を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・誘電体セラミック層 2・・・内部電極層 3・・・コンデンサ本体 4・・・サイドマージン部 9・・・外部電極 11・・・基板 13・・・ハンダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の誘電体セラミック層と、複数の内部
    電極層とを交互に積層したコンデンサ本体の対向する端
    面に、前記内部電極層と接続される外部電極をそれぞれ
    有するとともに、該外部電極が形成されていない前記コ
    ンデンサ本体の側面に、コンデンサとして機能しないセ
    ラミックスからなる一対のサイドマージン部をそれぞれ
    有する積層セラミックコンデンサにおいて、前記サイド
    マージン部の熱膨張係数が前記コンデンサ本体の誘電体
    セラミック層の熱膨張係数より4〜10×10-7/℃だ
    け小さく、かつ、前記一対のサイドマージン部の外面間
    の長さに対する前記サイドマージン部の厚みの割合をそ
    れぞれ2.5〜25%としたことを特徴とする積層セラ
    ミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】複数の誘電体セラミック層と、複数の内部
    電極層とを交互に積層したコンデンサ本体の対向する端
    面に、前記内部電極層と接続される外部電極をそれぞれ
    有するとともに、該外部電極が形成されていない前記コ
    ンデンサ本体の側面に、コンデンサとして機能しないセ
    ラミックスからなる一対のサイドマージン部をそれぞれ
    有する積層セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体
    セラミック層がチタン酸塩を主成分とするとともに、前
    記サイドマージン部が前記誘電体セラミック層よりもジ
    ルコニウム酸塩を5〜15mol%多く含むことを特徴
    とする積層セラミックコンデンサ。
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