JP3085596B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型大容量であって、
且つ静電容量の温度変化率を小さくした積層セラミック
コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】電子機器の小型軽量化が進展
するに伴って、回路基板に搭載する電子部品も小型化、
高密度実装対応が要求されるようになってきた。この様
な要求に対して、コンデンサ分野では、小型で大きな静
電容量の得られるチップタイプの積層セラミックコンデ
ンサが多用されるようになっている。この様な高容量の
積層セラミックコンデンサには、誘電体材料としてチタ
ン酸バリウム(BaTiO3 )に代表される高誘電率系
材料が用いられてきた。一方、この高誘電率系材料は比
誘電率の温度変化率が大きいという問題点があり、添加
剤によって温度特性の改善を図っているものの、比誘電
率の低下を伴い、小型化の要求に充分対応できないた
め、静電容量の温度変化率が小さく、しかも大容量が要
求される部分には、タンタルコンデンサなどの比較的大
型の部品を使用せざるを得なかった。そのために、小型
高容量であって静電容量の温度変化率が小さい積層セラ
ミックコンデンサの出現が望まれている。
【0003】この様な背景の中で、高誘電率系積層セラ
ミックコンデンサ材料として低温焼成が可能な複合ペロ
ブスカイト系の誘電体材料を用いると共に、これらの材
料において、キュリー点の異なる複数種類の誘電体層を
積層し、各容量を並列接続した構造として、一体に焼成
して、静電容量の温度変化率を小さくした複合誘電体層
型の積層セラミックコンデンサが提案され、注目されて
いる(例えば特開昭64−64209)。しかしなが
ら、これら複合誘電体層型積層セラミックコンデンサに
おいては、異なる誘電耐がそれぞれ相互間で異なる固有
物性を有し、製造時に発生する内部応力からデラミネー
ションやクラックが生じて製造効率を低下させたり、機
械的強度が劣るために、回路基板に実装して半田づけを
する際に、半田凝固時の応力が集中してコンデンサが損
傷するという問題があった。
【0004】これらの問題点を解決する手段として、例
えば特開平2−73614では、一主面側から他主面側
に向かって一方向に熱膨張係数が変化する様に誘電体層
を配置して、セラミック外装材により歪を補償すること
が記載されているが、この場合には、製造工程におい
て、誘電体材料グリーンシートとは別に外装用グリーン
シートを準備する必要があり、工程が複雑になるうえ、
外装材を用いたとしても焼成後の素子が一表面方向に湾
曲して、実装性を損なう問題があった。
【0005】本発明は上述の問題点に鑑みて案出したも
のであり、その目的は、製造工程が容易で、機械的強度
に優れ、且つ小型高容量、温度特性の良好な積層セラミ
ックコンデンサを提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は、誘電体シー
トと内部電極とを交互に複数配した比誘電率温度特性依
存性の異なる少なくとも3以上の誘電体層群を積層し、
一体焼成した積層体に、前記積層体の対向する2つの端
面に前記内部電極と導通する端子電極を形成し、各誘電
体層群に形成される容量成分を並列接続してなる積層セ
ラミックコンデンサにおいて、前記積層体の両主面側に
同一種類の前記誘電体層群を配するとともに、該両主面
側の誘電体層群の厚みを、間に挟まれる他の誘電体層群
の誘電体シートの厚みよりも厚くし、且つ、前記両主面
側の誘電体層群が他の誘電体層群より小さい熱膨張係数
の材料で構成されたことを特徴とする積層セラミックコ
ンデンサである。
【0007】
【0008】
【作用】本発明によれば、内部電極が形成された比誘電
率温度依存性の異なる誘電体層群が少なくとも3以上積
層して積層体が構成され、その積層体の両主面側に同一
種類の誘電体層群を配置したため、積層体の厚み方向で
は同一種類の誘電体層群が対称に配置されることにな
り、これにより、小型大容量化を達成するとともに、一
主面方向に発生する内部応力による一主面の湾曲を有効
に防止することができる。また、積層体の両主面側に同
一種類の誘電体層群を配置して、その誘電体シートの厚
みを他の種類の誘電体層群の誘電体シートよりも厚くす
ることで積層体全体の機械的強度が向上する。さらに、
積層体の両主面側の誘電体層群が他の誘電体層群より小
さい熱膨張係数の材料で構成したために、デラミネーシ
ョンの発生を防止して信頼性を向上することができる。
【0009】また、異種誘電体層間の境界部分の数を必
要最小限にすることにより、焼成時に異なる誘電体層群
間で含有成分の相互拡散が生じて温度特性が低減するこ
とを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の積層セラミックコンデンサを
図面に基づいて説明する。図1に、第1の発明の積層セ
ラミックコンデンサの一例の断面図を示す。
【0011】図1においては、積層セラミックコンデン
サ1は、所定比誘電率特性の誘電体層2aとなる誘電体
シート間に内部電極3を形成した第1の誘電体層群A
と、前記誘電体層2aと比誘電率特性が異なる誘電体層
2bとなる誘電体シート間に内部電極3を形成した第2
の誘電体層群Bと、前記所定比誘電率特性の誘電体層2
a間に内部電極3を形成した第3の誘電体層群A’とか
ら成る積層体に、端子電極4を形成して構成される。
【0012】即ち、積層セラミックコンデンサ1の両表
面側に、互いに層数の等しい誘電体層2aから成る誘電
体層群A、A’(第1の誘電体層群Aと第3の誘電体層
群A’)を対称的に配置し、誘電体層2bから成る第2
誘電体層群Bを挟む構造としている。尚、3は内部電
極、4は端子電極である。
【0013】また、図2には誘電体材料が3種類からな
る場合の例を示す。この場合、両表面側に、互いに層数
の等しい誘電体層2aから成る誘電体層群A、A’を夫
々配置し、誘電体層2bから成る誘電体層群B及び誘電
体層2cから成る誘電体層群Cを挟む構造としている。
この場合、誘電体層2bから成る誘電体層群B又は誘電
体層2cから成る誘電体層群Bをそれそれ2群設けて、
両主面の誘電体層2aから成る誘電体層群と接するよう
に配置してもよい。ここで、両主面に配置される誘電体
層群A、A’を構成する誘電体層2aの中で、最外表側
に位置する誘電体層2aを、他の誘電体層2aに比較し
て厚くすることによって、強度を高めても良い。このた
めには、内部電極3を印刷しない誘電体層2aのグリー
ンシートを積層することにより容易に実現される。ま
た、誘電体層2a、2b、2cからなる各誘電体層群
A、B、C、A’の配置順序としては、熱膨張係数の小
さい誘電体層群を表面側に配置すれば、異なる誘電体層
群の境界面で生じる内部応力が圧縮応力となり、デラミ
ネーションが生じにくくなるので、信頼性を上げる意味
で好ましいが、必ずしもそれに限定するものではない。
【0014】各誘電体層2a、2b、2cの厚みは、5
〜100μmの範囲、好ましくは、10〜50μmの範
囲とするのがよい。5μm以下では、グリーンシートを
均一に作ることが困難で、内部電極3間の短絡が生じる
恐れがあり、一方、100μm以上では、小型化して必
要な静電容量を得るという目的を満足させることができ
ない。この厚みの範囲内で、積層体の両主面側に配置さ
れる誘電体層群A、A’を構成する誘電体層2aを厚み
を、他の誘電体層2b、2cの厚みよりも大きくするこ
とが重要である。
【0015】誘電体材料としては、例えば、第1の誘電
体材料として、複合酸化物、Pb(Mg1/3 Nb2/3
3 、及びPb(Sm1/2 Nb1/2 )O3 からなる固溶
体がある。
【0016】また、第2の誘電体材料として、上記材料
に更にPb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 、BaTiO3
PbTiO3 を加えた固溶体にMnO2 を添加して第1
の誘電体材料に対して異なる温度特性を示すようにした
ものがある。
【0017】また、第3の誘電体材料としては、第2の
誘電体材料の各々の成分の組成比を変えてキュリー点を
変えたものが挙げられる。
【0018】但し、上記材料の組み合わせは一例であっ
て、本発明は特にこの材料に限定するものではない。他
の複合酸化物系材料、例えば、Pb(Fe1/3
2/3 )O3 、Pb(Fe2/3 1/3 )O3 、Pb(M
1/2 1/2 )O3 などを要求特性に応じて適宜配合し
た材料も使用することができる。
【0019】次に内部電極3の材料としては、従来の積
層セラミックコンデンサに用いるのと同様の材料、即ち
Ag、Pd、Pt、Au及びそれらの合金粉末に有機ビ
ヒクルを混合したペーストを出発原料として用いる。こ
こで、特にデラミネーションを防止するという目的のた
めに、更にガラスフリットを添加して内部電極3の熱膨
張係数を調整してもよい。
【0020】また、異なる誘電体層群間の境界部分には
導体層や絶縁体層を介在させ、相互拡散を防止すること
が必要である。相互拡散の影響を小さくするために、異
種の誘電体層の境界部分の数はできるだけ少なくするの
が好ましい。そのため、1種類の誘電体層は最大2分割
とする。導体層によって異なる誘電体層間の相互拡散を
防止する場合には、その導体層の材料は内部電極と同一
材料にすれば良い。また絶縁体層を介在させる場合は、
誘電体材料と固溶しにくいセラミック材料を選択する。
【0021】上記構成によれば、焼成時に異種誘電体層
群間で生じる内部応力の影響を低減し、しかもその応力
は積層体の両表面側に対して対称的に作用するため、積
層したコンデンサ素子が一表面方向に湾曲するのを防止
することができる。また、異種誘電体層群間の境界部分
の数を必要最小限にすることにより、焼成時に異なる誘
電体層群間で含有成分の相互拡散が生じて温度特性が低
下することを防止する。更に誘電体層群間の接合強度を
高めることができる。
【0022】以上の結果、機械的強度に優れた信頼性の
高い積層セラミックコンデンサが得られる。
【0023】次に、図3に第2の発明の積層セラミック
コンデンサの一例の断面図を示す。図においては、積層
セラミックコンデンサ1は、比誘電率温度依存性が異な
る2種類の誘電体層2a及び2bから成る誘電体層群
A、A’、Bから構成され、両表面側に誘電体層2aか
らなる誘電体層群A、A’が夫々配置されている。
【0024】両表面側に誘電体層群A、A’を構成する
誘電体層2aの層厚は、他の誘電体層群Bを構成する誘
電体層2bの層厚より大きくなっている。
【0025】このとき、熱膨張係数の小さい方の材料で
誘電体層2aを構成する方がデラミネーションを起こさ
ず、信頼性を上げる意味で好ましい。また、誘電体層2
aの層厚が大きいことにより、誘電体層2aの1層分の
静電容量が相対的に小さくなるので、誘電体層2aから
成る誘電体層群A、A’の積層数を、誘電体層2bから
成る誘電体層群Bよりも増やして設計とする方が温度特
性のバランスから考えて好ましい。このように、層厚の
大きい誘電体層2aから成る誘電体層群A、A’を両表
面層側に配置することが強度的にも好都合である。
【0026】また、図4には誘電体材料が3種類の誘電
体層2a、2b、2cから成る誘電体層群A、A’、
B、Cから構成された例を示す。この場合、両表面側に
配置される誘電体層群A、A’を構成する誘電体層2a
の層厚の一番大きく、誘電体層2b及び2cを挟む構造
としている。誘電体層2a、2b、2cの一層分の層厚
関係としては、熱膨張係数の一番小さい誘電体層を、一
番層厚の厚い誘電体層として誘電体層群A、A’を構成
して、積層体の両表面側に配置することが良いことは、
図3の場合と同様である。
【0027】また、第2の発明においても、積層体の両
主面に配置される誘電体層群A、A’を構成する誘電体
層2aの中で、最外表面側の誘電体層2aのみを更に厚
くすることで、本発明の目的が一層効果的に達成される
ことになる。
【0028】各々の誘電体層2a、2b、2cの一層分
の厚みの範囲は第1の発明と同様であるが、本発明にお
いては更に層厚の大きい誘電体層2aの層厚を、他方の
誘電体層2bの層厚よりも5〜30μmの範囲で大きく
するのが好ましい。この範囲内に設定することにより、
コンデンサを小型化して必要な静電容量を得た上で、本
発明の目的を効果的に達成できる。
【0029】第2の発明の構造によって、両主面側の誘
電体層群A、A’を構成する誘電体層2aのの層厚が大
きくなっているため、耐環境性に優れ、長期信頼性を高
めることができる。また、層厚の大きい誘電体層2aに
熱膨張率の相対的に小さい材料を選択することにより、
内部歪の低減化も図ることができる。
【0030】(実験例1)49モル%のPb(Mg1/3
Nb1/2 )O3 、44モル%のPb(Zn1/3
1/2 )O3 、2モル%のPb(Sm1/2 Nb1/2 )O
3 、及び5モル%のBaTiO3 からなる組成物に0.
1重量%のMnO2 を添加した第1の組成物(誘電体層
2aとなる)と、95モル%のPb(Mg1/3
2/3 )O3 、5モル%のPb(Sm1/2 Nb1/2 )O
3 からなる第2の組成物(誘電体層2b)と、34モル
%のPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 、58モル%のPb
(Zn1/3 Nb2/ 3 )O3 、2モル%のPb(Sm1/2
Nb1/2 )O3 、及び6モル%のPbTiO3 からなる
組成物に0.4重量%のMnO2 を添加した第3の組成
物(誘電体層2cとなる)を、夫々別々にそれぞれ調合
−混合−仮焼−粉砕の工程によって作製した。尚、上述
の組成物の出発原料はPbO、MgO・Nb2 5 、Z
nO、Nb2 5 、BaTiO3 、PbTiO3 、Sm
2 3 及びMnO2 の粉末原料を各組成物となるように
秤量しする。また、仮焼はいずれも800℃、3時間の
条件で行った。また、粉砕はいずれも粉末の比表面積が
4〜6平方メートル/グラムになるまで、ジルコニアボ
ールを用い、湿式粉砕した。
【0031】次に第1乃至第3の組成物粉末にそれぞれ
分散剤と水を加え、更に有機エマルジョン結合剤を加え
て、ドクターブレード法によって共に厚さ25μmのグ
リーンシートを成形した。これにより、比誘電率温度依
存性が異なる誘電体層2a、2b、2cとなる3つのグ
リーンシートが形成される。
【0032】得られた第1のグリーンシートを5枚積層
した後、Ag70%とPd30%からなる導電ペースト
を用いて内部電極3を印刷した第1のグリーンシートを
4枚積層し、さらに、内部電極3を印刷した第2のシー
トを3枚、内部電極3を印刷した第3のシートを5枚、
内部電極3を印刷した第2のシートを3枚、内部電極3
を印刷した第1のシートを3枚積層し、さらに内部電極
3が印刷されていない第1のシートを6枚積層して、積
層圧着した。即ち、積層体において、両主面側に夫々第
1のシートが9層積層されることになる。尚、内部電極
3の乾燥後の厚さは2.8ミクロンであった。
【0033】次に、上記積層圧着体を3.2mm×1.
6mmサイズの個別の素子に切断して脱バインダー処理
を行った後、1030℃で2時間大気雰囲気による焼成
を行った。次いで、焼成後の素子の端子電極部分にAg
ペーストを塗布して700℃で焼き付けし、最後にN
i、Snの電解メッキを順次施して積層セラミックコン
デンサの評価用試料を得た。この試料の常温における電
気的特性を測定したところ、平均値で、容量が134.
8nF、誘電損失(tanδ)が1.87%、絶縁抵抗
値(IR)が1.4×105 MΩ、25℃におけるCR
値が18870ΩF、85℃におけるCR値が8860
ΩF、破壊電圧(BDV)が1160Vであり、温度特
性がY5R特性を満足することが確認できた。
【0034】また、静電容量と誘電損失の温度依存性を
測定した結果は、図5のようになった。これらの結果か
ら、誘電損失が3%以下で、比誘電率が平均6000と
高く、静電容量の変化率が−30℃〜+85℃の範囲で
±10%以下という、温度特性に優れた積層セラミック
コンデンサが得られていることが確認された。
【0035】次に、この試料を100個準備し実装テス
ト、各種信頼性テストを行ったが、クラックや静電容量
不良の問題点は生じなかった。
【0036】(実施例2)第1のグリーンシートの厚み
を35μm、第2、第3グリーンシートの厚みを共に2
5μmとして、得られた第1のグリーンシートを5枚積
層した後、Ag70%とPd30%からなる導電ペース
トを用いて内部電極3を印刷した第1のグリーンシート
を6枚積層し、さらに、内部電極3を印刷した第2のシ
ートを6枚、内部電極3を印刷した第3のシートを5
枚、内部電極3を印刷した第1のシートを5枚、さらに
内部電極3が印刷されていない第1のシートを6枚積層
して、積層圧着した。即ち、積層体において、両主面側
に夫々第1のシートが11層積層されることになる。こ
れを実施例1と同様の手順で積層セラミックコンデンサ
の評価用試料を得た。
【0037】この試料の電気特性を測定したところ、実
施例1と同様の温度特性が得られた。また、この試料を
100個準備し実装テスト、各種信頼性テストを行った
が、第1の実施例の場合と同様に、クラックや静電容量
不良の問題点は生じなかった。
【0038】(比較例)第1乃至第3のグリーンシート
の厚みを共に25ミクロンとして、それぞれのシートに
導電ペーストを内部電極のパターン形状に印刷し、順
次、第1のシートを6枚、第2のシートを6枚、第3の
シートを5枚積層した後、最後に導電ペーストを全く印
刷しない第3のシートを1枚積層し、合計18枚を積層
圧着した点以外は実施例1と同様の手順で積層セラミッ
クコンデンサの評価用試料を得た。
【0039】この試料を焼成後に観察したところ、内部
歪のために表面が一方向に湾曲しているのが観察され
た。
【0040】この試料の電気特性を測定したところ、実
施例1と同様の温度特性が得られたものの、この試料を
100個準備して、実装テストを行った結果、クラック
が総数の5%の割合で生じた。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、製造工
程を複雑にすることなしに、温度特性に優れているとと
もに、素子が湾曲せず寸法精度が良く、機械的強度に優
れ、クラックやデラミネーションがない信頼性の高い積
層セラミックコンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の積層セラミックコンデンサの一例
の断面図。
【図2】第1の発明の積層セラミックコンデンサの他の
一例の断面図。
【図3】第2の発明の積層セラミックコンデンサの一例
の断面図。
【図4】第2の発明の積層セラミックコンデンサの他の
一例の断面図。
【図5】静電容量と誘電損失の温度依存性を示す特性
図。
【符号の説明】
1・・・積層セラミックコンデンサ 2a,2b,2c・・・誘電体層 3・・・内部電極 4・・・端子電極 A、B、C・・・誘電体層群

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体シートと内部電極とを交互に複数
    配した比誘電率温度特性依存性の異なる少なくとも3以
    上の誘電体層群を積層し、一体焼成した積層体に、前記
    積層体の対向する2つの端面に前記内部電極と導通する
    端子電極を形成し、各誘電体層群に形成される容量成分
    を並列接続してなる積層セラミックコンデンサにおい
    て、前記積層体の両主面側に同一種類の前記誘電体層群を配
    するとともに、該両主面側の誘電体層群の厚みを、間に
    挟まれる他の誘電体層群の誘電体シートの厚みよりも厚
    くし、且つ、前記両主面側の誘電体層群が他の誘電体層
    群より小さい熱膨張係数の材料で構成された ことを特徴
    とする積層セラミックコンデンサ。
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