JP3457882B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高周波用回路に適
用された積層セラミックコンデンサであり、特に、低等
価直列抵抗成分(低損失)、高Q値の要求に応えること
ができる積層セラミックコンデンサに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来、積層セラミックコンデンサは、複
数の誘電体磁器層と複数の内部電極層とが交互に積層さ
れて成る積層体と、該積層体の両端部に形成した一対の
外部電極とから構成されている。尚、積層方向に隣接し
あう内部電極層は、各々異なる外部電極に導通してい
る。 【0003】また、内部電極層の材料は、誘電体磁器層
と一体的に焼結されるものであり、一般にPd、または
Ag−Pd合金等が使用されてきた。また、外部電極の
下地導体膜の材料として、Ag、またはAg−Pd合金
等が使用され、プリント配線基板上への実装性を考慮し
て、該下地導体膜上にNi、Sn、Sn−Pb等のメッ
キ層を形成していた。 【0004】近年の電子機器や通信機器などには、高周
波動作する回路が多く、これらの回路に使用できる、即
ち、高周波化に対応するための積層セラミックコンデン
サが希求されている。 これらの高周波化に対応する積
層セラミックコンデンサにおいては、高周波領域におけ
る信号損失が小さいこと、すなわち低等価直列抵抗成分
化が重要となる。 【0005】従って、低等価直列抵抗成分化の積層セラ
ミックコンデンサの構造においては、内部電極層の層構
造 、内部電極の形状、内部電極厚み、誘電体磁器層の
厚み等の改良が必要となる。 【0006】このような積層セラミックコンデンサとし
て従来から種々の提案が行われている。 【0007】例えば、内部電極層の構造としては、内部
電極層を誘電体磁器層の長手方向に沿って複数に分割す
ることにより、高周波領域における内部電極層での電子
の移動距離が短く、等価直列抵抗成分の増大、Qの低下
を少なくする(特開平2−15606号)。 【0008】また、内部電極層の重なり長さをできるだ
け少なくし、各内部電極層の外部に露出される短辺側に
凹部をそれぞれ形成することにより、外観は従来と同じ
でQの高いコンデンサが得られるようにする(特開平2
−37706号)。 【0009】さらに、引き出し電極と内部電極層との接
合、及び引き出し電極と外部電極との接合を面接触的に
行うことにより等価直列抵抗成分を低減させ、Q特性の
改善を図る(特開平2−128414号)。 【0010】さらに、対向する内部電極層と重なり合わ
ない内部電極の引き出し部の厚みを、対向内部電極層と
重なり合う内部電極層の厚みの1.3〜3.0倍とする
ことで、デラミネーション、及びクラックの発生を抑制
しつつ、誘電体損失(tanδ)、及び等価直列抵抗成
分(ESR)を低減する(実開昭60−49621
号)。 【0011】誘電体磁器を狭持する形で導電体層群を形
成し、このうち必ず2枚の導電体層を1対の対向電極と
なるように配置することにより、等価直列抵抗が高いと
いう欠点をなくし、高周波化回路に適合しうるようにす
る(特公平5−23043号)。 【0012】複数の内部電極層が該内部電極層間の誘電
体磁器層の厚みをt1 とし、内部電極層内の内部電極間
の誘電体磁器層の厚みをt2 とした場合に、t1 ≧2t
2 を満たすように配置されて、同一内部電極層数であれ
ば、高周波帯域における等価直列抵抗を効果的に低減で
き、従って、高周波帯におけるQ特性を改善する(実開
平3−73421号)などが知られていた。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかし、何れの高周波
対応の積層セラミックコンデンサは、高周波用、特に
は、小電力増幅回路、共振回路等に使用するには充分で
はなかった。例えば、内部電極層の積層構造、形状、厚
み、及び誘電体磁器層の厚み等を変更しても、誘電体磁
器として用いる材料のの焼結温度が1100℃以上と高
く、内部電極の材料としてはこれに耐え得るPd、また
はAg−Pd合金等の比抵抗が高い電極材料を用いなく
てはならず、等価直列抵抗成分、またはQの大幅な改善
には至らなかった。 【0014】また、内部電極層の積層構造、形状、厚み
を変えることによって、構造的な欠陥(例えば、デラミ
ネーション、またはクラック等)が発生する確率が高く
なり、信頼性的に問題があった。 【0015】また、従来の技術において、内部電極層に
Cu又はCu合金を使用した積層セラミックコンデンサ
としては、特公平8−8190号がある。しかし、この
特公平8−8190号では、誘電体磁器層の材料とし
て、チタン酸バリウム系の材料を用いているため、比誘
電率εが200〜5000と非常に高く、且つtanδ
が0.4〜1.8%と高くなり、その結果、内部電極層
の材料に比抵抗の低いCuを用いたことによる直列等価
抵抗成分を低減効果を充分に導出することができなかっ
た。 【0016】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、内部電極層にCu系材料を主
成分とし、しかも、誘電体磁器層の材料に内部電極層の
低抵抗特性を喪失することなく、全体として等価直列抵
抗成分を小さくすることができる積層セラミックコンデ
ンサを提供することである。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明は、複数の誘電体
磁器層と、Cu系導体材料を主成分とする内部電極層と
が交互に積層してなる積層体の両端部に、前記内部電極
層と接続し、且つCu系導体を下地導体膜とする外部電
極を形成してなる積層セラミックコンデンサである。そ
して、前記誘電体磁器層は、(CaO)x (Zr1-y
Tiy )O2 で表される複合酸化物と、該複合酸化物1
00重量部に対して、MnCO3 換算で1.0〜3.0
重量部のMn化合物と、0.5〜2.0重量部の(aL
2 O−bB2 3 −cCaO)で表されるガラス成分
とを含むとともに前記x、y、a、b、cの値を夫々、
0.95≦x≦1.05、0.01≦y≦0.10、2
5≦a≦45、45≦b≦65、5≦c≦20、a+b
+c=100とした積層セラミックコンデンサである。 【0018】 【作用】本発明によれば、内部電極層の材料を比抵抗が
低いCu系導体材料を主成分としているため、内部電極
層の積層構造、形状、厚みなどの変更を行う必要なく、
充分に等価直列抵抗成分を小さくでき、高周波信号の損
失の小さい積層セラミックコンデンサとなる。しかも、
外部電極の下地導体膜にCu系材料を用いているため、
内部電極層と外部電極層との間で、等価直列抵抗成分を
悪化させることがない。 【0019】しかも、誘電体磁器層は、Q値の高い誘電
体磁器組成物で構成されているため、内部電極層の低比
抵抗材料による低等価直列抵抗成分化を悪化させること
が一切なくなる。 【0020】本発明において、内部電極層の材料とし
て、Cu系導体材料を主成分としたのは、上述のように
比抵抗を下げ、等価直列抵抗成分を低下させるためであ
る。 【0021】誘電体磁器層で(CaO)x (Zr1-y
Tiy )O2 で表される複合酸化物を用いた理由は、誘
電体材料的に高Q値化、低誘電損失化により、積層セラ
ミックコンデンサ全体で、比較的低積層数でも、等価直
列抵抗成分を悪化させないようにするためである。 【0022】特に、複合酸化物の比率xは、0.95〜
1.05の範囲が好ましい。このxの値の制御によっ
て、一体的に焼結される内部電極層(Cu系材料)の焼
結温度による焼結性を向上させている。例えば、xの値
が0.95未満であると、内部電極層材料であるCu系
導体を焼成する温度域(1050℃)では焼結温度低い
ため、充分に緻密化されない磁器となってしまう(以
下、未焼結という)。また、逆にx値が1.05を越え
ても、未焼結状態となってしまう。 【0023】また、複合酸化物の比率yは、0.01〜
0.10の範囲が好ましい。このyの値によって温度特
性を制御するものである。yの値が0.01未満である
と、温度特性の変化率がCG特性(25℃の容量に対し
て、−55℃〜125℃の温度範囲の容量が、±30p
pm/℃以内)から外れてしまい、逆にy値が0.10
を越えても、同じくCG特性から外れてしまう。 【0024】また、該複合酸化物100重量部に対し
て、Mn化合物をMnCO3 換算で1.0〜3.0重量
部を添加している。例えば、Mn化合物がMnCO3
算で1.0重量部未満では、Cu系導体を焼成する温度
域において、未焼結状態となってしまう。逆に、Mn化
合物がMnCO3 換算で3.0重量部を越えると、誘電
率εの低下、Q値の低下してしまう。 【0025】また、該複合酸化物100重量部に対し
て、(aLi2 O−bB2 3 −cCaO)で表される
ガラス成分を0.5〜2.0重量部を添加している。 【0026】このガラス成分は、Cu系導体を焼成する
温度域において、誘電体磁器が充分に焼結し、良好な電
気特性を得られるようにするものであり、特に、0.5
〜2.0重量部添加することが好ましい。 【0027】例えば、上述のガラス成分が0.5重量部
未満では、Cu系導体を焼成する温度域に未焼結状態に
なり、逆に、ガラス成分か2.0重量部を越えると、誘
電率εの低下、Q値の低下という問題が発生する。 【0028】また、(aLi2 O−bB2 3 −cCa
O)で表されるガラス成分の各モル比率a、b、cは、
25〜45、45〜65、5〜20(a+b+c=10
0)となるように設定する。 【0029】例えばモル比率aが25未満では、Cu系
導体を焼成する温度域において、未焼結状態となり、逆
に、45を越えると、Q値の低下を招いてしまう。 【0030】また、モル比率bが45未満では、誘電率
εの低下、Q値の低下してしまい、逆に、65を越える
と、Q値の低下を招いてしまう。 【0031】また、モル比率cが5未満では、Q値の低
下という問題が発生し、逆に、20を越えると、Cu系
導体を焼成する温度領域において未焼結になるという問
題が発生する。 【0032】このように、x、y、a、b、cを所定値
とした誘電体磁器組成物を用いることにより、Q値が高
くなり、且つ内部電極及び外部電極の下地導体膜にCu
を主成分とする材料を用いることより、比抵抗が小さな
り、信号の損失を小さくし、積層セラミックコンデンサ
全体として、高周波対応で重要な事項である低等価直列
抵抗成分化が達成され、高Q化が達成され、例えば、小
電力増幅回路、共振回路等の使用に適した積層セラミッ
クコンデンサとなる。 【0033】 【発明の実施の形態】以下、本発明の積層セラミックコ
ンデンサを図面に基づいて説明する。 【0034】図1は、本発明の積層セラミックコンデン
サの外観斜視図であり、図2は、その断面図である。 【0035】図において、1は積層体であり、2は積層
体1を構成する誘電体磁器層、3は積層体1を構成する
内部電極層であり、4、5は外部電極である。 【0036】積層体1を構成する誘電体層2は、チタン
酸ジルコン酸カルシウムを主成分とする非還元性誘電体
材料からなり、その形状は、1.6mm×0.8mmな
どであり、その厚みは、400〜800μmである。
尚、形状、厚み、さらに積層数は、容量値によって任意
に変更することができる。 【0037】積層体1を構成する内部電極層3は、Cu
やCu−Ag合金などのCuを主成分とする材料から構
成されている。そして、積層体1の積層方向に隣接しあ
う2つの内部電極層3は、互いに積層体1の異なる端面
側に延出し、各々異なる外部電極4、5に接続されてい
る。 【0038】積層体1の端面に形成される外部電極4、
5は、下地導体膜41、51と中間及び/又は表面メッ
キ層42、52とから構成されている。外部電極4、5
の下地導体膜41、51は、CuやCu−Ag合金を主
成分とする導体によって構成されている。メッキ層4
2、52は、Niメッキ、Snメッキ、半田メッキなど
が例示できる。尚、上述の下地導体膜41、51は、C
uを主成分とする厚膜導体ペーストを用いて、印刷、塗
布し、焼き付けによって形成してもよいし、また、Cu
を主成分とする導電性樹脂ペーストを用いて、印刷、塗
布し、硬化して形成してもよい。 【0039】本発明の特徴的なことは、上述の誘電体磁
器層2は、(CaO)x (Zr1-y・Tiy )O2 で表
される複合酸化物と、Mn化合物、Li2 O−B2 3
−Ca系のガラス成分を有しているとともに、内部電極
層3、外部電極4、5の下地導体膜41、51にCuを
主成分とする材料を用いている。 【0040】上述の誘電体層2を用いることにより、高
いQ値(10000以上)、低誘電率(28〜32)と
なり、しかも、焼成温度が1000度以下とすることが
でき、同時に焼成処理するCuを主成分とする内部電極
層3と一体的に焼成することができる。しかも、温度特
性の変化率CG特性(25℃の容量に対して、−55℃
〜125℃の温度範囲の容量が、±30ppm/℃以
内)を満足する。 【0041】また、内部電極層3、外部電極4、5の下
地導体膜41、51にCuを主成分とする材料を用いる
ことにより、特に内部電極層3の低抵抗化が達成でき
る。 【0042】即ち、高周波化対応した低等価直列抵抗成
分化の積層セラミックコンデンサは、誘電体磁器層2の
高いQ値と、内部電極層3の低抵抗化とを同時に満足し
て初めて達成される。 【0043】このような積層セラミックコンデンサは、
まず、誘電体磁器層となる誘電体グリーンシートを成形
する。出発材料として、主成分の複合酸化物となる酸化
カルシウムと酸化ジルコニウムと酸化チタンとを所定組
成範囲内になるように、秤量し、1200℃〜1300
℃の温度範囲にて2時間保持し、仮焼を行い複合酸化物
を得る。 【0044】この前記複合酸化物に前記組成範囲内にな
るように炭酸マンガン、ガラス成分を秤量し、更に水、
分散剤とをそれぞれ秤量し、混合・粉砕ミルに入れ、十
分に混合、粉砕を行い、スラリーを得る。 【0045】さらに、このスラリーに有機系のバインダ
ー及び可塑剤を加え、十分に攪拌混合を行い、スリップ
を得る。 【0046】そして、このスリップを引き上げ法やドク
ターブレード法によって、所定厚みの誘電体グリーンシ
ートを得る。 【0047】次に、内部電極層を形成するためのCuを
主成分とする導電性ペーストを作成する。具体的には、
平均粒径1.0μmのCu粉末と有機系のバインダー、
溶剤とをそれぞれ秤量し、3本ロールにて均質混練して
形成する。 【0048】次に、外部電極の下地導体膜となるCuを
主成分とする導電性ペーストを作成する。具体的には、
Cu粉末及びガラスフリットと有機系のバインダー、溶
剤とをそれぞれ秤量し、3本ロールにて均質混練して形
成する。 【0049】このようにして得られた誘電体グリーンシ
ート上に内部電極層を形成するための導電性ペーストを
スクリーン印刷法にて所定のパターンを印刷する。そし
て、このようにして印刷された複数の誘電体グリーンシ
ートを所定数枚積層し、熱圧着して、所定の形状寸法に
切断し、積層体を得る。 【0050】次に、この積層体を中性雰囲気中で昇温速
度50℃/時間にて800℃まで昇温し、800℃で2
時間保持して脱バインダーを行う。 【0051】その後、還元性雰囲気(窒素ー水素混合ガ
ス:水素比率0.1〜5.0%)で昇温速度300℃/
時間にて1000℃まで昇温し、1000℃で2時間保
持し、その後、自然冷却にて150℃以下にし、焼成さ
れた積層体を得る。 【0052】次に、この焼成された積層体をバレル処理
を行い、特に、内部電極層が積層体の端面部分から完全
に露出するように処理する。次に、バレル処理を行った
積層体の両端面部分に外部電極の下地導体形成用の導電
性ペーストをデッピング方法にてペーストを塗布し、1
50℃にて乾燥を行い、中性雰囲気、または、還元性雰
囲気中で800℃まで昇温し、800℃で10分保持
し、外部電極の下地導体の焼き付けを行う。その後、N
i及びSn、またはSn−Pbの電解メッキを行い、積
層セラミックコンデンサを得る。 【0053】( 実験例)本発明者は、誘電体磁器層の誘
電体材料が、表1 に示すような範囲となるように、調合
し、積層セラミックコンデンサを作成した。具体的に
は、1608型(L寸法:1.60mm、W寸法:0.
80mm、T寸法:0.80mm)として、内部電極層
を10層とした容量値10pFの積層セラミックコンデ
ンサである。この積層セラミックコンデンサを構成する
誘電体磁器の基本特性である比誘電率ε、Q値、絶縁抵
抗、温度特性を測定した。良品の評価として、比誘電率
εが28以上、Q値が10000以上、絶縁抵抗が10
12Ω・cm以上、温度特性がCG特性を満足し、充分に緻
密化された磁器が得られるものとした。その結果を表1
に示す。 【0054】 【表1】【0055】また、本発明者は、1608型の本発明の
積層セラミックコンデンサと従来の積層セラミックコン
デンサについて、インピーダンスアナライザーにて測定
電圧1V、測定周波数800〜1800MHzにおける
各容量値での等価直列抵抗成分の比較した。この結果を
表2に示す。尚、従来の積層セラミックコンデンサは誘
電体磁器層にチタン酸マグネシウムを主成分とする誘電
体磁器組成物で、内部電極にPd、外部電極の下地導体
にAgを使用し、それ以外の構造、形状、材料等は、本
発明の積層セラミックコンデンサと同様にしている。 【0056】また、容量値1pF、5pF、10pF、
20pF、30pF、47pF、100pFに対する8
00、1000、1200,1500、1800MHz
の各周波数における等価直列抵抗成分を測定している。 【0057】 【表2】【0058】表2に示す通り、本発明のセラミックコン
デンサは、従来の積層セラミックコンデンサに対して各
周波数における等価直列抵抗成分が大幅に低下する。 【0059】これは、従来の積層セラミックコンデンサ
に対して、本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電
体磁器層にQ値の高い誘電体磁器組成物を用い、内部電
極、及び外部電極の下地導体に比抵抗の小さい、Cu、
またはCu−Ag合金を使用していることによるもので
ある。 【0060】 【発明の効果】以上のように、誘電体磁器内に誘電体磁
器層と内部電極層とが交互に積層され、前記内部電極層
と接続する外部電極を前記誘電体磁器の両端面部分に有
し、前記誘電体磁器層に、(CaO)X (Zr1-y ・T
y )O2 で表される複合酸化物と該複合酸化物100
重量部に対して、Mn化合物をMnCO3 換算で1.0
〜3.0重量部と、(aLi2 O−bB2 3 −cCa
O)で表されるガラス成分を0.5〜2.0重量部を含
み、0.95≦x≦1.05、0.01≦y≦0.1
0、25≦a≦45、45≦b≦65、5≦c≦20、
a+b+c=100の範囲にある誘電体磁器組成物を用
い、前記内部電極にCu、またはCu−Ag合金を用
い、更に、前記外部電極の下地導体膜にCu、またはC
u−Ag合金を用い、この下地導体膜の上にNi、その
上にSn、またはSn−Pb合金のメッキを施すもので
あって、誘電体磁器層にQ値の高い誘電体磁器組成物
と、内部電極層と外部電極の下地導体膜に比抵抗の小さ
い、Cu、またはCu−Ag合金を用いることの相乗効
果によって、積層セラミックコンデンサの損失が小さく
なる。特に、高周波動作を行う回路では、低等価直列抵
抗成分となり、小電力増幅回路、共振回路等の使用に適
した積層セラミックコンデンサとなる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の積層セラミックコンデンサの外観斜視
図である。 【図2】本発明の積層セラミックコンデンサの断面図で
ある。 【符号の説明】 1・・・・積層体 2・・・・誘電体磁器層 3・・・・内部電極層 4、5・・・外部電極

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の誘電体磁器層と、Cu系導体材料
    を主成分とする内部電極層とが交互に積層してなる積層
    体の両端部に、前記内部電極層と接続し、且つCu系導
    体を下地導体膜とする外部電極を形成した積層セラミッ
    クコンデンサにおいて、 前記誘電体磁器層は、(CaO)x (Zr1-y ・T
    y )O2 で表される複合酸化物と、該複合酸化物10
    0重量部に対して、MnCO3 換算で1.0〜3.0重
    量部のMn化合物と、0.5〜2.0重量部の(aLi
    2 O−bB2 3 −cCaO)で表されるガラス成分と
    を含むとともに前記x、y、a、b、cの値を 0.95≦x≦1.05 0.01≦y≦0.10 25≦a≦45 45≦b≦65 5≦c≦20 a+b+c=100 としたことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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