JPH10504278A - 昆虫の生物学的制御 - Google Patents

昆虫の生物学的制御

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、昆虫を制御するための組成物およびその使用方法に関する。この組成物は、アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターを含み、そして強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターをさらに含む。この組成物は、好ましくは局所的に適用され、そして好ましくは、昆虫の卵の孵化の阻害および/または昆虫の幼虫の発育の阻害および/または大量死を引き起こす。

Description

【発明の詳細な説明】 昆虫の生物学的制御 本発明は昆虫を制御する方法およびその組成物に関する。 具体的には、本発明は昆虫による動物または植物への体内侵入(infestation) の制御に関し、そして昆虫によって伝搬される動物または植物の感染の予防に関 する。本発明はまた、昆虫による体内侵入の結果生じる感染の改善にも適用可能 である。 さらに具体的には、本発明はペプチダーゼインヒビターを含有する昆虫制御用 の組成物の使用に関し、そしてペプチダーゼインヒビターを発現する、耐昆虫性 のトランスジェニック生物の使用に関する。発明の背景 昆虫は、世界中で様々な種類の動物および植物に重大な害虫問題を引き起こし ており、現存の制御策にもかかわらず、毎年、作物生産の13%が失われていると 推定されている。Lepidoptera、Hemiptera、Orthoptera、Coleoptera、Psocopte ra、Isoptera、ThysanopteraおよびHomoptera目の種の昆虫は、多くの園芸作物 およびブロードエーカー(broadacre)作物、ならびに保存および製造された穀粒 製品に対して大量の損失を引き起こす。Diptera、Anaplura、MalophagaおよびSi phonapteraは、動物およびヒトに寄生感染を引き起こす。他の目(Hymenoptera、 Dictyoptera、Isoptera)には、重要な家庭害虫および産業害虫が含まれる。 公知の昆虫制御策の多くは、例えば、塩素化炭化水素(DDT、エンドスルファン など)、有機リン酸塩(クロルピリホス、ダイアジノン、マラチオン、パラチオン )、有機カルバミン酸塩(カルバリル、メトミル、プロキシプル(proxypur))およ び合成ピレスロイド(シペルメトリン、デルタメトリン)などの化学殺虫剤の使用 に依存している。 化学殺虫剤の使用に伴う問題には、標的昆虫による耐性の発達(有機リン酸塩 、合成ピレスロイド)、環境内ならびに植物および動物組織内における化学物質 の 持続性、および非標的生物への有害な影響(有機塩素系殺虫剤、昆虫成長調整剤) などがある。 ホウ素化合物(ホウ砂、ポリボール(polybor))もまた殺虫剤の用途に用いられ てきた。ホウ素化合物は安定であり、実際の用量では昆虫を比較的徐々に殺傷し (MullensおよびRodriguez、1992)、そしてヒトによる大量摂取は致命的であり得 る(Anon、1991)。 他のカテゴリーの殺虫剤には、昆虫成長調整剤(IGR)および殺虫性細菌性毒素( 例えば、Bacillus thuringiensis(Bt)毒素)が含まれる。IGRは、ある方法でキチ ン合成を妨げる化合物である。それらには、幼若ホルモンアナログ(メトプレン) 、キチン合成インヒビター(フェノキシカルボ(fenoxycarb)、ジフルベンズロン 、フルラズロン(flurazuron))およびトリアジン誘導体(シロマジン)が含まれる 。多くのクラスのIGRについては、耐性が指摘されている。特定の鱗翅類(lepido terans)においては、Bt毒素に対する耐性も発達している。IGRおよびBt毒素の両 方を用いて、昆虫の生活環内の適切な段階で十分な殺虫を確実に行うのは技術的 に困難である。いくつかのIGRは、安定であり、そして環境危機の問題を引き起 こし得る。 最も有用な群の殺虫剤は、高い殺虫活性および環境における低い持続性を有す るものである(有機リン酸塩、合成ピレスロイド)。しかし、これらに伴う最大の 問題は、標的昆虫による耐性の発達である。殺虫剤の使用の90%は依然として古 典的な神経毒殺虫剤に基づいていると考えられる。従って、現存の殺虫剤に対す る昆虫の耐性に効果的な、低残留性の代替殺虫剤の探求は特に緊急を要する。 共力剤(synergist)と呼ばれる薬剤を使用して、特定の殺虫剤の効果を最大 化し得る。共力剤には、それ自体に殺虫作用が有るもの、または無いものがある 。BloodおよびStuddert(1988)は、共力剤を、他と共に作用する、あるいは他の 作用を増強する薬剤として定義している。例えば、ピペロニルブトキシドが、合 成ピレスロイドの共力剤であることを留意し得る。特定の殺虫剤と組合せて効果 的である共力剤でも、他の殺虫剤と組合せた時には効果がない場合がある。共力 剤を用いて昆虫の耐性の問題を解消することが可能であるが、共力剤に対しても 昆虫の耐性は生じ得る。殺虫剤の処方における共力剤の役割は、商品化可能な結 果 を達成するため、および殺虫剤の耐性管理のために重要であり得る。効果的な共 力剤の組合せの探求は、効果的な殺虫剤自体の探求と同様に緊急を要する(Forre sterら、1993)。 その阻害が昆虫制御の実施可能な手段を提供し得る、昆虫ペプチダーゼが、近 年注目を集めている。ペプチダーゼは、タンパク質およびペプチドを破壊する遍 在性酵素であり、従って腸内および細胞内の両方において消化を助ける。ペプチ ダーゼは、昆虫の胚の発達、脱皮および蛹化の間の組織の再編成に関係する。ペ プチダーゼはまた、侵入生物に対する防御およびタンパク質調整にも関係する。 ペプチダーゼは、広く変異性を有する酵素の群である。これらは現在、以下に よって分類されている。 (1)触媒する反応 (2)触媒部位の化学的性質、および (3)構造によって解明される進化の関係(Barrett、1994) The International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMC)、 Enzyme Nomenclature(1992)では、ペプチダーゼを酵素クラス(EC)カテゴリーに よって分類している。これらのカテゴリーは、エキソペプチダーゼ(ペプチド鎖 の末端付近でのみ作用する酵素)についてのEC 3.4.11から3.4.19、および優先的 にペプチドの内部領域で作用する酵素についてのEC 3.4.21から3.4.99である。E C 3.4.99の群は、その触媒メカニズムが未確認あるいは特徴づけられていないペ プチダーゼの群である。 ペプチダーゼのクラスおよびそれらの昆虫生化学との関係の概要を以下に説明 する。1 セリンペプチダーゼ このグループは、セリン型のカルボキシペプチダーゼ、EC3.4.16、およびセリ ンエンドペプチダーゼ、EC 3.4.21を含む。 セリンペプチダーゼは、典型的には、その活性部位に触媒活性セリンアミノ酸 を有すること、および酵素インヒビター、3,4-ジクロロイソクマリン(3,4-DCI) に対するそれらの感受性により認識される。哺乳類セリンペプチダーゼの活性の 好ましいpH範囲は2から8である。しかし、昆虫セリンペプチダーゼは、通常ア ルカリ条件下に適応する(鱗翅目の幼虫によっては、pHは9から11)。 昆虫内のセリンペプチダーゼの活性はまた、合成基質と酵素との反応によって 通常定義される。昆虫セリンペプチダーゼの3つの一般的なカテゴリー(トリプ シン様、キモトリプシン様およびエラスチン様)は、以下のように同定できる。 トリプシン様セリンペプチダーゼは、合成基質P-トシル-L-アルギニンメチルエ ステル(TAME)、α-N-ベンゾイル-L-アルギニンエチルエステル(BAEE)、α-N-ベ ンゾイル-DL-アルギニン-p-ニトロアニリド(BAPNA)、およびベンゾイル-DL-アル ギニンナフチルアミン(BANA)と反応する。 キモトリプシン様ペプチダーゼは、以下とのそれらの反応によって同定され得 る。 N-アセチル-L-フェニルアラニンエステル(APNE) N-アセチル-L-チロシンエチルエステル(ATEE) N-ベンゾイル-L-チロシンエチルエステル(BTEE) N-ベンゾイル-L-チロシン-p-ニトロアニリド(BTPNA) L-グルタリル-L-フェニルアラニン-p-ニトロアニリド(GPPNA) N-スクシニル-L-フェニルアラニン-p-ニトロアニリド(SPAPNA) L-グルタリル-L-フェニルアラニンナフチルアニド(GPNA) エラスターゼ様セリンペプチダーゼインヒビターは、N-スクシニル-ala-ala-p ro-leu p-ニトロアニリド(SAAPLpNA)等の合成基質とのそれらの反応によって同 定され得る。 セリンペプチダーゼの活性はまた、酵素インヒビターとのそれらの反応によっ ても記載され得る。セリングループペプチダーゼは、通常ジ-イソプロピル-フル オロ-ホスフェート(DipF/DFP)、およびパラフェニルメチルスルホニルフルオラ イド(PMSF)によって阻害される。トリプシン様ペプチダーゼは、トシル-L-リジ ンクロロメチルケトン(TLCK)によって阻害される。キモトリプシン様ペプチダー ゼは、トシル-L-フェニルアラニンクロロメチルケトン(TPCK)によって阻害され る。エラスターゼ様ペプチダーゼは、Eglin-Cによって阻害される。 多数の天然に存在するタンパク質が、セリンペプチダーゼを阻害し得ることが わかった。これらには、Kunitzの結晶性大豆トリプシンインヒビター(SBTI)およ びBowman-Birkの大豆トリプシンインヒビター(BBTI)が含まれる。その他の様々 なマメ科植物のタネは、総タンパク質の1-4%のペプチダーゼインヒビターを含有 し、例えば、ヒヨコマメトリプシン/キモトリプシンインヒビター(CI)、ライマ メトリプシンインヒビター(LBTI)およびカウピートリプシンインヒビター(CPTI) がある(MacIntoshら、1990)。動物由来セリンペプチダーゼ阻害剤は、ウシ膵臓 トリプシンインヒビター(BPTI、アプロチニン)、タマゴ由来オボムコイドおよび 血液由来のα-1-アンチトリプシンを含む。 アルカリ側に最適pHを有するセリンペプチダーゼは、昆虫の消化液中に可溶な 酵素としてその主な重要性が認められている。例えば、sphingidae(Millerら、1 974)、noctuidae(Ahmedら、1976、1980; Ishaayaら、1971; Prichetら、1981; T eoら、1990; BroadwayおよびDuffy、1986)、bombycidae(SasakiおよびSuzuki、1 982; EuguchiおよびIwanito、1976; EuguchiおよびKuriyama、1985)、pieridae( LecadetおよびDedonder、1966; Broadwayら、1989)、pyralidae(Larocqueおよび Houseman、1990; Housemanら、1989; MohammedおよびAltias、1987)、およびdip tera(Bowlesら、1990)が含まれる。Christellerら(1992)には、セリンペプチダ ーゼが、12のphytophagous lepidopteransの(カゼイン)消化活性に含まれていた ことが示された。この文献において、Christellerらは、他のタイプのペプチダ ーゼに消化活性がある有意な証拠を見いだせなかった。セリンペプチダーゼはま た、ケラチン-消化鱗翅類(lepidopterans)(Christellerら、1994; Prowningおよ びIrzykiewicz、1962; Ward,1975、a、b)において優れた役割を示すことがわか った。さらに、これらは、いくつかの鞘翅類(coleopterans)(McGhieら、1995; D ymockら、1992)、いくつかの直翅類(orthopterans)(Sakalら、1989; Christelle rら、1990)、いくつかの曲翅類(heteropterans)(Cohen、1993)、およびいくつか の双翅類(dipterans)(Bowlesら、1990)における消化活性に重要な役割を示すこ とがわかった。 消化性のセリンペプチダーゼは、種内および種間で、数および触媒特性の両方 が相当に変化する(Applebaum、1985)。例えば、昆虫食物内のセリンペプチダー ゼのインヒビターは、消化阻害とともに栄養補給抑止を起こすことが認められて いる(Dymockら、1992)。 トリプシン様セリンペプチダーゼが、脱皮の重要な成長調節領域に関与してい ることが認められた。これらは、発達制御、キチン原線維のキチナーゼ酵素への 露出、およびクチクラ(cuticular)物質のリサイクルを含むいくつかの役割を示 す(SamuelsおよびPaterson、1991)。 セリンペプチダーゼは、その優性な代謝的役割、一般に天然に生じること、お よび植物および動物内に多数の天然インヒビターが存在するために、昆虫制御用 薬剤として最も注目を集めてきた。昆虫制御におけるセリンペプチダーゼの使用 の面がトランスジェニック植物のほぼ全体の領域にわたっていることに注目する のは重要てある。2 システイン(チオール)ペプチダーゼ このグループは、システイン型カルボキシペプチダーゼ(EC3.4.18)お よびシステインエンドペプチダーゼ(EC3.4.22)を含む。 これらの酵素は、その活性部位に触媒的に活性なシステイン残基を有すること 、および特定のインヒビターへの感受性を特徴とする。システインペプチダーゼ は、還元条件(添加されたシステイン、ジチオスレイトールまたは他の還元剤) のもとで特徴的に活性化される。システインペプチダーゼは、一般に、昆虫の中 腸内容物に見出される可溶性の酵素である。哺乳類のシステインペプチダーゼは 、通常、低いpH条件で作用するが、昆虫においては、中性に近いかまたはやや 酸性のpH値が好まれる(Wolfson および Murdock,1987)。 システインペプチダーゼの活性は、合成基質n−α−ベンゾイル−L−アルギ ニン−p−ニトロアニリド(BAPNA)またはベンゾイルオキシ−カルボニル −phe−arg−7−(4−メチル)クマリルアミド(z−Phe−Arg−MCA )との反応によって典型的に示される。システインペプチダーゼの活性は、また 、ヨード酢酸アミド、ヨード酢酸塩、重金属、p−クロル水銀安息香酸塩、シス テインシアン化物、N−エチルマレイミドおよび特徴的にE−64などの酵素イ ンヒビターとの反応に関して記載され得る。E−64は、Aspergillus japonicu sの菌株から得られる小さなペプチド(L−トランス−エポキシ−スクシニル −ロイシルアミド−(4−グアニジノ−ブタン)である。天然のシステペプチダ ーゼインヒビターは、微生物(E−64)、植物(米穀からのオリザシスタチン IおよびIIならびにジャガイモの塊茎からのジャガイモのマルチシスタチン( PMC))および動物(鶏卵のシスタチン、HEC)で同定されている。アンチ パインが、別の周知のシステインペプチダーゼインヒビターである。 システインペプチダーゼは、ある昆虫、特に、鞘翅類(coleopterans)の腸の可 溶性消化酵素として主要な役割を果す(Orrら、1994: Thieおよび Houseman、990 ; Liangら、1991)。昆虫の制御のためのシステインペプチダーゼインヒビターの 使用は、遺伝子導入植物に関連して大いに探究されてきた(Orrら、1994; Wolfs on および Murdock、1987)。3 アスパラギン酸ペプチダーゼ(EC3.4.23) 典型的には、これらの酵素は、活性部位に2つのアスパラギン酸(aspartyl)残 基を有すると認められている。多くのアスパラギン酸ペプチダーゼは、低いpH 値で最も活性である。これらの酵素のための合成基質は、N−カルボベンゾキシ グルタミル−L−チロシンおよびN−アセチル−L−フェナニルジヨードチロシ ンを含む。アスパラギン酸ペプチダーゼの特徴的なインヒビターは、ペプスタチ ンおよびジフェニルジアゾメタンを含む(McDonald、1985)。ペプスタチンは、 微生物源からの天然インヒビターである。 Applebaum(1985)は、アスパラギン酸ペプチダーゼの双翅類(dipteran)への重 要性を示唆した。Wolfson および Murdock(1987)は、ペプスタチンによる鞘翅類 (コロラドジャガイモハムシの幼虫)の成長阻害をいくらか示した。しかし、成 長のさらに大きな阻害は、システインペプチダーゼを標的にすることによって得 られた。 ペプチダーゼに関する文献の広範囲な検索により、昆虫アスパルチルペプチダ ーゼを遺伝子導入して植物を改変するか、または昆虫アスパルチルペプチダーゼ を局所的に適用するかのいずれかによって、昆虫を制御するための研究は、ほん のわずかしか行われていないことが示された。Christellerら(1992)は、アスパ ラギン酸ペプチダーゼ活性は、植食性鱗翅類の腸材料に存在しないようであるこ とを見出した。4 メタロペプチダーゼ 典型的には、これらの酵素は、活性部位に触媒的に活性な金属イオン(一般的 に亜鉛)およびキレート試薬への感受性を有すると認められている。メタロペプ チダーゼのカテゴリーは、ある種のエンドペプチダーゼ(ペプチド鎖内で切断す る酵素)およびエキソペプチダーゼ(ペプチドの末端からアミノ酸を切断する酵 素)を含む。エキソペプチダーゼは、さらに、カルボキシペプチダーゼ(C末端 からアミノ酸を切断する)またはアミノペプチダーゼ(N末端からアミノ酸を切 断する)として分類され得る。 メタロエンドペプチダーゼ(EC 3.4.22) これらの酵素は、ケラチン食性鱗翅類によるウールの消化という役割の可能性 を除いて、昆虫の生化学に関わっていないようである(Prowning および Irykiew icz、1962; Ward、1975aおよび b; Christellerら、1990、1994)。 メタロカルボキシペプチダーゼ(EC3.4.17) メタロカルボキシペプチダーゼは、活性のために二価のカチオン(通常Zn2+ )を必要とする。それらは、遊離形態および膜結合形態の両形態で存在し、高い pH(8〜10)で活性である。カルボキシペプチダーゼのための合成基質は、 カルボキシペプチダーゼのタイプAおよびタイプBに対して、それぞれ、ヒプリ ル−DL−フェニル−乳酸およびヒプリル−L−アルギニンを含む。カルボキシ ペプチダーゼA様の酵素は、昆虫に一般的であるようであり、直翅類、鞘翅類、 双翅類および鱗翅類に見出された。 メタロカルボキシペプチダーゼに対する合成インヒビターは、1,10−フェ ナントロリン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、β−ヒドロキシキノリン 、およびホスホルアミドン(phosphoramidon)を含む。メタロカルボキシペプチダ ーゼの天然のインヒビターは、ジャガイモ由来のカルボキシペプチダーゼインヒ ビター(PCPI)である。 遊離形態および膜結合形態のカルボキシペプチダーゼ酵素は、いずれも鱗翅類 の幼虫からの中腸材料に認められた(Ferreiraら、1994; Christeller、1990)。C hristellerら(1992)は、タンパク質消化系の予期される成分としてこれらの酵 素を記載した。この出願の優先日以前に、これらの酵素は、局所的制御剤の成分 としてはもちろんのこと、植物の遺伝子導入修飾の標的として、明らかに認めら れていなかった。 アミノペプチダーゼ(EC3.4.11−3.4.13) アミノペプチダーゼは、ペプチド鎖のN−末端からアミノ酸を加水分解し、一 般的に、それらの金属イオン(Zn2+またはMg2+)への依存性に従って分類さ れる。最もよく研究されたアミノペプチダーゼは、膜結合形態および可溶形態の 両方の形態で哺乳類の消化系に見出される。アミノペプチダーゼは、通常、pH 最適値、酸性(A)塩基性(B)または中性(N)を指定する接尾文字によって 、あるいは膜結合(M)状態またはペプチド基質から切断されたアミノ酸の数お よび型によって命名される。これらの名称は、排他的ではない。従って、ロイシ ンアミノペプチダーゼMまたはNは、ペプチドから、優先的にロイシンを取り除 くが、ロイシンだけを取り除くわけではない酵素であり、膜結合であり、その活 性は、中性pHで最適である。アミノペプチダーゼは、ロイシル、アルギニル、 メチオニル、アスパルチル、アラニル、グルタミル、プロリル、バリルおよびシ ステイニル残基の優先的な加水分解を示す。しかし、基質特異性は、通常広範で あり、かつペプチド鎖の他の残基に依存する(Taylor、1993 a および b)。いく つかのバクテリアの酵素は、その活性に金属イオンを必要としないことが知られ ている(Taylor,1993aおよびb)が、ほとんどのアミノペプチダーゼは、メタロペ プチダーゼである。アミノペプチダーゼの天然のインヒビターは存在しないよう である。 昆虫のアミノペプチダーゼは、通常、アルカリ側に最適pHを有し、一般的に 、ベスタチン(Taylor、1993)およびフェナントロリン(Barrett、1994)によって 阻害される。 基質特異性は、上記のように、広範であるが、代表的な基質は、leu−pN A、arg−pNA、met−pNAおよびpro−pNAを含む。 メタロアミノペプチダーゼは、キレート試薬(EDTAのような)によって阻 害され、キレート試薬は、ペプチダーゼから金属イオンを取り除くか、または酵 素と不活性な錯体を形成し得る(Terra & Ferriera、1994)。特定のキレート化剤 のアクションは、アミノペプチダーゼの型およびキレート化剤自体の構造によっ て変化する。 アミノペプチダーゼは、また、昆虫の消化ペプチドの補足物の一部として認め られており、タンパク質消化の最終段階に関与していると考えられている(Terra & Ferriera、1994)。Christellerら(1990、1992)は、エキソペプチダーゼ(ア ミノペプチダーゼを含む)は、セリンおよびシステインペプチダーゼに比べて、 食物タンパク質の消化におけるこれらの酵素の役割が小さいために、昆虫制御に あまり有用ではないと主張した。 特異的なロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)インヒビターに曝した後では 昆虫の幼虫の成長が遅延することが報告されている。Christellerら(1990)は、 野生のコオロギの腸の抽出物を用いて、エキソペプチダーゼレベル、特にLAP がこの昆虫において重要であるが、エキソペプチダーゼはタンパク質消化の16 〜20%しか寄与しないことを示した。Christellerらの研究において、2つの 効果的なセリンペプチダーゼインヒビターの存在下で、タンパク質消化へのエキ ソペプチダーゼの寄与が大きく減少することがさらにわかった。これは、エキソ ペプチターゼの基質として作用するオリゴペプチド鎖末端の欠如のためであった 。これは、さらに昆虫制御におけるアミノペプチダーゼの役割が小さいことを示 した。 上記の発見は、エキソペプチダーゼインヒビター(主にアミノペプチダーゼイ ンヒビター)の昆虫制御剤としての使用を教示しておらず、セリンペプチダーゼ インヒビターおよびアミノペプチダーゼを組み合わせて昆虫制御剤として使用す ることを教示していない。 消化の役割の他に、アミノペプチダーゼ活性は、鱗翅類 Manduca sexta の脱 皮分泌液に示された(Jungries、1979)。しかし、アミノペプチダーゼの役割は、 ここでも、セリン(トリプシン様)ペプチダーゼの役割に対して副次的であるよ うである。昆虫の発達において重要なアミノペプチダーゼまたはメタロペプチダ ーゼの天然インヒビターのいずれも、脱皮の遅延に効果的であると報告されてい ない。いずれも昆虫耐性の遺伝子導入植物を提供するために用いていない。 理論的には、化学的殺虫剤に耐性である昆虫を制御するために、ペプチダーゼ インヒビターを用いる可能性が高いと思われる。第1に、ペプチダーゼ阻害の作 用メカニズムは、有機リン酸塩類および合成ピレスロイドの作用メカニズムとは 異なる。第2に、ペプチダーゼ酵素の活性部位のアミノ酸配列は、高度に保存さ れているようである(Taylor、1993)ので、活性を結果的に失うことなく、変異 する可能性が低いことを示している。最後に、ある特定のペプチダーゼインヒビ ターに対する昆虫の耐性が生じる場合には、この耐性は、その他のペプチダーゼ 仲介代謝事象にまで持ち越すべきではない。 しかしながら、昆虫の制御のためのペプチダーゼインヒビターの使用に関わる 重大な問題がいくつかある。高い使用率が要求され得るので、費用効率的ではな い産物につながる。さらには、ペプチダーゼインヒビターは幼虫の成長を制限し 得るが、使用率を高くした場合でも、用量応答曲線においてプラトーに到達する 可能性がある。ペプチドベースの、またはタンパク質ベースのペプチダーゼイン ヒビターは、環境中に残存しないと推定されるか、延長された期間貯蔵すること が困難であり得、そして硬水で送達されると効力を失い得る。特定の酵素インヒ ビターの供給源に関連する微妙な問題について対処する必要があり得る。例えば 、ダイズ、ポテト、およびササゲ(cowpea)トリプシンインヒビターによるCost elytra zealandicaの成長阻害、およびライマメ(lima bean)トリプシンインヒ ビターによる成長刺激を含む異常な応答が注記されている(Dymockら、1992)。 かなりの研究が、昆虫組織、腸抽出物、半精製、あるいは精製された酵素をイ ンビトロで用いて、昆虫タンパク質代謝、主として消化代謝の生化学的調査に集 中していた。 これらの研究の多くは、消化酵素と、タンパク質またはペプチドベースのイン ヒビターとの関係を調査することによって、植物のトランスジェニックな改変の ための酵素インヒビターを選択することに向けられた(Applebaum、1985; Chris tellerら、1989、1990、1992; Lenzら、1991; Teoら、1990; Pritchettら、198 1; SantosおよびTerra、1984; Dow、1986; Sakalら、1984、1989)。 比較的少数の研究が、昆虫の成長および/または生殖に対するペプチダーゼイ ンヒビターの直接的な悪影響を実証している。セリンおよびシステインペプチダ ーゼインヒビターは、Callosobruchus maculatus、Leptinotarsa decemlineata 、Heliothis spp、Spodoptera exiqua、Costelytra zealandica、Teleogryllus commodus 、Diabrotica sp、Manduca sexta、red flour beetleおよびbean weev ilを含む種々の昆虫の幼虫の成長および/または生存を低減することが示されて いる(GatehouseおよびBoulter、1983; ShuckleおよびMurdock、1983; Shadeら 、1986; WolfsonおよびMurdock、1987; BroadwayおよびDuffey、1986; Hilderら 、1987; Dymockら、1992; Orrら、1994; Burgessら、1994; Hinesら、1990)。 一般に、昆虫の成長阻害は、腸の主要な消化酵素のインヒビターを用いて達成 されてきた。また、これらの酵素に基づく適切な殺虫インヒビターを選択するた めの方法は、Christellerら(1992)によって記載されている。 上記研究のうち、タンパク質代謝に対する妨害による局所的な昆虫制御剤の製 造を直接の目的とするものはないようである。Czaplaによる国際特許出願第WO94 /16565号には、しかしながら、European corn borer(ECB)およびSouthern corn rootworm(SCR)の制御のために、アプロチニンに対して90%の相同性を有するア プロチニンあるいはその他のセリンペプチダーゼインヒビターの局所的使用を記 載するマイナークレームがある。アプロチニンは、単独で、あるいは殺虫レクチ ンと組み合わせて用いられ得ることがクレームされた。Czaplaは、20mg/mlの食 餌でのアプロチニンの取り込みが、実験室アッセイにおいて100%の新生ECB幼虫 を殺すこと、および60%の新生SCRを殺すことを見出した。このように高い摂取 率は、局所適用では達成することが困難であろうし、また、処置費用は、化学的 殺虫剤と競合しそうもないであろう。Czaplaは、セリンペプチダーゼインヒビタ ーSBTI(KunitzおよびBowman-Birk)およびシステインペプチダーゼインヒビタ ーシスタチンが、アプロチニンほど有効ではないことを見出した。 SBTIを吸血昆虫に対して直接に与えることが、DeloachおよびSpates(1980) によって調べられた。DeloachおよびSpatesは、SBTIをウシの赤血球内にカプセ ル化し、horn-flyの餌として用いたところ、死亡率が上昇し、卵の孵化が阻害さ れたことを見出した。血液中では、種々の天然ペプチダーゼインヒビター(主と してセリンペプチダーゼの)が知られている。しかしながら、それらのインヒビ ターは、動物を昆虫の攻撃から保護する点については、限られた効力しか有して いない(Sandemanら、1990)。 WolfsonおよびMurdock(1987)は、植物内のペプチダーゼインヒビターの存在 および分布については広範な証拠資料があり、また、これらのインヒビターは昆 虫消化ペプチダーゼを標的すると推定されているものの、それらのインヒビター が、昆虫の成長および発育の阻害において有効な作用をすることを裏付ける直接 の証拠が乏しいことを観察した。これらの著者は、E-64(システインペプチダー ゼインヒビター)を閾値レベル50μg/mlでポテトの葉に対して与えることによっ て、Colorado potato beetleにおける幼虫の成長が低減したことを実証した。し かしながら、はるかに高い適用レベル(1000μg/ml)では、死亡率74〜85%でプ ラトーが見出された。これでは、実用化するには不十分である。SBTI(Kunitzお よびBowman-Birk)は、成長遅延剤としては有効ではなかった。また、ペプスタ チンに対してわずかな応答しかなかった。 Dymockら(1992)による研究論文は、ペプチダーゼインヒビターによるコウチ ュウ目幼虫(ニュージーランド生息の牧草幼虫)の成長阻害について述べている 。この研究は、根について幼虫の食餌として重要な牧草種の遺伝的形質転換を焦 点としていた。バイオアッセイは、セリンペプチダーゼインヒビターを用いて成 長阻害を示した。特定のインヒビターに対するいくつかの異常な応答が注目され た(SBTI、POT I、POT II、CpTIによる阻害、LBTIによる刺激)。Christellerら (1989)は、通常は、コウチュウ目の腸のペプチダーゼがシステインの範疇が優 勢であるという事実にも関わらず、上記幼虫ではトリプシンを主要な腸ペプチダ ーゼとして先に同定していた。一般に、死亡率を達成するために要求されるペプ チダーゼインヒビターの使用率は、高すぎて局所使用には費用効率的ではなかっ た。 メタロペプチダーゼ(アミノペプチダーゼまたはLAPを含む)の阻害によって 機能する組成物は、昆虫の制御用には商業的に開発されてはいない。事実、先行 技術は、ペプチドベースのアミノペプチダーゼインヒビターあるいはメタロペプ チダーゼインヒビターの昆虫制御のための使用を教示していない。なぜなら、 (a)植物の遺伝的形質変換に適した上記範疇の有効なインヒビターが同定さ れておらず、 (b)これらの酵素の見かけの役割は、昆虫の腸における優勢なシステインお よび/またはセリンペプチダーゼの活性に対しては小さいからである。 Shenvi(1993)は、哺乳類のアミノペプチダーゼの有効なインヒビターとして α−アミノホウ酸誘導体を用いることを述べている。Shenviは、α−アミノホウ 酸誘導体の合成時における特定の中間体が、殺虫特性を有していることを述べて いる。しかしながら、これらの中間体は、アミノ基を有していなかったので、ア ミノペプチダーゼインヒビターあるいは何らかの種類のペプチダーゼインヒビタ ーとして作用するとは示唆されていない。 ヘキサデンテートメタルキレート剤EDTAは、SamuelsおよびPaterson(1995) ならびにFerreiraおよびTerra(1986)によって、脱皮流体および消化膜に由来 するアミノペプチダーゼのインヒビターであると認識された。EDTAの殺虫効果に ついては、何も認識されていない。しかしながら、メタルキレート剤の殺虫作用 についての包括的クレームが、TomaliaおよびWilson(1985、1986)によってな されている。裏付けとなるとなる証拠は、全く呈示されなかった。昆虫の制御に メタルキレート剤を用いると、噴霧用に硬水を使用することによって、あるいは 、処理されるべき材料が鉱物または土壌によって汚染されている場合に、悪影響 を及ぼされると予想され得る。 驚くべきことに、アミノペプチダーゼインヒビターあるいはメタロペプチダー ゼインヒビターを含み、かつ、強力なキレート剤ではないペプチダーゼインヒビ ターをさらに含む組成物が、昆虫の卵の孵化および/または昆虫幼虫の発育を防 止し得ることが、今や見出された。当業者は、アミノペプチダーゼインヒビター の大半が、この用語が本願において定義されるように、事実強力なキレート剤で ないことを認識するであろう。 本発明が様々なメカニズムを介して昆虫の制御に利用可能であることは、明ら かに理解されるであろう。本発明の方法により、例えば、昆虫を実際に殺すこと 、または、成熟を遅くしたり防止したりするように昆虫の成長および発育を中断 す ることを結果として可能にし得る。昆虫の卵の孵化を防止することか特に望まし い。なぜなら、それらの幼虫の侵食活動の結果、多くの経済的に重要な昆虫が損 害をもたらすからである。 また、Insecta綱(class)の構成員の間では個々の生化学的能力は多種多様で あるので、特定のインヒビターおよび/またはインヒビターの組み合わせに対す る応答は、種と種の間で変動することも理解されるであろう。したがって、本発 明の範囲内のいくつかの組成物が、ある種の昆虫に対しては有効性に乏しかった り、有効ではなかったりさえするのに、他の昆虫に対しては非常に有効である可 能性がある。応答における変動は、亜種レベルでも、特定の昆虫の生活環の異な る段階においても、あるいは昆虫の食餌においてさえ観察され得る。当業者は、 通常の試行錯誤の実験室およびフィールド実験を適用することによって、関連す るインヒビターを昆虫標的に一致させることができるであろう。 また当業者には、本発明が、以下を含むがこれらに限られない様々な様式で利 用され得ることが明らかである: (a)このような体内侵入を受けやすい植物または動物への直接の適用による昆 虫の体内侵入の制御; (b)昆虫の生息地または繁殖部位に対する、本発明の薬剤の適用による昆虫数 の減少; (c)予防あるいは重篤度の低減のいずれかによる、昆虫によって伝搬される植 物または動物への感染の制御;および (d)予防あるいは重篤度の低減のいずれかによる、昆虫の体内侵入の結果生じ る植物または動物への感染の制御。 本明細書において、用語「ペプチダーゼインヒビター」は、いずれかのペプチ ダーゼを阻害できるあらゆる化合物であると理解される。 実際、ペプチダーゼインヒビターは、以下の工程により同定され得る。 1.精製され得る、あるいは組成物中に活性酵素を有し得る、代表的活性ペプ チダーゼを選択する。 2.好都合な時間内に適切な定量化可能な終点を生じるように、上記酵素に適 した基質および反応条件を選択することにより、代表的ペプチダーゼの各々に対 する酵素活性アッセイを選択する。 3.上記酵素活性アッセイのいずれかにおいて50%以上の反応阻害が見られる 場合、テスト化合物をペプチダーゼインヒビターと考える。 特に、メタロペプチダーゼインヒビターまたはアミノペプチダーゼインヒビタ ーがこのようにして同定され得る。 用語「強力にキレートしないペプチダーゼインヒビター」は、競合的結合評価 においてEDTAよりも強くないZn2+イオンをキレートするペプチダーゼインヒビタ ーを意味すると理解されるべきである。EDTAとインヒビターとは両方とも、反応 混合物中において同一の濃度であるべきであり、その濃度は好都合には0.1 mMで ある。当業者であれば、Zn2+分布を決定する適切な反応条件および方法(例えば 、多核性核磁気共鳴(NMR)、UV分光法、ボルタンメトリー法およびソフトイオン 化質量分光法を用いること)を選択することができる。発明の要旨 本発明は、一局面において、昆虫を制御するための組成物を包含し、この組成 物は、アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビター を含み、さらに強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターを含む。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 アミノ基またはその誘導体、あるいは1以上のアミノ酸部分またはその誘導体を 含み得る。好適には、アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダー ゼインヒビターは、ロイシン、アルギニン、メチオニン、アスパラギン酸(aspar tic)、アラニン、グルタミル、プロリル、バリル、システイン部分、またはその 誘導体を含む。より好適には、アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペ プチダーゼインヒビターは、ロイシン部分またはその誘導体を含む。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 メタロペプチダーゼまたはアミノペプチダーゼの活性部位において、1つまたは 複数の金属イオンと相互作用し得る。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 キレート剤を含み得、このキレート剤は好適には二座配位、三座配位、四座配位 、 または六座配位のキレート剤を含み得る。キレート剤は好適には、キレート作用 を有するアミノカルボン酸部分またはその塩であり、そしてより好適にはエチレ ンジアミン四酢酸であり、あるいはニトリロ三酢酸またはキレート作用を有する その塩またはその誘導体である。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 銅、コバルト、亜鉛、バナジウム、マグネシウム、マンガンおよび鉄からなる群 より選択される水溶性遷移金属イオンまたはその複合体またはその誘導体を含み 得る。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 ホウ素部分、ホスホリル部分またはホスホニル部分を含み得る。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 不可逆的にアミノペプチダーゼまたはメタロペプチダーゼに結合し得る。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 トリプシンまたはカルパインを阻害せず、且つ好適には他のセリンペプチダーゼ またはシステインペプチダーゼを阻害しない選択的インヒビターを含み得る。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターは、 ロイシンアミノペプチダーゼ、A型、B型、N型、およびM型アミノペプチダー ゼ、アルギニンアミノペプチダーゼ、メチオニンアミノペプチダーゼ、D−アミ ノ酸アミノペプチダーゼ、ペプチジルジペプチダーゼ、亜鉛アミノペプチダーゼ 、N−ホルミルメチオニンアミノペプチダーゼ、ジペプチジルアミノペプチダー ゼ、A型およびB型カルボキシペプチダーゼ、トリペプチジルペプチダーゼ、ジ ペプチジルペプチダーゼ、およびペプチジルトリペプチダーゼからなる群より選 択される酵素を阻害し得る。 好適には、アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒ ビターは、ロイシンアミノペプチダーゼを阻害することができ、そしてより好適 には昆虫ロイシンアミノペプチダーゼを阻害する。 強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターは、セリンペプチダーゼイン ヒビター、システインペプチダーゼインヒビター、アスパルチルペプチダーゼイ ンヒビター、またはアミノペプチダーゼインヒビターを含み得る。本発明におけ る使用に適したインヒビターは、以下を含むがこれらに限られない。 ・pefabloc のようなトリプシンインヒビターおよびキモトリプシンインヒビ ター; ・豆果、野菜、果物または穀物由来のセリンペプチダーゼインヒビターまたは システインペプチダーゼインヒビター; ・シスタチンおよびE−64; ・ジャガイモまたは他の供給源からのカルボキシペプチダーゼインヒビター; ・Eglin C; ・L−ロイシンチオール。 トリプシンおよびキモトリプシンインヒビターは、Kunitzトリプシンインヒビ ター(SBTI)、Bowman−Birkトリプシンおよびキモトリプシンインヒビター 、大豆トリプシンインヒビター、ウシ膵臓トリプシンインヒビター、ニワトリオ ボムコイドトリプシンインヒビター、Cucurbit maximaトリプシンインヒビター 、POT-IおよびPOT-IIトリプシンインヒビター、α−l−アンチトリプシン、ク ワイ(arrowhead)トリプシンインヒビター、エリトリントリプシンインヒビター 、およびヒトのインター−αトリプシンインヒビターを含むがこれに限定されな い。 豆果、野菜、果物または穀物由来のセリンまたはシステインペプチダーゼイン ヒビターは、アズキ(red bean)、カウピー(cowpea)、干しエンドウ(split pea) 、ウィングビーン(wing bean)、ヤエナリ(mung bean)、からし、カボチャ(squas h)、ヒメウイキョウ(caraway)、ケージャンピー(cajun pea)、綿花、トウモロコ シ、小麦、モロコシ(sorghum)、菜種、キビ(millet)、大麦、およびペポカボチ ャ(pumpkin)由来のペプチダーゼインヒビターを含むが、これに限定されない。 シスタチンは、イネ由来のオリザシスタチン(oryzacystatin)IおよびII、ジ ャガイモマルチシスタチン、およびそのトリプシン消化されたサブユニット、な らびに鶏卵シスタチンを含むが、これに限定されない。 本明細書においてペプチダーゼインヒビターを一般名で呼称するときは、アナ ログまたはこれらのインヒビター、すなわち、同様な構造および/または一般認 識されている1つまたは複数の物質に対する阻害特性(1つまたは複数の標的酵 素活性部位との相互作用)を有するインヒビターを含むことを、意図している。 適切なアナログは、上記インヒビターの部分、その結合体、または、上記物質 と少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも80%の相同性、そしてより好 ましくは少なくとも90%の相同性を有する物質であり得る。 本発明の組成物はまた、必要に応じて、薬学的、獣医学的、農学的、または園 芸学的使用に受容可能な1種類以上の添加物、例えば分散剤、粘度調整剤、凍結 防止剤、湿潤剤、共溶剤、UV吸収剤、染料、およびキャリアなどを含有しても よい。 1つの実施態様において、本発明の組成物は、L-ロイシンチオール、アクチノ ニン、ベスタチン、1,10-フェナントロリンおよびEDTAからなる群より選択 されるアミノペプチダーゼインヒビターを、SBTI、pefablocおよびアンチパ インからなる群より選択される強力にキレートしないペプチダーゼインヒビター とともに含有する。 アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターまた は強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターは、好ましくは、ペプチド、 ポリプチドおよび/またはタンパク質を含有する。 第2の局面において、本発明は、昆虫を本発明の組成物に曝す工程を包含する 、昆虫を制御する方法を提供する。 好ましくは、昆虫の卵または幼虫を本発明の組成物に曝し、昆虫の卵の孵化お よび/または昆虫の幼虫の発育を阻害することによって、昆虫は制御される。 好ましくは、昆虫は、鱗翅目(Lepidoptera)、半翅目(Hemiptera)、直翅目(Ort hoptera)、鞘翅目(Coleoptera)、噛虫目(Psocoptera)、膜翅類(Hymenoptera)、 網翅目(Dictyoptera)、等翅目(Isoptera)、総翅目(Thysanoptera)、同翅目(Homo ptera)、双翅目(Diptera)、正脱翅目(Anaplura)、Malophagaおよび隠翅目(Sipho naptera)からなる群より選択される目の一種である。より好ましくは、昆虫は、 蝿蛆症ハエ、青虫、蚤、野コオロギ(field cricket)、ゴキブリ、薄茶リンゴ蛾 、および穀粒および小麦粉貯蔵庫の昆虫からなる群より選択される。 本発明の方法によれば、標的昆虫は、任意の適切な手段によって酵素インヒビ ターに曝露され得る。インヒビターを植物に適用するか動物に適用するかに応じ て、ならびに標的昆虫の性質および植物または動物の性質に応じて、これらの手 段は幅広く変化し得ることが、当業者には理解される。昆虫により攻撃される植 物または動物に酵素インヒビターを直接適用するために適切な手段は、昆虫の生 息地または繁殖地に酵素インヒビターを適用するのに適切な手段とはかなり異な り得る。 酵素インヒビターを動物に適用するための適切な手段は、浸漬(dipping)また はスプレーによるような直接局所的塗布および、経口水薬(oral drenching)、移 植物、遅延放出ボーラス処方物、または瘤胃(rumen)中で維持するのに適したデ バイス、または昆虫餌および錠剤によるような内服を含むがこれに限定されない 。本発明の薬剤をヒトに適用する場合は、局所適用に適した処方物は、スプレー 、エアゾール、クリームおよびローションを含むがこれに限定されない。そして 、内服に適した処方物は、錠剤、カプセル剤または液剤を含むがこれに限定され ない。状況によっては、注射による非経口投与が、ヒトまたは動物の処置の最も 適切な手段であり得る。 酵素インヒビターを植物に適用する場合、適切な手段は、スプレー、粉剤(dus t)、ペレット、またはエアゾールを含むがこれに限定されない。本発明の方法は また、2種類以上のメタロペプチダーゼインヒビターの同時または連続使用、あ るいは、1種類以上のメタロペプチダーゼインヒビターまたはアミノペプチダー ゼインヒビターを、1種類以上の他タイプの酵素インヒビター、他の昆虫生理学 的プロセスの1種類以上のインヒビター、もしくは他の1種類以上の殺虫剤と共 に同時または連続して使用することを、包含する。これら他のインヒビターを局 所的に送達するか、内服的に送達するか、トランスジェニック改変(transgenic modification)的に送達するかに依存しない。 本発明の目的に有用なインヒビターのいくつかは、自然のペプチド、ポリペプ チド、またはタンパク質である。この場合には、アミノペプチダーゼインヒビタ ーまたはメタロペプチダーゼインヒビターと強力にキレートしないペプチダーゼ インヒビターとの一方もしくは両方を、標的植物または非ヒト動物においてある いは関連のトランスジェニック発現によって供給してもよい。これらのインヒビ ターのうち1つのみがトランスジェニック的に発現される場合、他のインヒビタ ーを局所適用によって供給してもよい。 トランスジェニック生物は、好ましくは昆虫による攻撃に対して脆弱な植物ま たは非ヒト動物であるが、そのような攻撃に対して脆弱な動物または植物内また は上に在留する生物でもよい。後者の場合、生物は植物または動物と好ましくは 共生または片利共生の関係にある。適切な在留生物は、Bacillus種またはPseudo monas種、あるいはMycobacterium種を含むがこれに限定されない。好適な実施態 様においては、上記生物は、Bacillus thuringiensisまたはMycobacterium phle iである。トランスジェニック生物を製造する方法は当該技術分野において周知 であり、Bacillus thuringiensis結晶タンパク質を発現する植物は、昆虫による 攻撃に対していくぶんかの耐性を示す。 本発明の好適かつ非限定的な実施態様において: (a)本発明の方法によって処置される動物は、ヒト、ヒツジ、畜牛(cattle) 、ウマ、ブタ、家禽、イヌおよびネコからなる群より選択される。 (b)本発明の方法によって処置される植物は、綿花、脂肪種子作物、観賞植 物、花、果樹、穀物作物、葡萄作物、根菜作物、牧草植物および野菜からなる群 より選択される。 (c)本発明の園芸およびブロードエーカー適用の場合に制御される昆虫は、 鱗翅目(Lepidoptera)、半翅目(Hemiptera)、直翅目(Orthoptera)、鞘翅目(Coleo ptera)、等翅目(Isoptera)、総翅目(Thysanoptera)または同翅目(Homoptera)で あり、動物の昆虫感染の場合は、双翅目(Diptera)、正脱翅目(Anaplura)、Malop hagaまたは隠翅目(Siphonaptera)であり、家庭害虫または産業害虫の場合は、等 翅目(Isoptera)、網翅目(Dictyoptera)および膜翅類(Hymenoptera)である。 (d)トランスジェニック植物は、綿花、脂肪種子作物、観賞植物、花、果樹 、穀物作物、葡萄作物、根菜作物、牧草植物および野菜からなる群より選択され 、そして (e)動物または植物内または上に在留するトランスジェニック生物は、Baci llus種またはPseudomonas種またはMycobacteria種である。 トランスジェニック植物または生物は、当業者に公知の技術を用いて調製し得 る。例えば、非ヒト動物または植物あるいは生物は、以下の工程によって改変す され得る。 ・アミノペプチダーゼまたは「強力にキレートしない」ペプチダーゼを 阻害するペプチド剤をコードするヌクレオチド配列およびプロモーターを含む適 切なベクターを調製する工程。上記ヌクレオチド配列は、上記ベクターを含む宿 主により発現され得る。 ・ベクターを宿主中に導入する工程;および ・ベクターを含む宿主を、ヌクレオチド配列を上記ペプチド剤中に転写 および翻訳するために適切な条件下に維持する工程。発明の詳細な説明 本発明を、以下の例を参照して詳細に記載するがこれに限定されない。 以下の実施例は、本発明の使用により得られる昆虫成長阻害または殺虫剤活性 を示す。しかし、他の方法および適用もまた用いられ得ることが理解される。セ リンペプチダーゼおよびシステインペプチダーゼ単独(本発明の分野内ではない )の阻害剤の効果には、種間のインヒビターに対する変動性を例示すること、あ るいは本発明の使用を介して連続して得られる付加的または相乗的な利益を例示 することが包含される。実施例1 ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina;Diptera)の幼虫の成長および生 存に対する個々のインヒビターの影響 方法 幼虫を、0.5%次亜塩素酸ナトリウムで表面を滅菌した卵から孵化させ、27℃ で一晩インキュベートした。第1齢幼虫を採集し、そして示したように、1つま たは複数のインヒビターを添加してまたは添加せずにオートクレーブした1mlの 培養培地に入れた。培地は滅菌バイアルまたはボトル中に、滅菌水中2%寒天、 10%カゼイン、2%酵母、および0.5%グルコースを含んでいた。培養の意図さ れた期間に応じて、5〜50匹の幼虫を各ボトル中にいれ、次いで、細かいプラス チックメッシュの挿入面を有するふたを用いてキャップした。このキャップはボ トル中への空気を自由に交換することができた。 次いで、このボトルを外部環境との接触を防ぐために密封された大きな滅菌容 器内に入れた。この容器は、滅菌し、加温、加湿された空気の供給源および真空 ポンプにそれぞれ接続された入口チューブおよび出口チューブを含んでいた。培 養ボトルを含んでいるこの装置は、24〜72時間35℃に保たれた。これにより、必 要な発育段階への幼虫の成長が可能となった。 培養物を、滅菌空気流フード中に設置し、そして幼虫の成長を援助または妨害 し得、それにより結果を無効にする細菌の混入の可能性を最小にするような滅菌 環境中でインキュベートした。意図された培養期間の後、ボトルを取り出し、そ して幼虫を凍結によって殺した。次いで、それらを乾燥し、ひとまとめにまたは 個別にのいずれかで秤量した。 次いで、コントロール培養物中の昆虫の幼虫(インヒビターの非存在という点 を除いて、同一の環境条件および食餌下で、同時に成長させた幼虫)の重量と、 インヒビターを含む幼虫の重量を比較し、阻害パーセント(I)を以下の式に従っ て算出した: I=(c−a)/c×100 ここで、 a=インヒビターの存在下での幼虫の重量、および c=コントロール幼虫の重量。 多数のインヒビターをこの培養系でテストし、そしてこれらの選択を表1.1に 挙げる。第1齢幼虫の成長および生存に対するインヒビターの効果を、表1.2に 示す。 この結果は、トリプシン様酵素に影響を与えるインヒビターが幼虫の成長を遅 らせること、またはTLCKの場合にテストした最高濃度で幼虫を殺すことに有効で あることを示した。システインペプチダーゼインヒビターであるE64は有効では なかった;しかし、成長に対するカルパインインヒビターの効果ならびにロイペ プチンおよびAPMS(システイン特異的インヒビターではない)による中間阻害は 、システインペプチダーゼに対するいくつかの本質的な役割があり得ることを示 唆する。 ペプスタチンによる1つまたは複数のアスパルチルペプチダーゼの阻害が有効 ではなかったことは先行文献と一致する。 この実験の驚くべき結果は、幼虫の成長に対するいくつかのアミノペプチダー ゼインヒビターの顕著な影響であった。これらの結果は、幼虫の1つまたは複数 のアミノペプチダーゼの阻害が有効であることを示した。L-ロイシンチオール、 EDTA、1,10-フェナントロリン、ベスタチン、アマスタチン、ロイヒスチン、お よびアクチノニンは、有効な成長インヒビターであった。ジペプチジルアミノペ プチダーゼのインヒビターであるジプロチンA(Diprotin A)およびメチオニン アミノペプチダーゼのインヒビターであるエバラクトン(Ebalactone)は有効で はなかった。実施例2 ヒツジキンバエ(L.cuprina;双翅目(Diptera))の幼虫の成長およ び生存に対する組み合わせたペプチダーゼインヒビターの影響 (a)組み合わせたセリンおよびセリン:アミノペプチダーゼインヒビターの組み 合わせの使用。 実施例1に概説したテストからのデータは、トリプシン様酵素および/または アミノペプチダーゼ酵素に影響を与えるインヒビターの組み合わせが付加的また は相乗的な効果を有し得ることを示唆した。さらなる実験を、既述の方法を用い てこの可能性を試験するために行った。結果を表2.1に示す。 SBTIとロイペプチンまたはPefablocとの組み合わせがほとんど効果がないこと は明らかであった。SBTIとEDTAで中程度の効果が得られた。SBTIをTLCKまたはL- ロイシンチオールとテストした場合、より大きな阻害を生じた。結果は、トリプ シン様ペプチダーゼおよびアミノペプチダーゼの複数の阻害が幼虫に対する有用 な阻害効果を有することを示唆した。 (b)L.cuprinaの幼虫の成長阻害に対する、セリンペプチダーゼインヒビター(SB TI)とアミノペプチダーゼインヒビター(L-ロイシンチオール)との組み合わせ の効果の研究 SBTIとL-ロイシンチオールインヒビターとの組み合わせの幼虫の成長に対する 効果を、相乗的阻害が生じる可能性を研究するためにある範囲の濃度にわたって 検討した。この実験は有意な致死率が生じる前に終了した。結果を表2.2に示す 。 (c)L.cuprinaの幼虫の成長に対する、2つのアミノペプチダーゼインヒビター( EDTAおよびL-ロイシンチオール)の組み合わせの効果の検討 これらの実験の結果を表2.3に示す。 実施例3 ヒツジクロバエ(L.cuprina;双翅目(Diptera))およびHeliothis pun ctigensの幼虫の孵化に対するペプチダーゼインヒビターの影響 以下の実験を、本発明の組成物が孵化の阻害により、殺虫の役割を満足し得る かどうかを評価するために行った。 L.cuprinaの卵を肝臓片(0.9g)上に置き、それを次いで24ウェル組織培養プレ ートの個々のウェル中に置いた。設定された濃度でインヒビターを含むリン酸緩 衝化生理食塩水(PBS、0.1ml)を、30の新たに生みつけられそして無菌のL.cuprin aの卵とともに各ウェルに添加した。次いで培養プレートを、無菌環境に35℃で2 4時間維持し、その後、孵化の百分率を評価した。 Heliothisの卵は、24ウェルの組織培養プレート中の規定培地(カゼイン3g、 コムギ麦芽3g、スクロース5g、寒天2.25g、複合ビタミンB錠剤5mg、ペニシリ ンおよびストレプトマイシンを含む80mlのPBS中に溶解)上で培養した(2つの卵/ ウェル)。卵の孵化は、27℃で3日間のインキュベーション後評価した。結果を 表3.1に示す。 最初のインビトロ試行では、10個のHeliothis卵が、0.17mM SBTIと5mMアクチ ノニンとの混合物中で孵化しなかったが、10個のコントロール卵はすべて孵化し た。実施例4 人工餌を与えたCotton Budworm(Heliothis punctigens、鱗翅目)幼虫 の成長および生存に対する本発明の影響 人工餌は以下のように調製した: 隠元豆 468グラム(g) 小麦麦芽 100g 酵母 70g アスコルビン酸 70g パラベン 44g ソルビン酸 2.2g 寒天 28g H2O 800ml * リン酸およびプロピオン酸 4ml * リン酸およびプロピオン酸のストック溶液は以下を含んでいた: 29ml プロピオン酸 21ml オルトリン酸 270ml dH2O 全量500ml 1. 隠元豆は、マイクロ波で40分間料理した。 2. 寒天は熱水に添加し、そしてほぼ沸騰するまでホットブレート上で撹拌し た。 3. 隠元豆、寒天混合物、酵母および小麦麦芽を3分間電気ミキサー中でブレ ンドした。 4. 温度が60℃まで低下したとき、酸を添加しそして培地と混合した。 5. インヒビター溶液、または等量の水を、所定の濃度で無菌ガラス管中に置 いた。人工培地を、無菌の10mlのシリンジを用いて各管に添加した(1.5ml)。第 一齢(孵化から最初の脱皮まで)のHeliothis punctigens幼虫(管あたり1匹の幼 虫)をガラス管に加え、そして管にキャップをした。この管を25℃で10日間イン キュベートした。このガラス管を、-70℃で24時間置くことにより幼虫を殺し、 次いで個々に秤量した。阻害パーセントは、コントロール幼虫に対する比較によ り計算した。 結果を表4.1に示す。 実施例5 ネコノミ(Ctenocephalides felis;隠翅目(Siphonaptera))の成長お よび生存に対するペプチダーゼインヒビターの影響 18ケ月外部寄生生物薬剤で処理されなかった5歳のメリノ種ヒツジの頚動脈か ら血液を採取した。血液を、0.8mlのヘパリンを含む100mlのプラスチックボトル に集め、そして4℃で維持した。インヒビターを予め無菌の5mlのプラスチック バイアル中に秤量し、そして4.5mlの血液を添加した。試料を混合し、-70℃で24 時間置き、次いで凍結乾燥した。凍結乾燥した試料を、ステンレス鋼63ミクロン ふるいを通してふるい、そして無菌の5mlのプラスチックバイアル中に入れた(0 .15g/管あたり)。4つのノミの卵を、各バイアルに入れ、そして1枚のティッシ ュペーパーを弾性バンドで固定して各バイアルの上部に装着した。このバイアル を、25℃および70-80% R Hで6日間インキュベートした。次いで、バーミキュラ イトを各バイアルに添加してノミがさなぎになるための支持媒体を与え、そして 管を、25℃および70-80% R Hでさらに10日間インキュベートした。10個のコント ロールバイアルおよび各処置の3つのバイアルを試験した。 バイアルのインキュベーション期間の終わりに、バイアルを-20℃に24時間置 き、ノミを殺した。孵化した卵の数およびライフサイクルのステージを記録した 。結果を表5.1に示す。 実施例6 天然餌を与えた黒コオロギ(Teleogryllus commodus、直翅目(Orthopt era))の幼虫の生存に対するペプチダーゼインヒビターの影響 (i) インヒビターおよびコントロール溶液のストック溶液を、表6.1で概略を述 べたように水性溶液または懸濁液として調製した。 (ii) 死亡率は、第一齢さなぎを用いて実験を開始することにより評価した。 (iii) キャベツの葉のディスク(5×8mm直径ディスク/処置)に、100μlのイン ヒビターまたはコントロールストック溶液を塗り付けそして乾燥させた。ディス クは、一つ一つ40mmのペトリ皿に、水分供給源としての湿ったコットンウールパ ッド、およびシェルター用の縦溝のついた一枚のプラスチックとともに置いた。 (iv) 10匹のさなぎを各ディスク上に置き、そして皿を25℃でインキュベートし た。 (v) 死亡率を毎日評価し、そして死んだ個体をすべて取り出した。結果を表6.1 に示す。 実施例7 ヒツジシラミ(Bovicola ovis;Anoplura)の成長および生存に対する ペプチダーゼインヒビターの影響 ヒツジシラミは、オーストラリアおよび他の多くの国における主要な農業的昆 虫害虫である。この昆虫のいくつかの系統は、有機リン酸系殺虫剤および合成ピ レスロイドに対する高レベルの耐性を発達させている。この試みは、以下の目的 のために行われた: (i)本発明において有用なインヒビターの成長阻害活性または殺虫活性の評価 を広げること;および (ii)既知の高レベルの殺虫剤耐性を有する昆虫の系統に対して本発明の成長阻 害活性または殺虫活性を評価すること。 選択されたシラミの系統は、Hartleyとして公知の参照系統であった。これは 、合成ピレスロイドに対して高度に耐性である(表7.1、Levot,G.W.,Aust.Vet.J. ,1992 69 20)。 (i)シラミを、重篤に感染したヒツジから小領域の羊毛を刈り込み、そして刈 り取られた領域を1分間木綿布で覆うことにより採集した。シラミを布から容器 の中に払い落とした。 (ii)インヒビターのストック水溶液または懸濁液を、皮膚に最も近い40mmの羊 毛から得た羊毛の房(tufts of wool)に塗布した。ドナーのヒツジは、2年間殺 虫剤で処置されていないことが分かっており、そしてその羊毛は、刈り込み時に 100mmの毛脚を有していた。 (iii)交差汚染を避けるように注意し、4連(quadruplicate)の羊毛サンプルを インヒビターの水溶液または懸濁液に浸漬することにより処理し、水を切り、そ して24時間乾燥させた。 (iv)羊毛サンプルを、ラベルしたキャップ付きプラスチックチューブに加えた 。 (v)シラミを、(生存能試験として)紙を横切って光源から離れて這わせた。 成虫、第3齢、第2齢、および第1齢のそれぞれから10匹のシラミを、羊毛の各 チューブに加えた。 (vi)チューブを35℃および60〜80%RHにてインキュベートし、そして毎日検査 した。 (vii)触った場合に動けないシラミを死んでいるとみなして生存能の評価を行 った。 結果を表7.1に示す。 本発明の組成物は、殺虫剤耐性のヒツジシラミに非常に有効であった。実施例8 ブルキド(Bruchid)(Tribolium castaneum;Coleoptera)の成長および 生存に対するペプチダーゼインヒビターの影響 昆虫を、有機栽培小麦から作製した清潔にし挽いて篩にかけた全粒小麦粉で育 てた。予め重量を測定した原料のボトルからのインヒビターを小麦粉と乾燥した まま混合し、そして残りのインヒビターを少量の水でボトルからすすぎ落とした 。すすぎ水を小麦粉に添加し、そしてこの混合物を再び挽いた。含浸した小麦粉 を 20mLのバイアルに移し、そして振盪および倒置することにより完全に混合した。 T.castaneumの成虫に、小麦粉の上で産卵させ、卵を小麦粉から篩い、そして 少量の小麦粉を含むマイクロウェルチューブに1本の毛を用いて1つ1つ移した 。それぞれのレベルの処理を、32ウェル/1連を用いて3連で行った。アッセイ を3連で行った。培養物は、30℃および55%RHにてインキュベートした。 6日後、各連の32ウェルを合わせて、幼虫を数え、そして数をコントロール( インヒビターなし)処理における数と比較した。幼虫を、参照幼虫よりもはっき りと小さな場合、「小」として、正常でない行動または正常でない形態(例えば 、ねじれている(twisting)またはねじれた(twisted)幼虫)が観察された場合、 異常として分類した。 試験インヒビターおよび用量率は、実施例4で用いたものと同一であった。 結果 (6日目)−卵の孵化は、6日目では一貫して影響されなかった −幼虫は、アクチノニン(actinonin)およびEDTAの全ての用量レベル で「小」と分類されたが、しかし1,10-フェナントロリン(1,10-phenanthroline) および他の処理では正常であった実施例9 穀粒貯蔵害虫(Oryzaephylus surinamensis;Coleoptera)の成長およ び生存に対するペプチダーゼインヒビターの影響 この昆虫に対するバイオアッセイは、インキュベーションを32.5℃および70% RHにて行ったことを除いてT.castaneumに対して概説した通りであった。8日後 、昆虫を小麦粉から篩い、そして重量を測った。 これらの結果を表9.1に示す。 個々のアミノペプチダーゼインヒビターに対する応答は、変わりやすかった。 1,10-フェナントロリンは、非常に効果的な成長インヒビターであり、EDTAは、 中程度に効果的であり、そしてベスタチンは、効果がなかった。 本発明は明確さおよび理解のためにある程度詳細に記載したが、本明細書中に 記載の実施態様および方法に対する種々の改変および変更が、本明細書に開示し た発明の概念の範囲から逸脱せずになされ得ることは当業者には明らかである。 本明細書に引用した参考文献が、以下の頁に列挙され、そして参考として本明 細書中に援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 9/99 C12N 9/99 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 サンデマン, リチャード マーク オーストラリア国 ビクトリア 3083, バンドーラ,プレンティー ロード (番 地なし), ラ トローブ ユニバーシテ ィ,スクール オブ アグリカルチャー (72)発明者 チャンドラー, デイビッド スペンサー オーストラリア国 ビクトリア 3064, ミックルハム,ブラッシー コート (番 地なし), ”トレンウェル"

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.昆虫を制御するための組成物であって、薬学的、獣医学的、農学的または園 芸学的に受容可能なキャリアとともに、アミノペプチダーゼインヒビターまたは メタロペプチダーゼインヒビターを含有し、そしてさらに、強力にキレートしな いペプチダーゼインヒビターを含有する、組成物。 2.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーがアミノ基またはその誘導体を含む、請求項1に記載の組成物。 3.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーが1個またはそれ以上のアミノ酸部分またはその誘導体を含む、請求項1また は請求項2に記載の組成物。 4.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーが、ロイシン、バリン、メチオニン、グルタミン、システイン、アスパラギン 酸、プロリン、アルギニンまたはアラニン部分またはそれらの誘導体を含む、請 求項1から3のいずれかに記載の組成物。 5.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーがロイシン部分またはその誘導体を含む、請求項1から4のいずれかに記載の 組成物。 6.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーがメタロペプチダーゼまたはアミノペプチダーゼの活性部位の金属イオンと相 互作用する、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。 7.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーがキレート剤を含むかまたはキレート活性を有する、請求項1から6のいずれ かに記載の組成物。 8.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビタ ーが二座配位キレート剤、三座配位キレート剤、四座配位キレート剤または六座 配位キレート剤を含む、請求項7に記載の組成物。 9.前記キレート剤がアミノカルボン酸部分またはニトリロ三酢酸、あるいはキ レート活性を有するそれらの塩または誘導体を含む、請求項7または請求項8に 記載の組成物。 10.前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸、またはキレート作用を有する その塩または誘導体を含む、請求項9に記載の組成物。 11.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビ ターが、遷移金属イオンまたは該イオンの複合体または誘導体を含み、ここで、 該イオンが銅、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン、バナジウムおよび鉄 からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。 12.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビ ターが、ホウ素部分、ホスホリル部分またはホスホニル部分を含む、請求項1か ら9のいずれかに記載の組成物。 13.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビ ターが、アミノペプチダーゼまたはメタロペプチダーゼに不可逆的に結合する、 請求項1から12のいずれかに記載の組成物。 14.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビ ターが、トリプシンまたはカルパインを阻害しない、請求項1から13のいずれ かに記載の組成物。 15.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビ ターが、セリンペプチダーゼまたはシステインペプチダーゼを阻害しない、請求 項1から13のいずれかに記載の組成物。 16.前記インヒビターが、ロイシンアミノペプチダーゼ、A型、B型、N型お よびM型のアミノペプチダーゼ、アルギニンアミノペプチダーゼ、メチオニンア ミノペプチダーゼ、D−アミノ酸アミノペプチダーゼ、ペプチジルジペプチダー ゼ、亜鉛アミノペプチダーゼ、N−ホルミルメチオニンアミノペプチダーゼ、ジ ペプチジル−アミノペプチダーゼ、A型およびB型のカルボキシペプチダーゼ、 トリペプチジルペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼおよびペプチジルート リペプチダーゼからなる群から選択される酵素の活性を阻害する、請求項1から 15のいずれかに記載の組成物。 17.前記インヒビターがロイシンアミノペプチダーゼの活性を阻害する、請求 項16に記載の組成物。 18.前記インヒビターが昆虫ロイシンアミノペプチダーゼの活性を阻害する、 請求項17に記載の組成物。 19.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターが、セリンペプチダ ーゼインヒビター、システインペプチダーゼインヒビター、アスパルチルペプチ ダーゼインヒビター、メタロペプチダーゼインヒビター、またはアミノペプチダ ーゼインヒビターを含む、請求項1から18のいずれかに記載の組成物。 20.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターが、トリプシンイン ヒビターおよびキモトリプシンインヒビターからなる群から選択される、請求項 19に記載の組成物。 21.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターが、豆果、野菜、果 実または穀物に由来するセリンペプチダーゼインヒビターまたはシステインペプ チダーゼインヒビターからなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。 22.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターが、シスタチンおよ びE-64からなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。 23.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターが、ジャガイモカル ボキシペプチダーゼインヒビターを含む、請求項19に記載の組成物。 24.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターがEglin Cを含む、 請求項19に記載の組成物。 25.前記強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターがPefablocを含む、 請求項19に記載の組成物。 26.SBTIおよびEDTAを含有する、請求項19に記載の組成物。 27.L−ロイシンチオールおよびEDTAを含有する、請求項19に記載の組 成物。 28.PefablocおよびEDTAを含有する、請求項19に記載の組成物。 29.アクチノニンおよびSBTIを含有する、請求項19に記載の組成物。 30.L−ロイシンチオールおよびSBTIを含有する、請求項19に記載の組 成物。 31.1,10-フェナントロリンおよびSBTIを含有する、請求項19に記載の 組成物。 32.ベスタチンおよびSBTIを含有する、請求項19に記載の組成物。 33.アンチパインおよびEDTAを含有する、請求項19に記載の組成物。 34.前記アミノペプチダーゼインヒビターまたは強力にキレートしないペプチ ダーゼインヒビターが、ペプチド部分、ポリペプチド部分またはタンパク質部分 を含む、請求項1から33のいずれかに記載の組成物。 35.昆虫を制御する方法であって、該昆虫を、請求項1から34のいずれかに 記載の組成物に曝す工程を包含する、方法。 36.昆虫の卵または昆虫の幼虫を、請求項1から34のいずれかに記載の組成 物に曝す工程を包含し、これによって、昆虫の卵の孵化および/または昆虫の幼 虫の発育が阻害される、請求項35に記載の方法。 37.前記昆虫が、Lepidoptera、Hemiptera、Dictyoptera、Orthoptera、Coleo Ptera、Psocoptera、Isoptera、Thysanoptera、Hymenoptera、Homoptera、Dipte ra、Anoplura、MalophagaおよびSiphonapteraからなる群から選択される目の昆 虫である、請求項35または請求項36に記載の方法。 38.前記昆虫が、蝿蛆症ハエ、ノミ、ゴキブリ、薄茶リンゴ蛾、コオロギ、青 虫、穀粒の昆虫および貯蔵庫の昆虫からなる群から選択される、請求項35から 37のいずれかに記載の方法。 39.前記組成物が局所的手段、経口的手段、または非経口的手段によって投与 される、請求項35から38のいずれかに記載の方法。 40.前記組成物が局所的手段によって投与される、請求項35から38のいず れかに記載の方法。 41.前記組成物が、綿花、脂肪種子作物、観賞植物、花、果樹、穀物作物、匍 匐作物、根菜作物、牧草植物および野菜からなる群から選択される植物に投与さ れる、請求項35から40のいずれかに記載の方法。 42.アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビター および/または強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターを発現する、非 ヒトトランスジェニック生物。 43.アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビター と強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターとの両方を発現する、請求項 42に記載の生物。 44.アミノペプチダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビター を発現する、請求項42に記載の生物。 45.強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターを発現する、請求項42 に記載の生物。 46.前記生物が、前記昆虫による攻撃に対して脆弱な動物または植物に定住す る、請求項42から45のいずれかに記載の生物。 47.前記生物が、前記動物または植物と共生するかまたは片利共生する、請求 項46に記載の生物。 48.Bacillus、PseudomonasおよびMycobacterium種から選択される、請求項4 6または請求項47に記載の生物。 49.昆虫を制御する方法であって、請求項44に記載のトランスジェニック生 物を強力にキレートしないペプチダーゼインヒビターに曝す工程を包含する、方 法。 50.昆虫を制御する方法であって、請求項45に記載の生物を、アミノペプチ ダーゼインヒビターまたはメタロペプチダーゼインヒビターに曝す工程を包含す る、方法。 51.昆虫を制御する方法であって、請求項42から49のいずれかに記載のト ランスジェニック生物を、請求項1から34のいずれかに記載の組成物に曝す工 程を包含する、方法。
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