JPH10503582A - 廃棄物焼却方法における高温の酸性ガスおよび粒状物質の除去 - Google Patents

廃棄物焼却方法における高温の酸性ガスおよび粒状物質の除去

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Abstract

(57)【要約】 熱回収部から流れ出る循環用の低温煙道ガスを焼却によって得られる高温の煙道ガスと混合することにより酸性ガスおよび粒状物質を減少させることから成る熱を回収し且つ酸性ガスおよび粒状物質の放出を低減させる廃棄物焼却法。熱を回収する前に、該混合された煙道ガスから粒状物質を回収する。さらに低温の煙道ガスは脱酸を行うことができる。熱回収部の下手で低温の循環ガス流と混合した高温の煙道ガスを、アルカリ試薬と反応させ、酸性ガスを除去して該放出の低減を補強することが好ましい。焼却機自身(2,6)およびボイラー(7)の間に取り付けられた酸性ガスおよび粒状物質質除去施設と組み合わされた廃棄物焼却機も記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】 廃棄物焼却方法における高温の酸性ガスおよび粒状物質の除去 技術的分野 本発明は電気的および/または機械的エネルギーを生産するための熱回収部の 上手において酸性ガスおよび粒状物質の除去を行う廃棄物焼却方法、およびこの 方法に使用する焼却機に関する。 背景となる技術 熱的処理を含む現在の廃棄物廃棄方法から得られる煙道ガスは酸性分および粒 状物質の含量が高いという特徴をもっていることは公知である。 詳細に説明すると、都市型の固形廃棄物(MSW)、病院の固形廃棄物の焼却 および特殊な廃棄物の焼却においては、熱処理を受ける材料の塩素含量が高いた めに、ガス相における塩酸および粒状物質中の塩化物の含量は高い。 このことは、大気中に放出する前に煙道ガスから熱を回収する現行の焼却方法 においては、腐食、特にボイラーの金属の伝熱面の腐食が起こること、および構 造部材と連結部材とが異なっているために、施設の設計および操作に重大な困難 が生じることを意味している。その結果、上記施設においては、特殊な材料を使 用する場合には設備投資額が上昇し、また他方では操作の中断および損傷部分の 修復を頻繁に行わなければならないために操作コストが上昇するか、或いはまた この両方が起こることが普通である。さらに金属の伝熱面の温度が高いほど、上 記のような腐食の現象は迅速に起こる。 熱の回収によって得られる水蒸気はタービン交流発電機の中で膨張させること ができ、操作の効率は水蒸気の温度および圧力と共に増加する。実際には、腐食 の現象を減らすために水蒸気の過熱温度をかなり低い値(通常320〜380℃ )に制限する必要がある。他方、通常の燃料を用いる高効率の火力発電所におい ては、水蒸気の過熱温度は通常450〜540℃の範囲である。従って腐食現象 を減らすこととタービン交流発電機の効率を上昇させることの相反する要求を考 慮して、通常妥協的な解決法がとられている。現在操作されている焼却機の動作 および使用特性はこのような妥協によって制限されている。 考慮しなければならない他の観点としては、廃棄物焼却施設による環境に対す る影響である。焼却施設からの煙道ガスの放出は法律によって規制され(ヨーロ ッパ連合の指令により示され、または国家または地方機関により施行されている )、これによって汚染物質または微小汚染物質の最高許容量が設定されている。 下記表1にはこれらの汚染物質の幾つかに対し現在施行されている限度が示され ている。 これらの物質の中で、危険な微小汚染物質、例えばダイオキシンおよ びフランのような有機性の塩素化された物質(PCDDおよびPCDF)は、廃 棄物焼却機によって生じる煙道ガスを冷却する際にStieglitzおよびV oggによる「新しい」合成反応によってつくられる(Chemosphere 誌、16N巻、8/9号1987年)。このような合成反応は、煤、またはフラ イアッシュの他の構成成分、およびHClまたは他の塩素化合物を原料としてボ イラーの熱交換機の表面上で起こることができる。 環境保護を目的とするこれらの規制に従うために、幾つかの公知焼却法によれ ば、煙道ガスを公知の乾式、半乾式または湿式法により煙道ガス冷却部の下手に おいてアルカリ試薬と反応させることにより酸性ガスを減少させている。これら の方法では、ボイラーの伝熱表面上の高温腐食現象を避けることはできない。一 例としてK.T.FellowsおよびM.J.Pilatの論文(J.Air Waste Manage.Assoc.誌、40巻、6号、1990年)で は、塩酸を吸収するために200℃付近の低温において重炭酸ナトリウムを使用 することが記載されている。しかし低温で塩酸を吸収するためのアルカリ試薬と して重炭酸ナトリウムの効果が上記の論文記載の通りに確かめられたとしても、 このような煙道ガス処理法は腐食現象から生じる問題を解決するためには有用で はない。 熱の回収を伴う他の公知の方法においては、特に流動ベッド燃焼施設で使用さ れるようなアルカリ性吸収剤を使用して燃焼室の中で酸性ガスを減少さることが 試みられた。このような方法は一般に法律によって規制された制限に対し適切で はない結果を生じるものである。 報告されている一例としては、高温において水和した石灰を注入した 後に廃棄物を焼却した際の煙道ガスに関するA.Herbert、DCE Fr ance S.A.(1989)の研究がある。燃焼温度(800〜1000℃ )において達成されるHClの除去率は非常に悪い。一方ではボイラーの腐食の 保護に関し有効な結果を生じることが出来ず他方では、HCl含量に関する限り 、放出される煙道ガスを必要とされる低い放出限度に適合させることはできない 。このような考察は図2に示した熱力学的研究に基づくものである。第2の例と して、燃焼室に吸収剤を直接注入する欠点が示されている(D.L.Ziegl er,A.J.Johnson,L.J.Meile,A.L.Johnsto nおよびE.L.Shamhart、NTIS Report No.RFP− 2271,1974による流動ベッド燃焼法のパイロットプランによる研究)。 HClを除去するために、燃焼室に重炭酸ナトリウムを加える。燃焼室の温度に おいて使用した塩および反応生成物、即ち炭酸ナトリウムおよび塩化ナトリウム は熔融する。この事実は、ボイラーの金属表面上に捕捉された粒子により重大な 腐食および侵食の問題が起こる原因となる。 以下に説明するように、この方法は本発明方法とは異なっている。 本発明の説明 本発明の主な目的は固形の廃棄物を熱処理することによって生じる煙道ガス中 の酸性ガスおよび固体の粒子の存在に関連した問題、特に焼却および熱の回収の 公知方法では解決できない問題を解決することである。詳細には、本発明の重要 な問題は、タービン交流発電機の熱源として作用するボイラーの伝熱面と接触す る煙道ガスの温度を下げ、ガスの温度と共に効果が増加する腐食現象を減らすこ とである。しかしこの温度の 低下により系の効率が低下してはいけない。系の効率は新鮮な空気の添加または 水の噴霧と関連している。 本発明の他の目的は、ボイラーの中に入って来る煙道ガス中の酸性ガスおよび 粒子状物質の濃度を低下させて腐食現象を低減させることである。 本発明のさらに他の目的は、大気中への汚染物質の放出量を許容値以下に減少 させ、他の粒状の有害な物質(有機性の塩素化された物質のような微小汚染物質 )の生成を実質的に除去することである。 従って本発明の第一の特徴によれば、熱回収部の上手において酸性ガスおよび 粒状物質を除去する廃棄物焼却法が提供され、該焼却法は廃棄物を焼却する工程 および必要に応じ後焼却を行う工程を含む焼却部分、電気的および/または機械 的エネルギーを生産するために低温において煙道ガスから熱を回収する熱回収部 分、および煙道ガス中の粒状物質の濃度を減少させる部分から成っている。この 方法においては、第1の具体化例に従えば、該熱回収部分から出て来た低温の煙 道ガスを循環させこれを燃焼室から出る高温の煙道ガスと混合することにより該 温度の低下および粒状物質の濃度の減少を行うことができる。混合された高温お よび低温の煙道ガスは、それから熱を回収する前に、適当な装置の中で固体粒状 物質を分離される。 同じ本発明方法で第二の具体化例においては、さらに該低温の煙道ガスを該高 温の煙霧と混合する前に脱酸処理を行い、熱回収部の入り口における煙道ガス中 の酸性ガスの濃度を低下させる特徴が付加されている。 本発明方法の好適具体化例においては、焼却の際再循環される低温ガスと混合 して得られる高温の煙道ガスをアルカリ試薬と反応させ、適当 な装置により粒状物質を除去することにより、酸性ガスおよび粒状物質の濃度の 低下をさらに改善する。 好適なアルカリ試薬はナトリウム化合物である。 第二の特徴に従えば、後燃焼室を備えた炉を含み、必要に応じ熱回収ボイラー 該ボイラーに付属した熱源としての水蒸気タービン交流発電機、酸性ガスおよび 粒状物質の濃度を低下させる施設と組み合わされ、水蒸気で作動するタービン交 流発電機が付属した廃棄物焼却機が本発明によって提供される。この焼却機は炉 および必要に応じ後焼却室を含む焼却機自身、熱回収ボイラー、該ボイラーを熱 源とする水蒸気タービン交流発電機、および酸性ガスおよび粒状物質の放出を減 少させる施設を含み、該酸性ガスおよび粒状物質の放出を減少させる施設は焼却 機自身と該ボイラーとの間に取り付けられており、且つ焼却によって生じる高温 の煙霧をボイラーの出口から循環させられた低温の煙霧と混合する部分、ボイラ ーの上手に配置された該混合部分身から流れ出る煙道ガスの中和反応器、該ボイ ラーから流れ出る煙道ガスの主要部分に対する煙霧の主流を循環させるファン、 アルカリ試薬のタンク、該アルカリ試薬の計量装置、該アルカリ試薬を該中和反 応器へ供給する装置、該ボイラーの上手に配置された、中和反応器から流れ出る 煙道ガスから粒状物質を分離する分離装置を含んでいる。 本発明の焼却法の利点は次の通りである。 ボイラーの中に流れ込む煙道ガスの残留反応性が適度であるため、煙道ガスか ら熱を回収するためのボイラーの伝熱面を通常の、即ち廉価な材料によって製造 することができるので、設備投資額が低下する。 ボイラーの内部でつくられる水蒸気を現行の方法よりも遥かに高い温 度まで過熱し、これによって電気エネルギーの生産効率を公知施設の現行の18 〜24%から約30〜35%およびそれ以上に増加させることができる。 ボイラーの中に流れ込む煙道ガスの温度の調節は循環によって行われるから、 過剰に使用される空気の量を少なくすることができ、従って放出される煙道ガス の量は低減される。 煙道ガスがボイラーの中に流れ込む前に処理されることによりStiegli tzおよびVoggによって発見された方法により、煙道ガスを冷却する際に生 じる有機性の塩素化された物質のような微小汚染物質の量が少なくなる。 図面の簡単な説明 本発明は、添付図面を参照して以下に行われる説明によってさらに容易に理解 されるであろう。添付図面において、 図1は本発明に従って操作される廃棄物焼却機の工程の流れ図である。 図2は重炭酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムの混合物上における典型的な煙 道ガス組成物によって構成された大気中のHClの平衡圧をプロットしたグラフ であり、ここで縦軸はmg/Nmc単位のHCl濃度の値を示し、横軸には全体 の温度が℃単位で表されている。 図3は本発明の出願人により得られた理論的結果の正当性を証明するための、 酸性ガスを分離する実験装置の模式図である。 本発明の最良の実施形態 図1において、1は廃棄物(例えば都市の固形廃棄物)の供給機を表し、2は 炉底部およびそれに付属した燃焼室3から成る炉を表し、この炉には装置4によ り下から主要空気APが供給され、装置5により上か ら二次空気ASが供給される。6により後燃焼室が示され、7により熱回収ボイ ラーが示されており、ここからクリーニング用バグフィルター8に供給される煙 道ガスが流れ出している。炉2および後燃焼室6の下方には、汚泥Sを除去する 装置9があり、他方熱回収ボイラー7およびバグフィルター8の下方には灰分C を除去する装置10がある。 図1において、11は一般に水蒸気タービン交流発電機を表しており、ここで はあまり詳細には示されていないが、該焼却炉と組み合わされ、熱回収ボイラー 7を通してこれと連動して操作されるようになっている。 本発明方法の第一の具体化例においては、中和反応器12の内部で後燃焼室か ら流れ出す煙道ガスを、ボイラー7から流れ出しファン13によって供給される 低温の煙道ガスFRと混合することにより、ボイラー7の入口における煙霧の温 度を低下させ、また該煙霧中の固体粒子の濃度を減少させることができる。煙道 ガスFRの流速はファン13の上手に配置された弁18により調節され、また反 応器12の下手に或る温度調節器19によって制御される。 互いに混合された高温および低温の煙道ガスは、ボイラー7の入口の前で濾過 され、図1において20で示された分離器の内部で粒状物質が分離される。 本発明の第二の具体化例においては、ボイラー7から流れ出す低温の煙道ガス は、反応器12において高温の煙道ガスと混合される前に、脱酸装置21の内部 で脱酸される。この方法でボイラーの中に流れ込む煙道ガスのHCl濃度を約5 0%減少させることができる。本発明方法の好適具体化例においては、後燃焼室 6から流れ出した高温の煙道ガスを循環煙道ガス流FRと混合し、これをさらに 反応室12の内部において 適切な試薬、例えばアルカリまたはアルカリ土類金属をベースにした試薬と反応 させることにより、酸性ガスおよび粒状物質の濃度をさらに減少させることがで きる。 後で説明するように固体の化合物、好ましくはアルカリ性で十分に細かい粒径 をもった化合物を後燃焼室6から流れ出した煙道ガス、および循環煙道ガスと、 少なくとも一つの中和反応器12の内部で接触させる。 アルカリ試薬を構成する固体の化合物は貯蔵用サイロ14から供給され、煙道 ガスFVを担体として輸送される。煙道ガスFVは煙突へと供給される煙道ガス FCから分岐され、煙道ガスFCと同様にバグフィルター8によって清浄化され る。煙道ガスFVは送風機15によって動かされる。 この場合もまた、熱回収ボイラー7から流れ出す煙道ガスFRの一部を循環用 のファン13を用いて循環させることにより接触温度が調節される。 この試薬の計量は反応器12の上手に配置され貯蔵用サイロ14の計量装置1 7をコントロールするHClセンサーを用いて行われる。 反応器12の温度は温度調節器19、および再循環用のファン13の上手で流 速を変更する弁18によって調節される。 別法としてアルカリ試薬を溶解して溶液にするか、または分散して液体懸濁液 にすることができる。この場合は貯蔵用サイロ14の代わりにタンクが備えられ 、計量装置17はポンプであることができる。 循環させる煙道ガスの量、従って中和反応器12の操作温度に依存して、また 試薬として使用される化合物を生成するアルカリまたはアルカリ土類金属に依存 して、またガスと固体との接触の良好さに従って、酸 性ガスの含量を低下させ種々の残留値を得ることができる。 特に本発明の出願人はその研究を通じ図2のグラフにまとめられているような 理論的結論に達した。図2においてAはCaCl2、CaO、CaCO3、Ca( OH)2のようなCaのアルカリ性化合物上におけるHCl含有煙道ガスの平衡 曲線を表し、Bは煙道ガスとNa2CO3およびNaHCO3のようなNaのアル カリ性化合物との平衡曲線を表す。この平衡図から、ナトリウムをベースにした 吸収剤を投与することによって得られるHClの極限濃度は、カルシウムをベー スにした化合物を用いて得られる濃度に比べ遥かに低いことが判る。例えば70 0℃において、Naをベースにしたアルカリ試薬を用いた場合のHClの極限濃 度は3.32mg/Nmcであるが、Caをベースにした試薬に対しては117 3.12mg/Nmcである。中和反応器12の下手にはさらに分離器20、例 えばサイクロンまたは多重サイクロン(遠心分離塵埃分離器)が備えられ、これ により粒状物質が分離され、熱回収ボイラー7の灰分C除去用のコンベヤ10の 上に運ばれる。 既に説明したように、酸性成分の低減レベルは使用する特定のアルカリ試薬お よび中和反応を行うのに用いられる操作条件に依存する。 従って、基本的な役割を演じるのは − 試薬 − 操作温度 − 接触条件(ガスと固体またはガスと液体との) をこの順序で選択することである。熱力学的観点から見ると、種々の使用可能な アルカリ試薬は定性的には似ているが、定量的には異なった挙動をするというこ とができるので、その各々に対して可能な最大低減量、 即ち温度の逆関数の関係にある量を決定することが可能である。 このことは、温度が上昇するとガス中に残留する酸の値は著しく大きくなるこ とを意味する。この種の分析によってアルカリ金属化合物(Li、Na、K、R b、Cs)がアルカリ土類金属、特に現在最も普通に使用されているCaの同様 な化合物に比べ著しく優れていることが証明される。他方反応速度、即ち熱力学 的な平衡に達する速さは温度の直接の関数である。 本出願人によって得られた結果により図2のグラフの曲線AおよびBが描かれ たが、この結果は実験的に証明されている。実験は図3に示した試験装置で行わ れた。この試験装置は − 内径が22mm、全長が200mmで、底に焼結した石英から成る多孔性 の部分50、および端に円錐形の磨り合わせ連結部材23、23が備えられてい る石英管22、 − ガスを吹き込むための管が通されて底に達しており、上端には円錐形の磨 り合わせ連結部材24が備えられているパイレックス製のガラス球80、 − 該ガラス球80に供給される窒素ガスの流速を測定するための流速計11 0、 − 石英管22を一定の温度に加熱する円筒形の電気炉70、 − 直列に連結され且つ石英管22の上端と連絡した2個の通気トラップ13 0から成っており、 該トラップには酸性ガスを除去するための1M濃度の水酸化ナトリウム(Na OH)溶液から成るアルカリ試薬が満たされている。 この試験装置を一連の試験の実施に使用した。その一つを本発明に基 づく酸除去法の有効性の証拠として下記に報告する。 試験は次のように行った。 炭酸ナトリウム(Na2CO3)10gおよび不活性材料(石英の小さい球状物 )50gの量で両者の混合物をつくった。 この混合物を高さが22mmの第1の層40が形成されるまで管22に導入し た。次に石英ウールの薄い層(約5mm)を混合物層40の上面の上に入れた。 同様にして、この混合物の第2の層30および第3の層25を、これらの2層の 間に石英ウール層60を入れることによりつくった。第2の層30および第3の 層25の高さはそれぞれ22mmおよび169mmである。第3の層25の上面 に高さ約5mmの石英の小さい球状物から成る層60を載せた。 HClを36重量%含む塩酸(HCl)の水溶液90を296.4gの量でガ ラス球80の中に導入した。 各トラップ130に濃度1Mの100ccの水酸化ナトリウム(NaOH)溶 液140を導入した。 管22およびその内容物の温度を炉を用いて700℃に上昇させる。加圧した 窒素ガス(N2)を減圧弁を備えたボンベから取り出し、流速計110を通して HCl溶液90の中に通す。窒素流の流速は24±1cc/mmであった。 2時間の間窒素を流し続ける。数分後に溶液90の温度は平衡値の約21℃に 達する(図3に図示されていない温度計で測定)。 ガス流を停止した後、装置を分解する。空気に当てて冷却した後、管22を空 にし、層25、30および40の内容物を別々に集める。これらの3つの層の塩 素(Cl)の量を分析し、下記表2に掲げた結果を得 た。 溶液90は試験温度(21℃)においてHClの蒸気圧が108mmHgであ るから、窒素100を流速24±1cc/mmで2時間通気すると、HClは0 .73g蒸発し、塩素含量は0.71gになる。この量は分析によって決定され た管22の中に含まれる全塩素の値に極めて近い。 上記の混合物により塩素が殆どすべて捕捉されたという他の証拠として、実験 の終わりにおいてトラップ130に含まれる塩素を分析により決定した。この決 定によれば、塩素は痕跡量しか存在せず、通常の方法(既知の規定値をもった硝 酸銀溶液で沈澱させ、チオシアン酸カリウムで逆滴定する方法)では決定できな かった。 この結果により図2の曲線Bから何が評価できるかが確かめられ、管22から 3.5mg/Nmcの最低濃度の塩素が流れ出し、これは上記実験の条件下にお いて0.009gの塩素に相当する量であることを推定することができる。 本発明は本発明と同一の概念の範囲内においてすべての変更および変形を行い 得るものである。例えばアルカリ試薬の導入を一部はファン1 3の下手で、また一部は反応器12の中で行い、これによって同様に満足すべき 結果が得られるように本発明方法を変更することができる。さらに本発明のすべ ての詳細点は技術的に同等な要素によって置き換えることができる。
【手続補正書】 【提出日】1997年8月19日 【補正内容】 1) 請求の範囲 別紙のとおり補正する。 2) 明細書 (1) 14頁4行の「ことができる。」の後に行を改めて次の文章を付加する 。 『本発明の特徴および態様は以下の通りである: 1.廃棄物を焼却し必要に応じ後焼却を行い、電気的および/または機械的エ ネルギーを生産するために低温において煙道ガスから熱を回収し、煙道ガス中の 粒状物質の濃度を減少させる工程を含む熱回収部の上手において酸性ガスおよび 粒状物質を除去する廃棄物焼却法において、熱回収部から流れ出る低温の煙道ガ スを循環させ、これを該焼却により得られる高温の煙道ガスと混合することによ り該温度の低下および粒状物質の濃度の減少を行うことを特徴とする方法。 2.熱の回収を行う前に、互いに混合された低温および高温の該煙道ガスから 該煙道ガスによって運ばれる粒状物質を分離することを特徴とする上記1記載の 方法。 3.該低温の煙道ガスを該高温の煙道ガスと混合する前に、該低温の煙道ガス の脱酸を行うことを特徴とする上記1記載の方法。 4.循環させた低温の煙道ガスと混合された焼却によって得られる高温の煙道 ガスを、アルカリ試薬と反応させることにより酸性ガスおよび粒状物質の放出の 低下をさらに増強させることを特徴とする上記1記載の方法。 5.大気と連絡した放出ダクトへと向かっている煙道ガスから少量の 煙道ガスを分離してこれをアルカリ試薬の担体として使用し、この際該煙道ガス は予め濾過されていることを特徴とする上記4記載の方法。 6.該アルカリ試薬はナトリウム化合物であることを特徴とする上記4および 5記載の方法。 7.該アルカリ試薬は炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムであることを特 徴とする上記6記載の方法。 8.該アルカリ試薬は粉末であることを特徴とする上記4〜7記載の方法。 9.該アルカリ試薬は溶液であることを特徴とする上記4〜7記載の方法。 10.該アルカリ試薬は懸濁液に懸濁されていることを特徴とする上記4〜7 記載の方法。 11.酸性ガスおよび粒状物質の放出を低下させる施設と組み合わされ、水蒸 気タービン交流発電機(11)が付属している廃棄物焼却機において、炉(2) および必要に応じ後焼却室(6)を含む焼却機、熱回収ボイラー(7)、該ボイ ラーを熱源とする水蒸気タービン交流発電機(11)、および酸性ガスおよび粒 状物質の放出を減少させる施設を含み、該酸性ガスおよび粒状物質の放出を減少 させる施設は焼却機自身(2,6)と該ボイラー(7)との間に取り付けられて おり、且つ − ボイラー(7)の上手に配置された焼却機自身から流れ出る煙道ガスの中 和反応器(12)、 − 該ボイラー(7)から流れ出る煙道ガスの主要部分(FR)を該反応器( 12)へ運ぶ循環用のファン(13)、 − アルカリ試薬を含む容器(14)、 − 該アルカリ試薬の計量装置(17)、 − 該循環用の反応器(12)の内部にアルカリ試薬を担持するガスを吹き込 む送風装置(15)、 − 該ボイラー(7)の上手に取り付けられ、中和反応器(12)から流れ出 る煙道ガスから粒状物質を分離する分離装置(20)を含んでいることを特徴と する廃棄物焼却機。 12.該ボイラー(7)の下手に取り付けられた煙道ガスの脱酸装置(21) をさらに含んでいることを特徴とする上記11記載の焼却機。 13.該循環用のファン(13)の上手に弁(18)が取り付けられ、この弁 は該反応器(12)の下手に配置された温度調節器(19)により調節されるこ とを特徴とする上記11記載の焼却機。 14.該吹き込み装置(15)の上手にバグフィルター(8)が取り付けられ ていることを特徴とする上記11記載の焼却機。 15.該反応器(12)の下手に、酸性ガスの濃度を測定し該アルカリ試薬計 量装置(17)を制御する酸性ガス濃度センサーが取り付けられていることを特 徴とする上記11記載の焼却機。 16.アルカリ試薬の該容器(14)は粉末物質用の貯蔵瓶であることを特徴 とする上記11記載の焼却機。 17.アルカリ試薬の該容器(14)は溶液または懸濁液用の貯蔵タンクであ ることを特徴とする上記11記載の焼却機。』 請求の範囲 1.廃棄物を焼却し必要に応じ後焼却を行い、電気的および/または機械的エ ネルギーを生産するために低温において煙道ガスから熱を回収し、煙道ガス中の 粒状物質の濃度を減少させる工程を含む熱回収部の上手において酸性ガスおよび 粒状物質を除去する廃棄物焼却法において、熱回収部から流れ出る低温の煙道ガ スを循環させ、これを該焼却により得られる高温の煙道ガスと混合することによ り該温度の低下および粒状物質の濃度の減少を行うことを特徴とする方法。 .酸性ガスおよび粒状物質の放出を低下させる施設と組み合わされ、水蒸気 タービン交流発電機(11)が付属している廃棄物焼却機において、炉(2)お よび必要に応じ後焼却室(6)を含む焼却機、熱回収ボイラー(7)、該ボイラ ーを熱源とする水蒸気タービン交流発電機(11)、および酸性ガスおよび粒状 物質の放出を減少させる施設を含み、該酸性ガスおよび粒状物質の放出を減少さ せる施設は焼却機自身(2,6)と該ボイラー(7)との間に取り付けられてお り、且つ − ボイラー(7)の上手に配置された焼却機自身から流れ出る煙道ガスの中 和反応器(12)、 − 該ボイラー(7)から流れ出る煙道ガスの主要部分(FR)を該反応器( 12)へ運ぶ循環用のファン(13)、 − アルカリ試薬を含む容器(14)、 − 該アルカリ試薬の計量装置(17)、 − 該循環用の反応器(12)の内部にアルカリ試薬を担持するガスを吹き込 む送風装置(15)、 − 該ボイラー(7)の上手に取り付けられ、中和反応器(12)から流れ出 る煙道ガスから粒状物質を分離する分離装置(20)を含んでいることを特徴と する廃棄物焼却機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI F23J 15/00 9729−4D B01D 53/34 118A 15/04 9729−4D 118Z (72)発明者 パリツト,マルチエロ イタリア・アイ−00168ローマ・ビアソレ レマルキシオ8 (72)発明者 ベルドネ,ニコラ イタリア・アイ−00199ローマ・ビアガラ エシダマ5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.廃棄物を焼却し必要に応じ後焼却を行い、電気的および/または機械的エ ネルギーを生産するために低温において煙道ガスから熱を回収し、煙道ガス中の 粒状物質の濃度を減少させる工程を含む熱回収部の上手において酸性ガスおよび 粒状物質を除去する廃棄物焼却法において、熱回収部から流れ出る低温の煙道ガ スを循環させ、これを該焼却により得られる高温の煙道ガスと混合することによ り該温度の低下および粒状物質の濃度の減少を行うことを特徴とする方法。 2.熱の回収を行う前に、互いに混合された低温および高温の該煙道ガスから 該煙道ガスによって運ばれる粒状物質を分離することを特徴とする請求項1記載 の方法。 3.該低温の煙道ガスを該高温の煙道ガスと混合する前に、該低温の煙道ガス の脱酸を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。 4.循環させた低温の煙道ガスと混合された焼却によって得られる高温の煙道 ガスを、アルカリ試薬と反応させることにより酸性ガスおよび粒状物質の放出の 低下をさらに増強させることを特徴とする請求項1記載の方法。 5.大気と連絡した放出ダクトへと向かっている煙道ガスから少量の煙道ガス を分離してこれをアルカリ試薬の担体として使用し、この際該煙道ガスは予め濾 過されていることを特徴とする請求項4記載の方法。 6.該アルカリ試薬はナトリウム化合物であることを特徴とする請求項4およ び5記載の方法。 7.該アルカリ試薬は炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムであることを特 徴とする請求項6記載の方法。 8.該アルカリ試薬は粉末であることを特徴とする請求項4〜7記載の方法。 9.該アルカリ試薬は溶液であることを特徴とする請求項4〜7記載の方法。 10.該アルカリ試薬は懸濁液に懸濁されていることを特徴とする請求項4〜 7記載の方法。 11.酸性ガスおよび粒状物質の放出を低下させる施設と組み合わされ、水蒸 気タービン交流発電機(11)が付属している廃棄物焼却機において、炉(2) および必要に応じ後焼却室(6)を含む焼却機、熱回収ボイラー(7)、該ボイ ラーを熱源とする水蒸気タービン交流発電機(11)、および酸性ガスおよび粒 状物質の放出を減少させる施設を含み、該酸性ガスおよび粒状物質の放出を減少 させる施設は焼却機自身(2,6)と該ボイラー(7)との間に取り付けられて おり、且つ − ボイラー(7)の上手に配置された焼却機自身から流れ出る煙道ガスの中 和反応器(12)、 − 該ボイラー(7)から流れ出る煙道ガスの主要部分(FR)を該反応器( 12)へ運ぶ循環用のファン(13)、 − アルカリ試薬を含む容器(14)、 − 該アルカリ試薬の計量装置(17)、 − 該循環用の反応器(12)の内部にアルカリ試薬を担持するガスを吹き込 む送風装置(15)、 − 該ボイラー(7)の上手に取り付けられ、中和反応器(12)から流れ出 る煙道ガスから粒状物質を分離する分離装置(20)を含んでいることを特徴と する廃棄物焼却機。 12.該ボイラー(7)の下手に取り付けられた煙道ガスの脱酸装置(21) をさらに含んでいることを特徴とする請求項11記載の焼却機。 13.該循環用のファン(13)の上手に弁(18)が取り付けられ、この弁 は該反応器(12)の下手に配置された温度調節器(19)ににより調節される ことを特徴とする請求項11記載の焼却機。 14.該吹き込み装置(15)の上手にバグフィルター(8)が取り付けられ ていることを特徴とする請求項11記載の焼却機。 15.該反応器(12)の下手に、酸性ガスの濃度を測定し該アルカリ試薬計 量装置(17)を制御する酸性ガス濃度センサーが取り付けられていることを特 徴とする請求項11記載の焼却機。 16.アルカリ試薬の該容器(14)は粉末物質用の貯蔵瓶であることを特徴 とする請求項11記載の焼却機。 17.アルカリ試薬の該容器(14)は溶液または懸濁液用の貯蔵タンクであ ることを特徴とする請求項11記載の焼却機。
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