JPH10500852A - 遺伝子治療のための安全なベクター - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、宿主細胞内への転写の際に排除することが意図される配列を、順向き反復と隣接して含有するレトロウイルスベクターを提供する。好ましい態様において、排除が意図される配列はレトロウイルスのシス作用性エンカプシデーション配列(E)であり、これはヘルパー細胞内でのウイルスの産生に必須の配列である。遺伝子治療に応用する場合、E配列が標的細胞への転写の際に排除されることによって、複製コンピテントウイルスが感染した際にもレトロウイルスベクターの非標的細胞への拡散が防がれる。本発明のレトロウイルスベクターは、遺伝子治療において、安全なベクターとなる。
Description
【発明の詳細な説明】
遺伝子治療のための安全なベクター
レトロウイルスベクターは哺乳類の細胞中へ新たな遺伝情報を導入するための
有用な手段を提供する。レトロウイルスベクターは複製欠陥であるようにデザイ
ンされているが、それでもなお遺伝子治療に用いる場合には、予期しない複製可
能ウイルスが存在する結果、宿主中でウイルス複製が生じるという危険性が残っ
ている。本発明はこの安全性の問題を、ヘルパー細胞内でウイルスの産生に必須
のエンカプシデーション配列(E)に隣接して順向き反復(direct repeats)を有
するレトロウイルスベクターを用いて解決するものである。このE配列は標的細
胞内への逆転写の際に除かれ、このため複製コンピテントウイルスの感染が生じ
た際にもレトロウイルスベクターの非標的化細胞内への拡散が防止される。本発
明の他の安全特性は、E-ベクターがヘルパー細胞内での組換えによる野生型ウ
イルスの生成の危険性を減少させるという点にある。先行技術におけるレトロウ
イルスのベクターにおいては、ヘルパー細胞内でヘルパー細胞のウイルスタンパ
ク質コード化遺伝子とレトロウイルスベクターの間の組換えが起こり、複製可能
ウイルスが生成され得る。これらのベクター中において、E配列が高率で除かれ
るので、複製可能ウイルスを生成するような組換えが起こる危険性が減少する。
本発明のレトロウイルスベクターは従って、遺伝子治療のための安全なベクター
として提供される。
レトロウイルスは、RNAウイルスであり、二本鎖DNA中間体を介して複製
する。レトロウイルスが宿主細胞へ感染した後、レトロウイルスのゲノムRNA
が二本鎖DNAの形に逆転写される。このDNAは宿主のゲノム内へインテグレ
ートされ、プロウイルスを生成する。逆転写にはプライマー結合部位(pbs)
、末端長反復(long terminal repeats:LTRs)の反復(R)領域およびポ
リプリントラクト(ppt)を含むシス-作用性(cis-acting)ウイルス配列が必
要である。ウイルスの末端結合部位(att)はプロウイルスの宿主ゲノム内へ
の
インテグレーションを仲介する。インテグレートされたプロウイルスは全長、そ
してスプライスされたmRNAへと転写される。これらのRNAはウイルス性タ
ンパク質を翻訳する際の鋳型として用いられる。全長のmRNAはウイルスタン
パク質によりパッケージされる。このウイルス性タンパク質はウイルスRNAを
シス作用性E配列によって認識する。ウイルス粒子もしくはビリオンは、細胞膜
からの出芽により細胞の外へ出る。
レトロウイルスの一部分を含有するレトロウイルスベクターは、異種DNAを
真核細胞内へ導入するのに用いられている。レトロウイルスベクターは通常、パ
ッケージング、逆転写およびインテグレーションに必要なシス作用性配列を有し
ている。しかしながら、これらのベクターは複製インコンピテントである、とい
うのは、レトロウイルス構造遺伝子に欠損を有しているからである。ヘルパーウ
イルスDNAを含有するヘルパー細胞は、不完全ウイルス遺伝子産物を供給する
。即ち、複製インコンピテントなレトロウイルスをヘルパー細胞内へトランスフ
ェクトすることによって、レトロウイルスのRNAはパッケージ化され、ベクタ
ーウイルス粒子として放出される。ヘルパーウイルスはシス作用性機能を欠損し
ているため、自己のRNAはパッケージ化されずヘルパーを含有しないウイルス
のストックを産生し得る。放出されたベクター含有粒子は、標的細胞内への外来
DNAの導入に用いることができる。
レトロウイルスベクターを遺伝子治療に用いる上での安全性についての問題は
、内因性レトロウイルスがヘルパーウイルスとして作用する可能性があることに
より生じている。これは治療用遺伝子を含有するレトロウイルスベクターの複製
、そして該ベクターの非標的細胞内への拡散につながる。さらに、複製可能なウ
イルスの複製が、レトロウイルスベクターとヘルパーウイルスの間の組換えによ
り生じ得る。この安全性の問題に向けての先行技術における試みは、ヘルパーセ
ルラインがレトロウイルスベクターと最小のオーバーラップ配列を含有するよう
、再デザインすること(ボリス-ローリーとテミン(Boris-Lawrie and Temin)1993
カレント・オピニオン・イン・ジェネティクス・アンド・デベロップメント3:102)お
よびプロモーター欠損レトロウイルスベクターを構築すること(テミンら、米国
特許第4,980,289)である。
本発明はこの安全性の問題を新規なアプローチによって解決するものであり、
シス作用性エンカプシデーション配列を標的細胞内への逆転写の際に排除するこ
とによって自己不活性化するレトロウイルスベクターを提供する。
レトロウイルスゲノムは、置換、ハイパーミューテーション、フレームシフト
および欠損などの変異を頻繁に受けている。脾臓壊死ウイルス(SNV)ベース
のレトロウイルスベクターを用いて、パサク(Pathak)とテミン(1990、プロシー
デイングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー87:
6019)は変異、ハイパーミューテーションおよび順向き反復を含む変異のホット
スポットのブロードなスペクトルを同定した。2つの隣接した110ヌクレオチ
ドの反復配列を有するベクターにおいて、順向き反復の1個の欠失は41%のプ
ロウイルスクローンにおいて認められた。パサクとテミン(1990プロシーデイン
グス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス87:6024)はいくつかの
変異が、逆転写酵素の低いプロセッシビティー(processivity)により鋳型の誤読
が生じたことに起因すると示唆した。
本発明において、逆転写酵素の低いプロセッシビティーを特定の配列が選択的
に、標的細胞内への複製の際に排除されるようなベクターを提供するよう、操作
し得ることを見いだした。コード領域または調節配列内へ挿入されている配列を
選択的に排除することにより、該配列が再構築および活性化される。選択的排除
というこの発見はまた、特定の配列、例えばシス作用性E-配列、がヘルパー細
胞内でのウイルス産生時には保持されているが、続く標的細胞の感染の際には排
除されるようなレトロウイルスベクターの発明を導いた。本発明のレトロウイル
スベクターはこうして、既知の遺伝子治療のためのレトロウイルスベクターの欠
点を解決する。
本発明はパッケージング、逆転写およびインテグレーションに必要なシス作用
性レトロウイルス配列、および標的細胞内への逆転写の際に排除されることが意
図されている配列に隣接した順向き反復を含有するレトロウイルスベクターに関
する。他の態様において、レトロウイルスベクターはさらに非レトロウイルス配
列挿入のための制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有する。他の態様において、
レトロウイルスベクターはさらに非レトロウイルス配列を有する。好ましい態様
においては、この非レトロウイルス配列は遺伝子治療に有用なポリペプチドまた
はタンパク質のコード領域を有し、そしてこのコード領域はレトロウイルスプロ
モーターまたは非レトロウイルスプロモーターの制御下にある。他の好ましい態
様においては、排除させることが意図される配列はレトロウイルスのエンカプシ
デーション配列である。
本発明はさらに、本発明のベクターを含有する宿主細胞を提供する。
本発明はまたさらに、本発明のレトロウイルスベクターから生成されるビリオ
ンに関する。
本発明はさらに、本発明のレトロウイルスベクターを含有するキット、および
該ベクター、ビリオンまたは本発明のベクターにより形質転換されたヘルパー細
胞を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、レトロウイルスからエンカプシデーション配列のごときウイル
ス配列または非ウイルス配列を排除する方法にも関する。挿入された不活性化配
列を除いて遺伝子の機能を活性化させる方法もまた本発明の範囲である。
ベクター、ビリオン、または本発明のベクターでトランスフェクトされたヘル
パー細胞を標的細胞内へ導入する操作を含む遺伝子治療方法もまた提供する。
図1は脾臓壊死ウイルス(SNV)ベースのシャトルベクターJJ-A2ne
oおよびDHH-N-2neoの模式図、プロウイルス調製のための操作方法およ
びエンカプシデーション配列を除いた後のJJ-A-2neoの模式図である。
図2はSNVベースのシャトルベクターであるJJ-Neo−eo、プロウイ
ルス調製のための操作方法およびエンカプシデーション配列を除いた後のJJ-
Neo−eoの模式図である。
図3はSNVベースのシャトルベクターJJ-Ne-eo-Ires/hygro
の模式図である。
図4はレトロウイルスシャトルベクターpVP212の構築の模式図である。
図5はエンカプシデーション配列を除いた後のシャトルベクターJJ-Ne-e
o-Ires/hygroの模式図である。
本発明は、パッケージング、逆転写およびインテグレーションに必要なシス作
用性レトロウイルス配列、および宿主細胞への逆転写の際の除去が意図される配
列に隣接した順向き反復を有する、レトロウイルスベクターに関する。本発明の
レトロウイルスベクターはヘルパー細胞内へトランスフェクトでき、このヘルパ
ー細胞は組換えレトロウイルスを産生し得ることを見いだした。この組換えレト
ロウイルスを含有するビリオンは標的細胞を感染させるのに用いられる。レトロ
ウイルスのRNAが標的細胞内へ逆転写された時、順向き反復の上流(5'側)
コピーと順向き反復の間にある配列が除かれる。高効率での排除を達成し得る。
好ましい態様において、この順向き反復が隣接する配列はシス作用性レトロウ
イルスエンカプシデーション(E)配列である。E配列はベクターがヘルパー細
胞内へトランスフェクトされる際に保持され、ここではE配列は組換えレトロウ
イルスの産生に必須である。しかしながら、標的細胞が組換えレトロウイルスで
感染された場合、逆転写は5'順向き反復およびE配列が除かれたプロウイルス
のDNAを産生する結果となる。プロウイルスDNAは転写によりRNAを生成
するが、RNAはE配列を排除しているために、感染性ウイルス粒子としてパッ
ケージされることはない。即ちE配列に順向き反復が隣接している本発明のレト
ロウイルスベクターは、「自己不活性化レトロウイルスベクター」なのである。
標的細胞内への逆転写の際にシス作用性E配列が高効率で除かれるため、レト
ロウイルスベクターから誘導される感染性ウイルス粒子は、たとえ複製コンピテ
ントウイルスの感染の場合であっても生成されない。こうして本発明のレトロウ
イルスベクターは、レトロウイルスベクターが標的細胞から非標的細胞へ拡散す
るという、遺伝子導入における安全性の問題を克服した。本発明のレトロウイル
スベクターの他の安全性の特徴は、組換えによる複製コンピテントウイルス生成
の危険性が減少することにある。
本発明のレトロウイルスベクターは、パッケージング、逆転写およびインテグ
レーションに必要なシス作用性レトロウイルス配列、および宿主細胞内へ逆転写
される際に除かれるべき配列に隣接した順向き反復を有する。他の態様において
は、本発明のレトロウイルスベクターはさらに制限エンドヌクレアーゼ認識部位
を有する。さらに他の態様においては、本発明のレトロウイルスベクターはさら
に非レトロウイルス配列を含有する。
シス作用性レトロウイルス配列はレトロウイルスから誘導しても、既知のレト
ロウイルスの配列に基づいて当業者に知られている方法によって合成してもよい
。重要なシス作用性レトロウイルス配列は当業者に知られており、現在用いられ
ているレトロウイルスベクターのほとんどに存在するものである。この配列につ
いては、ボリス-ローリーとテミンの(Boris-Lawrie and Temin)1993,カレン
ト・オピニオン・イン・ジェネティクス・アンド・ディベロップメント3:102に記載さ
れている。逆転写に必要なシス作用性配列にはプライマー結合部位(pbs)、
長い末端反復(LTRs)の反復領域(R)およびポリプリントラクト(ppt
)を含む。ウイルス性DNAを宿主のゲノム内へインテグレーションするために
必要なシス作用性配列は末端結合部位(att)である。このシス作用性E配列
またはパッケージング配列は、通常はLTRのユニーク5'(U5)領域とgag
の始まりの間に位置している。数多くのレトロウイルスにおいてE配列の同定が
なされているが、例としてはネズミ白血病ウイルス(MLV)(ベンダー)Bend
erら、1987、ジェイ・バイロール(J.Virol.)61:1639)、1型ヒト免疫不全ウイル
ス(レベル(Lever)ら、1989、ジェイ・バイロール62:4085;ワタナベら1982、プロ
ック・ナツル・アカド・サイ(Proc.Natl.Acad.Sci.)78:5986)、トリ白血病ウイルス
(ワタナベら、1982)、メゾン-ファイザーサルウイルス(MPMV)(国際出願PCT/GB93
/01620)および脾臓壊死ウイルス(SNV)(ワタナベら、1982)が含まれる。
順向き反復はここでは約50%から約100%の同一性を有するホモロガスな
対の配列と定義する。好ましい態様において、順向き反復は全体の同一性が50
〜100%の間である反復が、100%の同一性を有する10から20塩基対か
ら構成されているものである。他の好ましい態様においては、順向き反復は約7
5から約100%の同一性を有する対の配列からなる。最も好ましい態様におい
ては、この対の同一性は100%である。
本発明のレトロウイルスベクターにおける順向き反復の選択は、当業者が行う
べき設計事項である。好ましい態様において、順向き反復の長さは約300から
約2000塩基対であるが、より長い、あるいはより短い順向き反復もまた、本
発明の範囲内である。当業者は、ヘルパー細胞をレトロウイルスベクターにより
トランスフェクトし、ウイルスを回収し、得られたウイルスで許容標的細胞を感
染させ、プロウイルスDNAを再生することによって適当な長さおよび内容の反
復を選ぶことができる。プロウイルスDNAを、例えば配列決定または制限酵素
分析によって1個の反復と介在配列が除かれたかどうかについて確認し得る。よ
り好ましい態様においては、順向き反復の長さは約300塩基対から約1300
塩基対であり、順向き反復およびこの反復配列の隣接配列を除く効率は約100
%である。約100%の排除効率を得ることが、排除しようとする配列がE配列
であり、ベクターを遺伝子治療に用いようとする場合には特に望まれる。しかし
ながら、ある態様においてはさらなる選択ステップを採用することにより、排除
効率が25-40%という低いものも受け入れ可能である。さらなる選択ステッ
プとは、例えば機能性選択マーカー遺伝子が順向き反復のうちの1個の反復ユニ
ットおよびこの反復に隣接する配列の排除の後に再構築される場合に用いてもよ
い。neoのごとき選択マーカー遺伝子をこの選択ステップに用いてもよい。n eo
遺伝子はネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコードするものであり、
ネオマイシン類縁体のG418に対する抵抗性を発現する。例えばベクターがn eo
遺伝子の最初の2/3(ne)をE配列の上流(5'側)に、neoの後の
2/3(eo)をE配列の下流(3'側)に含有するように配してもよい。ne
oの真ん中に位置する1/3(e)はしたがって順向き反復となり、上流の順向
き反復(e)および順向き反復間の全ての挿入配列(E)によりneo遺伝子機
能が不活性化されている。逆転写において、neo遺伝子中間部1/3の第1の
コピーはE配列と共に排除され、その結果、機能性のneo遺伝子が再構築され
る。ネオマイシン耐性のものを選択することはしたがって、得られるプロウイル
スの100%からE配列が除かれていることを保証することになる。
機能性遺伝子または調節配列を再構築させることから、本発明のレトロウイル
スベクターはまた「自己活性化」ベクターでもある。排除効率の監視に有用な選
択マーカー遺伝子の再構築に加えて、本発明においては、他の遺伝子の再構築も
考慮に入れられている。遺伝子治療に有用な遺伝子産物の機能性コード配列の再
構築は、特に好ましい。他の好ましい態様は、毒素の再構築であり、これによっ
て、例えば腫瘍部位へ毒素を導いたり、標的細胞内における再構築によって活性
化して、標的細胞を殺したりすることができる。機能性遺伝子の再構築は特に有
用な態様である、というのは、遺伝子は標的細胞への感染の際の順向き反復の間
の配列の排除によってのみ活性とされるからである。
順向き反復の間の配列は、排除が意図されるいかなる配列であってもよい。好
ましい態様においては、排除が意図される配列はE配列である。他の好ましい態
様においては、ある配列が順向き反復の上流側と共に挿入不活性化配列となって
おり、これを除くことによって機能性の遺伝子が構築される。排除しようとする
配列の長さはレトロウイルスベクター内へ外来配列を挿入する際の長さの制限に
より制限され、この長さは約8から10キロベース(ボリス-ローリーとテミン
、1993)である。排除しようとする配列が長くなれば、排除効率が低下する
が、当業者であれば所望の排除効率を得るための挿入長さを容易に決めることが
できる。臨床用途には、上記の第2選択ステップを併用して、100%の排除を
確保すればよい。当業者は排除の効率を、感染細胞からプロウイルスDNAを回
収し、プロウイルスのプラスミドを制限分析によって調べて測定することができ
る。
本発明のレトロウイルスベクターはまた、非レトロウイルス配列を含有するも
の、または非レトロウイルス配列を挿入するための少なくとも1個の制限部位を
有するものであってよい。非レトロウイルス配列は、組換えタンパク質産生のた
め、遺伝子治療および疾患処置のための遺伝子を発現させ得る。非レトロウイル
ス遺伝子はレトロウイルスベクターのプロモーターの制御下にあってもよく、ま
たは非レトロウイルスプロモーターをベクター内へ導入して、非レトロウイルス
遺伝子の発現を制御させてもよい。1以上の転写ユニットを含有させることは、
エンハンサー配列または内部リボソームエントリー部位(IRES)のごとき調
節配列を導入するごとく、LTR駆動性ポリシストロン性RNAの翻訳調節を期
待してのことである。制限部位は制限エンドヌクレアーゼによる切断のための認
識部位であり、当業者にはよく知られている。
好ましい態様において、非レトロウイルス性配列は生理活性タンパク質、すな
わちこの生理活性タンパク質が発現される細胞の、細胞機能に影響をおよぼすポ
リペプチドもしくはタンパク質をコードする。例えば、生理活性タンパク質は細
胞の正常な増殖あるいは哺乳類の健康維持に必須のタンパク質であってもよい。
生理活性タンパク質はまた、哺乳類中で製造されているタンパク質の量を増やす
かあるいは、哺乳類中に存在する望ましくない分子を抑制あるいは中和するタン
パク質を提供することによって、タンパク質を供給あるいは排除して哺乳類の健
康を増進させるものであってもよい。生理活性タンパク質はまた、新たな遺伝子
治療の開発あるいは細胞の機構の解明の研究に有用なタンパク質であってもよい
。
生理活性タンパク質は、ヒト身体の正常な成長または修復に必須のものであっ
てもよい。生理活性タンパク質はまた、ガン、アテローム性動脈硬化症、鎌状赤
血球貧血および地中海貧血のごとき疾病の克服に有用なものであってもよい。か
かる生理活性タンパク質の例としては、ヘモグロビン(α、βまたはγ-グロビ
ン)、例えば顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロ
ファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF
)およびエリスロポイエチン(EPO)などの造血成長因子等が挙げられる。他
の例としては、ガン、特に腫瘍の治療に用い得る分子である腫瘍壊死因子(TN
F)も挙げられる。腫瘍抑制因子p53およびレチノブラストーマ(RB)もま
た、用い得る。さまざまなサイトカイン類、例えば、肥満細胞成長因子、および
インターロイキン1〜11もまた、本発明の方法を適用し得るタンパク質である
。p-グリコプロテインをコードする多剤抵抗性遺伝子(mDR)もまた、本発
明の非レトロウイルス配列として用い得る。生理活性タンパク質はまた、真核細
胞において抗生物質耐性にて選択し得るマーカーであってもよい。他の選択マー
カー、例えばアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)欠損細胞
内のAPRTまたは蛍ルシフェラーゼ遺伝子もまた含まれる。生理活性タンパク
質は宿主に対して付加的なまたは変化した酵素活性を付与するタンパク質、例え
ば単純
ヘルペスウイルスチミジンキナーゼタンパク質、であっても、またはジフテリア
毒素のごとき毒素であってもよい。これらのタンパク質をコードする遺伝子を得
るために、既知の様々な方法のうちのいずれを用いてもよく、例えばルーチンク
ローニング法(サンブルックら、(1989)モレキュラー・クローニング:ア・ラボ
ラトリー・マニュアル、コールドスプリングハーバー・ニューヨーク)、目的の
遺伝子を含有するベクターからの切り出しあるいは公開されている配列の情報に
基づいた、化学的あるいは酵素的合成等の方法が挙げられる。多くの場合におい
て、目的のタンパク質をコード化するDNAは市販のものを入手することができ
る。
他の態様において、非レトロウイルス配列は非生理活性タンパク質、例えば毒
素あるいは選択マーカーをコードするものである。
他の好ましい態様において、非レトロウイルス配列は目的とするmRNAある
いはDNAにハイブリダイズするのに十分な相補性を有するRNA分子へと転写
され得るものである。かかるRNA分子を以下アンチセンスRNAと呼び、これ
は過剰産生された、欠失しているあるいはその他の好ましくない分子の発現の抑
制あるいは制御に有用である。本発明のベクターには、非レトロウイルス配列と
して、標的配列と結合するのに十分な標的配列に対する相補性を有するアンチセ
ンスRNAをコードする配列を含有していてもよい。標的配列としては、例えば
ポリペプチドをコードするmRNAの一部であってもよく、この場合にはこのm
RNAと結合して、そのポリペプチドへの翻訳を抑制することができる。他の態
様においては、標的配列が転写に必須の遺伝子のセグメントであって、アンチセ
ンスRNAがこのセグメント(例えばプロモーターまたはコード領域)に結合し
、転写を抑制または制限する。従って、アンチセンスRNAは標的mRNAの翻
訳または標的DNAの転写を抑制するのに十分な長さおよび相補性を有していな
くてはならない。
好ましい態様においては、アンチセンスRNAは15マーであり、100%の
相補性を標的配列に有する。当業者であれば、より長いかより短いアンチセンス
分子について、アンチセンス分子が標的配列に結合して、この結合によって翻訳
あるいは転写を抑制し得るのに十分である標的配列に対する相補性を有するもの
を検索することが可能である。非レトロウイルス配列は、例えば化学的もしくは
酵素的合成により、あるいは市販のものより入手することができる。他の好まし
い態様において、非レトロウイルス配列はリボザイムとなるRNAへと転写され
得るものであってもよい。リボザイムとは標的配列に対する酵素活性と特異性を
有するRNAである。リボザイムをコードする配列は当業者によく知られている
。
本発明のレトロウイルスベクターにはまた、ベクターの増殖および単離、およ
びプロウイルスDNAのクローニングを容易にする他の配列要素を含有していて
もよい。かかる要素には例えば、選択マーカー遺伝子および細菌内での増殖させ
るための複製起点が含まれる。例えば、本発明のレトロウイルスベクターを含有
する宿主細胞のごとき、細菌内での増殖を付与するレトロウイルスシャトルベク
ターが好ましい。本明細書において、宿主細胞は本発明のレトロウイルスベクタ
ーを標準的な方法で導入し得るすべての細胞を意味する。標準的な方法は当業者
に知られているか、当業者が発見し得る方法であり、例えばサンブルックら(198
9)に記載されている。好ましい態様においては、宿主細胞は細菌細胞である。
本発明のレトロウイルスベクターは、標準的なDNA組換え方法によって構築
し得る。かかるベクターを調製する標準的な手法は当業者によく知られており、
例えばサンブルックら(1989)や、広く入手可能な他の数多くの組換えDNA技術
の実験室マニュアルに記載されている。さまざまな戦略を用いてDNAのライゲ
ートできるが、その選択はDNAフラグメントの末端の性質に依存して行われる
、またこれは当業者により容易に決定され得る。
本発明のレトロウイルスベクターは、適当なヘルパー細胞内へ、当業者によく
知られた標準的な方法によってトランスフェクトされる。好ましいヘルパー細胞
は以下に、レトロウイルスから転写されたRNAのパッケージング、およびベク
ターウイルス粒子もしくはビリオンの放出に十分なヘルパーウイルスを含有する
細胞と定義付ける。一般に、ヘルパーウイルスはトランス作用性ウイルス配列を
含有するが、パッケージングに必要なシス作用性配列を欠いている。かかるヘル
パーウイルスは当業者に知られており、また入手可能であり、例えばC3A2細
胞が含まれる。
トランスフェクトされた細胞から産生された組換えレトロウイルスは標準的な
方法にて回収できる、回収されたレトロウイルスは、ビリオンの形態であり、標
準的な手法を用いて許容標的細胞を感染させるのに用いられる。本明細書におい
ては、標的細胞は、本発明のレトロウイルスベクターによって産生されたウイル
スによって感染し得る細胞の全てと定義する。標的細胞はインビボであってもエ
キソビボであってもよい。代表的な標的細胞には、例えば骨髄幹細胞、肝細胞、
筋肉細胞、腫瘍細胞および気道上皮細胞が含まれる。標的細胞内で形成されるプ
ロウイルスは従って、遺伝子交換または非レトロウイルス配列を発現し得る。プ
ロウイルスがシス作用性E配列を含有しないため、内在性ヘルパータンパク質は
このプロウイルスからの感染性ウイルスの産生を開始させることができない。
他の観点から、本発明はレトロウイルスからある配列を排除する方法を提供す
る。この方法においては、順向き配列隣接排除所望配列を含有するレトロウイル
スベクターをヘルパー細胞へトランスフェクトさせ、このヘルパー細胞から産生
されるウイルスを回収し、標的細胞を該ウイルスにて感染させる。好ましい態様
において、排除しようとする配列は、エンカプシデーション配列である。
本発明はさらに、遺伝子の機能を活性化させる方法を提供する。この方法には
、順向き配列の上流側および排除しようとする配列が挿入部分となって機能性遺
伝子を不活性化させるように順向き反復隣接配列を含有するレトロウイルスベク
ターでヘルパー細胞をトランスフェクトすることを含む。ウイルスをヘルパー細
胞から回収し、標的細胞を、このウイルスにて感染させる。標的細胞内への逆転
写により、挿入不活性化配列が除かれ、遺伝子の機能が再構築される。
治療有効量のベクター、ビリオンまたは本発明のベクターによってトランスフ
ェクトされたヘルパー細胞を、標的遺伝子内へ導入する遺伝子治療方法もまた、
提供される。ある態様においては、本発明のレトロウイルスベクターにより産生
されたレトロウイルスを含有するベクターおよび好ましいヘルパー細胞、または
ビリオンを用いて、治療が必要な患者由来の標的細胞をエキソビボにて感染させ
、次いで感染させた細胞を患者へ、例えば移植あるいは静脈内輸注もしくは注入
に
よって戻してもよい。これらのビリオンには、標的細胞内への逆転写後に複製イ
ンコンピテントとなるレトロウイルスが含まれているため、ヘルパーウイルスが
存在する場合であっても、このビリオンの患者への直接投与、例えば腫瘍細胞へ
の直接投与は安全に行われる。従って他の態様は遺伝子治療の方法であり、治療
有効量の本発明のビリオンを、治療が必要な患者内の標的細胞へ供給、例えば輸
注もしくは注入によって、することを含む方法である。遺伝子治療の他の態様に
おいては、レトロウイルスベクターによってトランスフェクトされたヘルパー細
胞の治療有効量および薬学的に許容される担体を、遺伝子治療が必要な患者へ、
例えば注入や輸注のごとき方法にて投与することを含む。
本発明は、さらに本発明のレトロウイルスベクターを含有するようにしたコン
テナを有するキットも提供する。
本発明はさらに、ベクター、ビリオンまたは本発明のベクターにてトランスフ
ェクトされたヘルパー細胞と薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供す
る。本明細書において、薬学的に許容される担体には溶剤、分散媒、ヘルパー細
胞培地からの培養物、等張剤および類似のものを含む。かかる媒体および剤の医
薬組成物への使用は、当業者によく知られている。従来の媒体または剤のうち本
発明のベクター、ビリオンもしくはヘルパー細胞と共存性で無いものを除き、全
ての媒体および剤が本発明に使用し得る。組成物には他の活性添加剤を添加して
もよい。本発明の医薬組成物は、適当な方法、例えばエアゾールの吸入、注射、
摂食、輸注、埋め込みまたは移植によって、患者に投与すればよい。
以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
本実施例は、順向き反復が隣接するエンカプシデーション配列を含有するレト
ロウイルスベクターの構築を行うものである。
DHH-N-2neoおよびJJ-A2neoと名付けた2つの脾臓壊死ウイル
ス(SNV)由来E-レトロウイルスシャトルベクターを構築し、その概略を図
1に示したDHH-N-2neoおよびJJ-A2neoはエンカプシデーション
配列に隣接した2個のネオマイシン抵抗性遺伝子(neo)完全なコピーを有す
る。2つのベクターにおける相違は、上流neoの位置である。DHH-N-2n
eoにおいてはneoはさらに31bp上流に配置されており、ウイルスのエン
カプシデーション配列以外のものを含有している。neo遺伝子は1323塩基
対の順向き反復を構成し、それぞれE配列を含有する232又は256塩基対に
て分離されている。
第3のE-ベクター,JJ-Neo-eo(図2)を構築した。これはneoの
全体コピーを1個、およびエンカプシデーション配列に隣接したneoの最後の
2/3部分を含有している。このベクターによって異なった長さの順向き反復の
排除効率を調べた。JJ-Neo-eo内の順向き反復はneoの最後の2/3で
あり、800塩基対から構成される。
第4のベクターJJ-Ne-eo-Ires/hygro(図3)を構築した。
これは、neoの最初の2/3および第2のneoの2/3をエンカプシデーシ
ョン配列と隣接するよう含有する。このベクターの順向き反復は400塩基対の
neoの中間部分の配列である。逆転写の間に排除が起こる場合には、エンカプ
シデーション配列およびneoの中間部分の反復コピーのうちの1個が除かれ、
その結果neoが再生される。ネオマイシンのアナログであるG418に対する
耐性による感染細胞の選択により、エンカプシデーション配列が除かれ、もはや
パッケージできないプロウイルスを含有する細胞のみが得られる。
ベクターにはまた、細菌内で増殖するためのpBR複製起点およびlacリプ
レッサーによるプロウイルスDNAの精製とクローニングのためのlacオペレ
ーター配列を含有する。
ベクターを以下のように構築した。ベクターはレトロウイルスのシャトルベク
タープラスミドpVP212(このプラスミドは当業者に知られている(パサク
とテミン(Pathak and Temin)1990プロシーデイングス・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー87:6019))から誘導し、図4に示すよ
うにpUC19、pMCおよびpJD215フラグメントから構築した。
JJ-A2neoの構築:
VP212プラスミドをHind IIIで消化し、neo遺伝子を含有する1.
3kbのフラグメントを取ってゲル電気泳動およびDEAE膜を通して精製した
。挿入物をクレノウDNAポリメラーゼで処理した。VP212プラスミドの他
の試料をAsp718で消化し、クレノウDNAポリメラーゼおよび牛腸ホスフ
ァターゼにて処理した。挿入物をT4DNAリガーゼを用いてベクター内へ連結
させた。構築物の構造をBg1 II制限酵素処理により確認し、新たなプラスミ
ドにJJ-A2neo(図1)と名付けた。
DHH-N-2neoの構築:
VP212プラスミドをHind IIIで消化し、neo耐性遺伝子を含有する
1.3kbのフラグメントを上述のごとく精製した。JJ19のNar Iによる
部分的消化を完了し、JJ19の直鎖状物を単離した。ベクターおよび挿入物の
両方をクレノウDNAポリメラーゼで処理してブラント末端を得、JJ19ベク
ターを牛腸ホスファターゼにて処理して5'末端の脱リン酸化して自己ライゲー
ションを防止した。挿入物はT4DNAポリメラーゼを用いてベクター内へ連結
させた。構築物の構造をBgI IIおよびXba I制限酵素処理により確認し、
新たなプラスミドをDHH10と命名した。
Bam HI制限エンドヌクレアーゼとゲル電気泳動によりneo遺伝子をD
HH10ベクターから単離した。JJ212-EベクターをBam HIにて処理
してこのベクターを直鎖状とした。直鎖状のJJ212-Eベクターを牛腸ホス
ファターゼで処理し、neoカセットをJJ212-Eベクター内へ連結させた
。得られたプラスミドをDHH-2-neoと名付けた(図1)。このプラスミド
には2つのneo耐性遺伝子がエンカプシデーション配列に隣接するよう含まれ
ている。
JJ-Neo-eoベクターの構築:
DHH20プラスミドをAsp718で消化し、クレノウDNAポリメラーゼ
および牛腸ホスファターゼで処理した。VP212プラスミドをHind IIIで
消化し、得られた1.3kbのフラグメントをクレノウDNAポリメラーゼで処
理した。挿入物はT4DNAポリメラーゼにてベクター内へ連結させ、構築物の
構造をBg1 IIおよびHind III制限酵素にて確認した。新たな構築物をJ
J-Neo-eo(図2)と名付けた。
JJ-Ne-eo-Ires/hygroベクターの構築:
DHH20プラスミドをAsp718にて消化し、クレノウDNAポリメラー
ゼおよび牛腸ホスファターゼにて処理した。VP212プラスミドをHind I
IIおよびNco Iにて消化し、800bpのフラグメントをクレノウDNAポ
リメラーゼにて処理した。挿入物をベクター内へT4DNAポリメラーゼを用い
て連結させ、構築物の構造をBg1 IIおよびHind III制限酵素により確認
した。新たな構築物をNe-eoと名付けた。
Ne-eoをHind IIIにて消化し、クレノウDNAポリメラーゼで処理し
てブラント末端を得、牛腸ホスファターゼ処理によって脱リン酸化ならびに自己
連結の防止を確保した。ブルースクリプト(Bluescript)誘導体であり、Ires
/hygroフラグメントを含有するMG7をBamHIで消化し、クレノウD
NAポリメラーゼにて処理した。得られたIres/hygroを含有する1.
6kbのフラグメントをゲルにより精製し、Ne−eoベクターと連結させ、J
J-Ne-eo-Ires/hygro(図3)を生成した。
JJ-A2neoおよびJJ-Ne-eo-Ires/hygroはブダペスト条
約に則って、アメリカ合衆国20852メリーランド、ロックビル、パークロー
ン・ドライブ12301のアリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託
し、ATCC識別番号75780および75781をそれぞれ付与されている。
実施例2
この実施例では、哺乳類ヘルパー細胞への実施例1のレトロウイルスベクター
のトランスフェクション、ウイルスの回収、許容細胞のこのウイルスによる感染
およびプロウイルスDNAの回収および分析を行った。
哺乳類細胞のトランスフェクションおよびウイルス感染:
VP212、JJ-A2Neo、DHH-N2Neo、JJ-Ne-eo、JJ-
Neo-eoおよびJJ-Ne-eo-Ires/hygroを、ウバイン(ouabain
)耐性をコードするプラスミド(pSVα3.6)と共にC3A2ヘルパー細胞内へ
トランスフェクトした。ウバイン耐性C3A2細胞を選択し、ウイルスを標準
的な方法により収穫し、SNV感染許容犬細胞であるD17を感染させた。
JJ-A2NeoおよびDHH-N2Neoの分析:
感染されたD17細胞をG418抵抗性により選択し、表1に示したベクター
についてウイルスの力価を調べた。結果を表1に示す。
これらの結果より、neo遺伝子をE配列上流のASP718制限酵素部位に
挿入することの、ウイルス複製に対する影響は、あるとしても非常に少ないもの
であることがわかる。これに対して、neo遺伝子をASP718制限部位より
31塩基対上流のNar I制限部位に挿入した場合には、ウイルスの力価が顕著
に下がった。
JJ-A2Neo感染細胞の2500のG418耐性コロニーのプールから、
lacリプレッサータンパク質仲介精製によりおよそ700のプロウイルスDN
Aを回収した。プロウイルスDNAを制限地図分析により解析したところ、20
4の解析検体のうちの203検体において1個のneo遺伝子とエンカプシデー
ション配列の排除が認められ、これは排除効率99.5%であったことを示す。
JJ-Ne-eoおよびJJ-Neo-eoベクターもまた、D17細胞に対してG
418抵抗性を効果的に付与した。これらのベクターからのプロウイルスDNA
については解析していない。
排除後のJJ-Ne-eo-Ires/hygroの構造を図5に示した。
HygroおよびG418力価を表2に示した。
これらのデータはネオマイシン遺伝子がエンカプシデーション配列の排除によ
って、ウイルス複製一巡後に再構築されたことを示す。neo再構築/E排除の
頻度はおよそ28%であった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 38/43 AED 9735−4B C12N 7/00
48/00 ABX 9735−4B C12N 5/00 B
C07H 21/04 9051−4C A61K 37/02 ADY
C12N 5/10 9051−4C 37/24 ACC
7/00 9051−4C 37/48 AED
//(C12N 5/10
C12R 1:91)
(C12N 7/00
C12R 1:92)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.パッケージング、逆転写およびインテグレーションに必要なシス作用性レト ロウイルス配列、および順向き反復に隣接した、標的細胞内への逆転写の際に排 除しようとする配列を含有する、レトロウイルスベクター。 2.さらに制限酵素認識部位を有する、第1項記載のレトロウイルスベクター。 3.さらに非レトロウイルス配列を含有する、第1項記載のレトロウイルスベク ター。 4.非レトロウイルス配列がポリペプチドまたはタンパク質をコード化するもの である、第3項記載のレトロウイルスベクター。 5.非レトロウイルス配列がレトロウイルスプロモーターの制御下にある、第4 項記載のレトロウイルスベクター。 6.非レトロウイルス配列が非レトロウイルスプロモーターの制御下にある、第 4項記載のレトロウイルスベクター。 7.タンパク質が生理活性タンパク質である、第4項記載のレトロウイルスベク ター。 8.タンパク質が非生理活性タンパク質である、第4項記載のレトロウイルスベ クター。 9.非レトロウイルス配列がアンチセンスRNAへと転写される、第3項記載の レトロウイルスベクター。 10.非レトロウイルス配列がリボザイムへと転写される、第3項記載のレトロ ウイルスベクター。 11.排除しようとする配列が、レトロウイルスのエンカプシデーション配列で ある、第1項記載のレトロウイルスベクター。 12.順向き反復が約300から約2000塩基対で構成されている、第1項記 載のレトロウイルスベクター。 13.順向き反復が約300から約1300塩基対で構成されている、第12項 記載のレトロウイルスベクター。 14.順向き反復が約1300塩基対で構成されている、第13項記載のレトロ ウイルスベクター。 15.順向き反復の1個およびこの順向き配列の隣接する配列の排除によって、 タンパク質またはポリペプチドの再構築が導かれる、第1項記載のレトロウイル スベクター。 16.第1項記載のベクターを含有する宿主細胞。 17.宿主細胞が細菌細胞である、第16項記載の宿主細胞。 18.第1項記載のレトロウイルスベクターを含有するヘルパー細胞。 19.第18項記載のヘルパー細胞より産生される、ビリオン。 20.順向き反復が隣接するエンカプシデーション配列を含有する、組換えレト ロウイルス。 21.順向き反復が約300から約2000塩基対で構成されている、第20項 記載の組換えレトロウイルス。 22.順向き反復が約300から約1300塩基対で構成されている、第21項 記載の組換えレトロウイルス。 23.順向き反復が約1300塩基対で構成されている。第22項記載の組換え レトロウイルス。 24.第20〜23項いずれかに記載のレトロウイルスにより感染された、標的 細胞。 25.順向き反復が隣接する排除しようとする配列を含有するレトロウイルスベ クターにてヘルパー細胞をトランスフェクトし、該ヘルパー細胞により産生され たウイルスを回収し、標的細胞を該ウイルスにて感染させることを含む、レトロ ウイルスウイルスから配列を排除する方法。 26.配列がレトロウイルスのエンカプシデーション配列である、第25項記載 の方法。 27.順向き反復が隣接する排除しようとする配列を含有しており、該順向き反 復の上流側と排除しようとする配列が、機能性遺伝子中に挿入されて、これを不 活性化しているレトロウイルスベクターにてヘルパー細胞をトランスフェクト し、このヘルパー細胞により産生されたウイルスを回収し、標的細胞を該ウイル スにて感染させることを含む、遺伝子の機能を活性化させる方法。 28.遺伝子治療が必要な患者から標的細胞を単離し、該標的細胞を第1項記載 のレトロウイルスベクターにてトランスフェクトされたヘルパー細胞により産生 されたビリオンにて感染させ、該標的細胞を該患者内へ再導入することを含む、 遺伝子治療方法。 29.遺伝子治療が必要な患者へ、第1項記載のレトロウイルスベクターにより トランスフェクトされたヘルパー細胞により産生されるウイルスの治療有効量を 投与することを含む、遺伝子治療方法。 30.遺伝子治療が必要な患者へ、第1項記載のレトロウイルスベクターにより トランスフェクトされたヘルパー細胞の治療有効量を投与することを含む、遺伝 子治療方法。 31.第1項記載のレトロウイルスベクターを含有する、キット。 32.第19項記載のビリオンと、薬学上許容される担体を含有する、医薬組成 物。 33.第1項記載のレトロウイルスベクターと、薬学上許容される担体を含有す る、医薬組成物。 34.レトロウイルスベクターJJ-A-2neo。 35.レトロウイルスベクターJJ-Neo-e。 36.レトロウイルスベクターJJ-Ne-eo-Ires/hygro。
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