JP4486256B2 - 副甲状腺ホルモン(PTH)および副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の生物活性ペプチドおよびペプチド誘導体 - Google Patents

副甲状腺ホルモン(PTH)および副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の生物活性ペプチドおよびペプチド誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
(連邦政府の援助による研究および開発の下でなされた発明に対する権利の陳述)
本発明の開発中に行われた研究の一部は、米国政府基金を利用した。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、新規な副甲状腺ホルモンペプチド(PHT)誘導体および新規な副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)誘導体に関する。特に、本発明は、生物学的活性をなお保持する、PTHおよびPTHrP最小ペプチド、ならびにそれらの誘導体に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
副甲状腺ホルモン(PTH)は、主要な標的細胞が骨および腎臓中に生じるカルシウムホメオスタシスの主要なレギュレーターである。カルシウム濃度の調節は、胃腸系、骨格系、神経系、神経筋系、および心血管系の正常な機能に必要とされる。PTHの合成および放出は、血清カルシウムレベルによって主に制御され;低レベルは、ホルモンの合成および放出の両方を刺激し、そして高レベルは、ホルモンの合成および放出の両方を抑制する。次いで、PTHは、カルシウム交換の3つの部位(腸、骨、および腎臓)にて、血液中へのカルシウムの進入を直接的または間接的に促進することによって、血清カルシウムレベルを維持する。PTHは、ビタミンDの活性形態の腎臓での合成をもたらすことによって、カルシウムの正味の胃腸吸収に寄与する。PTHは、骨吸収細胞である破骨細胞の分化を刺激することによって、間接的に、骨からのカルシウム再吸収を促進する。これはまた、腎臓に対する少なくとも3つの主要な効果(尿細管カルシウム吸収の刺激、リン酸クリアランスの増強、およびビタミンDの活性形態の合成を完了する酵素における増加の促進)を媒介する。PTHは、主に、アデニル酸シクラーゼおよびホスホリパーゼCのレセプター媒介性活性化を通して、これらの効果を発揮する。
【0004】
カルシウムホメオスタシスの破壊は、多くの臨床的な障害(例えば、重篤な骨疾患、貧血、腎臓障害、潰瘍、ミオパシー、および神経障害)を生じ得、そして通常、副甲状腺ホルモンのレベルにおける変化を生じる状態から生じる。高カルシウム血症は、血清カルシウムレベルにおける上昇によって特徴付けられる状態である。これは、しばしば、過剰なPTH産生が上皮小体の病変(例えば、腺腫、過形成、または癌腫)の結果として生じる原発性上皮小体機能亢進症と関連する。別の型の高カルシウム血症である、悪性の液性高カルシウム血症(HHM)は、最も一般的な腫瘍随伴性症候群である。これは、PTHとアミノ酸相同性を共有するタンパク質ホルモンのクラスの腫瘍(例えば、扁平癌、腎臓癌、卵巣癌、または膀胱癌)による産生からのほとんどの例を生じるようである。これらのPTH関連タンパク質(PTHrP)は、PTHの特定の腎臓作用および骨格作用を模倣するようであり、そしてこれらの組織においてPTHレセプターと相互作用すると考えられる。PTHrPは、通常、多くの組織(ケラチノサイト、脳、下垂体、上皮小体、副腎皮質、髄質、胎児肝臓、骨芽細胞様細胞、および乳汁分泌性乳房組織を含む)中で低レベルで見出される。多くのHHM悪性疾患において、PTHrPは、循環系において高レベルで見出され、それによってHHMと関連するカルシウムレベルの上昇を生じる。
【0005】
PTHおよびPTHrPの薬理学的プロフィールは、ほとんどのインビトロでのアッセイ系においてほぼ同一であり、そして上昇した血液レベルのPTH(すなわち、原発性上皮小体機能亢進症)またはPHTrP(すなわち、HHM)は、ミネラルイオンのホメオスタシスに対して匹敵する効果を有する(Broadus,A.E.およびStewart,A.F.「Parathyroid hormone−related protein:Structure,processing and physiological actions」Basic and Clinical Concepts、Bilzikian,J.P.ら編、Raven Press、New York(1994)、259〜294頁;Kronenberg,H.M.ら、「Parathyroid hormone:Biosynthesis,secretion,chemistry and action」Handbook of Experimental Pharmacology,Mundy,G.R.およびMartin,T.J.編、Springer−Verlag,Heidelberg(1993)、185〜201頁)。この2つのリガンドの生物学的活性における類似性は、骨および腎臓において豊富に発現される共通のレセプターであるPTH/PTHrPレセプターとのそれらの相互作用によって説明され得る(Urena,P.ら、Endocrinology 134:451〜456(1994))。
【0006】
ネイティブなヒト副甲状腺ホルモンは、84アミノ酸の非改変ポリペプチドである。これは、低い血液カルシウムレベルに応答して、上皮小体から分泌され、そして骨における骨芽細胞(骨構築細胞)、および腎臓の尿細管上皮細胞に作用する。このホルモンは、骨芽細胞および腎尿細管細胞の両方によって発現される細胞表面レセプター分子(PTH−1レセプターまたはPTH/PTHrPレセプターと呼ばれる)と相互作用する。PTHrP(悪性の液性高カルシウム血症の主要な原因)はまた、発生における役割を含む正常な機能を有する。PTHrPは、141アミノ酸を有するが、選択的遺伝子スプライシング機構から生じる改変体もまた、生じる。PTHrPは、PTH−1レセプターへの結合もまた含むプロセスを通じる骨格の形成における重要な役割を果たす(Karaplis,A.C.ら、Genes and Dev.8:277〜289(1994)およびLanske,B.ら、Science 273:663〜666(1996))。
【0007】
PTH−1レセプターは、ペプチドホルモン(例えば、セクレチン(Ishihara,T.ら、EMBO J.10:1635〜1641(1991))、カルシトニン(Lin,H.Y.ら、Science 254:1022〜1024(1991)およびグルカゴン(Jelinek,L.J.ら、Science 259:1614〜1616(1993))を結合する他のレセプターのメンバーに対して、一次構造において相同であり;ともに、これらのレセプターは、レセプターファミリーBと呼ばれる異なるファミリーを形成する(Kolakowski,L.F.、Receptors and Channels 2:1〜7(1994))。このファミリー内では、PTH−1レセプターは、それが2つのペプチドリガンドに結合し、それによって2つの別々の生物学的プロセスを調節するという点で独特である。最近同定されたPTHレセプターサブタイプ(PTH−2レセプターと呼ばれる)は、PTHを結合するが、PTHrPを結合しない(Usdin,T.ら、J.Biol.Chem.270:15455〜15458(1995))。この観察は、PTHリガンドおよびPTHrPリガンドにおける構造的差異が、PTH−2レセプターとの相互作用についての選択性を決定することを暗示した。このPTH−2レセプターは、脳、膵臓、および血管系において、RNA法によって検出されているが、その生物学的機能は、決定されていない(Usdin,T.ら、J.Biol.Chem.270:15455〜15458(1995))。ファミリーBレセプターは、それら自体の同属ペプチドホルモンを係合する、共通の分子機構を使用すると仮定されている(Bergwitz,C.ら、J.Biol.Chem.271:26469〜26472(1996))。
【0008】
放射性標識したPTH(1〜34)またはPTHrP(1〜36)のいずれかのPTH−1レセプターへの結合は、いずれかの非標識リガンドによって競合的に阻害される(Juppner,H.ら、J.Biol.Chem.263:8557〜8560(1988);Nissenson,R.A.ら、J.Biol.Chem.263:12866〜12871(1988))。従って、PTH−1レセプターの2つのリガンドに対する認識部位は、おそらく重複する。PTHおよびPTHrPの両方において、15〜34の領域は、PTH−1レセプターへの結合に対する主要な決定基(determinant)を含む。これらの領域は、最小の配列相同性(3アミノ酸のみの同一性)を示すが、各々の15〜34ペプチドは、PTH(1〜34)またはPTHrP(1〜34)のいずれかのPTH−1レセプターへの結合をブロックし得る(Nussbaum,S.R.ら、J.Biol.Chem.255:10183〜10187(1980);Caulfield,M.P.ら、Endocrinology 127:83〜87(1990);Abou−Samra,A.−B.ら、Endocrinology 125:2215〜2217(1989))。さらに、各リガンドのアミノ酸末端部分は、生物活性のために必要とされ、そしてこれらは、おそらく、類似の様式にてPTH−1レセプターと相互作用する。なぜなら、これらの残基の13のうちの8は、PTHおよびPTHrPにおいて同一であるからである。
【0009】
PTHおよびPTHrPの両方は、nM範囲の親和性で、PTH−1レセプターに結合し;リガンド−占有レセプターは、中間にヘテロ三量体GTP結合タンパク質(Gタンパク質)を含む機構を通じて、細胞内エフェクター酵素へと細胞膜を横切って「シグナル」を伝達する。PTHまたはPTHrPに応答してPTH−1レセプターによって活性化される一次性細胞内エフェクター酵素は、アデニル酸シクラーゼ(AC)である。従って、PTHは、骨リモデリング(骨形成および骨吸収の両方のプロセス)に関与する、弱く特徴付けられた「下流」の細胞プロセスを調節し続ける、「セカンドメッセンジャー」分子であるサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)における強い増大を誘導する。特定の細胞ベースのアッセイ系において、PTHは、イノシトール三リン酸(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、および細胞内カルシウム(iCa2+)の産生を生じる、AC以外のエフェクター酵素(ホルホリパーゼC(PLC)を含む)を刺激し得る。骨代謝におけるこれらの非cAMPセカンドメッセンジャー分子の役割は、現在未知である。
【0010】
骨粗しょう症は、高齢集団の実質的な部分において、妊娠女性において、および若年においてさえも観察される潜在的な損傷性(crippling)骨格疾患である。この疾患は、骨質量の減少、骨ミネラル密度(BMD)の減少、骨強度の減少および骨折の危険性の増大によって特徴付けられる。現在、エストロゲン、カルシトニンおよびビスホスホネート、エチドロン酸塩およびアレンドロンン酸塩(alendronate)が、骨吸収を減少させるそれらの作用を通して、種々のレベルの成功で、骨粗しょう症を処置するために使用されるが、この疾患についての有効な治療は存在しない。副甲状腺ホルモンは、断続的に投与される場合、血液カルシウムおよびリン酸レベルを調節し、そして動物における骨格に対する強力な同化(骨形成)効果(Shen,V.ら、Calcif.Tissue Int.50:214〜220(1992);Whitefild,J.F.ら、Calcif.Tissue Int.56:227〜231(1995)およびWhitifield,J.F.ら、Calcif.Tissue Int.60:26〜29(1997)、およびヒトにおける骨格に対する強力な同化(骨形成)効果(Slovik,D.M.ら、J.Bone Miner.Res.1:337〜381(1986);Dempster,D.W.ら、Endocr.Rev.14:690〜709(1993)およびDempster,D.W.ら、Endocr.Rev.15:261(1994))を有するので、PTHまたはPTH誘導体は、骨粗しょう症についての新規かつ効果的な治療のための一番の候補である。
【0011】
短縮型PTH誘導体(例えば、PTH(1〜34)およびPTH(1〜31))は、ほとんどのアッセイ系において活性であり、そして骨形成を促進する(Whitefild,J.F.ら、Calcif.Tissue Int.56:227〜231(1995);Whitfield,J.F.ら、Calcif.Tissue Int.60:26〜29(1997);Slovik,D.M.ら、J.Bone Miner.Res.1:337〜381(1986);Tregear,G.W.ら、Endocrinology 93:1349〜1353(1973);Rixon,R.H.ら、J.Bone Miner.Res.9:1179〜1189(1994);Whitfield,J.F.およびMorley,P.、Trends Pharmacol.Sci.16:372〜386(1995)ならびにWhitfield,J.F.ら、Calcif.Tissue Int.58:81〜87(1996))。しかし、これらのペプチドは、効率的な非経口送達のためにはなお大きすぎ、かつ低コストである。PTHまたはPTHrPのさらにより小さな「最小化された」バージョンの発見は、骨粗しょう症のための新しい処置を開発する試みにいて重要な前進である。
【0012】
1〜14の領域において、アミノ酸の置換または欠失を有する、PTH誘導体およびPTHrP誘導体は、通常、活性の減少を示す(Tregear,G.W.ら、Endocrinology 93:1349〜1353(1973);Goltzman,D.ら、J.Biol.Chem.250:3199〜3203(1975);Horiuchi,N.ら、Science 220:1053〜1055(1983)およびGardella,T.J.ら、J.Biol.Chem.266:13141〜13146(1991))。
【0013】
いくつかの短いNH2末端PTHペプチドまたはPTHrPペプチドは、以前に調査されているが、活性は、全く検出されなかった。例えば、bPTH(1〜12)は、ラット腎臓膜において行われたアデニリルシクラーゼアッセイにおいて不活性であり(Rosenblatt,M.、「Parathyroid Houmone:Chemistry and Structure−Activity Relations」Pathobilogy Annual,Ioachim,H.L.編、Raven Press,New York(1981)、53〜84頁)、そしてPTHrP(1〜16)は、クローニングされたラットPTH−1レセプターを発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において行われたACアッセイにおいて不活性であった(Azurani,A.ら、J.Biol.Chem.271:14931〜14936(1996))。PTHの15〜34のドメインにおける残基が、レセプター結合親和性に重要に寄与することが既知である。なぜなら、PTH(15〜34)フラグメントは、このレセプターに弱く結合するが、このペプチドは、ACを活性化しないからである(Naussbaum,S.R.ら、J.Biol.Chem.255:10183〜10187(1980)およびGardella,T.J.ら、Endocrinology 132:2024〜2030(1993))。
【0014】
(発明の要旨)
比較的大きなサイズのネイティブなPTHまたはPTHrPは、骨粗しょう症のための処置として、これらのペプチドの使用に対するチャレンジを提示する。一般に、このサイズのタンパク質は、薬物としての使用に適切ではない。なぜなら、これは、単純な方法(例えば、鼻通気法)によって効果的に送達され得ないからである。代わりに、注射が必要とされ、そしてPTHの場合には、毎日またはほぼ毎日の注射が、骨形成速度における増加を達成するために最も必要とされるようである。さらに、より大きなペプチドは、従来の合成化学法によって調製するには技術的に困難であり、かつ高価である。組換えDNAおよび細胞ベースの発現系を用いる代替方法もまた、高価であり、外来タンパク質による混入に対して潜在的に無防備であり、そして送達の問題を回避しない。
【0015】
従って、当業者が、より大きなペプチドに基づき、そしてさらになお所望の生物学的活性を保持する低分子アナログ(ペプチドまたは非ペプチドのいずれか)を同定し得ることは有利である。活性は、インタクトなペプチドに対して初めは弱くあり得るが、さらなる最適化は、効力および強度の増強を導き得る。
【0016】
本発明は、PTH(1−14)/PTHrP(1−14)ペプチドおよびそれらの誘導体に関する。PTH(1−14)/PTHrP(1−14)ペプチド、それらのフラグメント、それらの誘導体、それらの薬学的に受容可能な塩およびそれらのN−誘導体またはC−誘導体を含む、本発明の化合物は、本明細書中以降で、集合的に、「配列番号1の化合物およびその誘導体」といわれる。
【0017】
詳細には、本発明は、PTH(1−14)およびPTHrP(1−14)の合成および/または組換えの生物学的に活性なペプチド誘導体を提供する。1つの特定の実施形態では、本発明は、以下の式:
(a)
【0018】
【化16】
Figure 0004486256
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらの薬学的に受容可能な塩;あるいは
(d)それらのN−誘導体またはC−誘導体;
から本質的になるペプチドに少なくとも85%同一である、生物学的に活性なペプチドであって、ここで:
01は、SerまたはAlaであり;
02は、IleまたはHisであり;
03は、Met、LeuまたはNleであり;
04は、AsnまたはAspであり;
05は、LeuまたはLysであり;そして
06は、HisまたはSerであり、
但し上記のペプチドは、PTHrP(1−14)ではない、生物学的に活性なペプチドを提供する。
【0019】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明はまた、以下:
(a)以下の式:
【0020】
【化17】
Figure 0004486256
から本質的になるペプチドに少なくとも85%同一の生物学的に活性なペプチド;
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらの薬学的に受容可能な塩;あるいは
(d)それらのN−誘導体またはC−誘導体;ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物を提供する。
【0021】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明はまた、以下:
(a)以下の式:
【0022】
【化18】
Figure 0004486256
から本質的になるペプチドに少なくとも85%同一の生物学的に活性なペプチド;
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらの薬学的に受容可能な塩;あるいは
(d)それらのN−誘導体またはC−誘導体;ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物を提供する。
【0023】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明は、以下:
(a)
【0024】
【化19】
Figure 0004486256
あるいは
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、そのフラグメント;
からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する生物学的に活性なペプチドをコードするポリヌクレオチドから本質的になる核酸分子であって、ここで:
01は、SerまたはAlaであり;
02は、IleまたはHisであり;
03は、Met、LeuまたはNleであり;
04は、AsnまたはAspであり;
05は、LeuまたはLysであり;そして
06は、HisまたはSerであり、
但し上記のペプチドは、PTHrP(1−14)ではない、核酸分子を提供する。
【0025】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明は、(2)生物学的に活性なペプチドをコードするポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、(1)発現制御領域を含む組換えDNA分子であって、ここで上記ペプチドは、以下:
(a)
【0026】
【化20】
Figure 0004486256
あるいは
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、そのフラグメント;
からなる群より選択され、ここで:
01は、SerまたはAlaであり;
02は、IleまたはHisであり;
03は、Met、LeuまたはNleであり;
04は、AsnまたはAspであり;
05は、LeuまたはLysであり;そして
06は、HisまたはSerであり、
但し上記のペプチドは、PTHrP(1−14)ではない、組換えDNA分子を提供する。
【0027】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明は、骨質量における減少によって特徴付けられる哺乳動物の状態を処置するための方法であって、この方法は、該処置を必要とする被験体に、骨質量増加に有効な量の生物学的に活性なペプチドならびに薬学的に受容可能なキャリアを投与する工程を包含し、ここで上記ペプチドが、以下の式:
(a)
【0028】
【化21】
Figure 0004486256
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらの薬学的に受容可能な塩;あるいは
(d)それらのN−誘導体またはC−誘導体;
から本質的になる群から選択されるメンバーに少なくとも85%同一なアミノ酸配列を含み、ここで:
01は、SerまたはAlaであり;
02は、IleまたはHisであり;
03は、Met、LeuまたはNleであり;
04は、AsnまたはAspであり;
05は、LeuまたはLysであり;そして
06は、HisまたはSerであり、
但し上記ペプチドは、PTHrP(1−14)ではない、方法を提供する。
【0029】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明は、生物学的に活性なペプチドを必要とする患者の処置のための方法であって、治療的に有効量のペプチドならびに薬学的に受容可能なキャリアを投与する工程を包含し、ここで該ペプチドは、以下:
(a)以下の式:
【0030】
【化22】
Figure 0004486256
から本質的になる、生物学的に活性なペプチド;
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらのN−誘導体またはC−誘導体;あるいは
(d)それらの薬学的に受容可能な塩;
から本質的になる群より選択されるメンバーに少なくとも85%同一なアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0031】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明は、生物学的に活性なペプチドの必要性を有する患者の処置のための方法であって、治療的有効量のペプチドならびに薬学的に受容可能なキャリアを投与する工程を包含し、ここで上記ペプチドは、以下:
(a)以下の式:
【0032】
【化23】
Figure 0004486256
から本質的になる、生物学的に活性なペプチド;
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらのN−誘導体またはC−誘導体;あるいは
(d)それらの薬学的に受容可能な塩、
から本質的になる群より選択されるメンバーに少なくとも85%同一なアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0033】
本発明のなおさらなる局面に従って、PTH−1/PTH−2レセプターの変更したかまたは過剰な作用から生じる医学的障害を処置するための方法であって、患者のPTH−1/PTH−2レセプターの活性化を阻害するに十分な治療的有効量の生物学的に活性なペプチドならびに薬学的に受容可能なキャリアを患者に投与する工程を包含し、ここで上記のペプチドが、以下:
(a)
【0034】
【化24】
Figure 0004486256
(b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、または1〜13を含む、そのフラグメント;
(c)それらの薬学的に受容可能な塩;あるいは
(d)それらのN−誘導体またはC−誘導体
から本質的になる群より選択されるメンバーに少なくとも85%同一なアミノ酸を含み、ここで:
01は、SerまたはAlaであり;
02は、IleまたはHisであり;
03は、Met、LeuまたはNleであり;
04は、AsnまたはAspであり;
05は、LeuまたはLysであり;そして
06は、HisまたはSerであり、
但し上記ペプチドは、PTHrP(1−14)ではない、方法が提供される。
【0035】
本発明のなおさらなる局面に従って、本発明はまた、骨再形成、骨吸収、および/または骨リモデリングの速度を決定するための方法であって、有効量の、配列番号1の標識ペプチドまたはその誘導体を、患者に投与する工程、および上記の患者の骨中への上記ペプチドの取り込みを決定する工程を包含する方法を提供する。このペプチドは、放射性標識、蛍光標識、生物発光標識、または化学発光標識からなる群より選択される標識で標識され得る。適切な放射性標識の例は、99mTcである。
【0036】
本発明のなおさらなる局面に従って、1位〜9位での任意のアミノ酸の置換、およびより特には、(当業者に公知のアッセイおよび以下に記載のアッセイによって決定されるように)PTH−1/PTH−2レセプターをアンタゴナイズまたはアゴナイズする、PTH(1−14)/PTHrP(1−14)ペプチドアナログの生物学的活性を破壊しない、アミノ酸の10位、11位、12位、13位、および/または14位でのアミノ酸の置換もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0037】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
(定義)
以下の説明では、組換えDNA技術およびペプチド合成において用いられる多数の用語を広範に利用する。明細書および特許請求の範囲(このような用語によって与えられるべき範囲を含む)の明瞭かつ一貫した理解を提供するために、以下の定義を提供する。
【0038】
クローニングベクター:宿主細胞において自律的に複製し得、かつ1または少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位によって特徴付けられる、プラスミドもしくはファージのDNAまたは他のDNA配列であって、この部位によって、このようなDNA配列は、ベクターの本質的な生物学的機能を失うことなく、決定可能な様式で切断され得、そしてこの部位に、DNAフラグメントがスプライスされて、その制限処理およびクローニングをもたらし得る。このクローニングベクターは、このクローニングベクターで形質転換された細胞の同定における使用に適切なマーカーをさらに含み得る。例えば、マーカーは、テトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性を提供する。
【0039】
発現ベクター:クローニングベクターに類似するが、宿主中に形質転換された後にベクター中にクローニングされた遺伝子の発現を増強し得るベクター。クローニングされた遺伝子は通常、プロモーター配列のような特定の制御配列の制御下に置かれる(すなわち、作動可能に連結される)。プロモーター配列は、構成性または誘導性のいずれかであり得る。
【0040】
組換え宿主:本発明によれば、組換え宿主は、発現ベクターまたはクローニングベクター上の所望のクローニングされた遺伝子を含む、任意の原核生物宿主細胞または真核生物細胞であり得る。この用語はまた、所望の遺伝子をその生物の染色体またはゲノム中に含むように遺伝子操作された、原核生物細胞または真核生物細胞を含むことを意味する。このような宿主の例については、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York(1989)を参照のこと。好ましい組換え宿主は、本発明のDNA構築物で形質転換された真核生物細胞である。より詳細には、哺乳動物細胞が好ましい。
【0041】
プロモーター:一般的に、開始コドンの近位に位置する、遺伝子の5’領域と記載されるDNA配列。隣接遺伝子の転写は、プロモーター領域で開始される。プロモーターが誘導性プロモーターである場合、転写速度は、誘導剤に応答して増大する。対照的に、転写速度は、プロモーターが構成性プロモーターである場合、誘導剤によって調節されない。プロモーターの例としては、CMVプロモーター(InVitrogen,San Diego,CA)、SV40、MMTVおよびhMTIIaプロモーター(米国特許第5,457,034号)、HSV−1 4/5プロモーター(米国特許第5,501,979号)ならびに前初期HCMVプロモーター(WO92/17581)が挙げられる。また、組織特異的エンハンサーエレメントは、用いられ得る。さらに、このようなプロモーターは、生物の組織特異的プロモーターおよび細胞特異的プロモーターを含み得る。
【0042】
ポリヌクレオチド:この用語は一般に、未改変のRNAもしくはDNAまたは改変されたRNAもしくはDNAであり得る、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxribonucleotide)を言及し得る。「ポリヌクレオチド」としては、一本鎖および二本鎖のDNA、一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖のRNA、ならびに一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖であり得るか、より代表的には二本鎖または一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であり得る、DNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域をいう。用語ポリヌクレオチドはまた、1以上の改変された塩基を含むDNAもしくはRNA、および安定性に関してまたは他の理由について改善された骨格を有するDNAもしくはRNAを含む。「改変された」塩基としては、例えば、トリチル化塩基およびイノシンのような普通でない塩基が挙げられる。種々の改変がDNAおよびRNAに行われている;従って、「ポリヌクレオチド」は、天然に代表的に見出されるような、化学的に、酵素的にまたは代謝的に改変された形態のポリヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞に特有の化学的形態のDNAおよびRNAを含む。「ポリヌクレオチド」はまた、比較的短いポリヌクレオチド(しばしば、オリゴヌクレオチドと呼ばれる)を含む。
【0043】
ポリペプチド:この用語は、ペプチド結合または改変されたペプチド結合(例えば、ペプチド同配体)によって互いに連結された2以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を言及する。「ポリペプチド」は、短鎖(通常、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと呼ばれる)およびより長い鎖(一般にタンパク質と呼ばれる)の両方を言及する。ポリペプチドは、遺伝子にコードされる20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含み得る。「ポリペプチド」は、自然のプロセス(例えば、翻訳後プロセシング)または当該分野で周知である化学的改変技術のいずれかによって改変されたアミノ酸配列を含む。このような改変は、基本的教科書に十分に記載されており、そして単行本および調査文献に、より詳細に記載されている。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドにおいてどこでも生じ得る。同じ型の改変が所定のポリペプチドにおいて同じまたは種々の程度でいくつかの部位に存在し得ることが認識される。また、所定のポリペプチドは、多くの型の改変を含み得る。
【0044】
ポリペプチドは分枝されてもよいし、そして分枝を伴ってまたは伴わずに環状化されてもよい。環状の分枝したポリペプチドおよび分枝した環状ポリペプチドは、翻訳後に天然プロセスから生じてもよいし、または合成方法によって作製されてもよい。改変としては以下が挙げられる:アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環状化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、シスチの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイレーション(selenoylation)、硫酸化、タンパク質へのトランスファーRNA媒介アミノ酸付加(例えば、アルギニル化)、およびユビキチン結合。例えば、Proteins−Structure and Molecular Properties,第2版、T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York,1993およびWold,F.,Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,1〜12頁、Posttranslational Covalent Modification of Proteins,B.C.Johnson,編、Academic Press,New York、1983;Seifterら、「Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors」Methods in Enzymol.182:626〜646(1990)ならびにRattanら「Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging」Ann NY Acad Sci 663:48〜62(1992)を参照のこと。
【0045】
相同性/非相同性:
2つの核酸分子は、HASH−コーディングアルゴリズム(Wilber,W.J.およびLipman,D.J.Proc.Natl.Acad.Sci.80:726〜730(1983))によって決定される場合、それらのヌクレオチド配列が40%より大きい類似性を共有する場合、「相同性(homologous)」であると考えられる。2つの核酸分子は、それらのヌクレオチド配列が、40%未満の類似性を共有する場合、「非相同性」であると考えられる。
【0046】
単離した(単離された)(Isolated):
天然状態から「ヒトの手によって」変化したことを意味する用語。天然に「単離した」組成物または物質が生じる場合、それはその元来の環境から変化したかもしくは取り出されたかまたはその両方ともである。例えば、生存する動物において天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の共存する物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、その用語が本明細書において使用されるとおり「単離されている」。従って、組換え宿主細胞内で生成されるおよび/または組換え宿主細胞内に含まれるポリペチドまたはポリヌクレオチドは、本発明の目的のために単離されたとみなされる。また、「単離されたポリペプチド」または「単離されたポリヌクレオチド」と意図されるのは、部分的にまたは実質的に、組換え型宿主細胞から、またはネイティブな供給源から精製されたポリペチドまたはポリヌクレオチドである。例えば、配列番号1の化合物の組換え的に生成されたバージョンおよびそれの誘導体は、SmithおよびJohnson(Gene 67:31−40(1988)に記載されている一段法(one−step method)によって、実質的に精製され得る。
【0047】
「単離された(単離した)(isolated)」とは、DNAが、本発明のDNAが誘導される生物の天然に存在するゲノム(もしあれば)において、本発明のDNAをコードしている遺伝子にすぐ隣接するそれらの遺伝子のコード配列を含まないことを意味する。単離したDNAは、一本鎖であっても二本鎖であってもよく、そしてゲノムDNA、cDNA、組換え型ハイブリッドDNAまたは合成DNAであってもよい。それは、配列番号1の化合物をコードしているネイティブなDNAの塩基配列およびその誘導体と同一でもよく、または一つ以上のヌクレオチドの欠失、付加または置換によってこのような配列と異ってもよい。本発明の一本鎖DNAは一般に少なくとも8つのヌクレオチド長(好ましくは少なくとも18ヌクレオチド長、そしてより好ましくは、少なくとも30ヌクレオチド長)である。これは、配列番号1の化合物をコードするDNA分子およびそれらの誘導体の全長(すなわち、42ヌクレオチド)にわたる;それらは、好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブとしての用途のために検出可能に標識され、そしてアンチセンスであってもよい。
【0048】
高ストリンジェンシー:
例えば、「高ストリンジェンシー」は、cDNAの単離のために記載されるような条件を意味するいる(また、本明細書において参考として援用されるMolecular Biology、John Wiley&Sons,New York(1989)のCurrent Protocolsを参照のこと)。本発明のDNAは、本発明のペプチドをコードしているDNA配列(例えば、配列番号1の化合物、およびその誘導体)を含むベクター[それは、精製された調製物(例えば、ライブラリを作製するベクターの混合物から分離されるベクター)として提供され得る]およびベクター(または上記の単離したDNA)を含む細胞または本質的に同質の細胞の集団(例えば、原核細胞または哺乳動物細胞のような真核細胞)に組み込まれ得る。
【0049】
同一性:
この用語は、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一性の指標をいう。一般に、最高の大きさのマッチが得られるように、配列は整列される。「同一性」とは、本来、当該分野で認識された意味を有し、そして公表された技術を用いて算出され得る。(例えば、以下を参照のこと:Computational Molecular Biology、Lesk、A.M.編、Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith、D.W.編 Academic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data.Part I,Griffin,A.M.およびGriffin,H.G.編、Humana Press、New Jersey、1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;and Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.および Devereux,J.編,M Stockton Press,New York、1991)。2つのポリヌクレオチド配列またはポリペチド配列の間の同一性を測定するための多くの方法が存在するが、用語「同一性」は、当業者に周知である(Carillo、H.およびLipton,D.SIAMJ Applied Math 48:1073 (1988))。2つの配列の間の同一性または類似性を決定するために通常用いられる方法としては、「Guide to Huge Computers」Martin J.Bishop編、Academic Press、San Diego、1994およびCarillo,HおよびLipton,D.、SIAM J Applied Math 48:1073(1988)に開示される方法が挙げられるがこれらに限定されない。同一性および類似性を決定するための方法は、コンピュータープログラムにおいて確認される。2つの配列の間の同一性および類似性を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法としては、GCGプログラムパッケージ(Devereux,Jら、Nucleic Acids Research 12(i):387(1984))、BLASTP、BLASTN、FASTA(Atschul、S.F.ら、J Molec Biol 215:403(1990))が挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
従って、本明細書において用いられる場合、用語「同一性」は、試験ポリペプチドと参照ポリペプチドとの間の比較を示す。より詳細には、参照試験ポリペプチドは、参照ポリペプチドに85%以上同一である任意のポリペプチドと規定される。本明細書において用いる場合、用語少なくとも85%同一とは、参照ポリペプチドに対して85〜99.99%同一であることをいう。85%以上のレベルの同一性とは、100アミノ酸の試験ポリヌクレオチド長および参照ポリヌクレオチド長の例示目的と仮定した場合、試験ポリペプチドにおける15%未満(すなわち、100のうち15)のアミノ酸が参照ポリペプチドのアミノ酸と異なるという事実を示す。このような差異は、本発明のアミノ酸配列の全長にわたって無作為に分布された点変異として示され得るかまたは、最大許容数2/14アミノ酸相違数(約85%同一性)まで長さを変化させる1つ以上の位置においてクラスター化され得る。差異はアミノ酸置換または欠失として規定される。
【0051】
フラグメント:
配列番号1の化合物またはその誘導体のような分子の「フラグメント」とは、これらの分子の任意のポリペプチドサブセットをいうことを意味する。
【0052】
機能的誘導体:
用語「誘導体」とは、分子の「改変体(variant)」「誘導体(derivatives)」または「化学的誘導体(chemical derivatives)」を含むことを意図する。配列番号1の化合物またはそれの誘導体のような分子の「改変体」とは、分子全体またはそれのフラグメントのいずれかに実質的に類似の分子をいうことを意味する。配列番号1の化合物またはそれらの誘導体のような分子の「アナログ(analog)」は、配列番号1の分子またはそれらのフラグメントのいずれかに実質的に類似の非天然の分子をいうことを意味する。
【0053】
分子が別の分子と「実質的に類似である」といわれるのは、両方の分子のアミノ酸の配列が、実質的に同じものである場合、および両方の分子が、類似した生物学的活性度を所有する場合である。従って、2つの分子が類似した活性を所有するという条件では、分子のうちの1つが他方で見出されないさらなるアミノ酸残基を含むか、またはアミノ酸残基の配列が同一でない場合でさえも、その語が本願明細書において使われる場合、それらは改変体、誘導体またはアナログ(類似体)と考えられる。
【0054】
本明細書中で用いられる場合、分子は、それが通常は、分子の一部ではない、さらなる化学部分を含む場合に、別の分子の「化学誘導体」であると言われる。このような部分は、分子の溶解性、吸着、生物学的半減期などを改善し得る。この部分は、代替的に、分子の毒性を減少させ得るか、分子の任意の望まれない副作用などを排除し得るか、または減弱し得る。このような効果を媒介し得る部分の例は、Remington's Pharmaceutical Science(1980)に開示され、そして当業者に明らかである。
【0055】
(タンパク質の生物学的活性):この表現は、配列番号1の化合物またはその誘導体の代謝機能または生理学的機能(同様の活性、もしくは改善された活性、または低下した望まれない副作用を有するそれらの活性を含む)をいう。配列番号1の化合物またはその誘導体の、抗原性活性および免疫原性活性もまた含まれる。
【0056】
(融合タンパク質):用語「融合タンパク質」によって、そのN末端に連結した「選択的切断部位」を有するかまたは有さないかのいずれかの、配列番号1の化合物、またはその誘導体を含む、融合タンパク質が意図される。この選択的切断部位は、次いで、さらなるアミノ酸リーダーポリペプチド配列に連結される。
【0057】
(選択的切断部位):用語「選択的切断部位」とは、予想可能な様式で、化学薬品または酵素のいずれかを用いて、選択的に切断され得るアミノ酸残基をいう。選択的な酵素切断部位とは、タンパク質分解酵素によって認識されかつ加水分解されるアミノ酸またはペプチドの配列である。このような部位の例としては、制限なしに、トリプシン切断部位またはキモトリプシン切断部位が挙げられる。
【0058】
(リーダー配列):用語「リーダー配列」によって、配列番号1の化合物に連結し、かつ選択的切断部位および配列番号1の化合物に融合した融合タンパク質として宿主細胞において発現される、ポリヌクレオチド配列を意図される。用語「リーダーポリペプチド」は、融合タンパク質において得られるような、「リーダー配列」の発現された形態を記載する。
【0059】
融合タンパク質(これは、それが過剰発現される場合に、しばしば、不溶性であり、かつ封入体において見出される)は、当該分野において周知の方法によって、他の細菌タンパク質から精製される。好ましい実施形態において、不溶性融合タンパク質は、細胞溶解後に遠心分離および洗浄され、そしてグアニジンHClを用いて再溶解される。それは、透析による変性剤の除去後に可溶性のままであり得る。(屈折タンパク質の精製については、Jones、米国特許第4,512,922号;Olson、米国特許第4,518,526号;ならびにBuilderら、米国特許第4,511,502号および同第4,620,948を参照のこと)。
【0060】
配列番号1の組換え産生された化合物、またはその誘導体は、種々の方法論のいずれかの使用を通じて、可溶化された融合タンパク質から、天然の夾雑物を実質的に含まないように精製され得る。本明細書中で用いられる場合、化合物は、それが、細菌宿主細胞または真核生物宿主細胞における発現の後に、共に見出される物質から実質的に精製されている場合に、「天然の夾雑物を実質的に含まない」といわれる。配列番号1の化合物またはその誘導体は、標準的なクロマトグラフィー分離技術の適用を通じて精製され得る。
【0061】
あるいは、このペプチドは、免疫アフィニティークロマトグラフィーを用いて精製され得る(Rotman,Aら、Biochem.Biophys.Acta 641:114−121(1981);Sairam,M.R.J.Chromatog 215:143−152(1981);Nielsen,L.S.ら、Biochemistry 21:6410−6415(1982);Vockley,J.ら、Biochem.J.217:535−542(1984);Paucha,E.ら、J.Virol.51:670−681(1984);およびChang,P.ら、J.Virol.Meth.10:261−268(1985))。
【0062】
部分的精製または実質的精製の後、融合タンパク質は、切断部位に対応する酵素を用いて酵素的に処理される。あるいは、そのより不純な状態において融合タンパク質は、たとえ屈折形態であっても、酵素を用いて処理され得る。必要とされる場合、得られた配列番号1の成熟化合物、またはその誘導体は、さらに精製され得る。酵素処理の条件は、当業者に公知である。
【0063】
(遺伝子治療):治療の手段は、生物の遺伝子発現の正常なパターンを変化させることに関する。一般に、組換えポリヌクレオチドは、生物の細胞または組織に導入されて、遺伝子発現の変化をもたらす。
【0064】
(宿主動物):トランスジェニック動物、これらの生殖細胞および体細胞の全ては、本発明のDNA構築物を含む。このようなトランスジェニック動物は、一般に脊椎動物である。好ましい宿主動物は、哺乳動物(例えば、非ヒト霊長類動物、マウス、ヒツジ、ブタ、ウシ、ヤギ、モルモット、げっ歯類動物(例えば、ラット)など)である。用語、宿主動物はまた、胚段階および胎仔段階を含む、発生の全ての段階における動物を含む。
【0065】
(I.配列番号1の化合物およびその誘導体−構造的特徴ならびに機能的特徴)
本発明者らは、生物活性を保持し、かつ簡便な非注射法により送達され得るのに十分に小さい、PTHの新規の「最小型」改変体を本明細書中に記載する。新規のペプチドは、ネイティブのPTHの1〜14配列、またはそのより短い改変体に対応し、従って、2,000ダルトン未満の分子量を有する。本発明は、ネイティブPTH(1〜14)ペプチド、PTH関連ペプチド(PTHrP)の1〜14配列、およびアミノ酸組成またはアミノ酸鎖長における改変により、これらのペプチドから誘導されるペプチド誘導体に関する。
【0066】
ネイティブPTH(1〜14)ペプチドの1次アミノ酸配列(N末端〜C末端)は、SerValSerGluIleGlnLeuMetHisAsnLeuGlyLysHis(配列番号3)であるが、ネイティブPTHrP(1〜14)ペプチドの1次アミノ酸配列(N末端〜C末端)は、AlaValSerGluHisGlnLeuLeuHisAspLysGlyLysSer(配列番号4)である。従って、配列番号3と4との間に共通するペプチド配列は、以下の一般式からなる:
01ValSerGluX02GlnLeuX03HisX0405GlyLysX06(配列番号1)
ここで:
01は、SerまたはAla;
02は、IleまたはHis;
03は、Met、Leu、またはNle;
04は、AsnまたはAsp;
05は、LeuまたはLys;および
06は、HisまたはSer;
ただし、このペプチドは、PTHrP(1〜14)ではない。
【0067】
従って、上記の一般式に基づいて、本発明は、配列番号1の生物学的に活性な化合物およびその誘導体を提供する。1つの実施形態において、本発明は、以下の式から本質的になるペプチドに、少なくとも85%同一の生物学的に活性なペプチドを提供する:
(a) X01ValSerGluX02GlnLeuX03HisX0405GlyLysX06(配列番号1);
(b) アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、または1〜13を含むそのフラグメント;
(c) その薬学的に受容可能な塩;あるいは
(d) そのN−誘導体またはC誘導体
ここで、
01は、SerまたはAla;
02は、IleまたはHis;
03は、Met、Leu、またはNle;
04は、AsnまたはAsp;
05は、LeuまたはLys;および
06は、HisまたはSer、
ただし、このペプチドは、PTHrP(1〜14)ではない。
【0068】
タンパク質産物の場合、本発明の配列番号1の化合物またはその誘導体は、液相ペプチド合成または固相ペプチド合成の技術による産生に従う。固相ペプチド合成技術は、特に、ヒトPTHの産生に首尾良く適用されており、そして本発明の配列番号1の化合物またはその誘導体の産生のために有用であり得る(ガイダンスについては、Kimuraら、前出、を参照のこと、およびFairwellら、Biochem.22:2691(1983)を参照のこと)。比較的大きな規模のヒトPTHを産生することの成功は、Goudら、J.Bone.Min.Res.6(8):781(1991)(本明細書中で参考として援用される)により報告されている。合成ペプチド合成アプローチは、一般的に、自動合成機および固相として適切な樹脂の使用を必要とする。この樹脂は、配列番号1の所望の化合物またはその誘導体のC末端アミノ酸に付着される。次いで、N末端方向での、ペプチドの伸長は、代表的には、FMOC−またはBOC−のいずれかに基づく化学プロトコルを用いて、合成が完了するまで、適切に保護された形態の次に所望されるアミノ酸を、連続的にカップリングすることにより達成される。次いで、保護基は、通常、樹脂からのペプチドの切断と同時に、ペプチドから切断され、次いでこのペプチドは、従来技術(例えば、溶媒としてアセトニトリルおよびイオン対形成剤(ion−pairing agent)としてトリフルオロ酢酸を用いる逆相HPLCによる)を用いて単離され、そして精製される。このような手順は、一般に多数の刊行物に記載されており、そして例えば、StewartおよびYoung,「Solid Phase Peptide Synthesis」、第2版、Pierce Chemical Company,Rockford,IL(1984)を、参照されても良い。ペプチド合成アプローチが、遺伝的にコードされないアミノ酸を組み込む、配列番号1およびその誘導体の改変体の生成のために必要とされる。
【0069】
本発明のさらなる局面では、1〜9位の任意のアミノ酸置換、そしてより詳細には、アミノ酸10位、11位、12位、13位、および/または14位でのこれらのアミノ酸置換であって、PTH−1/PTH−2レセプターをアンタゴナイズまたはアゴナイズする(当業者に公知のアッセイおよび以下に考察されるアッセイにより決定されるような)ために、PTH/PTHrPペプチドアナログの生物学的活性を破壊しない置換もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0070】
ウシPTHの合成アナログ、PTH(3−34)は、インビトロにおける強力なPTHアンタゴニストとして認識されている。N末端アミノ酸1〜2および1〜7を欠くPTHの改変体は、アゴニスト活性を欠き、そしてアンタゴニスト活性の能力があることが示された(Born,W.ら、Endocrinol.23:1848−1853(1988))。本発明の配列番号1の好ましい強力なアンタゴニスト改変体は、N末端で短縮化(truncate)された改変体である。
【0071】
改変体が、N末端で1つのアミノ酸により短縮化される場合、それはアミノ酸残基#1を欠くが、アミノ酸残基#2〜14を含むという点で、PTHまたはPTHrP(2−14)と称される。改変体がC末端で1つのアミノ酸により短縮化される場合、それはアミノ酸残基#14を欠くが、アミノ酸残基#1〜13を含むという点で、PTHまたはPTHrP(1−13)と称される。
【0072】
本発明の別の局面に従って、置換基は、当該分野において公知の標準的方法によって、配列番号1の化合物またはその誘導体のN末端アミノ酸の遊離アミンに付加され得る。例えば、アルキル基(例えば、C1-12アルキル)は、還元的アルキル化を使用して付加され得る。ヒドロキシアルキル基(例えば、C1-12ヒドロキシアルキル)もまた、還元的アルキル化を使用して付加され得、ここでは遊離ヒドロキシ基をt−ブチルエステルで保護する。アシル基(例えば、COE1)は、遊離酸(例えば、E1COOH)をN末端アミノ酸の遊離アミン(amino)にカップリングすることにより、付加され得る。配列番号1の化合物もしくはその誘導体の二次構造または三次構造、または安定性を変更し、なお生物学的活性を保持する、配列番号1のそれらの化合物およびその誘導体もまた、本発明の範囲内と意図される。このような誘導体は、ラクタム環化、ジスルフィド結合、または当業者に公知の他の手段を通して達成され得る。
【0073】
なかでも好ましい実施形態は、PTH−1/PTH−2レセプターのアゴニストとして作用し得るそれらの化合物である。特に、好ましい実施形態は、X01がAlaであり;X02がIleであり;X03がMetであり;X04がAsnであり;X05がLeuであり;そしてX06がHisであるそれらの化合物である。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、AlaValSerGluIleGlnLeuMetHisAsnLeuGlyLysHis(配列番号5)またはその誘導体である。
【0074】
好ましい実施形態の別のセットは、配列番号1のカルボキシ末端で5つのアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX01はAlaであり;X02はIleであり;そしてX03はMetである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、AlaValSerGluIleGlnLeuMetHis(配列番号6)またはその誘導体である。
【0075】
好ましい実施形態の別のセットは、X01がAlaであり;X02がIleであり;X03がLeuであり;X04がAspであり;X05がLysであり;そしてX06がSerであるそれらの化合物である。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、AlaValSerGluIleGlnLeuLeuHisAspLysGlyLysSer(配列番号2)またはその誘導体である。
【0076】
好ましい実施形態の別のセットは、配列番号1のカルボキシ末端で5つのアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX01はAlaであり;X02はIleであり;そしてX03はLeuである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、AlaValSerGluIleGlnLeuLeuHis(配列番号7)またはその誘導体である。
【0077】
好ましい実施形態の別のセットは、配列番号1のカルボキシ末端で5つのアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX01はAlaであり;X02はHisであり;そしてX03はLeuである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、AlaValSerGluHisGlnLeuLeuHis(配列番号8)またはその誘導体である。
【0078】
好ましい実施形態の別のセットは、X01がSerであり;X02がHisであり;X03がLeuであり;X04がAspであり;X05がLysであり;そしてX06がSerであるそれらの化合物である。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、SerValSerGluHisGlnLeuLeuHisAspLysGlyLysSer(配列番号9)またはその誘導体である。
【0079】
好ましい実施形態の別のセットは、配列番号1のカルボキシ末端で5つのアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX01はSerであり;X02はHisであり;そしてX03はLeuである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、SerValSerGluHisGlnLeuLeuHis(配列番号10)またはその誘導体である。
【0080】
なかでも好ましい実施形態は、PTH−1/PTH−2レセプターのアンタゴニストとして作用し得るそれらの化合物である。特に、好ましい実施形態は、配列番号1のアミノ末端で単一のアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX02はIleであり;X03はMetであり;X04はAsnであり;X05はLeuであり;そしてX06はHisである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、ValSerGluIleGlnLeuMetHisAsnLeuGlyLysHis(配列番号11)またはその誘導体である。
【0081】
好ましいアンタゴニストの実施形態のさらに別のセットは、配列番号1のアミノ末端で単一のアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX02はIleであり;X03はLeuであり;X04はAspであり;X05はLysであり;そしてX06はSerである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、ValSerGluIleGlnLeuLeuHisAspLysGlyLysSer(配列番号12)またはその誘導体である。
【0082】
好ましいアンタゴニストの実施形態のさらに別のセットは、配列番号1のアミノ末端で単一のアミノ酸の欠失を有するそれらの化合物であり、ここでX02はHisであり;X03はLeuであり;X04はAspであり;X05はLysであり;そしてX06はSerである。従って、この好ましい実施形態のアミノ酸配列は、ValSerGluHisGlnLeuLeuHisAspLysGlyLysSer(配列番号13)またはその誘導体である。
【0083】
(配列番号1の化合物およびその誘導体の生物学的特徴付け)
配列番号1の化合物およびその誘導体の生物学的特性の機能的特徴付けを、リガンドに刺激されるcAMP蓄積を測定するバイオアッセイにより実施した。
【0084】
(A.配列番号1の化合物またはその誘導体によるサイクリックAMP蓄積の刺激)
細胞内cAMP蓄積を、以前に記載されたように(Abou−Samraら、J.Biol.Chem.262:1129、1986)測定した。24ウェルプレート中の細胞を、0.1%BSAおよび2mM IBMXを含有する培養培地でリンスした。次いで、細胞を、配列番号1の化合物またはその誘導体と共に、21℃で60分間インキュベートした。この上清を取り除き、そしてプレート全体をドライアイス粉末内に配置することにより、細胞を迅速に凍結した。1mlの50mM HCl中で細胞を解凍することによって細胞内cAMPを抽出し、そして抗cAMP抗体(例えば、Sigma、St.Louis、Mo)を使用する特異的ラジオイムノアッセイによって、分析した。cAMPについてのトレーサーとして使用されたcAMPアナログ(2’−O−モノスクシニル−アデノシン 3’:5’−サイクリックモノホスフェートチロシルメチルエステル(Sigmaから得られた))は、クロラミンT方法によりヨウ素化された。遊離ヨウ素を、C18 Sep−pakカートリッジ(Waters、Milford、Mass.)上にヨウ素化cAMPアナログを吸着させることによって、除去した。dH2Oでの洗浄後、ヨウ素化cAMPアナログを、40%アセトニトリル(ACN)および0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)でSep−pakカートリッジから溶出した。ヨウ素化cAMPアナログを凍結乾燥し、1mlの0.1% TFA中で再構成させ、そしてC18逆相HPLCカラム(Waters)内に注入した。このカラムを0.1% TFA中において10% ACNで平衡化し、そして0.1% TFA中での10〜30%のACNの勾配で溶出した。これは、非ヨウ素化cAMPアナログからの、モノヨウ素化cAMPアナログの分離を可能にする。トレーサーは、−20℃で保存された場合に4ヶ月間まで安定である。アッセイに使用される標準であるアデノシン3’:5’−サイクリックモノホスフェートを、Sigmaから購入した。サンプル(HCl抽出物の1−10 82 1)または標準(0.04〜100 fmol/チューブ)を、50mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)中に希釈し、そしてトリエチルアミンおよび無水酢酸(2:1 容量:容量)の混合物10μlでアセチル化した。アセチル化の後、cAMP抗血清(100μl)を、PBS(pH7.4)、5mM EDTAおよび1%正常ウサギ血清中に作製されたストック溶液(1:4000)から添加した。トレーサーを、0.1% BSAを有するPBS(pH7.4)中に希釈し、そして添加した(20,000cpm/チューブ)。アッセイを、4℃で一晩インキュベートした。結合したトレーサーを、100μlのヤギ抗ウサギ抗血清(PBS中で1:20)および1mlの7%ポリエチレングリコール(MW 5000〜6000)を添加すること、2000rpmで30分間4℃にて遠心分離することにより沈殿させた。上清を取り出し、そして結合した放射能を、γ線計数器(Micromedic)で計数した。cAMPデータを計算するために、エクセルのスプレッドシートでロジット計算を実施した。代表的に、アッセイ感度は、0.1 fmol/チューブであり、そしてトレーサーの50%が置き換わる標準濃度は、5 fmol/チューブである。
【0085】
(B.COS細胞上で発現されるクローン化されたレセプターへの配列番号1の化合物またはその誘導体の結合)
以下に記載されたcAMP蓄積アッセイに加えて、配列番号1の化合物またはその誘導体はまたヨウ素化され得、そして一過的にトランスフェクトしたCOS細胞におけるラジオレセプターに基づくアッセイにおいて使用され得る。COS−7細胞を、15cmプレートにおいて、DMEM、10%熱非働化FBS、10mg/Lゲンタマイシン中で、80〜90%コンフルエントまで増殖させる。DEAE/デキストラン方法(Sambrookら、前出)による、1〜2μgのプラスミドDNAでのトランスフェクションの24時間後に、細胞をトリプシン処理し、そして5×104細胞/cm2の細胞濃度でマルチウェルプラスチックディッシュ(16または35mm直径、Costar、Cambridge、Mass.)に配置した。細胞数は、トランスフェクション後にわずかにのみ増加した。さらなる48時間の連続した培養の後、ラジオレセプターアッセイを実施する。研究を開始する直前に、培養培地を、50mM Tris−HCl(pH7.7)、100mM NaCl、2mM CaCl2、5mM KCL、0.5%熱非働化ウシ胎仔血清(GIBCO)、および5%熱非働化ウシ血清(KC Biological Inc.、Lenexa、Kans.)を含有する緩衝液と置換した。他に示さない限り、4×105cpm/ml(9.6×10-11M)の125I標識化[Ala1]PTH(1−14)アミドまたは125I標識化[Nle8]PTH(1−14)と共に、この緩衝液中で15℃で4時間インキュベートした細胞を用いて、研究を実施した。
【0086】
(III.ベクター、宿主細胞、および組換え発現)
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、および本発明のベクターで遺伝子操作された宿主細胞、ならびに組換え技術による本発明のポリペプチドの産生に関する。細胞を含まない翻訳系もまた、本発明のDNA構築物由来のRNAを使用して、このようなタンパク質を産生するために使用され得る。
【0087】
組換え産生のために、宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチドについての発現系またはその部分を組込むように遺伝子操作され得る。宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、微量注入、カチオン性脂質媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、切屑負荷(scrape loading)、弾道的導入、または感染のような、多くの標準的実験室マニュアル(例えば、Davisら、Basic Methods in Molecular Biology(1986)およびSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989))に記載される方法によって、もたらされ得る。
【0088】
適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、streptococci細胞、staphylococci細胞、E.coli細胞、Streptomyces細胞およびBacillus subtilis細胞);真菌細胞(例えば、酵母細胞およびAspergillus細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、3T3細胞、BHK細胞、293細胞およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞が挙げられる。
【0089】
非常に種々の発現系が、使用され得る。このような系としては、特に、染色体由来の系、エピソーム由来の系およびウイルス由来の系(例えば、細菌性プラスミド由来のベクター、バクテリオファージ由来のベクター、トランスポゾン由来のベクター、酵母エピソーム由来のベクター、挿入エレメント由来のベクター、酵母染色体エレメント由来のベクター、ウイルス(例えば、バキュロウイルス、パポバウイルス(例えば、SV40)、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、家禽ポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス)由来のベクター、ならびにそれらの組合せ由来のベクター(例えば、プラスミドおよびバクテリオファージ遺伝的エレメント(例えば、コスミドおよびファージミド)由来のベクター)が挙げられる。発現系は、発現を調節しならびに発現を生じる制御領域を含み得る。一般に、宿主においてポリペプチドを産生するためにポリヌクレオチドを維持、増殖または発現するために適切な任意の系またはベクターが、使用され得る。適切なヌクレオチド配列は、任意の種々の周知および慣用的な技術(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(前出)に示される技術)によって、発現系へ挿入され得る。
【0090】
RNAベクターはまた、本発明に開示される配列番号1の化合物またはその誘導体をコードする核酸の発現のために利用され得る。これらのベクターは、広範な種々の真核生物細胞において天然に複製される、+(プラス)鎖または−(マイナス)鎖のRNAウイルスに基づく(Bredenbeek,P.J.およびRice,C.M.、Virology 3:297−310、1992)。レトロウイルスとは異なり、これらのウイルスは、RNA形態において完全に存在する、中間のDNAライフサイクル相を欠如する。例えば、αウイルスは、外来タンパク質のための発現ベクターとして使用される。なぜなら、これらは、広範囲の宿主細胞において利用され得、そして高レベルの発現を提供し得るからである;この型のウイルスの例としては、シンドビスウイルスおよびセムリキ森林ウイルスが挙げられる(Schlesinger,S.、TIBTECH 11:18−22、1993;Frolov,I.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)93:11371−11377、1996)。Invitrogenのシンビス発現系によって例示されるように、研究者らは、簡便に、研究室でDNA形態(pSinrep5プラスミド)において組換え分子を維持し得るが、RNA形態における増殖も同様に可能である。発現のために使用される宿主細胞において、目的の遺伝子を含むベクターは、完全にRNA形態で存在し、そして所望であれば、この状態において連続的に増殖され得る。
【0091】
翻訳されたタンパク質の、小胞体の管腔への分泌、ペリプラズム空間への分泌または細胞外環境への分泌について、適切な分泌シグナルは、所望のポリペプチドへ組み込まれ得る。これらのシグナルは、ポリペプチドに対して内因性であり得るか、またはこれらは、外因性シグナルであり得る。
【0092】
DNA配列の発現は、そのDNA配列が転写調節情報および翻訳調節情報を含むDNA配列に「作動可能に連結される」必要がある。作動可能な連結は、制御DNA配列または調節DNA配列および発現されようとしているDNA配列が、遺伝子発現を許容するような方法で連結される、連結である。遺伝子発現のために必要な「制御領域」の正確な性質は、生物間で変化し得るが、一般に、プロモーター領域(原核生物細胞において、プロモーター(これは、RNA転写の開始を指向する)ならびにDNA配列(RNAへ転写される場合に、タンパク質合成の開始をシグナル伝達する)の両方を含む)を含む。真核生物細胞における調節領域は、一般に、RNA合成の開始を指向するに十分なプロモーター領域を含む。
【0093】
2つのDNA配列は、その2つのDNA配列間の連結の性質が、(1)フレームシフト変異の導入を生じない場合、(2)プロモーター領域配列が融合タンパク質をコードする配列の転写を指向する能力を妨害しない場合または(3)融合タンパク質をコードする配列がプロモーター領域配列によって転写される能力を妨害しない場合に、作動可能に連結されているといわれる。従って、プロモーター領域は、このプロモーター領域がDNA配列を転写し得た場合に、そのDNA配列に作動可能に連結される。
【0094】
本発明の発現ベクターを生成するための、種々のDNAフラグメントの結合は、従来の技術に従い、連結のために平滑末端または付着末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、適切な粘着末端の充填、望まない結合を回避するためのアルカリおよびホスファターゼ処理、ならびに適切な連結物との連結を使用して、実施される。融合タンパク質の場合において、遺伝的構築物は、この融合タンパク質の5’遺伝子配列に作動可能に連結された誘導性プロモーターをコードして、この融合タンパク質の効率的な発現を可能にする。
【0095】
原核生物細胞(例えば、E.coli、B.subtilis、Pseudomonas、Streptomycesなどのような)において、配列番号1の化合物またはその誘導体を発現するために、配列番号1をコードするDNA配列を機能性原核生物プロモーターに作動可能に連結する必要がある。このようなプロモーターは、構成性であり得るか、またはより好ましくは、調節性(すなわち、誘導性または抑制解除性(depressible))であり得る。構成性プロモーターの例としては、バクテリオファージλのintプロモーター、pBR322のβラクタマーゼ遺伝子のblaプロモーター、およびpBR325のクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターなどが挙げられる。誘導性原核生物プロモーターの例としては、バクテリオファージλの主要な(major)右鎖プロモーターおよび左鎖プロモーター(PLおよびPR)、E.coliのtrp、recA、lacZ、lacIおよびgalプロモーター、α−アミラーゼ(Ulmanen,I.ら、J.Bacteriol.162:176−182(1985))、およびB.subtilisのσ−28−特異的プロモーター(Gilman,M.Z.ら、Gene 32:11−20(1984))、Bacilliusのバクテリオファージのプロモーター(Gryczan,T.J.:The Molecular Biology of the Bacilli,Academic Press,Inc.,NY(1982))、ならびにStreptomycesのプロモーター(Ward,J:M.ら、Mol.Gen.Genet.203:468−478(1986))が挙げられる。原核生物プロモーターは、Glick,B.R.、J.Ind.Microbiol.1:277−282(1987);Cenatiempo,Y.、Biochimie 68:505−516(1986));およびGottesman,S.、Ann.Rev.Genet.18:415−442(1984)によって総説されている。
【0096】
本発明のために好ましい原核生物プロモーターは、E.coli trpプロモーターであり、これは、インドールアクリル酸に対して誘導性である。
【0097】
発現が真核生物細胞(例えば、酵母、真菌、哺乳動物細胞、または植物細胞)において所望される場合、このような真核生物宿主において転写を指向し得るプロモーターを使用することが必要である。好ましい真核生物プロモーターとしては、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロモーター(Hamer,D.ら、J.Mol.Appl.Gen.1:273−288 (1982));ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight,S.、Cell 31:355−365(1982));SV40初期プロモーター(Benoist,C.ら、Nature(London)290:304−310(1981));ならびに酵母gal4遺伝子プロモーター(Johnston,S.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)79:6971−6975(1982);Silver,P.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)81:5951−5955(1984))が挙げられる。
【0098】
好ましくは、導入される遺伝子配列は、レシピエント宿主において自立的に複製し得るプラスミドまたはウイルスベクターに組み込まれる。任意の広範な種々のベクターが、この目的のために使用され得る。特定のプラスミドまたはウイルスベクターを選択する際に重要な因子としては、以下が挙げられる:ベクターを含むレシピエント細胞が、ベクターを含まないレシピエント細胞を認識し得、そしてその細胞から選択され得る、容易性;特定の宿主において所望されるベクターのコピー数;および異なる種の宿主細胞間でベクターを「往復(shuttle)」し得ることが望ましいか否か。
【0099】
好ましい原核生物ベクターとしては、E.coliにおいて複製可能なプラスミド(例えば、pBR322、ColEl、pSC101、pACYC 184、πVXのような)が挙げられる。このようなプラスミドは、例えば、Maniatis,T.ら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1982)によって開示される。好ましいプラスミド発現ベクターとしては、pGFP−1プラスミド(Gardellaら、J.Biol.Chem.265:15854−15859(1989)に記載される);またはpETベクターの1つに基づく改変プラスミド(StudierおよびDunn、Methods in Enzymology 185:60−89(1990)に記載される)が挙げられる。Bacillusプラスミドとしては、pC194、pC221、pT127などが挙げられる。このようなプラスミドは、Gryczan,T.:The Molecular Biology of the Bacilli,Academic Press,NY、307−329頁(1982)によって開示される。適切なStreptomycesプラスミドとしては、pIJIOI(Kendall,K.J.ら、J.Bacteriol.169:4177−4183(1987))、およびstreptomycesバクテリオファージ(例えば、φC31(Chater,K.F.ら:Sixth International Symposium on Actinomycetales Biology,Akademiai Kaido,Budapest,Hungary、45−54頁(1986))が挙げられる。Pseudomonasプラスミドは、John,J.F.ら、Rev.Infect.Dis.8:693−704(1986)、およびIzaki,K.、Jon.J.Bacteriol.33:729−742(1978)によって総説される。
【0100】
好ましい真核生物発現ベクターとしては、限定はしないが、BPV、ワクシニア、2−ミクロンサークル(2−micron circle)などが挙げられる。このような発現ベクターは、当該分野において周知である(Botstein,D.ら、Miami Wntr.Symp.19:265−274(1982);Broach,J.R.:The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces:Life Cycle and Inheritance,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY、445−470頁(1981);Broach,J.R.、Cell 28:203−204(1982);Bollon,D.P.ら、J Clin.Hematol.Oncol.10:39−48(1980);Maniatis,T.:Cell Biology:A Comprehensive Treatise、第3巻、Gene Expression,Academic Press,NY、563−608頁(1980))。
【0101】
微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞の培養物もまた、宿主として使用され得る。原理的に、任意のこのような細胞培養物は、脊椎動物細胞供給源または無脊椎動物細胞供給源のいずれかから実行可能である。しかし、脊椎動物供給源由来の細胞を用いるものが、大いに興味深い。有用な脊椎動物宿主細胞株の例は、VERO細胞株およびHeLa細胞株、チャイニーズハムスター(CHO)細胞株、WI38細胞株、BHK細胞株、COS−7細胞株、およびMDCK細胞株である。このような細胞のための発現ベクターは、通常(必要であれば)、任意の必要なリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位および転写終結部位とともに、複製起点、発現される遺伝子の前またはその上流に位置するプロモーターを含む。
【0102】
哺乳動物細胞における使用に関しては、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルス物質により提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)およびサイトメガロウイルス由来である。SV40ウイルスの初期プロモーターおよび後期プロモーターは、特に有用である。なぜなら、両方とも、SV40ウイルスの複製起点もまた含むフラグメントとしてこのウイルスから容易に得られるからである(Fiersら,Nature 273:113(1978))。
【0103】
複製起点は、ベクターの構築により以下のいずれかを提供されて、外因性の起点(SV40または他のウイルス(例えば、ポリオーマ、アデノ、VSV、BPV)の供給源由来であってもよく、宿主細胞染色体複製機構により提供されてもよい)を含み得る。ベクターが宿主染色体に組み込まれる場合、後者はしばしば充分である。
【0104】
多くの(formidable)細胞膜障壁のない細胞が宿主細胞として使用される場合、トランスフェクションは、GrahamおよびVan der Erb,Virology 52:546(1978)に記載されるように、リン酸カルシウム沈澱法により行われる。しかし、細胞にDNAを導入するための他の方法(例えば、核注入によるか、またはプロトプラスト融合による)もまた使用され得る。遺伝子治療の場合では、トランスフェクション促進剤(例えば、リポソームが挙げられるが、これに限定されない)の有無に拘わらず、裸のプラスミドまたはウイルスDNAの直接注入法が、哺乳動物細胞のインビボまたはインビトロのトランスフェクションという現在の方法に対する代替アプローチを提供する。実質的な細胞壁構築物を備える原核生物細胞が使用される場合、好ましいトランスフェクション法は、Cohenら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69:2110(1972)に記載のように、塩化カルシウムを用いたカルシウム処理である。
【0105】
(IV.配列番号1の化合物またはその誘導体の有用性および投与)
本発明の、配列番号1の化合物またはその誘導体は、骨質量の喪失により現れた種々の哺乳動物の状態を予防および処置するために有用である。特に、本発明の化合物は、ヒトにおける骨粗鬆症およびオステオペニアの予防処置および治療処置に関して記載される。さらに、本発明の化合物は、他の骨疾患の予防処置および治療処置に関して記載される。本発明の化合物は、上皮小体低下症の予防処置および治療処置に関して記載される。最終的に、本発明の化合物は、骨折修復のためのアゴニストとしての使用、および高カルシウム血症のためのアンタゴニストとしての使用に関して記載される。
【0106】
一般に、本発明の、配列番号1の化合物またはその誘導体、またはそれらの塩は、1日あたり約0.01〜1μg/kg体重の間、好ましくは、1日あたり約0.07〜約0.2μg/kg体重の間の量で投与される。50kgのヒト女性被験体に関しては、配列番号1の生物学的に活性な化合物またはその誘導体は、約0.5〜約50μg、好ましくは、約3.5μg〜約10μgである。他の哺乳動物(例えば、ウマ、イヌ、およびウシ)においては、より高い用量が必要であり得る。この用量は、最も有効な結果を達成するために必要とされるように、1回の投与により、複数回の適用により、または徐放により、好ましくは、1日1回以上の注射により、従来の薬学的組成物中で送達され得る。例えば、この投薬量は、鼻通気法により、従来の薬学的組成物中で送達され得る。
【0107】
正確な用量および組成物ならびに最も適切な送達レジメの選択は、特に、選択された配列番号1の化合物またはその誘導体の薬理学的特性、処置される状態の性質および重篤度、ならびにレシピエントの物理的状態および精神的明瞭度により影響される。
【0108】
代表的な好ましい送達レジメとしては、経口、非経口(皮下、経皮、筋肉内および静脈内を含む)、直腸、口内(舌下を含む)、経皮、および鼻通気法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
薬学的に受容可能な塩は、有毒な副作用なく、配列番号1の化合物およびその誘導体の所望される生物学的活性を保持する。このような塩の例としては、(a)無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)と形成された酸付加塩;有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸(pamoic acid)、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸など)と形成された酸付加塩;(b)多価金属カチオン(例えば、亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなど)と形成された塩基付加塩;またはN’,N’−ジベンジルエチレンジアミンまたはエチレンジアミンから形成された有機カチオンと形成された塩基付加塩;または(C)(a)および(b)の組み合わせ(例えば、亜鉛のタンニン酸塩など)である。
【0110】
本発明のさらなる局面は、薬学的に受容可能な非毒性キャリアとの混合物中に、活性成分として、本発明の配列番号1の化合物またはそれらの誘導体、または薬学的に受容可能なそれらの塩を含む薬学的組成物に関する。上記のように、このような組成物は、非経口(皮下、経皮、筋肉内または静脈内)投与のために、特に、液体溶液または懸濁液の形態で;経口または口内投与のために、特に錠剤またはカプセル剤の形態で;直腸、経皮投与のために、特に散剤、経鼻小滴またはエアロゾルの形態で調製され得る。
【0111】
この組成物は、単位投薬形態で簡便に投与され得、そして薬学分野において周知の任意の方法(例えば、本明細書中に参考として援用される、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,(1985)に記載)によって調製され得る。非経口投与のための処方物は、賦形剤(滅菌水または生理食塩水、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、植物起源の油、硬化ナフタレンなど)を含み得る。経口投与に関しては、この処方物は、胆汁酸塩またはアシルカルニチンの付加により増強され得る。経鼻投与のための処方物は、固体であってもよく、そして賦形剤(例えば、ラクトースまたはデキストラン)を含み得、経鼻ドロップまたは用量測定スプレーの形態で使用するための水溶液または油溶液であってもよい。口内投与に関しては、代表的な賦形剤として、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、予めゼラチン様にしたデンプンなどが挙げられる。
【0112】
最も好ましい投与経路である経鼻投与のために処方される場合、鼻粘膜を通る吸収は、界面活性剤の酸(例えば、グリココール酸、コール酸、タウロコール酸、エトコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸、グリコデオキシコール酸、シクロデキストリンなど)を約0.2〜15重量%、好ましくは、約0.5〜4重量%、最も好ましくは、約2重量%の範囲の量により増強され得る。
【0113】
本発明の化合物を長期間(例えば、1週間から1年)にわたり被験体に送達することは、所望の放出期間にわたり充分活性な成分を含む徐放系の1回の投与により達成され得る。種々の徐放系(例えば、モノリシックまたはリザーバ型マイクロカプセル、デポー(depot)インプラント、浸透圧ポンプ、小胞、ミセル、リポソーム、経皮パッチ、イオン浸透デバイスおよび代替的な注射可能投薬形態)がこの目的のために利用され得る。活性成分の送達が所望される部位における局在化は、特定の障害の処置において利益があることが証明され得るいくつかの徐放デバイスのさらなる特徴である。
【0114】
徐放性処方物の1つの形態は、ゆっくりと分解され、非毒性で、非抗原性のポリマー(例えば、Kent,Lewis,Sanders,およびTice,米国特許第4,675,189号(本明細書中に参考として援用される)の先駆的研究において記載される、コポリ(乳酸/グリコール酸))中に分散されるか、またはカプセル化される、ポリペプチドまたはその塩を含む。この化合物、または好ましくはそれらの比較的不溶性の塩もまた、コレステロールもしくは他の脂質マトリクスペレット、またはシラストマー(silastomer)マトリクスインプラント中に処方され得る。さらなる遅延型放出、デポーインプラントまたは注射可能処方物は当業者に明らかである。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson編,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978,およびR.W.Baker,Controlled Release of Biologically Active Agents,John Wiley&Sons,New York,1987(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0115】
PTHと同様に、PTH改変体は、所定の臨床状態を処置する際に有用な他の薬剤と組み合わせて投与され得る。例えば、骨粗鬆症および他の骨関連障害を処置する場合、PTH改変体は、カルシウム補助食品またはビタミンDアナログとともに投与され得る(米国特許第4,698,328号を参照のこと)。あるいは、PTH改変体は、例えば、米国特許第4,761,406号に記載の二リン酸と組み合わせて、またはカルシトニンおよびエストロゲン(限定はされない)のような1つ以上の骨治療剤と組み合わせて、好ましくは、循環的治療レジメを用いて投与され得る。
【0116】
(V.配列番号1の化合物またはその誘導体のレセプターシグナル伝達活性)
ホルモン作用の発現における重大な工程は、ホルモンと、標的細胞の原形質膜表面のレセプターとの相互作用である。ホルモン−レセプター複合体の形成は、細胞への細胞外シグナルの伝達を可能にし、種々の生物学的応答を誘発する。
【0117】
(PTH−1レセプターアンタゴニストおよびアゴニストについてのスクリーニング)
本発明のポリペプチドは、cAMP蓄積アッセイを使用して、それらのアゴニストまたはアンタゴニストの特性についてスクリーニングされ得る。その細胞表面上にPTH−1レセプターを発現する細胞を、2mM IBMX(3−イソブチル−1−メチル−キサンチン、Sigma,St.Louis,MO)の存在下、ネイティブPTH(1〜84)と共に5〜60分間、37℃でインキュベートする。サイクリックAMP蓄積を、上記のように、特異的放射免疫アッセイによって測定する。PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1〜84)と競合し、そしてcAMP蓄積に対するネイティブPTH(1〜84)の効果を阻害する、配列番号1の化合物またはその誘導体を、競合的アンタゴニストとみなす。このような化合物は、高カルシウム血症を処置するために有用である。
【0118】
反対に、PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1〜84)と競合しないが、なおcAMP蓄積のネイティブPTH(1〜84)活性化を妨げる(おそらく、レセプター活性化部位をブロックすることによる)、配列番号1の化合物またはその誘導体を、非競合的アンタゴニストとみなす。このような化合物は、高カルシウム血症を処置するために有用である。
【0119】
PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1〜84)と競合し、そしてネイティブPTH(1〜84)の存在下または非存在下でcAMP蓄積を刺激する、配列番号1の化合物またはその誘導体は、競合的アゴニストである。PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1〜84)と競合しないが、ネイティブPTH(1〜84)の存在下または非存在下で、なおcAMP蓄積を刺激し得るか、あるいは配列番号1の化合物またはその誘導体単独で観察されるよりも、より高いcAMP蓄積を刺激する、配列番号1の化合物またはその誘導体を、非競合的アゴニストとみなす。
【0120】
(VI.配列番号1の化合物またはその誘導体の治療的使用)
高カルシウム血症および低カルシウム血症のいくつかの形態は、PTHおよびPTHrPと、PTH−1レセプターおよびPTH−2レセプターとの間の相互作用に関連する。高カルシウム血症は、血清カルシウムレベルの異常な上昇が存在する状態であり;これは、しばしば、以下を含む他の疾患に関連する:上皮小体機能亢進症、骨粗しょう症、乳房、肺および前立腺の癌腫、頭部および頸部、ならびに食道の類表皮癌、多発性骨髄腫、および副腎腫。低カルシウム血症は、血清カルシウムレベルが、異常に低い状態であり、効果的PTHの欠損(例えば、甲状腺手術後の)から生じ得る。
【0121】
配列番号1の化合物またはその誘導体をコードする本発明の核酸をまた、選択された組織特異的プロモーターおよび/またはエンハンサーに連結し得、そして得られたハイブリッド遺伝子を、標準的な方法(例えば、Lederら、米国特許第4,736,866号(本明細書中に参考として援用される)に記載のような)によって初期発生段階(例えば、受精卵母細胞段階)の動物胚に導入し、選択された組織において上昇したレベルの配列番号1の化合物またはその誘導体を発現するトランスジェニック動物を生成し得る(例えば、骨についてのオステオカルシンプロモーター)。このようなプロモーターを使用して、このトランスジェニック動物における配列番号1の化合物またはその誘導体の組織特異的発現を指向する。
【0122】
さらに、PTH/PTHrPアナログがPTH−1/PTH−2レセプターを拮抗または作動する能力(当業者に公知のアッセイによって決定され、そして以下に議論されるような)を破壊しない、天然の任意の他のアミノ酸置換が、本発明の範囲に含まれる。
【0123】
「アゴニスト」によって、PTH−1レセプターによって媒介される細胞性応答を増強または強化し得るリガンドが意図される。「アンタゴニスト」によって、PTH−1レセプターによって媒介される細胞性応答を阻害し得るリガンドが意図される。本発明の任意の候補「アゴニスト」または「アンタゴニスト」が、このような細胞性応答を増強または阻害し得るか否かは、当該分野で公知のタンパク質リガンド/レセプターの細胞性応答アッセイまたは結合アッセイ(本出願の他の箇所に記載されるアッセイを含む)を使用して決定され得る。
【0124】
本発明のさらなる局面に従って、PTH−1レセプターの変化した作用または過剰な作用から生じる医学的障害を処置するための方法が提供され、この方法は、患者のPTH−1レセプターの活性化を阻害するのに十分な、治療有効量の配列番号1の化合物またはその誘導体を、その患者に投与する工程を包含する。
【0125】
この実施形態において、PTH−1レセプターの変化された作用から生じる障害を有することが疑われる患者は、PTH−1レセプターの選択的アンタゴニストである、本発明の配列番号1の化合物またはその誘導体を使用して処置され得る。このようなアンタゴニストとしては、PTH−1レセプター媒介細胞活性化を干渉することが決定されている(本明細書中に記載のアッセイによって)、本発明の配列番号1の化合物またはその誘導体、あるいは類似の特性を有する他の誘導体が挙げられる。
【0126】
アンタゴニストを投与するために、適切な配列番号1の化合物またはその誘導体を、一般的に、適切なキャリアまたは賦形剤(例えば、生理学的生理食塩水)中に処方することによって、医薬の製造において使用して、そして好ましくは、PTH−1レセプターに対する配列番号1の化合物またはその誘導体の結合の十分な阻害を提供する投薬量で、静脈内、筋内、皮下、経口または鼻内投与する。代表的な投薬量は、1ng〜10mgのペプチド/kg体重/日である。
【0127】
好ましい実施形態において、この方法において使用される配列番号1の化合物またはその誘導体は、そのアミノ末端で単一のアミノ酸欠失を有する。この好ましい実施形態において、PTH/PTHrPアナログは、PTH(2〜14)/PTHrP(2〜14)である。なお別の好ましい実施形態において、この方法において使用される配列番号1の化合物またはその誘導体は、そのアミノ末端で2つのアミノ酸欠失を有する。この好ましい実施形態において、PTH/PTHrPアナログは、PTH(3〜14)/PTHrP(3〜14)である。
【0128】
本発明のなおさらなる局面に従って、骨粗しょう症を処置するための方法が提供され、この方法は、患者のPTH−1レセプターを活性化するのに十分な、治療有効量の配列番号1の化合物またはその誘導体を、その患者に投与する工程を包含する。PTH/PTHrPアンタゴニストについて上記されたような同様の投薬量および投与が、例えば、骨粗しょう症、他の代謝性骨障害、ならびに上皮小体機能低下症および関連する障害のような状態の処置のための、PTH/PTHrPアゴニストの投与に使用され得る。
【0129】
好ましい実施形態において、この方法において使用される配列番号1の化合物またはその誘導体は、配列番号1の化合物のアミノ酸1位で、セリンのアラニンでのアミノ酸置換を有する。この特定の実施形態において、PTH誘導体は、[Ala1]PTH(1〜14)(配列番号5)である。別の好ましい実施形態において、この方法において使用される配列番号1の化合物またはその誘導体は、配列番号1のアミノ酸5位で、イソロイシンのヒスチジンでのアミノ酸置換を有する。この特定の実施形態において、PTHrP誘導体は、[Ile5]PTHrP(1〜14)(配列番号2)である。
【0130】
本発明が、本発明またはその任意の実施形態の精神または範囲を逸脱することなく、組成、濃度、投与形態および状態の広範な等価のパラメーターの範囲内で実施され得ることが、当業者に理解される。
【0131】
本発明をここで十分に記載しているが、本発明が、特定の実施例を参照することによって、より容易に理解される。本明細書中に明記されない限り、これらの特定の実施例は、例示目的で提供され、そして本発明を限定することが意図されない。
【0132】
(実施例1)
PTHおよびPTHrPの生物活性に必要とされる最小の長さを同定することを開始するために、本発明者らは、ネイティブヒトPTHの最初の14アミノ酸に基づく合成ペプチドを構築した。最適化に対する最初の工程として、本発明者らは、1位のセリンをアラニンによって置換し;この置換は、ラットおよびウシのPTH、ならびに現在までに報告されている全てのPTHrP分子(ヒト、ウシ、イヌ、ラット、マウス、ニワトリ)における1位に見出されるアミノ酸に対応し、ネイティブPTH(1〜14)ペプチドの生物活性のバックグラウンドレベルを超える、生物活性の測定可能な増加を生じる。この新規ペプチド(本明細書中で[Ala1]PTH(1〜14)と呼ばれる)のC末端残基を、アミド化する。
【0133】
[Ala1]PTH(1〜14)が、クローン化されたヒトPTH−1レセプターを発現するCOS−7細胞においてcAMP形成を刺激する能力を、図1に示す。小さいcAMP応答は、より短いペプチド[Ala1]PTH(1〜9)を用いてでさえ見出され得る。予期されたように、このカルボキシ末端フラグメントPTH(15〜31)は、不活性であった(図1)。これらのペプチドの各々は、PTH−1レセプター遺伝子を欠失するDNAベクターでトランスフェクトしたコントロールCOS−7細胞において、不活性であった。
【0134】
PTH(1〜14)の特異性を実証するために、それが、ラットセクレチンレセプター(rSR)(PTHに結合も応答もしない関連ファミリーBレセプター)でトランスフェクトしたCOS−7細胞においてcAMP産生を刺激する能力を、試験した。図6に示されるように、PTH(1〜14)は、rSRを発現する細胞において不活性である。従って、COS−7細胞におけるPTH(1〜14)に対する応答は、PTH−1レセプター発現に依存性である。PTH(1〜14)の特異性もまた、ブタ腎臓細胞株LLC−PK1(ヒトPTH−1レセプターでトランスフェクトしていないか、または安定にトランスフェクトしたかのいずれか)、LLC−B7細胞株を使用して試験した。図4は、これらの細胞におけるPTH(1〜14)応答が、PTH−1レセプター発現に依存性であることを示す。
【0135】
(実施例2)
上記の実施例1に示されるように、Ser1→Alaの置換を含んでもなお、[Ala1]PTH(1〜14)ペプチドは、ネイティブPTH(1〜34)より弱い(図1)。従って、能力および効力を改善するための[Ala1]PTH(1〜14)の配列のさらなる最適化を、実施した。この最適化プロセスの一部として、ネイティブPTH(1〜14)配列のアラニンスキャニングを、実施した。この研究において、各々14アミノ酸長で、かつ1つのネイティブアミノ酸がアラニンで置換されることによって互いに異なる、14の異なるペプチドを合成した。このアラニンスキャニングは、このネイティブの1〜14配列における各々の個々の残基の、機能に重要であるか(不耐性)、または機能に重要でないか(耐性)のいずれかとしての分類を可能にする。耐性残基は、Asn−10からHis−14までに及ぶ、1つの良好に規定されたカルボキシ末端セグメントに存在し、一方、不耐性残基は、全て、Ala−1〜His9セグメントにある(図2)。1位が、ネイティブのラットおよびウシの配列においてアラニンであり、そして3位でのSer→Alaが、保存的置換であることから、Ala−1およびSer−3は、この研究において十分に試験しなかったことに留意されたい。例えば、アラニンスキャニングの結果から予測されるように、[Ala1]PTH(1〜9)フラグメント(全ての不耐性残基を含む)は、いくらか生物活性を示す(図1)。
【0136】
(実施例3)
この分析を、PTHrP(1〜14)配列に、同様に広げる。本発明者らは、PTHrP(1〜14)における重要な5位で、ヒスチジンをイソロイシンで置換する、1つの一置換を見出した。従って、この特定の実施形態において、pTHrPアナログは、[Ile5]PTHrP(1〜14)である。図7は、[Ile5]PTH(1〜14)を用いて得られたcAMP活性の結果を示す。LLC−B7細胞を、その示したペプチドリガンド(各100μM)で処理し、次いで、細胞内cAMPレベルを測定した。PTHrPの重要な5位での、イソロイシンのヒスチジンでの置換は、ネイティブPTHrP(1〜14)と比較して、増強された能力を有する新規アナログを生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PTH(1〜34)のアミノ末端フラグメントおよびカルボキシ末端フラグメントの生物活性。副甲状腺ホルモンのフラグメントを、化学的方法によって合成し、そして逆相HPLCによって精製した。ペプチドを、クローニングされたヒトPTH−1レセプターを発現するCOS−7細胞におけるcAMP蓄積を刺激する能力について試験した。PTH(1〜34)を、1μMの用量で試験し、他のペプチドを67μMで試験した。ペプチドを、2連で(±s.e.m.)67μMの用量で試験した。コントロールの未処理細胞におけるcAMPを、Bslによって示す。細胞を、21℃にて30分間処理する。
【図2】PTH(1〜14)のアラニン走査。14個の異なるPTH(1〜14)誘導体の生物活性を示し、各々、アラニンによって置換された、ネイティブな配列の異なるアミノ酸(図の下に示す)を有する。ペプチドを化学的に合成し、精製し、そしてクローニングされたヒトPTH−1レセプターを発現するCOS−7細胞におけるcAMP形成を刺激する能力について試験した。ペプチドを、2連で(±s.e.m.)67μMの用量で試験した。コントロールとして、基礎(basal)によって示される未処理細胞を測定した。1位にアラニンを含むPTH(1〜14)を、野生型参照として用いた。細胞を、21℃にて30分間刺激する。
【図3】ヒトPTH−1レセプターによって安定にトランスフェクトされたLLC−PK1細胞(LLC−B7細胞)における短いアミノ末端PTHアナログのcAMP用量応答曲線。24プレートにおけるLLC−B7細胞を、示したペプチドで21℃にて60分間処理し、次いで細胞内cAMPレベルを測定した。示した全てのPTHペプチドは、ラットPTH配列に基づき、そしてカルボキシ末端がアミド化されている。理解され得るように、PTH(1〜14)ペプチドを残基15まで伸ばした場合、活性の獲得は存在しない;そしてPTH(1〜13)またはより短いアナログは、非常弱い活性しか示さない。
【図4】LLC−B7細胞およびトランスフェクトしていないLLC−PK1細胞におけるPTH(1〜14)のcAMP用量応答曲線。PTH(1〜14)およびPTH(1〜34)のコントロールペプチドを、図3におけるように試験した。理解され得るように、これらの細胞におけるPTH(1〜14)に対する応答は、PTH−1レセプターの存在に完全に依存する。
【図5】LLC−B7細胞におけるPTH(1〜14)のアラニン走査。各々のPTH(1〜14)を、2連で100μMの用量で試験した。24プレートにおけるLLC−B7細胞を、示したペプチドで21℃にて60分間処理し、次いで細胞内cAMPレベルを測定した。
【図6】PTH(1〜14)の特異性。アナログPTH(1〜14)を、ラットセクレチンレセプターでトランスフェクトしたCOS−7細胞において試験した。このCOS−7細胞は、コントロールのネイティブセクレチン(1〜27)に十分に応答する。PTH(1〜14)は、これらの細胞におけるcAMPを刺激しない。従って、PTH(1〜14)に対する応答は、PTH−1レセプターの存在に依存する。
【図7】[Ile5]PTHrP(1〜14)のcAMP活性。LLC−B7細胞を、各々100μMの、示したペプチドリガンドで処理し、次いで細胞内cAMPレベルを測定した。
【配列表】
Figure 0004486256
Figure 0004486256
Figure 0004486256
Figure 0004486256
Figure 0004486256

Claims (14)

  1. プチドであって、以下の式:
    (a)
    Figure 0004486256
    (b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、または1〜13を含む、(a)のフラグメント;あるいは
    (c)(a)または(b)の薬学的に受容可能な塩
    からなり、ここで:
    01は、SerまたはAlaであり;
    02は、Ileであり;
    03は、Met、LeuまたはNleであり;
    04は、AsnまたはAspであり;
    05は、LeuまたはLysであり;そして
    06は、HisまたはSerであり、
    但し該ペプチドは、PTHrP(1−14)でもhPTH(1−14)のフラグメントでもなく、該ペプチドはPTHレセプターのアゴニストとして作用する、
    プチド。
  2. 以下:
    Figure 0004486256
    である、請求項1に記載のペプチド。
  3. 前記ペプチドが、放射性標識、蛍光標識、生物発光標識、または化学発光標識からなる群より選択される標識で標識される、請求項1に記載のペプチド。
  4. 前記放射性標識が99mTcである、請求項に記載のペプチド。
  5. 核酸分子であって、以下:
    (a)
    Figure 0004486256
    あるいは
    (b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、(a)のフラグメント;
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するペプチドをコードするポリヌクレオチドからなり、ここで:
    01は、SerまたはAlaであり;
    02は、Ileであり;
    03は、Met、LeuまたはNleであり;
    04は、AsnまたはAspであり;
    05は、LeuまたはLysであり;そして
    06は、HisまたはSerであり、
    但し該ペプチドは、PTHrP(1−14)でもhPTH(1−14)のフラグメントでもなく、該ペプチドはPTHレセプターのアゴニストとして作用する
    核酸分子。
  6. 組換えDNA分子であって、
    (1)発現制御領域
    (2)該発現領域と作動可能に連結されている、ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列
    を含み、該ペプチドは、以下:
    (a)
    Figure 0004486256
    あるいは
    (b)アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、(a)のフラグメント;
    からなる群より選択され、ここで:
    01は、SerまたはAlaであり;
    02は、Ileであり;
    03は、Met、LeuまたはNleであり;
    04は、AsnまたはAspであり;
    05は、LeuまたはLysであり;そして
    06は、HisまたはSerであり、
    但し該ペプチドは、PTHrP(1−14)でもhPTH(1−14)のフラグメントでもなく、該ペプチドはPTHレセプターのアゴニストとして作用する、
    組換えDNA分子。
  7. プチドを調製する方法であって、請求項に記載の組換えDNA分子を、宿主中に導入する工程、および該分子の発現を引き起こす工程を包含する、方法。
  8. 組換えベクターを作製するための方法であって、請求項に記載の核酸分子をベクター中に挿入する工程を包含する、方法。
  9. 前記制御領域が細菌プロモーター、ウイルスプロモーター、真菌プロモーターまたは哺乳動物プロモーターを含む、請求項に記載の組換えDNA分子。
  10. 請求項に記載の組換えDNA分子を含む、宿主細胞。
  11. 原核生物である、請求項10に記載の細胞。
  12. 細菌である、請求項11に記載の細胞。
  13. 真核生物である、請求項10に記載の細胞。
  14. 酵母細胞または哺乳動物細胞である、請求項13に記載の細胞。
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