JPH1047403A - 樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法 - Google Patents
樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH1047403A JPH1047403A JP22602696A JP22602696A JPH1047403A JP H1047403 A JPH1047403 A JP H1047403A JP 22602696 A JP22602696 A JP 22602696A JP 22602696 A JP22602696 A JP 22602696A JP H1047403 A JPH1047403 A JP H1047403A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration isolator
- resin
- rubber elastic
- resin bracket
- reinforcing member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Springs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
〔課題〕 弾性防振体を構成するゴム弾性基材に所定の
予圧がかけられ、しかも、ブラケットに対する緩衝性、
振動遮断性に優れる樹脂ブラケット付き防振装置を提供
する。 〔解決手段〕 内筒部材14と、該内筒部材14の外周
に所定距離を隔てて配置した略円筒形の補強部材16
と、これら内筒部材14と補強部材16とを架橋するゴ
ム弾性基材18と、からなる弾性防振体10を樹脂ブラ
ケット12に内装した樹脂ブラケット付き防振装置にお
いて、前記補強部材16の外周表面をゴム弾性被膜28
で覆うとともに、前記補強部材16とゴム弾性基材18
にかけて円周上少なくとも一箇所の分断部26を設け、
該弾性防振体10を前記樹脂ブラケット12に内装した
とき、この分断部26の間隔を狭めて前記ゴム弾性基材
18に所定の予圧をかけたことを特徴とする樹脂ブラケ
ット付き防振装置。
予圧がかけられ、しかも、ブラケットに対する緩衝性、
振動遮断性に優れる樹脂ブラケット付き防振装置を提供
する。 〔解決手段〕 内筒部材14と、該内筒部材14の外周
に所定距離を隔てて配置した略円筒形の補強部材16
と、これら内筒部材14と補強部材16とを架橋するゴ
ム弾性基材18と、からなる弾性防振体10を樹脂ブラ
ケット12に内装した樹脂ブラケット付き防振装置にお
いて、前記補強部材16の外周表面をゴム弾性被膜28
で覆うとともに、前記補強部材16とゴム弾性基材18
にかけて円周上少なくとも一箇所の分断部26を設け、
該弾性防振体10を前記樹脂ブラケット12に内装した
とき、この分断部26の間隔を狭めて前記ゴム弾性基材
18に所定の予圧をかけたことを特徴とする樹脂ブラケ
ット付き防振装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラケットに樹脂を用
いた樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法に関
するものである。
いた樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製(剛体)の内外筒間にゴム弾性基
材を架橋した弾性防振体は振動支持物を防振支持する個
所によく用いられている。この場合において、ゴム弾性
基材は圧縮された状態で介在していなければ所望の耐久
強度は出ない。このため、内外筒間にゴム弾性基材を架
橋した後、外筒を絞る等して所定の予圧をかける方法を
とっているが、外筒の存在によって絞り量は限られる。
材を架橋した弾性防振体は振動支持物を防振支持する個
所によく用いられている。この場合において、ゴム弾性
基材は圧縮された状態で介在していなければ所望の耐久
強度は出ない。このため、内外筒間にゴム弾性基材を架
橋した後、外筒を絞る等して所定の予圧をかける方法を
とっているが、外筒の存在によって絞り量は限られる。
【0003】一方で、この種の防振装置も、軽量化、低
コスト化が求められるようになって来ており、特に、自
動車に使用される防振装置ではその傾向が強い。このた
め、従来、鉄製のブラケットを使用していたものを樹脂
製のものに置き換える方法が提唱されている(例えば、
特開平4−054334号)。
コスト化が求められるようになって来ており、特に、自
動車に使用される防振装置ではその傾向が強い。このた
め、従来、鉄製のブラケットを使用していたものを樹脂
製のものに置き換える方法が提唱されている(例えば、
特開平4−054334号)。
【0004】しかし、この方法においても、弾性防振体
を樹脂ブラケットに内装する前に絞りを行わなければな
らない点は変わらない。この絞りは前述のように大きな
力を要するため、専用の絞り機によらなければならな
い。又、絞り操作において表面に潤滑油が付着するか
ら、樹脂との一体化に先立って脱脂等の面倒な処理をし
なければならない。
を樹脂ブラケットに内装する前に絞りを行わなければな
らない点は変わらない。この絞りは前述のように大きな
力を要するため、専用の絞り機によらなければならな
い。又、絞り操作において表面に潤滑油が付着するか
ら、樹脂との一体化に先立って脱脂等の面倒な処理をし
なければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この点を解決するもの
として、樹脂ブラケットで外筒を兼用させたものが見受
けられるようになって来たが(例えば、特開平6−23
4134号)、樹脂ブラケットを絞るというわけにはい
かない。従って、ゴム弾性基材に対して十分な予圧がか
けられず、信頼性に問題がある。
として、樹脂ブラケットで外筒を兼用させたものが見受
けられるようになって来たが(例えば、特開平6−23
4134号)、樹脂ブラケットを絞るというわけにはい
かない。従って、ゴム弾性基材に対して十分な予圧がか
けられず、信頼性に問題がある。
【0006】そこで、本出願人は、弾性防振体を構成す
る剛体の補強部材とゴム弾性基材に分断部を設け、分断
部の間隔を狭めるようにして樹脂ブラケットに内装する
ことでゴム弾性基材に所定の予圧がかけられるようにし
た案件を特願平8−093548号として提案してい
る。
る剛体の補強部材とゴム弾性基材に分断部を設け、分断
部の間隔を狭めるようにして樹脂ブラケットに内装する
ことでゴム弾性基材に所定の予圧がかけられるようにし
た案件を特願平8−093548号として提案してい
る。
【0007】このようにすることで、ゴム弾性基材に大
きな予圧がかけられるようになったのであるが、只、こ
の案件のものは、剛体の補強部材が直接樹脂ブラケット
に接触しているものであるから、温度変化等に基づく弾
性防振体の収縮、膨張に対して緩衝性に欠けたり、弾性
防振体から樹脂ブラケットへ伝わる振動の遮断性に乏し
いといった問題がある。本発明は、このような問題を解
決する樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法を
提供するものである。
きな予圧がかけられるようになったのであるが、只、こ
の案件のものは、剛体の補強部材が直接樹脂ブラケット
に接触しているものであるから、温度変化等に基づく弾
性防振体の収縮、膨張に対して緩衝性に欠けたり、弾性
防振体から樹脂ブラケットへ伝わる振動の遮断性に乏し
いといった問題がある。本発明は、このような問題を解
決する樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明
は、内筒部材と、該内筒部材の外周に所定距離を隔てて
配置した略円筒形の補強部材と、これら内筒部材と補強
部材とを架橋するゴム弾性基材と、からなる弾性防振体
を樹脂ブラケットに内装した樹脂ブラケット付き防振装
置において、前記補強部材の外周表面をゴム弾性被膜で
覆うとともに、前記補強部材とゴム弾性基材にかけて円
周上少なくとも一箇所の分断部を設け、該弾性防振体を
前記樹脂ブラケットに内装したとき、この分断部の間隔
を狭めて前記ゴム弾性基材に所定の予圧をかけたことを
特徴とする樹脂ブラケット付き防振装置を提供する。
は、内筒部材と、該内筒部材の外周に所定距離を隔てて
配置した略円筒形の補強部材と、これら内筒部材と補強
部材とを架橋するゴム弾性基材と、からなる弾性防振体
を樹脂ブラケットに内装した樹脂ブラケット付き防振装
置において、前記補強部材の外周表面をゴム弾性被膜で
覆うとともに、前記補強部材とゴム弾性基材にかけて円
周上少なくとも一箇所の分断部を設け、該弾性防振体を
前記樹脂ブラケットに内装したとき、この分断部の間隔
を狭めて前記ゴム弾性基材に所定の予圧をかけたことを
特徴とする樹脂ブラケット付き防振装置を提供する。
【0009】又、本発明は、以上の手段において、分断
部の端面もゴム弾性被膜で覆った樹脂ブラケット付き防
振装置、補強部材の外周表面を覆うゴム弾性被膜の表面
に周方向に複数の突条を形成した樹脂ブラケット付き防
振装置を提供する。
部の端面もゴム弾性被膜で覆った樹脂ブラケット付き防
振装置、補強部材の外周表面を覆うゴム弾性被膜の表面
に周方向に複数の突条を形成した樹脂ブラケット付き防
振装置を提供する。
【0010】更に、本発明は、内筒部材と、該内筒部材
の外周に所定距離を隔てて配置した略円筒形の補強部材
と、これら内筒部材と補強部材とを架橋するゴム弾性基
材と、からなる弾性防振体を、この弾性防振体を内装す
るブラケットの形状を射出空間とする樹脂射出用金型内
に装填し、前記射出空間に樹脂を射出して前記弾性防振
体の外周に樹脂ブラケットを射出成型する樹脂ブラケッ
ト付き防振装置の製造方法であって、前記補強部材の外
周表面をゴム弾性被膜で覆うとともに、前記補強部材と
ゴム弾性基材にかけて円周上少なくとも一箇所の分断部
を設け、前記樹脂射出用金型を閉じたとき、この分断部
の間隔を狭めることによって前記ゴム弾性基材に所定の
予圧をかけたままで、前記弾性防振体の外周に前記樹脂
ブラケットを射出成型することを特徴とする樹脂ブラケ
ット付き防振装置の製造方法を提供する。
の外周に所定距離を隔てて配置した略円筒形の補強部材
と、これら内筒部材と補強部材とを架橋するゴム弾性基
材と、からなる弾性防振体を、この弾性防振体を内装す
るブラケットの形状を射出空間とする樹脂射出用金型内
に装填し、前記射出空間に樹脂を射出して前記弾性防振
体の外周に樹脂ブラケットを射出成型する樹脂ブラケッ
ト付き防振装置の製造方法であって、前記補強部材の外
周表面をゴム弾性被膜で覆うとともに、前記補強部材と
ゴム弾性基材にかけて円周上少なくとも一箇所の分断部
を設け、前記樹脂射出用金型を閉じたとき、この分断部
の間隔を狭めることによって前記ゴム弾性基材に所定の
予圧をかけたままで、前記弾性防振体の外周に前記樹脂
ブラケットを射出成型することを特徴とする樹脂ブラケ
ット付き防振装置の製造方法を提供する。
【0011】そして、本発明は、以上の手段において、
分断部の端面もゴム弾性被膜で覆った樹脂ブラケット付
き防振装置の製造方法、樹脂射出用金型の内面に、該金
型を閉じたとき、補強部材の外面に部分的に当接する押
し片を設けることで該補強部材及びゴム弾性基材の分断
部の間隔を狭める樹脂ブラケット付き防振装置の製造方
法、押し片を補強部材側に設けた樹脂ブラケット付き防
振装置の製造方法を提供する。
分断部の端面もゴム弾性被膜で覆った樹脂ブラケット付
き防振装置の製造方法、樹脂射出用金型の内面に、該金
型を閉じたとき、補強部材の外面に部分的に当接する押
し片を設けることで該補強部材及びゴム弾性基材の分断
部の間隔を狭める樹脂ブラケット付き防振装置の製造方
法、押し片を補強部材側に設けた樹脂ブラケット付き防
振装置の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す樹脂ブ
ラケット付き防振装置の正面図、図2は側面図、図3は
樹脂ブラケット付き防振装置を構成する弾性防振体の正
面図、図4は平面図、図5は図3のA−A断面図、図6
は図3のB−B断面図、図7は他の例を示す図3のB−
B断面図である。
を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す樹脂ブ
ラケット付き防振装置の正面図、図2は側面図、図3は
樹脂ブラケット付き防振装置を構成する弾性防振体の正
面図、図4は平面図、図5は図3のA−A断面図、図6
は図3のB−B断面図、図7は他の例を示す図3のB−
B断面図である。
【0013】本発明に係る樹脂ブラケット付き防振装置
は、弾性防振体10を樹脂ブラケット12の中に一体的
に装填したものである。ここで、弾性防振体10とは、
金属等の剛体で構成される内筒部材14と、内筒部材1
4の外周に所定距離を隔てて配置した同じく金属製等の
略円筒形をした補強部材16との間にゴム弾性基材18
を架橋したものである。
は、弾性防振体10を樹脂ブラケット12の中に一体的
に装填したものである。ここで、弾性防振体10とは、
金属等の剛体で構成される内筒部材14と、内筒部材1
4の外周に所定距離を隔てて配置した同じく金属製等の
略円筒形をした補強部材16との間にゴム弾性基材18
を架橋したものである。
【0014】尚、本例における補強部材16は、その強
度を高め、後述する樹脂ブラケットとの接触面積を増し
て密着性を高める目的で、両端部に鍔部20を有してい
る。この鍔部20は、径大方向にフランジを形成したも
のであるが、ゴム弾性基材18は、その外表面までを覆
ったものにしている。こうすることで、軸方向に振動し
て相手部材と衝突しても、衝撃を緩和し、大きな音を発
生させない利点があるからである。
度を高め、後述する樹脂ブラケットとの接触面積を増し
て密着性を高める目的で、両端部に鍔部20を有してい
る。この鍔部20は、径大方向にフランジを形成したも
のであるが、ゴム弾性基材18は、その外表面までを覆
ったものにしている。こうすることで、軸方向に振動し
て相手部材と衝突しても、衝撃を緩和し、大きな音を発
生させない利点があるからである。
【0015】更に、ゴム弾性基材18のばね定数を調整
して耐久性を増すために、内筒部材14と補強部材16
との間のゴム弾性基材18中に上下二箇所の貫通部22
を形成している。従って、貫通部22の外方側に存在す
るゴム弾性基材18のブロックは、内筒部材14と補強
部材16との過大変位を規制するストッパ部材24とも
なる。
して耐久性を増すために、内筒部材14と補強部材16
との間のゴム弾性基材18中に上下二箇所の貫通部22
を形成している。従って、貫通部22の外方側に存在す
るゴム弾性基材18のブロックは、内筒部材14と補強
部材16との過大変位を規制するストッパ部材24とも
なる。
【0016】このような弾性防振体10は、内筒部材1
4と補強部材16とを、所定の形状のゴム弾性基材形成
空間を有する成型金型に装填し、ゴム弾性基材18を充
填して加硫接着することによって得られる。一方、補強
部材16とゴム弾性基材18にかけては、円周上少なく
とも一箇所の分断部26を設ける(本例のものは、二箇
所設けている)。この分断部26はどこに設けてよい
が、貫通部22に臨むのが望ましい(貫通部22の内方
側のゴム弾性基材18には分断部26を設けない)。形
成が容易なことと十分な圧縮が得られるからである。
4と補強部材16とを、所定の形状のゴム弾性基材形成
空間を有する成型金型に装填し、ゴム弾性基材18を充
填して加硫接着することによって得られる。一方、補強
部材16とゴム弾性基材18にかけては、円周上少なく
とも一箇所の分断部26を設ける(本例のものは、二箇
所設けている)。この分断部26はどこに設けてよい
が、貫通部22に臨むのが望ましい(貫通部22の内方
側のゴム弾性基材18には分断部26を設けない)。形
成が容易なことと十分な圧縮が得られるからである。
【0017】この場合、補強部材16の外周表面にもゴ
ム弾性材が廻るようにし、これでもってその表面にゴム
弾性被膜28を形成しておく。そして、このゴム弾性被
膜28の表面には複数の突条30を周方向に形成してお
くのが好ましい。尚、突条30の高さや数は任意であ
り、図6に示すような背の低いものもあれば、図7に示
すような背の高いものもある。更に、このゴム弾性被膜
28は分断部26の表面も覆うようにしておくのが望ま
しい。
ム弾性材が廻るようにし、これでもってその表面にゴム
弾性被膜28を形成しておく。そして、このゴム弾性被
膜28の表面には複数の突条30を周方向に形成してお
くのが好ましい。尚、突条30の高さや数は任意であ
り、図6に示すような背の低いものもあれば、図7に示
すような背の高いものもある。更に、このゴム弾性被膜
28は分断部26の表面も覆うようにしておくのが望ま
しい。
【0018】以上のような弾性防振体10を樹脂ブラケ
ット12に内装するが、この内装時、補強部材16の分
断部26の間隔が狭められるようにし、その結果、補強
部材16が縮径されて内部のゴム弾性基材18に所定の
予圧(圧縮)がかけられている状態にするのである。ゴ
ム弾性基材18に予圧がかけられると、耐久強度が上が
るのは前述したとおりである。
ット12に内装するが、この内装時、補強部材16の分
断部26の間隔が狭められるようにし、その結果、補強
部材16が縮径されて内部のゴム弾性基材18に所定の
予圧(圧縮)がかけられている状態にするのである。ゴ
ム弾性基材18に予圧がかけられると、耐久強度が上が
るのは前述したとおりである。
【0019】ここでの樹脂ブラケット12は、弾性防振
体10を収嵌する円筒部32と、円筒部32の下部左右
に張出してこれを支えるベース34とが一体的に形成さ
れた形状をしているものである。又、ベース34には、
固定用のボルト等を通す孔36が形成されている。
体10を収嵌する円筒部32と、円筒部32の下部左右
に張出してこれを支えるベース34とが一体的に形成さ
れた形状をしているものである。又、ベース34には、
固定用のボルト等を通す孔36が形成されている。
【0020】尚、弾性防振体10を樹脂ブラケット12
に内装したとき、分断部26は必ずしも完全に会合する
必要はない。要は、分断部26の間隔が狭められ、ゴム
弾性基材18に所定の予圧がかかるようにしてあればよ
いのである。
に内装したとき、分断部26は必ずしも完全に会合する
必要はない。要は、分断部26の間隔が狭められ、ゴム
弾性基材18に所定の予圧がかかるようにしてあればよ
いのである。
【0021】次に、このような樹脂ブラケット付き防振
装置の最適な製造方法について説明するが、要するに、
弾性防振体10を内装する樹脂ブラケット12の形状を
射出空間38とする樹脂射出用金型40を用いるのであ
る。具体的には、樹脂ブラケット12の形状に応じて複
数個に分割した金型40内に弾性防振体10をインサー
トし、その周囲に形成された射出空間38に樹脂を射出
するのである(42は貫通部22に通される金型)。
装置の最適な製造方法について説明するが、要するに、
弾性防振体10を内装する樹脂ブラケット12の形状を
射出空間38とする樹脂射出用金型40を用いるのであ
る。具体的には、樹脂ブラケット12の形状に応じて複
数個に分割した金型40内に弾性防振体10をインサー
トし、その周囲に形成された射出空間38に樹脂を射出
するのである(42は貫通部22に通される金型)。
【0022】図8は金型40を示す断面図であるが、こ
の場合、金型40に弾性防振体10を構成する補強部材
16に部分的に当接する押しピン等の押し片44を形成
しておき、金型40を閉じたときに押し片44が補強部
材16を所定の力で内方に押すようにしている。こうす
ることで、金型40を閉じると、補強部材16は縮径
し、ゴム弾性基材18が圧縮される。尚、押し片44は
補強金具16側に設けてもよい。
の場合、金型40に弾性防振体10を構成する補強部材
16に部分的に当接する押しピン等の押し片44を形成
しておき、金型40を閉じたときに押し片44が補強部
材16を所定の力で内方に押すようにしている。こうす
ることで、金型40を閉じると、補強部材16は縮径
し、ゴム弾性基材18が圧縮される。尚、押し片44は
補強金具16側に設けてもよい。
【0023】以上により、樹脂を射出空間38に射出す
ると(金型40には適当な射出路が設けられている)、
ゴム弾性基材18に所定の予圧をかけた状態で樹脂は硬
化し、弾性防振体10を一体的に内装した所定の形状の
樹脂ブラケットとして成型される。但し、成型品に押し
片44の跡が空間として残るが、余部で補われるから、
強度的には問題はない。
ると(金型40には適当な射出路が設けられている)、
ゴム弾性基材18に所定の予圧をかけた状態で樹脂は硬
化し、弾性防振体10を一体的に内装した所定の形状の
樹脂ブラケットとして成型される。但し、成型品に押し
片44の跡が空間として残るが、余部で補われるから、
強度的には問題はない。
【0024】本発明に係る樹脂ブラケット付き防振装置
を以上の方法で製造すると、別途の絞り操作やそれに基
づく脱脂操作等の複雑な工程を経ることなしに一工程で
完成品に成型できる。この際、樹脂の硬化収縮によって
弾性防振体10と樹脂ブラケット12とを強固に一体化
できるから、接着を必要としない。
を以上の方法で製造すると、別途の絞り操作やそれに基
づく脱脂操作等の複雑な工程を経ることなしに一工程で
完成品に成型できる。この際、樹脂の硬化収縮によって
弾性防振体10と樹脂ブラケット12とを強固に一体化
できるから、接着を必要としない。
【0025】ゴム弾性基材18等の分断部26の間隔
は、求められる予圧度に応じて適当に設定される。尚、
金型40閉型時にこれを狭めたとき、分断部26の両端
は必ずしも会合しなくてもよいのは前述したとおりであ
る。そして、この狭小量を調整することで予圧の強さを
変えることができる。
は、求められる予圧度に応じて適当に設定される。尚、
金型40閉型時にこれを狭めたとき、分断部26の両端
は必ずしも会合しなくてもよいのは前述したとおりであ
る。そして、この狭小量を調整することで予圧の強さを
変えることができる。
【0026】以上、本発明の二三の例を説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではない。例えば、樹脂
ブラケットに対する弾性防振体の内装は前述の方法によ
らず、機械的に行うものであってもよい。即ち、補強部
材の鍔部を背の低いものとし、予め用意した樹脂ブラケ
ットに弾性防振体を圧入する方法が考えられる。この方
法によっても、分断部の間隔は容易に狭められるから、
ゴム弾性基材に相応の予圧をかけることができる。
発明はこれらに限定されるものではない。例えば、樹脂
ブラケットに対する弾性防振体の内装は前述の方法によ
らず、機械的に行うものであってもよい。即ち、補強部
材の鍔部を背の低いものとし、予め用意した樹脂ブラケ
ットに弾性防振体を圧入する方法が考えられる。この方
法によっても、分断部の間隔は容易に狭められるから、
ゴム弾性基材に相応の予圧をかけることができる。
【0027】又、前述した態様では、分断部は補強部材
とゴム弾性基材との両方にかけて形成したが、補強部材
のみに形成したものであってもよい。ゴム弾性基材は相
当の弾力性を有しているから、内装するときに十分に圧
縮できるからである。
とゴム弾性基材との両方にかけて形成したが、補強部材
のみに形成したものであってもよい。ゴム弾性基材は相
当の弾力性を有しているから、内装するときに十分に圧
縮できるからである。
【0028】
【発明の効果】以上、本発明によれば、補強部材とゴム
弾性基材に形成された分断部の存在によってゴム弾性基
材に所定の予圧がかけられた状態で弾性防振体を樹脂ブ
ラケットに内装できる。従って、耐久強度等において申
し分のないものを現出できる。又、補強部材の外周表面
にはゴム弾性被膜が被覆されるから、温度変化等によっ
て生ずる弾性防振体の膨張、収縮を吸収する。更に、こ
のゴム弾性被膜は弾性防振体から樹脂ブラケットに伝わ
る振動を低減する作用もある。
弾性基材に形成された分断部の存在によってゴム弾性基
材に所定の予圧がかけられた状態で弾性防振体を樹脂ブ
ラケットに内装できる。従って、耐久強度等において申
し分のないものを現出できる。又、補強部材の外周表面
にはゴム弾性被膜が被覆されるから、温度変化等によっ
て生ずる弾性防振体の膨張、収縮を吸収する。更に、こ
のゴム弾性被膜は弾性防振体から樹脂ブラケットに伝わ
る振動を低減する作用もある。
【0029】一方、弾性防振体に対して樹脂ブラケット
を射出して成型する方法によれば、別途の絞り操作等を
排して工程を簡略化でき、コストの削減が可能になる。
同時に、このときの樹脂の硬化収縮によって弾性防振体
との一体化をより強固にすることができる。更に、この
とき、補強部材の外周表面に周方向に複数の突条を形成
しておくと、樹脂ブラケットとの接触面積を増して固着
性を高めるとともに、樹脂射出中、樹脂の中に配合され
ているガラス繊維を突条の方向に向かせる作用があり、
強度の向上に貢献する。
を射出して成型する方法によれば、別途の絞り操作等を
排して工程を簡略化でき、コストの削減が可能になる。
同時に、このときの樹脂の硬化収縮によって弾性防振体
との一体化をより強固にすることができる。更に、この
とき、補強部材の外周表面に周方向に複数の突条を形成
しておくと、樹脂ブラケットとの接触面積を増して固着
性を高めるとともに、樹脂射出中、樹脂の中に配合され
ているガラス繊維を突条の方向に向かせる作用があり、
強度の向上に貢献する。
【図1】本発明の一例を示す樹脂ブラケット付き防振装
置の正面図である。
置の正面図である。
【図2】本発明の一例を示す樹脂ブラケット付き防振装
置の側面図である。
置の側面図である。
【図3】本発明の一例を示す樹脂ブラケット付き防振装
置を構成する弾性防振体の正面図である。
置を構成する弾性防振体の正面図である。
【図4】本発明の一例を示す樹脂ブラケット付き防振装
置を構成する弾性防振体の平面図である。
置を構成する弾性防振体の平面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図3のB−B断面図である。
【図7】他の例を示す図3のB−B断面図である。
【図8】本発明の一例を示す樹脂ブラケット付き防振装
置の製造に用いる金型の断面図である。
置の製造に用いる金型の断面図である。
10 弾性防振体 12 樹脂ブラケット 14 内筒部材 16 補強部材 18 ゴム弾性基材 26 分断部 28 ゴム弾性被膜 30 突条 40 樹脂射出用金型 44 押し片
Claims (7)
- 【請求項1】 内筒部材と、該内筒部材の外周に所定距
離を隔てて配置した略円筒形の補強部材と、これら内筒
部材と補強部材とを架橋するゴム弾性基材と、からなる
弾性防振体を樹脂ブラケットに内装した樹脂ブラケット
付き防振装置において、前記補強部材の外周表面をゴム
弾性被膜で覆うとともに、前記補強部材とゴム弾性基材
にかけて円周上少なくとも一箇所の分断部を設け、該弾
性防振体を前記樹脂ブラケットに内装したとき、この分
断部の間隔を狭めて前記ゴム弾性基材に所定の予圧をか
けたことを特徴とする樹脂ブラケット付き防振装置。 - 【請求項2】 分断部の端面もゴム弾性被膜で覆った請
求項1記載の樹脂ブラケット付き防振装置。 - 【請求項3】 補強部材の外周表面を覆うゴム弾性被膜
の表面に周方向に複数の突条を形成した請求項1又は2
記載の樹脂ブラケット付き防振装置。 - 【請求項4】 内筒部材と、該内筒部材の外周に所定距
離を隔てて配置した略円筒形の補強部材と、これら内筒
部材と補強部材とを架橋するゴム弾性基材と、からなる
弾性防振体を、この弾性防振体を内装するブラケットの
形状を射出空間とする樹脂射出用金型内に装填し、前記
射出空間に樹脂を射出して前記弾性防振体の外周に樹脂
ブラケットを射出成型する樹脂ブラケット付き防振装置
の製造方法であって、前記補強部材の外周表面をゴム弾
性被膜で覆うとともに、前記補強部材とゴム弾性基材に
かけて円周上少なくとも一箇所の分断部を設け、前記樹
脂射出用金型を閉じたとき、この分断部の間隔を狭める
ことによって前記ゴム弾性基材に所定の予圧をかけたま
まで、前記弾性防振体の外周に前記樹脂ブラケットを射
出成型することを特徴とする樹脂ブラケット付き防振装
置の製造方法。 - 【請求項5】 分断部の端面もゴム弾性被膜で覆った請
求項4記載の樹脂ブラケット付き防振装置の製造方法。 - 【請求項6】 樹脂射出用金型の内面に、該金型を閉じ
たとき、補強部材の外面に部分的に当接する押し片を設
けることで分断部の間隔を狭める請求項4又は5記載の
樹脂ブラケット付き防振装置の製造方法。 - 【請求項7】 押し片を補強部材側に設けた請求項6記
載の樹脂ブラケット付き防振装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22602696A JPH1047403A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22602696A JPH1047403A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1047403A true JPH1047403A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16838628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22602696A Pending JPH1047403A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1047403A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001146939A (ja) * | 1999-11-22 | 2001-05-29 | Yamashita Rubber Co Ltd | 防振装置 |
CN110587872A (zh) * | 2019-10-25 | 2019-12-20 | 江苏赛麟汽车科技有限公司 | 一种新型减震器装置的生产工艺 |
US11167617B2 (en) * | 2018-11-28 | 2021-11-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Stabilizer device and method of manufacturing stabilizer device |
-
1996
- 1996-08-07 JP JP22602696A patent/JPH1047403A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001146939A (ja) * | 1999-11-22 | 2001-05-29 | Yamashita Rubber Co Ltd | 防振装置 |
JP4627100B2 (ja) * | 1999-11-22 | 2011-02-09 | 山下ゴム株式会社 | 防振装置 |
US11167617B2 (en) * | 2018-11-28 | 2021-11-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Stabilizer device and method of manufacturing stabilizer device |
CN110587872A (zh) * | 2019-10-25 | 2019-12-20 | 江苏赛麟汽车科技有限公司 | 一种新型减震器装置的生产工艺 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11685435B2 (en) | Damper unit, a damper assembly, and a method for making a damper unit | |
KR20130026666A (ko) | 차량용 엔진 마운트 | |
JP5506572B2 (ja) | 樹脂ブラケット付き防振装置の製造方法 | |
KR102484894B1 (ko) | 자동차용 유체 봉입형 마운트 | |
JPH1047403A (ja) | 樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法 | |
JPH0972365A (ja) | 防振ゴムブッシュ及びその製造方法 | |
JPH02146328A (ja) | 筒状防振ブッシュの製造方法 | |
JP7125274B2 (ja) | 防振装置の製造方法 | |
JP6872316B2 (ja) | プロペラシャフト用ダイナミックダンパ | |
JPH08192442A (ja) | 樹脂ブラケット防振装置の製造方法及びこの製造方法で製造された樹脂ブラケット防振装置 | |
JPH09257077A (ja) | 樹脂ブラケット付き防振装置及びその製造方法 | |
JPH09109288A (ja) | 防振装置の製造方法 | |
JP2608538B2 (ja) | 防振装置の製造方法 | |
JP3753471B2 (ja) | 液体封入式筒型マウント | |
JPH04210134A (ja) | 防振装置 | |
JPH06173990A (ja) | 樹脂製ブラケット一体形の防振装置 | |
JPH0343083B2 (ja) | ||
JPH1047424A (ja) | 防振装置 | |
JP3891694B2 (ja) | 防振装置 | |
JPH08338465A (ja) | 防振装置 | |
JPH109331A (ja) | 防振装置 | |
JPH08152035A (ja) | 筒型マウントおよびその製造方法 | |
JPH08296681A (ja) | 防振装置 | |
JP2000337443A (ja) | 防振装置 | |
JPH09177866A (ja) | 防振装置の製造方法及び防振装置 |