JPH1045722A - 金属複核錯体およびその製造方法、ならびにこの金属複核錯体を用いた光学素子 - Google Patents

金属複核錯体およびその製造方法、ならびにこの金属複核錯体を用いた光学素子

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JPH1045722A
JPH1045722A JP8207278A JP20727896A JPH1045722A JP H1045722 A JPH1045722 A JP H1045722A JP 8207278 A JP8207278 A JP 8207278A JP 20727896 A JP20727896 A JP 20727896A JP H1045722 A JPH1045722 A JP H1045722A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電子輸送性、高輝度ならびに種々の色度が
得られる新規有機電子材料およびその効率的な製造方
法、ならびにこれを用いた光学素子を提供する。 【解決手段】 2−ヒドロキシフェニルベンズイミダゾ
ールまたは2−ヒドロキシフェニルベンズチアゾール
と、第2A族元素または第2B族元素の複核錯体を採用
する。アルコール溶媒中での反応により、効率的に合成
できる。 【効果】 青色発光をはじめとする種々の色度を有し、
高輝度の有機EL素子等の作製が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な金属複核錯体
およびその製造方法、ならびこの金属複核錯体を用いた
光学素子に関し、さらに詳しくは、発光素子等の光学的
電子材料として好適な金属複核錯体およびその製造方
法、ならびにこの金属複核錯体を用いた光学素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機発光物質を用いた発光素子として、
オキシン錯体を用いた例が報告(Appl. Phys. Lett.,51
(12), 21 (Sept.1987)) されて以来、全固体型のフラッ
トパネルディスプレイ等への応用を目指した研究が進め
られている。高発光効率を得るための材料としては、亜
鉛錯体やアルミニウム錯体等、種々の金属錯体が現在ま
でに提案されている。
【0003】しかしながら、比較的高輝度が得られる有
機EL素子においても、輝度、色度ともに充分なもので
はなく、さらに様々の発光色を得るためにも新規な有機
発光物質の開発が望まれている。
【0004】本発明者らはかかる要望に応えるために一
連の検討を鋭意進めた結果、所定の配位子を有する特定
の金属複核錯体が種々の色度の高輝度、高螢光性および
高電子輸送性を有する有機発光物質となりうるとの知見
を得た。特願平7−137307号明細書として出願し
た、配位子としてヒドロキシベンズオキサゾールとキノ
リノールを採用するものはその一例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる技術背
景に鑑み提案するものであり、さらなる一層の高輝度、
高螢光性、種々の色度、高電子輸送性を有する新規有機
材料およびその効率的な製造方法を提供することであ
る。また本発明の別の課題は、かかる新規有機材料を用
いることにより、種々の色度で高輝度に発光する光学素
子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
達成するために提案するものである。すなわち本発明の
金属複核錯体は、下記一般式(1)または(2)で示さ
れることを特徴とする。
【0007】
【化9】
【0008】
【化10】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
元素のうちのいずれか1種の金属を、Xはハロゲン原
子、アルコキシ基、フェノキシ基およびチオール基のう
ちのいずれか1種の対アニオンを、R1 、R2 、R3
4 、R5 、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキ
シル基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルホン
酸基、およびこれらの原子または基で置換されたアルキ
ル基、アリール基および複素芳香族のうちのいずれか1
種を表す。)
【0009】また本発明の金属複核錯体の製造方法は、
下記一般式(3)で示される金属塩と、下記一般式
(4)または(5)で示される化合物とを、アルコール
中で反応させて、上記一般式(1)または(2)で示さ
れる金属複核錯体を得ることを特徴とする。 M(II)X2 (3)
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
元素のうちのいずれか1種の金属を、Xはハロゲン原
子、アルコキシ基、フェノキシ基およびチオール基のう
ちのいずれか1種の対アニオンを、R1 、R2 、R3
4 、R5 、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキ
シル基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルホン
酸基、およびこれらの原子または基で置換されたアルキ
ル基、アリール基および複素芳香族のうちのいずれか1
種を表す。)
【0012】反応溶媒のアルコールとしては、炭素数1
〜12の低級アルコールを用いることが望ましい。アル
コールは2価金属の複核錯体を安定化させ、目的物を良
好に得ることが可能となる。すなわち、反応溶媒は金属
塩および配位子の溶解度を考慮するとともに、副生成物
としての単核の金属錯体の生成量が最小となるように選
択されるものである。かかるアルコールは後述の実施例
中で採用するエタノール以外にもメタノール、(イソ)
プロパノール等を用いることができる。反応溶媒として
のアルコールの使用量は反応物質に対して重量比で1〜
1000倍程度であることが望ましい。また反応温度は
使用するアルコールの沸点程度が好ましい。
【0013】また前述した一般式(4)または(5)に
示される化合物から水素原子を引き抜くために、このア
ルコール中にアルカリを添加して反応をおこなうことが
望ましい。かかるアルカリとしては、アンモニア水が好
適に用いられるが、充分に水素の引き抜きが行われれ
ば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム
あるいは水酸化カリウム等他のアルカリを用いてもよ
い。
【0014】一般式(3)で示される金属塩としては、
後述する実施例においては塩化亜鉛を採用したが、陰イ
オンとしては溶媒への溶解度の観点から選択すればよ
く、塩化物に限定されるものではない。また金属として
はBe、Mg、Ca、Sr、BaあるいはRa等の周期
表第2A族元素や、Zn、CdあるいはHg等の周期表
第2B族元素が望ましい。
【0015】つぎに本発明の光学素子は、発光層および
電子輸送層のいずれか少なくとも一方を有する光学的素
子であって、これら発光層および電子輸送層のいずれか
少なくとも一方には、前述した一般式(1)または
(2)で示される少なくとも1種の金属複核錯体が含有
されていることを特徴とする。すなわち、本発明の金属
複核錯体を単独あるいは複数種混合して、あるいは他の
発光材料と組み合わせて用いてもよい。これら金属複核
錯体に加えて、さらに螢光色素が含有されていてもよ
い。かかる螢光色素としては特に限定されないが、一例
としてキナクリドンや下記構造式(6)で示されるDC
M(4−ジシアノメチレン−6−(p−ジメチルアミノ
スチリル)−2−メチル−4H−ピラン)が例示され
る。
【0016】
【化13】
【0017】本発明の光学素子の一実施態様としては、
基板上に、陽極と、ホール輸送層と、発光層および電子
輸送層のいずれか少なくとも一方と、陰極とが、この順
に順次積層された構造を有することを特徴とする。各層
の厚さは、光学素子の動作電圧や耐圧等を考慮して決定
される設計事項である。また各層の形成方法は、真空蒸
着法、スパッタリング法、LB(Langmuir-Brodget)法あ
るいは有機分子量線エピタキシ(MOMBE)法等を採
用することが可能である。光学素子の安定性を高めるた
めに、素子の一部あるいは全部を無機材料や有機材料あ
るいはそれらの積層材料からなる保護層で被覆してもよ
い。また色度を調整するためにカラーフィルタを組み込
んでもよい。本発明の光学素子としては、エレクトロル
ミネセンス(EL)素子に好適に適用することが可能で
ある。この他にも、光通信装置、光電変換装置、感光
体、撮像装置あるいは照明装置等へ応用することもでき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しつつ
さらに詳しく説明する。図1は本発明の光学素子を有機
EL素子に適用した概略断面図である。このEL素子
は、ガラス等の透明な基板6上に、一例としてITO(I
ndium Tin Oxide)からなる透明な陽極5、ホール輸送層
4、発光層3、電子輸送層2およびアルミニウム等の金
属からなる陰極1を例えば真空蒸着法により順次形成
し、必要に応じてパターニングしたものである。
【0019】このEL素子は、陽極5と陰極1との間に
直流電圧7を印加することにより、陽極5から注入され
たホールがホール輸送層4を経て、また陰極1から注入
された電子が電子輸送層2を経て、それぞれ発光層3に
到達する。この結果、発光層3では電子/ホールの再結
合が生じ、ここから所定波長の発光8が発生する。この
発光8は透明な基板6側から観察することができる。
【0020】発光層3には本発明の金属複核錯体を含有
させるのであるが、発光層3は実質的に1種あるいは複
数種の金属複核錯体のみからなる層であってもよいし、
金属複核錯体にさらに螢光物質を添加した層であっても
よい。また本発明の金属複核錯体と、他の発光物質であ
るアントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレ
ン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アク
リジンあるいはスチルベン等を併用してもよい。本発明
の金属複核錯体、あるいはこれと螢光物質との混合物
は、電子輸送層2に含有させることもできる。
【0021】図2は本発明の光学素子を他の構造を有す
る有機EL素子に適用した例の概略断面図である。図2
に示される光学素子は、前述の図1に示した光学素子構
造から発光層を省略し、電子輸送層2とホール輸送層4
の界面から所定波長の発光8が発生するものであり、他
の構成要素は図1に示した光学素子に準拠する。本発明
の金属複核錯体、あるいはこれにさらに螢光物質を添加
した混合物は、電子輸送層2に含有される。なお図1お
よび図2中のホール輸送層4の材料としては、例えばポ
ルフィリン系化合物、アミン系芳香環族化合物等の使用
が可能である。また陰極1としては、Al、Mg、Al
−Mg合金、Mg−Ag合金、Al−Li合金あるいは
Ca等、低仕事関数の金属または合金を使用することが
できる。
【0022】本発明の発光素子を実際の有機EL素子に
適用した具体例を、図3の概略斜視図に示す。図3のE
L素子は、ホール輸送層4と、発光層3および電子輸送
層2のいずれか少なくとも一方からなる積層体を、陰極
1と陽極5の間に配設したものである。陰極1と陽極5
は、ともにストライプ状にパターニングするとともに互
いにマトリクス状に直交させ、シフトレジスタ内蔵の制
御回路9および10により時系列的に信号電圧を印加
し、その交叉位置で発光するように構成されたものであ
る。かかる構成のEL素子は、文字・記号等のディスプ
レイとしては勿論、画像再生装置としても使用できる。
また陰極1と陽極5ののストライプ状パターンを赤
(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に配し、マルチカ
ラーあるいはフルカラーの全固体型フラットパネルディ
スプレイを構成することが可能となる。
【0023】以下、本発明の金属複核錯体の製造方法に
つき、適宜比較例を加えながら詳細に説明を加える。実施例1 塩化亜鉛2.72gと、2−ヒドロキシフェニルベンズ
イミダゾール(以下、Bi −OHと略記する)6.8g
とを50mlのエタノール中で加熱溶解し、10分間還
流した。この反応系にアンモニア水10mlを滴下し、
滴下終了後、さらに30分間還流を継続した。反応終了
後、室温まで放冷し、固体の反応生成物を濾別して収集
した。この反応生成物を純水およびエタノールで順次洗
浄し、黄色の固体を得た。この固体を真空昇華により精
製し、3.1gの2−ヒドロキシフェニルベンズイミダ
ゾール亜鉛複核錯体を得た。
【0024】このようにして得られた2−ヒドロキシフ
ェニルベンズイミダゾール亜鉛複核錯体のTOFマスス
ペクトル分析結果(Finnigan Mat 社製 Vision 2000で測
定)を図4および図5に示す。図4は分子量0〜200
0の範囲での測定結果を示す。この結果から、精製した
反応生成物の分子量は755であり、Zn2 (Bi
O)3 の構造を有することが判る。また対アニオンとし
て塩素が検出された。図5は図4に示した親ピーク(M
+ )の拡大図であり、分子内に亜鉛原子が2個存在する
ときの、亜鉛の原子量64、66、68、70の存在比
に対応した質量パターン(755、757、759)が
得られ、亜鉛複核錯体であることを示している。
【0025】比較例1 反応溶媒をエタノールから水へ変更した以外は実施例1
に準じて反応をおこなったところ、Zn(Bi −O)2
の亜鉛単核錯体のみが得られ、TOFマススペクトル分
析結果においても分子量755の複核錯体に相当する親
ピークは得られなかった。
【0026】実施例2 実施例1で使用した塩化亜鉛に替えて、塩化マグネシウ
ム1.9gを使用した他は実施例1に準拠して反応をお
こない、Mg2 (Bi −O)3 Clの構造式に相当する
マグネシウム複核錯体1.2gを得た。
【0027】実施例3 塩化亜鉛2.72gと、2−ヒドロキシフェニルベンズ
チアゾール(以下、Bt −OHと略記する)6.8gと
を50mlのエタノール中で加熱溶解し、10分間還流
した。この反応系にアンモニア水10mlを滴下し、滴
下終了後、さらに30分間還流を継続した。反応終了
後、室温まで放冷し、固体の反応生成物を濾別して収集
した。この反応生成物を純水およびエタノールで順次洗
浄し、黄色の固体を得た。この固体を真空昇華により精
製し、2.5gの2−ヒドロキシフェニルベンズチアゾ
ール亜鉛複核錯体を得た。
【0028】このようにして得られた2−ヒドロキシフ
ェニルベンズチアゾール亜鉛複核錯体のTOFマススペ
クトル分析結果(Finnigan Mat 社製 Vision 2000で測
定) を図6および図7に示す。図6は分子量0〜200
0の範囲での測定結果を示す。この結果から、精製した
反応生成物の分子量は806であり、Zn2 (Bt
O)3 の構造を有することが判る。また対アニオンとし
て塩素が検出された。図7は図6に示した親ピーク(M
+ )の拡大図であり、分子内に亜鉛原子が2個存在する
ときの、亜鉛の原子量64、66、68、70の存在比
に対応した質量パターン(806、808、810)が
得られ、亜鉛複核錯体であることを示している。
【0029】比較例2 反応溶媒をエタノールから水へ変更した以外は実施例1
に準じて反応をおこなったところ、Zn(Bt −O)2
の亜鉛単核錯体のみが得られ、TOFマススペクトル分
析結果においても分子量806の複核錯体に相当する親
ピークは得られなかった。
【0030】実施例4 実施例3で使用した塩化亜鉛に替えて、塩化マグネシウ
ム1.9gを使用した他は実施例3に準拠して反応をお
こない、Mg2 (Bt −O)3 Clの構造式に相当する
マグネシウム複核錯体1.1gを得た。
【0031】以下の実施例は、前実施例で得られた金属
複核錯体を用いて、図2にその概略断面図を示した光学
素子を作製した例である。実施例5 ITOからなる陽極5が表面に形成されたガラスからな
る基板6上に、下記構造式(7)を有するホール輸送剤
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)1,1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を真空蒸着して
ホール輸送層4を形成した。
【0032】
【化14】
【0033】次いでこのホール輸送層4上に前実施例1
で合成した亜鉛複核錯体Zn2 (Bi −O)3 Clを同
じく真空蒸着して、発光層を兼ねる電子輸送層2を形成
した。さらに陰極1としてアルミニウムを蒸着し、各層
を必要に応じてパターニングした。各層の真空蒸着条件
は、一例として次の通りとした。 蒸着速度 : ホール輸送層 0.2〜0.4nm/sec 電子輸送層 0.2〜0.4nm/sec 陰極 1.1〜1.3nm/sec 真空度 : 3×104 Pa以下
【0034】このようにして作製した有機EL素子に、
一例として18Vの直流電圧を印加し、その発光スペク
トル強度をフォトマルチプライヤ(光電子増倍管)の出
力強度で示した。これを図8に示す。発光スペクトルの
ピークは455nmにあり、青色の発光が得られた。
【0035】実施例6 前実施例3で合成した亜鉛複核錯体Zn2 (Bt −O)
3 を電子輸送層2の材料として採用した他は、前実施例
5と同様に有機EL素子を作製した。実施例6のEL素
子の発光スペクトルを図9に示す。発光スペクトルのピ
ークは465nmにあり、青色の発光が得られた。
【0036】比較例3 前実施例1で合成した亜鉛複核錯体Zn2 (Bi −O)
3 Clに替えて、従来技術で触れたオキシン錯体、具体
的にはトリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウ
ムを用いた以外は前実施例5に準じ、有機EL素子を作
製した。比較例3によるEL素子の発光スペクトルを図
10に示す。発光スペクトル強度のピークは、実施例5
および6のEL素子より長波長側にずれ、523nmの
緑色発光であった。
【0037】以上、本発明を詳細に説明したが、これら
実施例は単なる例示であって、本発明はこれら実施例に
何ら限定されることはない。例えば金属複核錯体におけ
る各置換基の種類、金属元素および対イオンの種類等は
任意に変更が可能である。これらの分子設計により、種
々の色度や輝度を有する発光素子を得ることができる。
また発光素子の層構成や電極構成等も実施例以外に各種
構成が可能である。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の金属複核錯体およびその製造方法によれば、高電子輸
送性、種々の色度、高輝度および高螢光性の新規有機発
光材料およびその効率的な製造方法を提供することがで
きる。また本発明の光学素子は、かかる新規有機材料を
用いることにより、種々の色度で高輝度に発光する有機
EL素子等の光学素子を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の一構成例を示す概略断面図であ
る。
【図2】有機EL素子の他の一構成例を示す概略断面図
である。
【図3】有機EL素子のさらに他の一構成例を示す概略
斜視図である。
【図4】実施例1で合成した金属複核錯体のマススペク
トルである。
【図5】実施例1で合成した金属複核錯体のマススペク
トルの拡大図である。
【図6】実施例3で合成した金属複核錯体のマススペク
トルである。
【図7】実施例3で合成した金属複核錯体のマススペク
トルの拡大図である。
【図8】実施例5で作製した有機EL素子の発光スペク
トルである。
【図9】実施例6で作製した有機EL素子の発光スペク
トルである。
【図10】比較例3の有機EL素子の発光スペクトルで
ある。
【符号の説明】
1…陰極、2…電子輸送層、3…発光層、4…ホール輸
送層、5…陽極、6…基板、7…直流電圧、8…発光、
9,10…制御回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されることを特徴
    とする金属複核錯体。 【化1】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
    元素のうちのいずれか1種の金属を、 Xはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基および
    チオール基のうちのいずれか1種の対アニオンを、 R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
    ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、
    アミド基、スルホン酸基、およびこれらの原子または基
    で置換されたアルキル基、アリール基および複素芳香族
    のうちのいずれか1種を表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で示されることを特徴
    とする金属複核錯体。 【化2】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
    元素のうちのいずれか1種の金属を、 Xはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基および
    チオール基のうちのいずれか1種の対アニオンを、 R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
    ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、
    アミド基、スルホン酸基、およびこれらの原子または基
    で置換されたアルキル基、アリール基および複素芳香族
    のうちのいずれか1種を表す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で示される金属塩と、 下記一般式(4)で示される化合物とを、アルコール中
    で反応させて、下記一般式(1)で示される金属複核錯
    体を得ることを特徴とする金属複核錯体の製造方法。 M(II)X2 (3) 【化3】 【化4】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
    元素のうちのいずれか1種の金属を、 Xはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基および
    チオール基のうちのいずれか1種の対アニオンを、 R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
    ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、
    アミド基、スルホン酸基、およびこれらの原子または基
    で置換されたアルキル基、アリール基および複素芳香族
    のうちのいずれか1種を表す。)
  4. 【請求項4】 下記一般式(3)で示される金属塩と、 下記一般式(5)で示される化合物とを、アルコール中
    で反応させて、下記一般式(2)で示される金属複核錯
    体を得ることを特徴とする金属複核錯体の製造方法。 M(II)X2 (3) 【化5】 【化6】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
    元素のうちのいずれか1種の金属を、 Xはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基および
    チオール基のうちのいずれか1種の対アニオンを、 R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
    ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、
    アミド基、スルホン酸基、およびこれらの原子または基
    で置換されたアルキル基、アリール基および複素芳香族
    のうちのいずれか1種を表す。)
  5. 【請求項5】 前記アルコールとして、炭素数1〜12
    の低級アルコールを用いることを特徴とする請求項3ま
    たは4記載の金属複核錯体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記一般式(4)または(5)に示され
    る化合物から水素原子を引き抜くために、前記アルコー
    ル中にアルカリを添加して前記反応をおこなうことを特
    徴とする請求項3または4記載の金属複核錯体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 発光層および電子輸送層のいずれか少な
    くとも一方を有する光学素子であって、 前記発光層および電子輸送層のいずれか少なくとも一方
    には、 下記一般式(1)で示される少なくとも1種の金属複核
    錯体が含有されていることを特徴とする光学素子。 【化7】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
    元素のうちのいずれか1種の金属を、 Xはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基および
    チオール基のうちのいずれか1種の対アニオンを、 R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
    ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、
    アミド基、スルホン酸基、およびこれらの原子または基
    で置換されたアルキル基、アリール基および複素芳香族
    のうちのいずれか1種を、それぞれ表す。)
  8. 【請求項8】 発光層および電子輸送層のいずれか少な
    くとも一方を有する光学素子であって、 前記発光層および電子輸送層のいずれか少なくとも一方
    には、 下記一般式(2)で示される少なくとも1種の金属複核
    錯体が含有されていることを特徴とする光学素子。 【化8】 (ただし、M(II)は周期表第2A族元素および第2B族
    元素のうちのいずれか1種の金属を、 Xはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基および
    チオール基のうちのいずれか1種の対アニオンを、 R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
    ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、
    アミド基、スルホン酸基、およびこれらの原子または基
    で置換されたアルキル基、アリール基および複素芳香族
    のうちのいずれか1種を表す。)
  9. 【請求項9】前記一般式(1)または(2)で示される
    金属複核錯体に加えて、 さらに螢光色素が含有されていることを特徴とする請求
    項7または8記載の光学素子。
  10. 【請求項10】基板上に、陽極と、ホール輸送層と、発
    光層および電子輸送層のいずれか少なくとも一方と、陰
    極とが、この順に順次積層された構造を有することを特
    徴とする請求項7または8記載の光学素子。
  11. 【請求項11】前記発光素子は、エレクトロルミネセン
    ス素子であることを特徴とする請求項7または8記載の
    光学素子。
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