JPH1040862A - 粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置

Info

Publication number
JPH1040862A
JPH1040862A JP19743696A JP19743696A JPH1040862A JP H1040862 A JPH1040862 A JP H1040862A JP 19743696 A JP19743696 A JP 19743696A JP 19743696 A JP19743696 A JP 19743696A JP H1040862 A JPH1040862 A JP H1040862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
emitter
tac
alkaline earth
composition formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP19743696A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhide Misono
勝秀 御園
Kunio Yuasa
邦夫 湯浅
Ariyoshi Ishizaki
有義 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP19743696A priority Critical patent/JPH1040862A/ja
Publication of JPH1040862A publication Critical patent/JPH1040862A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分解・活性化処理が不要でありながら、安定
した所要のエミッション作用を呈する粒状エミッタ、歩
留まりよく得られる高品質な放電ランプおよび照明装置
を提供。 【解決手段】 組成式 XYO3 (ただし式中、 Xはアルカ
リ土類金属の少なくともいずれか1種、 Yは lll〜Vl族
の遷移金属の少なくともいずれか1種)で示される酸化
物を主体とし、かつ表面を TaCで被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒状エミッタ、蛍光
ランプおよび照明装置に係り、さらに詳しくは、分解・
活性化処理を不要とする粒状エミッタ、この粒状エミッ
タを用いた放電ランプ、この放電ランプを光源とした照
明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電ランプ、たとえば蛍光ランプ(低圧
水銀蒸気放電ランプ)は、一般照明をはじめとして、最
近ではOA機器用光源、巨大画面用の画素光源、液晶デ
ィスプレイのバックライトなどに広範囲に利用されてい
る。その理由は、蛍光ランプは供給された電力を非常に
効率よく放射に変換するからである。
【0003】このような蛍光ランプは、内壁面に蛍光体
層が設けられたガラス管内に、水銀および少なくとも1
種の希ガスが充填され、これらのガス中で陽光柱放電が
生ずるように構成されている。さらに具体的には、内壁
面に蛍光体層が設けられた気密封止型の透光性管(ガラ
スバルブ)と、前記透光性管内に封入された水銀および
少なくとも1種の希ガスと、前記透光性管内に封入さ
れ、かつ希ガス中で陽光柱放電を生じる一対の放電電極
とを具備した構成を成している。
【0004】ここで、放電電極は、たとえばタングステ
ン製のシンクルコイル、ダブリュコイル、トリプルコイ
ル、もしくはスティツクコイルなどを基体とし、これに
アルカリ土類金属の炭酸塩(エミッタ)を被着・担持さ
せた構成を採っている。すなわち、エミッタの動作温度
が低いこと(約1000〜1200℃)、蛍光ランプの放電雰囲
気でも安定して動作することなどを理由として、アルカ
リ土類金属の炭酸塩をエミッタ素材としている。なお、
この場合のエミッタは、蛍光ランプの製造過程の排気工
程で、アルカリ土類金属の炭酸塩を酸化物に分解した
り、遊離のバリウムを生成するという活性化処理が行わ
れる。
【0005】上記蛍光ランプの放電は、通常、交流で点
灯して、対向する放電電極を経て電気エネルギーを、封
入されているガスに供給することで保たれる。そして、
この放電によって主に紫外線が発生し、この紫外線がガ
ラスバルブ内壁面に形成された蛍光層によって、長い波
長の放射に変換される。この波長は、蛍光体層に含まれ
る蛍光体粒子の種類に依存し、近紫外〜可視〜近赤外ま
でのものが得られている。ここで、ガラスバルブは、直
管型のものに限らず、円形状、U形状、鞍形状などとす
ることも可能で、最近では小型化が進み、形状も複雑な
ものが多くなってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
放電ランプ用エミッタ,このエミッタを担持する放電電
極を封装した放電ランプ、例えば蛍光ランプの場合、次
のような問題が懸念される。すなわち、アルカリ土類金
属の炭酸塩をエミッタ素材とした場合は、蛍光ランプの
製造過程の排気工程で、アルカリ土類金属の炭酸塩を酸
化物に分解する必要がある。ここでの分解が不十分であ
ると、炭酸ガスがガラスバルブ内に残留してスネーキン
グなどの放電不安定性を生じたり、光束維持率が極端に
悪化するという不具合が起こる。一方、アルカリ土類金
属炭酸塩の酸化物化時(分解時)に加熱し過ぎると、遊
離したバリウムが蒸発し、バルブ端(管端)に黒化が起
こる。 換言すると、アルカリ土類金属の炭酸塩をエミ
ッタ素材とした場合、高品質の蛍光ランプを得るために
は、アルカリ土類金属の炭酸塩の分解・活性化を適正に
行う必要がある。したがって、アルカリ土類金属炭酸塩
を分解・活性化する蛍光ランプの製造過程での排気工程
は、十分、かつ細心の注意を払って対応することにな
り、蛍光ランプの製造工程も煩雑性を伴っているのが実
情である。
【0007】本発明は、上記事情に対処してなされたも
ので、分解・活性化処理が不要でありながら、安定した
所要のエミッション作用を呈する粒状エミッタ、歩留ま
りよく得られる高品質な放電ランプおよび照明装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、組成
式 XYO3(ただし式中、 Xはアルカリ土類金属の少なく
ともいずれか1種、 Yは周期率表lll〜Vl族の遷移金属
の少なくともいずれか1種)で示される酸化物を主体と
し、かつ表面を TaCで被覆してあることを特徴とする粒
状エミッタである。
【0009】請求項2の発明は、気密封止型の透光性管
と;透光性管内に封入された放電媒体と;透光性管内に
封入され、陽光柱放電を生じる一対の放電電極と;放電
電極にそれぞれ電気的に接続され、かつ透光性管外に導
出されたリード端子とを具備し、放電電極は、組成式 X
YO3(ただし式中、 Xはアルカリ土類金属の少なくとも
いずれか1種、 Yは周期率表lll〜Vl族の遷移金属の少
なくともいずれか1種)で示される酸化物を主体とし、
かつ表面を TaCで被覆した粒状エミッタを担持した構成
を成していることを特徴とする放電ランプである。
【0010】請求項3の発明は、気密封止型の透光性管
と;透光性管内壁面に設けられた蛍光体層と;透光性管
内に封入された放電媒体と;透光性管内に封入され、陽
光柱放電を生じる一対の放電電極と;放電電極にそれぞ
れ電気的に接続され、かつ透光性管外に導出されたリー
ド端子とを具備し、放電電極は、組成式 XYO3(ただし
式中、 Xはアルカリ土類金属の少なくともいずれか1
種、 Yは周期率表lll〜Vl族の遷移金属の少なくともい
ずれか1種)で示される酸化物を主体とし、かつ表面を
TaCで被覆した粒状エミッタを担持した構成を成してい
ることを特徴とする蛍光ランプである。
【0011】請求項4の発明は、放電電極が,組成式 X
YO3(ただし式中、 Xはアルカリ土類金属の少なくとも
いずれか1種、 Yは周期率表lll〜Vl族の遷移金属の少
なくともいずれか1種)で示される酸化物を主体とし、
かつ表面を TaCで被覆した粒状エミッタの棒状焼結体を
コイルに装着・担持させた構成を成していることを特徴
とする請求項2または請求項3記載の放電ランプであ
る。
【0012】請求項5の発明は、放電電極が,組成式 X
YO3(ただし式中、 Xはアルカリ土類金属の少なくとも
いずれか1種、 Yは周期率表lll〜Vl族の遷移金属の少
なくともいずれか1種)で示される酸化物を主体とし、
かつ表面を TaCで被着した粒状エミッタを含浸させた、
前記組成式 XYO3 で示される酸化物から成る多孔質基体
をコイルに装着・担持させた構成を成していることを特
徴とする請求項2または請求項3記載の放電ランプであ
る。
【0013】請求項6の発明は、請求項2,請求項3,
請求項4または請求項5いずれか一記載の放電ランプ
と;放電ランプを装着する照明器具とから成る照明装置
である。
【0014】上記発明は、組成式 XYO3 (ただし式中 X
はアルカリ土類金属の少なくともいずれか1種、 Yは l
ll〜Vl族の遷移金属の少なくともいずれか1種)で示さ
れる酸化物を主体とし、かつ表面を TaCで被着した場
合、分解・活性化処理が不要であるだけでなく、1000〜
1300℃程度の温度で所要のエミッション作用呈する一
方、蛍光ランプの放電雰囲気中でも安定したエミッショ
ンとして機能することに着目してなされたものである。
【0015】すなわち、本発明者らは、アルカリ土類金
属炭酸塩の酸化物に分解時における、 (a)分解の不十分
さ(炭酸ガスのガラスバルブ内残留)に伴う放電不安定
性、光束維持率の極端な悪化、あるいは (b)加熱し過ぎ
に伴う遊離したバリウムの蒸発による管端の黒化現象な
どの不具合を解決するため鋭意検討を進めた。その結
果、上記組成式で示す酸化物で、かつ表面が TaCで被覆
した粒子が、良好なエミッション特性を示し、これをエ
ミッタとして放電電極に担持させた場合、製造工程の簡
略化が図られる一方、高品質な放電ランプとして機能す
ることを見出し、本発明に至ったものである。
【0016】上記組成式 XYO3 で示される酸化物として
は、たとえばBaZr O3 ,BaCr O3 ,BaHf O3 ,BaMo
O3 ,BaTi O3 , Ba(Zr,Ta) O3 ,(Ba,Sr,Ca)(Ti,Zr)O
3 ,(Ba,Sr,Ca)(Ti,Zr,Ta)O 3 , (Ba,Sr)(Ti,Zr)O3
(Ba,Sr)(Ti,Hf)O3 , (Ba,Sr)(Ti,Mo)O3 などが挙げら
れる。また、表面を TaCで被覆した状態での粒子径は、
一般的に、0.05〜 3μm 程度、より好ましくは 0.1〜 2
μm 程度である。ここで、TaCによる表面被覆は、全面
的になされていることが必要である。
【0017】ここで、 XYO3 で示される酸化物粒子の T
aCによる被覆は、次のような手法で行うことができる。
たとえば反応性スパッタで、Taと Cをスパッタで反応槽
に導入し、 TaCを生成させて酸化物粒子表面に堆積させ
る。その後、 TaCで表面を被覆した酸化物粒子を熱処理
して、 TaC膜を安定化させる。その他、いわゆる CVDや
蒸着法でも行うことができる。
【0018】上記発明に係る放電ランプにおいて、たと
えば蛍光ランプの場合、内壁面に蛍光体層が設けられた
気密封止型の透光性管は、一般的にガラスバルブであ
り、また、蛍光体層を形成する蛍光体としては、たとえ
ば SrB4 O 7 :Eu2+、Sr10(PO4 6 Cl12:Eu2+、(S
r,Ca)10(PO4 6 Cl12:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)10(P
O4 6 Cl12:Eu2+、(La,Ce,Tb)PO4 、 Y2 SiO
5 :Ce,Tb、Zn2 SiO 4 :Mn、 Y2 O 3 :Eu3+、 YVO
4 Y(P,V)O 4 :Eu3+などの蛍光体が挙げられる。さら
に、前記気密封止型の透光性管内に、封入されたる放電
媒体としては、たとえばネオン、アルゴン、クリプト
ン、キセノン、キセノン−アルゴン系、ネオン−アルゴ
ン系などが挙げられ、適量の水銀も封入される。
【0019】なお、本発明に係る放電ランプは、たとえ
ば蛍光ランプ,紫外線ランプ,ネオンランプなどが例示
される。
【0020】請求項1の発明では、組成式 XYO3 で示さ
れる酸化物を主体とし、かつ表面をTaCで被覆した粒状
のエミッタが、たとえば蛍光ランプの製造過程におい
て、たとえば排気工程( 400〜 500℃程度に加熱)で容
易に吸着ガスを放出するし、また、 400〜 600℃程度の
加熱で活性化して、所要のエミッション特性を呈する。
つまり、煩雑な分解操作(酸化物化)や活性化処理など
が簡略化されながら、放電に要するエミッション作用を
十分に呈する粒状のエミッタが提供される。
【0021】請求項2〜5の発明では、放電電極が、組
成式 XYO3 (ただし式中、 Xはアルカリ土類金属の少な
くともいずれか1種、 Yは lll〜Vl族の遷移金属の少な
くともいずれか1種)で示される酸化物を主体とし、か
つ表面を TaCで被覆した粒状エミッタを放電電極に挿着
・担持させた構成を採ったことにより、放電ランプは、
1000℃程度の高温下での活性化処理など回避でき、製造
工程の簡略化などを図りながら、長寿命で、かつ安定し
た機能を呈する。
【0022】請求項6の発明では、請求項2〜請求項5
いずれか一記載の放電ランプとを光源としたことによ
り、信頼性の高い照明装置を低コストで提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を参照して実施
例を説明する。
【0024】実施形態1 図1は、この発明に係る粒状エミッタの構造例を模式的
に示した断面図である。図1において、1は組成式、Ba
(Zr,Ta)O3 で示される酸化物の粒子、2は前記酸化物粒
子1の表面を被覆している TaC層である。ここで、粒状
エミッタ3の平均粒径は、 0.2〜 1.5μm 程度である。
【0025】なお、上記粒状エミッタ3は、平均粒径
0.1〜 1μm 程度の酸化物の粒子1を、たとえば平均粒
径0.01〜0.03μm 程度の TaC微粒子分散液(有機バイン
ダを含む)に分散・撹拌した後、濾過・分離して乾燥し
てから大気中、 250℃程度の温度で熱処理して有機バイ
ンダ成分を分解・揮散させることによって調製すること
ができる。
【0026】実施形態2 図2はFL20SS/18 型蛍光ランプの構成例を一部切り欠い
て示す断面図である。図2において、4は内壁面に蛍光
体層5が設けられた気密封止型の透光性管、たとえば外
径28mmのガラスバルブ(FL20SS/18)であり、前記透光性
管4内には所要量の水銀 5〜15mg程度、および少なくと
も1種の希ガス、たとえばアルゴンガス2〜 3Torr程度
封入されている。また、6,6は前記透光性管4内に封
入され、かつ希ガス中で陽光柱放電を生じる一対の放電
電極、7,7は前記放電電極6,6にそれぞれ電気的に
接続しながら、前記透光性管4端を気密に封止するステ
ム8,8を介して口金9,9に装着された端子ピン10,
10に接続するインナーリードである。
【0027】ここで、放電電極6,6は、図3に拡大し
て要部を側面的に示すごとく、インナーリード7,7の
先端部に架張されたタングステン製のトリプルコイル6a
と、このトリプルコイル6aの中部領域に塗布・固定され
た粒状エミッタ3層とから構成されている。
【0028】上記蛍光ランプは、従来の蛍光ランプの製
造方法をさらに簡略した形で製作することができる。す
なわち、タングステン製のトリプルコイル6aに、粒状エ
ミッタ3を塗布した電極をインナーリード7,7の先端
部に架張・固定し、これを内壁面に蛍光体層5を設けた
バルブ4両端に封止する。排気工程では 400〜 500℃の
雰囲気で真空引きを行って、バルブ4や蛍光体層5から
の不純ガスを放出させるが、このとき、電極6,6に通
電加熱を施して、トリプルコイル6aに塗布した粒状エミ
ッタ3から吸着ガスを放出させる。つまり、塗布した粒
状エミッタ3については、加熱分解や活性化を要しない
ので、 400〜 500℃程度の加熱で十分である。
【0029】上記構成の蛍光ランプを、図4に側面的に
示すごとく、吊り下げ型照明器具に装着して点灯を行っ
た。先ず、放電電極6,6に予熱電流を流した後、始動
電圧を印加すると放電を開始し、蛍光ランプとして機能
する。そして、この蛍光ランプにおいては、エミッタの
熱分解不足によるスネーキングなどの不安定、寿命中の
光束維持率低下、あるいは分解過剰による黒化などが大
幅に改善されていた。なお、この蛍光ランプは、放電電
極6,6に通電加熱する電流を調整することにより、調
光も可能であった。
【0030】なお、図4において、11は照明器具本体、
12,12は蛍光ランプ13の端子ピン10,10を嵌着するソケ
ットであり、照明器具本体11内に内蔵された安定器を含
む点灯回路によって点灯が行われる構成に成っている。
【0031】実施形態3 この実施形態は、上記実施形態2の場合に準じた構成を
採ったFL20SS/18 型蛍光ランプ装置の場合である。すな
わち、前記図2に図示した蛍光ランプの構成において、
一対の放電電極6,6を、図5に側面的に示すように構
成した以外は、同様の条件で構成されている。
【0032】換言すると、この実施形態では、タングス
テン製のステイックコイル6bの中空部に、前記実施形態
1の粒状エミッタ(樹脂系のバインダ添加)を成型し、
焼結して得た棒状のエミッタ3′を、タングステン製の
ステイックコイル6bの中空部に挿着した構成を採った放
電電極6′,6′として他は、実施形態2の場合と同様
である。棒状のエミッタ3′は、円筒状であってもよ
い。
【0033】実施形態2の場合と同様に、上記構成の蛍
光ランプを吊り下げ型照明器具に装着して点灯を行っ
た。先ず、放電電極6′,6′に予熱電流を流した後、
始動電圧を印加すると放電を開始し、蛍光ランプとして
機能する。そして、この蛍光ランプにおいては、エミッ
タの熱分解不足によるスネーキングなどの不安定、寿命
中の光束維持率低下、あるいは分解過剰による黒化など
が大幅に改善されていた。なお、この蛍光ランプは、放
電電極6′,6′に通電加熱する電流を調整することに
より、調光も可能であった。
【0034】実施形態4 この実施形態は、上記実施形態2の場合に準じた構成を
採ったFL20SS/18 型蛍光ランプ装置の場合である。すな
わち、前記図2に図示した蛍光ランプの構成において、
一対の放電電極6,6を、図6 (a)に側面的に示すよう
に構成した以外は、同様の条件で構成されている。
【0035】換言すると、この実施形態では、前記実施
形態1の粒状エミッタを含浸・担持した棒状の多孔質
(ポーラス)を、タングステン製のステイックコイル6b
の中空部に挿着した構成を採った放電電極6″,6″と
して他は、実施形態2の場合と同様である。つまり、図
6 (b)に拡大して断面的に示すごとく、平均粒径 0.2〜
1.5μm 程度の組成式、Ba(Zr,Ta)O3 で示される酸化物
の粒子(樹脂系のバインダ添加)1を成型し、焼結して
空孔率30〜60%程度の多孔質(ポーラス)の棒状基体を
作製し、この棒状基体に実施形態1の粒状エミッタ3を
含浸・担持させて成るエミッタ3″を、タングステン製
のステイックコイル6bの中空部に挿着した構成を採った
放電電極6″,6″として他は、実施形態2の場合と同
様である。ここで、多孔質の棒状基体は、円筒状であっ
てもよい。
【0036】実施形態2の場合と同様に、上記構成の蛍
光ランプを吊り下げ型照明器具に装着して点灯を行っ
た。先ず、放電電極6″,6″に予熱電流を流した後、
始動電圧を印加すると放電を開始し、蛍光ランプとして
機能する。そして、この蛍光ランプにおいては、エミッ
タの熱分解不足によるスネーキングナドの不安定、寿命
中の光束維持率低下、あるいは分解過剰による黒化など
が大幅に改善されていた。なお、この蛍光ランプは、放
電電極6′,6′に通電加熱する電流を調整することに
より、調光も可能であった。
【0037】上記では、本発明に係る放電ランプ装置と
して、蛍光ランプ、およびその蛍光ランプを光源とした
照明装置の一般的な構成例をそれぞれ例示したが、たと
えば紫外線ランプやネオンランプなどの放電ランプの場
合でも、前記構成を採ることにより、同様の作用・効果
が得られた。つまり、本発明は前記例示の場合に限定さ
れるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろい
ろの変形を採り得る。たとえば、蛍光ランプはFL20SS/1
8 型の代わりに、 FCL型, FDL27型, FML27型などであ
ってもよいし、また、放電媒体としてアルゴンガスの代
わりに、たとえばキセノンガス、ネオンガス、キセノン
−アルゴン混合ガス、ネオン−アルゴン混合ガスなどを
封入した場合も同様の作用・効果がえられる。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、粒状のエミッ
タは 400〜 600℃程度の加熱で、吸着ガスを容易に放出
する一方、所要の活性化も行われる。つまり、煩雑な分
解操作(酸化物化)や活性化処理などが簡略化されなが
ら、放電に要するエミッション作用を十分に呈する粒状
のエミッタが提供される。
【0039】請求項2〜5の発明によれば、煩雑な分解
操作(酸化物化)や活性化処理などが省略され、かつ歩
留まり良好に、長寿命で、安定した機能を呈する信頼性
の高い放電ランプが提供される。
【0040】請求項6の発明によれば、長寿命で、安定
した機能を呈する放電ランプを光源としたので、信頼性
の高い照明装置を低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の粒状エミッタの構造を模式的に
示す断面図。
【図2】第2実施形態の蛍光ランプ構成例を示す一部切
り欠き断面図。
【図3】図2に図示した蛍光ランプの放電電極を拡大し
て示す側面図。
【図4】照明装置の構成例を示す側面図。
【図5】第3実施形態の蛍光ランプの放電電極を拡大し
て示す側面図。
【図6】(a)は第4実施形態の蛍光ランプの放電電極を
拡大して示す側面図、 (b)は放電電極が担持する粒状エ
ミッタの構造例を示す断面図。
【符号の説明】
1……酸化物粒子 2…… TaC層 3……粒状エミッタ 3′……焼結棒状エミッタ 3″……基体含浸型エミッタ 4……ガラスバルブ 5……蛍光体層 6……放電電極 6a……トリプルコイル 6b……ステイックコイル 7……インナーリード 8……ステム 9……口金 10……端子ピン 11……照明器具本体 12……ソケット 13……蛍光ランプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式 XYO3(ただし式中、 Xはアルカ
    リ土類金属の少なくともいずれか1種、 Yは lll〜Vl族
    の遷移金属の少なくともいずれか1種)で示される酸化
    物を主体とし、かつ表面を TaCで被覆していることを特
    徴とする粒状エミッタ。
  2. 【請求項2】 気密封止型の透光性管と;透光性管内に
    封入された放電媒体と;透光性管内に封入され、陽光柱
    放電を生じる一対の放電電極と;放電電極にそれぞれ電
    気的に接続され、かつ透光性管外に導出されたリード端
    子とを具備し、 放電電極は、組成式 XYO3(ただし式中、 Xはアルカリ
    土類金属の少なくともいずれか1種、 Yは lll〜Vl族の
    遷移金属の少なくともいずれか1種)で示される酸化物
    を主体とし、かつ表面を TaCで被覆した粒状エミッタを
    担持していることを特徴とする放電ランプ。
  3. 【請求項3】 気密封止型の透光性管と;透光性管内壁
    面に設けられた蛍光体層と;透光性管内に封入された放
    電媒体と;透光性管内に封入され、陽光柱放電を生じる
    一対の放電電極と;放電電極にそれぞれ電気的に接続さ
    れ、かつ透光性管外に導出されたリード端子とを具備
    し、 放電電極は、組成式 XYO3(ただし式中、 Xはアルカリ
    土類金属の少なくともいずれか1種、 Yは lll〜Vl族の
    遷移金属の少なくともいずれか1種)で示される酸化物
    を主体とし、かつ表面を TaCで被覆した粒状エミッタを
    担持していることを特徴とする放電ランプ。
  4. 【請求項4】 放電電極は、組成式 XYO3(ただし式
    中、 Xはアルカリ土類金属の少なくともいずれか1種、
    Yは lll〜Vl族の遷移金属の少なくともいずれか1種)
    で示される酸化物を主体とし、かつ表面を TaCで被覆し
    た粒状エミッタの棒状焼結体をコイルに装着・担持させ
    た構成と成っていることを特徴とする請求項2または請
    求項3記載の放電ランプ。
  5. 【請求項5】 放電電極は、組成式 XYO3(ただし式
    中、 Xはアルカリ土類金属の少なくともいずれか1種、
    Yは lll〜Vl族の遷移金属の少なくともいずれか1種)
    で示される酸化物を主体とし、かつ表面を TaCで被覆し
    た粒状エミッタを含浸させた、前記組成式 XYO3 で示さ
    れる酸化物から成る多孔質基体をコイルに装着・担持さ
    せた構成と成っていることを特徴とする請求項2または
    請求項3記載の放電ランプ。
  6. 【請求項6】 請求項2,請求項3,請求項4または請
    求項5いずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプを装
    着する照明器具とから成る照明装置。
JP19743696A 1996-07-26 1996-07-26 粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置 Withdrawn JPH1040862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19743696A JPH1040862A (ja) 1996-07-26 1996-07-26 粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19743696A JPH1040862A (ja) 1996-07-26 1996-07-26 粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1040862A true JPH1040862A (ja) 1998-02-13

Family

ID=16374487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19743696A Withdrawn JPH1040862A (ja) 1996-07-26 1996-07-26 粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1040862A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6555963B1 (en) * 1998-11-12 2003-04-29 Koninklijke Philips Electronics N.V. Fluorescent lamp having transparent layer with low mercury consumption
WO2012060998A1 (en) * 2010-11-03 2012-05-10 General Electric Company Electron emission material

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6555963B1 (en) * 1998-11-12 2003-04-29 Koninklijke Philips Electronics N.V. Fluorescent lamp having transparent layer with low mercury consumption
WO2012060998A1 (en) * 2010-11-03 2012-05-10 General Electric Company Electron emission material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4093893A (en) Short arc fluorescent lamp
JP3078523B2 (ja) 可視光発生方法
US3563797A (en) Method of making air stable cathode for discharge device
EP2156464B1 (en) Low wattage fluorescent lamp
US4836816A (en) Method of treating tungsten cathodes
JP3648905B2 (ja) 水銀蒸気放電灯
JPH1040862A (ja) 粒状エミッタ、放電ランプおよび照明装置
JP2005538515A (ja) 水銀ガス放電装置
JP2922485B2 (ja) 低圧放電ランプ
JP2001222973A (ja) 低圧水銀蒸気放電ランプおよびこれを用いた照明装置
JP2000090876A (ja) 低圧放電ランプ
US5021718A (en) Negative glow discharge lamp
JP2001222972A (ja) 放電電極用エミッタ、放電ランプ用電極、放電ランプおよび照明装置
CA2390675A1 (en) Cathode coating for thermionic arc discharge lamp cathodes
JPH1050251A (ja) 蛍光ランプ、蛍光ランプ装置および照明装置
EP0607061B1 (en) High intensity discharge lamp
JP2002237274A (ja) 低圧放電ランプ
JP2005044581A (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
JP2001035441A (ja) 電球形蛍光ランプ
JP2004031061A (ja) 低圧放電ランプおよび放電ランプ点灯装置
JPH11329347A (ja) 放電ランプ及びその製造方法
US2966606A (en) Fluorescent lamp
EP1001451B1 (en) Arc discharge lamp containing barium and having an arc tube of yttrium, gadolinium or terbium oxide
JP2006066078A (ja) 蛍光ランプおよびその製造方法
JPS6240152A (ja) 蛍光ランプ

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20041126