JP2001035441A - 電球形蛍光ランプ - Google Patents

電球形蛍光ランプ

Info

Publication number
JP2001035441A
JP2001035441A JP11211189A JP21118999A JP2001035441A JP 2001035441 A JP2001035441 A JP 2001035441A JP 11211189 A JP11211189 A JP 11211189A JP 21118999 A JP21118999 A JP 21118999A JP 2001035441 A JP2001035441 A JP 2001035441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent lamp
discharge vessel
phosphor layer
phosphor
translucent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11211189A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhide Misono
勝秀 御園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP11211189A priority Critical patent/JP2001035441A/ja
Publication of JP2001035441A publication Critical patent/JP2001035441A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
  • Discharge Lamp (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】蛍光体に水銀が吸着されても再放出されやすく
して、光束立ち上がりを良好にした電球形蛍光ランプを
提供する。 【解決手段】屈曲した放電路を内部に形成し一部が内表
面に露出したYを主体とする金属酸化物を含む蛍
光体層1cを配設した透光性放電容器1aの両端にシー
ル部1a3を介して一対の電極1d1を封装し、シール
部から外部へ突出し透光性放電容器内に連通している細
管1a4を形成して、内部に主アマルガム1eを収納
し、透光性放電容器内に補助アマルガム1fを配設した
蛍光ランプ1を備える。Yを主体とする金属酸化
物は、蛍光体層1cの内表面に薄膜または微粒子の形で
付着していてもよい。Yを主体とする金属酸化物
は、少なくとも補助アマルガム1fの近傍に位置する領
域の蛍光体層1cに付着されていればよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電球形蛍光ランプ
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電球形蛍光ランプは、コンパクトな蛍光
ランプとその点灯回路を一体化した構成を備え、一般照
明用白熱電球のように小形で、片口金構造を有していな
がら蛍光ランプの特徴である高いランプ効率と長寿命と
を併せて有する光源であるために、白熱電球に代えて多
用されている。
【0003】電球形蛍光ランプは、透光性放電容器の両
端に一対の熱電子放出物質の酸化物を塗布してなるフィ
ラメント電極を封装している。
【0004】また、電球形蛍光ランプは、その蛍光ラン
プの透光性放電容器がコンパクトな形に形成されてい
て、発光部分が近接しているため、蛍光ランプ自体の温
度が上昇する。さらに、密閉された小容積の照明器具内
で点灯されるために、点灯時の周囲温度が高くなって、
最適水銀蒸気圧を超過した蒸気圧の下で点灯されて、発
光量が低減する。
【0005】そこで、温度上昇による光束減退を抑制す
るために、水銀をBi−In−Hgなどのアマルガム
(以下、「主アマルガム」という。)にして封入してい
る。水銀を主アマルガムの形で封入することにより、高
温域でも水銀蒸気圧を制御して、光束の減退がなく、安
定した発光を得ることができる。
【0006】しかし、主アマルガムは、常温における水
銀蒸気圧が純水銀に比べると低いので、点灯開始時の光
束立ち上がりが遅い。すなわち、始動時の光束が低い。
【0007】そこで、これを改善するために、電極の近
傍にIn−Hgなどの補助アマルガムを配設し、始動時
に電極の熱により補助アマルガムを加熱して、Hgを一
気に放出させて、点灯初期の水銀蒸気を補助アマルガム
から供給する。これにより、光束が急速に立ち上がり、
光束が早く安定する。
【0008】ところで、電球形蛍光ランプの大きさを一
般照明用白熱電球の大きさに近付ける努力が従来から設
計技術者により盛んに行われてきている。その結果、着
実に小形化が実現しつつあり、蛍光ランプの透光性放電
容器の管径が従来一般的に用いられてきた12mmから
10mmへと主流がシフトしてきている。
【0009】また、透光性放電容器の管径のさらに小径
化、長寸化を進展させることにより、電球形蛍光ランプ
のさらなる小形化を図れるが、蛍光体の耐熱特性および
負荷特性が向上した結果、これが実現される可能性が出
てきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電球形蛍光
ランプの小形化に伴い、上記のように蛍光ランプの小径
化、放電路の一層複雑な形状への屈曲化、および放電路
の長寸化などが進展したために、水銀蒸気が拡散しにく
くなった。
【0011】したがって、蛍光ランプの内部全体に水銀
蒸気が均一に拡散するまでに長い時間を必要とする。こ
のため、補助アマルガムを使用したにもかかわらず、始
動時の光束立ち上がり時間が長くなっている。
【0012】電球形蛍光ランプは、以上のようにサイズ
面では一般照明用白熱電球に急速に接近してきたにもか
かわらず、トイレ、廊下および階段など1回の点灯時間
が短くて、瞬時に光束立ち上がりが要求される用途に対
しては、互換性があるとはいいにくいのが実状である。
【0013】本発明者は、電球形蛍光ランプの光束立ち
上がりが遅れる原因が補助アマルガムから放出された水
銀が付近の蛍光体に吸着され、いったん蛍光体に吸着さ
れた水銀がなかなか再放出されないことにあることを発
見した。
【0014】本発明は、始動直後に補助アマルガムから
放出された水銀が蛍光体に吸着されても再放出されやす
くして、光束立ち上がりを良好にした電球形蛍光ランプ
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の電球形
蛍光ランプは、屈曲された放電路が内部に形成されるよ
うにコンパクトな形に形成され、少なくとも両端にシー
ル部が形成されている透光性放電容器、少なくとも一部
が内表面に露出したYを主体とする金属酸化物を
含み、透光性放電容器の内面側に配設された蛍光体層、
透光性放電容器の両端のシール部を介して封装された一
対の電極、少なくとも一つのシール部から外部へ突出す
るとともに透光性放電容器内に連通する細管、細管内に
収納された主アマルガム、透光性放電容器内に配設され
た補助アマルガム、ならびに透光性放電容器の内部に封
入された希ガスを含んでなる蛍光ランプと;蛍光ランプ
を高周波点灯する点灯回路と;を具備していることを特
徴としている。
【0016】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0017】<蛍光ランプについて> (透光性放電容器について)透光性放電容器は、電球形
蛍光ランプの小形化のためには、外径が一般的には13
mm以下、好ましくは5〜10mm、さらに小形化を図
るには3〜9mmが好適である。
【0018】また、透光性放電容器は、その放電路長が
200〜500mmになるような長さに形成される。な
お、「放電路長」とは、後述する透光性放電容器の両端
に封装される一対の電極の間の透光性放電容器の平均的
な長さをいう。
【0019】さらに、透光性放電容器は、その内部に屈
曲された放電路が形成されるようにコンパクトな形に形
成されている。たとえば、1本の細長いガラス管を鞍形
に湾曲して形成される。
【0020】また、U字状に屈曲した複数のU字状ガラ
ス管を連結管により接続するとともに、各U字状ガラス
管の部分を円周上に配列したり、U字状ガラス管の間に
形成される空隙部分を一方向から見透せるように前後に
揃えて配列することによって形成される。
【0021】さらに、ガラス管をスパイラルに巻回する
ことによっても、透光性放電容器をコンパクトな形に形
成することができる。
【0022】なお、連結管は、吹き破り法により形成し
たり、別に用意した管を用いてガラス溶着して形成する
ことができる。
【0023】また、透光性放電容器の外径は、上記の数
値範囲内で自由に選択すれば効果的であるが、外径が3
mm未満であると、ランプ電流が絞られすぎてしまい、
所望のランプ入力を確保するためには、ランプ電流が小
さくなる分を放電路長を大きくして補わなければならな
くなり、小形化を図れなくなる。また、これに伴いラン
プ電圧が高くなるから、始動電圧も高くなり、点灯回路
も大形化するとともに、コストアップになる。
【0024】なお、透光性放電容器の内径は、概ね外径
に比例し、透光性放電容器の肉厚の2倍を外径から減算
した値の平均値である。
【0025】さらに、透光性放電容器の少なくとも両端
には、ピンチシールなどによるシール部が形成されてい
て、さらに要すれば、これに加えて中間にも同様なシー
ル部が形成される。たとえば、複数のU字状ガラス管を
連結管によって連結して透光性放電容器が形成される場
合には、透光性放電容器の中間にもシール部を形成する
ことができる。すなわち、各U字状ガラス管の両端部に
シール部を形成し、端部に近い中間部同士を連結管によ
って連結して、1本の屈曲した放電路を形成する。
【0026】一方、透光性放電容器の長さは、外径が上
記範囲内であれば、前記放電路長が200〜500mm
の範囲内であれば、電球形蛍光ランプのランプ電力に応
じて適当な値に設定することが容易である。
【0027】さらに、透光性放電容器は、上記の構造を
備えていれば、その材料は制限されないが、一般的には
ガラスを用いて構成することができる。この場合、ガラ
スとしてはソーダライムガラス、鉛ガラスなどの軟質ガ
ラスを用いるのが経済的であるが、要すればホウケイ酸
ガラスなどの硬質または半硬質ガラスを用いることもで
きる。
【0028】さらにまた、透光性放電容器の横断面形状
は、通常円形にするのが一般的であるが、要すれば非円
形たとえば楕円形その他任意の横断面形状にすることが
できる。
【0029】(蛍光体層について)蛍光体層は、放電に
よって発生した紫外線を波長変換して所望波長域の可視
光を得るために用いられる。
【0030】また、蛍光体層には、その内表面に少なく
とも一部が露出したYを主体とする金属酸化物が
含まれている。そして、Yを主体とする金属酸化
物は、蛍光体層の内表面または蛍光体粒子の表面に形成
された薄膜の形であってもよいし、また蛍光体層の内表
面または蛍光体粒子の表面に付着した微粒子の形であっ
てもよい。
【0031】Yを主体とする金属酸化物の薄膜
は、蛍光体層を塗布形成した後にYを主体とする
金属酸化物を構成する金属のアルコキシドを塗布し、焼
成して加水分解により蛍光体層の内表面に形成すること
ができる。しかし、予め表面に上記薄膜を形成した蛍光
体粒子を用いて蛍光体層を形成してもよい。
【0032】また、Yを主体とする金属酸化物の
微粒子は、蛍光体層を塗布した後に、Yを主体と
する金属酸化物の微粒子を溶媒中に懸濁した塗布液を蛍
光体層の上に塗布してから、焼成することにより、形成
することができる。しかし、蛍光体スラリーの中に上記
金属酸化物の微粒子を懸濁して蛍光体層を形成すること
により、蛍光体粒子の表面に上記金属酸化物微粒子を付
着させることができる。
【0033】なお、「Yを主体とする金属酸化
物」とは、Yが金属酸化物全体の50重量%超含
まれ、副成分としてLa、AlおよびZr
からなるグループの一種または複数種を含んでいる
ことを許容することを意味する。
【0034】さらに、蛍光体層は、透光性放電容器のほ
ぼ全長にわたってYを主体とする金属酸化物を含
んでいてもよいし、局部的に含んでいてもよい。
【0035】したがって、補助アマルガムの近傍に位置
する領域の蛍光体層のみにYを主体とする金属酸
化物を含むように構成してもよい。
【0036】ところで、本発明において、用いる蛍光体
の種類は限定されないが、3波長発光形蛍光体は、耐熱
特性および負荷特性に優れたものを得ることができると
ともに、演色性に優れているので、好適である。
【0037】また、本発明において、蛍光体層が「透光
性放電容器の内面側に配設されている」とは、蛍光体層
は透光性放電容器の内面に直接形成されていてもよい
し、保護膜、反射膜などを介して間接的に形成してもよ
いことを意味している。
【0038】さらに、保護膜としては、Alの微
粒子を主体とする構成の膜を用いることができる。結晶
構造は、γ形、β形およびα形のいずれでもよい。しか
し、本発明においては、主アマルガムおよび補助アマル
ガムの構成に加えてα形Al を用いた保護膜を併
用することにより、さらに優れた光束立ち上がり特性を
得ることができる。
【0039】(電極について)透光性放電容器の両端に
は一対の電極がシール部を介して封装されるが、電極構
造はフィラメント電極およびセラミックス電極などのい
ずれでもよい。
【0040】電極がフィラメント電極の場合には、封着
の際にフィラメントの形状が乱れるのを防止するため
に、ビードマウント構造を採用して透光性放電容器の両
端にピンチシールすることができる。
【0041】セラミックス電極を用いる場合、セラミッ
クス電極は以下に示す構成を備えている。すなわち、セ
ラミックス電極は、複合酸化物半導体セラミックスと、
この複合酸化物半導体セラミックスを担持する導電性基
体とを備えている。
【0042】複合酸化物半導体セラミックスは、アルカ
リ土類元素および遷移金属元素を主成分とする酸化物の
複合酸化物半導体セラミックスからなる。また、複合酸
化物半導体セラミックスは、その表面が炭化物たとえば
TaCなどおよびまたは窒化物たとえばTiNなどで被
覆されている。これらの被覆を表面に形成することによ
り、Baなどの熱電子放出物質のスパッタリングを防止
する作用がある。しかし、熱電子放出物質は、内部から
熱拡散によって表面に達するので、問題ない。また、上
記被覆は、始動時など複合酸化物半導体セラミックスの
温度が低いときに、電気伝導を補助する機能も有する。
【0043】「導電性基体」とは、適度な導電性を備え
ていて、複合酸化物半導体セラミックスを担持する部材
であればどのような材料によって構成されていてもよ
い。
【0044】(細管について)細管は、透光性放電容器
の両端およびまたは中間に形成された複数のシール部の
少なくとも一つから外部へ突出するとともに、透光性放
電容器内に連通して形成される。細管は、透光性放電容
器の端部および中間部のいずれに形成されていてもよ
い。
【0045】また、透光性放電容器のシール部がピンチ
シールによって形成される場合、細管は、小径ガラス管
をピンチシール部の予定部に挿入し、透光性放電容器の
端部を加熱して軟化状態にしてから、小径ガラス管を避
けてピンチシールを行って小径ガラス管を透光性放電容
器のピンチシール部にガラス溶着する。これにより、小
径ガラス管は、透光性放電容器に気密に封着される。
【0046】そうして、細管を通じて透光性放電容器内
を排気したり、希ガスを封入することができる。そし
て、最後に、細管内に後述する主アマルガムを落とし込
み、細管の外端をチップオフする。
【0047】さらに、細管は、主アマルガムが透光性放
電容器内に移動しないように、たとえば透光性放電容器
との境界部にくびれ部を備えていることが好ましい。
【0048】(主アマルガムについて)主アマルガム
は、低圧水銀蒸気放電に必要な水銀を放出して透光性放
電容器内に水銀蒸気を供給するもので、細管内に収納さ
れる。そして、主アマルガムはBi−In−Hg、Bi
−In−Sn−HgまたはBi−Sn−Pb−Hgなど
の組成であとともに、光束立ち上がりを良好にするため
に、好ましくは4.5重量%以上、最適には6重量%程
度の水銀を含むものを用いる。
【0049】しかし、水銀の含有量が上記含有量になる
と、水銀がアマルガムの表面に滲み出てべとつきを生じ
やすいので、配慮すべきである。すなわち、アマルガム
を製造する際に、急冷して結晶粒子を小さくしたり、ア
マルガムの表面にべとつき防止処理をすることができ
る。
【0050】また、主アマルガムの封入量は、40〜1
20mg程度がよい。
【0051】さらに、主アマルガムは、適当なサイズの
粒子に加工して必要量が封入されるように複数の粒子を
細管内に封入するのがよい。
【0052】さらにまた、透光性放電容器の外径が小さ
くなるほど、点灯時に透光性放電容器の放電空間内の水
銀蒸気圧が均一に分布するまでに時間がかかりやすくな
るので、主アマルガムを透光性放電容器の複数の位置で
供給するとよい。このために、細管を異なる位置に複数
配設する。たとえば、透光性放電容器の両端、いずれか
一方の端部と中間、または中間の複数個所などに細管を
形成して、それらの内部に主アマルガムを収納すること
ができる。
【0053】なお、透光性放電容器の端部の細管に収納
する主アマルガムは、電極の近傍であるから、温度が高
くなり、中間の主アマルガムは相対的に温度が低くなる
ので、アマルガムの組成を変えて、同一の水銀蒸気圧が
得られるように構成することができる。また、複数の主
アマルガムを用いる場合に、一部の主アマルガムの水銀
の含有量を少なくすることにより、過剰な水銀を吸収さ
せることもできる。
【0054】さらにまた、主アマルガムは、水銀放出後
の残留金属が点灯中液相になってもよいし、固相であっ
てもよい。しかし、点灯中主アマルガムが液相であるこ
とにより、水銀蒸気圧を所望の高い状態に維持すること
ができる。
【0055】(補助アマルガムについて)補助アマルガ
ムは、点灯初期に水銀蒸気を供給するもので、本発明に
おいては、電極の近傍に配設される方が好ましい。ま
た、補助アマルガムは、同時に主アマルガムの近傍に位
置しているのが好ましい。したがって、主アマルガムが
電極の近傍に形成された細管内に収納される場合には、
補助アマルガムも電極の近傍に配設される。
【0056】しかし、主アマルガムが電極から遠隔した
位置に配設される場合、補助アマルガムを電極から遠隔
した位置に配設することもできる。
【0057】また、一般に補助アマルガムは、アマルガ
ム形成金属たとえばインジウムInなどを所要の位置に
配設することにより、透光性放電容器内において水銀が
移動してアマルガムを形成するように構成される。
【0058】アマルガム形成金属は、ステンレスなどの
金属基体に蒸着などによって被着させることができる。
【0059】さらに、補助アマルガムは、電極の近傍に
配設される場合には、電極の導入線に溶接により支持さ
せることができる。また、電極とは遠隔した位置に補助
アマルガムが配設される場合には、シール部に基端が封
着された適当な導入線のような部材に支持させることが
できる。
【0060】(希ガスについて)透光性放電容器に封入
する希ガスは、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオ
ンなどの一種または複数種を混合して数百〜数万Paの
圧力で封入することができる。
【0061】(その他の構成について)蛍光ランプを包
囲する透明または光拡散性の外管を配設することができ
る。この外管は、ガラス、合成樹脂などから形成するこ
とができる。しかし、外管を備えていない構成でもよ
い。用途に応じて外管の有無を使い分けるのがよい。
【0062】電球形蛍光ランプは、一般的には受電手段
として口金を点灯回路側の一端に配設することができ
る。口金は、代替を狙う白熱電球の口金と同一仕様のも
の、たとえばE26形ねじ口金を用いるのがよい。しか
し、要すれば代替を考えない場合には、所要の仕様の口
金を装着することもできる。また、引掛シーリングキャ
ップ構造の受電手段を備えて、引掛シーリングボディか
ら直接受電可能なように構成してもよい。さらに、2本
の電源接続用絶縁被覆導線を導出した構成であってもよ
い。
【0063】<点灯回路について>本発明において点灯
回路は、蛍光ランプを始動し、点灯するための回路手段
であり、蛍光ランプに対して放電のための電気エネルギ
ーを供給する電源機能および蛍光ランプの負特性を補償
する限流インピーダンス機能を備え、要すればさらに始
動時に蛍光ランプの一対の電極間に高い始動電圧を印加
して放電を開始させる始動電圧供給機能を備えることが
できる。
【0064】(電源機能について)蛍光ランプに対する
電源には、小形、軽量で、しかも制御が容易で高効率点
灯が可能な高周波交流を用いる。
【0065】高周波交流によって蛍光ランプを点灯する
に当たり、高周波インバータを用いることができる。
【0066】高周波インバータとしては、回路構成が簡
単で、回路部品が少なくて、しかも小形化しやすいハー
フブリッジ形インバータが好適である。
【0067】(限流インピーダンス機能について)限流
インピーダンスは、交流点灯の場合、インダクタンス、
キャパシタンスおよび抵抗のいずれか1種または複数種
の組み合わせで用いることができる。しかし、電力損失
が少ないという点ではインダクタンスおよびキャパシタ
ンスがよいが、さらに制御が容易であり、さらに高周波
交流点灯においては小形化が可能である点などを勘案す
ると、インダクタンスが最適である。
【0068】また、インダクタンスを限流インピーダン
スの少なくとも一部とする場合、チョークコイル、漏洩
トランスの漏洩インダクタンスによってそのインダクタ
ンスを確保することができる。
【0069】(始動電圧供給機能について)始動電圧供
給機能は、蛍光ランプの始動時に電極間に高い始動電圧
を印加して蛍光ランプを放電開始させる機能である。
【0070】電極がセラミックス電極からなる場合に
は、始動時にグロー放電が生起し、やがてアーク放電に
転移して蛍光ランプがいわゆる点灯状態になるのである
が、このグロー・アーク転移時間を短縮することによ
り、始動時間が短縮される。セラミックス電極を用いる
場合には、グロー・アーク転移時間を短縮するために
は、始動時に投入する電力をなるべく大きくすると、効
果的であることが分かった。始動電圧を高くすることに
より、セラミックス電極への投入電力を大きくすること
ができる。
【0071】始動時に始動電圧を高くするには、たとえ
ば蛍光ランプに並列にコンデンサを接続して、このコン
デンサが始動時に限流インダクタンスと直列共振するよ
うにする。また、高周波インバータの出力電圧を始動時
に所定時間高めるようにしてもよい。
【0072】<本発明の作用について>始動時には管壁
温度が低いので、補助アマルガムから放出された水銀の
うち過剰な水銀の一部が蛍光体に吸着される。この水銀
の蛍光体による吸着は、補助アマルガムの近傍において
主として行われる。そして、次第に管壁温度が高くなる
と、蛍光体から水銀が再放出され、蛍光ランプの内部を
拡散していく。
【0073】本発明においては、Yを主体とする
金属酸化物の少なくとも一部が蛍光体層の内表面に露出
しているので、蛍光体層の水銀に対する吸着エネルギー
が顕著に低下する。このため、始動時に管内温度が低い
時に補助アマルガムから放出された水銀の一部が蛍光体
層に吸着されても、吸着された水銀が始動による蛍光ラ
ンプ内の温度上昇に伴って容易に再放出され、したがっ
て短時間のうちに透光性放電容器内に拡散していく。こ
のため、光束立ち上がり特性が改善される。
【0074】また、たとえ消灯中に管壁温度が低下し、
管内から水銀が補助アマルガムに移動する期間に水銀が
蛍光体層に吸着されたとしても、再放出される割合が大
きくなっているので、透光性放電容器内の水銀は、消灯
時に補助アマルガムに移動する割合が増加するために、
再度始動する際の初期光束も増加する。
【0075】以上の理由により、本発明によれば、始動
時の初期光束が高く、しかも初期光束からの光束の立ち
上がりが早くなり、このため光束立ち上がり特性が著し
く改善される。
【0076】請求項2の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、蛍光体層は、
を主体とする金属酸化物を薄膜の形で含んでい
ることを特徴としている。
【0077】本発明においては、Yを主体とする
金属酸化物が薄膜として形成されている。Yは、
低圧水銀蒸気放電により発生して、蛍光体を励起する波
長254nmの紫外線を吸収しやすいが、本発明におい
ては、Yが薄膜なので、水銀の吸着エネルギーを
低減させながらも、波長254nmの紫外線の吸収を少
なく抑制することができる。
【0078】Yを主体とする金属酸化物の薄膜を
蛍光体粒子の表面に形成するには、たとえば蛍光体層の
内面にゾル・ゲル法によることができる。しかし、本発
明はこれに限定されるものではなく、たとえば真空蒸着
や化学的蒸着などにより薄膜を形成してもよい。
【0079】また、上記薄膜は、蛍光体層の内表面に形
成してもよいし、予め蛍光体粒子の表面に形成してもよ
い。
【0080】請求項3の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、蛍光体層は、
を主体とする金属酸化物を微粒子の形で含んで
いることを特徴としている。
【0081】本発明は、Yを主体とする金属酸化
物が微粒子の形で形成されているので、製造が容易で、
比較的安価に得ることができる。
【0082】すなわち、蛍光体スラリーを透光性放電容
器の内面に塗布して蛍光体層を形成した後に、上記金属
酸化物の微粒子の塗布液を塗布してから焼成すれば、蛍
光体層の内表面に上記金属酸化物を適当な量付着させる
ことができる。
【0083】また、蛍光体スラリーの中に上記金属酸化
物の微粒子を分散させて蛍光体層を塗布、焼成して形成
することにより、蛍光体粒子の表面に上記金属酸化物の
微粒子を適当な量付着させることができる。
【0084】Yを主体とする金属酸化物が微粒子
の平均粒径は、0.01〜0.1μmが好適である。ま
た、上記酸化物の使用量は、蛍光体に対して1〜2重量
%が好適である。
【0085】請求項4の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプに
おいて、蛍光体層は、補助アマルガムの近傍に位置する
領域においてYを主体とする金属酸化物を含んで
いることを特徴としている。
【0086】本発明においては、補助アマルガムから始
動時に放出された水銀が特に吸着されやすい補助アマル
ガムの近傍に位置する領域の蛍光体層にのみY
主体とする金属酸化物を含ませていればよいので、25
4nmの紫外線のYによる吸収量を最小限に止め
ることができる。
【0087】「補助アマルガムの近傍に位置する領域」
としては、補助アマルガムの正対する位置を中心とし
て、放電路に沿って前後に透光性放電容器のほぼ内径に
等しい距離内の蛍光体層を意味し、少なくともこの領域
内の蛍光体層がYを主体とする金属酸化物を含ん
でいればよい。
【0088】本発明の構成を実現するためには、たとえ
ば以下による。
【0089】すなわち、まずYを主体とする金属
酸化物を含まない一般的な蛍光体スラリーを透光性放電
容器用ガラスバルブの内面全体に塗布する。
【0090】次に、透光性放電容器用ガラスバルブの両
端の補助アマルガムの予定位置よりさらに透光性放電容
器の内径のほぼ半分すなわち半径分を加えた距離までの
蛍光体スラリーを除去する。
【0091】別にYを主体とする金属酸化物の微
粒子を懸濁した蛍光体スラリーを用意しておき、この蛍
光体スラリーに透光性放電容器用バルブの蛍光体層を除
去した一端部を漬け、他端から内部を減圧し、蛍光体ス
ラリーの内部液面を所要のレベルまで上昇させてから減
圧状態を解除して塗布し、さらに管端部のシール予定部
の蛍光体スラリーを除去する。
【0092】最後に、透光性放電容器用バルブを加熱炉
中で加熱して内面の蛍光体スラリーを焼成して蛍光体層
を形成する。
【0093】請求項5の発明の電球形蛍光ランプは、屈
曲された放電路が内部に形成されるようにコンパクトな
形に形成され、少なくとも両端にシール部が形成されて
いる透光性放電容器、少なくとも相対的に水銀吸着性の
高い蛍光体の粒子がほぼ球状をなしている蛍光体層、透
光性放電容器の両端のシール部を介して封装された一対
の電極、少なくとも一つのシール部から外部へ突出する
とともに透光性放電容器内に連通する細管、細管内に収
納された主アマルガム、透光性放電容器内に配設された
補助アマルガム、ならびに透光性放電容器の内部に封入
された希ガスを含んでなる蛍光ランプと;蛍光ランプを
高周波点灯する点灯回路と;を具備していることを特徴
としている。
【0094】本発明は、蛍光体粒子を水銀が吸着されに
くい形状にして、水銀の吸着を少なくしたものである。
すなわち、蛍光体の粒子がほぼ球状をなしていることに
より、表面積が最小限になるから、水銀の物理吸着量を
少なくすることができる。
【0095】本発明において、蛍光体粒子が「ほぼ球状
をなしている」とは、蛍光体粒子の外接円の直径に対す
る内接円の直径の比率が0.7以上であることをいう。
外接円および内接円の計測は、蛍光体層の顕微鏡写真を
用いて、隣接する蛍光体粒子10個を任意に抽出して計
測し、それらの平均値を求めることによって行うものと
する。
【0096】ほぼ球形の蛍光体粒子は、たとえば蛍光体
を合成してから、熱プラズマ中で溶融して、再結晶化さ
せたり、母体の出発原料を球状にすることなどにより、
実現できる。
【0097】また、蛍光体粒子がほぼ球形であるととも
に、それらの粒径が揃っていることにより、全体として
蛍光体粒子の表面積が少なくなるから、さらに水銀の吸
着が少なくなる。なお、本発明において、蛍光体粒子の
「粒径が揃っている」とは、蛍光体粒子の粒径が平均粒
径に対して±30%以内にあることをいう。
【0098】さらに、蛍光体に3波長発光形の蛍光体を
用いる場合、青色発光用として用いることができるBa
MgAl1627:Eu蛍光体は、水銀吸着性が強
いことで知られているが、本発明においては、相対的に
水銀吸着性の強い蛍光体粒子のみをほぼ球状にするだけ
でもよい。たとえば、緑色発光用としてLaPO:C
e、Tbを、また赤色発光用としてY:Euを、
上記青色発光用蛍光体とそれぞれ混合して3波長発光形
の蛍光体を調整することができる。この場合、緑色およ
び赤色発光用の蛍光体は、水銀吸着性が相対的に弱いの
で、球状にしなくてもよい。これにより、水銀の吸着を
抑制しながら蛍光体のコストアップを最小限に止めるこ
とができる。しかし、要すれば、全ての蛍光体を球状に
できることはいうまでもない。
【0099】そうして、本発明においては、蛍光体粒子
をほぼ球状にすることにより、蛍光体粒子の表面積が最
小限になり、水銀の蛍光体層への吸着量が少なくなる。
【0100】したがって、水銀は、短時間に透光性放電
容器の内部へ拡散していく。これにより、始動時の光束
立ち上がりが早くなる。
【0101】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0102】図1は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態を示す正面図である。
【0103】図2は、同じく蛍光ランプを展開して示す
展開図である。
【0104】図3は、図2の要部を拡大して示す要部拡
大断面図である。
【0105】図4は、同じく蛍光体層を中心とする要部
を拡大して示す概念的断面図である。
【0106】各図において、1は蛍光ランプ、2は点灯
回路、3はカバー、4は口金、5はグローブである。
【0107】<蛍光ランプ1について>蛍光ランプ1
は、透光性放電容器1a、保護膜1b、蛍光体層1c、
電極構体1d、主アマルガム1eおよび補助アマルガム
1fを備えている。
【0108】(透光性放電容器1について)透光性放電
容器1aは、3本の外径10mmのU字状ガラス管1a
1を2つの連結管1a2によって連結し、かつ各U字状
ガラス管1a1が円周上に等配されるように形成されて
いる。
【0109】各U字状ガラス管1a1は、その両端にピ
ンチシール部1a3が形成されているとともに、それぞ
れ1個の細管1a4が一つのピンチシール部1a3から
外部へ突出している。
【0110】細管1a4は、透光性放電容器1aの内部
に連通していて、ピンチシール部1a3との接合部にく
びれ部1a41を備えている。そして、細管1a4は、
透光性放電容器1の内部を排気したり、後述する主アマ
ルガム1dの収納や希ガスの封入の際に利用される。
【0111】連結管1a2は、吹き破り法によって形成
されている。
【0112】(保護膜1bについて)保護膜1bは、α
アルミナの微粒子からなり、透光性放電容器1の内面に
薄く形成されている。
【0113】(蛍光体層1cについて)蛍光体層1c
は、青色発光用がBaMgAl1627:Eu、緑
色発光用がLaPO:Ce、Tb、赤色発光用がY
:Euからなる3波長発光形蛍光体を主体として構
成されており、透光性放電容器1aの内面側に保護膜1
bの内面側に形成されている。そして、蛍光体層1c
は、図4に示すように、その内表面にYの薄膜1
c1を付着させることにより、含んでいる。この薄膜1
c1は、ゾル・ゲル法により形成されている。
【0114】(電極構体1dについて)電極構体1d
は、フィラメント電極1d1、一対の導入線1d2およ
びガラスビード1d3からなり、その一対が透光性放電
容器1の両端のピンチシール部1a3を介して封装され
ている。
【0115】フィラメント電極1d1は、タングステン
線からなる2重コイルにアルカリ土類金属からなる電子
放射物質の酸化物を塗布してなる。
【0116】一対の導入線1d2は、ガラスビード1d
3により所定間隔に保持されるとともに、その先端間に
フィラメント電極1d1の両端を継線して支持してい
る。
【0117】また、電極構体1dは、その一対が透光性
放電容器1の両端のピンチシール部1a3に、それぞれ
細管1a4を避けた位置で導入線1d2を気密にシール
することによって透光性放電容器1に封装されている。
【0118】(主アマルガム1eについて)主アマルガ
ム1eは、透光性放電容器1の一端側の細管1a4内に
収納されている。そして、主アマルガム1eは、Bi−
In−Hgからなり、粒径約2.5mmの粒子2個から
なる。
【0119】(補助アマルガム1fについて)補助アマ
ルガム1fは、ステンレス鋼の薄板にインジウムInを
鍍金してなり、主アマルガム1eの近傍に位置するよう
に導入線1d2に溶接されている。
【0120】<点灯回路2について>点灯回路2は、配
線基板に所要の回路部品が実装されて、高周波インバー
タを主体として構成されていて、蛍光ランプ1を付勢し
て点灯させるものであり、後述するカバー3内に収納さ
れている。そして、高周波出力端は、蛍光ランプ1に所
要に接続されている。
【0121】しかし、点灯回路2の一部の回路部品たと
えば平滑用コンデンサがカバー3から口金4内へ突出し
ている。
【0122】<カバー3について>カバー3は、白色の
遮光性の耐熱性合成樹脂をカップ状の筒帯に成形して構
成されている。そして、基端3aが細く絞られ、先端3
bが開口し、内部が回路部品を収納する空洞を形成して
いる。
【0123】<口金4について>口金4は、E26形ね
じ口金からなり、カバー3の基端3aにポンチによる加
締めによって装着されている。なお、点灯回路2の入力
端は口金4のセンターコンタクトと、口金シェルとに接
続されている。
【0124】<グローブ5について>透光性グローブ5
は、ガラスを基材として形成され、内面に光拡散性微粒
子を塗布して乳白の光拡散性を備え、A形をなした有底
筒状をなしている。そして、その内部に蛍光ランプ1を
収納して機械的に保護するとともに、蛍光ランプ1から
放射された可視光を輝度を下げて外部に導出する。
【0125】透光性グローブ5とカバー3とは、協働し
て外囲器AJを形成している。そして、外囲器AJは、
カバー3の開口に装着される仕切り板(図示しない。)
により内部が発光室Aおよび点灯回路室Bに区分されて
いる。
【0126】なお、前述した点灯回路2は、その配線基
板が仕切り板に装着された状態で、カバー3内に収納さ
れている。
【0127】図5は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態における光束立ち上がり特性を比較例のそれ
とともに示すグラフである。
【0128】図において、横軸は時間(sec)を、縦
軸は光束(%)を、それぞれ示す。そして、曲線Aは本
実施形態の光束立ち上がり特性であり、曲線Bは比較例
の光束立ち上がり特性である。
【0129】比較例は、蛍光体層1cの内表面にY
の薄膜を含んでいない以外は、本実施形態と同一仕様
の電球形蛍光ランプである。
【0130】図から理解できるように、本実施形態は、
点灯初期の光束から点灯60秒までの間、常に比較例よ
り高い光束を示しているとともに、点灯した瞬間に既に
40%以上の光束が得られ、さらに点灯10秒後には8
0%近い光束が得られる。そして、本実施形態および比
較例の光束がほぼ同一になるのは約3分間後である。
【0131】これに対して、比較例においては、点灯5
秒後の光束が約20%程度にすぎなかった。
【0132】以下、図6ないし図9に本発明の電球形蛍
光ランプの他の実施形態を示す。なお、図4と同一部分
については同一符号を付して説明は省略する。
【0133】図6は、本発明の電球形蛍光ランプの第2
の実施形態における蛍光体層を中心とする要部を拡大し
て示す概念的断面図である。
【0134】本実施形態は、蛍光体層1bに含まれるY
を主体とする金属酸化物が微粒子1c2の形で蛍
光体層1cの内表面に付着している点で異なる。
【0135】図7は、本発明の電球形蛍光ランプの第3
の実施形態における蛍光体層を中心とする要部を拡大し
て示す概念的断面図である。
【0136】本実施形態は、蛍光体層1cに含まれるY
を主体とする金属酸化物が微粒子1c2の形であ
るとともに、蛍光体層1cの表面だけでなく、各蛍光体
粒子1c3の表面に付着している点で異なる。これは、
予めYを主体とする金属酸化物の微粒子を分散さ
せた蛍光体スラリーを用いて蛍光体層1cを形成するこ
とにより、構成したものである。
【0137】図8は、本発明の電球形蛍光ランプの第4
の実施形態における蛍光体層を中心とする要部を拡大し
て示す概念的断面図である。
【0138】本実施形態は、球状の蛍光体粒子1c3’
を用いて蛍光体層1cを形成している点で異なる。
【0139】すなわち、蛍光体粒子1c3’は、粒径が
3±1μmの範囲に揃えられた球状をなしている。ま
た、球状の程度は、外接円に対する内接円の比率が0.
9である。
【0140】図9は、本発明の電球形蛍光ランプの第5
の実施形態における蛍光体層を中心とする要部を拡大し
て示す概念的断面図である。
【0141】本実施形態は、青色発光用のBaMg
1627:Euが球状の蛍光体粒子1c3’である
が、緑色発光用のLaPO:Ce、Tbおよび赤色発
光用のY:Euは非球状の蛍光体粒子1c3を用
いて蛍光体層1cを形成している点で異なる。
【0142】
【発明の効果】請求項1ないし4の各発明によれば、屈
曲された放電路が内部に形成されるようにコンパクトな
形に形成されていて、少なくとも一部が内表面に露出し
たY を主体とする金属酸化物を含む蛍光体層が配
設された透光性放電容器の両端にシール部を介して一対
の電極を封装し、少なくとも一つのシール部から外部へ
突出するとともに透光性放電容器内に連通している細管
を形成して内部に主アマルガムを収納し、透光性放電容
器内に補助アマルガムを配設した蛍光ランプを備えてい
ることにより、蛍光体層の水銀吸着エネルギーが低下し
て、始動時に補助アマルガムから放出された水銀が蛍光
体層に吸着されても、蛍光ランプ内の温度上昇に伴って
蛍光体に吸着された水銀の再放出が容易になるととも
に、消灯中に蛍光体層へ吸着される水銀の量が少なくな
り、水銀蒸気が短時間のうちに透光性放電容器内に速や
かに拡散されるから、光束立ち上がり特性が良好な電球
形蛍光ランプを提供することができる。
【0143】請求項2の発明によれば、加えてY
を主体とする金属酸化物が薄膜を形成していることによ
り、波長254nmの紫外線がYに吸収されにく
くなるとともに、水銀の蛍光体への吸着エネルギーは小
さくて再放出されやすくて、光束立ち上がり特性が一層
良好な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0144】請求項3の発明によれば、加えてY
を主体とする金属酸化物が微粒子であることにより、蛍
光体層の製造が容易で、比較的安価な電球形蛍光ランプ
を提供することができる。
【0145】請求項4の発明によれば、加えて補助アマ
ルガムの近傍に位置する領域においてYを主体と
する金属酸化物が蛍光体層に含まれていることにより、
波長254nmの紫外線の吸収が少なくて、しかも補助
アマルガムから放出された水銀を吸着しても、再放出し
やすくて、光束立ち上がり特性が良好な電球形蛍光ラン
プを提供することができる。
【0146】請求項5の発明によれば、少なくとも相対
的に水銀吸着性が高い蛍光体の粒子がほぼ球状をなして
いる蛍光体層を備えていることにより、ほぼ球状をなし
ている蛍光体の粒子の表面積が小さくて、水銀の吸着量
が少ないために、光束立ち上がり特性が良好な電球形蛍
光ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態を
示す正面図
【図2】同じく蛍光ランプを展開して示す展開図
【図3】同じく要部を拡大して示す要部拡大断面図
【図4】同じく蛍光体層を中心とする要部を拡大して示
す要部断面図
【図5】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態に
おける光束立ち上がり特性を比較例のそれとともに示す
グラフ
【図6】本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態に
おける蛍光体層を中心とする要部を拡大して示す概念的
断面図
【図7】本発明の電球形蛍光ランプの第3の実施形態に
おける蛍光体層を中心とする要部を拡大して示す概念的
断面図
【図8】本発明の電球形蛍光ランプの第4の実施形態に
おける蛍光体層を中心とする要部を拡大して示す概念的
断面図
【図9】本発明の電球形蛍光ランプの第4の実施形態に
おける蛍光体層を中心とする要部を拡大して示す概念的
断面図
【符号の説明】
1…蛍光ランプ 1a…透光性放電容器 1a1…U字状ガラス管 1a3…ピンチシール部 1a4…細管 1b…保護膜 1c…蛍光体層 1d…電極構体 1d1…フィラメント電極 1d2…導入線 1d3…ガラスビード 1e…主アマルガム 1f…補助アマルガム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈曲された放電路が内部に形成されるよう
    にコンパクトな形に形成され、少なくとも両端にシール
    部が形成されている透光性放電容器、少なくとも一部が
    内表面に露出したYを主体とする金属酸化物を含
    み、透光性放電容器の内面側に配設された蛍光体層、透
    光性放電容器の両端のシール部を介して封装された一対
    の電極、少なくとも一つのシール部から外部へ突出する
    とともに透光性放電容器内に連通する細管、細管内に収
    納された主アマルガム、透光性放電容器内に配設された
    補助アマルガム、ならびに透光性放電容器の内部に封入
    された希ガスを含んでなる蛍光ランプと;蛍光ランプを
    高周波点灯する点灯回路と;を具備していることを特徴
    とする電球形蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】蛍光体層は、Yを主体とする金属酸
    化物を薄膜の形で含んでいることを特徴とする請求項1
    記載の電球形蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】蛍光体層は、Yを主体とする金属酸
    化物を微粒子の形で含んでいることを特徴とする請求項
    1記載の電球形蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】蛍光体層は、補助アマルガムの近傍に位置
    する領域においてY を主体とする金属酸化物を含
    んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    一記載の電球形蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】屈曲された放電路が内部に形成されるよう
    にコンパクトな形に形成され、少なくとも両端にシール
    部が形成されている透光性放電容器、少なくとも相対的
    に水銀吸着性の高い蛍光体の粒子がほぼ球状をなしてい
    る蛍光体層、透光性放電容器の両端のシール部を介して
    封装された一対の電極、少なくとも一つのシール部から
    外部へ突出するとともに透光性放電容器内に連通する細
    管、細管内に収納された主アマルガム、透光性放電容器
    内に配設された補助アマルガム、ならびに透光性放電容
    器の内部に封入された希ガスを含んでなる蛍光ランプ
    と;蛍光ランプを高周波点灯する点灯回路と;を具備し
    ていることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
JP11211189A 1999-07-26 1999-07-26 電球形蛍光ランプ Pending JP2001035441A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11211189A JP2001035441A (ja) 1999-07-26 1999-07-26 電球形蛍光ランプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11211189A JP2001035441A (ja) 1999-07-26 1999-07-26 電球形蛍光ランプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001035441A true JP2001035441A (ja) 2001-02-09

Family

ID=16601883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11211189A Pending JP2001035441A (ja) 1999-07-26 1999-07-26 電球形蛍光ランプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001035441A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003331786A (ja) * 2002-04-08 2003-11-21 General Electric Co <Ge> 蛍光灯
JP2007250544A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Samsung Corning Co Ltd 面光源装置及びそれを有するバックライトユニット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003331786A (ja) * 2002-04-08 2003-11-21 General Electric Co <Ge> 蛍光灯
JP4630527B2 (ja) * 2002-04-08 2011-02-09 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 蛍光灯
JP2007250544A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Samsung Corning Co Ltd 面光源装置及びそれを有するバックライトユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5841229A (en) Amalgam support arrangement for an electrodeless discharge lamp
JP2000173537A (ja) 低圧水銀蒸気放電灯および照明装置
JPH06132018A (ja) 無電極ランプ装置
US7508134B2 (en) Small arc tube and low-pressure mercury discharge lamp
US7205712B2 (en) Spiral cold cathode fluorescent lamp
WO2006080189A1 (ja) メタルハライドランプ、およびそれを用いた照明装置
JP2001035441A (ja) 電球形蛍光ランプ
WO2000005746A1 (fr) Lampe a decharge haute tension et dispositif d&#39;eclairage
JP2001222973A (ja) 低圧水銀蒸気放電ランプおよびこれを用いた照明装置
JP5552936B2 (ja) 外球保護構造を備えたセラミックメタルハライドランプ
JP2001015066A (ja) 電球形蛍光ランプ
JP2003100258A (ja) 蛍光ランプおよび電球形蛍光ランプ
JP2004516622A (ja) 水銀が減少したカラートーン蛍光灯
JP3956040B2 (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
WO2008018269A1 (fr) lampe fluorescente et dispositif d&#39;éclairage à embase unique
JP4756878B2 (ja) セラミック放電ランプ点灯装置
JP2003187750A (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
JP2001250512A (ja) マイクロ波駆動型無電極セラミックランプ
JP4304605B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明装置
JP2001345071A (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JP2000348675A (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
JPS5875758A (ja) 放電ランプ
JP2001076667A (ja) 電球形蛍光ランプ
JPH07235282A (ja) 水銀蒸気放電ランプおよび照明装置
JP2004362812A (ja) 蛍光ランプ、電球形蛍光ランプおよび照明装置