JP2001015066A - 電球形蛍光ランプ - Google Patents

電球形蛍光ランプ

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JP2001015066A
JP2001015066A JP11186407A JP18640799A JP2001015066A JP 2001015066 A JP2001015066 A JP 2001015066A JP 11186407 A JP11186407 A JP 11186407A JP 18640799 A JP18640799 A JP 18640799A JP 2001015066 A JP2001015066 A JP 2001015066A
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amalgam
fluorescent lamp
discharge vessel
main amalgam
light
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JP11186407A
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Takuya Honma
卓也 本間
Kiyoko Kawashima
浄子 川島
Kiyoshi Nishio
清志 西尾
Yusuke Shibahara
雄右 柴原
Masahiro Izumi
昌裕 泉
Osamu Shirai
修 白井
Nobuhiro Tamura
暢宏 田村
Mitsunori Nakamura
光紀 中村
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】外径が小さくて小形化を可能にした透光性放電
容器において、補助アマルガムへの水銀の戻りを早くし
て光束立ち上がりを良好にした電球形蛍光ランプを提供
する。 【解決手段】屈曲された放電路が内部に形成されるよう
にコンパクトな形に形成されている外径13mm以下で
両端またはおよび中間にピンチシール部1a3を形成
し、内面側に蛍光体層1bが配設された透光性放電容器
1aの両端にピンチシール部1a3を介して一対のフィ
ラメント電極1c1を封装し、少なくとも一つのピンチ
シール部1a3から外部へ突出するとともに透光性放電
容器1a内に連通している細管1a4を形成して内部に
Bi−In−Hgからり、Hgを4.5重量%以上含む
主アマルガム1dを収納し、主アマルガム1dが収納さ
れている細管1a4の近傍に位置して透光性放電容器1
a内に補助アマルガム1eを配設した蛍光ランプ1を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電球形蛍光ランプ
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電球形蛍光ランプは、コンパクトな蛍光
ランプとその点灯回路を一体化した構成を備え、一般照
明用白熱電球のように小形で、片口金構造を有していな
がら蛍光ランプの特徴である高いランプ効率と長寿命と
を併せて有する光源であるために、白熱電球に代えて多
用されている。
【0003】電球形蛍光ランプは、透光性放電容器の両
端に一対の熱電子放出物質の酸化物を塗布してなるフィ
ラメント電極を封装している。
【0004】また、電球形蛍光ランプは、その蛍光ラン
プの透光性放電容器がコンパクトな形の形成されてい
て、発光部分が近接しているため、蛍光ランプ自体の温
度が上昇する。さらに、密閉された小容積の照明器具内
で点灯されるために、点灯時の周囲温度が高くなって、
最適水銀蒸気圧を超過した蒸気圧の下で点灯されて、発
光量が低減する。
【0005】そこで、温度上昇による光束減退を抑制す
るために、水銀をアマルガム(以下、「主アマルガム」
という。)にして封入している。水銀を主アマルガムの
形で封入することにより、高温域でも水銀蒸気圧を制御
して、光束の減退がなく、安定した発光を得ることがで
きる。
【0006】しかし、点灯開始時の光束立ち上がりが遅
いので、電極の近傍に補助アマルガムを配設している。
そして、電極の熱によってまず補助アマルガムを加熱す
ることにより、点灯初期の水銀蒸気を補助アマルガムか
ら供給することができ、光束が急速に立ち上がり、光束
が早く安定する。
【0007】一方、従来の外径が15mm以上の透光性
放電容器を用いた電球形蛍光ランプにおいては、一般に
フレアシールを行っている。フレアシールは、フレアス
テムに予めフィラメント電極を封着してフレアマウント
を形成しておき、このフレアステムを透光性放電容器の
開口端に封着することにより、フィラメント電極を透光
性放電容器の両端に封装する構造である。
【0008】ところで、電球形蛍光ランプの大きさを一
般照明用白熱電球の大きさに近付ける努力が従来から設
計技術者により盛んに行われてきている。その結果、着
実に小形化が実現しつつあり、蛍光ランプの透光性放電
容器の管径が従来一般的に用いられてきた12mmから
10mmへと主流がシフトしてきている。
【0009】また、透光性放電容器の管径のさらに小径
化を進展させることにより、電球形蛍光ランプのさらな
る小形化を図れるが、蛍光体の耐熱特性および負荷特性
が向上した結果、これが実現される可能性が出てきた。
【0010】透光性放電容器が上記のように小径化した
のに伴い電極の封装構造をフレアシールからピンチシー
ルへ変更する方が都合のよいことが分かった。すなわ
ち、小径化された透光性放電容器に見合った小形のフレ
アシールを形成するとともに、フレアシールを行うのが
困難である。これに対して、ピンチシールは、小径の透
光性放電容器に電極を封装するのに適している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】補助アマルガムを配設
した電球形蛍光ランプは、数時間点灯した後、消灯し、
冷却してから点灯する場合、たとえば1時間点灯、24
時間留置後点灯するような場合に、最も光束立ち上がり
速度が遅い。これは、補助アマルガムにあるHgが点灯
中に主アマルガムに戻り、さらに消灯後徐々に補助アマ
ルガムに戻ってくるが、消灯後短時間しか経過していな
いときには、十分な量のHgが補助アマルガムに戻って
いないからである。
【0012】したがって、電球形蛍光ランプの光束立ち
上がりを良好にするためには、補助アマルガムに如何に
速やかにHgを供給するかが重要である。
【0013】そこで、室温における蒸気圧の高いアマル
ガムを用いる対策が検討された。しかしながら、高温で
の水銀蒸気圧が高くなる傾向があり、実用には至らなか
った。
【0014】従来、補助アマルガムに戻るHgは、透光
性放電容器内に浮遊して残留するHgであると考えられ
ていため、主アマルガムと補助アマルガムとの位置につ
いて極めて強い関係があるとの認識がなかった。このた
め、ピンチシール構造の場合、フレアシール構造の場合
のように容易には細管を形成できないので、透光性放電
容器の中間部に電極と関係なしに細管のみを形成して、
その内部に主アマルガムを収納している。
【0015】ところが、本発明者の検討によると、補助
アマルガムが光束立ち上がりに十分寄与するには、0.
1mg程度の水銀が必要であるが、点灯時透光性放電容
器内に蒸気で存在する水銀は、0.01mg程度である
にすぎない。このため、補助アマルガムに水銀を供給し
て光束立ち上がりを向上するためには、透光性放電容器
内に残留している水銀だけでは全く不十分であり、主ア
マルガムから水銀が補助アマルガムが移動する必要があ
る。
【0016】補助アマルガムに戻る水銀を多くするに
は、主アマルガムの室温での水銀蒸気圧を高くすればよ
い。したがって、室温で十分高く、しかも高温でも蒸気
圧が高すぎないアマルガムがあればよいのであるが、こ
のような理想的なアマルガムは、得られていない。
【0017】さらに検討の結果、蛍光ランプの消灯後の
補助アマルガムと主アマルガムとの間のHgの濃度勾配
を大きくすることにより、両者の間のHgの移動が速や
かに行われることが分かった。すなわち、主アマルガム
を補助アマルガムになるべく接近して配置すると、Hg
の濃度勾配が大きくなって、主アマルガムから補助アマ
ルガムへのHgの移動が速やかに行われる。
【0018】本発明は、外径が小さくて小形化を可能に
した透光性放電容器において、補助アマルガムへのHg
の戻りを早くして光束立ち上がりを良好にした電球形蛍
光ランプを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の電球形
蛍光ランプは、屈曲された放電路が内部に形成されるよ
うにコンパクトな形に形成されている外径13mm以下
で両端またはおよび中間にピンチシール部を形成した透
光性放電容器、透光性放電容器の内面側に配設された蛍
光体層、透光性放電容器の両端に形成されたピンチシー
ル部を介して封装された一対の電極、少なくとも一つの
ピンチシール部から外部へ突出するとともに透光性放電
容器内に連通する細管、Bi、In、Sn、Pb、Zn
およびAgのグループからなる金属の少なくとも一種と
Hgとを含み、かつHgを4.5重量%以上含有してい
るとともに、細管内に収納された主アマルガム、主アマ
ルガムが収納されている細管の近傍に位置する透光性放
電容器内に配設された補助アマルガム、ならびに透光性
放電容器の内部に封入された希ガスを含んでなる蛍光ラ
ンプと;蛍光ランプを高周波点灯する点灯回路と;を具
備していることを特徴としている。
【0020】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0021】<蛍光ランプについて> (透光性放電容器について)透光性放電容器は、外径が
13mm以下、好ましくは8〜13mm、さらに一層小
形化を図るには3〜9mmが好適であり、内部に屈曲さ
れた放電路が形成されるようにコンパクトな形に形成さ
れている。たとえば、1本の細長いガラス管を鞍形に湾
曲したり、U字状に屈曲した複数のU字状ガラス管を連
結管により接続するとともに、各U字状ガラス管の部分
を円周上に配列したり、U字状ガラス管の間に形成され
る空隙部分を一方向から見透せるように前後に揃えて配
列することにより、さらにはガラス管をスパイラルに巻
回することによっても、透光性放電容器をコンパクトな
形に形成することができる。なお、連結管は、吹き破り
法により形成したり、別に用意した管を用いてガラス溶
着して形成することができる。
【0022】また、透光性放電容器の外径は、上記の数
値範囲内で自由に選択できるが、外径が3mm未満であ
ると、ランプ電流が絞られすぎてしまい、所望のランプ
入力を確保するためには、ランプ電流が小さくなる分を
放電路長を大きくして補わなければならなくなり、小形
化を図れなくなる。また、これに伴いランプ電圧が高く
なるから、始動電圧も高くなり、点灯回路も大形化する
とともに、コストアップになる。
【0023】反対に、透光性放電容器の外径が13mm
を超えると、フレアシールが可能になる一方、ピンチシ
ールには好ましくはないので、不可である。
【0024】なお、透光性放電容器の内径は、概ね外径
に比例し、透光性放電容器の肉厚の2倍を外径から減算
した値の平均値である。
【0025】さらに、透光性放電容器の少なくとも両端
には、ピンチシール部が形成されていて、さらに要すれ
ば、これに加えて中間にもピンチシール部が形成され
る。たとえば、複数のU字状ガラス管を連結管によって
連結して透光性放電容器が形成される場合には、透光性
放電容器の中間にもピンチシール部を形成することがで
きる。すなわち、各U字状ガラス管の両端部にピンチシ
ール部を形成し、端部に近い中間部同士を連結管によっ
て連結して、1本の屈曲した放電路を形成する。
【0026】一方、透光性放電容器の長さは、外径が上
記範囲内であれば、電球形蛍光ランプのランプ電力に応
じて適当な値に設定することができる。
【0027】さらに、透光性放電容器は、上記の構造を
備えていれば、その材料は制限されないが、一般的には
ガラスを用いて構成することができる。この場合、ガラ
スとしてはソーダライムガラス、鉛ガラスなどの軟質ガ
ラスを用いるのが経済的であるが、要すればホウケイ酸
ガラスなどの硬質または半硬質ガラスを用いることもで
きる。
【0028】さらにまた、透光性放電容器の横断面形状
は、通常円形にするのが一般的であるが、要すれば非円
形たとえば楕円形その他任意の横断面形状にすることが
できる。
【0029】(蛍光体層について)蛍光体層は、放電に
よって発生した紫外線を波長変換して所望波長域の可視
光を得るために用いる。用いる蛍光体の種類は限定され
ないが、3波長発光形蛍光体は、耐熱特性および負荷特
性に優れたものを得ることができるとともに、演色性に
優れているので、好適である。
【0030】また、本発明において、蛍光体層が「透光
性放電容器の内面側に配設されている」とは、蛍光体層
は透光性放電容器の内面に直接形成されていてもよい
し、保護膜、反射膜などを介して間接的に形成してもよ
いことを意味している。
【0031】さらに、保護膜としては、Alの微
粒子を主体とする膜構成を用いることができる。結晶構
造は、β形およびα形のいずれでもよい。しかし、本発
明においては、主アマルガムおよび補助アマルガムの構
成に加えてα形Alを用いた保護膜を併用するこ
とにより、さらに優れた光束立ち上がり特性を得ること
ができる。
【0032】(電極について)透光性放電容器の両端に
は一対の電極がピンチシール部を介して封装されるが、
電極構造はフィラメント電極およびセラミックス電極な
どのいずれでもよい。
【0033】電極がフィラメント電極の場合には、封着
の際にフィラメントの形状が乱れるのを防止するため
に、ビードマウント構造を採用して透光性放電容器の両
端にピンチシールすることができる。
【0034】セラミックス電極を用いる場合、セラミッ
クス電極は以下に示す構成を備えている。すなわち、セ
ラミックス電極は、複合酸化物半導体セラミックスと、
この複合酸化物半導体セラミックスを担持する導電性基
体とを備えている。
【0035】複合酸化物半導体セラミックスは、アルカ
リ土類元素および遷移金属元素を主成分とする酸化物の
複合酸化物半導体セラミックスからなる。また、複合酸
化物半導体セラミックスは、その表面が炭化物たとえば
TaCなどおよびまたは窒化物たとえばTiNなどで被
覆されている。これらの被覆を表面に形成することによ
り、Baなどの熱電子放出物質のスパッタリングを防止
する作用がある。しかし、熱電子放出物質は、内部から
熱拡散によって表面に達するので、問題ない。また、上
記被覆は、始動時など複合酸化物半導体セラミックスの
温度が低いときに、電気伝導を補助する機能も有する。
【0036】「導電性基体」とは、適度な導電性を備え
ていて、複合酸化物半導体セラミックスを担持する部材
であればどのような材料によって構成されていてもよ
い。
【0037】(細管について)細管は、透光性放電容器
のピンチシール部の少なくとも一つから外部へ突出する
とともに、透光性放電容器内に連通して形成される。細
管は、透光性放電容器の端部および中間部のいずれに形
成されていてもよい。
【0038】また、細管を透光性放電容器のピンチシー
ル部に形成するには、小径ガラス管をピンチシール部の
予定部に挿入し、透光性放電容器の端部を加熱して軟化
状態にしてから、小径ガラス管を避けてピンチシールを
行って小径ガラス管を透光性放電容器のピンチシール部
にガラス溶着する。これにより、小径ガラス管は、透光
性放電容器に気密に封着される。
【0039】そうして、細管を通じて透光性放電容器内
を排気したり、希ガスを封入することができる。そし
て、最後に、細管内に後述する主アマルガムを落とし込
み、細管の外端をチップオフする。
【0040】さらに、細管は、主アマルガムが透光性放
電容器内に移動しないように、たとえば透光性放電容器
との境界部にくびれ部を備えていることが好ましい。こ
のくびれ部は、小径ガラス管を避けてピンチシールする
際に容易に形成することができる。
【0041】(主アマルガムについて)主アマルガム
は、低圧水銀蒸気放電に必要な水銀を放出して透光性放
電容器内に水銀蒸気を供給するもので、細管内に収納さ
れる。そして、主アマルガムはBi−In−Hg、Bi
−In−Sn−Hgなどの組成であとともに、光束立ち
上がりを良好にするために、4.5重量%以上の水銀を
含むものを用いる。
【0042】しかし、水銀の含有量が上記含有量になる
と、水銀がアマルガムの表面に滲み出てべとつきを生じ
やすいので、配慮すべきである。すなわち、アマルガム
を製造する際に、急冷して結晶粒子を小さくしたり、ア
マルガムの表面にべとつき防止処理をすることができ
る。
【0043】また、主アマルガムの封入量は、40〜1
20mg程度がよい。
【0044】さらに、主アマルガムは、適当なサイズの
粒子に加工して必要量が封入されるように複数の粒子を
細管内に封入するのがよい。
【0045】さらにまた、透光性放電容器の外径が小さ
くなるほど、点灯時に透光性放電容器の放電空間内の水
銀蒸気圧が均一に分布するまでに時間がかかりやすくな
るので、主アマルガムを透光性放電容器の複数の位置で
供給するとよい。このために、細管を異なる位置に複数
配設する。たとえば、透光性放電容器の両端、いずれか
一方の端部と中間、または中間の複数個所に細管を形成
して、それらの内部に主アマルガムを収納することがで
きる。なお、透光性放電容器の端部の細管に収納する主
アマルガムは、電極の近傍であるから、温度が高くな
り、中間の主アマルガムは相対的に温度が低くなるの
で、アマルガムの組成を変えて、同一の水銀蒸気圧が得
られるように構成することができる。複数の主アマルガ
ムを用いる場合に、一部の主アマルガムの水銀の含有量
を少なくすることにより、過剰な水銀を吸収させること
もできる。
【0046】さらにまた、主アマルガムは、水銀放出後
の残留金属が点灯中液相になってもよいし、固相であっ
てもよい。しかし、点灯中主アマルガムが液相であるこ
とにより、水銀蒸気圧を所望の高い状態に維持すること
ができる。
【0047】さらにまた、主アマルガムから放出された
水銀を補助アマルガムに速やかに移動させるための上記
とは異なる構成または上記の構成に加える構成として、
蛍光ランプが消灯中の主アマルガムの温度低下が緩慢に
なるようにすることにより、主アマルガムから補助アマ
ルガムに戻る水銀の量を増加することができる。
【0048】すなわち、細管の周囲に熱容量を増加する
物質を配設する。たとえば、シリコーン樹脂で細管を被
覆する。また、細管を2重ガラス管にして、中間の空間
内に低融点合金たとえばPb−Sn−Zn系合金を収納
するのでもよい。この合金は、主アマルガムより5℃程
度融点の高いものがよい。
【0049】これにより、低融点合金が凝固するまで主
アマルガムの温度は低下しないので、消灯後の温度降下
時に多くの水銀が補助アマルガムに移動する。
【0050】(補助アマルガムについて)補助アマルガ
ムは、点灯初期に水銀蒸気を供給するもので、本発明に
おいては、主アマルガムの近傍に配設される。したがっ
て、主アマルガムが電極の近傍に形成された細管内に収
納される場合には、補助アマルガムも電極の近傍に配設
されるが、主アマルガムが電極から遠隔した位置に配設
される場合には、電極から遠隔した位置に配設される。
しかし、この場合であっても、補助アマルガムは、放電
開始に伴って速やかに水銀蒸気を放出するように構成お
よび配置されねばならない。
【0051】また、一般に補助アマルガムは、アマルガ
ム形成金属たとえばインジウムInなどを所要の位置に
配設することにより、透光性放電容器内において水銀が
移動してアマルガムを形成するように構成される。アマ
ルガム形成金属は、ステンレスなどの金属基体に蒸着な
どによって被着させることができる。
【0052】さらに、補助アマルガムは、電極の近傍に
配設される場合には、電極の導入線に溶接により支持さ
せることができる。また、電極とは遠隔した位置に補助
アマルガムが配設される場合には、ピンチシール部に基
端が封着された適当な導入線のような部材に支持させる
ことができる。
【0053】(希ガスについて)透光性放電容器に封入
する希ガスは、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオ
ンなどの一種または複数種を混合して数千〜数万Paの
圧力で封入することができる。
【0054】(その他の構成について)蛍光ランプを包
囲する透明または光拡散性の外管を配設することができ
る。この外管は、ガラス、合成樹脂などから形成するこ
とができる。しかし、外管を備えていない構成でもよ
い。用途に応じて外管の有無を使い分けるのがよい。
【0055】電球形蛍光ランプは、一般的には受電手段
として口金を点灯回路側の一端に配設することができ
る。口金は、代替を狙う白熱電球の口金と同一仕様のも
の、たとえばE26形ねじ口金を用いるのがよい。しか
し、要すれば代替を考えない場合には、所要の仕様の口
金を装着することもできる。また、引掛シーリングキャ
ップ構造の受電手段を備えて、引掛シーリングボディか
ら直接受電可能なように構成してもよい。さらに、2本
の電源接続用絶縁被覆導線を導出した構成であってもよ
い。
【0056】<点灯回路について>本発明において点灯
回路は、蛍光ランプを始動し、点灯するための回路手段
であり、蛍光ランプに対して放電のための電気エネルギ
ーを供給する電源機能および蛍光ランプの負特性を補償
する限流インピーダンス機能を備え、要すればさらに始
動時に蛍光ランプの一対の電極間に高い始動電圧を印加
して放電を開始させる始動電圧供給機能を備えることが
できる。
【0057】(電源機能について)蛍光ランプに対する
電源には、小形、軽量で、しかも制御が容易で高効率点
灯が可能な高周波交流を用いる。
【0058】高周波交流によって蛍光ランプを点灯する
に当たり、高周波インバータを用いることができる。
【0059】(限流インピーダンス機能について)限流
インピーダンスは、交流点灯の場合、インダクタンス、
キャパシタンスおよび抵抗のいずれか1種または複数種
の組み合わせで用いることができる。しかし、電力損失
が少ないという点ではインダクタンスおよびキャパシタ
ンスがよいが、さらに制御が容易であり、さらに高周波
交流点灯においては小形化が可能である点などを勘案す
ると、インダクタンスが最適である。
【0060】また、インダクタンスを限流インピーダン
スの少なくとも一部とする場合、チョークコイル、漏洩
トランスの漏洩インダクタンスによってそのインダクタ
ンスを確保することができる。
【0061】(始動電圧供給機能について)始動電圧供
給機能は、蛍光ランプの始動時に電極間に高い始動電圧
を印加して蛍光ランプを放電開始させる機能である。
【0062】電極がセラミックス電極からなる場合に
は、始動時にグロー放電が生起し、やがてアーク放電に
転移して蛍光ランプがいわゆる点灯状態になるのである
が、このグロー・アーク転移時間を短縮することによ
り、始動時間が短縮される。セラミックス電極を用いる
場合には、グロー・アーク転移時間を短縮するために
は、始動時に投入する電力をなるべく大きくすると、効
果的であることが分かった。始動電圧を高くすることに
より、セラミックス電極への投入電力を大きくすること
ができる。
【0063】始動時に始動電圧を高くするには、たとえ
ば蛍光ランプに並列にコンデンサを接続して、このコン
デンサが始動時に限流インダクタンスと直列共振するよ
うにする。また、高周波インバータの出力電圧を始動時
に所定時間高めるようにしてもよい。
【0064】<本発明の作用について>本発明において
は、透光性放電容器の外径が13mm以下の小径である
から、透光性放電容器の両端またはおよび中間にピンチ
シール部を形成しており、したがって電極はピンチシー
ル部を介して封装されている。
【0065】透光性放電容器のピンチシール部から外部
へ突出する細管を形成して、その細管内に主アマルガム
を収納しているので、低圧水銀蒸気放電に供される水銀
は主として主アマルガムから放出される。そして、主ア
マルガムは、Bi、In、Sn、Pb、ZのよびAgの
グループからなる金属の少なくとも一種とHgとを含
み、かつHgを4.5重量%以上含有しているので、水
銀の放出が容易になり、光束立ち上がり特性が向上する
ばかりか、高い水銀蒸気圧が得られる。
【0066】また、透光性放電容器内の主アマルガムが
収納されている細管の近傍に補助アマルガムを配設して
いるので、蛍光ランプの消灯後いったん主アマルガムに
戻った水銀が補助アマルガムに移動する。このとき主ア
マルガムと補助アマルガムとの間の距離が小さいので、
補助アマルガムと主アマルガムとの間のHgの濃度勾配
が大きくなり、その結果主アマルガムから補助アマルガ
ムへ水銀が速やかに移動する。
【0067】したがって、本発明においては、蛍光ラン
プの消灯後比較的短時間しか経過していなくても、補助
アマルガムに水銀が移動して、点灯時には初期の水銀蒸
気を供給するので、光束立ち上がりが良好になる。
【0068】請求項2の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、主アマルガム
は、Bi、In、Sn、Pb、ZnおよびAgのグルー
プからなる金属の少なくとも一種とHgとを含み、かつ
Hgを5重量%以上含有していることを特徴としてい
る。
【0069】本発明は、主アマルガムの組成金属および
水銀の好適な含有量を規定している。
【0070】すなわち、主アマルガムは、上記金属の一
種または複数種とHgにより形成される合金であるが、
特にHgの含有量が5重量%以上であることにより、一
層水銀の放出が容易になり、光束立ち上がり特性のさら
なる向上が得られる。また、最適には6重量%程度であ
る。
【0071】しかし、水銀含有量が増加すると、常温下
でアマルガムの表面がべとつくという問題があるので、
蛍光ランプ製造におけるアマルガム封入に支障をきたす
ので、配慮しなけれなならない。
【0072】たとえば、主アマルガムを製造する際に急
冷して結晶粒子を小さくする場合、アマルガムを融解し
た液滴を液体窒素、冷却したエチレングリコールや水な
どの冷却媒中に滴下すると、液滴が急冷して固化するこ
とにより、結晶化が進み結晶粒子が小さくなる。その結
果、得られた主アマルガムは、表面がべとつかない。
【0073】しかし、主アマルガムが細管内に収納され
て水銀を放出し、さらに蛍光ランプの点灯中いったん液
相になった後に固相状態では、結晶粒子が大きくなる。
なお、「固相状態」とは、アマルガムが完全に固化した
ことを意味するものではなく、若干液状成分が存在して
いる状態を含む。
【0074】請求項3の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1または2記載の電球形蛍光ランプにおいて、主ア
マルガムは、Bi−In−Hgからなることを特徴とし
ている。
【0075】本発明は、主アマルガムの最適組成を規定
している。
【0076】すなわち、主アマルガムがBi−In−H
gであることにより、常温での水銀蒸気圧が高くなって
純水銀の蒸気圧に近くなり、点灯時の光束立ち上がりが
良好になる。特に水銀含有量が6重量%であると、アマ
ルガムのべとつきがあるものの、蛍光ランプ点灯5秒後
に相対光束を45%程度まで立ち上がらせることができ
るようになる。これに対して、水銀の含有量が4重量%
の主アマルガムの場合には、同一条件でも相対光束が1
0%にすぎない。
【0077】また、主アマルガムを細管内に封入する際
には、結晶粒子が小さい状態であっても、蛍光ランプ中
で水銀を放出した後の残留金属は、主にビスマスBiが
結晶化して結晶間に表面まで達する隙間が形成された状
態となって結晶が成長して、大きくてポーラスな固形物
となる。そして、上記隙間に水銀およびインジウムが液
相で入り込むため、水銀の放出が良好になる。
【0078】請求項4の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプに
おいて、主アマルガムは、粒径1.5〜3.0mmで、
2粒以上封入されていることを特徴としている。
【0079】本発明は、主アマルガムを製造および細管
内に挿入しやすくした構成を規定している。
【0080】すなわち、所定量の主アマルガムを細管内
に収納する際に、単一の粒子すると、粒子が大きくなり
すぎてアマルガムの製造および細管内への挿入が容易で
なくなる。
【0081】主アマルガムの粒径は、好適には2〜2.
6mmであり、これを2〜3個程度細管内に収納するの
がよい。
【0082】請求項5の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1ないし4のいずれか一記載の電球形蛍光ランプに
おいて、主アマルガムは、少なくとも細管内への挿入時
に表面にべとつき防止手段が配設されていことを特徴と
している。
【0083】本発明は、アマルガムの粒子の表面にべと
つき防止手段たとえば微粒子をまぶしたり、金属被膜を
形成することによってアマルガムの細管内への挿入が容
易になる、また、アマルガムの製造、輸送および保管も
容易になる。
【0084】微粒子をまぶす場合、微粒子としてはたと
えばアルミナAl、シリカSiO、ジルコニア
ZrO、蛍光体および金属粉末などを用いることがで
きる。
【0085】金属被膜を形成する場合、金属としてはた
とえば亜鉛Zn、ビスマスBiなどを用いることができ
る。
【0086】主アマルガムのべとつき防止手段は、細管
内に収納された後には、主アマルガムの表面から離脱し
てもよい。しかし、このような場合には、細管内にべと
つき防止手段の構成材料が残留するので、べとつき防止
手段が存在したことが分かる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0088】図1は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態を示す正面図である。
【0089】図2は、同じく蛍光ランプを展開して示す
展開図である。
【0090】図3は、同じく要部を拡大して示す要部拡
大断面図である。
【0091】各図において、1は蛍光ランプ、2は点灯
回路、3は外囲器、4は口金である。
【0092】<蛍光ランプ1について>蛍光ランプ1
は、透光性放電容器1a、蛍光体層1b、電極構体1
c、主アマルガム1d、補助アマルガム1eを備えてい
る。
【0093】透光性放電容器1aは、3本の外径10m
mのU字状ガラス管1a1を2つの連結管1a2によっ
て連結し、かつ各U字状ガラス管1a1が円周上に等配
されるように形成されている。
【0094】各U字状ガラス管1a1は、その両端にピ
ンチシール部1a3が形成されているとともに、それぞ
れ1個の細管1a4が一つのピンチシール部1a3から
外部へ突出している。
【0095】細管1a4は、透光性放電容器1aの内部
に連通していて、ピンチシール部1a3との接合部にく
びれ部1a41を備えている。そして、細管1a4は、
透光性放電容器1の内部を排気したり、後述する主アマ
ルガム1dの収納や希ガスの封入の際に利用される。
【0096】連結管1a2は、吹き破り法によって形成
されている。
【0097】蛍光体層1bは、3波長発光形蛍光体を主
体として構成されており、透光性放電容器1aの内面側
に図示を省略しているアルミナ微粒子を主体とする保護
膜を介して形成されている。
【0098】電極構体1cは、フィラメント電極1c
1、一対の導入線1c2およびガラスビード1c3から
なり、その一対が用いられている。
【0099】フィラメント電極1c1は、タングステン
線からなる2重コイルにアルカリ土類金属からなる電子
放射物質の酸化物を塗布してなる。
【0100】一対の導入線11は、ガラスビード1c2
により所定間隔に保持されるとともに、その先端間にフ
ィラメント電極1c1の両端を継線して支持している。
【0101】また、電極構体1cは、その一対が透光性
放電容器1の両端のピンチシール部1a3に細管1a4
を避けた位置で導入線1c2を気密にシールすることに
よって透光性放電容器1の両端に封装されている。
【0102】主アマルガム1dは、透光性放電容器1の
一端側の細管1a4内に収納されている。そして、主ア
マルガム1dは、Bi−In−Hgからなり、粒径約
2.5mmの粒子2個からなる。
【0103】補助アマルガム1eは、ステンレス鋼の薄
板にインジウムInを鍍金してなり、主アマルガム1d
の近傍に位置するように導入線1c2に溶接されてい
る。
【0104】<点灯回路2について>点灯回路2は、高
周波インバータを主体として構成されていて、蛍光ラン
プ1を付勢して点灯させるもので、後述する外囲器3の
遮光性基体3b内に収納されている。そして、高周波出
力端は、蛍光ランプ1に所要に接続されている。
【0105】<外囲器3について>外囲器3は、透光性
グローブ3aおよび遮光性基体3bからなる。
【0106】透光性グローブ3aは、内面に光拡散性微
粒子を塗布して乳白をなし、光拡散性を付与されたガラ
スからなり、有底筒状をなしている。そして、その内部
に蛍光ランプ1を収納して機械的に保護するとともに、
蛍光ランプ1から放射された可視光を輝度を下げて外部
に導出する。
【0107】遮光性基体3bは、合成樹脂を成形してカ
ップ状に形成してなり、開口端を透光性グローブ3aの
開口端に覆合している。そして、内部に点灯回路2を収
納している。
【0108】<口金4について>口金4は、E26形ね
じ口金からなり、外囲器3の遮光性基体3bの基端に装
着されるとともに、点灯回路2の入力端に接続してい
る。
【0109】図4は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態における光束立ち上がり特性を比較例のそれ
とともに示すグラフである。
【0110】図において、横軸は時間(s)を、縦軸は
相対光出力(%)を、それぞれ示す。そして、曲線Aは
本実施形態の光束立ち上がり特性であり、曲線Bは比較
例の光束立ち上がり特性である。
【0111】比較例は、透光性放電容器1の中間の細管
1a4に水銀含有量が4重量%の主アマルガムを収納し
ている以外は、本実施形態と同一仕様の電球形蛍光ラン
プである。光束立ち上がり特性は、1時間点灯し、その
後消灯して17時間止め置いてから再び点灯したときの
光束の変化を測定したものである。
【0112】図から理解できるように、本実施形態およ
び比較例ともに点灯30秒後になると、ほぼ同一光束な
なるが、点灯5秒後の光束に大きな差が生じ、本実施形
態の場合には約45%まで立ち上がりを示した。
【0113】これに対して、比較例においては、点灯5
秒後の光束が約10%程度にすぎなかった。
【0114】図5は、本発明の電球形蛍光ランプに用い
る主アマルガムの製造方法を示す概念的断面図である。
【0115】図において、11は滴下ノズル、12はア
マルガム、13は冷却槽、14は冷却媒である。
【0116】滴下ノズル11は、溶融アマルガムを滴下
するために用いる。
【0117】冷却槽12は、滴下したアマルガムを冷却
して固化させるために用いる。
【0118】用いたアマルガムは、Bi−In−Sn−
Hgであるが、その製造方法は以下のとおりである。
【0119】すなわち、最初BiとSnとを270℃で
融解してから150℃まで冷却後、Inを加えて固化さ
せてBi−In−Sn合金を得る。
【0120】次に、この合金にHgを加えて融解させ、
冷却してアマルガム12を得る。
【0121】さらに、アマルガム12を滴下ノズル11
中に入れて加熱融解した後、液滴12aとして冷却槽1
3に滴下する。
【0122】冷却槽13中には、冷却媒14を収容して
おき、液滴12aを冷却媒中に落下させて急冷して固化
したアマルガムの粒子12bを得る。
【0123】次に、冷却媒として水を用いてアマルガム
の粒子12bを製作した場合の試験結果を表1に示す。
【0124】なお、「表中△T(℃)」は、アマルガム加
熱融解温度から冷却媒温度を差し引いた差分である。ま
た、「3秒後の光束(%)」は、点灯3秒後の光束を全光
束を100%として計算により求めたものである。
【0125】
【表1】 試験サンフ゜ル △T(℃) 表面べとつき 常温Hg蒸気圧(torr) 3秒後の光束(%) Hg4% 110 有り 6.0×10−3 10 Hg6% 110 有り 5.0×10−2 15 Hg6% 140 無し 4.0×10−2 20 さらに、表1により得られたアマルガム粒子の結晶のサ
イズを長さL、幅Wの比率により測定した結果を表2に
示す。
【0126】
【表2】 試験サンフ゜ル △T(℃) 表面べとつき L/W Hg4% 110 有り 5 Hg6% 110 有り 5 Hg6% 140 無し 2 次に、冷却媒としてエチレングリコールをを用いた場合
の同様な試験結果を表3に示す。
【0127】なお、アマルガム加熱融解温度は140
℃、冷却媒温度は−30℃である。
【0128】
【表3】 試験サンフ゜ル △T(℃) 表面べとつき 常温Hg蒸気圧(torr) 3秒後の光束(%) Hg4% 110 有り 6.0×10−3 10 Hg6% 110 有り 5.0×10−2 15 Hg6% 170 無し 3.5×10−2 23 冷却媒として液体窒素を用いた場合のエチレングリコー
ルを用いた場合の表2と同様な結果が得られた。
【0129】さらに、表3により得られたアマルガム粒
子の結晶のサイズを長さL、幅Wの比率により測定した
結果を表4に示す。
【0130】
【表4】 試験サンフ゜ル △T(℃) 表面べとつき L/W Hg4% 110 有り 5 Hg6% 110 有り 5 Hg6% 170 無し 1 アマルガムは、冷却媒による冷却の程度に応じて結晶が
緻密になり、また結晶が緻密になるほど結晶の形状がこ
じんまりとして長さと幅が等しくなっていくことが分か
る。
【0131】次に、アマルガムの組成をBi−In−H
gにした場合の試験結果について表5に示す。
【0132】
【表5】 試験サンフ゜ル 表面べとつき 常温Hg蒸気圧(torr) 5秒後の光束(%) Hg4.0% 無し 2.0×10−4 25 Hg4.5% 小 4.0×10−4 30 Hg5.0% 中 6.0×10−4 35 Hg6.0% 中〜大 8.0×10−4 45 図6は、本発明の第2の実施形態における主アマルガム
の粒子を拡大して示す拡大断面図である。
【0133】図おいて、12bはアマルガム粒子、15
はべとつき防止手段である。
【0134】べとつき防止手段15は、Alの微
粒子からなり、アマルガム粒子12bの表面にまぶして
付着させたものである。
【0135】そうして、アマルガム粒子12bの表面に
べとつき防止手段15が配設されていることにより、べ
とつきがなくなり、細管内への主アマルガムの挿入が容
易になるばかりでなく、輸送、保管などの取扱いも容易
になる。
【0136】図7は、本発明の電球形蛍光ランプの第3
の実施形態における蛍光ランプを展開して示す展開図で
ある。
【0137】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0138】本実施形態は、透光性放電容器1の中間に
主アマルガム1dおよび補助アマルガム1eを配設して
いる点で異なる。
【0139】すなわち、透光性放電容器1の中間に細管
1a4を形成して、その中に主アマルガム1dを収納
し、主アマルガム1dが収納されている細管1a4の近
傍に位置するように、導入線1fの先端に補助アマルガ
ム1eを溶接して支持させている。導入線1fの基端
は、ピンチシール部1a3に気密に埋設している。
【0140】なお、透光性放電容器1の電極構体1cを
封着しているピンチシール部1a3には、細管1a4を
形成していない。
【0141】図8は、本発明の電球形蛍光ランプの第4
の実施形態における蛍光ランプを展開して示す展開図で
ある。
【0142】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0143】本実施形態は、さらに加えて透光性放電容
器1の中間に主アマルガム1dおよび補助アマルガム1
eを配設している点で異なる。
【0144】すなわち、透光性放電容器1の一端側の細
管1a4内に主アマルガム1dを収納しているのに加え
て、中間のピンチシール部1a3にも細管1a4を形成
して、その中に主アマルガム1dを収納している。
【0145】また、補助アマルガム1eについても一端
側および中間にそれぞれ主アマルガムに対応して近傍に
位置するようにそれぞれ配設している。
【0146】図9は、本発明の電球形蛍光ランプの第5
の実施形態における蛍光ランプの要部を拡大して示す拡
大断面図である。
【0147】図において、図3と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0148】本実施形態は、主アマルガム1dを収納す
る細管1a4の周囲にシリコーン樹脂被覆1gを形成し
ている点で異なる。
【0149】すなわち、細管1a4をシリコーン樹脂に
ディップして周囲にシリコーン樹脂被覆1gを形成して
いる。
【0150】そうして、蛍光ランプ1の消灯時に主アマ
ルガム1d温度降下が遅くなり、主アマルガム1dの水
銀が補助アマルガム1eに移動しやすくなる。
【0151】図10は、本発明の電球形蛍光ランプの第
6の実施形態における蛍光ランプの要部を拡大して示す
拡大断面図である。
【0152】図において、図9と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0153】本実施形態は、主アマルガム1dを収納す
る細管1a4’を2重管とし、2重管の間に低融点合金
1hを充填している点で異なる。
【0154】すなわち、細管1a4’をガラスの2重管
にして、内部にPb−Sn−Zn系の低融点合金1hを
充填している。低融点合金1hは、その融点が主アマル
ガム1dより約5℃高い。
【0155】そうして、低融点合金1hが凝固するまで
主アマルガム1dの温度低下がなく、補助アマルガムへ
の水銀の移動が容易になる。
【0156】
【発明の効果】請求項1ないし5の各発明によれば、屈
曲された放電路が内部に形成されるようにコンパクトな
形に形成されている外径13mm以下で両端またはおよ
び中間にピンチシール部を形成し、内面側に蛍光体層が
配設された透光性放電容器の両端にピンチシール部を介
して一対の電極を封装し、少なくとも一つのピンチシー
ル部から外部へ突出するとともに透光性放電容器内に連
通している細管を形成して内部にBiIn、Sn、P
b、ZnおよびAgのグループからなる金属の少なくと
も一種とHgとをふくむとともに、Hgを4.5重量%
以上含む主アマルガムを収納し、主アマルガムが収納さ
れている細管の近傍に位置して透光性放電容器内に補助
アマルガムを配設した蛍光ランプを備えていることによ
り、蛍光ランプの消灯後主アマルガムから補助アマルガ
ムへの水銀の移動が速やかに行われるとともに、主アマ
ルガムからの水銀の放出が容易になって光束立ち上がり
特性が良好な電球形蛍光ランプを提供することができ
る。
【0157】請求項2の発明によれば、加えて主アマル
ガムがBi、In、Sn、Pb、ZnおよびAgのグル
ープからなる金属の少なくとも一種とHgとを含み、か
つHgの含有量が5重量%以上であることにより、光束
立ち上がり特性が一層良好な電球形蛍光ランプを提供す
ることができる。
【0158】請求項3の発明によれば、加えて主アマル
ガムがBi−In−Hgであることにより、光束立ち上
がり特性が良好な電球形蛍光ランプを提供することがで
きる。
【0159】請求項4の発明によれば、加えて主アマル
ガムが粒径1.5〜3.0mmで、2粒以上封入されて
いることにより、主アマルガムを製造および封入しやす
い電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0160】請求項5の発明によれば、加えて主アマル
ガムが表面にべとつき防止手段を少なくとも細管内への
挿入時に配設していることにより、主アマルガムの挿入
が容易な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態を
示す正面図
【図2】同じく蛍光ランプを展開して示す展開図
【図3】同じく要部を拡大して示す要部拡大断面図
【図4】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態に
おける光束立ち上がり特性を比較例のそれとともに示す
グラフ
【図5】本発明の電球形蛍光ランプに用いる主アマルガ
ムの製造方法を示す概念的断面図
【図6】本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態に
おける主アマルガムの粒子を拡大して示す拡大断面図
【図7】本発明の電球形蛍光ランプの第3の実施形態に
おける蛍光ランプを展開して示す展開図
【図8】本発明の電球形蛍光ランプの第4の実施形態に
おける蛍光ランプを展開して示す展開図
【図9】本発明の電球形蛍光ランプの第5の実施形態に
おける蛍光ランプの要部を拡大して示す拡大断面図
【図10】本発明の電球形蛍光ランプの第6の実施形態
における蛍光ランプの要部を拡大して示す拡大断面図
【符号の説明】
1…蛍光ランプ 1a…透光性放電容器 1a1…U字状ガラス管 1a2…連結管 1a3…ピンチシール部 1a4…細管 1b…蛍光体層 1c…電極構体 1c1…フィラメント電極 1c2…導入線 1c3…ガラスビード 1d…主アマルガム 1e…補助アマルガム
フロントページの続き (72)発明者 西尾 清志 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 柴原 雄右 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 泉 昌裕 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 白井 修 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 田村 暢宏 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 中村 光紀 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 5C015 UU03 UU04 5C043 AA20 CC09 CD10 CD19 DD08 DD19 EB14 EC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈曲された放電路が内部に形成されるよう
    にコンパクトな形に形成されている外径13mm以下で
    両端またはおよび中間にピンチシール部を形成した透光
    性放電容器、透光性放電容器の内面側に配設された蛍光
    体層、透光性放電容器の両端のピンチシール部を介して
    封装された一対の電極、少なくとも一つのピンチシール
    部から外部へ突出するとともに透光性放電容器内に連通
    する細管、Bi、In、Sn、Pb、ZnおよびAgの
    グループからなる金属の少なくとも一種とHgとを含
    み、かつHgを4.5重量%以上含有しているととも
    に、細管内に収納された主アマルガム、主アマルガムが
    収納されている細管の近傍に位置する透光性放電容器内
    に配設された補助アマルガム、ならびに透光性放電容器
    の内部に封入された希ガスを含んでなる蛍光ランプと;
    蛍光ランプを高周波点灯する点灯回路と;を具備してい
    ることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】主アマルガムは、Bi、In、Sn、P
    b、ZnおよびAgのグループからなる金属の少なくと
    も一種とHgとを含み、かつHgを5重量%以上含有し
    ていることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ラン
    プ。
  3. 【請求項3】主アマルガムは、Bi−In−Hgからな
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光
    ランプ。
  4. 【請求項4】主アマルガムは、粒径1.5〜3.0mm
    で、2粒以上封入されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】主アマルガムは、少なくとも細管内への挿
    入時に表面にべとつき防止手段が配設されていことを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の電球形蛍
    光ランプ。
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