JPH07235282A - 水銀蒸気放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

水銀蒸気放電ランプおよび照明装置

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JPH07235282A
JPH07235282A JP2577694A JP2577694A JPH07235282A JP H07235282 A JPH07235282 A JP H07235282A JP 2577694 A JP2577694 A JP 2577694A JP 2577694 A JP2577694 A JP 2577694A JP H07235282 A JPH07235282 A JP H07235282A
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JP
Japan
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mercury
releasing
discharge lamp
vapor discharge
substrate
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JP2577694A
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Osamu Shirai
修 白井
Takashi Yorifuji
孝 依藤
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水銀を定量封入可能であるとともに、不純ガス
による早期点滅不良、不点灯、短寿命という欠点を改善
した水銀蒸気放電ランプを提供することを目的とする。 【構成】本発明の水銀蒸気放電ランプは、水銀を含む放
電媒体を封入した透光性気密容器11と、透光性気密容
器11内部に放電を生起維持するための手段13と、透
光性気密容器11内に封入された粒状の水銀放出基体1
4と、を具備し、水銀放出基体14は透光性気密容器1
1内の不純ガスを吸収するゲッター物質を具備している
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水銀を定量封入するの
に適した構造を有する水銀蒸気放電ランプおよび照明装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプに代表される低圧水銀蒸気放
電ランプに水銀を封入する方法としては、液状の水銀を
ランプに接続した細管から滴下することが最も一般的で
あるが水銀を定量封入することが困難である。これを解
決するために、水銀を固形粒状のアマルガムとして封入
し、その後アマルガムを排気管やステムなどに固定する
方法(例えば特開昭52-137173号、実公昭59-4446号)、
水銀を固形粒状のアマルガムとして封入し、封入後はア
マルガムを移動可能にするもの(例えば、特開昭54-118
675号、特開昭54-105066号)、固形粒状の水銀合金とし
て封入する方法(例えば特開平1-169838号)、水銀を固
形粒状のペレットに含浸させてから封入する方法(例え
ば特開平4-141940号)などがある。これらの方法によれ
ば、水銀を滴下する方法よりは定量封入ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように固形粒状の水銀放出物質をランプ内に封入する場
合、液状水銀を封入する場合と異なり、水銀放出物質中
に不純ガスが吸蔵されていて、この不純ガスが水銀とと
もに放出されやすいおそれのあることが本発明者らの研
究でわかった。この不純ガスは、ランプ電圧を必要以上
に増加させ、早期に点滅不良、不点灯、したがって短寿
命という致命的欠点をもたらすおそれがある。このよう
な問題点は、蛍光ランプなどの低圧水銀蒸気放電ランプ
に限らず、高圧放電ランプでも発生していた。
【0004】本発明は、このような従来技術をさらに改
善しようとするもので、水銀を定量封入可能であるとと
もに、不純ガスによる早期点滅不良、不点灯、短寿命と
いう欠点を改善した水銀蒸気放電ランプを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の水銀蒸気放電
ランプは、水銀を含む放電媒体を封入した透光性気密容
器と、透光性気密容器内部に放電を生起維持するための
手段と、透光性気密容器内に封入された粒状の水銀放出
基体と、を具備し、水銀放出基体は透光性気密容器内の
不純ガスを吸収するゲッター物質を具備していることを
特徴とする。
【0006】透光性気密容器は、一般的にはガラス管か
らなるが、形状は直管形、環形等に限定されず、また、
透光性であれば透明でなくても良い。また、封止部分
や、容器の一部が金属であっても良い。また水銀放出基
体は、水銀を放出したあとのものを意味し、水銀を含有
したものは、水銀放出物質とする。さらに水銀放出基体
の粒は、一個または複数個いずれでも良い。さらにま
た、水銀蒸気放電ランプとしては、容器内壁に蛍光体が
塗布された蛍光ランプのほか、蛍光体を使用しない紫外
線ランプを含み、さらに低圧に限らず、高圧水銀ランプ
も含む。
【0007】請求項2の水銀蒸気放電ランプは、請求項
1においてゲッター物質が、粒状の水銀放出基体の表面
に層状に被覆され、または粒状の水銀放出基体内に混合
されていることを特徴とする。
【0008】請求項3の水銀蒸気放電ランプは、請求項
1または2において、水銀放出基体が、水銀を放出した
後は実質的に水銀を吸収しないことを特徴とする。
【0009】実質的に吸収しないとは、水銀を吸収する
ことで、容器内の水銀蒸気圧が変化して光出力が変動す
る、といったことがないことを意味する。したがって光
出力に影響を与えない程度のわずかな水銀吸収は許容さ
れる。
【0010】請求項4の水銀蒸気放電ランプは、請求項
1、2または3において、水銀放出基体が、水銀と合金
を形成し、比較的低温で水銀を放出する金属、またはガ
ラスもしくはセラミックスのいずれかからなることを特
徴とする。
【0011】比較的低温とは、ランプの動作時の温度を
越え、バルブの軟化温度未満を意味し、好ましくは、排
気工程後のまたは排気工程中の余熱により水銀が放出さ
れる温度である。
【0012】請求項5の水銀蒸気放電ランプは、請求項
1ないし4のいずれかにおいて、粒状の水銀放出基体
が、排気管内を通過可能な大きさであることを特徴とす
る。
【0013】請求項6の水銀蒸気放電ランプは、請求項
1ないし5のいずれかにおいて水銀放出基体が、透光性
気密容器内に移動可能に封入されていることを特徴とす
る。請求項7の水銀蒸気放電ランプは、請求項1ないし
5のいずれかにおいて、水銀放出基体が、透光性気密容
器内壁に固着されていることを特徴とする。
【0014】請求項8の水銀蒸気放電ランプは、水銀を
含む放電媒体を封入した透光性気密容器と、透光性気密
容器内部に放電を生起維持するための手段と、透光性気
密容器内に封入されたアマルガムと、を具備し、アマル
ガムは透光性気密容器内の不純ガスを吸収するゲッター
物質を具備していることを特徴とする。
【0015】アマルガムは、その位置している場所の温
度に応じて実質的に水銀を放出したり、あるいは水銀を
吸収することで、容器内の水銀蒸気圧を変化させ、従っ
て光出力を変えるものである。
【0016】請求項9の照明装置は、装置本体と、この
装置本体に搭載される請求項1ないし8のいずれかの水
銀蒸気放電ランプと、からなることを特徴とする。
【0017】照明装置には、いわゆる一般照明器具のほ
か、例えば点灯装置と一体化した電球形蛍光ランプ、複
写機等の画像形成装置などを含む。
【0018】
【作用】請求項1ないし7の水銀蒸気放電ランプは、粒
状の水銀放出基体が、不純ガスを吸収するゲッター物質
を具備しているので、水銀放出基体が吸蔵している不純
ガスを吸収する。この結果、気密容器内のガス雰囲気が
適切に保たれる。
【0019】さらに請求項2の水銀蒸気放電ランプは、
ゲッター物質が粒状の水銀放出基体の表面に層状に被覆
されている場合には、水銀放出物質から水銀とともに放
出される不純ガスをその最外表で効率よく吸収でき、ゲ
ッター物質が粒状の水銀放出物質に混合されている場合
には、容易に所望の水銀放出物質が得られるとともに不
純ガスをその根元から吸収できる。
【0020】請求項3の水銀蒸気放電ランプは、水銀放
出基体が、水銀を放出した後は実質的に水銀を吸収しな
いので、どこに固定しても、あるいは固定しなくても安
定なランプ動作を得ることができる。
【0021】請求項4の水銀蒸気放電ランプは、水銀放
出基体が、水銀と合金を形成し、比較的低温で水銀を放
出する金属、またはガラスもしくはセラミックスのいず
れかからなるので、加熱するだけで水銀を放出できる。
【0022】請求項5の水銀蒸気放電ランプは、粒状の
水銀放出基体が、排気管内を通過可能な大きさであるの
で、通常のランプ製造工程を変えることなく、水銀を封
入できる。
【0023】請求項6の水銀蒸気放電ランプは、水銀放
出基体が、透光性気密容器内に移動可能に封入されてい
るので、取付固定が不要である。
【0024】請求項7の水銀蒸気放電ランプは、水銀放
出基体が、透光性気密容器内壁に固着されているので、
蛍光体被膜が形成されている場合には、その蛍光体被膜
を傷つけない。
【0025】請求項8の水銀蒸気放電ランプは、水銀放
出物質としてアマルガムを有しているので、高温動作で
高効率を得ることができる。またアマルガムが不純ガス
を吸収するゲッター物質を具備しているので、アマルガ
ムが吸蔵している不純ガスを吸収できる。
【0026】請求項9の照明装置は、不純ガス発生の小
さい、従って動作の安定した水銀蒸気放電ランプを使用
しているので照明装置としても安定した動作が得られ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の請求項1ないし5および7に
対応する第1の実施例を図1を参照して説明する。
【0028】図1は、蛍光ランプ10の一部を破断した
断面により示す正面図である。図において、11は透光
性気密容器で、例えば管内径27mm、管長1198m
mの細長いガラス管からなり、内部には水銀およびアル
ゴン等の1200パスカル程度の希ガスを含む可電離性
媒体が封入されている。12は透光性気密容器の内側例
えば内面に形成した蛍光体被膜である。この蛍光体被膜
12は、良く知られている3波長発光形蛍光ランプに使
用される希度類金属発光蛍光体である。このものは赤、
青、緑に各々発光する3種の混合蛍光体からこうせいさ
れる。これらの蛍光体のかわりに、従来から使用され、
安価なアンチモンマンガン共付活ハロりん酸カルシウム
蛍光体を使っても良い。13は気密容器内部の陽光柱放
電を維持するための手段例えば電極である。
【0029】14は複数個の水銀放出基体で、透光性気
密容器内に移動可能に封入され、水銀を放出した後は水
銀を吸収しない多孔質のものである。この水銀放出基体
は、粒径が1mm以下の場合は嵩比重が6.8以下、粒
径が1.2mm以下の場合は嵩比重が4.7以下、粒径
が1.5mm以下の場合は嵩比重が1.2以下とされ
る。なお、15はステム、16は口金、17は口金ピン
である。
【0030】このような蛍光ランプ10は、図2に示す
ような照明器具に搭載される。ひの照明器具は器具本体
20にソケット21を介して蛍光ランプ10が接続固定
されている。器具本体には点灯回路としての安定器22
が内蔵されている。
【0031】次に、上記蛍光ランプ10の製造方法を説
明する。ガラス管11に常法により蛍光体被膜12を形
成し、管の両端に電極13を有するステム15を封着す
る。その後ガラス管を500℃以上に加熱しつつ排気
し、その後希ガスおよび水銀を含む複数個の水銀放出物
質をガラス管の一端に接続された細管18を経由して封
入する。この後ガラス管11の余熱または別途若干の加
熱により、水銀放出物質が水銀放出温度(約350℃)
以上に加熱されて水銀を放出する。水銀放出物質は水銀
放出後、水銀を殆ど残留しない水銀放出基体14とな
る。
【0032】水銀放出基体14として例えば亜鉛を使用
する場合、水銀放出物質はZnとHgのそれぞれが49
重量%の合金とし、2重量%のZr−Alからなるゲッ
ター物質が混合されている。Zr−Al等のZr系ゲッ
ター以外に、例えばTaなどが使用できる。
【0033】ランプの定格値がたとえば、入力40W、
電流420mA、電圧106Vであるとすれば、このよ
うなランプの中に必要な水銀量は約4mgであり、この
量を封入するため2重量%のZr−Al含有のZn−H
g合金(ZnとHgは等量)からなる水銀放出基体14
は約8mg必要となり、直径1.2mgの粒が1個必要
となる。
【0034】一度放出された水銀は、水銀放出基体14
に実質的に再度吸収されることはない。再度吸収しない
のは、この水銀放出基体14がアマルガムではないから
である。水銀放出前の合金の比重は9.3であるが、水
銀放出温度以上で容器を加熱すると、水銀は放出され、
嵩比重が4.7の亜鉛を主体とする水銀放出基体14が
容器内に移動可能な状態で残留する。同様にZ9.5
%、Zr−Alゲッター0.5%、Hg90%の合金で
は水銀放出前は比重が12.4であるが、放出後は1.
2となる。
【0035】上記の低圧水銀蒸気放電ランプは以上詳述
したような構成なので、以下の作用効果がある。
【0036】水銀放出物質を加熱して水銀を放出するの
で、水銀と同時に水銀放出基体14に吸蔵されていた水
分や酸素、二酸化炭素等のランプ内でランプ電圧を増加
させる原因となる不純ガスが放出される。しかしなが
ら、この不純ガスは水銀放出基体14に混合されている
ゲッターに管内に放出される前に元から吸収されて不所
望なランプ電圧増加を抑制することができる。この結
果、ランプ電圧増加に基づく点滅不良、不点灯、短寿命
を抑制できる。
【0037】本実施例のとおり、水銀放出基体14にゲ
ッターを含有させた蛍光ランプと、ゲッターを含有しな
い水銀放出基体を使った蛍光ランプとの、寿命初期にお
ける始動電圧を測定したところ、各々10本の平均値
で、実施例品が174V、従来品が183Vであった。
【0038】また、不純ガス放出により、ランプ電圧お
よび始動電圧が上昇し、そのため電極物質が始動の際に
飛散しやすくなり、この電極物質の飛散が寿命中に外観
の黒化をもたらす。この外観の黒化程度を、視感評価に
より判定した結果を表1に示す。実施例品および従来品
ともに10本の平均値を表している。なお、評価点10
は、全く黒化がみられない、評価点9は、注意してやっ
と黒化に気付く程度、評価点8は、わずかに黒化がみら
れる程度、評価点5は、黒化がきわめて目だつ程度、評
価点7および6はその中間を意味する。この結果から
も、本実施例品が優れていることがわかる。
【0039】
【表1】 従来のように液状水銀を封入した場合には、水銀に不純
ガスが吸蔵されていることは、希であり、かわって寿命
中に蛍光体被膜に吸蔵されている不純ガスがランプ電圧
増加をもたらし、短寿命の原因になっているが、上記実
施例のランプは、水銀放出基体14に混合されているゲ
ッターが蛍光体被膜12から発生する不純ガスをも吸収
するので、ランプ電圧増加を従来品以上に抑制できる。
さらにゲッター物質は、粒状の水銀放出物質に混合する
だけでよく、容易に所望の水銀放出物質が得られる。
【0040】また水銀放出基体14が、水銀を放出した
後は実質的に水銀を再吸収しないので、アマルガムと異
なり、再吸収する量を見込むことなく定量封入が容易に
行える。また水銀放出基体14は移動可能に収容されて
いるので、格別な固定手段を必要としない。特に、複数
の粒にして封入しているので、水銀放出基体の移動によ
って蛍光体被膜12が傷つくおそれを低減できる。
【0041】本発明は上記実施例に限定されない。ゲッ
ターは水銀放出基体14に混合されるものに限らず、た
とえば、図3に模式的に示したように粉末状にしたもの
を水銀放出基体14の表面に層状に被覆層25を形成し
たものであってもよい。この場合、ゲッター物質を、水
銀放出物質の製造後に簡単に付加することができる。ま
た、水銀放出基体14の表面にゲッターが十分形成され
ているので、一度管内に放出された不純ガスも、十分に
吸収できる。
【0042】また水銀放出基体14は移動可能に収容さ
れるものに限らず、ガラス管11内の特定位置に固着し
ても良い。特定位置に固着すれば、移動することによる
蛍光体被膜12の傷の付くおそれがなくなる。特に粒を
大きくした場合には、移動可能とするのではなく、固定
した方が好ましい。この場合、水銀放出基体14は、た
とえば蛍光体被膜12の形成されていないガラス管11
内壁に固着すれば、固着もしやすくなり、特に図4に示
すようにガラス管11の端部に、環形蛍光ランプなどに
みられる環形に成形するために成型された節部26があ
れば、水銀放出基体14はこの節部26に固着しやす
い。特にこの節部26はメインチューブとフレアチュー
ブとの接合部付近なので、接合のための熱加工により内
表面が荒れて粗面となっており、水銀放出基体14がさ
らに強固に付着しやすい。
【0043】さらにこの水銀放出基体14を固着させる
場合、細管18内に固着することも可能であり、特にこ
の場合には、加熱により水銀を放出させるとき、水銀が
爆発的に放出されることがあり、このような爆発的水銀
放出がなされると、蛍光体被膜12に水銀が付着して外
観不良となるが、水銀放出基体14を細管18内に固着
すると、このような爆発的水銀放出があっても蛍光体被
膜12に水銀が付着して外観不良となることはない。
【0044】さらに水銀放出基体14は亜鉛だけでな
く、他の金属でも水銀放出後実質的に再度水銀を吸収し
ない合金を形成することが可能であり、さらに例えば、
合金を形成しないガラスやセラミックを多孔質に形成し
てこの孔内に水銀を含浸させることで水銀放出後実質的
に再度水銀を吸収しない性質をもたせることができる。
また、金属やガラス、セラミックは固形粒状に成形しや
すく、したがって定量封入しやすい。このような多孔質
のガラスやセラミックの場合も、その孔のなかに通常以
上の不純ガスを吸蔵しているので、ゲッターの効果は極
めて高い。
【0045】さらに、水銀放出基体14は、いわゆるア
マルガムと呼ばれ、水銀蒸気圧が純水銀よりも低く、そ
の位置における温度によって水銀を放出したり、余分な
水銀を吸収したりして水銀蒸気圧を制御できる合金であ
ってもよい。この場合、水銀放出基体14は、容器11
内の水銀蒸気圧を適切に制御できる特定位置に固定する
事が必要となる。このようなアマルガムを使用した場合
には、高温雰囲気であっても、適正水銀蒸気圧が得ら
れ、高効率の蛍光ランプが得られる。
【0046】低圧水銀蒸気放電ランプとして、蛍光体被
膜12は必須ではなく、例えば水銀輝線の254nmを
直接利用する紫外線ランプであってもよい。この場合、
透光性気密容器は、通常の軟質ガラスでは、紫外線が透
過しないので、これを透過させるために、石英ガラスな
どを用いる必要がある。
【0047】さらに本発明は、低圧水銀蒸気放電ランプ
に限らず高圧水銀蒸気放電ランプであっても良く、さら
に無電極放電ランプと称されるものであって、透光性気
密容器の外壁に外部電極を添設して高周波電界を印加し
て放電させるものや、高周波コイルにより放電させるも
のなどでもよい。
【0048】
【発明の効果】請求項1ないし7の発明によれば、水銀
放出基体が吸蔵している不純ガスを吸収し、気密容器内
のガス雰囲気が適切に保たれるので、点滅不良、不点
灯、短寿命が低減し、品質の向上した水銀蒸気放電ラン
プが得られる。
【0049】さらに請求項2の発明によれば、ゲッター
物質が粒状の水銀放出基体の表面に層状に被覆されてい
る場合には、水銀放出物質から水銀とともに放出される
不純ガスをその最外表で効率よく吸収でき、ゲッター物
質が粒状の水銀放出物質に混合されている場合には、容
易に所望の水銀放出物質が得られるとともに、不純ガス
をその根元から吸収できる。したがって、いずれの場合
も品質のより向上した水銀蒸気放電ランプが得られる。
【0050】請求項3の発明によれば、水銀放出基体
が、水銀を放出した後は実質的に水銀を吸収しないの
で、どこに固定しても、あるいは固定しなくても安定な
動作が得られ、確実な品質を有する水銀蒸気放電ランプ
が得られる。
【0051】請求項4の発明によれば、加熱するだけで
水銀を放出できるので、製造が容易でである。
【0052】請求項5の発明によれば、通常のランプ製
造工程を変えることなく、水銀を封入できるので、製造
コストの上昇を抑制できる。
【0053】請求項6の発明によれば、水銀放出基体
が、透光性気密容器内に移動可能に封入されているの
で、取付固定が不要であり、このため通常のランプ製造
工程を変えることなく、製造コストの上昇を抑制でき
る。
【0054】請求項7の発明によれば、水銀放出基体
が、透光性気密容器内壁に固着されているので、蛍光体
被膜が形成されている場合には、その蛍光体被膜を傷つ
けず、外観が良好な状態を維持できる。また、耳障りな
異音の発生を防止できる。
【0055】請求項8の発明によれば、アマルガムが不
純ガスを吸収するゲッター物質を具備しているので、ア
マルガムが吸蔵している不純ガスを吸収でき、気密容器
内のガス雰囲気が適切に保たれるので、点滅不良、不点
灯、短寿命が低減し、品質の向上した水銀蒸気放電ラン
プが得られる。特にこの発明によれば、高温動作で高効
率の水銀蒸気放電ランプを得ることができる。
【0056】請求項9の照明装置は、不純ガス発生の小
さい、従って動作の安定した水銀蒸気放電ランプを使用
しているので照明装置としても安定した動作が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水銀蒸気放電ランプの一実施例を示す
一部を破断して示す正面図である。
【図2】本発明の水銀蒸気放電ランプを搭載した照明器
具の正面概念図である。
【図3】本発明の他の実施例の水銀蒸気放電ランプに使
用される水銀放出基体の断面概念図である。
【図4】本発明の他の実施例の水銀蒸気放電ランプの一
部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10…蛍光ランプ、11…透光性気密容器、12…蛍光
体被膜 13…放電を生起維持するための手段(電極)、14…
水銀放出基体 18…細管、20…器具本体、25…被覆層、26…節
部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水銀を含む放電媒体を封入した透光性気密
    容器と;透光性気密容器内部に放電を生起維持するため
    の手段と;透光性気密容器内に封入された粒状の水銀放
    出基体と;を具備し、 水銀放出基体は透光性気密容器内の不純ガスを吸収する
    ゲッター物質を具備していることを特徴とする水銀蒸気
    放電ランプ。
  2. 【請求項2】ゲッター物質は、粒状の水銀放出基体の表
    面に層状に被覆され、または粒状の水銀放出基体内に混
    合されていることを特徴とする請求項1記載の水銀蒸気
    放電ランプ。
  3. 【請求項3】水銀放出基体は、水銀を放出した後は実質
    的に水銀を吸収しないことを特徴とする請求項1または
    2記載の水銀蒸気放電ランプ。
  4. 【請求項4】水銀放出基体は、水銀と合金を形成し、比
    較的低温で水銀を放出する金属またはガラスもしくはセ
    ラミックスのずれかからなることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか一記載の水銀蒸気放電ランプ。
  5. 【請求項5】粒状の水銀放出基体は、排気管内を通過可
    能な大きさであることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれか一記載の水銀蒸気放電ランプ。
  6. 【請求項6】粒状の水銀放出基体は、透光性気密容器内
    に移動可能に封入されていることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれか一記載の水銀蒸気放電ランプ。
  7. 【請求項7】水銀放出基体は、透光性気密容器内壁に固
    着されていることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか一記載の水銀蒸気放電ランプ。
  8. 【請求項8】水銀を含む放電媒体を封入した透光性気密
    容器と;透光性気密容器内部に放電を生起維持するため
    の手段と;透光性気密容器内に封入されたアマルガム
    と;を具備し、 アマルガムは透光性気密容器内の不純ガスを吸収するゲ
    ッター物質を具備していることを特徴とする水銀蒸気放
    電ランプ。
  9. 【請求項9】装置本体と、この装置本体に搭載される請
    求項1ないし8のいずれか一記載の水銀蒸気放電ランプ
    と、からなることを特徴とする照明装置。
JP2577694A 1994-02-24 1994-02-24 水銀蒸気放電ランプおよび照明装置 Pending JPH07235282A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004025689A1 (en) * 2002-09-12 2004-03-25 Colour Star Limited A mercury gas discharge device
JP2009543315A (ja) * 2006-07-11 2009-12-03 サエス ゲッターズ ソチエタ ペル アツィオニ 水銀放出方法

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